(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】施設監視装置および施設監視方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
G05B23/02 302S
(21)【出願番号】P 2017254535
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】小菅 博章
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-038651(JP,A)
【文献】特開平11-007326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00-23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設置された1つ以上の監視ポイントを監視する施設監視装置において、
前記監視ポイント毎に、前記監視ポイントの状態に関する監視ポイント情報を収集するポイント情報収集部と、
前記ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、前記監視ポイント毎に、当該監視ポイントの状態が、当該監視ポイントに対して設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定する状態判定部と、
前記状態判定部が、前記発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間を第1種別または第2種別に分類分けする種別分類部と、
前記監視ポイント毎に、前記種別分類部が分類分けした第1種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第1種別カウント部と、
前記監視ポイント毎に、前記第1種別カウント部が前記第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、前記種別分類部が分類分けした第2種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第2種別カウント部と、
前記ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、前記監視ポイント毎に、異常の発生を検知する異常検知部と、
前記異常検知部が前記異常を検知した場合、前記第2種別カウント部が、前記異常が検知された監視ポイントに対して設定された、前記第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、警報を出力する警報出力制御部
とを備えた施設監視装置。
【請求項2】
前記種別分類部は、
前記監視ポイントに対する前記異常の発生の検知機能を有効にしないために設けられた保留時間であるか、前記監視ポイントに対する前記異常の発生を検知した場合に前記警報の出力を保留するために設けられた保留時間であるかによって、前記発生条件に対応する保留時間の分類分けを行う
ことを特徴とする請求項1記載の施設監視装置。
【請求項3】
施設内に設置された1つ以上の監視ポイントを監視する施設監視方法において、
ポイント情報収集部が、前記監視ポイント毎に、前記監視ポイントの状態に関する監視ポイント情報を収集するステップと、
状態判定部が、前記ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、前記監視ポイント毎に、当該監視ポイントの状態が、当該監視ポイントに対して設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定するステップと、
種別分類部が、前記状態判定部が前記発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間について、目的に応じて、第1種別または第2種別に分類分けするステップと、
第1種別カウント部が、前記監視ポイント毎に、前記種別分類部が分類分けした第1種別に属する、1つまたは複数の種類の保留時間の経過時間を、当該保留時間の発生の都度カウントするステップと、
第2種別カウント部が、前記監視ポイント毎に、前記第1種別カウント部が前記第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、前記種別分類部が分類分けした第2種別に属する、1つまたは複数の種類の保留時間の経過時間を、当該保留時間の発生の都度カウントするステップと、
異常検知部が、前記ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、前記監視ポイント毎に、異常の発生を検知するステップと、
警報出力制御部が、前記異常検知部が前記異常を検知した場合、前記第2種別カウント部が、前記異常が検知された監視ポイントに対して設定された、前記第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、警報を出力するステップ
とを備えた施設監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施設内の各種の制御機器等を監視または制御する施設監視装置および施設監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、施設監視装置が実施する各種監視機能において、監視対象となる機器等の運転開始後、異常等を検知し、警報を出力するまでの間で、各種保留時間を設けるようにしている。
