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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 3/02 20060101AFI20220510BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20220510BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220510BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220510BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20220510BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220510BHJP
【FI】
F21V3/02 400
F21S8/04 130
F21V3/00 320
F21V17/00 155
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017227784
(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公開番号】P2019102122
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲志
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062657(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154906(WO,A1)
【文献】特開2015-084296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 3/02
F21S 8/04
F21V 3/00
F21V 17/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空部が形成された器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる光源ユニットと、を備え、
前記光源ユニットは、
光を照射する発光部と、
前記発光部が載置され、前記中空部に収容されるフレームと、
前記発光部を覆うように前記フレームに取り付けられ、前記発光部から照射された光の配光を制御する第1のカバーと、
前記第1のカバーに取り付けられ、前記発光部から照射された光の配光を制御する第2のカバーと、を有し、
前記第1のカバーは、
前記中空部に配置され、前記第2のカバーを保持する保持部と、
前記保持部から延び、前記器具本体の外側に突出する主カバー部と、
前記主カバー部から外側に延び、前記保持部と共に前記第2のカバーを保持する屈曲部と、を有する
照明器具。
【請求項2】
前記第1のカバーは、
前記保持部から延び、前記フレームに係合する係合部を有する
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記保持部は、
前記第2のカバーが嵌め込まれる溝部を形成するものである
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記保持部は、
前記発光部に向かって傾斜して延びている
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の配光を制御する複数のカバーを有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のカバーによって、光の配光を制御する照明器具が知られている。特許文献1には、LEDが実装された基板が取り付けられるフレームと、基板を覆うようにフレームに取り付けられるカバーと、カバーの内側に取り付けられ、LEDから照射された光の配光を制御する配光制御板とを備える照明装置が開示されている。カバーは、配光制御板が着脱自在に取り付けられる支持部を有し、支持部は、内側に突出したガイドレールからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-84296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明装置は、カバーに設けられた支持部が、カバーを介して照明装置の外部に露出しているため、LEDから照射された光が支持部に当たると、カバーに影として現れる。また、支持部はリブから構成されたガイドレールであるため、安定した形状で生産し難く、他の部位と比較して厚さにばらつきが生じる。このため、ユーザが意図しない配光となるおそれがある。このように、特許文献1に開示されたような複数のカバーが用いられた照明装置において、カバーを保持する支持部に起因して所望の配光が得られない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数のカバーを用いても所望の配光制御が可能な照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、内部に中空部が形成された器具本体と、器具本体に取り付けられる光源ユニットと、を備え、光源ユニットは、光を照射する発光部と、発光部が載置され、中空部に収容されるフレームと、発光部を覆うようにフレームに取り付けられ、発光部から照射された光の配光を制御する第1のカバーと、第1のカバーに取り付けられ、発光部から照射された光の配光を制御する第2のカバーと、を有し、第1のカバーは、中空部に配置され、第2のカバーを保持する保持部と、保持部から延び、器具本体の外側に突出する主カバー部と、主カバー部から外側に延び、保持部と共に第2のカバーを保持する屈曲部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2のカバーを保持する保持部が、器具本体の中空部に配置されている。このため、発光部から照射された光が保持部に当たっても、保持部に当たった光は、中空部内で拡散される。よって、保持部に当たった光は、第1のカバーに直接当たらないため、第1のカバーに影が現れることを抑制することができる。このように、照明器具は、複数のカバーを用いても所望の配光制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具1000を示す組立斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具1000を示す側面図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具1000を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態1における器具本体100を示す断面図である。
