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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】検査用ソケット
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20220510BHJP
   H01R 33/76 20060101ALI20220510BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20220510BHJP
【FI】
G01R1/067 C
H01R33/76 505Z
G01R31/26 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018068179
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019178947
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000177690
【氏名又は名称】山一電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄二
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡史
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-191553(JP,A)
【文献】特開2009-115463(JP,A)
【文献】米国特許第08994393(US,B2)
【文献】国際公開第00/003250(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0269999(US,A1)
【文献】特開2011-252766(JP,A)
【文献】国際公開第2006/009070(WO,A1)
【文献】特開2007-178165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
H01R 33/76
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向の一端に検査デバイスに接触するデバイス側端部、及び、該デバイス側端部の反対側の他端に検査基板に接触する基板側端部を有する複数のコンタクト端子と、
各前記コンタクト端子が挿通される複数の貫通孔が形成され、これらコンタクト端子の前記軸線方向における中央部に位置する導電性を有する中央ハウジングと、
前記中央ハウジングに対して前記軸線方向に積層され、前記軸線方向に対して直交する方向の前記コンタクト端子の位置決めを行う位置決め穴が形成された位置決め用樹脂基板と、
前記中央ハウジングとの間で前記位置決め用樹脂基板を挟むように前記軸線方向に積層された導電性を有する端部側ハウジングと、
を備え、
前記位置決め用樹脂基板は、前記軸線方向に導電経路を形成する導電部を有し、
前記導電部は、前記位置決め用樹脂基板の表面及び裏面に形成された導電層と、前記表面の前記導電層と前記裏面の前記導電層とを導通するように設けられた貫通ビアとを備え、
前記コンタクト端子は、信号用コンタクト端子と、電源用コンタクト端子と、を備え、
隣り合う前記信号用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴の間、及び/又は、前記信号用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴と、前記電源用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴との間に、前記貫通ビアが設けられている検査用ソケット。
【請求項2】
各前記コンタクト端子は、前記デバイス側端部を有するデバイス側プランジャと、前記基板側端部を有する基板側プランジャと、前記デバイス側プランジャ及び前記基板側プランジャの間に設けられ、前記デバイス側プランジャの基端部側及び前記基板側プランジャの基端部側を前記軸線方向に往復動可能に支持するバレル部と、を備え、
前記位置決め用樹脂基板に形成された前記位置決め穴は、前記バレル部に対して接触している請求項1に記載の検査用ソケット。
【請求項3】
前記デバイス側プランジャ及び/又は前記基板側プランジャの前記軸線方向における往復動をガイドするガイド穴が形成されるとともに、前記軸線方向に導電経路を形成する導電部を有するガイド用樹脂基板を備えている請求項2に記載の検査用ソケット。
【請求項4】
前記位置決め用樹脂基板及び/又は前記ガイド用樹脂基板は、プリント基板とされている請求項3に記載の検査用ソケット。
【請求項5】
前記導電部は、前記ガイド用樹脂基板の表面及び裏面に形成された導電層と、前記表面の前記導電層と前記裏面の前記導電層とを導通するように設けられた貫通ビアとを備えている請求項3又は4に記載の検査用ソケット。
【請求項6】
隣り合う前記信号用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴の間、及び/又は、前記信号用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴と、前記電源用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴との間に、前記貫通ビアが設けられている請求項5に記載の検査用ソケット。
