(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】アプリケーション管理プログラムおよびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20220510BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20220510BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20220510BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/75
A63F13/847
(21)【出願番号】P 2020143769
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-13151(JP,A)
【文献】特開2019-17799(JP,A)
【文献】特開2019-532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1ユーザが利用するアプリケーションの利用状況が、前記アプリケーションの利用時における制限を規定した利用制限条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記第1ユーザの利用する前記アプリケーションに対する、前記第1ユーザとは別の第2ユーザによる介入操作を受け付け可能な受付手段と、
として機能させ、
前記判定手段の判定結果に応じて、前記介入操作の前記アプリケーション内での効果が変化する
アプリケーション管理プログラム。
【請求項2】
前記アプリケーションは、ゲームアプリであって、
前記介入操作は、ゲームプレイに関する操作である、
請求項1に記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項3】
前記利用状況が前記利用制限条件を満たす場合の前記介入操作には、前記ゲームの進行が前記第1ユーザにとって有利に働くように、前記第2ユーザが前記第1ユーザにおける前記ゲームプレイを支援する操作、が含まれる、
請求項2に記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項4】
前記第1ユーザが用いる第1ユーザ端末および前記第2ユーザが用いる前記第2ユーザ端末それぞれには、前記アプリケーションがインストールされており、
前記コンピュータを、
前記第1ユーザ端末および前記第2ユーザ端末が前記アプリケーションを介して通信可能に接続されていることを前提として、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの少なくとも一方に、前記アプリケーション内にて有効な特典を付与する特典付与手段、
として更に機能させる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のアプリケーション管理ゲームプログラム。
【請求項5】
前記利用制限条件を満たすと判定される程、前記特典付与手段は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの少なくとも一方に、前記アプリケーション内でより有効な前記特典を付与する、
請求項4に記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項6】
前記特典には、前記利用制限条件の変更に関連するものが含まれる、
請求項4または請求項5に記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記利用状況が前記利用制限条件を満たさないと判定された場合、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用を制限する利用制限手段、
として更に機能させ、
前記利用状況が前記利用制限条件を満たさないと判定された場合の前記介入操作には、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限を解除することを目的とした前記アプリケーション内での操作、が含まれ、
前記利用制限手段は、前記第2ユーザによる前記介入操作を受け付けたことを契機として、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限を解除する、
請求項1から請求項6のいずれかに記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項8】
前記アプリケーションは、ゲームアプリであって、
前記アプリケーション内での操作は、前記第2ユーザが前記第1ユーザとともにゲームをプレイするプレイ操作であって、
前記プレイ操作によって所定条件が満たされた場合に、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限が解除される、
請求項7に記載のアプリケーション管理プログラム。
【請求項9】
第1ユーザが利用するアプリケーションの利用状況が、前記アプリケーションの利用時における制限を規定した利用制限条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記第1ユーザの利用する前記アプリケーションに対する、前記第1ユーザとは別の第2ユーザによる介入操作を受け付け可能な受付部と、
を備え、
前記判定部の判定結果に応じて、前記介入操作の前記アプリケーション内での効果が変化する
サーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アプリケーション管理プログラムおよびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ゲームなどのアプリケーションにおいて、未成年者が長時間アプリケーションを利用したり、アプリケーション内にて保護者の想像を上回る課金を未成年者が行ったりすることが、問題となるケースがある。これに対し、特許文献1に開示されるように、保護者が未成年者を監視する技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、アプリケーションに対する利用制限を例えば保護者が予め設けておき、未成年者のアプリケーションの利用状況が利用制限を満たさない場合には、以降の未成年者側のアプリケーションの利用が制限されるか、または保護者に通知が送信される。これでは、監視対象者である未成年者は、監視者である保護者の監視に疎ましさを覚え、保護者と距離をおきたいと思うおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、監視対象者が監視者によって監視されながらも、監視対象者と監視者との距離感を縮めるきっかけとなり得る技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる第1の態様は、コンピュータを、
第1ユーザが利用するアプリケーションの利用状況が、前記アプリケーションの利用時における制限を規定した利用制限条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記第1ユーザの利用する前記アプリケーションに対する、前記第1ユーザとは別の第2ユーザによる介入操作を受け付け可能な受付手段と、
として機能させ、
前記判定手段の判定結果に応じて、前記介入操作の前記アプリケーション内での効果が変化する
アプリケーション管理プログラムである。
【0007】
また、第1の態様では、
前記アプリケーションは、ゲームアプリであって、
前記介入操作は、ゲームプレイに関する操作である、
ことができる。
【0008】
また、第1の態様では、
前記利用状況が前記利用制限条件を満たす場合の前記介入操作には、前記ゲームの進行が前記第1ユーザにとって有利に働くように、前記第2ユーザが前記第1ユーザにおける前記ゲームプレイを支援する操作、が含まれる、
