(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 605D
A63F5/04 661
(21)【出願番号】P 2020141526
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2020-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】井川 拓士
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】岩井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】白石 悠一
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-065484(JP,A)
【文献】特開2015-008759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選した場合、最後の前記ストップボタンの押下操作以降も前記特殊画像の表示を継続させ、前記特殊画像を表示させている状態において、当該リプレイの当選に基づく次遊技の開始操作が行われるまでの間に精算処理が実行された場合、
前記特殊画像を表示させない状態とし、精算に係る報知を実行させ、前記精算処理が完了した後に前記特殊画像を表示させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選した場合、最後の前記ストップボタンの押下操作以降も前記特殊画像の表示を継続させ、前記特殊画像を表示させている状態において、当該リプレイの当選に基づく次遊技の開始操作が行われるまでの間に精算処理が実行された場合、前記特殊画像の表示を継続させた状態とし、精算に係る報知を実行させ、前記精算処理が完了した後も前記特殊画像の表示を継続させる
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、特定の役に当選した場合に、この特定の役の入賞を補助する打順ナビ演出(指示演出)を実行可能な演出状態であるAT演出状態(アシストタイム演出状態)が設けられたスロットマシンが知られている。このようなスロットマシンでは、AT演出状態において打順ナビ演出が行われるため、遊技者は当該特定の役を入賞させることが容易となり、メダルを増加させることができる。
【0004】
また、特許文献1に開示されたスロットマシンは、所定の遊技状態において、第1規定数(3枚)または第2規定数(2枚)のいずれかのメダルを投入し、遊技を行うことができるようになっている。換言すると、所定の遊技状態において、3枚掛け遊技または2枚掛け遊技を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、情報の報知が適切に制御されることが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、情報の報知が適切に制御された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とせず、
前記所定のタイミング以降のタイミングで精算処理が実行された場合に、前記精算処理が完了した後にも前記特殊画像を表示させることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、第2規定数での遊技に関する情報の報知を適切に制御できる。(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態とならない(特殊画像の表示が継続される)。このため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることに起因して、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、2枚掛け遊技後に特殊画像が表示されている状態で精算処理が実行された場合、精算処理の完了後にも特殊画像が表示される。精算処理の完了とともに遊技者が遊技をやめた場合であっても、精算処理の完了後に特殊画像が表示されるため、他の遊技者(次の遊技者)は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われたことを認識できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報の報知を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図4】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図6】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図7】同、2枚掛け遊技で表示される特殊画像の一例を示す図である。
【
図8】同、特殊画像の別の例について説明するための図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係るスロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
【
図10】同、スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
【
図12】同、スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
【
図13】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図14】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図15】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図16】同、主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
【
図17】同、主制御基板のリール停止処理を示したフローチャートである。
【
図18】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図19】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図20】同、遊技機の精算ボタンの操作に基づいて実行される精算処理に関するブロッカーの位置、メイン制御基板(主制御手段)の制御状態、および、サブ制御基板(副制御手段)の制御状態のタイミングチャートである。
【
図21】同、遊技機の精算処理に係るメイン制御基板側での制御動作のフローチャートである。
【
図22】同、遊技機の精算処理に係るサブ制御基板側での制御動作のフローチャートである。
【
図23】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その1)である。
【
図24】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その2)である。
【
図25】同、遊技機のエラーの種類、エラーコード、および解除方法について示す図である。
【
図26】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その3)である。
【
図27】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その4)である。
【
図28】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その5)である。
【
図29】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、1回の遊技に関して必要な数(規定数)のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、後述する遊技状態毎に設定されており、遊技状態に応じて1枚~3枚のいずれか1つまたは複数が設定される。具体的には、規定数は、遊技状態に応じて2枚または3枚に設定されており、2枚または3枚のメダルを投入(ベット)して遊技を実行することが可能となっている。また、本実施形態の遊技機では、2枚のメダルを投入して遊技を行う場合と3枚のメダルを投入して遊技を行う場合とのいずれの場合においても、第1リール20aの中段と、第2リール20bの上段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されるようになっている。なお、メダルの投入数に応じて、異なる有効ラインが設定されるようになっていてもよい。
【0016】
各リール20a~20cの外周面は、一定の間隔で20の領域(コマ)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。また、各リール20a~20cの各コマ(各コマに配置された図柄)には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図2参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段90と、サブ側記憶手段92と、を備えている。また、サブ側記憶手段92は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段90とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段90へ指示を出す。また、演出サブ制御手段90は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段92に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段90で行ってもよく、演出サブ制御手段90で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態A、RBB内部中状態B、RBB作動中状態AおよびRBB作動中状態Bが設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態、メダルの投入数および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図3に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0030】
図3に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役35が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「6択ベル1」~「6択ベル6」、「12択ベル1」~「12択ベル12」、「共通ベル」、「チェリー3」、「スイカ」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「小役ALL」および「1枚ALL」が用意されている。また、小役1~小役15、小役32および小役35は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役16は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役17~小役31、小役33および小役34は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」および「12択ベル1」~「12択ベル12」をまとめて打順ベル(択役)と呼ぶこととする。
【0031】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役35)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、全ての1枚役(小役17~小役31、小役33、小役34)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」および当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」は、1種類または複数種類の15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通ベル」は、複数種類の15枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チェリー3」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」は、小役16が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目1」は、小役34が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目2」は、複数種類の15枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ8が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」および「チェリー2B」が用意されている。
【0033】
当選エリア「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」および「チェリー2B」は、それぞれ1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアまたは複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、第1ビッグボーナス(RBB1)~第4ビッグボーナス(RBB4)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、RBB1~RBB4のそれぞれが単独で当選する当選エリア「RBB1」~「RBB4」が用意されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナス(RBB1~RBB4)としていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0035】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0036】
各当選エリアは、遊技状態およびメダルの投入数に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態およびメダルの投入数に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。
図3では、各遊技状態において各投入数で遊技を実行する場合に、各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。
【0037】
すなわち、当選エリア「不当選」は、遊技状態がRBB内部中状態Bであってメダルの投入数が3枚の場合、または遊技状態がRBB作動中状態AもしくはRBB作動中状態Bの場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0038】
また、当選エリア「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」、「チェリー2B」および「スイカ」は、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態AまたはRBB内部中状態Bの場合に(投入数に関わらず)当選し得るようになっており、RBB作動中状態AおよびRBB作動中状態Bでは当選しないようになっている。
【0039】
また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」、「12択ベル1」~「12択ベル12」、「共通ベル」、「チェリー3」、「チャンス目1」および「チャンス目2」は、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態AまたはRBB内部中状態Bであって、メダルの投入数が3枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0040】
また、当選エリア「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態およびメダルの投入数に関わらずに当選し得るようになっている。
【0041】
また、当選エリア「RBB1」および「RBB2」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が3枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0042】
また、当選エリア「RBB3」および「RBB4」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が2枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0043】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0044】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態AとRBB内部中状態Bとで、メダルの投入数毎に、小役の当選確率が同一となっている。
【0045】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0046】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(RBB1~RBB4)がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0047】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0048】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0049】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0050】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段92のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。また、例えば、遊技状態がRBB内部中状態Bである場合に設定値が変更されても遊技状態を初期状態に戻さずRBB内部中状態Bのままとし、それ以外の遊技状態(例えば、RBB内部中状態A等)である場合には、設定値が変更されると遊技状態を初期状態である一般中状態に戻すこととしてもよい。
【0051】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0052】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0053】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0054】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0055】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0056】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0057】
図4に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、
図4は、RBB内部中状態(RBB内部中状態AおよびRBB内部中状態B)において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~小役15、小役32または小役35を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役17~小役31、小役33または小役34を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0058】
具体的には、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、正解打順で操作がされると、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0059】
また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定の図柄(第1特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば、有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第1特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0060】
また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄とは異なる特定の図柄(第2特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第2特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第2特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0061】
また、各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0062】
また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する態様(正解打順および所定のタイミング)で停止操作がされた場合であっても、1枚役が入賞する(15枚役が入賞しない)ようになっている。また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選した場合であって、第1停止操作がRBB内部中状態における正解打順に則したものであった場合(第1停止操作が正解であった場合)、1枚役が必ず入賞する(取りこぼしがない)ようになっている。
【0063】
なお、
図4における括弧書きの内容は、その打順(および、前述した第1特定図柄あるいは第2特定図柄が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置に位置している所定の状態)で停止操作が行われた場合における、1枚役および15枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、停止操作のタイミングが(前記所定範囲内において)ランダムであることを前提として、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0064】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0065】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0066】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役15、小役32または小役35に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役16に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役17~小役31、小役33または小役34に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0067】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0068】
遊技状態制御手段49は、
図5に示すように、一般中状態、RBB内部中状態A(ボーナス成立状態A)、RBB作動中状態A(ボーナス状態A)、RBB内部中状態B(ボーナス成立状態B)、およびRBB作動中状態B(ボーナス状態B)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0069】
一般中状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、規定投入数(規定数)が2枚および3枚に設定されている。また、一般中状態からはRBB内部中状態AおよびRBB内部中状態Bへの移行が可能となっている。具体的には、一般中状態において、RBB1またはRBB2が当選した場合にRBB内部中状態Aに移行し、RBB3またはRBB4が当選した場合にRBB内部中状態Bに移行する。また、一般中状態では、メダルの投入数に応じて、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定されている内部抽選テーブル、またはRBB3およびRBB4が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0070】
具体的には、一般中状態においてメダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合には、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定され、RBB3およびRBB4が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態においてメダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、RBB3およびRBB4が抽選対象として設定され、RBB1およびRBB2が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0071】
RBB内部中状態Aは、内部抽選でRBB1またはRBB2に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Aでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0072】
また、RBB内部中状態Aでは、RBB1またはRBB2が入賞するまでRBB1またはRBB2に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態AからRBB作動中状態Aへ移行させる。また、本実施形態では、RBB1およびRBB2は、メダルの投入数が3枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Aにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB1またはRBB2を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Aにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB1およびRBB2を入賞させることができないようになっている。
【0073】
RBB内部中状態Bは、内部抽選でRBB3またはRBB4に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Bでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0074】
また、RBB内部中状態Bでは、RBB3またはRBB4が入賞するまでRBB3またはRBB4に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態BからRBB作動中状態Bへ移行させる。また、本実施形態では、RBB3およびRBB4は、メダルの投入数が2枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Bにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB3またはRBB4を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Bにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB3およびRBB4を入賞させることができないようになっている。
【0075】
RBB作動中状態Aは、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、規定投入数が3枚に設定されている。また、RBB作動中状態Aでは、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態Aでは、RBB作動中状態Aにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、66枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Aを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Aの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Aでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
【0076】
RBB作動中状態Bは、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、規定投入数が3枚に設定されている。また、RBB作動中状態Bでは、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態Bでは、RBB作動中状態Bにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、2枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Bを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Bの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Bでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
【0077】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13に実行させるようになっている。
【0078】
遊技区間制御手段80は、
図6に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0079】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0080】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0081】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、15枚のメダルの払い出しがあった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0082】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0083】
演出状態制御手段81は、
図6に示すように、非有利区間演出状態、非AT演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、特別演出状態および通常AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0084】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態に移行させる。
【0085】
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。
【0086】
また、非AT演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0087】
演出状態制御手段81は、非AT演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。本実施形態の遊技機では、非AT演出状態における遊技の回数には、上限(いわゆる天井)が設定されており、非AT演出状態において所定回数(例えば、500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。また、天井としての非AT演出状態における遊技回数の上限は、非AT演出状態が開始される際に抽選で決定されるようになっている。本実施形態の遊技機では、当該抽選により、200回、300回、400回または500回の中から非AT演出状態での遊技回数の上限が決定されるようになっている。なお、非AT演出状態において実行された遊技の回数(天井までの残り遊技回数)は、例えば、当該遊技回数をカウントするためのカウンタを記憶手段60のRAMに設けて管理してもよい。なお、非AT演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行い、CZ抽選に当選した場合に演出状態制御手段81が演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0088】
CZ演出状態は、非AT演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、非AT演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。本実施形態の遊技機では、非AT演出状態およびCZ演出状態において、複数(所定数)の達成条件を達成すると、特典付与手段82が特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与するようになっており、非AT演出状態よりもCZ演出状態の方が、各達成条件が達成される期待度が高くなっている。なお、例えば、非AT演出状態およびCZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合に特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよく、この場合に、非AT演出状態よりもCZ演出状態の方が、AT抽選の当選期待度が高く設定されていてもよい。
【0089】
また、CZ演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0090】
非AT演出状態またはCZ演出状態において、AT演出状態への移行が決定されると(移行の権利が付与されると)、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態に移行させる。AT演出状態においては、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。