【請求項7】
前記検査デバイスに接触するデバイス側ハウジングと、
前記検査基板に接触する基板側ハウジングと、
を備え、
前記デバイス側ハウジングの前記検査デバイスに接触する領域に、絶縁層が形成され、且つ/又は、前記基板側ハウジングの前記検査基板に接触する領域に、絶縁層が形成されている請求項1から6のいずれかに記載の検査用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICパッケージ等の電子デバイスを検査する検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器などに実装されるICパッケージ等の電子デバイスは、一般に、配線基板に実装される前の段階でその潜在的欠陥を除去するための試験が検査用ソケットを用いて行われる。検査用ソケットは、例えば、特許文献1にも示されるように、テストボード又は実装基板とされたプリント配線基板(検査基板)上に装着される。
【0003】
検査用ソケットは、例えば、1GHz以上とされたRF(Radio Frequency)信号が伝送される伝送路内に設けられる場合、検査用ソケットにおいて高周波数帯域の信号の伝送性能を高めるためにインピーダンス整合を図る方法が一般的に用いられる。このため、特許文献1のように、同軸プローブを構成する検査用ソケットを用いる。具体的には、コンタクト端子の外周部とコンタクト端子が挿入される金属ブロックの挿入孔との間に空気層を形成することで、信号用コンタクト端子を中心導体、挿入孔の内壁を外部導体として同軸プローブを構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4242199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、コンタクト端子と挿入孔とが同心となるように、金属ブロックに対して積層した絶縁性基板によってコンタクト端子を支持することで位置決めを行っている。
【0006】
しかし、絶縁性基板がコンタクト端子を支持する領域では絶縁性基板が外部導体とならないためコンタクト端子との間で同軸プローブを構成することができず、インピーダンス整合をとることができない。したがって、例えば10GHzを超えるような高周波信号に対しては反射やクロストークの影響によって特性が劣化し十分な性能が得られないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、インピーダンスの整合を精度良く行うことができる検査用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る検査用ソケットは、軸線方向の一端に検査デバイスに接触するデバイス側端部、及び、該デバイス側端部の反対側の他端に検査基板に接触する基板側端部を有する複数のコンタクト端子と、各前記コンタクト端子が挿通される複数の貫通孔が形成され、これらコンタクト端子の前記軸線方向における中央部に位置する導電性を有する中央ハウジングと、前記中央ハウジングに対して前記軸線方向に積層され、前記軸線方向に対して直交する方向の前記コンタクト端子の位置決めを行う位置決め穴が形成された位置決め用樹脂基板と、前記中央ハウジングとの間で前記位置決め用樹脂基板を挟むように前記軸線方向に積層された導電性を有する端部側ハウジングと、を備え、前記位置決め用樹脂基板は、前記軸線方向に導電経路を形成する導電部を有し、前記導電部は、前記位置決め用樹脂基板の表面及び裏面に形成された導電層と、前記表面の前記導電層と前記裏面の前記導電層とを導通するように設けられた貫通ビアとを備え、前記コンタクト端子は、信号用コンタクト端子と、電源用コンタクト端子と、を備え、隣り合う前記信号用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴の間、及び/又は、前記信号用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴と、前記電源用コンタクト端子が挿通する前記位置決め穴との間に、前記貫通ビアが設けられている
【0009】
中央ハウジングに対して積層された位置決め用樹脂基板を設け、位置決め用樹脂基板の位置決め穴にコンタクト端子を挿通することによって、軸線方向に直交する方向のコンタクト端子の位置決めが行われる。これにより、インピーダンスの整合が精度良く行われる。
位置決め用樹脂基板には、軸線方向に導通経路を形成する導電部を有しているので、位置決め用樹脂基板を介して中央ハウジングと端部側ハウジングとの間で導通が行われる。これにより、位置決め用樹脂基板が介挿されていてもインピーダンスの整合を精度良く行うことができる。したがって、例えば10GHzを超える高周波信号に対しても精度良く検査を行うことができる。
導電性のハウジングとしては、例えば、アルミ合金等の金属製の一体構造や積層構造、又は表裏面に導電層が設けられた複数のリジッド基板を積層したものが用いられる。
なお、位置決め用樹脂基板と中央ハウジングとの間、及び/又は、位置決め用樹脂基板と端部側ハウジングとの間に、積層方向に導電性を有する他の部材が積層されていても良い。