例えば、空調制御システムにおいて、空調機の運転開始後経過時間が警報保留時間を超えたかどうかを判定し、運転開始後経過時間が警報保留時間を超えていない間は警報を出力させないようにする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、管理者等は、監視対象となる機器等の運転が開始してから警報を出力するまでの間で、複数の種類の保留時間を設定することもできる。
例えば、管理者等は、施設監視装置において、機器等の運転が開始してからの所定時間を設定した保留時間(以下、「インターロック保留時間」という。)、機器等の運転開始後、設定値変更が行われた場合に、当該設定値変更が行われてからの所定時間を設定した保留時間(以下、「設定値変更保留時間」という。)、および、機器等の状態が警報出力条件を満たしてからの所定時間を設定した保留時間(以下、「警報出力保留時間」という。)を設定することができる。
【0004】
インターロック保留時間および設定値変更保留時間は、監視機能を有効にする必要がない所定時間として設定される。
警報出力保留時間は、監視機能を有効にした後、監視対象の機器等の状態が警報出力条件を満たす状態になってから、警報を出力する必要がない所定時間として設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、施設監視装置では、機器等の運転が開始されてから機器等の異常等を検知し警報を出力するまでに、複数の種類の保留時間を設けることができる。
しかし、従来、複数の種類の保留時間が設けられている場合、当該複数の種類の保留時間がカウントされる条件が同時に発生すると、発生した順に当該複数の種類の保留時間がカウント開始されるようになっていた。
すなわち、ある保留時間の間に別の保留時間がカウントされる条件が発生した場合、先に発生した保留時間の間、監視機能の動作、または、警報の出力が保留され、先に発生した保留時間経過後、次に発生した別の保留時間のカウントが開始され、当該別の保留時間の分だけさらに、監視機能の動作、または、警報の出力が保留されるようになっていた。
その結果、後で発生した保留時間のカウント開始までに待ち時間が発生し、警報を出力しなければならない条件になった際に、警報の出力までに無駄に時間が経過してしまい、警報の出力が遅延してしまうという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、監視対象の運転が開始されてから当該監視対象の異常等を検知し警報を出力するまでに複数の種類の保留時間が設定されている場合に、警報出力までの無駄な保留時間を省き、速やかに警報を出力することができる施設監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る施設監視装置は、施設内に設置された1つ以上の監視ポイントを監視する施設監視装置において、監視ポイント毎に、監視ポイントの状態に関する監視ポイント情報を収集するポイント情報収集部と、ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、当該監視ポイントの状態が、当該監視ポイントに対して設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定する状態判定部と、状態判定部が、発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間を第1種別または第2種別に分類分けする種別分類部と、監視ポイント毎に、種別分類部が分類分けした第1種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第1種別カウント部と、監視ポイント毎に、第1種別カウント部が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、種別分類部が分類分けした第2種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第2種別カウント部と、ポイント情報収集部が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、異常の発生を検知する異常検知部と、異常検知部が異常を検知した場合、第2種別カウント部が、異常が検知された監視ポイントに対して設定された、第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、警報を出力する警報出力制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、監視対象の運転が開始されてから当該監視対象の異常等を検知し警報を出力するまでに複数の種類の保留時間が設定されている場合に、警報出力までの無駄な保留時間を省き、速やかに警報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る施設監視装置の構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1において、ポイント情報記憶部が記憶する監視ポイント情報の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る施設監視装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図4】実施の形態1において、種別分類部が一時記憶させる分類後保留時間情報の内容の一例を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1において、第1種別カウント部が経過時間を付与した分類後保留時間情報の内容の一例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態1において、ポイント情報記憶部に記憶されている監視ポイント情報の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1において、種別分類部が一時記憶させる分類後保留時間情報の内容のその他の一例を説明するための図である。