ことができる。
【0009】
また、第1の態様では、
前記第1ユーザが用いる第1ユーザ端末および前記第2ユーザが用いる前記第2ユーザ端末それぞれには、前記アプリケーションがインストールされており、
前記コンピュータを、
前記第1ユーザ端末および前記第2ユーザ端末が前記アプリケーションを介して通信可能に接続されていることを前提として、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの少なくとも一方に、前記アプリケーション内にて有効な特典を付与する特典付与手段、
として更に機能させる、
ことができる。
【0010】
また、第1の態様では、
前記利用制限条件を満たすと判定される程、前記特典付与手段は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの少なくとも一方に、前記アプリケーション内でより有効な前記特典を付与する、
ことができる。
【0011】
また、第1の態様では、
前記特典には、前記利用制限条件の変更に関連するものが含まれる、
ことができる。
【0012】
また、第1の態様では、
前記コンピュータを、
前記利用状況が前記利用制限条件を満たさないと判定された場合、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用を制限する利用制限手段、
として更に機能させ、
前記利用状況が前記利用制限条件を満たさないと判定された場合の前記介入操作には、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限を解除することを目的とした前記アプリケーション内での操作、が含まれ、
前記利用制限手段は、前記第2ユーザによる前記介入操作を受け付けたことを契機として、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限を解除する、
ことができる。
【0013】
また、第1の態様では、
前記アプリケーションは、ゲームアプリであって、
前記アプリケーション内での操作は、前記第2ユーザが前記第1ユーザとともにゲームをプレイするプレイ操作であって、
前記プレイ操作によって所定条件が満たされた場合に、前記第1ユーザによる前記アプリケーションの利用の制限が解除される、
ことができる。
【0014】
本開示にかかる第2の態様は、
第1ユーザが利用するアプリケーションの利用状況が、前記アプリケーションの利用時における制限を規定した利用制限条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記第1ユーザの利用する前記アプリケーションに対する、前記第1ユーザとは別の第2ユーザによる介入操作を受け付け可能な受付部と、
を備え、
前記判定部の判定結果に応じて、前記介入操作の前記アプリケーション内での効果が変化する
サーバ装置である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、監視対象者である第1ユーザのアプリケーションの利用状況が利用制限条件を満たすか否かに応じて、監視者である第2ユーザが行う介入操作の当該アプリケーション内での効果が変化する。この効果を、第1ユーザおよび第2ユーザは共通の話題として、互いにコミュニケーションを図るきっかけとすることができる。従って、第1ユーザが第2ユーザによって監視される状態下にて、アプリケーションは、第1ユーザと第2ユーザとの距離感を縮めるためのツールとして利用される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】アプリケーション管理システムの構成を模式的に示す図である。
【
図3】未成年者のユーザ端末に表示される画面例である。
【
図4】未成年者のユーザ端末に表示される画面例である。
【
図5】保護者のユーザ端末に表示される画面例である。
【
図6】保護者のユーザ端末に表示される画面例である。
【
図7】アプリケーション管理システムの一連の動作の流れを表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
本実施形態にかかるアプリケーション管理プログラムを搭載したアプリケーション管理システム1について、図面を参照して説明する。
【0018】
<概要>
図1のアプリケーション管理システム1は、1台のサーバ装置2と、複数のユーザそれぞれが利用する複数台のユーザ端末5,7とを備える。サーバ装置2およびユーザ端末5,7は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0019】
各ユーザ端末5,7には、共通のアプリケーションがインストールされる。本実施形態では、このアプリケーションがゲームアプリである場合を例示する。
【0020】
各ユーザは、各々のユーザ端末5,7にてゲームアプリを起動させると、ゲームをプレイすることができる。このゲームでは、ユーザ端末5,7を介した各ユーザの操作と、その操作に伴う仮想ゲーム空間上のキャラクタの行動とで、ゲームが進行する。各ユーザ端末5,7のディスプレイ61にはキャラクタが表示され、ゲーム端末5,7の各ユーザは、1または複数のキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、キャラクタ同士で対戦させたりする。
【0021】
各ユーザは、ゲームをプレイするにあたり、各々のユーザ端末5,7を介してゲームにログインした状態でプレイすることもできるが、ログインしていない状態でプレイすることもできる。例えば、ログインした状態か否かに拘わらず、各ユーザは、メインのゲームストーリーを進行することができる。但し、非ログインの状態下では、ログインした状態に比べてプレイ可能な範囲が限られる。具体的には、ログインした状態では、ゲームへの課金、課金に伴うゲーム内での各種行動(課金によるアイテム購入、有償アイテムを消費してガチャを引く等)、通信ネットワークNを介して接続された他ユーザ端末における他ユーザとのマルチプレイ、課金を伴わない無償のガチャを引く動作、逐次ゲームデータをダウンロードして進めるゲームイベントのゲームプレイ、などを行うことができるが、非ログインの状態では、これらは実施できない。
【0022】
そして、アプリケーション管理システム1には、ゲームアプリを通じて、1のユーザ端末7を利用するユーザが監視者となって、他のユーザ端末5を利用するユーザを監視対象者として監視できる監視機能が備えられている。以下では、監視者が「保護者」、監視対象者が「未成年者」である場合を例示する。
【0023】
保護者はユーザ端末7を介して、未成年者がゲームアプリを利用する際の制限を規定した、利用制限条件を設定する操作を行う。利用制限条件には、未成年者がゲームアプリを利用可能な累積時間の上限値、ゲームプレイが可能な日時の情報、課金の可否、課金が許可される場合には許容できる課金の上限値、などが含まれており、サーバ装置2にて管理される。未成年者がユーザ端末5でゲームアプリを利用した場合、利用中の時間や課金有無などの利用状況を含む未成年者の利用実績情報が、逐次サーバ装置2に送られる。サーバ装置2は、当該未成年者に対する利用制限条件と利用実績情報とに基づいて利用制限条件が満たされているか否かを判定し、満たされない場合には、その旨の通知を保護者のユーザ端末7に送信することが可能となっている。
【0024】
しかし、この通知を受けた保護者は、未成年者を叱責してしまうおそれがある。すると、未成年者は、保護者を疎ましく感じ、保護者と未成年者との距離感が次第に離れていく。
【0025】
そこで、本実施形態のアプリケーション管理システム1には、利用制限条件を満たすか否かに関係なく、未成年者のゲームプレイに対して保護者が介入できる介入操作ができるようになっており、しかもその介入操作のゲームアプリ内での効果を、利用制限条件が満たされているか否かの場面に応じて変化させる介入機能が、更に備えられている。
【0026】