【0010】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、各前記コンタクト端子は、前記デバイス側端部を有するデバイス側プランジャと、前記基板側端部を有する基板側プランジャと、前記デバイス側プランジャ及び前記基板側プランジャの間に設けられ、前記デバイス側プランジャの基端部側及び前記基板側プランジャの基端部側を前記軸線方向に往復動可能に支持するバレル部と、を備え、前記位置決め用樹脂基板に形成された前記位置決め穴は、前記バレル部に対して接触している。
【0011】
軸線方向に往復動するデバイス側プランジャ及び基板側プランジャに対して、バレル部は軸線方向に往復動することがない。したがって、位置決め穴をバレル部に対して接触させることによってコンタクト端子を位置決めすることで、より精度良く位置決めを行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、前記デバイス側プランジャ及び/又は前記基板側プランジャの前記軸線方向における往復動をガイドするガイド穴が形成されるとともに、前記軸線方向に導電経路を形成する導電部を有するガイド用樹脂基板を備えている。
【0013】
プランジャの往復動をガイドするガイド穴を備えたガイド用樹脂基板を備えることによって、プランジャを軸線方向に沿って精度良く往復動させることができる。これにより、プランジャの往復動のストロークが長くても軸線方向から傾いた動作を抑制して周囲の部品(例えば導電性ハウジングなど)に接触することを回避することができ、誤作動を防止することができる。
ガイド用樹脂基板は、位置決め用樹脂基板と同様に、軸線方向に導電経路を形成する導電部を有するので、積層方向に導通を行うことによってインピーダンスの整合を精度良く行うことができる。
【0014】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、前記位置決め用樹脂基板及び/又は前記ガイド用樹脂基板は、プリント基板とされている。
【0015】
樹脂基板としてプリント基板(PCB)を用いることとした。プリント基板は、製造工程が技術的に確立されているため加工精度が良好で比較的安価に製作することができる。また、プリント基板として剛性を有するリジッド基板を用いることとすれば、板厚を薄くすることができ、インピーダンス整合に与える影響を可及的に抑えることができる。
また、プリント基板として、リジッド基板を複数層設けることとしても良く、またフレキシブル基板のみ、又はフレキシブル基板とリジッド基板との組み合わせを用いることとしても良い。
【0016】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、前記導電部は、前記ガイド用樹脂基板の表面及び裏面に形成された導電層と、前記表面の前記導電層と前記裏面の前記導電層とを導通するように設けられた貫通ビアとを備えている。
【0017】
樹脂基板の表裏面に導電層(例えば金属層)を形成し、これら表裏面の導電層の間に貫通ビアを設けることによって、樹脂基板の積層方向(板厚方向)に導電経路を形成することができる。
貫通ビアは、位置決め穴やガイド穴とは別に設けても良いし、位置決め穴やガイド穴を貫通ビアとして用いても良い。位置決め穴やガイド穴を貫通ビアとして用いる場合には、例えば、接地用コンタクト端子に対応した位置決め穴やガイド穴を用いる。ただし、信号用コンタクト端子や電源用コンタクト端子に形成した位置決め穴やガイド穴には導電部を設けずに絶縁性を確保しておくことが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、隣り合う前記信号用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴の間、及び/又は、前記信号用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴と、前記電源用コンタクト端子が挿通する前記ガイド穴との間に、前記貫通ビアが設けられている。
【0019】
信号用コンタクト端子と電源用コンタクト端子との間では、樹脂基板とされた領域で電気的に結合しクロストークの影響を受けるおそれがある。そこで、信号用コンタクト端子と電源用コンタクト端子との間に貫通ビアを設けることによって、クロストークを低減することとした。
【0020】
さらに、本発明の一態様に係る検査用ソケットでは、前記検査デバイスに接触するデバイス側ハウジングと、前記検査基板に接触する基板側ハウジングと、を備え、前記デバイス側ハウジングの前記検査デバイスに接触する領域に、絶縁層が形成され、且つ/又は、前記基板側ハウジングの前記検査基板に接触する領域に、絶縁層が形成されている。
【0021】
検査デバイスに接触するハウジングの領域に絶縁層を形成し、且つ/又は、検査基板に接触するハウジングの領域に絶縁層を形成することによって、ハウジングとショートすることを防止することができる。絶縁層としては、例えば、アルマイト等の陽極酸化皮膜や、塗装によって形成された絶縁膜を用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
軸線方向に導電経路を形成する導電部を有する位置決め用樹脂基板によってコンタクト端子を位置決めすることとしたので、インピーダンスの整合を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】検査用ソケットを示した斜視図である。
図1B図1Aの検査用ソケットの平面図である。