【0091】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたATストック数カウンタ66とAT遊技数カウンタ67とに基づいて管理されている。特典付与手段82は、非AT演出状態またはCZ演出状態において、AT演出状態への移行の権利の付与を決定すると、ATストック数カウンタ66に所定値「1」を加算する。また、非AT演出状態またはCZ演出状態においてATストック数カウンタ66の記憶値が「1」以上である場合、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。具体的には、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。
【0092】
特別演出状態は、AT演出状態が開始される際に基本的に移行する演出状態となっている。特別演出状態では、特典付与手段82は、毎遊技、内部抽選の結果に応じてATポイントを付与するか否かを決定する抽選(ATポイント付与抽選)を行い、ATポイント付与抽選の結果に応じてATポイントを付与するようになっている。また、ATポイントは、記憶手段60のRAMに設けられたATポイントカウンタ68に蓄積されるようになっており、ATポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、特典付与手段82は、ATストック数カウンタ66に所定値「1」を加算するとともに、ATポイントカウンタ68の記憶値から所定値「100」を減算する。なお、ATポイント付与抽選では、ATポイントを付与するか否かを決定するだけでなく、付与する場合に何ポイント付与するかまで決めており、決定されたポイント数に応じた値がATポイントカウンタ68の記憶値に加算されるようになっている。また、ATポイント付与抽選(ATポイントの付与)は、通常AT演出状態でも実行されるが、特別演出状態は、通常AT演出状態に比べ、ATポイントの付与に対する期待度が高くなっており、通常AT演出状態に比べ、ATポイントを獲得しやすい演出状態となっている。換言すると、特別演出状態は、通常AT演出状態に比べ、AT演出状態のストック数が増加しやすい(AT演出状態の継続期間が増加しやすい)演出状態となっている。
【0093】
特別演出状態は、保障遊技数が10回に設定されており、必ず10回以上の遊技が実行されるようになっている。また、特別演出状態においては、10回の遊技が実行された後は、内部抽選で打順ベルが当選する毎に特別演出状態を終了させるか否かを決定する抽選(特別演出状態終了抽選)を行っており、特別演出状態終了抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。
【0094】
演出状態制御手段81は、通常AT演出状態を開始する際に、ATストック数カウンタ66から所定値「1」を減算するとともに、1セット分の遊技の回数に相当する値「20」をAT遊技数カウンタ67に設定する。また、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において遊技が実行される毎に、AT遊技数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する。また、通常AT演出状態においてAT遊技数カウンタ67の記憶値が「0」に達すると(通常AT演出状態において1セット分の遊技が実行されると)、演出状態制御手段81は、ATストック数カウンタ66の記憶値を参照する。参照したATストック数カウンタ66の記憶値が「1」以上であれば、演出状態制御手段81は、ATストック数カウンタ66の記憶値から所定値「1」を減算するとともに、1セット分の遊技の回数に相当する値「20」をAT遊技数カウンタ67に設定して、再度1セットの通常AT演出状態を開始させる。一方、参照したATストック数カウンタ66の記憶値が「0」であれば、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態を終了させ、他の演出状態に移行させる。ここで、通常AT演出状態においてATストック数カウンタ66の記憶値が「0」に達することは、AT演出状態の終了条件のうちの1つとなっており、ATストック数カウンタ66の記憶値が「0」に達した場合において、AT演出状態を継続可能とする他の条件が成立していない場合には、演出状態制御手段は、演出状態を通常AT演出状態から非有利区間演出状態へ移行させる。また、このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
【0095】
なお、本実施形態の遊技機では、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(通常AT演出状態のセット数)によって管理しているが、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づいて管理してもよい。
【0096】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、ATストック数カウンタ66の記憶値、AT遊技数カウンタ67の記憶値、ATポイントカウンタ68の記憶値および指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0097】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0098】
本実施形態の遊技機では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技では、指示機能に係る抽選(CZ抽選やAT抽選等のAT演出状態への移行に係る抽選等)や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。以下、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出(指示演出)等を、指示機能に係る処理という。
指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態Bである場合には指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態A、RBB作動中状態AまたはRBB作動中状態Bである場合には、指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態の遊技機では、遊技状態がRBB内部中状態Bであって、かつ、メダルの投入数を3枚として遊技が行われる場合にのみ指示機能に係る処理が実行されるようになっており、他の遊技状態および投入数では、指示機能に係る処理が実行されないようになっている。換言すると、RBB作動中状態Bにおいて、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて、指示機能(指示演出)に関する性能(メダルの獲得に関する期待度)が低くなっている。さらに換言すると、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べ、指示演出に基づくメダルの獲得に関する期待度が低くなっている。
【0099】
本実施形態の遊技機では、AT演出状態において、メダルの投入数を3枚として行われる遊技では指示演出が実行され得るが、AT演出状態において、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では指示演出が実行されないようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、打順ベルに当選しないので(
図3参照)、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ナビ演出が実行されることはないが、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ベルに当選し得る構成であったとしても、メダルの投入数を2枚として遊技が行われる場合には打順ナビ演出を実行しないこととしてもよい。
【0100】
指示機能に係る処理には、有利区間移行抽選や、有利区間移行抽選の当選に基づき遊技区間を有利区間へ移行させる処理等がある。なお、有利区間移行抽選や有利区間移行抽選の当選に基づき有利区間へ移行させる処理を、有利区間移行に係る処理と称してもよい。本実施形態の遊技機では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、非有利区間においてメダルの投入数を3枚として行われる遊技では、内部抽選の結果に応じて有利区間に係る処理を行うが、非有利区間においてメダルの投入数を2枚として行わる遊技では、内部抽選の結果いずれの当選態様を得た場合であっても、有利区間に係る処理を行わないようになっている。したがって、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では、指示演出が実行され得る有利区間への移行が決定することがない。換言すると、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて、指示演出に関する性能が低くなっている。
【0101】
また、指示機能制御手段51は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技において、CZ抽選、AT抽選、ATポイント付与抽選等の抽選を行い得るが、メダルの投入数を2枚として行われている遊技では、これらの抽選を行わないようになっている。また、指示機能制御手段51は、メダルの投入数を3枚として行われている遊技において、非AT演出状態の天井までの残り遊技回数をカウントするカウンタや、ATストック数カウンタ66、AT遊技数カウンタ67、ATポイントカウンタ68等の記憶値の更新を行い得るが、メダルの投入数を2枚として行われている遊技では、これらのカウンタの更新を行わないようになっている。
【0102】
なお、メダルの投入数を2枚として行われる遊技において、指示機能に係る処理が行われることがあってもよい。ただし、その場合であっても、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて指示演出に関する性能が低くなっているものとする。指示演出に関する性能が低くなっているとは、例えば指示機能に係る処理をAT抽選とする場合、AT抽選が実行される頻度が低くなっていることや、AT抽選が実行される頻度は同一であるがその当選確率が低くなっていること等がある。
【0103】
演出制御手段100は、演出装置の1つである表示装置13における画像の表示に関する制御を行う。本実施形態に係る遊技機では、所定の遊技において、メダルの投入数を第1規定数(3枚)または第2規定数(2枚)のいずれかとし、遊技を行うことが可能である。当該所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のメダルが投入(ベット)されると、スタートレバー24の操作が有効化される。次に、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技(1遊技)が開始される。次に、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次に、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合(当選役に入賞したと判定された場合)、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行されて、1遊技が終了する。一方、内部抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合、または内部抽選で当選した当選役に入賞しなかったと判定された場合、各リール20a~20cが停止したことをもって1遊技が終了する。以下、第1規定数(3枚)のメダルが投入されて行われる遊技を「3枚掛け遊技」といい、第2規定数(2枚)のメダルが投入されて行われる遊技を「2枚掛け遊技」という。
【0104】
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる(報知する、示す、示唆する)特殊画像を表示装置13に表示させる。特殊画像の例は後述するが、2枚掛け遊技であることを知らせるとは、その旨が直接表示されていることや、その旨が直接表示されていなくても2枚掛け遊技専用の特殊な表示であること等を指し、2枚掛け遊技であることを遊技者が認識できるものとする。
【0105】
演出制御手段100は、第2規定数のメダルの投入によって有効化されたスタートレバー24が操作されると、当該スタートレバー24の操作を契機として、特殊画像を表示させる。2枚掛け遊技の開始に伴い特殊画像が表示され、2枚掛け遊技が行われていることが報知されることで、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。
【0106】
(特殊画像)
ここで、
図7を用いて、特殊画像(2枚掛け遊技画像)の例をいくつか示す。なお、特殊画像は静止画に限らず、動きを伴うもの(動画)であってもよい。
図7(a)は、特殊画像の一例を示す図である。この特殊画像は、特殊な背景画像となっている。背景画像は、風景、建物、自動車、キャラクタ、もしくは記号等、またはそれらの組合せが描かれた画像である。
図7(b)は、特殊画像の別の一例を示す図である。この特殊画像は、
図7(a)で示した特殊画像と、「2枚掛け遊技中」という文字(特殊文字画像)と、を有する画像である。なお、
図7(b)の特殊画像のように「2枚掛け遊技中」という特殊文字画像を有する場合には、背景画像は、2枚掛け遊技演出以外の演出で用いられるものであってもよい。
なお、特殊画像を表示させる/表示させない、という場合、
図7(a)または
図7(b)で示した特殊画像を表示させる/表示させないものとするが、
図7(b)で示した特殊文字画像(のみ)を特殊画像と捉え、当該特殊画像を表示させる/表示させない、としてもよい。また、図示は省略するが、
図7(b)のように特殊文字画像を含む特殊画像の場合、背景画像は単色(例えば白や黒)としてもよい。
【0107】
次に、特殊画像を表示させない状態とするタイミングについて説明する。以下、「画像を表示させない状態とする」という場合、画像自体を非表示とする場合の他、当該画像が配置(描画)されているレイヤよりも上位のレイヤに別画像を配置して、画像を重ねることによって下位のレイヤに配置されている画像を視認できない状態とする場合を含むものとする。
【0108】
2枚掛け遊技において内部抽選の結果、リプレイに当選した場合、各リールが所定の停止態様で停止すると(リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると)、その後、2枚掛け遊技で投入された枚数と同数のメダル(すなわち2枚)が自動投入され、次遊技のスタートレバー24の操作が有効化されることとなる。換言すると、停止図柄に基づいて入賞判定が行われ、リプレイに入賞したと判定されると、役に対応する処理(リプレイ処理)が行われ、次遊技のスタートレバー24の操作が有効化される。なお、リプレイに当選した遊技について、リールが停止し、リプレイに入賞したと判定された時点(すなわち実際の自動投入の前)を当該遊技の終了としてもよく、リプレイ処理が完了した時点(すなわち実際の自動投入が行われた後)を当該遊技の終了としてもよい。
この場合において、仮に、リプレイに当選した2枚掛け遊技において、2枚掛け遊技が終了したこと(各リールが所定の停止態様(リプレイに対応する停止態様)で停止したこと)を契機として、特殊画像を表示させない状態とした場合、リプレイに当選して次遊技も2枚掛け遊技となることが決定したにも関わらず、その旨が報知されない状態(隠された状態)となる。したがって、遊技者が違和感を抱くおそれがある。
【0109】
そこで、本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、リールが所定の停止態様で停止した後も(リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示された後も)、特殊画像の表示を継続させる。よって、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リールが所定の停止態様で停止した後も特殊画像の表示が継続されるため、遊技者が、上記のような違和感を抱くのを防止できる。
【0110】
なお、2枚掛け遊技において内部抽選の結果、小役に当選し、かつ小役に入賞した場合(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合)、その小役に対応する入賞処理(払出処理)が行われると、当該2枚掛け遊技は終了する。また、小役に当選したが入賞しなかった場合、各リールが停止したことをもって当該2枚掛け遊技は終了する。よって、仮に、当該2枚掛け遊技の終了を契機として、特殊画像を表示させない状態としても、リプレイに当選した場合のように遊技者が違和感を抱くことはない。ただし、本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選した場合、小役に入賞したか否か(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたか否か)に関わらず、当該2枚掛け遊技が終了した後も特殊画像の表示を継続させる。
このように構成する場合、2枚掛け遊技を行ったことに起因して、遊技者に不利な現象が起こった場合(遊技者にとって不利な結果となった場合)に、当該現象の原因が2枚掛け遊技を行ったことにあることが容易に特定できる。具体的に説明する。所定の遊技において、小役に当選し、かつ小役に入賞した場合(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合)にAT演出状態への移行が決定する場面を考える。そして、当該遊技において小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたが、3枚掛けではなく2枚掛けであったためにAT演出状態への移行が決定しなかったものとする。このとき、本実施形態のように、リールが所定の停止態様で停止した後も特殊画像の表示が継続される構成とすれば、当該遊技においてAT演出状態への移行が決定しなかったことの原因が、2枚掛けで遊技を行ったためであると容易に特定できる。なお、所定の遊技において、リプレイに当選し、かつリプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合にAT演出状態への移行が決定するという場面において、3枚掛けではなく2枚掛けで遊技を行った場合も同様である。
【0111】
また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で内部抽選の結果が不当選であった場合、リールが所定の停止態様で停止した後も、特殊画像の表示を継続させる。なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でボーナスに当選した場合、ボーナスに入賞したか否か(ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたか否か)に関わらず、リールが所定の停止態様で停止した後も、特殊画像の表示を継続させることとしてもよい。また、当該2枚掛け遊技でボーナスに入賞した場合には、当該入賞が判定されたことを契機として特殊画像を表示させない状態とするとともに、ボーナスに入賞したことを報知する画像を表示させてもよい。
【0112】
内部抽選の結果や所定の役に入賞したか否かに関わらず、2枚掛けの遊技の終了後も(リールが所定の停止態様で停止した後も)特殊画像の表示を継続させるという処理で統一する場合、構成を簡易なものとできるため、開発効率を上げるとともに記憶容量の圧迫を防ぐことができる。
【0113】
次に、特殊画像の表示を、例えば、次遊技に関する所定の操作が行われるまで継続させる場合を考える。その場合、2枚掛け遊技の終了後に遊技者が遊技をやめた場合に、当該所定の操作が行われるまでの間、特殊画像の表示が継続されることとなる。この特殊画像の表示は指示演出に関する性能が低い遊技が行われたことを報知するものであるが、不利な状態である(ペナルティが課されているかの)ような印象を抱かせるおそれがあり、他の遊技者が、特殊画像が表示されているのを見て、その遊技機で遊技を行うことを回避するおそれがある。指示機能に係る処理が行われないのは2枚掛けで行った当該遊技(2枚掛け遊技)のみであり、次遊技では(3枚掛け遊技であれば)指示機能に係る処理は行われる(すなわちペナルティは持ち越されない)。しかし、2枚掛け遊技終了後も特殊画像が表示され続けている場合、次遊技も指示機能に係る処理が行われないかのような印象を与え得る。
なお、上記では、2枚掛けで行った当該遊技のみ指示機能に係る処理が行われないとしたが、2枚掛けで行った当該遊技の次遊技以降について、例えば複数回の遊技にわたって指示機能に係る処理が行われないようにしてもよい(すなわちペナルティが持ち越されるものであってもよい)。
【0114】
本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技の終了後に(リールが所定の停止態様で停止した後に)特殊画像の表示を継続させている状態で、所定の条件を満たすと、デモ演出を実行し、特殊画像を表示させない状態とするとともに、デモ画像(デモ画面)を表示させる。ここで、所定の条件を満たすとは、デモ画像の表示条件が成立することであり、遊技が終了してから、遊技者が遊技を行っていない状態(遊技機に対する所定の操作が入力されない状態)が所定時間(例えば1分)にわたって継続した場合(遊技が行われずに所定時間が経過した場合)である。なお、デモ画像とは、例えば遊技者の興味を惹きつける画像であって、静止画や動画等がある。このように、特殊画像の表示が継続されている間に所定の条件が成立すると、特殊画像からデモ画像に切り替わるため、遊技者が、特殊画像が表示されているのを見て、遊技を回避する可能性を低減できる。
ここで、デモ画像の表示条件(デモ画像への移行タイミング)について具体的に説明する。ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過すると、デモ画像の表示条件が成立し、デモ画像が表示される。ストップボタンの第3停止操作が行われてから、とあるのは、最後のストップボタンの押下が検出されたタイミングから、であってもよく、最後のストップボタンの押下を離したことが検出されたタイミングから、であってもよく、また、すべてのリールの回転の停止が検出されたタイミングから、であってもよく、また、最後のストップボタンの押下を離したことが検出されたことを契機として実行される演出の終了時から、等であってもよい。
【0115】
なお、上記では、所定の条件の成立を、デモ画像の表示条件の成立としたが、次のものとしてもよい。すなわち、所定の条件の成立を、電源断(電断)からの復帰を検出したこと、としてもよい。演出制御手段100は、2枚掛け遊技の終了後に特殊画像の表示を継続させている状態で、電断からの復帰を検出した場合には、特殊画像を表示させない状態とするとともに、通常画像(通常画面)を表示させる。なお、通常画像とは、特殊画像やデモ画像とは異なる画像であって、例えば滞在中の演出状態において、基本的に表示される画像(表示される比率(確率)の最も高い画像)、あるいはその演出状態の開始時に表示させる画像等である。換言すると、通常画像とは、滞在中の演出状態において、3枚掛け遊技と3枚掛け遊技との間に表示される画像である。
【0116】
また、例えば、所定の演出状態(例えばAT演出状態)において、2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合には、たとえ所定の条件(デモ画像の表示条件)が成立したとしても、特殊画像の表示を継続させる(すなわちデモ画面に移行しない)こととしてもよい。AT演出状態に滞在している間は遊技者にとって有利であり遊技者が遊技をやめる可能性が低いため、次の遊技者のことを配慮して特殊画像を隠す必要性が乏しい。そのため、特殊画像を隠すよりも2枚掛け遊技が行われたことの報知を優先させてもよい。なお、所定の演出状態としてAT演出状態を挙げたが、例えばAT演出状態以外の演出状態において、AT演出状態への移行が決定したか否かの結果を報知するために実行される演出の実行中であってもよい。また、ボーナスに入賞した後、ボーナスの作動中状態において、仮に2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、所定の条件が成立しても、特殊画像の表示を継続させるようにしてもよい。以上のような構成とした場合、デモ画面に移行せずに長時間(例えば1分以上)にわたり特殊画像が表示されている状態が、遊技者を惹き付け得る。なお、2枚掛け遊技において、リールが所定の停止態様で停止してボーナスに入賞した後に特殊画像の表示を継続させている状態で、所定の条件が成立したとしても、特殊画像の表示を継続させるようにしてもよい。ボーナスに入賞しているため、遊技者が遊技をやめる可能性が低く、次の遊技者のことを配慮して特殊画像を隠す必要性が乏しいためである。
【0117】
なお、所定の演出状態(例えばAT演出状態)等において2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、デモ画像の表示条件が成立すると、デモ画像を表示させずに特殊画像の表示を継続させ、かつ自動消音して演出音(BGM)等が出力されないようにしてもよい。このとき、2枚掛け遊技の終了後であってデモ画像の表示条件が成立する前に電断からの復帰を検出している場合には所定の演出状態(AT演出状態)での通常画像が表示されていることとなるが、その状態でデモ画像の表示条件が成立すると、デモ画像を表示させずに当該通常画像の表示を継続させ、自動消音する。
なお、所定の演出状態(例えばAT演出状態)等において2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、デモ画像の表示条件が成立すると、特殊画像を表示させない状態とするとともにデモ画像を表示させ、かつ自動消音するようにしてもよい。このとき、2枚掛け遊技後であってデモ画像の表示条件が成立する前に電断からの復帰を検出している場合には所定の演出状態(AT演出状態)での通常画像が表示されていることとなるが、その状態でデモ画像の表示条件が成立すると、当該通常画像を表示させない状態とするとともにデモ画像を表示させ、かつ自動消音する。
【0118】
次に、2枚掛け遊技の終了後(リールが所定の停止態様で停止した後)、特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たし、特殊画像とは異なる画像(デモ画像とする)を表示させている場合の処理について説明する。
(あ)2枚掛け遊技でリプレイに当選したことに基づく特殊画像を経由してデモ画像を表示させている場合。
演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で(すなわち特殊画像を表示させない状態としている間に)、次遊技の開始操作(次遊技の開始契機となる操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示(再表示)させる。ここでの次遊技とは、2枚掛け遊技でのリプレイ当選に基づく2枚掛け遊技である。また、開始操作とは、スタートレバー24の操作(傾動、押下)である。演出制御手段100は、スタートレバー24の操作を検出すると、デモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。なお、デモ画像ではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合における処理も同様である。
【0119】
このように、次遊技(2枚掛け遊技)の開始操作時に再び特殊画像が表示されるため、遊技者は当該遊技が2枚掛け遊技であることを認識できる。特に、2枚掛け遊技でリプレイに当選した後、次遊技の開始操作をする前の状態で遊技者が遊技をやめていた場合に、次の遊技者は、前の遊技者が2枚掛け遊技を行いリプレイに当選していたことを認識できる。
【0120】
また、上記では、デモ画像を表示させている場合における処理を示したが、デモ画像の表示を開始後、次遊技が開始されるまでの間に、所定契機(例えば所定時間の経過(1ターンのデモ画像の終了))に伴い、通常画像を表示させてもよい。このようにデモ画像を経由しての通常画像を表示させている場合にも同様に、次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として通常画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。
【0121】
(い)2枚掛け遊技で小役に当選または不当選であったことに基づく特殊画像を経由してデモ画像を表示させている場合。
演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で(すなわち特殊画像を表示させない状態としている間に)、3枚掛けで次遊技の開始操作(スタートレバー24の操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、3枚掛け遊技の実行中に表示される画像(3枚掛け遊技画像)を表示させる。なお、デモ画像ではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合には、その開始操作を契機として当該通常画像を表示させない状態とするとともに、3枚掛け遊技画像を表示させる。
一方、演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で、(再び)2枚掛けで次遊技の開始操作(スタートレバー24の操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。なお、デモ画像のではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合における処理も同様である。
【0122】
また、上記では、デモ画像を表示させている場合における処理を示したが、デモ画像の表示を開始後、次遊技が開始されるまでの間に、所定契機(例えば、メダルの投入(ベット)や所定時間の経過(1ターンのデモ画像の終了))に伴い、通常画像(または特殊画像)を表示させてもよい。このようにデモ画像を経由しての通常画像(または特殊画像)を表示させている場合にも、3枚掛けで次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として3枚掛け遊技画像を表示させ、一方、2枚掛けで次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として、特殊画像を表示させる。
【0123】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、前記リールが所定の停止態様で停止した後も前記特殊画像の表示を継続させ、
前記特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たすと、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記特殊画像を表示させない状態としている間に、次遊技の開始操作が入力されると、前記特殊画像を表示させる。
【0124】
本実施形態の遊技機は、第2規定数での遊技に関する情報の報知を適切に制御できる。(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)また、第2規定数での遊技でリプレイに当選した場合には、リールが所定の停止態様で停止した後も(リプレイに対応する図柄組合せが表示された後も)特殊画像の表示が継続されるため、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることにより、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たすと特殊画像が表示されない状態となるため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した後に遊技者が遊技をやめた場合に特殊画像が表示され続けることによって、他の遊技者が遊技を回避してしまう可能性を低減できる。(4)また、特殊画像を表示させない状態としている間に、次遊技を開始させる操作が入力されると再び特殊画像が表示されるため、遊技者は当該遊技が第2規定数での遊技であることを認識できる。
【0125】
(変形例1)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例1について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミング(第2所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。なお、ストップボタンの押下操作は、ストップボタンの押し込み操作と言い換えてもよい。
【0126】
以下、ストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミングという場合、ストップボタンの第3停止操作の押下の開放(離したこと)が検出されたタイミングを含むものとする。後述する変形例でも同様である。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイ(小役)に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とするとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイ(小役)に当選し、かつリプレイ(小役)に入賞した場合に(リプレイ(小役に)入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とする、としてもよい。
【0127】
変形例1の具体例を示す。以下の具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離した(開放した)ことが検出されたタイミングとする。ただし、これに限らず、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングは、例えば、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定の時間(例えば1分)が経過したタイミング(デモ画像移行タイミング)であってもよい。また、第1所定タイミングと第2所定タイミングとは同一のタイミングであるものに限らず、ずれがあってもよい。
【0128】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。また、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。
【0129】
本変形例1は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記第2規定数での遊技で小役に当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とする。
【0130】