【
図8】実施の形態1において、第1種別カウント部が経過時間を付与した分類後保留時間情報の内容のその他の一例を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1において、ポイント情報記憶部に記憶されている監視ポイント情報のその他の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1において、ポイント情報記憶部に記憶されている監視ポイント情報のその他の一例を示す図である。
【
図11】実施の形態1において、種別分類部が一時記憶させる分類後保留時間情報の内容のその他の一例を説明するための図である。
【
図12】実施の形態1において、第2種別カウント部が経過時間を付与した分類後保留時間情報の内容の一例を説明するための図である。
【
図13】従来の施設監視装置において、複数の保留時間のカウント方法の一例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、
図13に示す状況と同じ状況下での、実施の形態1に係る施設監視装置における、複数の保留時間のカウント方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る施設監視装置1の構成例を示す図である。
施設監視装置1は、施設内の1つ以上の設備、または、施設内に設置された1つ以上の制御機器(図示省略)等を監視する。
以下、施設監視装置1による監視対象となる、施設内の設備、または、施設内に設置された制御機器等を、監視ポイントというものとする。
施設監視装置1による動作は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
施設監視装置1は、
図1に示すように、ポイント情報収集部11と、ポイント情報記憶部12と、状態判定部13と、種別分類部14と、カウント部15と、異常検知部16と、警報出力制御部17を備える。
カウント部15は、第1種別カウント部151と、第2種別カウント部152を有する。
【0012】
ポイント情報収集部11は、監視ポイント毎に、監視ポイントに関する監視ポイント情報を、予め決められた周期で収集する。監視ポイント情報には、少なくとも、監視ポイント、監視ポイント情報の収集日時、および、監視ポイントの状態に関する情報が含まれる。
ポイント情報収集部11は、収集した監視ポイント情報を、ポイント情報記憶部12に記憶させるとともに、状態判定部13に出力する。
【0013】
ポイント情報記憶部12は、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報を記憶する。ポイント情報記憶部12は、監視ポイント情報を、例えば、監視ポイント毎に時系列で記憶する。
図2は、実施の形態1において、ポイント情報記憶部12が記憶する監視ポイント情報の一例を示す図である。
図2に示すように、ポイント情報記憶部12は、少なくとも、監視ポイント、監視ポイント情報の収集日時、および、監視ポイントの状態に関する情報が対応付けられた監視ポイント情報を記憶する。
なお、実施の形態1では、
図1に示すように、ポイント情報記憶部12は、施設監視装置1に備えられるものとするが、これに限らず、ポイント情報記憶部12は、施設監視装置1の外部の、施設監視装置1が参照可能な場所に備えられるようにしてもよい。
【0014】
状態判定部13は、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、監視ポイントの状態が、監視ポイントに対して予め設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定する。具体的には、状態判定部13は、監視ポイントの状態が、予め設定された保留時間の発生条件を満たせば、当該監視ポイントについて、発生条件に対応する保留時間のカウントが必要であると判定する。
【0015】
管理者等は、予め、施設監視装置1において、監視ポイント毎に、必要に応じて、複数の種類の保留時間を設定しておく。
複数の種類の保留時間とは、例えば、「インターロック保留時間」、「設定値変更保留時間」、および、「警報出力保留時間」である。
「インターロック保留時間」とは、監視ポイントが所定の状態になってからの所定時間が設定された保留時間をいう。所定の状態とは、例えば、監視ポイントが「ON(運転)」の状態としてもよいし、監視ポイントが「OFF(停止)」の状態としてもよく、適宜設定可能である。
実施の形態1では、一例として、「インターロック保留時間」は、監視ポイントの状態が「ON」になってからの所定時間が設定された保留時間とする。
【0016】
また、実施の形態1において、「設定値変更保留時間」とは、例えば、設定温度の変更等、監視ポイントに対して設定されていた設定値に変更があった場合に、当該変更が行われてからの所定時間が設定された保留時間をいう。「設定値変更保留時間」の発生条件は、「監視ポイントの設定値に変更があったこと」である。