図1C図1Aの検査用ソケットの側面図である。
図1D図1Aの検査用ソケットの底面図である。
図2A図1Aの検査用ソケットの分解斜視図である。
図2B図2Aに対応した検査用ソケットの側面図である。
図3】ハウジングを示した部分縦断面図である。
図4】ハウジングとICパッケージとプリント配線基板を示した部分縦断面図である。
図5A】第2ハウジングを示した平面図である。
図5B図5AのA部を示した拡大図である。
図5C図5Bの切断線C-Cにおける断面図である。
図6】コンタクト端子を示した部分断面側面図である。
図7】検査用ソケットの組立工程を示した分解斜視図である。
図8】検査用ソケットの組立工程を示した分解斜視図である。
図9】検査用ソケットの第1変形例を示した部分縦断面図である。
図10】検査用ソケットの第1変形例を示した部分縦断面図である。
図11】蓋部を有する検査用ソケットを示した側面図である。
図12】蓋部を有する検査用ソケットを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1Aには、検査用ソケット1(以下、単に「ソケット1」という。)が示されている。ソケット1は、例えば、テストボードとしてのプリント配線基板(検査基板)上に配置される。ソケット1は、中央に凹所3が形成されており、この凹所3内にICパッケージ等の検査デバイスを挿入して設置するようになっている。ICパッケージとしては、本実施形態のようにBGA(Ball Grid Array)形状のものが用いられる。その他のICパッケージとしては、例えば、LGA(Land Grid Array)形状や、QFN(Quad Flat Non-leaded package)形状が用いられる。
【0025】
ソケット1は、外形状を構成するソケットベース5を備えている。ソケットベース5は、略正方形の上面5a及び底面5bを有する直方体とされている。ソケットベース5は、アルミ合金等の金属製とされており導電性を有する。
【0026】
図1Bに示すように、ソケット1は、四隅のそれぞれに実装のための実装用ねじ止め穴6を備えている。各実装用ねじ止め穴6内に雄ねじを挿入し、プリント配線基板に対してソケット1が固定されるようになっている。ソケット1の中央に形成した凹所3には、ICパッケージが載置されるハウジング7が収納されて固定される。
【0027】
図1Cに示すように、ソケットベース5の底面5bから下方に突出するように実装用位置決めピン8が設けられている。実装用位置決めピン8は、図1Dに示すように、ソケットベース5の底面5bの対角線上の角部(同図では右上と左下の角部)に2つ設けられている。
【0028】
図1Dに示すように、ハウジング7の四隅のそれぞれには、ハウジング固定用ねじ9が設けられている。これらハウジング固定用ねじ9によって、ハウジング7がソケットベース5に対して固定される。
【0029】
図2Aにはソケット1の分解斜視図が示されており、図2Bには図2Aに対応する側面図が示されている。
図2A及び図2Bに示すように、ソケットベース5に対して、ハウジング7が下方から収納されて固定される。ハウジング7は、上下方向(板厚方向)に複数の板状の部材が積層された積層構造とされており、同図において上方から下方に向かって、第1ハウジング(端部側ハウジング)11と、第2ハウジング(ガイド用樹脂基板)12と、第3ハウジング(端部側ハウジング)13と、第4ハウジング(ガイド用樹脂基板)14と、第5ハウジング(中央ハウジング)15と、第6ハウジング(位置決め用樹脂基板)16と、第7ハウジング(ガイド用樹脂基板)17と,第8ハウジング(端部側ハウジング)18とが設けられている。
【0030】
これら各ハウジング11乃至18を貫通するように、ハウジング固定用ねじ9及びコンタクト端子21が設けられる。
【0031】
第1ハウジング11は、アルミ合金等の金属製とされており、導電性を有する。第1ハウジング11の上面でかつICパッケージと接触する領域には、絶縁層が形成されている。これにより、ICパッケージと第1ハウジング11とがショートすることが回避されるようになっている。絶縁層としては、例えば、アルマイト等の陽極酸化皮膜や、塗装によって形成された絶縁膜を用いることができる。
【0032】
第1ハウジング11は、角部が面取りされた略正方形又は略長方形とされた外形状を有する板状体とされている。第1ハウジング11の厚さは、例えば0.03mm以上1.00mm以下、より具体的には0.50mm程度とされている。第1ハウジング11の四隅のそれぞれには、ハウジング固定用ねじ9が挿通する固定穴11aが形成されている。第1ハウジング11の対向する一対の角部の近傍のそれぞれには、第5ハウジング15に設けられた位置決めピン15bが挿通する位置決めピン用穴11bが形成されている。第1ハウジング11の中央領域には、各コンタクト端子21が挿通される貫通孔11cが複数形成されている。複数の貫通孔11cの配列は、ICパッケージの端子位置に対応している。
【0033】
各貫通孔11cは、図3に示すように、第1ハウジング11の板厚方向に一定とされた直径を有する円筒形状とされている。各貫通孔11cの直径は、コンタクト端子21のデバイス側プランジャ21aの直径よりも大きい。さらに、各貫通孔11cの直径は、図4に示すように、ICパッケージ50の底面に設けられたはんだボール(Sn合金ボール)50aの直径よりも大きい。
【0034】
