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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】車両用収納装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
B60R7/04 T
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018208421
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2020075548
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】上田 聡希
(72)【発明者】
【氏名】目崎 隆寛
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-021698(JP,A)
【文献】特開2003-175773(JP,A)
【文献】特開平10-076881(JP,A)
【文献】特開2009-083727(JP,A)
【文献】特開2011-251617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の天井に設けられ、車両上方に凹み内部にランプユニットが収納されるランプユニット収納室と、前記ランプユニット収納室に隣り合って設けられ、車両上方に凹み内部に物品を収納可能な物品収納室とを一体に形成した車両用収納装置であって、
前記物品収納室は、
車室側に開口した第1開口部と、
前記物品収納室の前記ランプユニット収納室側の端部に位置する回転軸を中心に前記物品収納室に対して車両上下方向に回動可能に支持されて前記第1開口部を開閉するリッドと、
前記物品収納室の前記ランプユニット収納室側の壁部である側壁部に設けられ、前記物品収納室の内外を連通する第2開口部と、
前記第2開口部を覆うように設けられ、前記側壁部の前記第2開口部よりも上方側、及び前記リッドに取り付けられるシート部材と、を備える、
ことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用収納装置であって、
前記リッドが前記第1開口部を閉鎖している状態において、前記リッドの前記シート部材が取り付けられる箇所は、前記側壁部の前記シート部材が取り付けられる箇所よりも前記ランプユニット収納室側に位置している
ことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用収納装置であって、
前記リッドは、前記ランプユニット収納室側の端部に設けられ、車両上方に起立する起立部を有し、
前記シート部材は、前記起立部に取り付けられる
ことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用収納装置であって、
前記シート部材は、前記側壁部の前記物品収納室側の面、及び前記起立部の前記物品収納室側の面に取り付けられている
ことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の車両用収納装置であって、
前記側壁部の前記第2開口部の上端との境界部分は、前記ランプユニット収納室側に向けて屈曲した屈曲部が形成されており、
前記シート部材は、前記屈曲部よりも上方で前記側壁部に取り付けられている
ことを特徴とする車両用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室の天井に取り付けられ、サングラス等の小物を収納する車両用収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、車室の天井にサングラス等の小物を収納するための車両用収納装置を設けたものがある。このような車両用収納装置の一例としては、サングラスなどの小物を収納する物品収納室(特許文献1では収納部)と、車室内を照らすマップランプを備えたランプユニットとが一体的に構成されたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来技術に係る車両用収納装置は、ランプユニット収納室(特許文献1ではフレーム部)と、小物等を収納する物品収納室(特許文献1では収納部)とを有するベース部材(特許文献1では基材)を備えている。ランプユニット収納室は、車室側に開口したランプユニット用開口部(特許文献1ではフレーム開口部)を有する有底箱状に形成されており、その内部にランプユニットが保持されている。
【0004】