介入操作としては、例えば利用制限条件の範囲内であれば、未成年者のゲームプレイ中に保護者が助っ人として参戦してゲームプレイを有利に運ばせる操作、ゲームの進行が有利となるアイテムの未成年者への付与を許可する操作、などが挙げられる。また、利用制限条件の範囲を超えており未成年者がゲームプレイを思うように進められないなどの制限(ロック)がかかっている状態下において、介入操作としては、保護者が未成年者とあえて特殊クエストで対戦プレイを行うことで当該制限(ロック)が解除される操作、などが挙げられる。
【0027】
つまり、保護者の介入操作は、ゲームを介して保護者が未成年者と積極的に関わることのできる、ゲームプレイに関する操作でありながらも、意味合いが、未成年者側における利用制限の状況に応じて純粋なゲームプレイに留まるか否かに変化する。この介入機能により、未成年者は、保護者の監視を受けつつも、ゲームを保護者との共通の楽しみとすることができる。制限(ロック)がかかってしまった場合、未成年者は、保護者とのゲームプレイを介して当該制限を解除してもらう。従って、ゲームアプリは、未成年者および保護者双方のコミュニケーションツールとしての位置づけとなり得る。
【0028】
このようなアプリケーション管理システム1にて利用されるユーザ端末5,7は、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器、にて構成される。以下では、ユーザ端末5,7が、スマートフォンである場合を例示する。
【0029】
<アプリケーション管理システム1の構成>
サーバ装置2は、アプリケーション管理プログラムを含むプログラムの管理、およびアカウント情報毎のゲームデータの管理を行う。
【0030】
ユーザ端末5,7は、自端末を所有する保護者または未成年者の操作に基づいて、ゲームを実行する。そのために、ユーザ端末5,7は、通信ネットワークNを介してサーバ装置2からプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。保護者および未成年者それぞれには、ユーザ端末5,7に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、各ユーザ端末5,7からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0031】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とユーザ端末5,7との相互通信が可能となり、ゲームにログインした状態となる。ログイン後、各ユーザ端末5,7は、ゲームの利用に必要なデータをサーバ装置2から受信すると、保護者または未成年者の操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0032】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2およびユーザ端末5,7の各ハードウェア構成について説明する。
【0033】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0034】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワークNを介してユーザ端末5,7と通信可能に接続されている。
【0035】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるアプリケーション管理プログラムを含む各種プログラムの他、ユーザDB、抽選リストを含む各種データ、などが記憶されている。
【0036】
ユーザDBには、ゲームアプリをインストールしゲームに登録済みのユーザ(具体的には保護者、未成年者など)の識別番号ごとに、所有するゲーム媒体の情報、所有する消費媒体の量、フレンド情報、ゲーム進行の履歴情報などが、対応づけて記憶されている。
【0037】
ゲーム媒体は、仮想ゲーム空間上で有効となるものであり、具体的には、ユーザの操作に応じて動作するキャラクタ、そのキャラクタが仮想ゲーム空間上で使用するアイテム(武器、防具、道具)、そのキャラクタに送られる仮想ゲーム空間内でのギフト、ガチャチケット、などが挙げられる。ゲーム媒体の情報には、ゲーム媒体の名称、ゲームパラメータなどが含まれる。ゲームパラメータには、キャラクタが発動できる技、発揮される属性(火属性、雷属性など)、体力の上限値、レベルなどが含まれる。
【0038】
ガチャとは、消費媒体の消費と引き換えに、ユーザの操作に基づいてゲーム媒体を選択し、選択したゲーム媒体をユーザの識別番号に関連付けることで、そのユーザに当該ゲーム媒体を付与する処理を言う。ガチャチケットとは、この処理を、消費媒体を消費せずに行うことができるための権利である。ユーザは、ガチャチケットを所有していれば、好みのタイミングで、当該ガチャチケットに基づいてガチャを引く操作を行うことができる。
【0039】
消費媒体は、仮想ゲーム空間内での使用に伴って消費されていく媒体であって、ゲーム内通貨、ゲーム内ポイントなどが挙げられる。消費媒体には、クエストのクリア報酬、ログインした状態での時間経過、ログインボーナス、特殊アイテムの使用(交換)などによりユーザに付与される無償の消費媒体と、現実社会での課金によりユーザに付与される有償の消費媒体とがある。消費媒体は、ユーザの識別番号に関連付けられることにより、そのユーザに付与される。
【0040】
フレンド情報とは、仮想ゲーム空間上でフレンドとして登録されている第三者についての各種情報である。フレンド情報には、フレンドの識別情報、フレンドの名前、フレンドが仮想ゲーム空間内にて使用しているゲーム媒体の情報(例えばパラメータ)、などが含まれる。
【0041】
ゲーム進行の履歴情報とは、ユーザのゲームプレイに関する軌跡、即ちゲーム開始から現在までにユーザがどのようなプレイをしてきたかを示す情報である。ゲーム進行の履歴情報には、ゲームの進行度合、これまでにプレイしてきた仮想ゲーム空間内におけるイベントやクエストについての情報とその結果、ソロプレイかマルチプレイか、消費媒体の消費タイミングと消費量、などが含まれる。
【0042】
ユーザDBには、上述した情報が、1のユーザに対し1レコードにて格納される。このユーザDBにレコードを追加する処理は、例えば、ユーザ端末5,7側でゲームアプリがインストールされ、且つゲームへのユーザ登録が完了された際に行われる。
【0043】
更に、ユーザDBには、
図2に示すように、各ユーザの識別情報に対し、フレンド情報とは別途、繋がりのある他ユーザの情報が関連付けられている。“繋がり”とは、未成年者とその保護者のように、監視される人(監視対象者)と監視する人(監視者)との関係を含むものである。例えば、
図2のユーザ識別情報“0001”には、他ユーザ情報として“0101”が関連付けられているが、これは“0001”のユーザと“0101”のユーザとが、監視者または監視対象者の関係にあることを表す。なお、
図2のユーザ識別情報“0101”のレコードにて示すように、1のユーザに関連付けられる他ユーザの情報の数は、1つに限らず、複数であることができる。1の保護者が複数の未成年者を監視したり、逆に1の未成年者が複数の保護者によって監視されたりすることがあるためである。
【0044】
また、
図2に示すように、ユーザDBには、ユーザの識別情報ごとに、上述した利用制限条件が対応付けて記憶されている。利用制限条件は、保護者のユーザ端末7側にて、利用制限条件の対象者(監視対象者つまり未成年者)となるユーザ情報(氏名、識別情報、生年月日など)と共に入力される。サーバ装置2では、この利用制限条件と対象者との受信を受けて、ユーザDB上から対象者となるユーザのレコードが検索され、そのレコード上に利用制限条件が上書きされる。
【0045】
なお、利用制限条件は、選択候補となる条件が元々用意され、その用意された条件の中から、入力された生年月日に応じて適切な条件が自動で選択されてもよいし、「利用制限条件を課す」旨の入力のみによってデフォルト条件が自動で設定されてもよい。