図2A及び図2Bに示すように、第2ハウジング12は、剛性を有する樹脂基板とされたリジッド基板とされている。具体的には、第2ハウジング12は、プリント基板(PCB)とされている。プリント基板としては、ガラス繊維を布状に編んだガラス織布にエポキシ樹脂を滲みこませたガラスエポキシ基板や、ポリイミド(PI)基板などが用いられ、好ましくはポリエーテルイミド(PEI)基板よりも高強度のものが用いられる。
【0035】
プリント基板とされた第2ハウジング12の表面及び裏面には、導電層として金属層が形成されている。また、表裏面に形成しためっき層間を電気的に導通させるために、めっき付き穴である貫通ビアが設けられている。したがって、第2ハウジング12は、上方の第1ハウジング11と電気的に接続されているとともに、下方の第3ハウジング13とも電気的に接続されており、かつ、第1ハウジング11と第3ハウジング13とを電気的に接続している。
【0036】
第2ハウジング12は、角部が面取りされた略正方形又は略長方形とされた外形状を有する板状体とされている。第2ハウジング12を平面視した外形状は、第1ハウジング11の外形状に略一致する形状となっている。第2ハウジング12の厚さは、例えば0.10mm以上1.00mm以下(又は1.00未満)、より具体的には0.02mmとされている。第2ハウジング12の四隅のそれぞれには、ハウジング固定用ねじ9が挿通する固定穴12aが形成されている。第2ハウジング12の対向する一対の角部の近傍のそれぞれには、第5ハウジング15に設けられた位置決めピン15bが挿通する位置決めピン用穴12bが形成されている。第2ハウジング12の中央領域には、各コンタクト端子21が挿通される貫通孔12cが複数形成されている。複数の貫通孔12cの配列は、ICパッケージの端子位置に対応している。
【0037】
各貫通孔12cは、図3に示すように、第2ハウジング12の板厚方向に一定とされた直径を有する円筒形状とされている。各貫通孔12cの直径は、コンタクト端子21のデバイス側プランジャ21aの直径よりも僅かに大きく、第1ハウジング11の貫通孔11cよりも小さい。各貫通孔12cは、コンタクト端子21のデバイス側プランジャ21aの往復動をガイドするガイド穴となっている。このため、各貫通孔12cの直径は、コンタクト端子21のデバイス側プランジャ21aが軸線方向に往復動しても中心軸線から傾斜しないようにガイドできる程度にデバイス側プランジャ21aとの間で所定の隙間を有するように設定される。この隙間としては、例えば10μm以上50μm以下とされる。
【0038】
図5Aには、第2ハウジング12の平面図が示されている。図5Bには、図5AのA部における拡大図が示されている。図5Bに示されているように、コンタクト端子21のうち信号用コンタクト端子が挿通される信号用貫通孔12c1と、電源用コンタクト端子が挿通される電源用貫通孔12c2には、めっきが形成されていないめっき無し穴とされている。すなわち、第2ハウジング12と信号用コンタクト端子及び電源用コンタクト端子との間で電気的に絶縁をとるようになっている。具体的には、図5Cに示すように、信号用貫通孔12c1を形成する内周壁の全体と、この内周壁に接続する表面及び裏面の一部では、めっき層(導電層)22が除去されており、樹脂層が露出している領域となっている。
【0039】
一方、接地用コンタクト端子が挿通される接地用貫通孔12c3には、めっき層22が形成されためっき付き穴とされている。したがって、接地用貫通孔12c3も貫通ビアとして用いられる。
【0040】
図5Bに示すように、各貫通孔12cが設けられていない領域には、複数の貫通ビア12dが設けられている。特に、隣り合う信号用貫通孔12c1の間または信号用貫通孔12c1と電源用貫通孔12c2との間に貫通ビア12dを設けることが好ましい。これにより、信号用コンタクト端子と電源用コンタクト端子との間で生じるクロストークが低減される。
【0041】
第3ハウジング13は、第1ハウジング11と同様に、アルミ合金等の金属製とされており、導電性を有する。ただし、第3ハウジング13は、第1ハウジング11と異なり、表面及び裏面のいずれにも絶縁層は設けられていない。したがって、上方の第2ハウジング12及び下方の第4ハウジング14に対して電気的に接続される。第3ハウジング13は、第1ハウジング11と同様の外形状とされており、固定穴13a、位置決めピン用穴13b及び貫通孔13cが形成されている。第3ハウジング13の貫通孔13cの直径は、図3に示すように、第1ハウジング11の貫通孔11cの直径よりも小さくされている。ただし、第3ハウジング13の貫通孔13cは、第2ハウジング12の貫通孔12cよりも大きい直径とされている。
【0042】
第4ハウジング14は、第2ハウジング12と同様に、剛性を有する樹脂基板とされたリジッド基板とされている。第4ハウジング14は、第2ハウジング12と同様に、表裏面にめっき層が形成され、表裏面に形成しためっき層間を電気的に導通させる貫通ビアが設けられている。したがって、第4ハウジング14は、上方の第3ハウジング13と電気的に接続されているとともに、下方の第5ハウジング15とも電気的に接続されており、かつ、第3ハウジング13と第5ハウジング15とを電気的に接続している。
【0043】
