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特許7068721情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220510BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020188198
(22)【出願日】2020-11-11
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】520442438
【氏名又は名称】株式会社アンクレス
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】大垣 博
(72)【発明者】
【氏名】大垣 マリカ
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021375(JP,A)
【文献】特開2019-191780(JP,A)
【文献】特開2018-005354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香りを伴う商品に関する商品メタ情報、及び、前記商品を身につけることによってユーザに前記商品から生じる嗅覚的な刺激を提供する提供者に関する提供者情報を記憶する記憶部と、
前記提供者が携帯する提供側端末から発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信側端末から受信し、前記ビーコン信号の発信元である前記提供側端末を携帯する前記提供者の前記提供者情報に基づいて前記提供者が身に着けている前記商品を特定し、特定した前記商品から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を示すマッチング通知を、前記受信側端末に送信するマッチング制御部と、
前記マッチング通知に対する前記受信側端末からの応答に応じて、前記受信側端末に前記商品に関する情報を送信するサイト制御部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記マッチング制御部は、前記受信側端末が受信した前記ビーコン信号の強度と、香りが嗅覚を刺激し得る距離との関係に応じて、前記受信側端末に、前記マッチング通知を行うか否かを判定する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提供者情報には、前記提供者が身につけている前記商品と共に、前記提供者が身につけている視認可能な製品に関する情報が含まれ、
前記マッチング制御部は、前記受信側端末が、複数の前記提供側端末のそれぞれから前記ビーコン信号を受信した場合、前記提供者が身につけている前記視認可能な製品に対応づけて前記マッチング通知を行う、
請求項1又は請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
香りを伴う商品に関する商品メタ情報、及び、前記商品を身につけることによってユーザに前記商品から生じる嗅覚的な刺激を提供する提供者に関する提供者情報を記憶する記憶部を備える情報提供装置が行う情報提供であって、
マッチング制御部が、前記提供者が携帯する提供側端末から発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信側端末から受信し、前記ビーコン信号の発信元である前記提供側端末を携帯する前記提供者の前記提供者情報に基づいて前記提供者が身に着けている前記商品を特定し、特定した前記商品から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を示すマッチング通知を、前記受信側端末に送信し
サイト制御部が、前記マッチング通知に対する前記受信側端末からの応答に応じて、前記受信側端末に前記商品に関する情報を送信する、
情報提供方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記情報提供装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な方法やシステムで商品の広告が行われてきている。