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特許7068748がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/02 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A45C1/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021019545
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2021-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和2年5月20日にhttps://www.makuake.com/project/zug/へ掲載した。 (2)令和2年6月20日にhttps://zugvogel-3.com/およびhttps://zugvogel-3.com/2020/06/20/news%ef%bc%91/へ掲載した。
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516384863
【氏名又は名称】長谷川 絵里子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 絵里子
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-089544(JP,A)
【文献】登録実用新案第3230311(JP,U)
【文献】登録実用新案第3163423(JP,U)
【文献】特開2000-004916(JP,A)
【文献】中国実用新案第207285434(CN,U)
【文献】特開2012-245134(JP,A)
【文献】特開2012-200581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-1/08,13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺がほぼ同じ長さからなる四角形で、主収納部外側の部材2枚の表面を互いに向き合わせて重ね、90度の角を中心に持つ連続した二辺を縫合し、縫合した線が内側に、向き合わせた部材表面が外側になるように返し、四辺のうち90度の角を中心に持つ連続する二辺を一本のファスナーでつなぎ、そのファスナーを用いて開閉できる主収納部に、がま口金を有した硬貨専用収納部と、帯状の部材の短辺同士を重ねて筒状にしたカード専用収納部が備えられた財布であって、がま口金を有した硬貨専用収納部は、主収納部のファスナーが取り付けられている連続する二辺の中心である90度の角と、主収納部のファスナーが取り付けられていない連続する二辺の中心である90度の角を線で結んだ対角線上に、硬貨専用収納部の開口部のがま口金がついた上端が、主収納部のファスナーが取り付けられている連続する二辺の中心である90度の角へ向かうように、四辺がほぼ同じ長さからなる四角形の主収納部に対して斜めに配置し、カード専用収納部は、帯状の部材の短辺同士重ねて筒状にしたものを、主収納部内側を構成する部材のうち、背面となる主収納部内側背面とがま口金を有した硬貨専用収納部との間で、なおかつファスナーをつける主収納部開口部にはならない二辺のうちの縦の辺に、筒状にしたまま縦辺両側端を重ねて配置したことを特徴とする、がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布。
【請求項2】
四辺がほぼ同じ長さからなる四角形で、そのうち一つの90度の角を中心に持つ連続する二辺を一本のファスナーでつなぎ、そのファスナーを用いて開閉できる主収納部の内部にがま口金を用いて開閉できる硬貨専用収納部と、帯状の部材の長辺を中心にして折り合わせて重なった短辺の端どうしを縫合した、筒状のカード専用収納部が備えられた財布の製造方法であって、
四辺がほぼ同じ長さである四角形の部材2枚の表面を互いに向き合わせて重ね、90度の角を中心に持つ連続した二辺を縫合し、縫合した線が内側に、向き合わせた部材表面が外側になるように返す、主収納部外側の製造工程と、
がま口金を取り付けられる形状に切断された、がま口金を取り付ける箇所を上端とした場合の上下縦方向に長い部材2枚の表面を互いに向き合わせて重ね、がま口金を取り付ける箇所を上端、その反対を下端としたときに残る縦の二辺の両側端をそれぞれ縫合し、縫合した線が内側に、向き合わせた部材表面が外側になるように返して筒状にし、筒状にした部材上端と下端の間で、硬貨を入れた時に奥深くに収納されず硬貨を保持できる空間を確保できる箇所で、先に縫合し裏返した両側端を結ぶように縫合して線を作り底とする硬貨専用収納部の製造工程と、
