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特許7068547ベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ
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  • 特許-ベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ 図1
  • 特許-ベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ 図2
  • 特許-ベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】ベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ
(51)【国際特許分類】
   F16C 35/02 20060101AFI20220509BHJP
   F16C 23/04 20060101ALI20220509BHJP
   F16C 43/02 20060101ALI20220509BHJP
   F16C 17/04 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
F16C35/02 Z
F16C23/04 Z
F16C43/02
F16C17/04 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021510956
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019070786
(87)【国際公開番号】W WO2020043424
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】102018120808.1
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598113922
【氏名又は名称】レンク・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・ローマン
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ・ヴィンテル
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・デッカー
【審査官】筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-516908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/240389(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/230798(US,A1)
【文献】米国特許第4966474(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 35/02
F16C 23/04
F16C 43/02
F16C 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローター(1)を固定ハウジング(2)内に取り付けるためのベアリングアセンブリであって、
前記ハウジング(2)に固定された複数のスライドベアリングセグメント(3)を有し、各スライドベアリングセグメント(3)は、前記ローター(1)のコンポーネントセクションのスライド面(7)上でそれ自体を支持するスライドベアリングボディ(6)を具備し、
各スライドベアリングセグメント(3)の領域において、それぞれの前記スライドベアリングボディ(6)と、その上で前記スライドベアリングボディ(6)がそれ自体を支持する、それぞれの前記コンポーネントセクションの前記スライド面(7)との間のベアリングクリアランスは、調整ネジ(8)によって調整可能であり、
それぞれの前記調整ネジ(8)は雄ネジ(10)を具備し、それを介して、雌ネジ(11)を具備する前記ハウジング側のリセス(9)内にねじ込むことができ、
それぞれの前記調整ネジ(8)は、前記調整ネジ(8)のセクション(13,14)によって両側において軸方向に制限される、外周上の溝(12)を具備し、
少なくとも一つのクランプネジ(16)が、前記調整ネジ(8)の溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)を通って、したがって前記溝(8)を通って延びており、前記クランプネジ(16)を介して、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)をクランプすることができ、その結果、それぞれの前記調整ネジ(8)をそれぞれの前記リセス(9)内でロックできる、ベアリングアセンブリ。
【請求項2】
複数のクランプネジ(16)が、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、それぞれの前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)を通って、したがって前記溝(12)を通って延在することを特徴とする請求項1に記載のベアリングアセンブリ。
【請求項3】
それぞれの前記クランプネジ(16)の長手方向中心軸線が、それぞれの前記調整ネジ(8)の長手方向中心軸線と平行に延びることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベアリングアセンブリ。
【請求項4】