【0046】
図2では、利用制限条件の欄に何らかの情報が書き込まれているレコードのユーザは、監視対象者(未成年者)であることを意味する。利用制限条件の欄に何ら書き込みのないレコードのユーザは、監視者(保護者)であることを意味する。
【0047】
また、
図2に示すように、ユーザDBには、ユーザの識別情報ごとに、監視された回数が対応付けて記憶されている。監視された回数とは、利用制限条件を満たすか否かの判定処理が行われた回数の累積値である。
図2では図示していないが、ユーザの識別情報ごとには、判定処理によって利用制限条件を満たすと判定された回数の累積値が、更に対応付けて記憶されている。
【0048】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0049】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段231、照合手段232、抽選実行手段233、判定手段234、利用制限手段235、特典付与手段236として機能する。
【0050】
―通信制御手段―
通信制御手段231は、各ユーザ端末5,7との間で各種データを送受信する。主な受信データとしては、各種プログラムのダウンロード要求、ガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ゲームアプリでの操作情報などが挙げられる。主な送信データとしては、各種プログラム、ゲームデータ、付与した特典の情報、各種プログラムをユーザ端末5,7が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0051】
更に、通信制御手段231は、保護者のユーザ端末7からは、利用制限条件およびその対象者(未成年者)についてのユーザ情報などを受信する。通信制御手段231は、利用制限条件を満たすか否かの判定結果、利用制限条件を満たさなかったために未成年者のユーザ端末5にて制限(ロック)をかけた場合はその旨の情報などを、各ユーザ端末5,7に送信する。
【0052】
また、通信制御手段231は、受付手段に相当する。通信制御手段231は、保護者がユーザ端末7から介入操作を行った場合、介入操作についての情報を、当該ユーザ端末7から受信する。
【0053】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ端末5,7から受信したアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。認証後、認証されたユーザはゲームにログインした状態となる。ユーザ端末5,7にてログオフする操作が行われた場合、照合手段232は、その操作を行ったユーザを、ゲームからログオフさせる。
【0054】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求が受信されたことを契機として、図示しない抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択割合に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、ガチャの抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDBにて関連付ける。これにより、当該ユーザには、ガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0055】
―判定手段―
判定手段234は、監視対象者(第1ユーザに相当)である未成年者のゲームアプリの利用状況が、利用制限条件を満たすか否かを判定する。
【0056】
具体的に、ゲームアプリにて未成年者が行った操作情報を受信する都度、判定手段234は、この情報に基づいて、ユーザDBにおける当該未成年者の利用制限条件が満たされているか否かを判定する。受信した操作情報にプレイ時間および課金額の少なくとも一方が含まれている場合、判定手段234は、プレイ時間および課金額それぞれを、利用制限条件にて規定されている所定単位(一日あたり、月あたり等)ごとに累積演算する。その演算結果を用いて、判定手段234は、利用制限条件を満たしているか否かを判定する。
【0057】
例えば、未成年者“0003”のユーザ端末5から受信した操作情報に、ゲームプレイ中の曜日“日曜日”が含まれる場合、判定手段234は、利用制限条件“平日はプレイ不可”を満たしていると判定する。一方、操作情報に、ゲームプレイ中の日付“月曜日”が含まれる場合、判定手段234は、利用制限条件“平日はプレイ不可”を満たしていないと判定する。
【0058】
また、未成年者“0002”のユーザ端末5から受信した操作情報に課金を行った旨とその課金額とが含まれる場合、判定手段234は、未成年者“0002”の一か月あたりの課金合計額を更新する。更新した課金合計額が1000円以内の場合、判定手段234は、利用制限条件“課金上限1000円/月”を満たしていると判定する。一方、更新した課金合計額が1000円を超える場合、判定手段234は、この利用制限条件を満たしていないと判定する。
【0059】
なお、個々の未成年者ごとの、上述した判定処理が行われた回数は、ユーザDBの“監視された回数”に加算されて上書きされる。また、個々の未成年者ごとの、利用制限条件を満たすと判定された回数も、ユーザDBに上書きされる。
【0060】
―利用制限手段―
利用制限手段235は、判定手段234の判定結果に応じて、未成年者によるゲームの利用を制限する。具体的に、利用制限条件を満たさないと判定された場合、利用制限手段235は、その利用制限条件が課されている未成年者に対し、以降のゲームプレイに関する少なくとも一部の機能を利用できない状態に制限(ロック)する。例えば、課金額が利用制限条件で設定された額を超えたことで利用制限条件を満たさないと判定された場合、利用制限手段235は、以降のゲームプレイでは課金ができないようにする。1か月あたりのプレイ時間が利用制限条件で設定された時間を超えたことで利用制限条件を満たさないと判定された場合、利用制限手段235は、特定の相手との特定クエストのプレイを除き、メインのストーリー進行やガチャを引くことができないようにする。
【0061】
利用制限条件を満たすと判定された未成年者に対しては、利用制限手段235は、上記のような制限は行わない。
【0062】
上述したように、制限(ロック)するにあたり、ゲームプレイに関する機能の全てが制限(ロック)対象となってもよいが、メインのストーリーの進行やガチャを引く操作などの、未成年者単独によるゲーム操作全てができなくなる対象となったり、利用制限条件に直接的には関係のない操作は引き続き可能だが利用制限条件に直接的に関係する操作ができない対象となったりすることが好ましい。例えば、利用制限条件が課金の上限値を定める内容の場合、更に課金を行う操作はできなくなるが、メインのストーリーを進めるための操作を行ったり、所有済みのガチャチケットや所有済みの有償の消費媒体を使用してガチャを引く操作を行ったりすることは、引き続き自由にできてもよい。
【0063】
上述した制限(ロック)処理では、ゲームアプリのプログラムの一部の実行をロックするためのデータが生成され、ユーザ端末5に送られる。このデータにより、ユーザ端末5側では、制限(ロック)対象となる操作が以降に行われた場合、その操作に応じた処理が実行禁止となる。
【0064】
未成年者のユーザ端末5側では上述した制限(ロック)がかかっている状態にて、この未成年者を監視する保護者のユーザ端末7側では、既に述べた介入操作が行われる場合がある。介入操作を受け付けたことを契機として、利用制限手段235は、上述した制限(ロック)を解除する処理を行う。具体的には、介入操作についての情報を受信したことを受けて、利用制限手段235は、当該情報に基づいて、上述した制限の解除(ロック解除)を許可するか否かを判定する。ロック解除を許可すると判定した場合、利用制限手段235は、ロック解除するためのデータを生成する。このデータがユーザ端末5側に送られることで、ユーザ端末5側では、制限(ロック)が解除される。従って、ユーザ端末5では、以降、実行できなかった操作に応じた処理(課金など)が解禁となる。