この変形例1によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。換言すると、2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても、ストップボタンの第3停止操作後に、特殊画像が表示され続けることがない。このため、2枚掛け遊技の終了後に特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者(次の遊技者)が遊技を回避する可能性を低減できる。(3)また、リプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても所定のタイミングで特殊画像を表示させない状態とするという同一の処理とするため、処理を簡易なものとでき、開発効率を上げるとともに、記憶容量の圧迫を防ぐことができる。
【0131】
なお、特殊画像を
図7(b)に示したものとする場合、2枚掛け遊技が開始されて当該特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像としての特殊文字画像が表示されない状態となり、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像としての特殊文字画像が表示されない状態となるようにしてもよい。
【0132】
また、特殊画像を特殊文字画像のみからなるものとする場合、2枚掛け遊技が開始されると、
図8に示すように、実行中の演出に基づく画像と重ねるようにして、特殊画像(特特殊画像としての特殊文字画像)が表示されるようにしてもよい。この場合、2枚掛け遊技が開始されて当該特殊画像(特殊文字画像)が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像(特殊文字画像)が表示されない状態となり、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像(特殊文字画像)が表示されない状態となるようにしてもよい。
【0133】
(変形例2)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例2について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態としない(すなわち特殊画像の表示を継続させる)。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第2所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としないとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選し、かつリプレイに入賞した場合に(リプレイに入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としない、としてもよい。
また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とするとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選し、かつ小役に入賞した場合に(小役に入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とする、としてもよい。
【0134】
変形例2の具体例を示す。次の具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングとする。ただし、これに限らず、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングは、例えば、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定の時間(例えば1分)が経過したタイミング(デモ画像移行タイミング)であってもよい。また、第1所定タイミングと第2所定タイミングとは同一のタイミングであるものに限らず、ずれがあってもよい。
【0135】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続させる)。一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。
なお、前者(リプレイ当選時)において、特殊画像が表示されている状態で、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングとなったとしても、特殊画像の表示が継続される(デモ画面に移行しない)。
【0136】
次の2つの具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間が経過したタイミングとする。
【0137】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングで特殊画像が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続され、デモ画面に移行しない)。一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングで特殊画像が表示されない状態となる(すなわちデモ画面に移行する)。これは、リプレイに当選した場合について、小役に当選した場合であればデモ画像が表示されるタイミングとなっても、デモ画像が表示されない、ともいえる。
なお、前者(リプレイ当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングでも、特殊画像が表示されない状態とならない。また、後者(小役当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングでは特殊画像が表示されない状態とならない。
【0138】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(b)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば40秒)が経過したタイミングで特殊画像(少なくとも背景画像)が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続され、デモ画面に移行しない)。
一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば40秒)が経過したタイミングで特殊画像(少なくとも背景画像)が表示されない状態となる(すなわちデモ画面に移行する)。
なお、前者(リプレイ当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像(背景画像)は表示されない状態とならないが、特殊文字画像のみ表示されない状態となるようにしてもよい。
また、後者(小役当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊文字画像のみが表示されない状態となるようにしてもよい。さらに、デモ画面移行タイミングで表示されない状態とした特殊画像(少なくとも背景画像)を、所定契機(例えば次遊技におけるメダルの投入)で表示させることとしてもよい。
【0139】
本変形例2は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態としないが、
前記第2規定数での遊技で小役に当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とする。
【0140】
この変形例2によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態とならない(特殊画像の表示が継続される)。このため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることに起因して、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、2枚掛け遊技において小役に当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態となる。このため、2枚掛け遊技において小役に当選した状態で遊技者が遊技をやめた場合に特殊画像が表示され続けることによって、他の遊技者(次の遊技者)が遊技を回避してしまう可能性を低減できる。
【0141】
(変形例3)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例3について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態としない(すなわち特殊画像の表示を継続させる)。また、演出制御手段100は、第1所定タイミング以降のタイミングで精算処理(後述する)が実行された場合、その精算処理が完了(終了)した後にも、特殊画像を表示させる。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としないとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選し、かつリプレイに入賞した場合に(リプレイに入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としない、としてもよい。
【0142】
図示を省略するが、本実施形態に係る遊技機の前扉には、精算ボタン(精算操作部)が設けられている。この精算ボタンは、押下操作可能に形成されており、メダル(遊技価値)を払い出す精算処理の実行に用いられる。精算ボタンの操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。換言すると、精算ボタンの操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合、精算ボタンの操作に基づく精算のパターンは、例えば次の2つのパターンがある。1つ目のパターンは、1回の精算ボタンの操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンである。2つ目のパターンは、1回目の精算ボタンの操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの精算後における2回目の精算ボタンの操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンである。
【0143】
精算処理という場合、精算ボタンの押下に基づき、ブロッカーが不許可位置に移動してから、メダルが払い出され、所定時間の経過後に、ブロッカーが許可位置に移動するまでの間を指すものとしてもよい。また、精算ボタンの押下が開始されてから(またはブロッカーが不許可位置に移動してから)、精算の完了を報知する音声(精算完了音声)(例えば「精算しました」)の出力が終了するまでの間を精算処理としてもよい。さらに、精算完了音声の出力後、一定時間の無音期間が設けられている場合には、その無音期間が経過するまでの間を精算処理としてもよい。
【0144】
演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技で第3停止操作がされた以降の所定のタイミング(最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミング)で特殊画像を表示させない状態とせずに、特殊画像の表示を継続させる。また、演出制御手段100は、前記所定のタイミング以降のタイミングで精算処理が開始されると(精算処理が開始されたことを検出すると)、精算処理に係る演出の実行を開始し、特殊画像を表示させない状態とするとともに、精算処理の実行中であることを報知する画像(精算画像、精算画面)を表示装置13に表示させる。そして、演出制御手段100は、精算処理が完了すると(精算処理が完了したことを示す信号を受信すると)、特殊画像を表示装置13に表示させる。
【0145】
変形例3の具体例を示す。第1所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離した(開放した)ことが検出されたタイミングとする。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されると、特殊画像が表示されない状態となるとともに、精算画像(図示せず)が表示される。そして、精算処理が完了すると、精算画像が表示されない状態となるとともに、特殊画像が表示される。
【0146】
また、第1所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングとする。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミング(他の役(例えば小役)に当選した場合であればデモ画像の表示が開始されるタイミング)で特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されると、特殊画像が表示されない状態となるとともに、精算画像(図示せず)が表示される。そして、精算処理が完了すると、精算画像が表示されない状態となるとともに、特殊画像が表示される。
【0147】
なお、上記の2つの例では精算処理中に精算画像が表示されるものとしたが、次のようになっていてもよい。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミング(または、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミング)で特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されても、精算画像が表示されずに特殊画像の表示が継続され、精算処理が完了した後も、特殊画像が表示される。本例において、精算処理が実行されている間、精算画像は表示されないが、精算処理の実行中であることを報知する所定の音声(精算報知音声)が出力される。このように、精算処理中に精算画像は表示されないが精算報知音声が出力されることで、遊技者は精算が実行されていることを認識できる。
【0148】
本変形例3は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とせず、
前記所定のタイミング以降のタイミングで精算処理が実行された場合に、前記精算処理が完了した後にも前記特殊画像を表示させる。
【0149】
この変形例3によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態とならない(特殊画像の表示が継続される)。このため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることに起因して、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、2枚掛け遊技後に特殊画像が表示されている状態で精算処理が実行された場合、精算処理の完了後にも特殊画像が表示される。精算処理の完了とともに遊技者が遊技をやめた場合であっても、精算処理の完了後に特殊画像が表示されるため、他の遊技者(次の遊技者)は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われたことを認識できる。
【0150】
(第3停止操作押下中)
ここで、第3停止操作、すなわち最後のストップボタン操作を押下したままの状態とすることを、第3停止操作押下中という。次に、2枚掛け遊技が開始され特殊画像が表示されている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生した場合の処理について説明する。
(α)2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合。
(α1)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合に、特殊画像ではなく通常画像を表示させる。電断復帰後に特殊画像ではなく通常画像が表示されることで、仮に遊技者が遊技をやめた場合に、特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(α2)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像を表示させる。電断復帰後に再び特殊画像が表示されるため、リプレイに当選したにも関わらず特殊画像が表示されないことに起因して遊技者が違和感を抱くのを防止できる。
(α3)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像(
図8における特殊文字画像)を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像(特殊文字画像)を表示させない。特殊画像(特殊文字画像)が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(β)2枚掛け遊技で小役に当選した場合。
(β1)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像ではなく通常画像を表示させる。電断復帰後に特殊画像ではなく通常画像が表示されることで、仮に遊技者が遊技をやめた場合に、特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(β2)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像(
図8における特殊文字画像)を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像(特殊文字画像)を表示させない。特殊画像(特殊文字画像)が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
【0151】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものである。換言すると、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、遊技状態に応じて2枚または3枚に設定されており、2枚または3枚のメダルを投入(ベット)して遊技を実行することが可能となっている。第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0152】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技者によるメダル(遊技価値)のベットおよびスタートレバーの操作に応じて、当選役の抽選を行うとともに、種々の図柄が記された複数のリールが回転する。そして、抽選結果と遊技者によるストップボタンの操作に応じてリールが順次停止され、払い出しの対象となるライン上である有効ライン上に、当選役に対応する図柄組合せが表示されると、所定枚数のメダルが払い出されるなど、遊技上の利益(遊技利益)が遊技者に付与されることとなる。このようなスロットマシンにおいては、遊技者による遊技の進行速度を制限すべく、例えば、前回遊技においてストップボタンの操作を有効化してから、次の遊技においてストップボタンの操作を有効化するまで、少なくとも規定のウェイト時間分、待たなければならない。
【0153】
また、ストップボタンが操作されると、そのストップボタンに対応するリールの停止制御に基づいて他のストップスイッチの操作が一旦無効化されるので、遊技者は、他のストップスイッチの操作が有効化されるまで、次の操作を行うことができない。例えば、複数のリールのうちの任意の一つに対する停止操作が行われたタイミングから所定時間が経過し、かつ、全相励磁中のリールが2未満になっていなければ、次のリールの停止を許可しない技術が知られている。このように各リールが停止するまで、回転している他のリールに対応するストップスイッチを操作できないとなると、遊技時間が長くなる。特に、遊技者が、当選役を早期に把握するために、また、当選役を把握した後に把握した当選役の取りこぼしを回避するために、所定のリールの所定の図柄が有効ライン上に停止するように目押しを行う場合があり、目押しを慎重に行おうとすることで遊技時間が長くなる場合がある。
【0154】
このような遊技時間の長期化を回避するために、全てのリールが停止する前に、入賞判定を行い、遊技結果を報知したり、メダルを払い出すことが考えられる。しかし、遊技者が1遊技を終えたと判断する前に、遊技結果の報知やメダルの払い出しが行われると、遊技者に不信感や違和感を与えてしまう。本実施形態では、遊技者の不信感を払拭することが可能な遊技機を提供する。
【0155】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、全ての前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定を行う判定手段と、を備える。
【0156】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、全ての前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定に基づく処理を実行する判定実行手段と、を備える。
【0157】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、最後に停止操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定を行う判定手段と、を備える。
【0158】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、最後に停止操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定に基づく処理を実行する判定実行手段と、を備える。
【0159】
(スロットマシン100の機械的構成)
図9および
図10に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、
図11の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
【0160】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ(ベットボタン)116、スタートスイッチ(スタートレバー)118、ストップスイッチ(ストップボタン)120、演出スイッチ(演出ボタン)122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
【0161】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止操作といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止操作といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止操作という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0162】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
【0163】
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
【0164】
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0165】
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0166】
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。
【0167】
遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
【0168】
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0169】
(スロットマシン100の電気的構成)
図12は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図12に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
【0170】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0171】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
【0172】
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0173】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0174】
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
【0175】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0176】
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0177】
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
【0178】
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
【0179】
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0180】
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0181】
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
【0182】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出(指示演出)も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役(特定の役)と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、有効ライン上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
【0183】
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。
【0184】
本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ライン上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ライン上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ライン上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ライン上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示可能に停止制御する。
【0185】
いずれかの当選エリアに当選すると、それぞれの当選エリアに対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選エリアに当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ライン上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選エリアに当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選エリアに当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイが含まれる当選エリアに対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選エリアに含まれるリプレイのうちのいずれかのリプレイに対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインに表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
【0186】
(リールの回転、停止処理)
スロットマシン100においては、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120等の各スイッチの操作を通じて、各リール110a、110b、110cが回転および停止され、遊技者は、その停止結果に応じてメダルを獲得することができる。ここでは、スタートスイッチ118とストップスイッチ120a、120b、120cの操作に対する各リール110a、110b、110cの回転、および、停止処理を詳述する。
【0187】
遊技者によって、スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cそれぞれの回転を開始する(以下、リール110の回転を開始することを、回転開始という)。そして、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cそれぞれの回転速度が増加し(以下、回転速度が増加している状態を、加速状態という)、所定の速度(80rpm/min未満)に到達すると、その所定の速度を維持する(以下、速度を維持して回転している状態を、定速状態という)。そして、リール110a、110b、110cそれぞれの位置を特定するインデックスが全て検出されると、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。なお、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効であるか無効であるかを、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれのバックライトの発光色によって判断できる。例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効であれば、ストップスイッチ120a、120b、120cのバックライトを青に発光させ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が無効であれば、ストップスイッチ120a、120b、120cのバックライトを赤に発光させる。かかる発光色および発光タイミングについては後程フローチャートに基づいて詳述する。
【0188】
ただし、リール制御手段306は、インデックスの検出のみならず、所定の許可条件を満たしていた場合にのみストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。以下、許可条件について説明する。
【0189】
上述したように、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120は、スロットマシン100に対し、操作し易いように露出して設けられ、遊技者は、何時でも接触することができる。ただし、遊技者が各スイッチを操作したとしても、そのスイッチの操作が有効化されていなければ、その操作は有効に処理されない。例えば、1遊技が終了すると、ベットスイッチ116の操作が有効化され、メダルのベットが為されると、スタートスイッチ118の操作が有効化され、スタートスイッチ118が操作されると、リール110a、110b、110cが回転開始し、リール110a、110b、110cを停止できる状態になるとストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化され、リール110a、110b、110cそれぞれの停止操作が為される。
【0190】
したがって、遊技者は、スタートスイッチ118を操作した後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されるのを待ち、有効化されたストップスイッチ120a、120b、120cを操作してリール110a、110b、110cを停止させる。ストップスイッチ120は何時でも操作できるので、遊技者は、スタートスイッチ118の操作が有効化された後、まだ有効化されていないストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかを操作(押止)しながら、スタートスイッチ118を操作することができる。しかし、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されていない場合、その操作は有効に処理されず、スタートスイッチ118の操作のみが有効に処理され、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じてリール110a、110b、110cを回転開始する。そして、リール110a、110b、110cそれぞれのインデックスを全て検出し、1遊技におけるストップスイッチ120の操作を有効化するタイミングになると、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。しかし、かかるタイミングで既にストップスイッチ120が操作され、その操作が解除されていないと(ON状態が維持されていると)、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、その操作が有効に受け付けられ、リール110の停止が開始される。
【0191】
このように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、操作が受け付けられると、以下の問題が生じ得る。すなわち、リール110a、110b、110cの回転開始位置に基づいて、リール110a、110b、110cの停止位置が決まるので、遊技者は、前回の遊技において、予めリール110a、110b、110cの回転開始位置を調整し、何ら目押しを行うことなくリール110a、110b、110cを所望した位置で停止させる、所謂、目押し補助を行うことができる。
【0192】
また、ストップスイッチ120が操作されている状態(ON状態)に固定されたまま故障している場合であっても、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効に受け付けられるので、ストップスイッチ120a、120b、120cが不具合のまま遊技が進行してしまう。
【0193】
さらに、遊技者が何らかの原因で誤ってストップスイッチ120を押止したままスタートスイッチ118を操作してしまった場合であっても、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効に受け付けられるので、本来操作すべきストップスイッチ120や操作しようとしていたストップスイッチ120とは異なる、誤って操作したストップスイッチ120に対応するリール110が停止してしまう。この結果、例えば、演出状態が擬似ボーナス演出状態(AT演出状態)であった場合に、正解操作態様と異なる停止操作となってしまい、本来の遊技利益を得られないこともあり得る。
【0194】