物品収納室は、車室側に開口した第1開口部(特許文献1では基材開口部)を有する有底箱状に形成されている。また、物品収納室は、車両の前後方向において、ランプユニット収納室の後方に配置されている。ベース部材には、第1開口部を開閉するように回動自在にリッド(特許文献1ではケース)が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-290565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようにランプユニット収納室と、物品収納室とが一体的に形成されたベース部材では、美観を向上させるために、ランプユニット用開口部と第1開口部とを区画する梁部の幅を狭くすることが望まれている。しかしながら、梁部の幅を狭くすると、ランプユニット収納室の壁部と物品収納室の壁部との間の隙間が小さくなり、型による一体形成ができなくなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ランプユニット収納室と物品収納室との間の隙間を小さくしつつ一体形成することを可能とすることで美観を向上させるとともに、より確実に物品収納室を開閉することができる車両用収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、車室の天井に設けられ、車両上方に凹み内部にランプユニットが収納されるランプユニット収納室と、前記ランプユニット収納室に隣り合って設けられ、車両上方に凹み内部に物品を収納可能な物品収納室とを一体に形成した車両用収納装置であって、前記物品収納室は、車室側に開口した第1開口部と、前記物品収納室の前記ランプユニット収納室側の端部に位置する回転軸を中心に前記物品収納室に対して車両上下方向に回動可能に支持されて前記第1開口部を開閉するリッドと、前記物品収納室の前記ランプユニット収納室側の壁部である側壁部に設けられ、前記物品収納室の内外を連通する第2開口部と、前記第2開口部を覆うように設けられ、前記側壁部の前記第2開口部よりも上方側、及び前記リッドに取り付けられるシート部材と、を備える、ことを特徴とする車両用収納装置にある。
【0009】
第1の態様では、物品収納室のランプユニット収納室側の壁部に第2開口部を設けたので、物品収納室とランプユニット収納室とをより近づけて配置されるように一体形成することが可能となり、車両用収納装置の美観を向上させることができる。また成形の都合上設けられた第2開口部を覆うシート部材を設けたので、リッドを開く際に物品が第2開口部内に移動し、リッドの開放位置までの回動を妨げることを防止することができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の車両用収納装置であって、前記リッドが前記第1開口部を閉鎖している状態において、前記リッドの前記シート部材が取り付けられる箇所は、前記側壁部の前記シート部材が取り付けられる箇所よりも前記ランプユニット収納室側に位置していることを特徴とする車両用収納装置にある。
【0011】
第2の態様では、リッドが閉鎖位置にある状態において、シート部材を物品収納室側に傾斜するように側壁部とリッドとに取付けたので、リッドが開放した際にシート部材をより確実に物品収納室側に屈曲させることができる。この結果、小物等がリッドと側壁部とに挟まれることを抑制して、リッドの開閉をより確実に行うことができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の車両用収納装置であって、前記リッドは、前記ランプユニット収納室側の端部に設けられ、車両上方に起立する起立部を有し、前記シート部材は、前記起立部に取り付けられることを特徴とする車両用収納装置にある。
【0013】
第3の態様では、リッドから上方に起立する起立部にシート部材を取り付けたため、リッドが開放位置へ回動する際、シート部材が起立部により上方かつ物品収納室側に押され、シート部材をより確実に物品収納室側に屈曲させることができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の車両用収納装置であって、前記シート部材は、前記側壁部の前記物品収納室側の面、及び前記起立部の前記物品収納室側の面に取り付けられていることを特徴とする車両用収納装置にある。
【0015】