図5】実施の形態1における光源ユニット200を示す分解斜視図である。
図6】実施の形態1における光源ユニット200を示す断面図である。
図7】実施の形態1における光源ユニット200を示す分解断面図である。
図8】実施の形態1に係る照明器具1000を示す組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明に係る照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具1000を示す組立斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る照明器具1000を示す側面図である。図1及び図2に示すように、照明器具1000は、長手方向に延びて長尺状をなしており、天井等の被取付部(図示せず)に取り付けられる器具本体100と、器具本体100に取り付けられる光源ユニット200とを備えている。
【0010】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1000を示す分解斜視図である。図3に示すように、器具本体100は、内部に中空部110が形成されており、光源ユニット200の一部が中空部110に挿入される。これにより、照明器具1000が構成されている。
【0011】
図4は、実施の形態1における器具本体100を示す断面図であり、図2のA-A断面図のうち、器具本体100を示す。器具本体100は、天井等の被取付部に形成された穴に埋めこまれ、中空部110が長手方向に延在する非透光性の部材である。図4に示すように、器具本体100は、底面を構成する底面部111と、底面部111の両端から垂直に延びる側面部112と、側面部112の先端から水平方向に延びる鍔部113と、長手方向の両端に設けられる蓋部114とを有している。底面部111は、被取付部に固定される長手方向に延びる板状の部材である。底面部111には、吊りボルト等の固定具(図示せず)が挿入される固定穴111aと、外部から電力を供給する電線(図示せず)が挿入される電源穴111bとが形成されている。なお、底面部111に対向する側は、開口110aとなっている。
【0012】
側面部112は、長手方向に延びる板状の部材である。鍔部113は、長手方向に延びる板状の部材であり、光源ユニット200に接触する部分である。蓋部114は、器具本体100における長手方向の両端を塞ぐ。
【0013】
器具本体100の中空部110には、端子台(図示せず)と、電源装置(図示せず)と、連結機構(図示せず)とが設けられている。端子台は、電源穴111bから引き込まれた電線が接続される。電源装置は、端子台に接続され光源ユニット200を点灯させる。連結機構は、光源ユニット200を器具本体100に着脱自在に取り付けることを可能とする。なお、端子台、電源装置及び連結機構は、中空部110に設けられていなくてもよい。照明器具1000の設置環境によって、端子台、電源装置及び連結機構のうち一部が外部に設けられてもよく、複数台の照明器具1000に電力を供給する電源装置が、中空部110の外部に設けられてもよい。
【0014】
図5は、実施の形態1における光源ユニット200を示す分解斜視図である。図5に示すように、光源ユニット200は、光を照射する発光部210と、発光部210が載置されるフレーム220とを有する。更に、光源ユニット200は、光の配光を制御する第1のカバー230と、光の配光を制御する第2のカバー240と、長手方向の両端に設けられるエンドカバー250とを有している。発光部210は、中空部110に収容され、光を照射する。
【0015】
図6は、実施の形態1における光源ユニット200を示す断面図であり、図2のA-A断面図のうち、光源ユニット200を示す。図7は、実施の形態1における光源ユニット200を示す分解断面図である。図5図6及び図7に示すように、発光部210は、光源212と、基板211とを有している。光源212は、光を照射するものであり、例えば複数のLEDからなる。基板211は、光源212が設けられた長手方向に延びる板状の部材であり、複数の光源212が長手方向に一列に並べられている。フレーム220は、基板211が取り付けられる部材であり、基板211が載置される載置面221と、載置面221の両端から垂直に延びる立ち上がり部222とを有している。
【0016】
第1のカバー230は、発光部210から照射された光の配光を制御し、光源212及び基板211を覆うようにフレーム220に取り付けられる長手方向に延在する部材である。第1のカバー230は、例えば樹脂材料からなる。第1のカバー230は、フレーム220と係合する一対の係合部231と、一対の係合部231の先端から内側に延びる一対の保持部232aとを有している。また、第1のカバー230は、一対の係合部231の先端から延びる主カバー部233と、主カバー部233の途中から外側に延びる一対の化粧部234とを有している。一対の係合部231の内部には、フレーム220が挿入され、係合部231とフレーム220とが係合することによって、フレーム220と第1のカバー230とが固定される。
【0017】