そこで、本実施形態では、リール制御手段306が、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された(押下操作が維持された)状態で、1遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するタイミング、すなわち、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出した場合、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しないこととする。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、操作されているストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。したがって、上述した許可条件は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている(操作されていない)こととなる。
【0195】
図13~
図15は、リール110a、110b、110cの回転、停止処理を説明するための説明図であり、
図13ではストップスイッチ120およびリール110の動作タイミングを、
図14、
図15ではその表示態様を表している。なお、
図14、
図15における矢印は各リール110が回転中であることを示し、操作が無効なストップスイッチ120をクロスハッチングで示し、操作が有効なストップスイッチ120を白抜きで示す。ここでは、説明の便宜上、リール110a、リール110b、リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの打順、所謂、順押しの打順で操作された場合を説明するが、操作可能な全通り(ここでは6通り)のいずれの打順にも適用できることは言うまでもない。
【0196】
図13の時点(a)において、遊技者がストップスイッチ120aを操作(押止)し、
図14(a)のように、押止状態(ON状態)を維持したまま、
図13の時点(b)において、スタートスイッチ118を操作したとする。スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、
図14(b)のように、リール110a、110b、110cに対応するステッピングモータ152を1-2相励磁し、リール110a、110b、110cそれぞれを回転開始する。そして、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cが、加速状態を経由し、例えば167msec後の時点(c)において、所定の速度(80rpm/min未満)に到達すると、1-2相励磁を継続して、定速状態に移行する。
【0197】
ここで、リール110a、110b、110cが定速状態となった後、
図13の時点(d)において、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出されたとする。リール制御手段306は、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出されると、本来、一点鎖線で示したように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。しかし、時点(d)においては、ストップスイッチ120aの押止状態が維持されているので(許可条件を満たしていないので)、リール制御手段306は、
図14(c)のように、ストップスイッチ120aの押止状態が維持されている間、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しない。したがって、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを通じてリール110a、110b、110cを停止することができない。
【0198】
そして、
図13の時点(e)において、遊技者が、ストップスイッチ120aの押止状態を解除すると、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出され、かつ、許可条件を満たしたことにより、
図14(d)のように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。こうして、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを通じてリール110a、110b、110cを停止することが可能となる。なお、ここでは、ストップスイッチ120aを挙げ、ストップスイッチ120aが操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、操作されているストップスイッチ120aの操作が解除されると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、他のストップスイッチ120b、120cについても、同処理が行われるのは言うまでもない。
【0199】
このように、許可条件を満たすまで、ストップスイッチ120の操作を有効化しない構成により、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、即座に、ストップスイッチ120a、120b、120c(ここではストップスイッチ120a)の操作が有効に受け付けられ、リール110aの停止が開始されることはない。したがって、遊技者は、所謂、目押し補助を行うことはできない。また、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかが故障した場合、そのストップスイッチ120a、120b、120cを有効に操作できなくなるので、ストップスイッチ120a、120b、120cが壊れたまま遊技が進行するのを回避できる。さらに、遊技者が、本来操作すべきストップスイッチ120や操作しようとしていたストップスイッチ120とは異なる、誤って操作したストップスイッチ120があったとしても、その操作が受け付けられることなく、適切に遊技を進行できる。
【0200】
なお、ここでは、リール制御手段306が、ストップスイッチ120が操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、かつ、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、インデックスを検出しなくても、加速状態の終了や定速状態の開始が把握できる場合、例えば、加速状態の開始から、少なくとも加速が完了するのに必要な時間を計時することで、加速状態の終了や定速状態の開始を把握できる場合、インデックスを検出する代わりに、加速状態の終了や定速状態の開始を採用することができる。
ここで、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cの加速状態が終了した場合、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化せず、許可条件が満たされていれば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。あるいは、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cの定速状態が開始した場合、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化せず、許可条件が満たされていれば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。
【0201】
また、ストップスイッチ120が操作された状態では、そもそもインデックスを全て検出させないようにすることでも、同処理を実現できる。具体的に、リール制御手段306は、ストップスイッチ120が操作された状態では、インデックスを検出しない、または、インデックスを検出したとしてもそのインデックスの検出を無効とする。こうして、許可条件が満たされるか否かに拘わらず、ストップスイッチ120が操作された状態では、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されることを回避することができる。
【0202】
このようなストップスイッチ120a、120b、120cの操作の有効化に応じ、遊技者が、
図13の時点(f)において、ストップスイッチ120aを操作すると、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120a、および、まだ、停止処理が行われていないリール110b、110cに対応するストップスイッチ120b、120cの操作(すなわち、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作)を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し(滑りコマ数を決定し)、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。したがって、ストップスイッチ120aの操作から滑りコマ数分回転するのに、操作検出や割込処理の反応時間も含めて0~189msec(190msec以内の所定時間)の時間を費やす。
【0203】
続いて、リール制御手段306は、リール110aが、
図13の時点(g)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110aに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110aの停止処理を開始する(以下、全相励磁により停止処理を開始することを、停止開始という)。こうして、リール110aは、回転速度が減少し(以下、回転速度が減少している状態を、減速状態という)、
図15(a)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の時点(h)において停止し(以下、停止開始の結果、回転速度が減少してリール110が停止したことを、停止完了という)、停止した状態を維持する(以下、停止を維持している状態を、停止状態という)。かかる全相励磁は、200msecの間継続された後、時点(i)において開放される。全相励磁の開放に伴い、リール制御手段306は、まだ、停止処理が行われておらず、回転しているリール110b、110cに対応するストップスイッチ120b、120cの操作を有効化する。なお、リール110の動作状態を示す回転状態は、上述した、加速状態、定速状態、減速状態、停止状態のいずれかで表される。
【0204】
続いて、遊技者が、
図13の時点(j)において、ストップスイッチ120bを操作すると、ストップスイッチ120a操作時同様、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120bおよび、まだ、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。
【0205】
続いて、リール制御手段306は、リール110bが、
図13の時点(k)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110bに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110bの停止処理を開始する。こうして、リール110bは、
図15(b)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の
図13の時点(l)において停止する。ただし、全相励磁は、200msecの間継続され、時点(m)において開放される。全相励磁の開放に伴い、リール制御手段306は、まだ、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化する。
【0206】
なお、ここでは、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否かを判定しているが、後述する、遊技者がストップスイッチ120a、120b、120cを連続して操作することができる所謂スライドプッシュを採用していない場合、ストップスイッチ120の第3停止が可能となった時点では、必ず、第1停止されたリール110および第2停止されたリール110が停止完了している。したがって、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否かを判定する代わりに、第3停止した(最後に停止操作された)ストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放されたか否かを判定するとしてもよい。また、ここでは、全相励磁が開始されてから200msecを計時し、200msec経過後に励磁開放され、励磁開放に伴って、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化する例を挙げている。しかし、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定し、これに応じて停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化してもよい。かかる停止完了条件の置き換えは、以下で説明する全ての処理においても適用できる。
【0207】
次に、遊技者が、
図13の時点(n)において、ストップスイッチ120cを操作すると、ストップスイッチ120b操作時同様、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120cの操作を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。続いて、リール制御手段306は、リール110cが、
図13の時点(o)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110cに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110cの停止処理を開始する。こうして、リール110cは、
図15(c)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の
図10の時点(p)において停止する。かかる全相励磁は、200msecの間継続され、時点(q)において開放される。
【0208】
そして、判定手段308は、全てのリール110a、110b、110cが停止し、
図13の時点(q)において、所定の停止完了条件が満たされると、すなわち、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、かつ、最後に操作(第3停止操作)されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されているという条件が満たされると、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するか(入賞した当選役)を判定する。
【0209】
続いて、演出制御手段334は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベルA」が決定しており、かつ、停止完了条件が満たされたとき、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、演出制御手段334は、
図15(d)のように、液晶表示部124を通じて当選役「小役1」が入賞した旨を報知する。また、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報の報知としては、液晶表示部124を通じた報知に限らず、それに加え、または、代え、リールバックライトを通じて、入賞した当選役に対応する図柄組み合わせに対応する演出を行ったり、メダルの払い出しに応じて(合わせて)スピーカ128から払出音を出力したりしてもよい。
【0210】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されていることに応じて、判定処理を実行したり、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」であることを示す画像(図柄「ベル」に対応する画像)の報知を行うことで、遊技者は、その図柄組み合わせを確実に認識することができ、不信感や違和感を覚えることもない。なお、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」であることを示すために液晶表示部124に表示する画像は、遊技結果の誤認防止の観点から、上記のように、有効ライン上に表示された図柄「ベル」に対応する画像としている。
【0211】
また、払出制御手段310は、演出制御手段334同様、例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベルA」が決定しており、かつ、停止完了条件が満たされた後、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、当選役「小役1」に対応する払出枚数11枚のメダルを払い出す。
【0212】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されていることに応じて、メダルを払い出すことで、まだ、1遊技が終了していない状態でメダルが払い出されることはない。したがって、遊技者が、不信感や違和感を覚えることがなくなる。
【0213】
また、上記のように、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了条件が満たされたことに応じて、それぞれの処理を遂行している。ここで、判定手段308が、当選種別抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否かの判定を行うこと、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された当選役に関する情報を報知すること、払出制御手段310が、有効ライン上に表示された当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出すことを、纏めて、停止完了後処理と言う場合がある。また、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、判定手段308の入賞判定に基づく処理を実行するという点に関し、両手段を纏めて判定実行手段と呼ぶ場合がある。
なお、入賞判定に基づく処理としては、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいた次遊技のメダルの自動投入処理、ボーナス役の入賞に基づくボーナス遊技状態(RBB作動中遊技状態)への移行処理、RT遊技状態を遷移させるためのリプレイ役の入賞に基づくRT遊技状態の移行処理、AT演出状態を遷移させるための当選種別抽選の抽選結果の表示に基づくAT演出状態への移行処理等も含む。したがって、遊技者は、停止完了後処理の少なくともいずれかによって、遊技結果を把握することができる。
具体的に、最後のストップスイッチ120を操作(押止)することにより、リール制御手段306は、対応するリール110の停止を開始する。そして、リール110は全相励磁により190msec以内に停止するので、少なくとも停止開始からタイマで計時する200msec後には、リール110a、110b、110cが全て停止しており、遊技者は、その遊技結果を視認する。しかし、その時点で、遊技者がまだストップスイッチ120の操作を解除していなければ(押止し続けていれば)、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了後処理を遂行しない。ここでは、図柄表示窓108を通じて、遊技者のみが遊技結果を把握することができる。そして、遊技者がストップスイッチ120の操作を解除すると、はじめて、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了後処理を遂行する。本来、全てのリール110a、110b、110cに対する停止操作が行われていれば、当選種別抽選の結果と、停止操作を行った順番および操作タイミングにより、スロットマシン100の内部では、遊技結果を認識することができる。しかし、全てのリール110a、110b、110cが停止完了する前や、最後のストップスイッチ120の操作が解除されていない状態においては、遊技者が遊技結果を把握(視認)できなかったり、遊技者が当該遊技の遊技操作を終えていない可能性があることから、このような状況下で停止完了後処理を行ってしまうと遊技者に対して不信感や違和感を与えてしまう。ここでは、リール110a、110b、110cが全て停止し、かつ、全てのストップスイッチ120の操作が解除されたことを停止完了条件とすることで、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、スロットマシン100全体を視認可能な他の人、および、メダルの払出音を聴くことができる他の人も、その遊技結果を把握することができる。したがって、遊技者は、まだ、停止完了後処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、優越感に浸ることができる。
【0214】
また、上記では、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cが停止完了し、かつ、操作されたストップスイッチ120の操作が解除されている例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cが停止完了し、かつ、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていることとしてもよい。
【0215】
この場合、遊技者は、以下のような操作を行うことができる。すなわち、上述したように、遊技者は、最後のストップスイッチ120を操作(押止)し、その押止状態を維持することで、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310による停止完了後処理の実行を遅延させることができる。また、ここでは、停止完了条件として、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作の解除が含まれている。したがって、遊技者が、最後のストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、他のストップスイッチ120を押止し、他のストップスイッチ120の押止状態を維持しつつ、最後のストップスイッチ120の押止状態を解除したとしても、以前、いずれかのストップスイッチ120の操作が解除されていないので(全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていないので)、やはり、停止完了後処理は実行されない。
また、最後のストップスイッチ120に限らず、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持した場合でも停止完了後処理は実行されない。例えば、ストップスイッチ120を第1停止または第2停止すると、その押止状態を維持するか否かに拘わらず、他のストップスイッチ120の操作が有効化される仕様であったとする。ここで、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、有効化された他のストップスイッチ120を操作し、第1停止または第2停止したストップスイッチ120が解除されていない状態で第3停止が完了したとする。このとき、遊技者が、第1停止および/または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、他のストップスイッチ120を押止し、他のストップスイッチ120の押止状態を維持しつつ、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を解除したとしても、以前、いずれかのストップスイッチ120の操作が解除されていないので(全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていないので)、やはり、停止完了後処理は実行されない。
このように、いずれかのストップスイッチ120a、120b、120cの押止状態が維持されていれば、停止完了後処理が実行されることはなく、遊技者は、押止状態となるストップスイッチ120a、120b、120cを切り替えることでも、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310による停止完了後処理の実行を遅延させることができる。
【0216】
かかる構成により、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、遊技者は、まだ、停止完了後処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、押止状態となるストップスイッチ120a、120b、120cを切り替える動作を堪能しつつ、優越感に浸ることができる。
【0217】
また、ここでは、払出制御手段310が、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを行っている。したがって、リール110の励磁(全相励磁)タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとを異ならせることができるので、主制御基板200が管理するデバイス全体に許容される電流量を超過することがなくなる。したがって、リール110の励磁中にメダル払出装置142を駆動させるための大電流容量の電源を準備する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
【0218】
また、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後でなくても、電源が許容する電流容量によっては、それ以前にメダルの払い出しを開始してもよい。例えば、電源が、1のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとの重なりを許容する場合、残りの2つのリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとが重複しなければよいので、2番目に操作されたストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを開始する。同様に、電源が、複数(例えば2)のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとの重なりを許容する場合、全リール数から許容する複数のリール数を減算した数(例えば3-2=1)のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとが重複しなければよいので、その減算した数だけリール110(例えば1番目に停止完了したリール110)について全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを開始する。
【0219】
また、メダル払出装置142の駆動要否に応じて、払い出しの開始タイミングを切り替えてもよい。例えば、メダル払出装置142の駆動が必要な場合、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後や、それ以降の所定タイミングに払い出しを開始し、メダル払出装置142の駆動が不要な場合、例えば、払い出したメダルを全てクレジットに収めることができる(メダルの実際の払い出しを伴わない)場合、判定手段308が遊技結果を判定した後の任意のタイミングで払い出しを開始するとしてもよい。
【0220】
なお、ここで、払出制御手段310は、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、メダルを払い出すとしたが、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることを確認した以降の所定のタイミング(例えば、10msec後)にメダルを払い出すとしてもよい。
【0221】
また、ここでは、リール制御手段306は、各リール110a、110b、110cそれぞれに対応するステッピングモータ152を全相励磁して、各リール110a、110b、110cの停止処理を開始する例を挙げて説明したが、停止処理は全相励磁に限らず、励磁しさえすれば足り、1相励磁によって停止処理を開始してもよい。また、回転制御を1相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の1相の位置とする場合には、当該特定の1相において1相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。また、回転制御を1相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の1相の位置とする場合には、当該特定の1相およびその前後の相を含む3相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。また、回転制御を2相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の2相の位置とする場合には、当該特定の2相において2相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。
【0222】
また、ここでは、リール110a、110b、110cの停止完了として、リール110a、110b、110cの全相励磁が開放されたことや、全相励磁が開始されてから200msecが経過したことを挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、例えば、当選種別抽選の結果が、遊技者が把握(視認)できるように、有効ライン上に表示されたことや、決定された停止図柄が有効ライン上に停止したときに対応するステッピングモータ152のステップ数から所定のステップ数の範囲に入ったこと等、リール110a、110b、110cが停止したとみなすことができる様々な状態を停止完了とすることができる。
【0223】
また、ここでは、リール制御手段306が、3つのリール110a、110b、110cを制御する例を挙げて説明したが、リール110の数は、かかる場合に限らず、2以下であっても、4以上であってもよい。なお、リール110の数に拘わらず、任意のリール110が停止するまで、回転している他のリール110に対応するストップスイッチ120を操作できないとなると、以下のように、遊技時間が長くなるおそれがある。例えば、当選役を早期に把握するために、また、当選役を把握した後に把握した当選役の取りこぼしを回避するために、所定のリールの所定の図柄が有効ライン上に停止するように遊技者が目押しを慎重に行う場合や、配当が高い当選役が入賞し、例えば、11枚のメダルが順次払い出された場合である。その結果、1遊技における遊技時間がウェイト時間(4.1秒)以上となり、遊技の進行自体が遅れるおそれが生じる。ここでは、ストップスイッチ120の操作が有効になってから、他のストップスイッチ120の操作状態(操作有無)、および、それに対応するリールの回転状態(加速状態、定速状態、減速状態、停止状態)に拘わらず、いずれのストップスイッチ120も操作することができるので、リール110の数に拘わらず、1遊技における遊技時間がウェイト時間(4.1秒)以上とならずに遊技を行える可能性が高くなる(フルウェイトで遊技できる)。
【0224】
また、ここでは、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、判定手段308が有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定し、その判定結果に応じて、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知し、払出制御手段310が、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出す例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に拘わらず、判定手段308は、ストップスイッチ120が最後に操作された時点で、有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定できるので、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知し、払出制御手段310が、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出すとしてもよい。こうして、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。
【0225】
また、ここでは、判定手段308、演出制御手段334、払出制御手段310が、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、かつ、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることを条件に停止完了後処理を遂行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたことをもって(最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていなくとも)停止完了後処理を遂行してもよい。かかる構成により、遊技者のストップスイッチ120の操作開始から操作解除までの操作時間に拘わらず、早期に、遊技結果を報知することが可能となる。
【0226】
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0227】
(主制御基板200のメイン処理)
図16は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
【0228】
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0229】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0230】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。また、遊技状態制御手段312は、当選種別抽選において当選役「RBB」が決定されると、遊技状態を非内部遊技状態からRBB内部中遊技状態に移行させる。
【0231】
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
【0232】
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速(定常)回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0233】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。かかるリール停止処理S500については、後程詳述する。