【0017】
また、実施の形態1において、「警報出力保留時間」とは、施設監視装置1において監視ポイントに対する監視機能を有効にした後、監視ポイントの状態が警報出力条件を満たし異常が検知されてからの所定時間が設定された保留時間をいう。「警報出力保留時間」の発生条件は、「異常検知部16(後述する)が異常を検知したこと」である。
【0018】
「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」は、監視機能を有効にする必要がない所定時間として設定される。例えば、監視ポイントが空調機であるとすると、空調機の運転開始時点からそれほど経過していない間、または、設定温度が変更された時点からそれほど経過していない間は、制御対象空間の計測温度が変化していないことが明白であり、監視機能を有効にする必要がない。「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」が設定されていることで、施設監視装置1は、無駄に監視機能を動作させることを防ぐ等することができる。
【0019】
「警報出力保留時間」は、監視機能を有効にした後、異常検知部16が異常を検知してから、警報を出力する必要がない所定時間として設定される。例えば、監視ポイントが空調機であり、制御対象空間の設定温度について、閾値が29℃に設定されているとすると、計測温度が一時的に29℃を超えた場合等、継続的に閾値を超えた温度になっていなければ、誤検知の可能性があり、警報を出力する必要がない。「警報出力保留時間」が設定されていることで、施設監視装置1は、誤報を防ぐ等することができる。
なお、「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」が経過すると、施設監視装置1は、該当の監視ポイントに対する監視機能を有効にする。詳細は後述する。
管理者等は、予め、上述のような、複数の種類の保留時間を施設監視装置1に設定しておく。
【0020】
状態判定部13は、保留時間の発生条件を満たしていると判定した監視ポイントの情報に、保留時間の種類の情報を付与して、種別分類部14に出力する。
【0021】
種別分類部14は、状態判定部13が、複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間について、目的に応じて、種別(第1種別または第2種別)に分類分けする。
第1種別の保留時間とは、異常の発生の検知機能を有効にしないために設けられる保留時間である。よって、第1種別の保留時間は、異常の発生の検知機能を有効にするまでの間にカウントされる。
第2種別の保留時間とは、監視ポイントに対する異常の発生を検知した場合に、警報の出力を保留するために設けられる保留時間である、よって、第2種別の保留時間は、検知機能が有効になった後にカウントされる。
例えば、上述した「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」は、第1種別に属し、上述した「警報出力保留時間」は、第2種別に属する。
【0022】
種別分類部14は、分類分けした結果に関する情報を、分類後保留時間情報として一時記憶させる。分類後保留時間情報は、監視ポイントの情報、保留時間の種類を特定する情報、保留時間の種別を特定する情報、保留時間の開始時刻、保留時間の満了時刻の情報を含む。保留時間の開始時刻は、状態判定部13が、複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしていると判定した時刻であり、種別分類部14は、当該保留時間の開始時刻の情報を、状態判定部13から取得すればよい。保留時間の満了時刻は、保留時間の開始時刻から、予め設定されている保留時間分だけ経過した時刻であり、種別分類部14は、保留時間の開始時刻から当該保留時間の満了時刻を算出すればよい。
【0023】
種別分類部14は、分類後保留時間情報を、例えば、分類後保留時間情報記憶部(図示省略)、または、自身の空きスペース等、施設監視装置1が参照可能な場所に一時記憶させるようにすればよい。
【0024】
カウント部15は、状態判定部13が、複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしていると判定した場合、監視ポイント毎に、発生条件に対応する保留時間の経過時間をカウントする。その際、カウント部15は、種別分類部14が分類分けを行った同一の種別に属する保留時間群については並列で経過時間をカウントし、別の種別に属する保留時間群については直列で経過時間をカウントする。具体的には、カウント部15は、第1の種別に属する保留時間群については、発生の都度、保留時間の経過時間のカウントを開始し、第2の種別に属する保留時間群については、第1の種別に属する保留時間群の経過時間を満了までカウントした後に、経過時間のカウントを開始する。
【0025】
カウント部15の第1種別カウント部151は、監視ポイント毎に、種別分類部14が分類分けした第1種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度、開始する。