【0065】
上述した制限の解除(ロック解除)を許可するか否かの判定においては、ロック解除条件が用いられることが好ましい。ロック解除条件は、アプリケーション管理システム1においてデフォルト設定されているか、もしくは、保護者のユーザ端末7を介して保護者により入力され設定される。
【0066】
本実施形態のロック解除条件には、保護者が未成年者とともにゲームプレイを行った結果、所定条件が満たされたか否か、が含まれる。例えば、ロック解除条件には、「少なくとも一部の機能が利用できない状態に制限(ロック)されてしまった未成年者が保護者とマルチプレイを行い、そのプレイ中に当該制限解除(ロック解除)の効果を奏する特定アイテムを保護者が未成年者に送る操作を行うこと」「少なくとも一部の機能が利用できない状態に制限(ロック)されてしまった未成年者が保護者と共に対戦プレイまたは共闘プレイを一定時間行うこと」「少なくとも一部の機能が利用できない状態に制限(ロック)されてしまった未成年者が保護者と所定クエストをプレイし、クリアすること」などが挙げられる。
【0067】
つまり、本実施形態のロック解除条件は、ゲームプレイに関する介入操作が保護者によってなされることが前提の内容に、設定されている。保護者の介入操作によりロック解除条件が満たされれば、未成年者は、制限解除(ロック解除)された状態にてゲームアプリを再び利用することができる。従って、介入操作は、利用制限条件を満たさないという事象をゲームアプリにて発生させてしまった未成年者に対し、そのゲームアプリを介して保護者があえて関わりあうことで、当該事象を事後的に承認するための操作、といえる。このような介入操作が行われることで、ゲームアプリは、未成年者および保護者との間での共通した話題となることができ、未成年者と保護者との距離感を縮めるきっかけともなり得る。
【0068】
なお、利用制限条件を満たすと判定された場合にも、保護者は、未成年者のゲームプレイに関し、介入操作を行うことができる。この介入操作は、上述した制限解除(ロック解除)を目的とした役割は備えておらず、純粋に未成年者とのゲームプレイを楽しんだり、ゲームの進行が未成年者にとって有利に働くように未成年者のゲームプレイを支援したりする役割を担う。従って、利用制限条件を満たす場合に行われる保護者の介入操作と、利用制限条件を満たさない場合に行われる保護者の介入操作とは、ゲームアプリ内で奏される効果が異なる。この制御を実現するため、利用制限手段235は、介入操作を受け付けた場合、利用制限条件を満たすか否かの場面に応じて、当該介入操作のゲームアプリ内の効果を変化させる。
【0069】
―特典付与手段―
特典付与手段236は、ゲームアプリに関する所定条件が満たされたことを契機として、第1ユーザである未成年者および第2ユーザである保護者の少なくとも一方に、ゲーム内にて有効な特典を付与する。
【0070】
所定条件としては、未成年者および保護者それぞれのユーザ端末5,7に、共通した(同一の)ゲームアプリがインストールされており、且つ、ユーザ端末5,7同士が当該アプリを介して通信可能に接続されていることが挙げられる。この場合、ユーザ端末5,7同士においては、予め、無線接続の通信規格Bluetooth(登録商標)などによる相互認証が行われ、ユーザ端末5,7間の接続設定が行われる(以下、ペアリング)。
【0071】
ペアリングされたユーザ端末5,7同士がゲームアプリを介して通信可能となれば、未成年者と保護者との間でのマルチプレイが気軽にできる。一方で、ペアリングされた状態では、ユーザ端末5,7同士の実際の物理的距離が比較的近いことから、保護者は、未成年者の監視を強固にできる。また、保護者は、自身のユーザ端末7において、当該ゲームアプリを通じて判定手段234の判定結果が逐次または一定時間ごとに通知される設定にしておくことで、未成年者のプレイ時間、課金状況、プレイ場所などの、ゲームの利用状況の監視を容易に行うことができる。その際、利用制限条件を満たさないとの判定がなされ、その旨の通知を受けた保護者は、介入操作を行い未成年者とマルチプレイを行うことで、制限解除(ロック解除)に協力し易くなる、というメリットがある。
【0072】
上記に鑑みると、未成年者側からすれば、ペアリングにより、保護者の完全なる監視下に置かれるともいえる。その代わりに、特典付与手段236は、監視対象者となる未成年者のキャラクタが得られる経験値をペアリングしない場合よりも増加させたり、有償ガチャ用のガチャチケットを付与したり、特別ガチャなどの課金要素を解放したりなどの特典を、未成年者に付与する。また、特典付与手段236は、監視する側である保護者に対しても、監視をより強固にすることへの代償として、未成年者に与えるのと同等もしくは少なくとも一部の特典を付与することができる。
【0073】
また、特典付与の所定条件としては、未成年者によるゲームの利用状況が利用制限条件を満たすことなどが挙げられる。これらの場合、特典付与手段236は、特典として、利用制限条件を満たさない場合よりもレア度の高いアイテムをログインボーナスとして未成年者に付与したり、ガチャチケットを未成年者や保護者に付与したり、課金要素を解放したりすることができる。
【0074】
なお、未成年者への特典付与は、未成年者のゲームの利用状況に基づく判定結果を「確認済み」とする操作を保護者が行ったことに伴って行われてもよい。この操作を保護者が行った際に、特典付与手段236は、当該保護者へも、監視動作を行ったことに対する特典として、ログインボーナス、ガチャチケット、特殊アイテムなどの付与を行ってもよい。
【0075】
また、判定処理の回数は、未成年者がゲームをプレイするほど増していく。なぜならば、未成年者がゲームについての操作を行うたびにサーバ装置2には新たな利用実績情報が送られ、判定手段234は、利用制限条件を満たしているか否かを判定するからである。保護者は、自身のユーザ端末7において、判定手段234の判定結果が逐次または一定時間ごとに通知される設定にしておくことで、こまめに未成年者を監視することができる。この際、特典付与手段236は、判定処理の結果が“利用制限条件を満たす”である程、未成年者および保護者の少なくとも一方に、ゲーム内でより有効となる特典を付与してもよい。つまり、こまめに監視される環境下にあって、しかも、利用制限条件を満たすような利用を未成年者が行っている程、未成年者には、利用制限条件を守っていることに対する評価として、ゲームをより楽しんでもらうための特典を付与する。一方、判定処理の結果が“利用制限条件を満たす”である程、保護者には、監視を厳しく行っていることに対する評価としての特典を、保護者に付与する。
【0076】
なお、“課金要素の「解放」”は、未成年者からすると“利用制限条件が緩和された”と捉えることができる。これまで利用できなかった課金要素が解放によって利用可能となったためである。このように、本実施形態の特典には、利用制限条件の変更に関連するものが含まれてもよい。例えばペアリングによって未成年者が確実に保護者の監視下に置かれることに鑑みると、ペアリングの代償として利用制限条件が緩和される方向に変更されることは、未成年者にとってはメリットがあることと言える。
【0077】
なお、特典の内容は、上記所定条件の内容に関係なく常に同じでもよいし、所定条件の内容に応じて異なっていてもよい。また、特典の内容は、更に、ストーリーがどの程度進んでいるかや、キャラクタのレベルがどの程度かなどのゲームの進行状況に応じて、適宜変更されてもよい。
【0078】
<ユーザ端末5,7のハードウェア構成>
ユーザ端末5,7は、各端末の利用者が保護者か未成年者かで異なっているが、構成は同一である。
【0079】