第4の態様では、シート部材は、側壁部の物品収納室側の面、及び起立部の物品収納室側の面に取り付けられている。これにより、リッドが開放位置に回動したときに、シート部材のランプユニット収納室側への屈曲を側壁部、起立部で押さえることができるので、物品収納室側に屈曲し易くなり、より確実にリッドの開閉を行うことができる。また、車両用収納装置を組み立てる際に、シート部材を物品収納室の内側から取り付けることになるので、シート部材の取り付け作業を行い易い。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1から第4の何れか一つの態様に記載の車両用収納装置であって、前記側壁部の前記第2開口部の上端との境界部分は、前記ランプユニット収納室側に向けて屈曲した屈曲部が形成されており、前記シート部材は、前記屈曲部よりも上方で前記側壁部に取り付けられていることを特徴とする車両用収納装置にある。
【0017】
第5の態様では、リッドが閉鎖位置にあるときにおいて、シート部材を屈曲部に沿わせた状態、すなわち、シート部材を物品収納室側に向けて丸みを帯びるように撓んだ状態とすることができる。これにより、リッドが開放位置に向けて回動する際に、より確実にシート部材を物品収納室側に屈曲させることができる。また、シート部材が第2開口部の縁に接触することを防止できるので、シート部材が第2開口部の縁に引っ掛かったり、シート部材が傷ついたりすることを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ランプユニット収納室と物品収納室との間の隙間を小さくしつつ一体形成することを可能とすることで美観を向上させるとともに、より確実に物品収納室を開閉することができる車両用収納装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る車両用収納装置の斜視図である。
図2】実施形態に係る車両用収納装置の斜視図である。
図3】実施形態に係る車両用収納装置のリッドを閉じた状態における断面図である。
図4】実施形態に係る車両用収納装置のリッドを開いた状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0021】
図1から図4を用いて、実施形態に係る車両用収納装置1について説明する。図中のX方向は車両の前後方向、Y方向は車幅方向、Z方向は車両上下方向である。X方向の矢印が向く方向は車両の前方であり、Z方向の矢印が向く方向は車両上方である。
【0022】
車両用収納装置1は、車両の車室の天井(図示せず)に固定されるベース部材10を備えている。ベース部材10は、樹脂材料により一体形成されており、ランプユニット収納室20と、物品収納室30と、梁部50とを備えている。
【0023】
ランプユニット収納室20は、車両上方に凹み車室側(車両下方)に開口したランプユニット用開口部21を有する有底箱状に形成されている。ランプユニット収納室20の内部には、ランプユニット70が保持されている。
【0024】
ランプユニット70は、車室内を照らすランプ71、ボタン72、及びボタン72の状態に応じてランプ71を点灯又は消灯させる電子回路等を備えた装置である。ランプユニット70は、ランプ71がランプユニット用開口部21内に露出し、車室を照らすように配置されている。
【0025】
物品収納室30は、ランプユニット収納室20と隣り合うように設けられ、車両上方に凹み車室側に開口した第1開口部31を有する有底箱状に形成されている。物品収納室30のランプユニット収納室20側の壁部である側壁部35には、物品収納室30の内外を連通するように開口した第2開口部32が設けられている。本実施形態では、物品収納室30は、車両の前後方向において、ランプユニット収納室20の後方に配置されている。
【0026】
物品収納室30の側壁部35は、本実施形態では、上下方向に延びる第1側面部36及び第2側面部37を有している。第1側面部36は、下側の端部がランプユニット収納室20側に向けて屈曲した屈曲部38となっており、第2側面部37は、屈曲部38から下方に延びている。すなわち、側壁部35は、第2側面部37が第1側面部36よりも下方、かつランプユニット収納室20側に位置した段差を有する断面形状を有している。
【0027】
第1開口部31は、物品収納室30に小物等を入れ、又は物品収納室30から小物等を取り出すための開口であり、リッド40により開閉される。
【0028】
第2開口部32は、物品収納室30を構成する側壁部35に設けられた開口である。具体的には、第2開口部32は、側壁部35のうち屈曲部38の途中から第2側面部37の下端に亘って開口している。すなわち、第2開口部32の上端と側壁部35との境界部分は、屈曲部38により屈曲されている。第2開口部32は、車両用収納装置1を型により一体形成する際に、型が進入するための開口であり、これにより、ランプユニット収納室20の壁部と物品収納室30の側壁部35との間の間隔が狭い場合であっても、車両用収納装置1を型により一体形成することができるようになっている。
【0029】