例えば、特許文献1には、五感の内で視覚及び聴覚と、視覚及び聴覚以外の感覚を組み合わせて購買者(ユーザ)に商品を印象付け、購買意欲を向上させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-200426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ユーザに感覚的な刺激を提供するための特別な装置、例えば、ディスプレイや嗅覚的な刺激を提供する芳香装置などを設ける必要がありコストが嵩むという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別な装置を設けなくとも、ユーザに、商品に関する感覚的な刺激を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の一実施形態の情報提供装置は、香りを伴う商品に関する商品メタ情報、及び、前記商品を身につけることによってユーザに前記商品から生じる嗅覚的な刺激を提供する提供者に関する提供者情報を記憶する記憶部と、前記提供者が携帯する提供側端末から発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信側端末から受信し、前記ビーコン信号の発信元である前記提供側端末を携帯する前記提供者の前記提供者情報に基づいて前記提供者が身に着けている前記商品を特定し、特定した前記商品から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を示すマッチング通知を、前記受信側端末に送信するマッチング制御部と、前記マッチング通知に対する前記受信側端末からの応答に応じて、前記受信側端末に前記商品に関する情報を送信するサイト制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の一実施形態の情報提供装置では、前記マッチング制御部は、前記受信側端末が受信した前記ビーコン信号の強度と、香りが嗅覚を刺激し得る距離との関係に応じて、前記受信側端末に、前記マッチング通知を行うか否かを判定する。
【0008】
また、本発明の一実施形態の情報提供装置では、前記提供者情報には、前記提供者が身につけている前記商品と共に、前記提供者が身につけている視認可能な製品に関する情報が含まれ、前記マッチング制御部は、前記受信側端末が、複数の前記提供側端末のそれぞれから前記ビーコン信号を受信した場合、前記提供者が身につけている前記視認可能な製品に対応づけて前記マッチング通知を行う。
【0009】
また、本発明の一実施形態の情報提供方法は、香りを伴う商品に関する商品メタ情報、及び、前記商品を身につけることによってユーザに前記商品から生じる嗅覚的な刺激を提供する提供者に関する提供者情報を記憶する記憶部を備える情報提供装置が行う情報提供であって、マッチング制御部が、前記提供者が携帯する提供側端末から発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信側端末から受信し、前記ビーコン信号の発信元である前記提供側端末を携帯する前記提供者の前記提供者情報に基づいて前記提供者が身に着けている前記商品を特定し、特定した前記商品から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を示すマッチング通知を、前記受信側端末に送信し、サイト制御部が、前記マッチング通知に対する前記受信側端末からの応答に応じて、前記受信側端末に前記商品に関する情報を送信する。
【0010】
また、本発明の一実施形態のプログラムは、コンピュータを、上記に記載の情報提供装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記情報提供装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、この発明によれば、特別な装置を設けなくとも、ユーザに、商品に関する感覚的な刺激を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る香水情報提供システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態の香水メタ情報120の構成例を示す図である。
図3】実施形態の提供者情報121の構成例を示す図である。
図4】実施形態の香水情報提供装置10が行う処理を説明する図である。
図5】実施形態の香水情報提供装置10が行う処理を説明する図である。
図6】実施形態の香水情報提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態の香水情報提供装置10(「情報提供装置」の一例)を、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る香水情報提供システム1の構成を示す構成図である。香水情報提供システムは、例えば、香水情報提供装置10と、提供側端末20と、受信側端末30と、香水販売サイトサーバ40と、香水業者サーバ50とを備える。香水情報提供システム1において、香水情報提供装置10と、提供側端末20と、受信側端末30と、香水販売サイトサーバ40と、香水業者サーバ50とは、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。この図の例では、香水情報提供システムが、1つの提供側端末20と、1つの受信側端末30を備える構成の例が示されている。これに限定されることはない。香水情報提供システム1が複数の提供側端末20を備える構成であってもよい。また、香水情報提供システム1が複数の受信側端末30を備える構成であってもよい。