第4ハウジング14の形状は、図5A図5Cを用いて説明した第2ハウジング12と同様となっている。第4ハウジング14には、位置決めピン15bが挿通する位置決めピン用穴14bが形成されている。第4ハウジング14の貫通孔14cは、図3に示すように、バレル部21bよりも小さい直径とされている。そして、第4ハウジング14の下面(裏面)が、コンタクト端子21のバレル部21bの上端と高さ方向(軸線方向)において一致するように配置されている。これにより、バレル部21bの肩部が貫通孔14cで係止されて、コンタクト端子21が外部へ飛び出さないようになっている。したがって、貫通孔14cは、コンタクト端子21を位置決めするとともに、コンタクト端子21のデバイス側プランジャ21aの往復動をガイドするガイド穴となっている。
【0044】
第5ハウジング15は、第1ハウジング11と同様に、アルミ合金等の金属製とされており、導電性を有する。ただし、第5ハウジング15は、第1ハウジング11と異なり、表面及び裏面のいずれにも絶縁層は設けられていない。したがって、上方の第4ハウジング14及び下方の第6ハウジング16に対して電気的に接続される。第5ハウジング15は、第1ハウジング11と同様に、平面視した場合に略正方形又は略長方形とされた形状とされており、固定穴15a及び貫通孔15cが形成されている。第5ハウジング15の上面には、第1ハウジング11等に形成された位置決めピン用穴11bに対応する位置に、上方に突出する位置決めピン15bを備えている。また、第5ハウジング15の下面にも、第6ハウジング16等に形成された位置決めピン用穴16bに対応する位置に、下方に突出する位置決めピン15bを備えている。
【0045】
第5ハウジング15の貫通孔15cの直径は、図3に示すように、コンタクト端子21のバレル部21bの直径よりも大きい。貫通孔15cの直径は、コンタクト端子21との間で同軸プローブを構成して所望のインピーダンスとなるように決定されている。第5ハウジング15の厚さ(軸線方向である上下方向の寸法)は、コンタクト端子21のバレル部21bの軸線方向の長さに応じて決定され、好ましくはバレル部21bの軸線方向の長さよりも僅かに短い寸法とされる。これにより、後述するように、第6ハウジング16でバレル部21bの下端を位置決めするとともに、第4ハウジング14で軸線方向の位置を固定して抜け止めが可能となる。
【0046】
第6ハウジング16は、第2ハウジング12と同様に、剛性を有する樹脂基板とされたリジッド基板とされている。第6ハウジング16は、第2ハウジング12と同様に、表裏面にめっき層が形成され、表裏面に形成しためっき層間を電気的に導通させる貫通ビアが設けられている。したがって、第6ハウジング16は、上方の第5ハウジング15と電気的に接続されているとともに、下方の第7ハウジング17とも電気的に接続されており、かつ、第5ハウジング15と第7ハウジング17とを電気的に接続している。
【0047】
第6ハウジング16の形状は、図5A図5Cを用いて説明した第2ハウジング12と同様となっている。ただし、第6ハウジング16の貫通孔16cは、図3に示すように、バレル部21bの下端に接触して嵌合する直径とされている。これにより、貫通孔16cは、バレル部21bを水平面(軸線方向に直交する方向)において位置決めする位置決め穴となっている。このように、第6ハウジング16は、コンタクト端子21の位置決めを行う位置決め用樹脂基板とされている。
【0048】
第7ハウジング17は、第2ハウジング12と同様に、剛性を有する樹脂基板とされたリジッド基板とされている。第7ハウジング17は、第2ハウジング12と同様に、表裏面にめっき層が形成され、表裏面に形成しためっき層間を電気的に導通させる貫通ビアが設けられている。したがって、第7ハウジング17は、上方の第6ハウジング16と電気的に接続されているとともに、下方の第8ハウジング18とも電気的に接続されており、かつ、第6ハウジング16と第8ハウジング18とを電気的に接続している。
【0049】
第7ハウジング17の形状は、図5A図5Cを用いて説明した第2ハウジング12と同様となっている。第7ハウジング17には、位置決めピン15bが挿通する位置決めピン用穴17bが形成されている。第7ハウジング17の貫通孔17cは、図3に示すように、バレル部21bよりも小さい直径とされている。これにより、バレル部21bの肩部が貫通孔17cで係止されて、コンタクト端子21が外部へ飛び出さないようになっている。各貫通孔17cは、コンタクト端子21の基板側プランジャ21cの往復動をガイドするガイド穴となっている。このため、各貫通孔17cの直径は、コンタクト端子21の基板側プランジャ21cが軸線方向に往復動しても中心軸線から傾斜しないようにガイドできる程度に基板側プランジャ21cとの間で所定の隙間を有するように設定される。この隙間としては、第2ハウジング12の貫通孔12cと同程度の隙間が設定される。
【0050】
第8ハウジング18は、第1ハウジング11と同様に、アルミ合金等の金属製とされており、導電性を有する。第8ハウジング18の下面(裏面)でかつプリント配線基板60(図3参照)と接触する領域には、絶縁層が形成されている。これにより、プリント配線基板60上に形成された導電領域と第8ハウジング18とがショートすることが回避される。絶縁層としては、例えば、アルマイト等の陽極酸化皮膜や、塗装によって形成された絶縁膜を用いることができる。ただし、第8ハウジング18の上面には絶縁層が形成されていないので、第7ハウジング17とは電気的に接続されている。
【0051】