図1に示すように、ユーザ端末5,7には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63、センサ64、マイク65およびカメラ66が外部接続または内蔵される。また、ユーザ端末5,7は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54、検知処理部55、音声処理部56、画像処理部57、記憶部58および制御部59を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54、検知処理部55、音声処理部56、画像処理部57および記憶部58は、バス60を介して制御部59と電気的に接続されている。
【0080】
ネットワークインターフェース51は、ユーザ端末5,7とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワークNに通信可能に接続されている。
【0081】
グラフィック処理部52は、制御部59から出力されるゲーム画像情報に従って、各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0082】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、制御部59の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0083】
操作処理部54は、タッチパッド63と接続されており、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。未成年者および保護者は、タッチパッド63をタッチすることで、ユーザ端末5,7に操作信号を入力することができる。
【0084】
検知処理部55は、センサ64と接続されており、ユーザ端末5,7が使用されているか否かなどを把握する。センサ64としては、照度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、温度センサ、湿度センサ、ショックセンサ、GPSセンサなどの少なくとも1つが挙げられる。
【0085】
一例として、部屋の照明が消された否かが照度センサによって検知され、且つ、ユーザ端末5,7の操作が一定時間以上無操作であることを加速度センサ、ジャイロセンサおよびショックセンサの少なくとも1つによって検知された場合、検知処理部55は、未成年者や保護者が寝ていたりユーザ端末5,7から離れていたりしていることから操作されていない状況にあると判定し、その旨の情報を制御部59に送信する。一方、ユーザ端末5,7が一定時間以上操作されていることがセンサ64によって検知された場合、検知処理部55は、ユーザ端末5,7が操作されているとの判定結果を制御部59に送信する。この判定処理は一定時間ごとに繰り返され、そのたびに判定結果が制御部59へ送信される。
【0086】
音声処理部56は、マイク65と接続されている。音声処理部56は、マイク65がひろった音声に対して音声処理を施し、制御部59に送信する。マイク65が拾う音声は、ユーザ端末5,7の周囲の音声であって、未成年者や保護者の発話が含まれる。
【0087】
画像処理部57は、カメラ66と接続されている。画像処理部57は、カメラ66が撮像した画像(静止画または動画)について画像処理を施し、制御部59に送信する。カメラ66が撮像した画像は、ユーザ端末5,7を未成年者や保護者が操作することで撮像された画像、未成年者や保護者が自身を撮像した自撮り画像、が含まれる。
【0088】
記憶部58は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部58には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、各種プログラム、自端末5,7のアカウント情報などが格納されている。
【0089】
制御部59は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自端末5,7の動作を制御する。
【0090】
<ユーザ端末5,7における制御部59の機能的構成>
制御部59は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段591、アプリ実行手段592として機能する。
【0091】
-通信制御手段-
通信制御手段591は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う。主な受信データとしては、各種プログラム、ゲームデータ、付与された特典の情報、イベント情報などが挙げられる。主な送信データとしては、アカウント情報、各種プログラムのダウンロード要求、ゲームデータのダウンロード要求、ガチャの抽選要求、クエスト実行要求、ゲームアプリでの操作情報が挙げられる。
【0092】
また、未成年者のユーザ端末5がサーバ装置2に送信する送信データとしては、未成年者によるゲームアプリの利用実績情報が挙げられる。また、未成年者のユーザ端末5がサーバ装置2から受信する受信データとしては、判定手段234の判定結果、制限(ロック)処理によって生成されたデータ、制限解除(ロック解除)のためのデータ、が挙げられる。
【0093】
保護者のユーザ端末7がサーバ装置2から受信する受信データとしては、判定手段234の判定結果(具体的には、判定結果に応じた通知の情報)が挙げられる。この通知は、ユーザ端末7のディスプレイ61およびスピ―カ62を介してなされる。また、保護者のユーザ端末7がサーバ装置2に送信する送信データとしては、前記通知を確認した旨の情報、介入操作を行った場合は当該操作情報、利用制限条件を設定する操作を保護者が行った場合は当該操作情報、などが挙げられる。
【0094】
-アプリ実行手段-
アプリ実行手段592は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部58から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いてプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0095】
例えば、アプリ実行手段592は、
図3に示すように、仮想ゲーム空間にキャラクタp1を配置させ、未成年者や保護者によるタッチパッド63への操作信号およびゲームの進行状況に応じて、このキャラクタp1の行動を制御する。
図3の画面sc1では、キャラクタp1による未成年者や保護者へのセリフp2とともに、そのセリフp2に対する未成年者や保護者の複数の返答候補p3がそれぞれ選択可能に表示されている。この画面sc1上から、未成年者や保護者が1つの返答候補p3をタップして選択すると、アプリ実行手段592は、選択された返答候補p3に基づいて、キャラクタp1に次のセリフを発話させたりリアクションをとらせたりする。
【0096】
図4の画面sc2では、ガチャを引くボタンp4、メールボックスボタンp5、クエスト実行ボタンp6それぞれが選択可能に表示されるとともに、ゲームに関する告知情報p7が表示されている。この画面sc2上から、未成年者や保護者がガチャを引くボタンp4を選択した場合、ガチャの抽選要求がサーバ装置2に送られ、サーバ装置2にてゲーム媒体の抽選が行われる。抽選終了後、当選したゲーム媒体についての情報が、当該抽選要求の送信元であるユーザ端末5に送られてくるため、アプリ実行手段592は、当選したゲーム媒体を知らせるための情報を、ディスプレイ61に表示させる。
【0097】
画面sc1,sc2にて未成年者が操作した操作内容は、サーバ装置2に利用実績情報として送信され、利用制限条件が満たされているか否かの判断に用いられる。利用制限条件を満たさなかった結果、制限(ロック)がかかった場合、画面sc2の告知情報p7に示すように、その旨が表示される。この際、告知情報p7には、更に制限解除(ロック解除)のためのヒントや方法が表示されてもよい。
【0098】
また、制限解除(ロック解除)された場合、アプリ実行手段592は、その旨をディスプレイ61やスピーカ62に報知させてもよい。
【0099】
図5,