【0015】
香水情報提供システム1では、提供者が香水(商品)を身につけて出歩くことにより、その香水の匂いを周囲に漂わせ、周囲の人々に香水に対する興味をもたせる。そして、それがきっかけとなってユーザが香水を購入等した場合に、提供者に何らかのインセンティブ(例えばポイント等)が付与される。
【0016】
香水情報提供装置10は、香水に関する情報を提供するコンピュータ装置である。香水情報提供装置10は、例えば、サーバ装置、PCなどである。香水情報提供装置10は、例えば、香水に関する情報を提供するアプリケーションプログラム(以下、香水アプリという)を提供する。香水情報提供装置10は、香水アプリを介して、香水を身につけた提供者と、その香水の匂いが届く範囲に存在するユーザをマッチングさせる。
【0017】
具体的に、香水情報提供装置10は、提供者によって携帯される提供側端末20から発信されるビーコン信号を受信した受信側端末30に、提供者が近くにいる旨、すなわち、香水から生じる香りを嗅覚にて知覚可能であり、香水と遭遇(マッチング)した旨のポップアップ(以下、マッチング通知という)を表示させる。
【0018】
香水情報提供装置10は、マッチング通知を表示させた受信側端末30から、遭遇した香水を購入したい旨の応答を受信した場合、香水販売サイトサーバ40と連携し、受信側端末30が香水販売サイトから所望の香水を購入できるように制御する。
【0019】
香水情報提供装置10は、マッチング通知を表示させた受信側端末30から、遭遇した香水に関する情報を得たい旨の応答を受信した場合、香水業者サーバ50と連携し、受信側端末30が香水に関する詳細な情報を取得できるように制御する。
【0020】
提供側端末20は、提供者によって携帯されるコンピュータ装置である。提供側端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PC、ビーコン発信端末などである。提供側端末20には、香水アプリがインストールされている。提供側端末20は、香水アプリにおける提供者側の設定に応じて、ビーコン信号を発信する。ビーコン信号は、提供側端末20が存在していることを知らせる電波信号であり、例えば、赤外線信号や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線信号である。
【0021】
受信側端末30は、ユーザ側のコンピュータ装置である。受信側端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PC、ビーコン受信器などである。受信側端末30には、香水アプリがインストールされている。受信側端末30は、香水アプリにおける受信者側の設定に応じて、提供側端末20が発信したビーコン信号を受信した場合に、その旨を香水情報提供装置10に通知する。また、受信側端末30は、香水アプリにおける受信者側の設定に応じて、香水情報提供装置10から、マッチング通知等を受信する。受信側端末30は、香水アプリを介して、遭遇した香水を香水販売サイトで購入したり、その香水に関する情報を取得したりすることができる。
【0022】
香水販売サイトサーバ40は、香水を販売するサイトを提供するコンピュータ装置である。香水販売サイトサーバ40は、香水情報提供装置10と連携して受信側端末30に香水を販売する。
【0023】
香水業者サーバ50は、香水業者などが運用する香水に関する情報を提供するコンピュータ装置である。香水業者サーバ50は、香水情報提供装置10と連携して受信側端末30に香水に関する情報を提供する。
【0024】
香水情報提供装置10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、サイト制御部13と、マッチング制御部14と、装置制御部15とを備える。通信部11は、提供側端末20、受信側端末30、香水販売サイトサーバ40及び香水業者サーバ50と通信を行う。
【0025】
記憶部12は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部12は、香水情報提供装置10の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部12は、例えば、香水メタ情報120と、提供者情報121とを記憶する。
【0026】
図2は、実施形態の香水メタ情報120の構成例を示す図である。香水メタ情報120は、香水に関するメタ情報である。香水メタ情報120は、香水ごとに作成される。香水メタ情報120は、例えば、香水ID、香水商品名、ブランド名、価格、サイトURLなどの項目を備える。香水IDは、香水を一意に識別する識別情報である。香水商品名は、香水の商品名称である。ブランド名は、香水を提供するブランドの名称である。価格は香水の価格である。サイトURLは香水に関するサイトのURL(Uniform Resource Locator)である。