第8ハウジング18は、第1ハウジング11と同様に、平面視した場合に略正方形又は略長方形とされた形状とされており、固定穴18a、位置決めピン用穴18b及び貫通孔18cが形成されている。
【0052】
第8ハウジング18の貫通孔18cの直径は、図3に示すように、コンタクト端子21の基板側プランジャ21cの直径よりも大きく、第7ハウジング17の貫通孔17cよりも大きい。
【0053】
図6には、コンタクト端子21が示されている。コンタクト端子21は、デバイス側端部21a1を有するデバイス側プランジャ21aと、基板側端部21c1を有する基板側プランジャ21cと、デバイス側プランジャ21a及び基板側プランジャ21cの間に設けられたバレル部21bとを備えている。
デバイス側端部21a1は、ICパッケージ50の端子に接触し、基板側端部21c1は、プリント配線基板60上に形成された導電領域に接触する。
デバイス側プランジャ21aの基端部21a2側及び基板側プランジャ21cの基端部21c2側は、バレル部21b内に収納されている。バレル部21b内には、軸線方向に延在するコイルバネ23が設けられている。コイルバネ23の両端に対して、各基端部21a2,21c2が突き当たるように設けられている。これにより、各プランジャ21a,21cが軸線方向に往復動可能に支持されている。
【0054】
図6に示したコンタクト端子21は、信号用コンタクト端子の一例であり、電源用コンタクト端子及び接地用コンタクト端子は、信号用コンタクト端子よりも直径が大きくなるが、基本的な構造は同様である。
【0055】
次に、図7及び図8を用いて、上述したソケット1の組立方法について説明する。
先ず、図7に示すように、ソケットベース5を上下反転して底面5bを上に向ける。そして、ソケットベース5に形成された収納凹部5c内に、第1ハウジング11、第2ハウジング12、第3ハウジング13、第4ハウジング14、第5ハウジング15、第6ハウジング16を順に挿入して積層する。このときに、第5ハウジング15の表裏面に設けた位置決めピン15bが第1ハウジング11等の位置決めピン用穴13bに挿入されることで相対的に位置決めが行われる。そして、ハウジング固定用ねじ9を、各ハウジング11,12,13,14,15,16の対角に位置する2ヶ所の固定穴11a,12a,13a,14a,15a,16aに通してソケットベース5に対してねじ止めすることで、各ハウジング11,12,13,14,15,16をソケットベース5に対して一体的に固定する。
【0056】
そして、図8に示すように、各貫通孔11c,12c,13c,14c,15c,16cに対して、コンタクト端子21を挿入する。このとき、コンタクト端子の直径の違いに応じた穴が配列されたマスクを用意し、各貫通孔11c,12c,13c,14c,15c,16cに挿入することとしても良い。マスクは、全てのコンタクト端子21を挿入し終えたら取り外す。
【0057】
次に、第7ハウジング17及び第8ハウジング18を第6ハウジング16上に順に積層する。このときに、第5ハウジング15に設けた位置決めピン15bによって各ハウジング17,18の位置決めが行われる。そして、ハウジング固定用ねじ9を全てのハウジング11,12,13,14,15,16,17,18の残りの2ヶ所の固定穴11a,12a,13a,14a,15a,16a,17a,18aに挿通し、ソケットベース5に対してねじ止めすることで、全てのハウジング11,12,13,14,15,16,17,18をソケットベース5に対して一体的に固定する。これにより、ソケット1の組立が完了する。
【0058】
なお、ソケット1の試験を続けていると、コンタクト端子21の接点が摩耗等してメンテナンスが必要になることがある。この場合には、対角に位置する2本のハウジング固定用ねじ9と第7ハウジング17と第8ハウジング18とを取り外すだけでコンタクト端子21の抜き差しが可能となる。これにより、メンテナンス性が向上する。
【0059】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0060】
第5ハウジング15に対して積層された第6ハウジング16を設け、第6ハウジング16の貫通孔16cにコンタクト端子21を挿通することによって、軸線方向に直交する方向のコンタクト端子21の位置決めが行われる。これにより、インピーダンスの整合が精度良く行われる。
樹脂基板である第6ハウジング16には、軸線方向に導通経路を形成する導電部として貫通ビアを有しているので、第6ハウジング16を介して第5ハウジング15と第7ハウジング17や第8ハウジング18との間で導通が行われる。これにより、樹脂基板である第6ハウジング16が介挿されていてもインピーダンスの整合を精度良く行うことができる。したがって、例えば10GHzを超える高周波信号に対しても精度良く検査を行うことができる。
【0061】
軸線方向に往復動するデバイス側プランジャ21a及び基板側プランジャ21cに対して、バレル部21bは軸線方向に往復動することがない。したがって、第6ハウジング16に形成した貫通孔16cをバレル部21bに対して接触させることによってコンタクト端子21を位置決めすることで、より精度良く位置決めを行うことができる。
【0062】
プランジャ21a,21cの往復動をガイドする貫通孔12c,14c,17cを備えたガイド用樹脂基板として第2ハウジング12、第4ハウジング14、第7ハウジング17を備えることによって、プランジャ21a,21cを軸線方向に沿って精度良く往復動させることができる。これにより、プランジャ21a,21cの往復動のストロークが長くても軸線方向から傾いた動作を抑制して周囲の部品(例えば導電性を有する第1ハウジング11や第3ハウジング13、第8ハウジング18など)に接触することを回避することができ、誤作動を防止することができる。