第1種別カウント部151は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に基づき、保留時間の開始時刻から現在までの経過時間をカウントする。第1種別カウント部151は、第1種別に属する保留時間について、先に発生した保留時間が満了する前に、別の保留時間が発生した場合には、先に発生した保留時間の継続時間と、後に発生した別の保留時間の継続時間とを並行してカウントする。または、第1種別カウント部151は、第1種別に属する複数種類の保留時間のうち、継続時間が最長の保留時間の、現在までの経過時間をカウントしてもよい。
第1種別カウント部151は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に、カウントした、保留時間の経過時間の情報を付与する。
【0026】
カウント部15の第2種別カウント部152は、監視ポイント毎に、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、種別分類部14が分類分けした第2種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度、開始する。すなわち、第2種別に属する保留時間は、第1種別に属する全ての種類の保留時間が満了するまでは、カウント開始されない。
第2種別カウント部152は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に基づき、保留時間の開始時刻から現在までの経過時間をカウントする。第2種別カウント部152は、第2種別に属する保留時間について、先に発生した保留時間が満了する前に、別の保留時間が発生した場合には、先に発生した保留時間の継続時間と、後に発生した別の保留時間の継続時間とを並行してカウントする。または、第2種別カウント部152は、第2種別に属する複数種類の保留時間のうち、継続時間が最長の保留時間の、現在までの経過時間をカウントしてもよい。
第2種別カウント部152は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に、カウントした、保留時間の経過時間の情報を付与する。
【0027】
異常検知部16は、監視機能が有効である場合に、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、当該監視ポイントにおける異常の発生を検知する。具体的には、異常検知部16は、監視ポイント情報に基づく監視ポイントの状態が警報出力条件を満たす場合、当該監視ポイントに異常が発生していると判断する。
なお、警報出力条件は、予め、管理者等が、監視ポイント毎に設定している。
異常検知部16は、異常の発生を検知した場合、異常発生情報を警報出力制御部17(後述する)に出力する。異常発生情報は、監視ポイント、および、異常が発生している旨の情報を含む。異常発生情報は、エラーコード等、どのような異常が発生しているかを示す情報を含むようにしてもよい。
【0028】
警報出力制御部17は、異常検知部16が異常を検知して異常発生情報が出力された場合、第2種別カウント部152が、異常が検知された監視ポイントに対して設定された、第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、出力装置(図示省略)に対して、警報を出力させる。
出力装置とは、例えば、スピーカ、ディスプレイ等である。例えば、出力装置がスピーカである場合、警報出力制御部17は、スピーカから警報音を出力させる。また、例えば、出力装置がディスプレイである場合、警報出力制御部17は、ディスプレイに警報情報を表示させる。
なお、出力装置は、施設監視装置1に備えられるものとしてもよいし、施設監視装置1の外部の、施設監視装置1が参照可能な場所に備えられるようにしてもよい。
【0029】
次に、実施の形態1に係る施設監視装置1の動作について説明する。
なお、前提として、実施の形態1では、管理者等が、予め、監視ポイントAに対して、複数の種類の保留時間として、上述の「インターロック保留時間」、「設定値変更保留時間」、および、「警報出力保留時間」の3種類の保留時間を、施設監視装置1に設定しているものとする。
実施の形態1では、監視ポイントAについて、インターロック保留時間5分が設定されており、当該インターロック保留時間の発生条件は、監視ポイントAの電源がONになったこととする。また、監視ポイントAについて、設定値変更保留時間5分が設定されており、当該設定値変更保留時間の発生条件は、監視ポイントAに対して、設定されている設定温度の変更があったこととする。また、監視ポイントAについて、警報出力保留時間3分が設定されており、当該警報出力保留時間の発生条件は、異常検知部16が監視ポイントAに異常を検知したこととする。また、監視ポイントAに関する警報出力条件は、計測温度が閾値を超えたこととする。
また、予め、管理者等は、監視ポイントAの設定温度を27℃、監視ポイントAの設定温度の閾値を29℃に設定しているものとして、以下説明する。
【0030】
図3は、実施の形態1に係る施設監視装置1の動作の一例を説明するフローチャートである。
【0031】
ポイント情報収集部11は、監視ポイント毎に、監視ポイント情報を、予め決められた周期で収集し(ステップST301)、収集した監視ポイント情報を、ポイント情報記憶部12に記憶させる(ステップST302)。
実施の形態1では、一例として、ポイント情報収集部11は、1分周期で、監視ポイント情報を収集するものとする。
【0032】
異常検知部16は、監視機能が有効かどうかを判定する(ステップST303)。
ステップST303において、異常検知部16が、監視機能が有効であると判定した場合(ステップST303の“YES”の場合)、ステップST304に進む。