【0234】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するか(入賞した当選役)を判定し、詳しくは後述するように、その図柄組み合わせに応じて、有利区間中であり、小役が入賞していれば純増枚数カウンタを更新する。また、遊技状態制御手段312は、RBB内部中遊技状態において、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中遊技状態に移行させる。また、コマンド送信手段316は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせや、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
【0235】
(ステップS700)
また、払出制御手段310は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせ(リール110の停止態様)に基づき、例えば、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ライン上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
【0236】
(ステップS800)
遊技状態制御手段312は、RBB作動中遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行させる。また、演出状態制御手段314は、演出状態の変更や、有利区間と非有利区間との変更を行う。また、コマンド送信手段316は、遊技状態または演出状態が変更された場合、変更された遊技状態または演出状態等を含む遊技移行コマンドを生成し、生成された遊技移行コマンドを副制御基板202に送信する。このように、移行処理S800が終了することで、当該1遊技が終了する。
【0237】
ここでは、擬似ボーナス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段314は、リール制御手段306に、上述した擬似ボーナス演出状態へ移行することを示す第1リール演出を実行させ、その次の遊技から、擬似ボーナス演出状態を開始する。
【0238】
ステップS200からステップS800までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS800までを繰り返すこととなる。
【0239】
(リール停止処理S500)
図17は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0240】
(ステップS501)
まず、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作の有効または無効を判断するための仮スイッチ発光フラグ(所定のフラグ)を初期化する。ここで、仮スイッチ発光フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、有効=1(ON)、無効=0(OFF)で表される。したがって、リール制御手段306は、仮スイッチ発光フラグの初期化として、仮スイッチ発光フラグの全てのビットを0にすることとなる。なお、ここでは、有効=1(ON)、無効=0(OFF)としたが、有効=0(ON)、無効=1(OFF)としてもよい。
【0241】
(ステップS502)
次に、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれの仮スイッチ発光フラグを参照し、仮スイッチ発光フラグの内容に基づいてスイッチ発光フラグを更新する(スイッチ発光フラグの内容を仮スイッチ発光フラグの内容で上書きする)。ここで、スイッチ発光フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、有効=1(ON)、無効=0(OFF)で表される。スイッチ発光フラグは、仮スイッチ発光フラグに準じて動作する。そして、リール制御手段306は、並行して動作している、1.49msec毎の割込処理において、更新されたスイッチ発光フラグを参照し、出力ポートを通じて、スイッチ発光フラグが1であれば、すなわち、ストップスイッチ120の操作が有効であれば、そのストップスイッチ120のバックライトを青に発光させ、スイッチ発光フラグが0であれば、すなわち、ストップスイッチ120の操作が無効であれば、そのストップスイッチ120のバックライトを赤に発光させる。遊技者は、かかるストップスイッチ120のバックライトを視認することで、ストップスイッチ120の操作が有効であるか無効であるか判断できる。ここで、仮スイッチ発光フラグの内容でスイッチ発光フラグを更新するのは、当該リール停止処理S500の割り込みにおいて一旦仮スイッチ発光フラグを設定し、その次の割り込みにおいてストップスイッチ120のバックライトの発光に反映させるためであり、また、上述した、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されている場合の対策のためである。
【0242】
(ステップS503)
続いて、リール制御手段306は、エラーが生じているか否か確認する。例えば、リール制御手段306は、異常状態「払い出し異常エラー」、「逆流エラー」、「投入異常エラー」、「滞留エラー」を確認する。ここで、異常状態「払い出し異常エラー」は、メダルの払い出し以外で、払出メダル検出部(図示せず)の通過センサのON状態が所定時間(例えば6msec)以上継続した場合に生じる。異常状態「逆流エラー」は、メダルの投入を受け付けている状態で、投入メダル検出部114bの2つの通過センサにおいてメダルの通過順序が正しくない場合に生じる。異常状態「投入異常エラー」は、ブロッカー(図示せず)を閉塞してから所定時間(例えば269msec)以上経過後に投入メダル検出部114bの通過センサがON状態の場合、または、メダルの投入を受け付けている状態で、投入メダル検出部114bの2つの通過センサにおいて正しい順序で通過したメダル数と、Rシュートセンサ(図示せず)を通過したメダル数との差が一定以上あった場合に生じる。異常状態「滞留エラー」は、投入メダル検出部114bの通過センサのON状態が所定時間(例えば132msec)以上継続した場合、または、メダル投入口114aの投入検知センサのON状態が所定時間(例えば533msec)以上継続した場合に生じる。
【0243】
(ステップS504)
次に、リール制御手段306は、インデックスフラグを参照し、回転しているリール110a、110b、110cのインデックスを取得する。なお、インデックスフラグは、リール110a、110b、110cが定速回転速度に到達した後にしか立たないので、換言すれば、インデックスフラグが立っているということは、リール110a、110b、110cが定速回転速度に到達していることも示すこととなる。
【0244】
(ステップS505)
ステップS504の結果、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されていれば、ステップS506に処理を移行し、インデックスが検出されていないリール110があれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0245】
(ステップS506)
続いて、リール制御手段306は、停止リール情報を参照し、遊技者のストップスイッチ120の操作に応じ、停止処理が既に完了もしくは開始しているリール110a、110b、110cを特定する。
【0246】
(ステップS507)
次に、リール制御手段306は、ステップS506の結果から、停止していない回転中のリール110a、110b、110cを特定し、回胴回転中フラグを設定する。ここで、回胴回転中フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのリール110a、110b、110cのいずれかに対応付けられており、定速状態=1、加速状態、減速状態または停止状態=0で表される。また、リール制御手段306は、回転中のリール110a、110b、110cに対応するストップスイッチ120a、120b、120c、すなわち、操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cを特定する。
【0247】
(ステップS508)
続いて、リール制御手段306は、上記ステップS507で特定した操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cに対応する仮スイッチ発光フラグを1(ON)にする。
【0248】
(ステップS509)
次に、リール制御手段306は、所定の入力ポート(例えばポート番号「0」)を参照し、入力ポートの現在状態値を取得する。かかる入力ポートは、その値が、操作フラグとして機能する。ここで、操作フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、操作されている=1、操作されていない=0)で表される。
【0249】
(ステップS510)
続いて、リール制御手段306は、回胴回転中フラグと操作フラグの論理積を演算する。ここで、リールが回転中であり、かつ、そのリールに対応するストップスイッチ120が操作されていれば、すなわち、操作したストップスイッチ120が有効に回転しているリール110に対応していれば、論理積は1となる。
【0250】
(ステップS511)
ステップS510の結果、論理積が1となったビットが1つでもあれば、すなわち、リール110が回転中であり、かつ、そのリール110に対応するストップスイッチ120が操作されていれば、ステップS512に処理を移し、論理積が1となったビットがなければ、ステップS502からの処理を繰り返す。
【0251】
(ステップS512)
次に、リール制御手段306は、スイッチ発光フラグと操作フラグの論理積を演算する。ここで、ストップスイッチ120が有効であり、かつ、そのストップスイッチ120が操作されていれば、論理積は1となる。
【0252】
(ステップS513)
ステップS512の結果、論理積が1となったビットが1つだけであれば、すなわち、ストップスイッチ120が有効であり、かつ、操作されているストップスイッチ120が1つのみであれば、ステップS514に処理を移し、論理積が1となったビットがない、または、論理積が1となったビットが2以上あれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0253】
ここで、ステップS511に加えて当該ステップS513を設けている理由は、上述したように、許可条件を満たした場合に限り、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するためである。すなわち、ステップS513を設けていない状態で、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されていると、インデックスが検出された途端(S505におけるYES)、回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が1となり(S511におけるYES)、即座に停止処理が開始されてしまうからである。
【0254】
ここでは、ステップS513を設けることにより、スイッチ発光フラグが1とはならないので、即座に停止処理が開始されるのを回避できる。具体的に、スタートスイッチ118が操作される前からストップスイッチ120が操作されていると操作フラグが1となり、それが、リール110の回転が開始される前後のいずれであっても、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されれば、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグとの論理積が1となる(S511におけるYES)。
しかし、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている場合、仮スイッチ発光フラグは1となるものの、ステップS511におけるNOの経路を通過することなく、ステップS513におけるNOの経路を繰り返すので、ステップS501において仮スイッチ発光フラグは0(OFF)にリセットされ、スイッチ発光フラグが1(ON)となることはない。そうすると、ステップS513において、スイッチ発光フラグと操作フラグの論理積が1となることはなく、即座に停止処理が開始されることはない。
【0255】
一方、ストップスイッチ120が操作されていない状態で、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されれば、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が0となり(S511におけるNO)、ステップS501を経由することなく、ステップS502からの処理を繰り返す。そうすると、仮スイッチ発光フラグの1が、ステップS501でリセットされることなく、ステップS502において、スイッチ発光フラグに更新される。したがって、ステップS502においてストップスイッチ120のバックライトが青色に発光される。その後、ストップスイッチ120が操作されると、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が1となるとともに、ステップS512においてスイッチ発光フラグと操作フラグの論理積が1となるので(S513におけるYES)、適切に停止処理が開始される。こうして、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されていても停止処理を行うことなく、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出された後にストップスイッチ120が操作されれば適切に停止処理を遂行することが可能となる。
【0256】
上記の構成を他の観点で見ると、以下のようになる。まず、全てのリール110a、110b、110cのインデックスを検出したステップS508のタイミングで、仮スイッチ発光フラグ(所定のフラグ)をONする。このとき、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていなければ、ステップS511においてNOとなることはなく、ステップS513のNOを通じ、ステップS501で仮スイッチ発光フラグが0にリセットされてしまう。そして、ステップS502においてスイッチ発光フラグが更新されるので、ストップスイッチ120を操作している間は、スイッチ発光フラグが1になることはない。結局、ステップS501→ステップS502→ステップS508→ステップS513を繰り返し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作は有効化されない。
【0257】
一方、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されれば、以下のように動作する。すなわち、ステップS508において、操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cに対応する仮スイッチ発光フラグが1(ON)になる。そして、リール110a、110b、110cは回転中であるが、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作されていない状態が1回でもあると、ステップS511におけるNOを通じて、ステップS502の処理に移行し、ステップS501の処理を行うことなく、仮スイッチ発光フラグの1でスイッチ発光フラグを更新できるので、適切に、スイッチ発光フラグが1(ON)の状態を作ることができる。したがって、ステップS508→ステップS511→ステップS502といった経路を通り、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化することができる。
【0258】
また、ここでは、論理積が1となったビットが1つだけであることを条件とし、仮にビットが2つ以上あれば、すなわち、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれか2以上が同時に操作されていれば、以降の停止処理を行うことなく、ステップS501からの処理を繰り返す。こうして、複数のストップスイッチ120が同時に操作された場合に、そのストップスイッチ120に対応するリール110を同時に停止させることがなく、少なくとも1割込時間分(1.49msec)の差がなければ、有効に操作を受け付けないこととなる。ここでは、複数のリール110を同時に停止処理することで、例えば、割込時間内に処理が完了せず、本来実行すべき割込処理を飛ばしてしまう事象を回避することが可能となる。
【0259】
なお、ここでは、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれか2以上が同時に操作されていれば、以降の停止処理を行うことなく、ステップS501からの処理を繰り返し、いずれの操作も無効とするようにした。しかし、かかる場合に限らず、同時に操作された複数のストップスイッチ120を所定の規則に従って停止処理するとしてもよい。所定の規則としては、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cの順で、より左側にあるストップスイッチ120に対応するリール110を優先して停止処理したり、後述する、所謂、AT(アシストタイム)において、本来操作すべき順に操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を優先して停止処理することが考えられる。
【0260】
(ステップS514)
続いて、リール制御手段306は、論理積が1となったビットに対応するリール110の停止処理として、そのリール110の滑りコマ数を決定する。
【0261】
(ステップS515)
次に、リール制御手段306は、20コマの図柄のうち停止すべき図柄の図柄番号である停止図柄番号を取得して所定の記憶領域に保持する。
【0262】
(ステップS516)
続いて、リール制御手段306は、停止要求フラグを1にする。停止要求フラグは、並行して動作するプログラムに対し、対象となるリール110の停止処理を要求するためのフラグであり、停止要求フラグを1とすることで、停止図柄番号に対応する図柄を有効ライン上に停止することが可能となる。かかる停止要求フラグおよび上記の停止図柄番号は、並行して動作するプログラムにより読み出され、停止処理が行われる。なお、停止処理が完了すると、そのプログラムによって、停止要求フラグは0(OFF)にリセットされる。
【0263】
(ステップS517)
次に、リール制御手段306は、停止処理を行ったストップスイッチ120に対応する仮スイッチ発光フラグを0(OFF)にし、仮スイッチ発光フラグの内容でスイッチ発光フラグを0(OFF)に更新する。
【0264】
(ステップS518)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれのスイッチ発光フラグを参照し、ステップS517においてビットが0となったストップスイッチ120のバックライトを赤に発光させる。
【0265】
(ステップS519)
次に、リール制御手段306は、当該操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放しているか否かを判定する。その結果、全相励磁が開放されていれば、ステップS520に処理を移行し、全相励磁が開放されていなければ、ステップS519を繰り返す。このように、ここでは、リール制御手段306が、ストップスイッチ120の操作に応じて、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作を無効化し、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放されるまでストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しない。かかる構成により、ストップスイッチ120a、120b、120cの押止順とリール110a、110b、110cの停止順が異なることを回避でき、遊技者が不信感や違和感を覚えることもない。
【0266】
(ステップS520)
続いて、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cの停止処理(ステップS514~ステップS519)が完了しているか否か判定する。その結果、停止処理が完了していればステップS521に処理を移行し、停止処理が完了していなければ、ステップS501からの処理を繰り返す。ここでは、まだ停止していないリール110が存在している場合、ステップS501に処理を移すことで、他のリール110の停止処理を即座に実行できるようにし、遊技時間を短縮化している。
【0267】
(ステップS521)
次に、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cの全相励磁が開放しているか否かを判定する。その結果、全相励磁が開放されていれば、ステップS522に処理を移行し、全相励磁が開放されていなければ、ステップS521を繰り返す。
【0268】
(ステップS522)
続いて、リール制御手段306は、エラーが生じているか否か確認する。例えば、リール制御手段306は、異常状態「払い出し異常エラー」、「逆流エラー」、「投入異常エラー」、「滞留エラー」を確認する。
【0269】
(ステップS523)
次に、リール制御手段306は、所定の入力ポート(例えばポート番号「0」)を参照し、入力ポートの現在状態値が全て0であるか否か判定する。その結果、全て0であれば、当該リール停止処理S500を終了し、いずれかが1であれば、すなわち、遊技者が操作したストップスイッチ120を解除していなければ、ステップS522の処理を繰り返し、解除を待つ。こうして、ストップスイッチ120の解除を待って以降の判定処理S600を開始させることができる。
【0270】
そして、リール停止処理S500の終了後に判定処理S600が行われ、その後、払出制御手段310は、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出す。また、判定処理S600が行われると、入賞判定の結果を示すコマンドが副制御基板202に送信され、演出制御手段334は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を、液晶表示部124を通じて報知したり、リールバックライトを通じて報知する。また、演出制御手段334は、払出制御手段310によるメダルの払い出しに応じて(合わせて)スピーカ128から払出音を出力してもよい。
【0271】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、停止完了後処理が行われるので、遊技者は、その図柄組み合わせを確実に認識することができ、不信感や違和感を覚えることもない。
【0272】
また、ここでは、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを行っている。したがって、リール110a、110b、110cの励磁(全相励磁)タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとを異ならせることができるので、主制御基板200が管理するデバイス全体に許容される電流量を超過することがなくなる。したがって、リール110の励磁中にメダル払出装置142を駆動させるための大電流容量の電源を準備する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
【0273】
また、ここでは、遊技者がストップスイッチ120の操作を解除することでメダルの払い出しを行っている。かかる処理により、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、スロットマシン100全体を視認可能な他の人および払出音を視聴できる他の人も、その遊技結果を把握することができる。したがって、遊技者は、まだ、処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、優越感に浸ることができる。
【0274】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0275】
例えば、上述した実施形態では、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開放されてから、はじめて、他のストップスイッチ120の操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開始されてから、他のストップスイッチ120の操作を有効化するとしてもよい。この場合、
図17におけるステップS519やステップS521の判定対象を全相励磁開始とすることで対応できる。なお、メダル払出装置142からメダルを払い出す際や次遊技のリール110a、110b、110cの回転開始(加速状態の開始)時に、全てのリール110a、110b、110cの励磁開放を待つ(判定)処理を実行する場合、
図14のステップS521を省略することができる。
【0276】
また、ここでは、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開放されてから、はじめて、他のストップスイッチ120の操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110が停止する前から他のストップスイッチ120の操作を有効化してもよい。例えば、任意のストップスイッチ(例えば、ストップスイッチ120a)の操作が、他のストップスイッチ(例えば、ストップスイッチ120b、120c)の有効無効に影響を及ぼさないとしてもよい。すなわち、既に他のストップスイッチ120が操作されているか否かに(他のリールが回転しているか停止しているかに)拘わらず、また、停止開始や停止完了を待つことなく、未だ操作されていないストップスイッチ120は全て操作が有効な状態が維持され、そのストップスイッチ120の操作が許容される。そうすると、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを連続して操作することができる(所謂スライドプッシュ)。この場合、リール制御手段306は、当該操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放していることを待つ必要がないので、
図17におけるステップS519を省略することで実現できる。また、
図17におけるステップS519のみならず、ステップS521も省略することができる。なお、この場合には、上記のように、メダル払出装置142からメダルを払い出す際や次遊技のリール110a、110b、110cの回転開始時に、全てのリール110a、110b、110cの励磁開放を待つ方が望ましい。
【0277】
したがって、リール110a、110b、110cそれぞれの位置を特定するインデックスが全て検出されれば、その後にストップスイッチ120aが操作されたことや、リール110aの回転状態が定速状態のいずれであるかに拘わらず、ストップスイッチ120b、120cの操作が有効化されるので、遊技者は、ストップスイッチ120bやストップスイッチ120cを操作して、リール110bやリール110cを停止させることができる。
【0278】
なお、この場合、以下の事象が生じ得る。例えば、ストップスイッチ120が操作されたタイミングで引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。したがって、その滑りコマ数が異なる場合、ストップスイッチ120が操作されてから、リール110の停止処理が開始されるまでの時間が、0~189msec(190msec以内の所定時間)といったように、リール110a、110b、110c毎に異なることとなる。例えば、遊技者によって、スタートスイッチ118が操作され、全てのリール110a、110b、110cのインデックスが検出され、遊技者が、ストップスイッチ120a、120b、120cを、
図13で示したように順押しの打順で操作したとする。そうすると、滑りコマ数が等しい場合、リール110a→リール110b→リール110cの順に停止完了することとなるが、滑りコマ数が異なる場合、リール110の停止完了する順が異なる場合がある。例えば、リール110aが最初に停止完了し、滑りコマ数が少ないリール110cが次に停止完了し、滑りコマ数が多いリール110bがリール110cより後に停止完了する場合がある。このように、ここでは、必ずしもストップスイッチ120a、120b、120cの操作順と同じ順番でリール110a、110b、110cが停止完了するとは限らない。そこで、スライドプッシュにおける停止完了条件は、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、第3停止した(最後に停止操作された)ストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放され、かつ、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることになる。そして、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、かかる停止完了条件が満たされると、停止完了後処理を実行する。
【0279】
また、スライドプッシュにおける停止完了条件として、第3停止したリール110について全相励磁が開放されているか否かの判定を省略することができる。また、上述したように、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cや第3停止したリール110について全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定してもよい。この場合、
図17におけるステップS519やステップS521の判定対象をタイマの計時とすることで対応できる。また、停止完了条件として、第3停止したリール110について全相励磁が開放されているか否かの判定を省略しつつ、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定してもよい。
【0280】
なお、ここでは、結果報知手段として、
図15(d)のように、全てのリール110a、110b、110cが停止したとき、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、演出制御手段334が、液晶表示部124を通じて、遊技の結果、すなわち、当選役「小役1」が入賞した旨を報知する例を挙げて説明したが、結果報知手段はかかる場合に限らず、液晶表示部124以外のデバイスで行うこともできる。例えば、結果報知手段としてのメダル払出装置142は、当選役の入賞に応じて、当選役に対応する払出枚数分だけメダルを排出することで、遊技の結果として、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのメイン払出表示部132やサブ払出表示部136は、遊技の結果として、メダルの払出枚数を表示することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのリールバックライト(図示せず)は、遊技の結果として、図柄表示窓108に対応する各リール110a、110b、110cを背面から照射(点灯、点滅、消灯、所定パターンのフラッシュ)することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのスピーカ128は、遊技の結果として、入賞音(単なる効果音および入賞した当選役に対応した音等)を出力することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としての演出用ランプ126は、遊技の結果として、入賞に伴って発光(単なる発光、入賞した当選役に対応した色での発光、および、入賞した当選役に対応した点滅パターン等)することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。
【0281】
また、ここでは、停止完了条件として、特定のストップスイッチ120の解除を挙げて説明したが、特定のストップスイッチ120としては、最後に操作(第3停止)されたストップスイッチ120に限らず、全てのストップスイッチ120や、上述したように、最後に操作されたストップスイッチ120ではないが、最後に操作されたストップスイッチ120が解除される時点では押止状態を維持しており、最後に操作されたストップスイッチ120が解除された後に解除されたストップスイッチ120も含まれる。
【0282】
また、ここでは、全てのリールが停止してから、遊技の結果として、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する例を挙げた。しかし、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報は、当選役に対応する図柄組み合わせに限らず、当選役を取りこぼした場合の図柄組み合わせや、不当選に相当する(当選役に当選していないことを示す)図柄組み合わせも含まれる。
【0283】
また、ここでは、遊技者によるストップスイッチ120の操作時に引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、単に、停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する例を挙げて説明したが、かかる滑りコマ数分の回転を維持する間、演出制御手段334が任意の演出を実行するとしてもよい。ただし、上述したように、滑りコマ数は、遊技者によるストップスイッチ120の操作タイミングに応じて変化する。したがって、演出制御手段334は、滑りコマ数に応じ、例えば、滑りコマ数が多い場合は、比較的長い演出を行い、滑りコマ数が少ない場合は、比較的短い演出を行う等、演出を変化させてもよい。また、滑りコマ数によっては、演出を行うタイミングを変化させてもよい。例えば、演出制御手段334は、ストップスイッチ120の最初の操作時(第1停止時)に所定の演出を予定していたとする。しかし、かかるストップスイッチ120の滑りコマ数が少なく、演出が予定している時間を十分に確保できない、または、時間が短いため演出を実行したとしても遊技者に演出の内容を十分に伝達することができない場合、かかる演出を他のストップスイッチ120の操作時、例えば、最後のストップスイッチ120の操作時(第3停止時)に行うとしてもよい。こうして、演出の時間を確保し、遊技者に演出の内容を十分に伝達することが可能となる。
【0284】
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0285】
また、上述した実施形態では、AT演出状態が1種類のみ設けられるようにしたが、例えば、AT演出状態の継続遊技数の上乗せ特化ゾーンなど、複数種類のAT演出状態が設けられるようにしてもよい。
【0286】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0287】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0288】