帯状の1枚の部材の短い辺を縦辺両側端とし、その縦辺両側端同士を重ね合わせて一般的に普及されているキャッシュカードやクレジットカードの長辺が十分すり抜けられる筒状にする、カード専用収納部の製造工程と、
主収納部外側と同じ大きさの、四辺がほぼ同じ長さである四角形の主収納部内側背面の部材の四辺のうちの一辺で、なおかつファスナーをつける主収納部開口部にはならない二辺のうちの縦の辺の上に、カード専用収納部を、筒状にしたまま縦辺両側端を重ね、カード収納専用部材の上に、がま口金を取り付けていない硬貨専用収納部を、硬貨専用収納部の上端が、ファスナーをつける主収納部開口部となる連続する二辺の中心になる90度の角方向に向かうように、主収納部に対して斜めに、なおかつ硬貨専用収納部の下端部分が、主収納部内側背面の主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺の外側へはみ出すように重ね、下端をはみ出させ斜めに重ねた硬貨専用収納部の上に、主収納部内側表面の部材を、主収納部内側背面と同じ向きで重ねて主収納部の開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺を縫合する、主収納部内側製造工程と、
主収納部内側製造工程で主収納部の開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺から外側にはみ出している硬貨専用収納部の下端部分を、主収納部内側表面と主収納部内側背面の主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺に合わせて切断する、主収納部内側を成形する工程と、
主収納部の中へ、硬貨専用収納部とカード専用収納部を備えて縫合され、切断して成形された主収納部内側を、主収納部製造工程で縫合された90度の角を持つ連続した二辺と、主収納部内側製造工程で縫合された90度の角を持つ連続した二辺が向かい合うように挿入し、主収納部と主収納部内側の開口部となる90度の角を持つ連続した二辺どうしを一本のファスナーを用いて縫合する、主収納部と主収納部内側を結合する工程と、
主収納部内側に主収納部開口部となる方向に向かうように主収納部に対して斜めに縫合されている硬貨専用収納部の上端にがま口金を取り付ける、がま口金取り付け工程を経ることによって完成する、がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今のキャッシュレス化加速から財布はよりコンパクトなものへと変化してきているが、コンパクト化を重視するあまり、財布として機能していないものが多く散見される。コンパクトな財布として四辺がほぼ同じ長さの正方形の財布があるが、薄さや小ささを追求するあまり、硬貨を入れるスペースが小さいものが多い。薄さを追求した角財布だと、硬貨を入れるスペースには開閉できる用具を用いていない形状が多く、そのほとんどが財布の中で硬貨が飛び出さない工夫として硬貨収納部の高さを十分に備えるという手段を用いている。また別の形状の財布では、二つ折りにした紙幣の大きさを基準にしてカードを入れるスペースを確保し、その残りのスペースを硬貨の収納に充てているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-050915号公報
【文献】登実3163423(JP,U)
【文献】「L字ファスナーの小さなお財布」文庫屋だけど本屋じゃないよ 文庫屋大関のスタッフブログ https://bunkoya.com/blog/20200511/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それには次のような問題点があった。
(イ)四辺がほぼ同じ長さの正方形の財布という限られた面積に有された高さのある硬貨収納部ということで、内部に存在する硬貨全体を目視することができず、正確な硬貨の数を把握できない。また、硬貨を取り出すには少なくとも2本の指を用いなければならないが、この形状だと、人によっては指が2本も入らない。
(ロ)硬貨収納部に蓋がないものは、財布の向きを確認せずにファスナーを開いてしまった場合に硬貨が硬貨収納部から落下する恐れがある。
(ハ)二つに折られた紙幣の大きさを基にしてカードの収納部分を確保し、その残りの収納部分が硬貨収納部として充てられた二つ折り財布の場合、収納する硬貨の数に限りがある。
最大数の硬貨を収納すると、硬貨の側面は見えても表面と裏面を見ることができず、ひとつずつ取り出して額面を確認するか、全ての硬貨を手のひらやトレーなどに出して額面を確認するしかない。