このようなベース部材10には、車室側の面に、ランプユニット用開口部21と第1開口部31とを区画する梁部50が形成されている。梁部50の前後方向における幅を狭めることで、図1に示すランプユニット70と、物品収納室30を閉じたリッド40とを近づけて配置にすることができ、美観を向上させることができる。
【0030】
リッド40は、ベース部材10に回動可能に支持されて第1開口部31を開閉する部材である。リッド40は、ベース部材10の物品収納室30内においてランプユニット収納室20側の端部に位置する回転軸45を中心として車両上下方向に回動可能なようにベース部材10に支持されている。本実施形態では、回転軸45は車幅方向に沿って延びている。
【0031】
図3に示すように、リッド40が第1開口部31を閉じた位置を閉鎖位置と称し、図4に示すようにリッド40が第1開口部31を閉じていない位置を開放位置と称する。また、特に図示しないが、リッド40が閉鎖位置にある状態を保持し、または、リッド40が所定角度まで回動した開放位置を保持するためのロック機構がベース部材10に設けられている。このようなリッド40を回動させる構造やロック機構については、公知技術であるので詳細な説明は省略する。
【0032】
リッド40は、第2開口部32に対応した位置に、物品収納室30内(車両上方)に突出した起立部41が設けられている。本実施形態では、起立部41はリッド40に対して略垂直に起立している。なお、第2開口部32に対応した位置とは、起立部41の壁面が第2開口部32に対向するように配置されていることをいう。
【0033】
本実施形態では、起立部41は、車幅方向の長さが第2開口部32の車幅方向の長さよりも長く、物品収納室30の端部近傍まで延びている。もちろん、このような幅に限定されず、起立部41の車幅方向の長さは第2開口部32の幅と同等又は狭くてもよい。
【0034】
なお、起立部41の高さは、図4に示すようにリッド40が開放位置にあるときにおいて、起立部41が側壁部35に干渉しない高さとなっている。
【0035】
起立部41は、図3に示すように、リッド40が閉鎖位置にある状態において、第1側面部36よりもランプユニット収納室20側に位置している。
【0036】
リッド40及び側壁部35には、第2開口部32を塞ぐシート部材60が取り付けられている。シート部材60は可撓性のある素材、例えば不織布で形成されている。シート部材60は、少なくとも、第2開口部32の開口形状よりも大きな形状を有しおり、本実施形態では、第2開口部32を覆うとともに、側壁部35の物品収納室30側の面の全体をほぼ覆うような形状としてある。
【0037】
具体的には、シート部材60は、起立部41の物品収納室30側の面と、第1側面部36、すなわち側壁部35の第2開口部32よりも上方に位置する箇所の物品収納室30側の面とに、例えば接着剤で接着されている。また、シート部材60は、屈曲部38には接着されていない。このようにシート部材60が第2開口部32を覆っているので、小物等が第2開口部32から外部に飛び出すことが防止されている。
【0038】
なお、本実施形態では、リッド40の物品収納室30側の面にも不織布からなるリッド側シート部材65が取り付けられている。
【0039】
シート部材60が起立部41及び第1側面部36に取り付けられると、起立部41が第1側面部36よりもランプユニット収納室20側に位置しているため、シート部材60の中央部61(起立部41と第1側面部36の間の位置にあるシート部材60の一部)は、図3に示すように、下側から上側に向かうにつれて物品収納室30側に傾斜した状態となる。ここで言う「傾斜した状態」とは、シート部材60の中央部61が第1側面部36の上下方向の延長線に対して傾斜していることを指す。
【0040】
この状態においてリッド40が開放位置に向けて回動すると、図4に示すように、シート部材60は物品収納室30側に向けて突出するように屈曲する。つまり、リッド40が閉鎖位置にあるときにおいて、シート部材60の中央部61は予め物品収納室30側に傾斜しているので、リッド40を開放位置に向けて回動した際に、シート部材60の中央部61は物品収納室30側に屈曲しやすくなっている。
【0041】
このようにして、リッド40を開放する際に、シート部材60の中央部61は物品収納室30側に突出するように屈曲するので、小物等がシート部材60に包み込まれながら第2開口部32内に移動し、リッド40と側壁部35とに挟まれることを抑制することができる。したがって、リッド40の開閉をより確実に行うことができる。
【0042】