本実施形態では、主制御基板200が備える演出メイン制御手段(図示せず)と、副制御基板202が備える演出制御手段334(演出サブ制御手段)とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段334へ指示を出す。また、演出サブ制御手段334は、演出メイン制御手段から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、演出メイン制御手段で行う制御は、演出サブ制御手段334で行ってもよく、演出サブ制御手段334で行う制御は、演出メイン制御手段で行ってもよい。また、演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51(第1の実施の形態を参照)で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0289】
次に、第1の実施の形態で説明した2枚掛け遊技と3枚掛け遊技とを行うことができる遊技機において、上述のいわゆるスライドプッシュを採用した場合について説明する。スライドプッシュでは、既に他のストップスイッチ(ストップボタン)が操作されているか否か(他のリールが回転しているか停止しているか)に関わらず、まだ操作されていないストップスイッチは操作が有効な状態が維持される。ここで、遊技者が、ストップスイッチ120a、120b、120cを打順1で操作した(いわゆる順押し操作をした)場合を考える。リールの滑りコマ数が異なる場合、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作順(打順1)と同じ順番でリール110a、110b、110cが停止するとは限らない。例えば、最初にリール110aが停止し、次に、滑りコマ数がリール110bよりも少ない(例えば1コマである)リール110cが停止し、次に、滑りコマ数がリール110cよりも多い(例えば4コマである)リール110bがリール110cよりも後に停止するということが起こり得る。
【0290】
本実施形態の遊技機において、演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。これにより、遊技者等は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを把握できる。このとき、仮に、最後のストップスイッチ120cの押下の開放が検出されたことを契機として特殊画像を表示させない状態とすることとすると、スライドプッシュが採用されている場合に、リールの回転が停止するよりも先に(まだ回転しているリールがあるにも関わらず)、特殊画像が表示されなくなるという事象が起こり得る。この場合、遊技者が1遊技を終えたと判断するタイミングよりも前に特殊画像が表示されなくなり、遊技者が違和感や不信感を抱くおそれがある。
【0291】
そこで、本実施形態では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技の開始に伴い表示させた特殊画像を、所定の条件が成立すると、表示させない状態とする。所定の条件とは(1)ストップボタンの第3停止操作(最後に操作されたストップボタン)の押下の開放が検出されており、かつ、(2)すべてのリール(リール110a、110b、110c)の回転の停止が検出されていることである。なお、所定の条件とは、少なくとも(1)の要件と(2)の要件とを含むものであって、さらにその他の要件を含むものであってもよい。
【0292】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させるとともに、所定の条件を満たすと、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記所定の条件は、最後に操作された前記ストップボタンの押下操作が開放されており、かつ、すべての前記複数のリールの回転が停止していることである。
【0293】
本実施形態によれば、いわゆるスライドプッシュが採用されている場合であっても、すべてのリールの回転が停止するよりも前に2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像が表示されない状態となる、という事象は発生しない。したがって、1遊技が終了したと判断するよりも前に特殊画像が表示されなくなることにより、遊技者が違和感や不信感を抱くのを防止できる。さらに、本構成によれば、遊技者は最後のストップスイッチ120cの押下を続けることによって、上記の所定の条件が成立するのを遅らせることができる。つまり、特殊画像が表示されなくなるタイミングを遅らせることができる。これにより、遊技者は、最後のストップスイッチの押下を続けることで特殊画像を堪能することができる。そして、自身の好みのタイミングで当該ストップスイッチの押下を開放して、表示を切り替えることができる。
【0294】
(第3の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0295】
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図18はスロットマシンMを示す斜視図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、遊技媒体(遊技価値)としてのメダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパー装置150(
図19参照)等が設けられている。
【0296】
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1内には、図示しない交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニットと、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。
【0297】
前記リールユニットは、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール100a,100b,100c(
図19参照;
図1には示されない)とを備えている。また、前記基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、前記基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0298】
図18に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、3個の前記回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
【0299】
また、上扉30の上部には、表示窓31よりも大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた画像表示装置の表示面を見るために設けられたものである。画像表示装置は液晶表示パネルを有し、画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。また、表示窓32よりも上側に位置される上扉30の左右両側部位には、各種演出音(音楽、効果音、音声等)を出力するスピーカ14が設けられる。
【0300】
また、上扉30の表示窓32の上側中央部には、ロゴシートの表示を遊技者に見せるようになっている横長のトップレンズ33が表示部として設けられている。
また、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行なうための横長の照明装置34,35,34が左右に隣接して設けられている。
【0301】
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行なうための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える画像表示装置に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して画像表示装置に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
さらに、上扉30の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置37が設けられている。
【0302】
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0303】
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパー装置150(
図19参照)等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
【0304】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0305】
また、下扉40の下部には、スロットマシンMの内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、下扉40の上部にはスロットマシンMを操作するための操作部50が設けられており、この操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置33dが設けられている。
【0306】
操作部50には、メダルを払い出す精算処理を指示するための精算操作部としての精算ボタン52が設けられる。この場合、精算ボタン52の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。すなわち、本実施の形態における精算ボタン52の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン52の操作による精算パターンとしては、例えば、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンや、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの清算後の2回目の精算ボタン52の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンなどを挙げることができる。
また、操作部50には、さらに、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン:ベット操作部)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58も設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0307】
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
【0308】
また、前述した演出ボタン62は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。演出ボタン62の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも大きいか、あるいは同等のものとなっている。演出ボタン62の操作力は、例えば、約3.0Nとなっている。
また、ストップボタン54および演出ボタン62は、MAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54および演出ボタン62の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。なお、本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。MAXベットボタン56の押圧部の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動距離(フルストローク)は、約2.0mmであり、ONストロークの約2倍となっている。また、MAXベットボタン56の押圧部を初期位置からメカストッパーに当接するまで移動させるために必要な荷重(最大荷重)は、約2.0Nであり、センサ検知荷重(操作力)の約2倍となっている。
ストップボタン54(操作力約0.7N)についても同様の構成となっている。また、ストップボタン54のONストロークは約1.0mmであり、フルストロークはその約2倍の約2.0mmとなっている。また、ストップボタン54のセンサ検知荷重(操作力)は約0.7Nであり、最大荷重はその約2倍の約1.4Nとなっている。
なお、以上の説明で操作力、荷重、ストロークに関して使用される「約」なる用語は、設計誤差や組み付け誤差に伴う±10%程度のばらつきを含む意味である。
【0309】
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行なうと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0310】
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、画像表示装置に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
【0311】
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行なうことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
【0312】
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0313】
また、演出ボタン62は、ストップボタン54やMAXベットボタン56よりも操作頻度が低い。また、演出ボタン62は、上記のように遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等で、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるので、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。このような演出ボタン62の操作力が、ストップボタン54の操作力より大きく、かつMAXベットボタン56の操作力以上となるように設定されているので、遊技者は重くてずっしりとした操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0314】
図19に示すように、スロットマシンMの内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御手段としてのメイン制御基板70と、メイン制御基板70から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御手段としてのサブ制御基板72とが設けられている。メイン制御基板70は、MAXベットボタンを含むベットボタン56、スタートレバー53、ストップボタン54、メダル投入口42から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ89、精算ボタン52等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール100a,100b,100c)、ホッパー装置150等の出力手段の制御を行なう。また、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、表示窓32に対応して上扉30に設けられた前述の液晶表示パネルやその他の液晶表示パネル45を含む画像表示装置の液晶ディスプレイDおよびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行なう。
【0315】
また、メイン制御基板70とサブ制御基板72とは電気的に接続されており、メイン制御基板70からサブ制御基板72へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板72からメイン制御基板70へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板70やサブ制御基板72等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0316】
メイン制御基板70は、後述するメダルセレクタ92(
図19参照)の動作を制御するセレクタ制御手段93と、投入受付手段80と、乱数発生手段81と、当選役抽選を行なって役の当否を決定する当選役抽選手段82と、リールの回転を制御するリール制御手段83と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段84と、遊技状態制御手段85と、各種情報(コマンド信号)を送信するための情報送信手段86と、記憶手段90と、払出制御手段91と、精算制御手段95とを備える。
また、サブ制御基板72は、各種の演出を制御する演出制御手段73と、当選役判定処理を行なう当選役判定手段74と、当選した役が正しくない(エラー)と当選役判定手段74が判定した場合にサブ制御基板72をリセットして初期化する初期化手段75と、演出に関するデータを記憶するサブ側記憶手段76とを備える。
【0317】
メイン制御基板70の投入受付手段80は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行なう。具体的には、メダル投入口42にメダルが投入されると、通過検知センサ89がメダルの通過を検知することに伴って、投入受付手段80が、3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段80は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン56が押下されると、3枚を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、3枚のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール100a~100cの回転が開始されるとともに、当選役抽選等の抽選が行われる。
【0318】
また、メイン制御基板70の投入受付手段80は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口42にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限枚数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン56に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン56が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0319】
メイン制御基板70の乱数発生手段81は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0320】
メイン制御基板70の当選役抽選手段82は、有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行なう。当選役抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段90のROMに設けられた当選役抽選テーブル記憶領域に複数格納されている。当選役抽選では、乱数発生手段81から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を当選役抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。
【0321】
メイン制御基板70のリール制御手段83は、メイン制御基板70による制御のもと有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール100a,100b,100cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54が操作されると、操作されたストップボタン54に対応するリールの停止制御を行なう。
【0322】
すなわち、リール制御手段83は、ストップボタン54の各ボタンが操作される毎に、第一リール100a~第三リール100cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行なう。したがって、3つあるストップボタン54の操作順序(打順)によって、第一リール100a~第三リール100cの停止順序が変化する。
【0323】
メイン制御基板70の入賞判定手段84は、リール100a~100cの回転が停止されると作動され、リール100a~100cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール100a~100cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段90のROMに記憶されている入賞判定テーブル(図示せず)に照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板70は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。
【0324】
メイン制御基板70の遊技状態制御手段85は、複数の状態間、例えば、通常状態、CBB成立状態(第1ボーナス成立状態)、CBB状態(第1ボーナス状態)、RBB成立状態(第2ボーナス成立状態)、RBB状態(第2ボーナス状態)、RB1成立状態(特定ボーナス成立状態)、およびRB1状態(特定ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行なう。
【0325】
メイン制御基板70の情報送信手段86は、当選した役を通知する信号、当該役が当選した当選役抽選時の遊技状態を通知する信号、現在の遊技状態を通知する信号などの他、後述するメダル精算に関連するコマンド信号もサブ制御基板72に送信する。
【0326】
また、メイン制御基板70の払出制御手段91は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払い出し制御処理を行なう。具体的には、例えば小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払い出し数を決定し、決定された払い出し数に相当するメダルをホッパー装置150に払い出させる制御を行なう。
また、メイン制御基板70のセレクタ制御手段93は、前述したように、後述するメダルセレクタ92の動作を制御するようになっている。具体的には、セレクタ制御手段93は、メダルセレクタ92を構成する前述した通過検知センサ89を含む各種のセンサから信号を受け、メダルセレクタ92を構成するブロッカー99の動作を制御する。なお、セレクタ制御手段93を別個に設けることなく、セレクタ制御手段93が投入受付手段80等によって兼ねられてもよい。
【0327】
また、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づいて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルをホッパー装置150を通じて払い出す精算処理の実行を制御する。なお、精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の実行を制御するだけでなく、後述するように、精算処理の完了後に通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しないようにブロッカー99の動作を制御してもよい。そのような制御形態の場合には、ブロッカー99を備えるメダルセレクタ92の動作を制御する前述のセレクタ制御手段93が精算制御手段95によって兼ねられてもよい。
【0328】
一方、サブ制御基板72の演出制御手段73は、サブ側記憶手段76のROMに設けられた演出データ記憶領域に記憶されている演出データに基づいて、サブ側記憶手段76のRAMと協働して、液晶ディスプレイD、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御し、演出を行なう。具体的には、メダルの投入やベットボタン56、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54に対する操作、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイDの表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行なう。特に、本実施の形態において、演出制御手段73は、後述するように、精算ボタン52の操作に基づいて、具体的には後述する精算実行中状態および精算終了中状態において、それらの状態を報知する演出音、演出光、および、演出画像を出力するべく、液晶ディスプレイD(45)、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御するようになっている。
【0329】
また、本実施の形態のスロットマシンMには、メダル通路からメダルを排除可能なブロッカー99によってメダル投入口42を通じて投入されるメダルをメダル払い出し口側または通過検知センサ89側へと選択的に導くメダルセレクタ92(
図19参照)が設けられており、メダル投入が可能な投入許容期間以外の期間に投入されたメダルや規格外のメダルは、メダル受け付け不許可状態をもたらす不許可位置にある作動状態のブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれるとともに、投入許容期間内に投入された規格内のメダルは、メダル受け付け許可状態をもたらす許可位置にある作動解除状態のブロッカー99により通過検知センサ89へと導かれてメダル投入が検出されるようになっている。
具体的に、メダルセレクタ92は、メダル投入口42から続くメダル通路に、メダル投入口42の近傍に位置される投入検知センサ130(第1のセンサ:
図19参照)と、ブロッカー99の下流側に位置される通過検知センサ89(第2のセンサ:
図19参照)とを有する。
この場合、投入検知センサ130は、ブロッカー99よりも下流側にある通過検知センサ89とは異なり、ブロッカー99よりも上流側にあるセンサであり、メダル投入口42を通じたメダルの投入を検知してその検知信号をメイン制御基板70へ送る。メイン制御基板70は、投入検知センサ130のON状態が一定時間(例えば0.6秒)以上経過すると、例えば異物が不正にメダル投入口42からメダル通路に挿入されたことなどに起因する異常であると判定するようになっている。
また、通過検知センサ89は、ブロッカー99によってメダル通路から排除されることなく流下する投入許容期間内に投入された規格内のメダルの通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板70へ送る。通過検知センサ89は、例えば、メダル通路を挟んで対向する発光部と受光部とにより構成されるフォトインタラプタタイプの赤外線センサから成り、発光部から照射されて受光部に入射する赤外光がメダル通路を流下してきたメダルによって遮られることによりメダルの通過を検知する。通過検知センサ89によってメダルの通過が検知されると、そのメダルによって遊技が可能となる。すなわち、そのメダルのベットまたはクレジットが加算可能となる。
また、通過検知センサ89の上流側に位置してメダルセレクタ92を構成するブロッカー99は、例えばソレノイドに連動して作動してもよい。その場合、例えば、ソレノイドが非励磁状態のときにブロッカー99がコイルバネの付勢力を受けて作動状態となり、ブロッカー99によってメダル通路からメダルを排除できる。一方、ソレノイドが励磁状態のときには、コイルバネの付勢力に抗してブロッカーが移動されて作動解除状態となり、メダルが通過検知センサ89側へと導かれてメダル投入が検出される。なお、このようなメダルセレクタ92の動作は、前述したようにメイン制御基板70のセレクタ制御手段93によって制御される。
なお、ブロッカー99の位置が不許可位置に移動するように制御されている状態にも拘わらず、不正行為等によりブロッカー99の位置を許可位置に移動させてメダルを通過検知センサ89に検知させた場合には、そのメダルの受け付けが許容されず、ベットまたはクレジットが加算されることなくエラー処理が実行される。ただし、必ずしもこのような構成にする必要は無い。すなわち、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受付を許容しないメダル受け付け不許可状態は、例えばブロッカー99の位置を不許可位置にすることによって実現可能であるが、このようなメダル受け付け不許可状態において誤動作あるいは不正等によって、通過検知センサ89をメダルが通過してしまう場合に、通過検知センサ89がメダルを検知しメダルがベットまたはクレジットされる構成としてもよく、通過検知センサ89がメダルを検知しエラー処理が実行される構成としてもよく、通過検知センサ89がメダルを検知しない(反応しない)構成としてもよい。
【0330】
そして、さらに、本実施の形態のスロットマシンMでは、精算ボタン52の押下操作に基づく精算処理の完了後に、精算が終了した旨の音声等の精算終了演出音、すなわち、精算処理完了を報知する演出音が出力されるとともに、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態を伴うようになっている。以下、これについて詳しく説明する。
なお、ここで、「通過検知センサ89による検知」とは、適正なメダルの通過検知および異常なメダルの通過検知の双方を含む。また、「通過検知センサ89による検知を伴うメダル(遊技媒体)の受け付け」とは、通過検知センサ89により適正にメダルの通過を検知してベットまたはクレジットがされることを指す。さらに、「通過検知センサ89による検知を伴うメダル(遊技媒体)の受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態」とは、通過検知センサ89によるメダルの通過検知自体がブロッカー99によって阻止されるというハード的な意味と、通過検知センサ89によって異常なメダルの通過検知がなされた場合であってもベットまたはクレジットがされないというソフト的な意味とを含む概念である。
【0331】
図20には、精算ボタン52の操作に基づいて実行される精算処理に関するブロッカー99の位置、メイン制御基板70の制御状態、および、サブ制御基板72の制御状態のタイミングチャートが示されている。また、
図21には、精算処理に係るメイン制御基板70側での制御動作のフローチャートが示され、
図22には、精算処理に係るサブ制御基板72側での制御動作のフローチャートが示されている。
図20に示されるように、所定の遊技の終了時には、スロットマシンMは、通常、ブロッカー99が許可位置に設定されたメダル受け付け許可状態Aにある。このとき、メイン制御基板70が精算ボタン52の押下操作に基づく精算処理を伴わない非精算中状態C1にあるとして(
図21のステップS1)、以下、話を進める。
この非精算中状態C1はメイン制御基板70の制御によってもたらされる。この非精算中状態C1では、前述したようにメダルセレクタ92のブロッカー99が許可位置にあるため、メダル投入口42を通じて投入されたメダルは、通過検知センサ89へと導かれて検出され、ベットまたはクレジットされる。また、このメダル受け付け許可状態Aにおいて、サブ制御基板72は、非精算中演出状態C1’をもたらす制御を行ない(
図22のステップS10)、それにより、液晶ディスプレイDおよびスピーカ14を通じて通常演出や通常演出から移行するデモ演出が実行される。
【0332】
また、このようなメダル受け付け許可状態Aで、精算ボタン52が押下操作されると、スロットマシンMがメダル受け付け不許可状態Bとなる(
図20参照)。具体的には、特定期間(例えば1秒)を超える精算ボタン52の押下操作に基づいて、メイン制御基板70の制御により、特に本実施の形態ではセレクタ制御手段93を兼ねてもよい精算制御手段95による制御によって、前述したメダルセレクタ92のブロッカー99が不許可位置に移動する。したがって、メダル投入口42を通じてメダルが投入されても、そのメダルは、不許可位置にある作動状態のブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれてメダル受け皿43へと排出される。なお、このように特定期間(例えば1秒)を超える精算ボタン52の押下操作に伴って精算処理が開始される場合、ブロッカー99が不許可位置に移動するタイミングは、精算ボタン52の押下操作と同時であってもよい。このように、精算処理が開始される前に予めブロッカー99を不許可位置に移動させておくと、精算処理とベットまたはクレジットの加算処理とが同時期に実行されてしまうという処理負担を発生させないようにすることができる。
また、メイン制御基板70(精算制御手段95)は、このように精算ボタン52が押下操作される(
図21のステップS2においてYESの場合)と、情報送信手段86を介して精算開始コマンドをサブ制御基板72へ送信する(
図21のステップS3)とともに、ホッパー装置150を作動させて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルがメダル払い出し口からメダル受け皿43へ排出される精算実行中状態C2をもたらす制御を行なう(
図21のステップS4)。
【0333】
なお、この精算を開始させるための特定期間を超える精算ボタン52の押下操作に関し、メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されている当該特定期間中にベットボタン56が押下操作されても、クレジットされたメダルを投入状態に設定する処理(ベット処理)を行わないこととしてもよい。すなわち、特定期間中は、ベットボタン56の押下操作に基づくメダルのベットが行われないようにしてもよい。このような構成によれば、ベットと精算という相反する処理の両立を防止することができる。なお、このように構成する場合、特定期間中に押下されたベットボタン56が、精算ボタン52の押下操作が解除されるまで、または精算処理が終了するまで、押下され続けたとしても、メダルのベットが行われないようにしてもよい。また、ベットボタン56が押下されている状態において、精算ボタン52が押下され、特定期間を超える精算ボタン52の押下操作がされたとしても、精算処理が行われないようにしてもよい。
また、この精算を開始させるための特定期間を超える精算ボタン52の押下操作に関し、メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されている当該特定期間中にベットボタン56が押下操作された場合に、クレジットされたメダルを投入状態に設定する処理(ベット処理)を行うこととしてもよい。このような構成によれば、相反する処理を両立させることができる。
【0334】
一方、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から精算開始コマンドを受ける(
図22のステップS11においてYESの場合)と、液晶ディスプレイD(45)を通じて精算実行中である旨を報知する演出画像を表示し、スピーカ14を通じてブザー音を鳴らすなどして精算実行中である旨を報知する第1の演出音(精算実行中演出音)を出力するとともに、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて精算実行中である旨を報知する演出光を出力する精算実行中演出状態C2’をもたらす制御を行なう(
図22のステップS12)。なお、