ガイド用樹脂基板とされる第2ハウジング12、第4ハウジング14及び第7ハウジング17は、位置決め用樹脂基板とされた第6ハウジング16と同様に、貫通ビアを有するので、積層方向に導通を行うことによってインピーダンスの整合を精度良く行うことができる。
【0063】
樹脂基板である第2ハウジング12、第4ハウジング14、第6ハウジング16及び第7ハウジング17としてプリント基板(PCB)を用いることとした。プリント基板は、製造工程が技術的に確立されているため加工精度が良好で比較的安価に製作することができる。また、プリント基板として剛性を有するリジッド基板を用いることとしたので、板厚を薄くすることができ、インピーダンス整合に与える影響を可及的に抑えることができる。
なお、プリント基板として、リジッド基板を複数層設けることとしても良く、またフレキシブル基板のみ、又はフレキシブル基板とリジッド基板との組み合わせを用いることとしても良い。
【0064】
樹脂基板である第2ハウジング12、第4ハウジング14、第6ハウジング16及び第7ハウジング17の表裏面に導電層としてめっき層を形成し、これら表裏面のめっき層の間に貫通ビアを設けることによって、樹脂基板の積層方向(板厚方向)に導電経路を形成することができる。
【0065】
信号用コンタクト端子と電源用コンタクト端子との間では、樹脂基板とされた領域で電気的に結合しクロストークの影響を受けるおそれがある。そこで、信号用コンタクト端子と電源用コンタクト端子との間に貫通ビア(例えば図5Bの符号12dを参照)を設けることによって、クロストークを低減することができる。
【0066】
ICパッケージ50に接触する第1ハウジング11の領域に絶縁層を形成し、プリント配線基板60に接触する第8ハウジング18の領域に絶縁層を形成することによって、ハウジング11,18とショートすることを防止することができる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、樹脂基板として、第2ハウジング12、第4ハウジング14、第6ハウジング16及び第7ハウジング17の4枚の樹脂基板を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、第2ハウジング12を省略して3枚の樹脂基板としても良い。また、図10に示すように第2ハウジング12及び第6ハウジング16を省略して2枚の樹脂基板としても良い。図9及び図10の構成であっても、少なくとも2枚の樹脂基板を備えているので、各コンタクト端子21の位置決めは可能である。また、第2ハウジング12を省略した場合には、第3ハウジング13も省略することができる。この場合には、第1ハウジング11をソケットベース5と一体化して1つの部品とし、部品点数を減らしても良い。
【0068】
また、上述した実施形態では、ソケット1の上面が解放されている構成として説明したが、マニュアル試験等に対応するように蓋部を設けた構成としても良い。具体的には、図11に示すように、上述したソケット1の一側にヒンジ71を介して蓋部70を回動可能に取り付ける。蓋部70のヒンジ71に対向する位置には、ラッチ72を設け、図12のように蓋部70を閉じたときに閉状態で固定できるようになっている。蓋部70の下面には、下方に突出する押圧部73が設けられている。この押圧部73によってICパッケージが所望の圧力で押圧される。
【符号の説明】
【0069】
1 ソケット(検査用ソケット)
3 凹所
5 ソケットベース
5a 上面
5b 底面
5c 収納凹部
6 実装用ねじ止め穴
7 ハウジング
8 実装用位置決めピン
9 ハウジング固定用ねじ
11 第1ハウジング(端部側ハウジング)
11a 固定穴
11b 位置決めピン用穴
11c 貫通孔
12 第2ハウジング(ガイド用樹脂基板)
12a 固定穴
12b 位置決めピン用穴
12c 貫通孔(ガイド穴)
13 第3ハウジング(端部側ハウジング)
13a 固定穴
13b 位置決めピン用穴
13c 貫通孔
14 第4ハウジング(ガイド用樹脂基板)
14a 固定穴
14b 位置決めピン用穴
14c 貫通孔(位置決め穴、ガイド穴)
15 第5ハウジング(中央ハウジング)
15a 固定穴
15b 位置決めピン
15c 貫通孔
16 第6ハウジング(位置決め用樹脂基板)
16a 固定穴
16b 位置決めピン用穴
16c 貫通孔(位置決め穴)
17 第7ハウジング(ガイド用樹脂基板,位置決め用樹脂基板)
17a 固定穴
17b 位置決めピン用穴
17c 貫通孔(ガイド穴)
18 第8ハウジング(端部側ハウジング)
18a 固定穴
18b 位置決めピン用穴
18c 貫通孔
21 コンタクト端子
21a デバイス側プランジャ
21a1 デバイス側端部
21a2 基端部
21b バレル部
21c 基板側プランジャ
21c1 基板側端部
21c2 基端部
22 めっき層
23 コイルバネ
50 ICパッケージ
50a はんだボール
60 プリント配線基板(検査基板)
70 蓋部
71 ヒンジ
72 ラッチ
73 押圧部
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12