以上に説明したように、車両用収納装置1は、物品収納室30のランプユニット収納室20側の壁部に第2開口部32を設けたので、物品収納室30とランプユニット収納室20とをより近づけて配置されるように一体形成することが可能となり、車両用収納装置1の美観を向上させることができる。また成形の都合上設けられた第2開口部32を覆うシート部材60を設けたので、リッド40を開く際に物品が第2開口部32内に移動し、リッド40の開放位置までの回動を妨げることを防止することができる。
【0043】
また、リッド40が閉鎖位置にある状態において、シート部材60を物品収納室30側に傾斜するように第1側面部36とリッド40とに取付けたので、リッド40が開放した際にシート部材60をより確実に物品収納室30側に屈曲させることができる。この結果、小物等がリッド40と側壁部35とに挟まれることを抑制して、リッド40の開閉をより確実に行うことができる。
【0044】
また、リッド40から上方に起立する起立部41にシート部材60を取り付けたため、リッド40が開放位置へ回動する際、シート部材60が起立部41により上方かつ物品収納室30側に押され、シート部材60をより確実に物品収納室30側に屈曲させることができる。なお、本実施形態では、起立部41はリッド40から垂直に起立しているが、これに限らず、起立部41を上端がランプユニット収納室20側へ向かうように傾斜させてもよい。このようにすることで、シート部材60をより確実に物品収納室30側に屈曲させることができる。
【0045】
また、シート部材60は、第1側面部36の物品収納室30側の面、及び起立部41の物品収納室30側の面に取り付けられている。これにより、リッド40が開放位置に回動したときに、シート部材60のランプユニット収納室20側への屈曲を第1側面部36、起立部41で押さえることができるので、物品収納室30側に屈曲し易くなり、より確実にリッド40の開閉を行うことができる。また、車両用収納装置1を組み立てる際に、シート部材60を物品収納室30の内側から取り付けることになるので、シート部材60の取り付け作業を行い易い。
【0046】
また、シート部材60が取り付けられる第1側面部36の下側の端部は、ランプユニット収納室20側に向けて屈曲した屈曲部38となっており、この屈曲部38にはシート部材60が取り付けられていない。このような構成とすることで、リッド40が閉鎖位置にあるときにおいて、シート部材60を屈曲部38に沿わせた状態、すなわち、シート部材60を物品収納室30側に向けて丸みを帯びるように撓んだ状態とすることができる。これにより、リッド40が開放位置に向けて回動する際に、より確実にシート部材60を物品収納室30側に屈曲させることができる。また、シート部材60が第2開口部32の縁に接触することを防止できるので、シート部材60が第2開口部32の縁に引っ掛かったり、シート部材60が傷ついたりすることを防止できる。
【0047】
また、シート部材60は、不織布である。これにより、車両の加減速などにより、物品収納室30に収納された小物等が移動して物品収納室30の内面に接触することで生じる音を抑制することができる。さらに本実施形態では、リッド40にもリッド側シート部材65を取り付けたので、音の発生をより一層抑制することができる。
【0048】
なお、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0049】
例えば、図3に示した実施形態では側壁部35は段差を有する形状であったが、これに限定されない。例えば、段差のない平坦な側壁部35であってもよい。このように側壁部35は、第2開口部32が設けられ、シート部材60の上部を取り付けるための領域を有する形状であればよい。
【0050】
また、上述した実施形態では起立部41は一枚の平板状の部材であったが、これに限定されない。複数の部材から起立部41を構成してもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、物品収納室30は、車両前後方向においてランプユニット収納室20よりも後方に配置されていたが、これに限定されない。物品収納室30は、ランプユニット70の車幅方向側方に配置されていればよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、シート部材60の下端は、起立部41に取り付けられていたが、これに限定されず、リッド40の物品収納室30側に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…車両用収納装置、10…ベース部材、20…ランプユニット収納室、21…ランプユニット用開口部、30…物品収納室、31…第1開口部、32…第2開口部、35…側面、36…第1側面部、37…第2側面部、38…屈曲部、40…リッド、41…起立部、45…回転軸、50…梁部、60…シート部材、61…中央部、70…ランプユニット
図1
図2
図3
図4