図20には、精算実行中状態C2の期間および精算実行中演出状態C2’の期間が共にP1で示されている。
【0335】
そして、ホッパー装置150の動作に伴ってメダルをメダル受け皿43へ排出させる精算処理が完全に終了する(
図21のステップS5においてYESの場合)と、メイン制御基板70(精算制御手段95)は、情報送信手段86を介して精算終了コマンドをサブ制御基板72へ送信する(
図21のステップS6)とともに、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態C3をもたらす制御を行なう(
図21のステップS7)。すなわち、メイン制御基板70の精算制御手段95は、メダルセレクタ92のブロッカー99を依然として不許可位置のまま維持し、そのため、スロットマシンMはメダル受け付け不許可状態Bに保たれる。したがって、メダル投入口42を通じてメダルが投入されても、そのメダルは、不許可位置にあるブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれてメダル受け皿43へと排出される。このことは、無論、前述した精算実行中状態C2においても当てはまる。すなわち、精算実行中状態C2においても、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けが許容されない。
【0336】
一方、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から精算終了コマンドを受ける(
図22のステップS13においてYESの場合)と、液晶ディスプレイDを通じた精算実行中である旨を報知する前述した演出画像の表示と照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じた精算実行中である旨を報知する前述した演出光の出力とを維持しつつ、例えば約2秒程度にわたって前述した第1の演出音とは異なる精算処理完了を報知する第2の演出音(精算終了演出音)、具体的には本実施の形態では、精算処理完了を報知する音声(例えば「精算終了しました」などという音声)をスピーカ14を通じて出力する精算終了中演出状態C3’をもたらす制御を行なう(
図22のステップS14)。
なお、第2の演出音は、精算処理の時間(メダルの払い出しにかかった時間)に関わらず、報知の時間(音の出力期間)が一定となっている。一方、第1の演出音は、精算処理の時間(メダルの払い出しにかかる時間)に応じて、報知の時間(音の出力期間)が異なるようになっている。
【0337】
ここで、本実施の形態では、精算終了中状態C3の期間P2(
図20参照)内に第2の演出音の出力が終了するようになっている。すなわち、精算終了中演出状態C3’は、精算終了中状態C3の期間P2と同じ期間P2にわたる一方で、第2の演出音を出力している期間P3と、第2の演出音を出力していない無音の期間P4とを有する。言い換えると、精算終了中状態C3の期間P2が第2の演出音を出力している精算終了中演出状態C3’の期間P3よりも長く設定されている。そして、本実施の形態では、さらに、第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間(期間)P4、すなわち、第2の演出音を出力していない無音の期間P4は、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間、すなわち、第2の演出音の出力中にメダル投入口42から投入されたメダルがメダル投入口42から通過検知センサ89へと至るメダル通路に残っている可能性がある期間よりも長く設定されている。本実施の形態の場合、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間が約0.1秒~0.65秒、例えば約0.3秒に設定され、あるいは、変形例では、メダルが投入検知センサ130により検知されてから通過検知センサ89によって検知されるまでの時間が約0.1秒~0.65秒、例えば約0.3秒に設定されるため、期間P4は例えば約0.7秒に設定される。
【0338】
具体的には、制御動作の流れとして、メイン制御基板70の精算制御手段95は、
図21に示されるように、精算終了中状態C3になった後、所定時間が経過したか否かを判断する(
図21のステップS8)。無論、この場合の「所定時間」(精算終了中状態C3の期間P2)は、前述したように、精算終了中演出状態C3’の期間P3よりも長い期間であり、本実施の形態では、精算終了中演出状態C3’の期間P3よりもさらに、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間を超える時間、例えば約2.7秒にわたる。そして、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算終了中状態C3になった後、所定時間が経過する(
図21のステップS8においてYESの場合)と、情報送信手段86を介して精算終了中状態終了コマンドをサブ制御基板72へ送信して(
図21のステップS9)、前述した非精算中状態C1に戻るように制御を行なう(
図21のステップS1)。したがって、スロットマシンMはメダル受け付け許可状態Aとなる。
【0339】
一方、サブ制御基板72は、第2の演出音を出力する精算終了中演出状態C3’の期間P3に入った後、
図22に示されるように、所定時間が経過したか否かを判断する(
図22のステップS15)。無論、この場合の「所定時間」(精算終了中演出状態C3’の期間P3)は、前述したように、精算終了中状態C3の期間P2よりも短い期間である。そして、サブ制御基板72は、精算終了中演出状態C3’の期間P3に入った後、所定時間が経過する(
図22のステップS15においてYESの場合)と、第2の演出音の出力を終了し(
図22のステップS16)、前述した非精算中演出状態C1’に戻るように制御を行なう(
図22のステップS10)。
【0340】
ここで、精算終了中状態C3の終了時にメイン制御基板70からサブ制御基板72へ送信される精算終了中状態終了コマンドは、サブ制御基板72側での動作のための何らかのトリガ信号として作用してもよい。例えば、サブ制御基板72は、第2の演出音の出力終了後、メイン制御基板70から精算終了中状態終了コマンドを受けるまでの間、すなわち、期間P4の間、液晶ディスプレイDや照明装置等を通じてメダル受け付け不許可状態Bを報知する何らかの演出を実行し、その後、精算終了中状態終了コマンドを受信した時点で、非精算中演出状態に対応する演出(例えばデモ演出)を実行してもよい。無論、精算終了中状態C3の終了時にメイン制御基板70からサブ制御基板72へ精算終了中状態終了コマンドが送信されなくてもよい。また、この実施の形態では、ステップS15における所定時間の経過がサブ制御基板72自体により管理されているが、ステップS15における所定時間の経過は、メイン制御基板70によって管理されてもよく、例えばメイン制御基板70からのコマンド信号によってステップS16における第2の演出音の出力の終了がなされてもよい。
【0341】
なお、以上のような制御動中、特に第2の演出音の出力中に、停電、瞬断を含めて電断(電源遮断)/電断復帰が生じた場合、メイン制御基板70側で、精算終了中状態C3の途中から復帰する動きになると、すなわち、電断時の精算終了中状態経過時間から残存時間の計測を再開すると、電断前に経過した時間分だけ復帰後の精算終了中状態C3の期間が短くなる。そのため、その状態で、サブ制御基板72側が第2の演出音を再び出力してしまうと、精算終了中演出状態C3’の期間P3が復帰後の精算終了中状態C3の期間よりも長くなってしまう虞がある。したがって、本実施の形態では、電断復帰後、サブ制御基板72が第2の演出音を出力させないようにする一方で、演出光および演出画像は初期状態で復帰するようにすることが好ましい。これは、第2の演出音の途中から再開されてしまうと、遊技者に適切な情報の報知ができないからである。
あるいは、そのような電断対策の他の例として、精算実行中状態C2の途中で電断/電断復帰(停電、瞬断を含む)した場合、メダルの精算処理は、電断前に既に精算されたメダルを除く残りのメダルの精算から再開されるとともに、精算実行中演出状態C2’における演出は、第1の演出音(効果音やブザー音)の出力から再開され、精算実行中である旨を報知する演出光(例えば赤点灯)の点灯も再開されるが、演出画像は初期状態であるデモ演出で復帰するようにしてもよい。
【0342】
以上説明したように、本実施の形態においては、精算実行中状態C2の後、すなわち、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の完了後、その精算処理完了を報知する第2の演出音が出力される状況で、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを許容しない精算終了中状態C3となるため、一般にメダル受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易い第2の演出音の出力中に、スロットマシンM側でメダル受け付け不許可状態Bにすることが可能となり、したがって、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間にずれを生じさせないようにすることができる。すなわち、遊技者がメダル受け付け不許可状態であると認識しているような状況でメダルをスロットマシンM側で受け付けないようにすることができ、したがって、前述したような誤認に伴う不測の不利益を遊技者に与えないで済む。
【0343】
また、本実施の形態では、精算終了中状態C3の期間P2内に(すなわち、期間P3の終了時に)サブ制御基板72の制御によって第2の演出音の出力が終了するため、第2の演出音の出力中にメダル受け付け許可状態になることを確実に防止することができ、前述した作用効果を確実ならしめることができる。
【0344】
さらに、本実施の形態において、第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4は、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定されている。サブ制御基板72による第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間が、メダル投入口42から投入されるメダルを通過検知センサ89によって検知するまでの時間よりも短い場合には、第2の演出音の出力中に投入されたメダルが通過検知センサ89を通過するまでに精算終了中状態C3の期間が終了してそのメダルが通過検知センサ89によって検知される場合もあり得るため、結果として、第2の演出音の出力中のメダルの投入受け付けを可能にしてしまうが、本実施の形態のようにサブ制御基板72による第2の演出音の出力の終了時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4を、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定すれば、第2の演出音の出力中に投入されたメダルを受け付けることなく完全に無効にすることができ、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間で生じ得るずれを確実に回避できる。さらに、変形例としては、前述のように、第2の演出音の出力の終了時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4を、メダルが投入検知センサ130により検知されてから通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定することが考えられる。このような変形例によっても、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間で生じ得るずれを回避できる。また、このような変形例によれば、時間P4の長さを、投入検知センサ130から通過検知センサ89までのメダルの通過時間に基づいて規定できるので、メダル投入口42の形状等に関らず、投入検知センサ130と通過検知センサ89との間隔に基づいて画一的に時間P4の長さを決定することができ、設計が容易となる。
【0345】
なお、精算終了中状態C3であって、第2の演出音の出力が終了した後においても(すなわち、期間P4においても)、サブ制御基板72は、液晶ディスプレイDを通じた演出画像の表示または/および照明装置33d,34,35,37のうちの少なくとも1つを通じた演出光の出力により、精算終了中状態C3であることを報知することとしてもよい。すなわち、例えば精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)であって、第2の演出音の出力中(期間P3)において、照明装置33d,34,35,37を赤く光らせることにより精算終了中状態C3であることを報知とともに、精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)であって、第2の演出音の出力が終了した後(期間P4)においても、照明装置33d,34,35,37を赤く光らせることにより精算終了中状態C3であることを報知することとしてもよい。これにより、精算が完了し、その旨を報知する第2の演出音の出力も終了したが、未だ精算終了中状態C3であり、メダル受け付け不許可状態(通過検知センサ89によるメダルの検知がされない状態)であることを遊技者が認識可能となる。換言すると、サブ制御基板72は、精算終了中状態C3において、演出音の報知中と、前記演出音の報知の終了時から前記精算終了中状態の終了時までの間とで、同様の演出光が発せられるようにする制御を行うようにしてもよい。また、このような液晶ディスプレイDあるいは照明装置33d,34,35,37を通じた精算終了中状態であることの報知は、精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)の終了(すなわち、期間P4の終了)とほぼ同時に終了するようにしてもよい。
【0346】
なお、このような精算終了中状態C3であることを報知する演出光または演出画像は、精算実行中状態C2であることを報知する演出光または演出画像(実際にメダルを払い出している時の演出光または演出画像)と同様であってもよく、異なっていてもよい。例えば、前者の演出光を照明装置33d,34,35,37の赤色点灯とした場合に、後者の演出光を照明装置33d,34,35,37の赤色点灯(同系統色の点灯)としてもよく、白色点灯(異系統色の点灯)としてもよい。すなわち、精算終了中状態C3であることを報知する演出光または演出画像とは、精算に係る後処理を実行中であり、まだメダル受け付け不許可状態であること遊技者が認識可能なものであればよい。
【0347】
一般に、精算処理に関連する音声等の演出音を出力する場合、とりわけ、遊技者にとってメダル投入を意識し易い精算処理終了時に精算を終了した旨の精算終了演出音を出力する場合には、メダル投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシン側の実際のメダル投入受け付け状態との間にずれを生じさせる場合がある。スロットマシンには、メダル通路からメダルを排除可能なブロッカーによってメダル投入口を通じて投入されるメダルを、メダル払い出し口側または通過検知センサ側へと選択的に導くメダルセレクタが設けられており、メダル投入が可能な投入許容期間以外の期間に投入されたメダルや規格外のメダルは、作動状態のブロッカーによりメダル払い出し口へと導かれる(メダル(遊技媒体)受け付け不許可状態とも称する)とともに、投入許容期間内に投入された規格内のメダルは、作動解除状態のブロッカーにより通過検知センサへと導かれてメダル投入が検出される(メダル(遊技媒体)受け付け許可状態とも称する)ようになっているが、精算処理終了後に精算終了演出音を出力すると、一般にこの精算終了演出音出力中は(精算終了演出音が止むまで)メダル受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易く、したがって、この精算終了演出音出力中にスロットマシンM側でメダル受け付け許可状態になっている場合には、メダル受け付け許可状態になっていると認識できない遊技者と実際にメダル受け付け許可状態となっているスロットマシンMとの間でメダル投入受け付けの可否に関して一致しない時間帯が発生し得る。
このように遊技者がメダル受け付け不許可状態であると認識しているような状況で遊技機がメダルを受け付けると、遊技者に不測の不利益を生じさせる虞がある。例えば、精算終了演出音が出力されている最中に遊技者がメダルを投入してしまったような場合、遊技機側ではその投入されたメダルが受け付けられてベットされているにもかかわらず、精算終了演出音出力中はメダル受け付け不許可状態であると認識している遊技者は、その投入したメダルがブロッカーによってメダル払い出し口側から下皿へと返却されているものだと誤認してしまい、精算ボタンの操作によって投入したメダルを払い出すことなく遊技を終了してしまう場合がある。そのような事態は遊技者の利益を損ない、望ましくない。
【0348】
本実施の形態に係るスロットマシンMにあっては、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間にずれを生じさせない。すなわち、精算操作部(精算ボタン52)の操作に基づく精算処理の完了後、その精算処理完了を報知する演出音が出力される状況で、通過検知センサ89による検知を伴う遊技媒体の受け付けを許容しない精算終了中状態となるため、一般に遊技媒体受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易い前記演出音の出力中に、遊技機側で遊技媒体受け付け不許可状態にすることが可能となり、したがって、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間にずれを生じさせないようにすることができる。すなわち、遊技者が遊技媒体受け付け不許可状態であると認識しているような状況で遊技媒体を遊技機側で受け付けないようにすることができ、したがって、前述したような誤認に伴う不測の不利益を遊技者に与えないで済む。なお、上記構成において、「貯留されている遊技媒体」とは、遊技に関連して少なくとも電子的に遊技機に貯められている遊技媒体を指す。
【0349】
また、副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力は、精算終了中状態の期間内に終了することが好ましい。これによれば、演出音出力中に遊技媒体受け付け許可状態になることを確実に防止することができる。ここで、「精算終了中状態の期間内に副制御手段による演出音の出力が終了する」とは、精算終了中状態の期間の終了と同時に副制御手段による演出音の出力が終了することも含む。
【0350】
また、前記演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間は、遊技媒体が第1のセンサ(投入検知センサ130)によって検知されてから第2のセンサ(通過検知センサ89)によって検知されるまでの時間よりも長くされていることが好ましい。副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間が、遊技媒体が第1のセンサ(投入検知センサ130)によって検知されてから第2のセンサ(通過検知センサ89)によって検知されるまでの時間よりも短い場合には、演出音出力中に投入された遊技媒体が第1のセンサを通過した後、第2のセンサによって検知されるまでの間に精算終了中状態の期間が終了してその遊技媒体が第2のセンサによって検知される場合もあり得るため、結果として、演出音出力中の遊技媒体の投入受け付けを可能にしてしまうが、副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間を、遊技媒体が第1のセンサによって検知されてから第2のセンサによって検知されるまでの時間よりも長く設定すれば、演出音出力中に投入された遊技媒体を受け付けることなく無効にすることができ、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間で生じ得るずれを回避できる。
【0351】
図18で示したように、スロットマシンMにおける演出用パネル61には、演出に用いられる演出操作部(演出に関する操作に用いられる第1の演出操作部)としての演出ボタン62が設けられている。この演出ボタン62は、例えば操作部50等に設けられていてもよい。また、演出ボタン62の押圧部は、円形状に限らず、四角形状等であってもよい。また、本実施の形態では、演出操作部を演出ボタン62としているが、演出操作部を、例えば、傾動操作が可能なレバーや、タッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル、物体による遮光等を検出可能な光電センサ等としてもよい。
【0352】
以下、3停止とは、その遊技で、ストップボタン54のうちいずれか2つのストップボタンが押下操作された状態において、ストップボタン54のうちいずれか有効なボタンを押下する操作をいう。本実施の形態では、例えば、遊技者にとって勝負所等のタイミングである場合、3停止以降に、サブ制御基板72が、演出ボタン62を、押下操作を受け付け可能な状態(すなわち押下操作が有効化された状態)とする。このとき、サブ制御基板72は、その旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を点灯させる。
【0353】
また、以下、
図18で示した操作盤57を、演出設定操作部(演出に関する操作に用いられる第2の演出操作部)としての十字ボタン57とする。十字ボタン57は、演出の設定を含む操作に用いられる。演出の設定としては、例えば、音量の調整、キャラクターの選択等がある。
十字ボタン57は、少なくとも、中央に配置されたメインボタンと、メインボタンの周囲に配置された選択ボタン(方向操作ボタン)とを備えている。選択ボタンには、上ボタン、左ボタン、下ボタンおよび右ボタンがある。なお、選択ボタンは、複数からなるもの(上下左右が独立しているもの)であっても、一体となっているものでもよい。また、演出設定操作部は、十字ボタン(十字キー)に限らず、例えば、少なくとも2つのボタンを備えたものや、メインボタンとジョグダイヤルとを備えたもの、あるいはタッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル等であってもよい。非遊技中に、十字ボタン57(例えばメインボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、メニュー画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、メニュー画面突入ボタンとしての機能を果たす。また、非遊技中に、十字ボタン57(例えば左右ボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、音量変更画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、音量変更画面突入ボタンとしての機能を果たす。
なお、メニュー画面からは、演出態様の設定(例えば、演出にメインで登場するキャラクターの設定や、役またはボーナス等の当選の報知態様の設定)、遊技履歴の参照やユーザー端末(遊技者のスマートフォン等)への転送、役の表示態様の確認等が可能となっている。また、メニュー画面から音量の設定や照明装置の発光強度の設定等が可能となっていてもよい。すなわち、メニュー画面が音量変更画面を兼ねていてもよい。
【0354】
メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されたことを検出すると、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始(実行)する。
サブ制御基板(制御手段)72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信すると、精算処理(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し)の実行を報知する。サブ制御基板72は、精算処理の実行の報知として、精算中である旨を報知する画面(以下、精算中報知画面という)を液晶ディスプレイDに表示するとともに、精算中である旨を報知する演出音(以下、精算中報知音という:例えば効果音やブザー音)を、スピーカ14を介して出力する。また、サブ制御基板72は、精算中である旨を報知する演出光(以下、精算中ランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
【0355】
メイン制御基板70は、精算処理が終了すると、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算処理の実行の報知を停止し、精算処理の完了(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了)の報知を行う。サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算処理の完了を報知する演出音(以下、精算完了音声という)を、スピーカ14を介して出力する。精算完了音声としては、例えば「精算しました」というものがある。なお、本実施の形態では、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算中報知画面の表示および精算中ランプの点灯を行う。精算処理の完了の報知をしている間の画面(精算の完了を示す画面)は、精算中の画面(精算中を示す画面)と同じものであっても異なるものであってもよい。
【0356】
以下、精算処理の実行が報知されている間(期間)を「精算報知中」という。精算報知中は、サブ制御基板72が、精算開始コマンドを受信してから精算終了コマンドを受信するまでの間を指す。この精算報知中は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し中ともいえる。
また、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、すなわち精算処理の完了が報知されている間(期間)を「精算完了報知中」という。精算完了報知中は、精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間を指す。なお、精算完了報知中には、精算処理終了後(サブ制御基板72が精算終了コマンドを受信した後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力されるまでの間も含まれる。また、精算完了報知中には、
図20で示した無音の期間P4が含まれるものとしてもよい。
【0357】
次に、
図23に示すタイミングチャートを用いて、精算処理が行われている間およびその前後における処理の構成例を説明する。以下、演出ボタン62、十字ボタン57、精算ボタン52等の「押下操作」を単に「押下」または「操作」ということがある。
(A5、A6)3停止以降、サブ制御基板72は、演出ボタン62を、押下を受け付け可能な状態(すなわち操作が有効な状態)とし、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面(操作指示画面)を液晶ディスプレイDに表示する。このときの演出ボタン62の押下は、演出を進行させる契機となるもので、演出ボタン62が押下されると、遊技の結果が遊技者に報知される。具体的には、例えばボーナスの当選(いわゆる疑似ボーナス(AT演出状態への移行)の当選も含む))を期待させる演出中、すなわち遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出中に、演出ボタン62の押下が有効となり操作指示画面が表示され、演出ボタン62が押下されると、有利な状態に移行するか否かが報知される。
(A4)このタイミングチャートの開始時点は遊技中であるため、十字ボタン57は無効となっている。
【0358】
(A1、A2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始する。
(A2、A3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0359】
(A4)サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中に、十字ボタン57の操作を無効とする。すなわち、サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中は、十字ボタン57が押下されても、当該押下を受け付けないように制御する。換言すると、精算報知中および精算完了報知中に十字ボタン57を押下しても、液晶ディスプレイDにはメニュー画面や音量変更画面は表示されない(メニュー画面や音量変更画面に移行しない)。サブ制御基板72は、精算完了音声の出力(精算完了報知中)の終了に伴い、十字ボタン57の操作を有効とする。
【0360】
このように、精算報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の実行の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算中であることを把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算中を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算中であることが把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の実行の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算報知中にメニュー画面が開くと、精算報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
また、精算完了報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の完了の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算完了の報知を把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算の完了を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算完了を示す画面が把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の完了の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算完了報知中にメニュー画面が開くと、精算完了報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
【0361】
(A5、A6)精算ボタン52が押下され、精算報知中および精算完了報知中となっても、サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示しつつ、演出ボタン62を有効のままとする。換言すると、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に演出ボタン62が押下された場合、当該押下を受け付ける。また、精算完了報知が終了した後も演出ボタン62は有効となっている。すなわち、3停止を契機として演出ボタン62が有効化されると、精算処理に移行し精算が終了しても、演出ボタン62の有効化が解除されないようになっている。
なお、精算報知中または精算完了報知中において演出ボタン62が押下された場合、演出が進行するが、この間も、液晶ディスプレイDには、精算の実行中あるいは精算の完了を報知する表示がなされる。このとき、精算に係る表示を優先し、精算に係る表示によって、遊技に係る演出の一部が隠された状態となる。
【0362】
このように、演出ボタン62の操作については精算報知中に無効とせずに有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算中を示すが画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
また、精算完了報知中に演出ボタン62の操作を無効とせず有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算完了報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算完了報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算完了報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算完了を示す画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
【0363】
なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中において、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を消灯させている。すなわち、演出ボタン62を点灯させ、操作の有効を積極的には報知はしないが、押下された場合にはその押下を受け付けるようになっている。このようにすることで、基本的には精算報知中または精算完了報知中に演出を進めさせることを推奨しないが、仮に演出ボタン62を押下された場合には、遊技者の意思を優先し、演出を進めることが可能となる。なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を点灯させてもよい。
【0364】
図23では、演出ボタン62が押下されていない状態で精算ボタン52が押下された場合を示した。
図24では、3停止以降に、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合の構成例について説明する。
【0365】
(B4、B5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(B6、B7、B8)有効化された演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく(対応する)液晶演出および音声演出の出力を開始する。具体的には、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出画像を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62の押下に基づく音声演出(BGM、セリフ、効果音等)を、スピーカ14を介して出力する。なお、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出光を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力してもよい。
【0366】
(B1、B2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(B1、B7、B8)演出ボタン62の押下に基づく液晶演出および音声演出の出力中に、精算ボタン52が押下されると、サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、音声演出の出力を停止する。ただし、サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信しても、液晶演出の出力は停止しない(継続する)。