【0027】
図3は、実施形態の提供者情報121の構成例を示す図である。提供者情報121は、提供者に関する情報である。提供者情報121は、提供者ごとに作成される。香水メタ情報120は、例えば、提供者ID、身につけた香水、付与ポイント数、マッチングした人数、マッチング(マッチング1、マッチング2…)等の項目を備える。提供者IDは提供者を一意に識別する識別情報である。身につけた香水は、提供者が身につける香水の香水IDである。付与ポイント数は、提供者に付与されたポイント数である。マッチングした人数は、提供者の提供側端末20が発信するビーコン信号を受信した(マッチングした)受信側端末30の数である。マッチングには、マッチングの状況が示されている。
【0028】
マッチングは、例えば、状況と応答の項目を備える。状況はマッチングした時の状況であり、例えば、遭遇日時、位置情報、遭遇端末などの項目を備える。遭遇日時はマッチングした日時が示される。位置情報はマッチングした場所における位置が示される。遭遇端末はマッチングした受信側端末30の識別情報が示される。応答はマッチングした受信側端末30からの応答が示される。応答は、例えば、「いいね」、情報要求、購入などの項目を備える。「いいね」はマッチングした受信側端末30から「いいね」の応答が得られたか否かが示される。「いいね」とは遭遇した香水に好意的な心証を得た旨の応答である。情報要求はマッチングした受信側端末30によって遭遇した香水に関する情報が要求されたか否かを示す情報である。購入はマッチングした受信側端末30によって遭遇した香水が購入されたか否かを示す情報である。
【0029】
図1に戻り、サイト制御部13は、サイトを制御する。ここでのサイトは、香水に関するマッチングサービス(以下、単にサービスともいう)を提供するインターネット上のサイトである。サイト制御部13は、マッチング制御部14により通知されたマッチング通知に対する応答に応じて、受信側端末30に香水に関する情報を送信する。サイト制御部13は、受信側端末30から「いいね」を示す応答があった場合、マッチング相手の提供側端末20に「いいね」が得られた旨のポップアップ(以下、マッチング応答という)を表示させる。サイト制御部13は、受信側端末30から香水に関する情報を要求する旨を示す応答があった場合、香水業者サーバ50と連携して、受信側端末30に香水に関する情報を提供する。サイト制御部13は、受信側端末30から香水を購入する旨を示す応答があった場合、香水販売サイトサーバ40と連携して、受信側端末30を香水販売サイトにアクセスさせる。
【0030】
装置制御部15は、香水情報提供装置10を統括的に制御する。例えば、装置制御部15は、受信側端末30からビーコン信号を受信した旨の情報を通信部11が受信した場合、その情報をサイト制御部13及びマッチング制御部14に出力する。装置制御部15は、マッチングした受信側端末30からの応答を通信部11が受信した場合、その応答をサイト制御部13に出力する。
【0031】
マッチング制御部14が行う処理について、図4図5を用いて説明する。図4図5は、実施形態の香水情報提供装置10が行う処理を説明する図である。マッチング制御部14は、提供側端末20と受信側端末30とのマッチングを制御する。
【0032】
図4には、受信側端末30の画面に、マッチング通知が表示された様子が模式的に示されている。提供者が提供側端末20を携帯した状態で、位置Aから位置Bに移動し、その結果、領域Eの内側に到達する。領域Eは、受信側端末30の位置を中心とした、受信側端末30にビーコン信号が届く範囲である。すなわち、受信側端末30は、提供側端末20が領域Eの内側に存在する場合、提供側端末20が発信したビーコン信号を受信することができる。受信側端末30は、提供側端末20から発信されたビーコン信号を受信した場合、その旨を香水情報提供装置10に通知する。
【0033】
マッチング制御部14は、受信側端末30から、提供側端末20により発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信すると、提供側端末20に対応付けられた提供者を特定する。マッチング制御部14は、特定した提供者における提供者情報121に基づいて、受信側端末30のユーザが遭遇した香水を特定する。マッチング制御部14は、特定した香水の名称等を含むマッチング応答を受信側端末30に通知する。
【0034】