ステップST303において、異常検知部16が、監視機能が有効ではないと判定した場合(ステップST303の“NO”の場合)、ステップST305に進む。
監視機能は、制御部(
図1では図示省略)によって有効に設定されるまで、無効となっている。制御部は、第1種別に属する保留時間が全て満了した時点で、監視機能を有効にする(詳細は後述する)。ここでは、制御部は、まだ監視機能を有効に設定していないため、異常検知部16は、監視機能は有効ではないと判定し、ステップST305に進む。ステップST304の動作については後述する。
【0033】
状態判定部13は、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、監視ポイントの状態が、監視ポイントに対して予め設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定する(ステップST305)。具体的には、状態判定部13は、監視ポイントの状態が、「インターロック保留時間」、「設定値変更保留時間」、および、「警報出力保留時間」の発生条件を満たすかどうかを判定する。
【0034】
ステップST305において、状態判定部13が、予め設定された複数の保留時間のうち、いずれの発生条件も満たさないと判定した場合(ステップST305の“NO”の場合)、ステップST301に戻る。
【0035】
ステップST305において、状態判定部13が、予め設定された複数の保留時間のうち、いずれかの発生条件を満たすと判定した場合(ステップST305の“YES”の場合)、状態判定部13は、保留時間の発生条件を満たしていると判定した監視ポイントの情報に、保留時間の種類の情報を付与して、種別分類部14に出力する。
【0036】
ここでは、例えば、ポイント情報収集部11は、2018/1/18 9:00に監視ポイントAから監視ポイント情報を収集し、ポイント情報記憶部12には、
図2に示すような監視ポイント情報を記憶させたとする。
この場合、監視ポイントAについて、「OFF」の状態から「ON」の状態となり、「インターロック保留時間」の発生条件を満たすことになる。
よって、状態判定部13は、監視ポイントAについて、「インターロック保留時間」のカウントが必要であると判定し、監視ポイントAの情報に、「インターロック保留時間」の情報を付与して、種別分類部14に出力する。
【0037】
種別分類部14は、ステップST305において状態判定部13が複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間について、目的に応じて、種別(第1種別または第2種別)に分類分けする(ステップST306)。
ここでは、種別分類部14は、監視ポイントAの「インターロック保留時間」について、第1種別に分類分けする。
そして、種別分類部14は、分類後保留時間情報を一時記憶させる。具体的には、ここでは、監視ポイント(監視ポイントA)の情報、保留時間の種類(インターロック保留時間)、保留時間の種別(第1種別)、保留時間の開始時刻「2018/1/15 9:00」、保留時間の満了時刻「2018/1/15 9:05」の情報を含む分類後保留時間情報が一時記憶される(
図4参照)。
なお、種別分類部14は、「インターロック保留時間」の発生条件を満たしていると判定した時刻を、例えば、該当の監視ポイントAの収集時刻とし、保留時間の開始時刻に設定するようにしている。
【0038】
カウント部15は、ステップST306において種別分類部14が分類分けした保留時間の種別は、第1種別であるかどうかを判定する(ステップST307)。
ステップST307において、カウント部15が、第1種別ではないと判定した場合(ステップST307の“NO”の場合)、ステップST311に進む。
【0039】
ステップST307において、カウント部15が、第1種別であると判定した場合(ステップST307の“YES”の場合)、第1種別カウント部151は、監視ポイント毎に、種別分類部14が分類分けした第1種別に属する保留時間の経過時間をカウントする(ステップST308)。
この時点では、
図4に示すように、分類後保留時間情報には、第1種別に属する保留時間は、監視ポイントAに関する「インターロック保留時間」だけである。
よって、第1種別カウント部151は、監視ポイントAの「インターロック保留時間」について、開始時刻から現在までの経過時間をカウントする。
第1種別カウント部151は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に、カウントした、保留時間の経過時間の情報を付与する(
図5参照)。
【0040】
制御部は、監視ポイント毎に、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたかどうかを判定する(ステップST309)。
ステップST309において、制御部が、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたと判定した場合(ステップST309の“YES”の場合)、ステップST310に進む。
ステップST309において、制御部が、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしていないと判定した場合(ステップST309の“NO”の場合)、ステップST301に戻る。
【0041】
ここでは、現在時刻を2018/1/15 9:00とすると、第1種別カウント部151は、まだ、第1種別に属する「インターロック保留時間」の満了まで経過時間をカウントしていないので、ステップST301に戻る。