【0367】
(B2、B3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0368】
(B8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出(演出ボタン62の押下に基づく音声演出)の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出の出力中に精算開始コマンドを受信すると、音声演出を実行しているが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、再び音声演出の音を出力するように制御する。これは、音声演出が飛ぶようになっているともいえる。
【0369】
このように、演出ボタン62の押下に基づく音声演出が出力されている際に精算処理が実行された場合、音声演出の出力を停止し、精算に関する報知(精算中報知音および精算完了音声)の出力を優先させることで、遊技者は音を介して精算処理が実行されていることを把握できる。ただし、精算中報知音および精算完了音声が出力されている間であっても、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出は継続されるため、遊技者は、視覚的に演出が進行していることを把握できる。
【0370】
図24では、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合を示した。
図29では、先に精算ボタン52が押下され、精算処理が実行されている間に演出ボタン62が押下された場合を示す。
【0371】
(G4、G5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(G1、G2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
【0372】
(G6、G7、G8)精算処理が実行されている間に、有効状態の演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、その旨の情報(信号)の受信に基づき、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出の出力を開始する。このとき、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出を出力しない。この「音声演出を出力しない」は「音声演出の出力を停止する」に含まれる。換言すると、サブ制御基板72は、精算に関する報知(精算報知中および精算完了報知中)を実行している間に、演出ボタン62が押下された旨の情報(信号)を受信しても、音声演出を出力しない。すなわち、精算に関する報知を演出ボタン62の押下に基づく音声演出よりも優先させる。
【0373】
(G2、G3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(G8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、精算に関する報知を実行している間、演出ボタン62が押下された旨の信号を受信しても、精算完了音声の出力が終了するまでは音声演出を実行するが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、音声演出の音を出力するように制御する。
【0374】
なお、
図24および
図29の例において、精算完了音声を音声演出の音声に「優先させる」には、音声演出の音声を無音にする場合だけでなく、音声演出の音声を精算完了音声に比べ小さくして出力(流す)ことが含まれる。
【0375】
次に、「精算中」にエラーが発生した場合について説明する。
まず、メイン制御基板70が検出(検知)する各エラーについて説明する。なお、図示は省略しているが、メイン制御基板70は、エラー検出手段とエラー管理手段とを備えている。エラー検出手段は、各種センサの信号状態等に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、ドア開放エラー、投入異常エラー、表示判定異常エラー、RAM異常エラー、設定値異常エラーを検出する。
【0376】
(1)逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。
(2)エンプティエラーは、ホッパー装置150に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサの信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(3)払出詰まりエラーは、ホッパー装置150において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0377】
(4)払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(5)オーバーエラーは、キャッシュボックスに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。具体的には、オーバーフローセンサの信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(6)滞留エラーは、メダルセレクタ92内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、投入検知センサ130の下流であり、ブロッカー99よりも上流にある第一メダル通過センサまたは第二メダル通過センサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約113ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0378】
(7)バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。あるいは、電源投入時において、スタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に検出されるエラーである。
(8)ドア開放エラーは、下扉40(前扉3)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉40が開くことによって作動するドア開閉スイッチの信号状態がオン状態(下扉40が開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0379】
(9)投入異常エラーは、ブロッカー99を作動させてメダルシュートへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。具体的には、ブロッカー99の作動後に第二メダル通過センサによってメダルセレクタ92を通過してメダルシュートへ向かって流れるメダルを検知した場合に検出されるエラーである。本実施形態の遊技機では、ブロッカー99が閉塞してから一定期間(約250ms)以上経過後に、第二メダル通過センサがON状態となった場合に、エラーを検出する。
また、投入異常エラーには、シュートエラーがある。シュートエラーは、メダルセレクタ92を通過したメダルの数とメダルシュートを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。具体的には、投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過するまでの間に、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲に収まっていない場合、または投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過した時点において、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数以上となった場合に検出されるエラーである。
また、投入異常エラーには投入検知エラーがある。投入検知エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、メダルセレクタ92内の投入検知センサ130がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約602ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0380】
(10)表示判定異常エラーは、当選役でない図柄が表示された場合に検出されるエラーである。
(11)RAM異常エラーは、RAMの読み書きが正常に行われなかった場合に検出されるエラーである。
(12)設定値異常エラーは、内部抽選時において、設定値が許容範囲外の場合に検出されるエラーである。
【0381】
各エラーには、
図25に示すように、エラーの種類に応じてE1~ECまでのエラーコードが割り当てられている。エラー管理手段は、エラー検出手段によってエラーが検出されると、検出されたエラーを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(
図18の表示ユニット58)を介して報知する処理を実行する。具体的には、エラー管理手段は、検出されたエラーの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(
図18の表示ユニット58)に表示させる。
【0382】
また、エラー管理手段は、所定の解除操作(エラー解除操作)が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。所定の解除操作(エラー解除操作)としては、例えば、ドアキーシリンダにドアキーを挿入し、ドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)という操作と、設定変更ボタンを押下するという操作とがある。
図25に示すように、エラーの種類(エラーコードE1~EC)ごとに、エラー解除操作が設定されている。エラー管理手段は、エラー解除操作によって設定変更ボタンまたはドアセンサから信号が入力されると、エラー解除操作が行われたと判断し、エラー検出フラグやタイマの計時情報等のエラーに関連する情報をクリア(消去)する解除処理を行う。
【0383】
メイン制御基板70は、エラーを検出すると、エラーが発生した旨を示すコマンド(エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、エラーコマンドを主制御装置70から受信すると、エラーの発生内容に対応する画像(以下、エラー画面という)を液晶ディスプレイDに表示する制御や、エラー発生に対応する警告音(以下、エラー音という)を、スピーカ14を介して出力する制御等を行う。
【0384】
図26に示すタイミングチャートを用いて、精算報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。なお、以下ではエラーとして逆流エラーが発生した場合について説明するが、他のエラーであってもよい。
(C1、C2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(C4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると(逆流エラーの条件を満たすと)、逆流エラーが発生した旨を示すコマンド(逆流エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。
【0385】
(C2、C5)サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信し、かつ、エラーコマンド(逆流エラーコマンド)を受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しない。
サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行する。サブ制御基板72は、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理として、逆流エラーの報知を行う。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知として、逆流エラーに対応する画面(逆流エラー画面)を液晶ディスプレイDに表示し、逆流エラーに対応する警告音(エラー音)を、スピーカ14を介して出力し、エラー中である旨を報知する演出光(以下、エラーランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
【0386】
このようにサブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信しても、エラーコマンドを先に受信している場合には、当該エラーコマンドに基づく処理(エラー報知)を優先して行う。そして、以下に示すように、サブ制御基板72は、エラーが解除されてから、精算終了コマンドに基づく処理(精算完了音声の出力)を行う。
【0387】
(C6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作(エラー復帰処理)が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラーが解除された旨を示すコマンド(逆流エラー解除コマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C3、C5)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止するとともに、精算完了音声(「精算しました」)の出力を開始する。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知の停止として、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させ、エラー音の出力を停止し、エラーランプを消灯する。なお、サブ制御基板72は、精算完了音声を出力している間(精算完了報知中)に、精算の完了を示す画面を表示させ、その後、通常画面を表示させてもよい。また、サブ制御基板72は、エラーランプを消灯するとともに、精算完了報知中に精算中ランプを点灯させてもよい。その場合、例えば、エラーランプと精算中ランプの点灯パターン(点灯色)が同一である場合には、見た目上の変化はない。
通常画面(通常画像)とは、例えば滞在中の演出状態において、基本的に表示される画像(表示される比率(確率)の最も高い画像)、あるいはその演出状態の開始時に表示させる画像等である。換言すると、通常画像とは、滞在中の演出状態において、遊技と遊技との間に表示される画像である。
【0388】
なお、C3、C5、C6について、エラー解除の立上りエッジでエラー報知を停止し、精算完了音声の出力を開始しているが、これらをエラー解除の立下りエッジに基づき行うものとしてもよい。
【0389】
このように、精算報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算処理が終了するのを待ってからエラーの発生を報知するため、遊技者が、精算が終了したことを確実に把握できる。換言すると、遊技者が、誤認する(例えば精算が中断されたかのような認識を抱くこと)のを防止できる。一方で、エラーの発生の報知を精算完了音声の出力よりは優先させているため、エラー発生からエラーが報知されるまでの時間をより短縮でき、エラーに対して早期に処置を施すことができる。また、精算報知中にエラー発生を報知する構成とする場合には処理が複雑となるが、上述の構成とすれば、そのような処理の複雑化を招くことはない。
【0390】
なお、精算処理の終了後にエラーの発生を報知し、その後精算完了音声を出力するための処理は、上述の処理に限られない。例えば、上述の例では、サブ制御基板72は、エラーコマンドを受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しないこととしたが、精算処理中にエラーが発生した場合、メイン制御基板70は精算処理が終了してから、エラーコマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。また、メイン制御基板70は、エラーの解除後(エラー解除コマンドの送信後)に、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。
【0391】
次に、
図27に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。
(D1、D2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(D7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、液晶ディスプレイDの表示を通常画面から精算中報知画面に移行させる。
【0392】
(D2、D3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0393】
(D4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると、逆流エラーコマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D3、D5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、逆流エラーコマンドをメイン制御基板70から受信した場合、当該受信に基づき、精算完了音声(「精算しました」)の出力を停止(キャンセル)して(例えば「精算し」で止めて)、逆流エラーの報知を行う。具体的には、サブ制御基板72は、逆流エラー画面を液晶ディスプレイDに表示し、エラー音を出力し、エラーランプを点灯させる。
【0394】
(D6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラー解除コマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D5、D7)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止し(エラー音の出力を停止して、エラーランプを消灯し)、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させる。
(D3)なお、本例では、サブ制御基板72は、エラーから復帰しても(逆流エラー解除コマンドを受信しても)、逆流エラーコマンドの受信に従い停止した精算完了音声の出力を、再開(出力)することはしない。ただし、サブ制御基板72は、エラーの復帰(通常画面への移行)とともに、精算完了音声を出力することとしてもよい。その場合、サブ制御基板72は、停止した箇所からではなくもう一度最初から精算完了音声を出力することとしてもよい。
【0395】
なお、D5、D6において、エラー解除の立上りエッジでエラー報知が停止するものとしているが、エラー解除の立下りエッジでエラー報知が停止するものとしてもよい。
また、D6、D7において、エラー解除の立下りエッジで通常画面に移行するものとしているが、エラー解除の立上りエッジで通常画面に移行するものとしてもよい。
【0396】
このように、精算完了報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、エラーの発生の報知を優先する。すなわち、より優先度(緊急度)の高いエラーの報知が精算完了音声よりも優先して出力される。これにより、エラーに対して早期に対策を施すことができる。すなわち、エラーに対する処理が遅れるのを防止できる。
【0397】
なお、D3およびD4では、精算完了音声が出力されている間にエラーが発生した場合を示したが、精算処理終了後(精算終了コマンドの受信後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前にエラーが発生する場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、エラーの報知を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりもエラーの報知を優先する。
【0398】
次に、
図28に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中に十字ボタン57が押下された場合の処理の構成例を説明する。
(F1、F2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(F4、F7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、遊技中のランプの点灯(例えば白色)を停止し、精算中ランプの点灯(例えば赤色)を開始する。なお、本実施の形態では、精算中ランプの点灯とエラーランプの点灯とは、同パターンとなっている。
【0399】
(F2、F3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0400】
(F3、F5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)(遊技媒体の払い出しに係る音声を出力している間)に、十字ボタン57が操作(押下)されると当該操作(押下)を受け付ける。本例では、サブ制御基板72は、精算完了報知中(すなわち精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間)に、十字ボタン57の操作を有効な状態としている。そして、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算完了音声の出力を停止する(例えば「精算しま」で止める)。
【0401】
(F5、F6、F7)また、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算中ランプを消灯して遊技中ランプを点灯させ、液晶ディスプレイDの表示を、精算中報知画面からメニュー画面(なお音量変更画面でもよい)に移行させる。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報を受信すると、当該受信に基づき、十字ボタン57の押下に基づく処理を行う。
【0402】
なお、F3およびF5では、精算完了音声が出力されている間に十字ボタン57が押下された場合を示したが、精算処理終了後、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前に十字ボタン57が押下される場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、十字ボタン57の押下に基づく処理を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりも十字ボタン57の押下に基づく処理を優先する。
【0403】
また、F5およびF6について、十字ボタン57の立下りエッジでメニュー画面に移行するものとしているが、十字ボタン57の立上りエッジでメニュー画面に移行するようにしてもよい。
【0404】
このように、精算完了報知中に十字ボタン57が操作された場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、十字ボタン57の操作を受け付け(十字ボタン57の操作が優先され)、当該操作に基づく処理(メニュー画面への移行等)が実行されるため、例えば、遊技者は、精算完了音声を最後まで聞かずにメニュー画面を早く開いて所望の設定を行うことができる。すなわち、精算完了音声の出力が終わるのを待たなければ十字ボタン57を操作できないことによって、遊技者が不満を抱く(ストレスを感じる)のを防止できる。
【0405】
ここで、
図28のF4における破線部Zについて説明する。破線部Zは、本来実行される予定であった精算中ランプの点灯を示している。ここで、仮に、精算完了音声出力中に十字ボタン57が押下されなかった場合を考える。その場合、精算完了音声(「精算しました」)の出力が終了した後であっても、精算中ランプの点灯が一定時間継続するようになっている。換言すると、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知である、精算完了音声の出力および精算中ランプの点灯を行うが、前者(精算完了音声の出力)が終了した後も後者(精算中ランプの点灯)を一定時間継続させる。なお、サブ制御基板72は、画面(液晶ディスプレイD)については、精算完了音声出力の終了とともに通常画面へ移行させている。このように、精算中ランプの点灯を、精算完了音声の出力よりも長くすることで、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことを認識できる。すなわち、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことが周囲に報知されるため、例えば、ホールスタッフ等が認識しやすくなる。
【0406】
上記では精算完了報知中に十字ボタン57が操作された場合を示したが、精算報知中に十字ボタン57の操作された場合について同様に構成してもよい。換言すると、精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算処理を開始するが、サブ制御基板72は、精算中報知音を出力している間(すなわち精算報知中)(遊技媒体の払い出しに係る音声を出力している間)に、十字ボタン57が操作(押下)されると当該操作(押下)を受け付けるようにしてもよい。サブ制御基板72は、精算中報知音の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示すコマンドを受信すると、当該受信に基づき、精算中報知音の出力を停止する(この場合、その後の精算完了音声も出力しない)。なお、サブ制御基板72は、精算中報知音の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示すコマンドを受信したことに基づき、精算中ランプを消灯して遊技中ランプを点灯させ、液晶ディスプレイDの表示を、精算中報知画面からメニュー画面(なお音量変更画面でもよい)に移行させてもよい。サブ制御基板72は、精算中報知音の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示すコマンドを受信すると、当該受信に基づき十字ボタン57の押下に基づく処理を行う。
【0407】
サブ制御手段72は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に十字ボタン57(演出設定操作部)が操作されると、払い出しに係る音声の出力を停止し、十字ボタン57の操作に基づく処理を行う。払い出しに係る音声の出力が終了するのを待たずに十字ボタン57の操作を受け付け、当該操作に基づく処理(メニュー画面への移行等)が実行されるため、例えば、遊技者は、払い出しに係る音声を最後まで聞かずにメニュー画面を早く開いて所望の設定を行うことができる。すなわち、払い出しに係る音声の出力が終わるのを待たなければ十字ボタン57を操作できないことによって、遊技者が不満を抱く(ストレスを感じる)のを防止できる。
【0408】
ここで、演出設定操作部を十字ボタン57(十字キー)において、左右ボタン(左ボタンと右ボタン)を第1の演出設定操作部(第1演出設定操作部)とし、上下ボタン(上ボタンと下ボタン)を第2の演出設定操作部(第2演出設定操作部)とする。なお、第1演出設定操作部は、左右ボタンの他に、メインボタン(決定ボタン)であってもよく、また、決定ボタンとして機能する演出ボタン62(PUSHボタン:十字ボタン57とは別に設けられているボタン)であってもよい。
【0409】
サブ制御手段72は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に第1演出設定操作部が操作されると、払い出しに係る音声の出力を停止し、第1演出設定操作部の操作に基づく処理を行うようにしてもよい。換言すると、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に第1演出設定操作部が操作されると、払い出しに係る音声の出力が停止し、第1演出設定操作部の操作に基づく処理が行われる。一方で、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に第2演出設定操作部が操作された場合であっても、払い出しに係る音声の出力は停止せず、第2演出設定操作部の操作に基づく処理は行われない。
【0410】
第1演出設定操作部の操作に基づく処理として、所定の音声の選択がある。ここでは、第1演出設定操作部の操作により、所定の演出状態(AT演出状態)行われる打順ナビ演出に係る音声(ナビ音)を、複数種類の音声(キャラクタに対応する音声)の中から選択(決定)できるものとする。なお、当該操作によって選択された音声(キャラクタ)が、他の報知(例えば精算完了音声)にも用いられるようになっていてもよい。
非遊技中に第1演出設定操作部(例えば右ボタン)を押下すると、初期(デフォルト)に設定されているキャラクタの次のキャラクタ(第2のキャラクタ)の画像が液晶ディスプレイDの所定の位置に表示されるとともに、その第2のキャラクタに対応する音声(セリフ)が出力される。そして、再度右ボタンを押下すると、第2のキャラクタの次の第3のキャラクタの画像が表示されるとともに、第3のキャラクタに対応する音声(セリフ)が出力される。そして、所定のキャラクタの画像を表示させている(すなわち選択している)状態で、第1演出設定操作部としての決定ボタンまたは第1演出設定操作部としての演出ボタン62(PUSHボタン)を押下すると、当該キャラクタに対応する音声を所定の演出(打順ナビ演出等)に係る音声とすることが決定される。
なお、上記では、右ボタンを押下する場合について説明したが、初期設定の状態から左ボタンを押下すると、例えば5番目のキャラクタ(選択可能なキャラクタのうちの最後のキャラクタ)の画像が表示され、そのキャラクタに対応する音声が出力される。
【0411】
また、本例では、非遊技中(通常中)にPUSHボタンが操作(押下)されると、メニュー画面が表示され(メニュー画面に移行し)、メニュー画面が表示された状態で第2演出設定操作部(上下ボタン)が操作(押下)されると、カーソルが移動する。遊技者は、複数のアイコンの中から、設定等を行いたいアイコンを選択できる。
【0412】
精算ボタン52が押下された場合について、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に第1演出設定操作部(例えば右ボタン)が操作(押下)されると、払い出しに係る音声の出力が停止する。そして、第1演出設定操作部の操作に基づく処理が行われる、すなわち、所定のキャラクタの画像が表示され、そのキャラクタに対応する音声(現在選択されている種類の音声)が出力される。このとき、もう1度、第1演出設定操作部が押下された場合には、次のキャラクタ画像が表示され、そのキャラクタに対応する音声が出力される。そして、第1演出設定操作部としての決定ボタンまたはPUSHボタンが押下されると、選択されている音声を所定の演出(打順ナビ演出等)に係る音声とすることが決定される。
【0413】
なお、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に第2演出設定操作部(上下ボタン)が操作(押下)されても、払い出しに係る音声の出力は停止せず、上下ボタンの押下に基づく処理は行われない。
【0414】
また、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間におけるPUSHボタンについて、上記のように決定ボタン(第1演出設定操作部)としては機能するが、他のボタンとしては機能しない(操作を受け付けない)。換言すると、非遊技中(通常中)にPUSHボタンが押下されると、メニュー画面が表示される(メニュー画面に移行可能である)が、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間にPUSHボタンが押下されても、その押下は受け付けられず、メニュー画面に移行しない。一方で、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力されている間に、左右ボタンが押下され、所定の音声(所定のキャラクタ)が選択された上でのPUSHボタン(決定ボタン)の押下は受け付けられる。
【0415】
なお、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声は、エラー発生時に出力される報知音(エラー音)と同様のものであってもよい。
ここで、所定の操作が行われ、音量調整アイコンを含むメニュー画面が表示されているものとする。また、液晶ディスプレイDがタッチパネルとなっており、画面に表示されているアイコンを操作(タッチ)することにより選択できるものとする。精算ボタン52が操作されると、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しに係る音声が出力される。そして、その払い出しに係る音声が出力されている間に、第1演出設定操作部としてのタッチパネル(タッチパネルに表示されている音量調整アイコン)が操作(接触)されると、遊技媒体の払い出しに係る音声(エラー音)の出力が停止し(キャンセルされ)、第1演出設定操作部の操作に基づく処理が行われる、すなわち、音量調整画面が表示される(メニュー画面から音量調整画面に移行する)。
【0416】
ただし、遊技媒体の払い出しに係る音声の出力の途中での第1演出設定操作部(タッチパネル)が操作され音量調整画面に移行した場合、精算ボタン52の操作に基づく精算が終了するまで(精算処理が終了するまで、または精算完了音声の出力が終了するまで)は、十字ボタン57およびPUSHボタンが有効とならない。換言すると、十字ボタン57およびPUSHボタンが押下されても、その押下に基づく処理が行われない(十字キーを押下しても音量が変更されない)。そして、精算が終了すると、十字ボタン57およびPUSHボタンが有効となる。
なお、精算ボタン52の操作に基づく払い出しに係る音声が出力されている間に第2演出設定操作部(上下ボタン)が操作(押下)されても、払い出しに係る音声の出力は停止せず、上下ボタンの押下に基づく処理は行われない。
【0417】
上述した各実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0418】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0419】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0420】
13 表示装置
20a,20b,20c,110a,110b,110c リール
26a,26b,26c,120a,120b,120c ストップボタン
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
44 入賞判定手段
51 指示機能制御手段
100 演出制御手段