図4には、マッチング通知の例として、受信側端末30の画面に「香水に遭遇しました!香水NO.XXX」のコメントと共に、「「いいね!」する」、「詳しい情報がほしい」、及び「購入する」との文言が記載されたボタンが表示された様子が示されている。例えば、ユーザは、受信側端末30の画面に表示されたマッチング通知を見て、「「いいね!」する」のボタンをタップ操作する。この場合、受信側端末30は、「「いいね!」する」のボタンがタップ操作された旨を、香水アプリを介して、香水情報提供装置10に通知する。
【0035】
香水情報提供装置10は、「「いいね!」する」のボタンがタップ操作された旨の通知を受信すると、マッチング相手の提供側端末20に、マッチング先の受信側端末30から「いいね!」された旨のマッチング応答を通知する。これにより、この図の例に示すような、提供側端末20の画面には「いいね!」された旨のポップアップが表示される。
【0036】
ここで、ビーコン信号が届く距離と、香水が嗅覚を刺激できる距離とが同じ距離とは限らない。例えば、Bluetoothであれば、規格にもよるが、10m程度まで離れた距離で送受信が可能である。一方、香水の場合、つけ方にもよるが、せいぜい2m程度離れた相手にその香水の匂いが感じられる程度である。このような伝搬距離の不整合を解消させるため、マッチング制御部14は、受信側端末30が受信したビーコン信号の強度と、香水が嗅覚を刺激し得る距離との関係に応じて、受信側端末30に、マッチング通知を行うか否かを判定する。
【0037】
例えば、マッチング制御部14は、受信側端末30から、提供側端末20により発信されたビーコン信号を受信した旨の通知を受信した場合、受信側端末30が受信したビーコン信号の信号強度が、閾値以上であるか否かを判定する。受信側端末30は、信号強度が閾値以上である場合、受信側端末30のユーザが遭遇した香水を特定する処理等を行い、受信側端末30に、マッチング通知を行う。一方、マッチング制御部14は、信号強度が閾値未満である場合、受信側端末30にマッチング通知をしない。これにより、提供側端末20が受信側端末30の近傍にいるが、香水の匂いが感じられるほどに近くにはいない場合にマッチング通知をしてしまうような不具合を抑制することができる。
【0038】
図5には、受信側端末30の周囲に複数の提供側端末20が存在する様子が模式的に示されている。この場合、受信側端末30は、複数の提供側端末20からそれぞれ発信されたビーコン信号を受信し、それぞれのビーコン信号を受信した旨を香水情報提供装置10に通知する。このような状況において、受信側端末30が、それぞれの提供側端末20に対応するマッチング通知を行ってしまうと、ユーザは、提供者とその提供者が身につけている香水との組合せが判らなくなってしまう。
【0039】
この対策として、マッチング制御部14は、受信側端末30が、複数の提供側端末20のそれぞれからビーコン信号を受信した場合、提供者が身につけている視認可能な製品に対応づけてマッチング通知を行う。提供者が身につけている視認可能な製品とは、例えば、提供者が身につけている服、眼鏡やアクセサリなどの装飾品、靴、帽子などである。提供者が身につけている視認可能な製品には、提供者が所持する視認可能な製品、例えば、提供者が持っているカバンや傘、押しているベビーカーや連れている犬などが含まれてもよい。また、提供者が身につけている視認可能な製品には、提供者の身体的特徴、例えば、性別、年齢、身長、体格、髪型などが含まれてもよい。
【0040】
この場合、提供者情報121には、提供者が身につけている香水とともに、提供者が身につけている視認可能な製品に関する情報が記憶されている。視認可能な製品に関する情報は、例えば、提供者が身につけている服のデザインや色などを示す情報である。
【0041】
例えば、香水アプリにおける提供者側のコンテンツには、提供者が身につけている香水、及び提供者が身につけている視認可能な製品を申告するページがあり、提供者の入力操作によって、これらの香水や製品の情報が申告される。申告がなされると、提供側端末20から香水情報提供装置10に、香水や製品の情報が通知される。香水情報提供装置10は、通知された香水や製品の情報に基づいて提供者情報121を作成する。
【0042】
受信側端末30は、受信側端末30が、複数の提供側端末20のそれぞれからビーコン信号を受信した場合、それぞれの提供側端末20に対応付けられた提供者を特定する。マッチング制御部14は、特定したそれぞれの提供者における提供者情報121に基づいて、受信側端末30のユーザが遭遇した香水、及び視認可能な製品(服装など)を特定する。マッチング制御部14は、特定した香水の名称、及び視認可能な製品の特長(服の色など)等を含むマッチング応答を受信側端末30に通知する。
【0043】
この場合、例えば、受信側端末30の画面に「香水に遭遇しました!香水NO.XXX。赤いワンピースをお召しの方です。」などのコメントが記載されたマッチング通知が表示される。これにより、ユーザは、赤いワンピースを着た提供者が身につけている香水が、香水NO.XXXの香水であることが判る。
【0044】