それぞれの前記クランプネジ(16)は、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、それぞれの前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)の孔(17,18)を通って延び、前記セクションの一方の孔はネジ無し貫通孔として具現化され、前記セクションの他方の孔はネジ孔として具現化されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のベアリングアセンブリ。
【請求項5】
それぞれの前記クランプネジ(16)が、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)を通り、前記溝(12)の領域においては、前記溝(12)の溝基部(15)から離間されて前記溝を通って延びることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のベアリングアセンブリ。
【請求項6】
各スライドベアリングセグメントの領域においてベアリングクリアランスを調整するための調整ネジ(8)であって、
前記調整ネジ(8)は雄ネジ(10)を具備し、
それぞれの前記調整ネジ(8)は外周に溝(12)を具備し、これは、調整ネジ(8)のセクション(13,14)によって両側において軸方向に制限されており、
少なくとも一つのクランプネジ(16)は、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)を通って、したがって前記溝(12)を通って延び、このクランプネジ(16)を介して、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)をクランプすることができることを特徴とする調整ネジ。
【請求項7】
複数のクランプネジ(16)が、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)を通って、したがって前記溝(12)を通って延びることを特徴とする請求項6に記載の調整ネジ。
【請求項8】
それぞれの前記クランプネジ(16)の長手方向中心軸線が前記調整ネジ(8)の長手方向中心軸線と平行に延びることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の調整ネジ。
【請求項9】
それぞれの前記クランプネジ(16)は、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、それぞれの前記調整ネジ(8)の前記セクション(13,14)における孔(17,18)を通って延び、前記孔は、前記セクションの一方においてネジ無し貫通孔として具現化され、前記孔は、前記セクションの他方において、ネジ孔として具現化されることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の調整ネジ。
【請求項10】
それぞれの前記クランプネジ(16)が、前記調整ネジ(8)の前記溝(12)を軸方向に制限する、前記調整ネジ(8)のセクション(13,14)を通り、前記溝(12)の領域においては前記溝(12)の溝基部(15)から離間させられて延びることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の調整ネジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベアリングアセンブリに関する。また、本発明はベアリングクリアランスを調整するための調整ネジに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のベアリングセグメントを有するベアリングアセンブリがよく知られている。特に、複数のスライドベアリングセグメントを有するスライドベアリングアセンブリが知られている。スライドベアリングセグメントは、アキシャルスライドベアリングセグメントまたはラジアルスライドベアリングセグメントであることがある。ベアリングアセンブリのスライドベアリングセグメントは、ハウジングまたは代替的にローターに優先的に固定される。各スライドベアリングセグメントは、優先的にはローターのまたは代替的にはハウジングのコンポーネントセクションのスライド面上でそれ自体を支持するスライドベアリングボディを備える。スライドベアリングボディとスライド面との間には、規定のベアリングクリアランスが必要であり、実際に知られているベアリングアセンブリでは、これはアセンブリシムを使用して調整できる。このようなアセンブリシムによるベアリングクリアランスの調整は面倒であり、したがって時間がかかる。この目的のために、ベアリングシムの正確な厚さを決定するべく、ベアリングセグメントを頻繁に取り付けたり取り外したりする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ベアリングクリアランスをより簡単に調整できるベアリングアセンブリが求められている。これに鑑みて、本発明は、新規なベアリングアセンブリおよびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジを創出するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載のベアリングアセンブリによって解決される。
【0005】
本発明に係るベアリングアセンブリは、固定ハウジング内にローターを取り付ける役割を果たす。ベアリングアセンブリは、優先的にハウジングに対して固定された複数のスライドベアリングセグメントを具備し、各スライドベアリングセグメントは、優先的にローターのコンポーネントセクションのスライド面上でそれ自体を支持するスライドベアリングボディを具備する。