(ニ)ほとんどの財布のカードを収納する場所は、銀行のキャッシュカードやクレジットカード等の同一規格の大きさに合わせて作られている。これでは大きさの異なるカードを入れることができない。
本発明は、以上の問題点を解決するためのものである。&#8195;
【課題を解決するための手段】
【0005】
四辺がほぼ同じ長さからなる四角形で、そのうち90度の角を中心に持つ連続する二辺を一本のファスナーでつなぎ、そのファスナーを用いて開閉できる主収納部にがま口金を有した硬貨専用収納部とカード専用収納部が備えられた財布であって、がま口金を有した硬貨専用収納部は、主収納部のファスナーが取り付けられている連続する二辺の中心である90度の角と、主収納部のファスナーが取り付けられていない連続する二辺の中心である90度の角を線で結んだ対角線上に、硬貨専用収納部の開口部が主収納部のファスナーが取り付けられている連続する二辺の中心である90度の角へ向かって主収納部に対して斜めに配置し、カード専用収納部は、帯状の部材を二つ折りにして筒状にしたものを主収納部内側とがま口金を有した硬貨専用収納部の間に配置したことを特徴とする財布によって、限られた空間でも硬貨が出し入れしやすく、大きさの異なるカードの収納も可能となり、開閉する向きを間違えたとしても硬貨が落下することがなくなる。
【発明の効果】
【0006】
(イ)対角線は正方形の一辺よりも長いという特徴があるため、2つに折った紙幣が入る正方形の財布であっても、硬貨収納部を広く有することができる。
(ロ)硬貨収納部に、開閉機能を持つがま口金を有しているので、主収納部を開閉する際の向きが逆であっても硬貨が硬貨収納部から落下する恐れがない。
(ハ)カード専用収納部(3)は、カードの長辺を縦にして収納するため、カードを保持する面積が広く、カードが財布から落ちる心配が軽減される。
(ニ)カード専用収納部(3)は筒状になっており、大きさの異なるカードであっても問題なく収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る財布を開いた状態の斜視図である。
図2】同財布を閉じた状態の斜視図である。
図3】同財布の実施形態による実用例である。
図4】同財布の実施の形態を示した図である。
図5】同財布の実施の形態を示した図である。
図6】同財布の内側の展開を示した図である。
図7】同財布の実施の形態を示した図である。
図8】同財布の実施の形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(イ)四辺がほぼ同じ長さである四角形の主収納部外側(1)の部材2枚の表面を互いに向き合わせて重ね、90度の角を中心に持つ連続した二辺を縫合し、縫合した線が内側に、向き合わせた部材表面が外側になるように返す。
(ロ)がま口金を取り付けられる形状に切断された、縦方向に長い硬貨専用収納部(2)の部材2枚の表面を互いに向き合わせて重ね、がま口金を取り付ける箇所を上端、その反対を下端としたときに残る二辺の両側端をそれぞれ縫合し、縫合した線が内側に、向き合わせた部材表面が外側になるように返して筒状にし、筒状にした部材上端と下端の間で、硬貨を入れた時に奥深くに収納されず硬貨を保持できる空間を確保するための箇所として、先に縫合した両側端を結ぶように縫合した線で底を作る。
(ハ)帯状のカード専用収納部(3)の部材の短い辺を縦辺両側端とし、その縦辺両側端同士を重ね合わせて通常使用されるキャッシュカード等が余裕を持ってすり抜けられる筒状にする。
(ニ)主収納部外側(1)と同じ大きさの、四辺がほぼ同じ長さである四角形の主収納部内側背面(5)の部材の四辺のうちの一辺で、なおかつファスナーをつける主収納部開口部にはならない二辺のうちの縦の辺の上に、カード専用収納部(3)を、筒状にしたまま縦辺両側端を重ね、カード収納専用部(3)の上に、硬貨専用収納部(2)を、硬貨専用収納部(2)の上端が、ファスナーをつける主収納部開口部となる連続する二辺の中心になる90度の角方向に向かうように、主収納部(1)に対して斜めに、なおかつ硬貨専用収納部(2)の下端部分が、主収納部内側背面(5)の主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺の外側へはみ出すように重ね、下端をはみ出させ斜めに重ねた硬貨専用収納部(2)の上に、主収納部内側表面(4)の部材を、主収納部内側背面(5)と同じ向きで重ねて主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺を縫合する。