図6は、実施形態の香水情報提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。提供側端末20は、ビーコン信号を発信する(ステップS1)。提供側端末20と受信側端末30との相対的な位置関係に応じて、提供側端末20により発信されたビーコン信号が受信側端末30に受信される。受信側端末30がビーコン信号を受信するとその旨が香水情報提供装置10に通知され、香水情報提供装置10から受信側端末30にマッチング通知が通知される(ステップS2)。これにより、受信側端末30にはマッチング通知が表示される(ステップS3)。
【0045】
ユーザは、受信側端末30に表示されたマッチング通知を見て、例えば「いいね!」ボタンをタップ操作する。受信側端末30はタップ操作を認識し(ステップS4)、「いいね」操作がなされた旨を香水情報提供装置10に通知する。香水情報提供装置10は提供側端末20に「いいね」された旨のマッチング応答を通知する(ステップS5)。これにより、提供側端末20には「いいね」のマッチング応答が表示される(ステップS6)。
【0046】
或いは、ユーザは、受信側端末30に表示されたマッチング通知を見て、例えば「詳しい情報がほしい」ボタンをタップ操作する。受信側端末30はタップ操作を認識し(ステップS7)、「情報要求」操作がなされた旨を香水情報提供装置10に通知する。香水情報提供装置10は香水業者サーバ50と連携し、受信側端末30に香水に関する詳細な情報(香水情報)を通知する(ステップS8)。或いは、受信側端末30は、香水メタ情報120に基づいて受信側端末30に香水に関する詳細な情報(香水情報)を通知するようにしてもよい。これにより、受信側端末30には香水についての詳しい情報が表示される(ステップS9)。
【0047】
或いは、ユーザは、受信側端末30に表示されたマッチング通知を見て、例えば「購入する」ボタンをタップ操作する。受信側端末30はタップ操作を認識し(ステップS10)、「購入」操作がなされた旨を香水情報提供装置10に通知する。香水情報提供装置10は香水販売サイトサーバ40と連携し、受信側端末30に香水販売サイトへアクセスさせ、購入に関するやり取り(購入処理)を実行させる(ステップS11)。
【0048】
香水情報提供装置10は、受信側端末30から得られた応答に応じて、提供者に与えるインセンティブ(ここでは、提供者に付与するポイント数)を決定する。香水情報提供装置10は、決定したポイント数に応じて、提供者情報121の付与ポイントを更新する(ステップS12)。香水情報提供装置10は、提供側端末20に付与ポイントを通知する(ステップS13)。これにより、提供側端末20にはポイントが付与された旨が表示される(ステップS14)。
【0049】
以上、説明したように、実施形態の香水情報提供装置10は、記憶部12と、マッチング制御部14と、サイト制御部13とを備える。記憶部12は、香水メタ情報120と、提供者情報121とを記憶する。香水メタ情報120は、香水に関するメタ情報である。提供者情報121は、提供者に関する情報である。提供者は、香水を身につけることによってユーザにその香水から生じる嗅覚的な刺激を提供する。マッチング制御部14は、マッチング通知を行う。マッチング通知は、提供者が携帯する提供側端末20から発信されたビーコン信号を受信した受信側端末30に、香水から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を通知するものである。サイト制御部13は、マッチング通知に対する応答に応じて、受信側端末30に香水に関する情報を送信する。これにより、実施形態の香水情報提供装置10では、ユーザが香水を身につけた提供者に遭遇した場合に、その香水に遭遇した旨を通知することができる。したがって、特別な装置を設けなくともユーザに嗅覚的な刺激を提供することができる。
【0050】
ここで、香水は「香りを伴う商品」の一例である。「香りを伴う商品」の例としては、香水の他にも、シャンプー、石鹸、柔軟剤、クリームなどの商品がある。
また、香水メタ情報120は、「商品メタ情報」の一例である。
【0051】
また、実施形態の香水情報提供装置10では、マッチング制御部14は、受信側端末30が受信したビーコン信号の強度と、香りが嗅覚を刺激し得る距離との関係に応じて、受信側端末30に、マッチング通知を行うか否かを判定する。これにより、実施形態の香水情報提供装置10では、提供側端末20が受信側端末30の近傍にいるが、香水の匂いが感じられるほどに近くにはいない場合にマッチング通知をしてしまうような不具合を抑制することができる。
【0052】