【0006】
各スライドベアリングセグメントの領域において、それぞれのスライドベアリングボディと、その上でスライドベアリングボディがそれ自体を支持するそれぞれのコンポーネントセクションのスライド面との間のベアリングクリアランスは、調整ネジによって調整可能である。
【0007】
それぞれの調整ネジは雄ネジを有し、それを介して、優先的に、雌ネジを有するハウジング側のリセスにねじ込むことができる。外周において、それぞれの調整ネジは、調整ネジのセクションによって両側において軸方向に制限された溝を具備する。
【0008】
少なくとも一つのクランプネジが、調整ネジの溝を軸方向に制限する、調整ネジのセクションを通って、したがってまた溝を通って延び、このクランプネジを介して、調整ネジの溝を制限する調整ネジのセクションをクランプすることができ、その結果、それぞれの調整ネジをそれぞれのリセス内でロックすることができる。
【0009】
本発明に係るベアリングアセンブリにおいては、ベアリングクリアランスは、それぞれの調整ネジによって、それぞれのスライドベアリングセグメントの領域で調整される。少なくとも一つのクランプネジによって、それぞれの調整ネジをクランプして、これによってロックすることができる。ベアリングボディを何度も取り付けたり取り外したりすることなく、短時間でベアリングクリアランスの簡単な調整が可能である。それぞれのベアリングクリアランスを調整するための調整ネジは、その正しい位置で、それぞれの調整ネジと相互作用する少なくとも一つのクランプネジによってロックされる。
【0010】
本発明の有利なさらなる展開によれば、それぞれのクランプネジは、調整ネジの溝を軸方向に制限する、それぞれの調整ネジのセクションの孔を通って延在し、セクションの一つの孔はネジ無し貫通孔として具現化され、そして、セクションの他方における孔はネジ孔として具現化される。これにより、それぞれの調整ネジを受け入れるリセス内で、それぞれの調整ネジを特に有利にクランプすることができる。
【0011】
本発明の有利なさらなる展開によれば、それぞれのクランプネジは、調整ネジの溝を軸方向に制限する調整ネジのセクションを通り、そして溝の領域においては、もっぱら溝の溝基部から離間させられて溝を通って延びる。これもまた、それぞれの調整ネジを受け入れるリセス内で、それぞれの調整ネジを有利にクランプするのに有利である。
【0012】
本発明によるベアリングクリアランスを調整するための調整ネジは請求項6に記載されている。
【0013】
本発明の好ましいさらなる展開は、従属請求項および以下の説明から得られる。
【0014】
本発明の例示的な実施形態について、これに限定されることなく、図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るベアリングアセンブリの断面図である。
図2】ベアリングアセンブリ、すなわちベアリングクリアランス調整ネジの拡大正面図である。
図3図2の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、固定ハウジングにローターを取り付けるためのベアリングアセンブリ、およびベアリングクリアランスを調整するための調整ネジに関する。
【0017】
本発明に係るベアリングアセンブリは、特に、風力タービンの固定ハウジングに風力タービンのローターを取り付けるために、すなわち、ローターブレードを介して駆動される風力タービンのいわゆるメインローターを取り付けるために機能する。
【0018】
図1は、ハウジング2にローター1を取り付けるために機能するベアリングアセンブリを示している。
【0019】
図1のベアリングアセンブリは、複数のスライドベアリングセグメント3を具備し、これらは、図示された例示的な実施形態では、アキシャルスライドベアリングセグメントとして具現化される。本発明は、アキシャルスライドベアリングセグメントには限定されず、ラジアルスライドベアリングセグメントと共に使用することもできる。
【0020】
図1の例示的な実施形態では、スライドベアリングセグメント3はハウジング2に固定されているので、図1のスライドベアリングセグメント3は、ハウジング側のスライドベアリングセグメントである。各スライドベアリングセグメント3はハウジング側マウント4を具備し、これは、それぞれ少なくとも一つの取り付けネジ5によってハウジング2に固定される。それぞれのマウント4は、ローター1のスライド面7上でそれ自体を支持するスライドベアリングボディ6を収容する。
【0021】
図示されている例示的な実施形態とは対照的に、スライドベアリングセグメントはローター1に固定されるローター側スライドベアリングセグメントであってもよく、この場合、それぞれのスライドベアリングセグメントのスライドボディは、ハウジングのスライド面7上でそれ自体を支持する。
【0022】
ベアリングアセンブリの適切な動作のために、それぞれのスライドベアリングセグメント3の領域でベアリングクリアランスを調整することが重要であり、ここでベアリングクリアランスは、それぞれのスライドベアリングボディ6とスライド面7(その上でスライドベアリングボディ6はそれ自体を支持する)との間のギャップによって画定される。
【0023】
調整ネジ8は、このベアリングクリアランスを調整する役割を果たす。各スライドベアリングセグメント3の領域において、それぞれのスライドベアリングボディ6と、その上でスライドベアリングボディ6がそれ自体を支持するスライド面7との間のそれぞれのベアリングクリアランスは、それぞれ少なくとも一つの調整ネジ8によって調整可能である。
【0024】
それぞれの調整ネジ8は、それぞれのスライドベアリングセグメント3のマウント4のそれぞれのリセス9に受け入れられる。
【0025】