一対の保持部232aは、主カバー部233との間に溝部232を形成しており、溝部232に第2のカバー240が取り付けられる。ここで、保持部232aの先端は、発光部210に向かって傾斜して延びている。光源212から照射された光が、保持部232aに当たっても、保持部232aで反射されて主カバー部233に向かって出射する。即ち、光源212から出射された光が保持部232aと係合部231との間に入り込んで主カバー部233側に出射され難いため、光の損失を減らすことができ、光源ユニット200の光効率性を高めることができる。ここで、保持部232aは、中空部110に配置されている。
【0018】
一対の主カバー部233は、係合部231の先端から一旦内側に屈曲し、その後床側に延びている。主カバー部233の屈曲部233aと保持部232aとの間に、溝部232が形成されている。一対の主カバー部233は、床側に延びた先端同士が水平方向において接続されている。主カバー部233を通過した光は、被照射空間に照射される。化粧部234は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられたときに鍔部113に接触して鍔部113を覆う。これにより、床側から照明器具1000を視認しても、鍔部113は化粧部234に隠れて見えない。
【0019】
第2のカバー240は、発光部210から照射された光の配光を制御し、長手方向に延びる板状の拡散部材である。第2のカバー240は、溝部232に差し込まれ、光源212と対向する位置に設置されている。第2のカバー240は、光源212から照射された光を拡散させることによって、第1のカバー230に光ムラが生じることを抑制している。第2のカバー240は、特に、長手方向に生じる光ムラを抑制している。
【0020】
エンドカバー250は、第1のカバー230の断面形状と同様の形状をなしており、第1のカバー230の長手方向の両端の開口110aを塞ぐ。エンドカバー250が第1のカバー230に取り付けられることによって、第1のカバー230の溝部232に第2のカバー240が取り付けられた状態を保持し、第2のカバー240が長手方向に変位することが抑制される。エンドカバー250は、第1のカバー230と同様の樹脂材料からなり、接着剤等によって第1のカバー230の長手方向の両端に取り付けられる。
【0021】
なお、エンドカバー250は、第1のカバー230と係合する着脱自在の係合機構によって取り付けられてもよい。これにより、第2のカバー240を交換することが容易となり、配光性能が異なる複数の第2のカバー240を利用することができる。従って、光源ユニット200の配光特性を容易に変更することができる。また、エンドカバー250の材質として、乳白又は不透過の白色材料を用いることによって、エンドカバー250側から出射する光の量を調整することができる。
【0022】
図8は、実施の形態1に係る照明器具1000を示す組立断面図であり、図2のA-A断面図である。図8に示すように、器具本体100に光源ユニット200が取り付けられて照明器具1000が組み立てられる。光源ユニット200において、器具本体100の開口110aに対し、主カバー部233が外側に位置し、溝部232及び係合部231が内側である中空部110に位置している。即ち、保持部232aが、中空部110の開口110aから、中空部110の内側に距離Lだけ離れた位置に配置されている。
【0023】
本実施の形態1によれば、第2のカバー240を保持する保持部232aが、器具本体100の中空部110に配置されている。このため、発光部210から照射された光が保持部232aに当たっても、保持部232aに当たった光は、中空部110内で拡散される。ここで、器具本体100の開口110aから被照射空間に露出している部分は、第1のカバー230のみである。
【0024】
よって、保持部232aに当たった光は、第1のカバー230に直接当たらないため、第1のカバー230に影が現れることを抑制することができる。このように、照明器具1000は、複数のカバーを用いても所望の配光制御が可能である。また、溝部232が中空部110内に存在するため、光が保持部232aに当たっても、第1のカバー230の配光制御に影響を与えることを抑制することができる。
【0025】
保持部232aは、発光部210に向かって傾斜して延びている。このため、光源212から照射された光が、保持部232aに当たっても、保持部232aで反射されて主カバー部233に向かって出射する。即ち、光源212から出射された光が保持部232aと係合部231との間に入り込んで主カバー部233側に出射され難いため、光の損失を減らすことができる。従って、光源ユニット200の光効率性を高めることができる。
【0026】
また、化粧部234は、器具本体100の中空部110と光源ユニット200との間の隙間を覆っている。このため、床側から照明器具1000を視認しても、隙間は化粧部234に隠れて見えない。従って、隙間に起因する意匠性の低下を抑制することができる。また、器具本体100と光源ユニット200とを連結する連結機構としてバネが用いられる場合、化粧部234と鍔部113との接触位置を考慮することによって、光源ユニット200が組み立てられるときに容易に位置決めすることができる。
【0027】
なお、本実施の形態では、器具本体100が、一面が開口した直方体形状である場合について例示しているが、長手側方に反射部が設けられた器具本体としてもよい。例えば、器具本体は、逆富士型形状のものでもよい。また、器具本体100の天井への固定方法は、固定穴111aに固定具を挿通して取り付ける方法以外にも、蓋部114に取付金具(爪状)を取り付けシステム天井のTバーに固定する方法をとってもよい。
【符号の説明】
【0028】
100 器具本体、110 中空部、110a 開口、111 底面部、111a 固定穴、111b 電源穴、112 側面部、113 鍔部、114 蓋部、200 光源ユニット、210 発光部、211 基板、212 光源、220 フレーム、221 載置面、222 立ち上がり部、230 第1のカバー、231 係合部、232 溝部、232a 保持部、233 主カバー部、233a 屈曲部、234 化粧部、240 第2のカバー、250 エンドカバー、1000 照明器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8