図6は、判定手段234の判定結果に応じた通知が保護者のユーザ端末7に表示される画面sc3,sc4を例示したものである。画面sc3,sc4は、ユーザ端末7の待ち受け画面に通知p8,p9が表示された状態を表す。画面sc3の通知p8は、未成年者が、利用制限条件を満たす範囲内でゲームアプリを利用していると判定された際に、その旨を文言にて表示したものである。画面sc4の通知p9は、未成年者によるゲームアプリの利用が利用制限条件を満たさないと判定された際のものである。通知p9には、利用制限条件が満たされない旨と、未成年者のユーザ端末5側で制限(ロック)がかかっている場合にはその制限解除(ロック解除)するための方法を紹介するヒントと、が含まれている。
【0100】
なお、通知p9を表示する際、スピーカ62からの音の出力を伴うことが好ましい。音の出力により、制限解除のための介入操作を行わなければならないことに、保護者がいち早く気づくことができるためである。
【0101】
また、利用制限条件が満たされている場合の通知p8は表示されなくてもよい。利用制限条件が満たされない場合の通知p9のみが表示されてもよい。
【0102】
他に、アプリ実行手段592は、判定手段234の判定結果に関係なく、ゲームプレイにおける救援要請があった旨の表示、付与された特典の表示などを、ディスプレイ61やスピーカ62に報知させる。
【0103】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図7は、アプリケーション管理システム1が行う一連の動作のフロー図である。
【0104】
ユーザ端末5,7それぞれにて、ゲームアプリのインストールを要求する操作が行われると(ステップst1,st2)、当該インストール要求はサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の通信制御手段231は、ゲームアプリのプログラムを、インストール要求の送信元であるユーザ端末5,7それぞれに送信させる(ステップst3)。ゲームプログラムを受信した各ユーザ端末5,7では、ゲームアプリのインストール処理が行われる(ステップst4,st5)。
【0105】
保護者および未成年者それぞれは、ユーザ端末5,7を介してゲームアプリへの設定登録操作を個別に行う。この操作で入力された情報は、逐次サーバ装置2に送られ、サーバ装置2は、ユーザDBに、保護者および未成年者それぞれに対するレコードを作成する。
【0106】
設定登録のあと、ユーザ端末5,7それぞれにて、ユーザ端末5,7同士をゲームアプリを介して通信可能にするペアリング処理が行われると(ステップst6,st7)、ペアリングが完了した旨の情報が、ユーザ端末5,7の少なくとも一方からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2では、当該情報に基づいて、ユーザDBの更新処理が行われる。具体的に、
図2に示すように、ペアリング処理の対象となったユーザ端末5,7それぞれのユーザに該当するレコードにおいて、繋がりのある他ユーザ情報として、ペアリング相手であるユーザ端末5,7のユーザ情報が書き込まれる。また、ペアリング処理が行われた際、保護者は、自身のユーザ端末7を介して、ペアリング相手(未成年者)を監視対象者として指定するとともに、当該未成年者に対する利用制限条件を設定登録する操作を行うことができる。この操作がなされると、サーバ装置2は、
図2のユーザDBのうちペアリング相手(未成年者)に該当するレコード上に、利用制限条件を書き込む。
【0107】
サーバ装置2の特典付与手段236は、ペアリングが完了したことに伴う特典を付与する(ステップst8)。特典が付与された旨および当該特典の内容は、付与されたユーザ端末5,7それぞれに送信される。これらの情報を受信したユーザ端末5,7のアプリ実行手段592は、所定タイミングで、受信した情報をディスプレイ61およびスピーカ62を介して報知させる(ステップst9,st10)。これにより、ユーザ端末5,7の未成年者および保護者は、どのような特典が付与されたかを把握することができる。
【0108】
未成年者のユーザ端末5にて、ゲームアプリが使用され、ゲームプレイが開始されたとする(ステップst11)。未成年者によるゲームアプリの利用実績情報が、ユーザ端末5からサーバ装置2に送信される。なお、本実施形態では、利用実績情報は、ゲームアプリが利用されている間、一定時間(例えば10分)ごとに送信される。サーバ装置2の判定手段234は、この利用実績情報に基づいて、ユーザ端末5の未成年者によるゲームの利用状況が、その未成年者に予め設定されている利用制限条件を満たすか否かを判定する(ステップst12)。
【0109】
ステップst12の判定結果が“利用制限条件を満たす”の場合(ステップst13のYes)、特典付与手段236は、ユーザ端末5には特典を付与し(ステップst14)、通信制御手段231は、利用制限条件が満たされている旨の判定結果を送信する(ステップst15)。これにより、未成年者のユーザ端末5では、特典が付与された旨および特典の内容が報知され、保護者のユーザ端末7では、
図5の画面sc3に示すように、通知の内容が報知される。
図5には図示していないが、画面sc3には更に、保護者へ付与された特典の内容が報知されることもできる。
【0110】
図7では図示していないが、利用制限条件が満たされている状態下にて、保護者は、未成年者のゲームプレイに介入するための介入操作を行うことができる。この介入操作は、保護者が未成年者とのゲームプレイを楽しむための操作であって、保護者が未成年者と共闘したり、対戦したり、未成年者のゲームプレイをサポートするための動作を保護者自身のキャラクタに対して行わせたりする操作、などが挙げられる。
【0111】
ステップst12の判定結果が“利用制限条件を満たさない”の場合(ステップst13のNo)、サーバ装置2の利用制限手段235は、利用制限条件を満たさない操作を行った未成年者のユーザ端末5に対して、ゲームアプリが有する少なくとも一部の機能を制限(ロック)する処理を行う(ステップst16)。通信制御手段231は、保護者のユーザ端末7に対して、判定結果と、未成年者側で制限(ロック)がかかった旨とを送信する。これにより、未成年者のユーザ端末5では、少なくとも一部が制限(ロック)され(ステップst17)、保護者のユーザ端末7では、
図6の画面sc4に示す通知p9が報知される(ステップst18)。
【0112】
課された制限については、保護者によるゲームアプリを通じた介入操作を介して所定条件が満たされると、制限が解除(利用可能)となる。そこで、未成年者は、保護者とゲームプレイを行い(ステップst19)、保護者は、ユーザ端末7にてゲームアプリを起動させて介入操作を行う(ステップst20)。この際の介入操作には、制限解除(ロック解除)する(未成年者側にて制限中の一部機能を利用可能とする)ための特定アイテムを仮想ゲーム空間内で渡す操作、未成年者と対戦プレイまたは共闘プレイを行う操作、未成年者とともに所定クエストをクリアする操作、などが挙げられる。
【0113】
どのような介入操作が行われたかの情報は、逐次ユーザ端末7からサーバ装置2に送られる。この介入操作が所定条件を満たしたことによってロック解除条件が満たされると、サーバ装置2の利用制限手段235は、ステップst16の制限を解除(ロック解除)する処理を行う(ステップst21)。これにより、未成年者のユーザ端末5では、ゲームアプリの少なくとも一部機能が利用できなくなるといった制限が解除され(ロック解除)、その旨が報知される(ステップst22)。この際、通信制御手段231は、未成年者側でロック解除され、問題が解消したことを、保護者のユーザ端末7に送信してもよい。
【0114】