また、実施形態の香水情報提供装置10では、提供者情報121には、提供者が身につけている香水と共に、提供者が身につけている視認可能な製品(例えば、洋服など)に関する情報が含まれる。マッチング制御部14は、受信側端末30が、複数の提供側端末20のそれぞれからビーコン信号を受信した場合、提供者が身につけている視認可能な製品に対応づけてマッチング通知を行う。これにより、実施形態の香水情報提供装置10では、ユーザが複数の香水に遭遇した場合であっても、提供者の服装などの見た目から香水識別することが可能となる。
【0053】
(実施形態の変形例1)
香水情報提供装置10は、香水と遭遇したユーザの応答状況(例えば、香水を購入したか否か等)、及びユーザの属性情報(例えば、性別、年齢、香水と遭遇した場所や日時など)などを、例えば匿名化されたビッグデータにして、香水販売サイトサーバ40や香水業者サーバ50に提供してもよい。これにより、香水販売サイトサーバ40や香水業者サーバ50が、香水のトレンドを把握したり、宣伝や販売の戦略に利用したりすることができる。
【0054】
(実施形態の変形例2)
香水情報提供装置10は、ユーザからの応答として、肯定的な「いいね」と共に、否定的な「よくないね」を用いてもよい。ここでの「よくないね」とは、香水の刺激が不適切に感じた旨を伝える応答である。香水の香りがあまりに強すぎるなど、周囲に不快感を与える場合があり得るが、香水を身につけている当人は気づき難い。香水情報提供装置10が、提供側端末20に「いいね」だけでなく「よくないね」のマッチング応答を通知することによって、提供者に、自分がつけた香水を周囲がどう感じているかを知ることができる。この場合、香水情報提供装置10は、「いいね」や「よくないね」の応答と共に、マッチングした場所や日時を通知するようにしてもよい。これにより、提供者はTPO(Time(時)、Place(場所)、Occasion(場合))に応じて適切に香水を使うことができるようになる。
【0055】
(実施形態の変形例3)
香水情報提供装置10は、香水のみならず、提供者が身につけているあらゆる製品を「商品」として情報提供の対象としてもよい。街で魅力的な人に遭遇すると、その人が身につけている製品を知りたい、真似したいと思うユーザが存在する。そのようなユーザに、提供者が身につけているあらゆる製品に関する情報を提供することにより、ユーザの購買意欲を向上させることができる。
【0056】
提供者が身につけている製品とは、例えば、提供者が身につけている服、眼鏡やアクセサリなどの装飾品、靴、帽子などである。また、提供者が身につけている製品には、提供者が所持する製品、例えば、提供者が持っているカバンや傘、押しているベビーカーや連れている犬などが含まれてもよい。また、提供者が身につけている製品には、提供者が受けているサービス、例えば、美容室、ネイルサロン、エステサロン、スポーツジム、ヨガスタジオなどが含まれてもよい。また、提供者が身につけている製品には、提供者の趣味や関心事、例えば、愛読書や、よく聴く音楽、好きなアーティスト、愛用のサプリメント、お気に入りのレストランなどが含まれていてもよい。
【0057】
この場合、香水メタ情報120として、提供者が身につけるあらゆる製品(商品)のメタ情報が作成される。また、提供者情報121には、提供者が身につけるあらゆる製品(商品)が登録される。また、香水情報提供装置10は、「香水に遭遇しました!」のコメント共に、例えば、「提供者が身につけている他の商品を知りたい」ボタンが表示されるようなマッチング通知を行う。これにより、提供者が身につけているあらゆる製品に関する情報を提供したり、購入させたりすることが可能となる。
【0058】
上述した実施形態における香水情報提供装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0059】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…香水情報提供システム、10…香水情報提供装置、11…通信部、12…記憶部、120…香水メタ情報、121…提供者情報、13…サイト制御部、14…マッチング制御部、15…装置制御部、20…提供側端末、30…受信側端末、40…香水販売サイトサーバ、50…香水業者サーバ
【要約】
【課題】特別な装置を設けなくとも、ユーザに、商品に関する感覚的な刺激を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】香りを伴う商品に関する商品メタ情報、及び、前記商品を身につけることによってユーザに前記商品から生じる嗅覚的な刺激を提供する提供者に関する提供者情報を記憶する記憶部と、前記提供者が携帯する提供側端末から発信されたビーコン信号を受信した受信側端末に、前記商品から生じる香りを嗅覚にて知覚可能である旨を示すマッチング通知を行うマッチング制御部と、前記マッチング通知に対する応答に応じて、前記受信側端末に前記商品に関する情報を送信するサイト制御部と、を備える。
【選択図】図1
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図5
図6