すなわち、施設監視装置1において、第1種別に属する全ての保留時間が満了しない間は、監視機能は有効にされない。
【0042】
ステップST301に戻ると、以降の処理を繰り返す。
ここで、2018/1/15 9:03に、監視ポイントAの設定温度が27℃から28℃に変更されたとする。
この場合、ステップST301にて、ポイント情報収集部11が、2018/1/15 9:03の監視ポイント情報を収集し(ステップST301)、収集した監視ポイント情報を、ポイント情報記憶部12に記憶させて(ステップST302)、ポイント情報記憶部12には、例えば、
図6に示すような監視ポイント情報が記憶される。
【0043】
監視機能は有効ではないので(ステップST303の“NO”の場合)、ステップST305に進み、ステップST305において、状態判定部13は、監視ポイントAについて、「設定値変更保留時間」の発生条件を満たすと判定し(ステップST305の“YES”の場合)、「設定値変更保留時間」の発生条件を満たすと判定した監視ポイントAの情報に、保留時間の種類の情報を付与して、種別分類部14に出力する。
【0044】
種別分類部14は、ステップST305において、状態判定部13が発生条件を満たしていると判定した保留時間について、目的に応じて、種別(第1種別または第2種別)に分類分けする(ステップST306)。
ここでは、種別分類部14は、監視ポイントAの「設定値変更保留時間」について、第1種別に分類分けする。
そして、種別分類部14は、
図7に示すような、分類後保留時間情報を一時記憶させる。分類後保留時間情報には、すでに、「インターロック保留時間」の情報が記憶されているので、種別分類部14は、
図7に示すように、「インターロック保留時間」の情報に、「設定値変更保留時間」の情報を追加する。なお、「インターロック保留時間」については、すでに、継続時間のカウントが開始されているが、
図7においては、「インターロック保留時間」に付与された経過時間の情報の記載は省略している。
【0045】
「設定値変更保留時間」は第1種別であるので(ステップST307の“YES”の場合)、ステップST308に進み、第1種別カウント部151は、監視ポイント毎に、種別分類部14が分類分けした第1種別に属する保留時間の経過時間をカウントする。
そして、第1種別カウント部151は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に、カウントした、保留時間の経過時間の情報を付与する(
図8参照)。
2018/1/15 9:03の時点では、監視ポイントAについて、第1種別に属する保留時間には、「インターロック保留時間」と「設定値変更保留時間」が含まれており、「インターロック保留時間」はまだ満了していない。
よって、第1種別カウント部151は、「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」の2種類の保留時間の経過時間を、並行してカウントする。そして、
図8に示すように、「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」の経過時間について、それぞれ、分類後保留時間情報に付与する。
【0046】
制御部は、監視ポイント毎に、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたかどうかを判定する(ステップST309)。
ここでは、現在時刻を2018/1/15 9:03とすると、第1種別カウント部151は、まだ、第1種別に属する「インターロック保留時間」および「設定値変更保留時間」の満了まで経過時間をカウントしていないので(ステップST309の“NO”の場合)、ステップST301に戻る。
すなわち、まだ、施設監視装置1において、監視ポイントAに対する監視機能は有効にされない。
【0047】
ステップST301に戻ると、以降の処理を繰り返す。
ここで、その後、監視ポイントAに対して、設定温度の変更等、設定値の変更が行われないまま、2018/1/15 9:08になったとする。
この場合、ステップST309において、制御部は、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたと判定し(ステップST309の“YES”の場合)、ステップST310に進む。
そして、制御部は、監視ポイントAに対する監視機能を有効にする(ステップST310)。具体的には、制御部は、監視ポイントAに対して、計測温度が29℃を超えていないかどうかの監視機能を有効にする。そして、ステップST301に戻る。
なお、その際、制御部は、第1種別カウント部151が一時記憶させている分類後保留時間情報を削除するようにする。
なお、ステップST301~ステップST308の具体的な動作は説明済みであるため省略したが、ステップST302において、ポイント情報記憶部12には、
図9に示すような監視ポイント情報が記憶されている。
【0048】
ステップST301に戻り、ポイント情報収集部11は、2018/1/18 9:09の監視ポイント情報を収集し、ポイント情報記憶部12に記憶させる(ステップST302)。このとき、監視ポイントAの設定温度および計測温度は、ともに28℃であったとする。