以上をまとめると、本実施形態のアプリケーション管理プログラムは、制御部23(コンピュータ)を、未成年者(第1ユーザ)が利用するゲームアプリ(アプリケーション)の利用状況が、ゲームアプリ(アプリケーション)の利用時における制限を規定した利用制限条件を満たすか否かを判定する判定手段234と、未成年者(第1ユーザ)の利用するゲームアプリ(アプリケーション)に対する、未成年者(第1ユーザ)とは別の保護者(第2ユーザ)による介入操作を受け付け可能な通信制御手段231(受付手段)と、として機能させ、判定手段234の判定結果に応じて、介入操作のゲームアプリ(アプリケーション)内での効果が変化するものである。
【0115】
<効果>
本実施形態によれば、監視対象者である未成年者のゲームアプリの利用状況が利用制限条件を満たすか否かに応じて、そのゲームアプリに対して監視者である保護者が行う介入操作の効果が変化する。具体的には、利用制限条件を満たしている場合の介入操作は、保護者が未成年者のゲームプレイを支援する操作であって、この介入操作によりゲームの進行が未成年者にとって有利に働く効果が奏される。利用制限条件を満たさない場合、ゲームアプリ内の少なくとも一部の機能に制限がかかるが、この場合には未成年者への特殊アイテム付与や未成年者との対戦などの介入操作により、当該制限を解除する効果が奏される。
【0116】
このように、介入操作は、ゲームのプレイに関する点では共通しているが、その効果は、未成年者のゲームアプリの利用状況が利用制限条件を満たすか否かによって異なる。このことは、“監視者と監視対象者”の関係を浮き彫りにするというよりもむしろ、両者間のコミュニケーションのきっかけになり得る事柄である。つまり、保護者の介入操作は、未成年者を監視しつつもゲームを未成年者と共に楽しむ役割を担い、場合によっては未成年者が行ってしまった利用制限条件を超える操作を追認する役割を担う。従って、保護者は、未成年者との間を縮めるためのツールかつ未成年者を監視するツールとして、ゲームアプリを利用することができる。
【0117】
また、制限を解除するための操作が、ゲームのプレイ操作によって所定条件が満たされる場合に行われることで、ゲームアプリは、未成年者および保護者の双方に共通したコミュニケーションツールとして利用され易くなる。従って、双方の距離感を自然な形で縮めながらも、保護者は未成年者を監視し、未成年者は保護者によって監視されることを実現することができる。
【0118】
また、特典付与手段236は、未成年者および保護者それぞれのユーザ端末5,7がゲームアプリを介して通信可能に接続されていることを前提として、未成年者および保護者の少なくとも一方に、ゲームアプリ内にて有効な特典を付与することができる。つまり、ゲームアプリを介して通信可能に接続されることで、未成年者は監視される側、保護者は監視する側となり、未成年者と保護者との関係が良好ではなくなるおそれがある。その代償として、仮想ゲーム空間内では楽しんでもらうためにも、特典が付与される。
【0119】
また、判定手段234が利用制限条件の判定処理を行うことは、未成年者がゲームアプリを利用制限条件が満たされる範囲内で利用しているかどうか(問題ない範囲でゲームをプレイしているか否か)の監視が行われていることと同義である。更に、判定結果「利用制限条件を満たす」は、未成年者がゲームアプリを、利用制限条件が満たされる範囲内で利用していることそのものを表す。そこで、利用制限条件が満たされると判定される程、監視がより強固に行われ且つ利用制限条件が順守されているため、特典付与手段236は、未成年者および保護者の少なくとも一方に、ゲームアプリ内でより有効な特典を付与する。これにより、未成年者の監視が行われつつも、特典に基づいてゲームをより楽しむことができる。
【0120】
上述した特典には、利用制限条件の変更に関連するものが含まれる。例えば、特典は、課金要素が解放などのように、利用制限条件を緩和させる方向に変化させるものであることができる。これにより、未成年者は、利用制限条件の変動を、ゲーム性の1つとして捉えてゲームを楽しむことができる。
【0121】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本開示、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0122】
前記実施形態では、アプリケーションがゲームアプリである場合を例示した。しかし、判定手段の判定結果に応じて、介入操作のアプリケーション内での効果が変化することが実現できればよく、従ってアプリケーションはゲームアプリ以外であってもよい。ゲームアプリ以外のアプリケーションとしては、例えばスケジュールアプリ、時計アプリなどが挙げられる。
【0123】
前記実施形態では、各ユーザ端末5,7に、共通の(同一の)アプリケーションがインストールされている場合を例示した。しかし、各ユーザ端末5,7にインストールされているアプリケーションは、異なるアプリケーションであってもよい。各ユーザ端末5,7にインストールされているアプリケーションが異なっていても、各ユーザ端末5,7は、これらのアプリケーションを介した通信が可能であって、且つ、当該アプリケーションの少なくとも一方にて有効な特典を付与可能であることが好ましい。
【0124】
前記実施形態では、利用制限条件を満たすと判定される程、ゲームアプリ内でより有効な特典が付与されると説明した。これに代えて、または加えて、利用制限条件が満たされるか否かに関係なく、単に判定処理の回数が増す程、ゲームアプリ内でより有効な特典が付与されてもよい。また、判定処理の回数が所定回数に達した場合に、または、判定処理の回数が達した所定回数に応じて、ゲームアプリ内でより有効な特典が付与されてもよい。
【0125】
前記実施形態では、利用制限条件を満たすと判定される程、ゲームアプリ内でより有効な特典が付与されると説明した。これに代えて、または加えて、ユーザ端末5,7同士の実際の距離(物理的距離)に応じた特典が付与されてもよい。
【0126】
前記実施形態では、介入操作が、ゲームのプレイに関する操作である場合を例示した。しかし、介入操作は、例えば保護者が未成年者のゲームプレイについて「GOOD!」「BAD!」などの評価を行うなどの、ゲームのプレイに関する操作以外の操作が含まれてもよい。
【0127】
前記実施形態では、ペアリング処理を前提として特典が付与されると説明したが、これは必須ではない。また、通信手段は、無線接続の通信規格Bluetooth(登録商標)などに限定されず、サーバ装置2を介したネットワーク通信によって相互に通信可能となったことを前提として特典が付与されてもよい。
【0128】
前記実施形態において、判定手段234の判定処理は、未成年者のユーザ端末5側にてゲームプレイのための何らかの操作が行われた後であって、かつ、その操作に応じた処理が実際に実行されるよりも前に行われてもよい。仮に、利用制限条件を満たさない操作が行われた際、その操作に応じた処理がユーザ端末5側で実行されてしまうことと並行して判定処理が行われるのでは、設けた利用制限条件の意味が薄れてしまうためである。つまり、未成年者には、利用制限条件を満たす範囲内で安心してゲームを行ってもらいたいと願う保護者の意思に鑑みて、未成年者のユーザ端末5側にて行われた操作が実際に作用してしまう前に、判定処理が行われることが好ましい、といえる。この場合、ゲームアプリについての操作がユーザ端末5側にて入力された段階で、その操作に応じた処理が行われる前に、その操作情報はサーバ装置2に送られる。判定手段234は、直ちに利用制限条件を満たしているか否かを判定する。その判定結果がユーザ端末5に送られ、ユーザ端末5側では、入力済みの操作に応じた処理がようやく行われる。
【0129】
前記実施形態では、判定手段234、利用制限手段235、特典付与手段236が、サーバ装置2側に設けられている場合を例示したが、これには限られない。これらはユーザ端末5,7側に設けられていてもよい。また、サーバ装置およびユーザ端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置および端末にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
23 制御部(コンピュータ)
231 通信制御手段(受付手段)
234 判定手段