(ホ)(ニ)の工程で主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺から外側にはみ出している硬貨専用収納部(2)の下端部分を、主収納部内側表面(4)と主収納部内側背面(5)の主収納部開口部にはならない90度の角を持つ連続した二辺に合わせて切断する。
(へ)主収納部(1)の中へ、(ホ)の工程で成形された硬貨専用収納部(2)とカード専用収納部(3)を備えた主収納部内側(9)を、(イ)の工程で縫合された90度の角を持つ連続した二辺と、(ニ)の工程で縫合された90度の角を持つ連続した二辺が向かい合うように挿入し、主収納部(1)と硬貨専用収納部(2)とカード専用収納部(3)を備えた主収納部内側(9)の開口部となる90度の角を持つ連続した二辺どうしを一本のファスナーを用いて縫合する。
(ト)主収納部内側(9)に主収納部開口部となる方向に向かうように主収納部(1)に対して斜めに縫合されている硬貨専用収納部(2)を主収納部開口部から引き出し、上端にがま口金を取り付ける。
【0009】
主収納部(1)と主収納部内側表面(4)と主収納部内側背面(5)の部材はファスナーを取り付けた連続する二辺だけで結合されているので、主収納部内側全体が主収納部外側と密着していない。これにより硬貨収納専用部材(2)とカード収納専用部材(3)が備えられ縫合された主収納部内側(9)を容易に主収納部(1)から引き出すことができるため、がま口金の取り付けを最終工程にすることができる。がま口金を先に取り付けてしまうと、(ヘ)の工程で主収納部(1)と主収納部内側(9)を結合させることが困難になるからである。
【0010】
がま口金を取り付けた硬貨専用収納部(7)は紙幣やカードを入れない硬貨専用にするために、筒状にした部材上端と下端の間で、硬貨を入れた時に奥深くに収納されず硬貨を保持できる空間を確保できる箇所で両側端を結ぶように縫合した線が底になっていることから、硬貨の視認が容易で、指先だけで硬貨を取り出すことが可能である。
【0011】
カード専用収納部(3)は一般的に普及されているキャッシュカードやクレジットカードの長辺を縦にして収納するが、底のない筒状にすることで大きさの異なるカードを収納した場合でも、高さの違いによる視認性の低減を防ぐことができる。
【0012】
カード専用収納部(3)は簡素な構造になっているため、これを増やすことは容易である。&#8195;
【0013】
ファスナーの開閉方法としては、図2および図3のように上から下、左から右へ向かって開くのが一般的ではあるが、この財布はその反対の下から上、右から左へ向かって開いたとしても、財布の機能を損なわず中身が落ちることもない。
【0014】
硬貨専用収納部(2)とカード専用収納部(3)を重ねる順番が逆になっても製造工程上の問題はない。
【0015】
ファスナーを付ける連続する二辺の中央にある90度の角を丸くすると、ファスナーの開閉が滑らかになる。
【0016】
がま口金(6)の開口部は広いが閉じると平らになるので、小型の財布に内蔵しても開口部の向きに気を付けて取り付ければその能力は変わらない。
【0017】
ファスナーを開き、がま口金を開けた状態でも片手で財布を保持することができる。
【0018】
財布の素材として通常使用されている皮革、布、合成皮革、合成繊維のどれを利用しても製造することが可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 主収納部
2 硬貨専用収納部
3 カード専用収納部
4 主収納部内側表面
5 主収納部内側背面
6 がま口金
7 がま口金を取り付けた硬貨専用収納部
8 硬貨を入れたときに奥深く収納されずに保持できる空間を確保できる箇所で
両側端を結んだ線
9 硬貨専用収納部とカード専用収納部を備えた主収納部内側
&#8195;
【要約】
【課題】
小型であっても、小銭とカードの出し入れに関する操作性が良好な財布を提供する。
【解決手段】
90度の角を持つ連続する二辺を一本のファスナーでつないだ、四辺がほぼ同じ長さの正方形の財布主収納部の中に、角型がま口金を取り付けた底の浅い硬貨収納専用部材を財布の対角線上に配置し、底のない筒状のカード収納専用部材を主収納部内側と硬貨収納専用部材の間に、財布に対して垂直に配置した。これにより小型の財布であっても硬貨の出し入れが容易となり、大きさの異なるカード類でも容易に収納し、取り出すことができる。また、財布主収納部と、硬貨収納専用部およびカード収納専用部を備えた財布主収納部内側をファスナーの取り付けと同時に結合させることで最後に角型がま口金をはめることができ、製造も容易にすることができる。
【選択図】
図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8