ここで、それぞれの調整ネジ8は、それぞれの調整ネジ8を受け入れるリセス9の雌ネジ11と相互作用する雄ネジ10を有する。それぞれの調整ネジ8の雄ネジ10と、それぞれのリセス9の雌ネジ10との相互作用によって、それによってスライドベアリングボディ6と、(その上でスライドベアリングボディ6がそれ自体を支持する)スライド面7との間のギャップを調整するために、調整ネジ8を、それぞれのスライドベアリングセグメント3のマウント4のリセス9にねじ込むことができる。
【0026】
その外周において、それぞれの調整ネジ8は、溝12に対して半径方向に突出する調整ネジ8のセクション13,14によって両側で軸方向に制限される溝12を備える。したがって、調整ネジ8の雄ネジ10は、溝12の領域で中断されている。軸方向の両側において、調整ネジ8の溝12は、調整ネジ8のセクション13および14によって制限されている。内側において、調整ネジ8の溝12は、その溝基部15によって制限されている。
【0027】
少なくとも一つのクランプネジ16が、溝12を軸方向に制限する調整ネジ8のセクション13,14を通って、したがって溝12を通って延在する。優先的には、各調整ネジ8について、少なくとも二つの、好ましくは少なくとも四つの、特に好ましくは少なくとも六つの、そうしたクランプネジ16が存在する。
【0028】
クランプネジ16を用いて、調整ネジ8の溝12を軸方向に制限する調整ネジ8のセクション13,14を互いにクランプすることができ、その結果、調整ネジ8は、それを受け入れるそれぞれのスライドベアリング3(これはまたそれぞれのスライドベアリングボディ6を受け入れる)のマウント4のそれぞれのリセス内9内でロックされる。それぞれの調整ネジ8は、操作中に、もはや意図せずに緩むことはなく、それは、むしろ、クランプネジ16によって、その正しい位置においてロックされる。
【0029】
クランプネジ16の長手方向中心軸線は、それぞれの調整ネジ8の長手方向中心軸線に平行に延びる。それぞれのクランプネジ16は、それぞれの調整ネジ8のセクション13,14の孔17,18を通って延びる。孔17,18を有するこれらのセクション13,14は、溝12を軸方向に制限するセクションである。それぞれのクランプネジ16は、調整ネジ8のこれらのセクション13,14を通り、そして溝12の領域において、もっぱら、溝12の溝基部15から半径方向に離間させられて溝12を通って延びる。
【0030】
クランプネジ16のための孔17,18は、調整ネジ8のセクション17の一つ、すなわちセクション17の図示の例示的な実施形態では、ネジ孔として具現化され、調整ネジ8の他方のセクション14においてはネジ無し貫通孔として具現化される。
【0031】
次に、それぞれのクランプネジ16は、ネジ無し貫通孔を通って延びるセクションに雄ネジを持たないが、それぞれのクランプネジ16は、むしろ、ネジ孔に係合するその特定のセクションに雄ネジを有する。それぞれのクランプネジ16は、それぞれの調整ネジ8上の、すなわちその軸方向面上のネジ頭部19によってそれ自体を支持する。
【0032】
したがって、本発明によれば、スライドベアリングセグメントを備えたベアリングアセンブリにおいて、ベアリングクリアランスを容易かつ簡便に調整することができる。この目的のために、少なくとも一つの調整ネジ8が各スライドベアリングセグメント3のために採用されるが、この調整ネジ8は雄ネジ10を有し、これは、対応する雌ネジ11が形成されたそれぞれのスライドベアリングセグメント3のマウント4のリセス内に、この雄ネジ10を介してねじ込むことができる。ここで、調整ネジ8は、その外周面に、雄ネジ10を中断する溝12を具備し、したがって、溝12を軸方向に制限する二つのセクション13および14を形成する。内部では、溝12は溝基部15によって制限される。上記または各クランプネジ16は、クランプネジ8のセクション13および14をクランプして、これらが意図せずに緩むのを防ぐためように機能する。それぞれのクランプネジ16は、もっぱら、溝12を軸方向に制限するセクション13を通って延びるが、溝12の溝基部15を画定する、セクション13間に配置される調整ネジの中央セクション20を通っては延びていない。
【0033】
したがって、ベアリングクリアランスを調整するために、調整ネジ8は、スライドベアリングセグメント3のマウント4のそれぞれのリセス9内の決められた位置へとねじ込まれる。その過程において、調整ネジ8の雄ネジ10の逃げ面クリアランスは、クランプネジ16を締めることにより、リセス9の雌ネジ11に対して完全に除去される。最初、クランプネジは、逃げ面クリアランスが除去されるまでしか締め付けられないが、調整ネジ8は依然として回転させることができる。したがって、調整されたベアリングクリアランスが影響を受けて、逃げ面クリアランスによって重畳されることが防止される。
【0034】
ベアリングクリアランスは、調整ネジ8をさらに回すことによって調整される。いったんベアリングクリアランスが調整されると、クランプネジ16は、決められた公称トルクで締め付けられ、したがって調整ネジ8は最終的にその正しい位置でロックされ、もはや回転することはできない。
【0035】
ネジ10の逃げ面クリアランスが除去されなければ、逃げ面クリアランスの大きさのオーダーで調整ネジ8のクランプによって調整されたベアリングクリアランスが変化するリスクがある。
【符号の説明】
【0036】
1 ローター
2 ハウジング
3 スライドベアリングセグメント
4 マウント
5 固定ネジ
6 スライドボディ
7 スライド面
8 調整ネジ
9 リセス
10 雄ネジ
11 雌ネジ
12 溝
13 セクション
14 セクション
15 溝基部
16 クランプネジ
17 孔
18 孔
19 ネジ頭
20 セクション
図1
図2
図3