制御部によって監視機能は有効に設定されているので(ステップST303の“YES”の場合)、ステップST304に進み、異常検知部16は、ステップST301,ステップST302においてポイント情報収集部11が収集し、ポイント情報記憶部12に記憶させている監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、異常を検知したかどうかを判断する(ステップST304)。
ここでは、監視ポイントAの計測温度は28℃であり、閾値29℃を超えていないため、監視ポイントAの状態は警報出力条件を満たしていない。よって、異常検知部16は、監視ポイントAには異常は発生していないと判断する(ステップST304の“NO”の場合)。
異常検知部16は、該当の監視ポイントについて、カウント部15によって異常出力保留時間のカウントが開始されていれば、当該異常出力保留時間に関する情報についてリセットし(ステップST314)、ステップST301に戻る。
【0049】
その後、監視ポイントAについて、2018/1/15 9:10に、計測温度が30℃になったとする。
ステップST302においてポイント情報記憶部12には、
図10に示すような監視ポイント情報が記憶されているとする。
制御部によって監視機能は有効に設定されているので(ステップST303の“YES”の場合)、ステップST304に進み、異常検知部16は、ステップST301,ステップST302においてポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、異常を検知したかどうかを判断する(ステップST304)。
ここでは、監視ポイントAの計測温度は30℃であり、閾値29℃を超えているため、監視ポイントAの状態は警報出力条件を満たしている。よって、異常検知部16は、監視ポイントAに異常が発生していると判断する(ステップST304の“YES”の場合)。そして、異常検知部16は、異常発生情報を警報出力制御部17に出力し、ステップST305に進む。
【0050】
ステップST305において、状態判定部13は、「警報出力保留時間」の発生条件を満たすと判定し(ステップST305の“YES”の場合)、監視ポイントAの情報に、「警報出力保留時間」の情報を付与して、種別分類部14に出力する。
【0051】
種別分類部14は、ステップST305において、状態判定部13が発生条件を満たしていると判定した保留時間について、目的に応じて、種別に分類分けする(ステップST306)。
ここでは、種別分類部14は、監視ポイントAの「警報出力保留時間」について、第2種別に分類分けする。
そして、種別分類部14は、
図11に示すような、分類後保留時間情報を一時記憶させる。
【0052】
「警報出力保留時間」は第2種別であるので(ステップST307の“NO”の場合)、ステップST311に進み、第2種別カウント部152は、監視ポイント毎に、種別分類部14が分類分けした第2種別に属する保留時間の経過時間をカウントする。
そして、第2種別カウント部152は、種別分類部14が一時記憶させている分類後保留時間情報に、カウントした、保留時間の経過時間の情報を付与する(
図12参照)。
この時点では、監視ポイントAについて、第2種別に属する保留時間には、「警報出力保留時間」が含まれている。
【0053】
制御部は、監視ポイント毎に、第2種別カウント部152が第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたかどうかを判定する(ステップST312)。
ステップST312において、制御部が、第2種別カウント部152が第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたと判定した場合(ステップST312の“YES”の場合)、ステップST313に進む。
ステップST312において、制御部が、第2種別カウント部152が第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしていないと判定した場合(ステップST312の“NO”の場合)、ステップST301に戻る。
【0054】
現在時刻2018/1/15 9:10の時点では、第2種別カウント部152は、まだ、第2種別に属する「警報出力保留時間」の満了まで経過時間をカウントしていないので、ステップST301に戻る。
すなわち、施設監視装置1において、監視ポイントAの異常は検知しているが、警報の出力が保留にされ、警報は出力されない。
【0055】
ステップST301に戻ると、以降の処理を繰り返す。
ここで、その後、監視ポイントAに対して、計測温度30℃の状態が3分継続し、2018/1/15 9:13になったとする。
この場合、ステップST313において、制御部は、第2種別カウント部152が第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントしたと判定し(ステップST312の“YES”の場合)、警報出力要情報を、警報出力制御部17に出力して、ステップST313に進む。
なお、ステップST301~ステップST307,ステップST311の具体的な動作は説明済みであるため省略する。
【0056】
警報出力制御部17は、出力装置に対して、警報を出力させる(ステップST313)。
なお、その際、制御部は、第2種別カウント部152が一時記憶させている分類後保留時間情報を削除するようにする。
【0057】
以上のように、施設監視装置1において、管理者等によって、予め、複数種類の保留時間が設定されている場合、種別分類部14は、保留時間の目的に応じて、保留時間の種別の分類分けを行い、カウント部15は、同じ種別に属する保留時間については、先に発生条件を満たして経過時間のカウントが開始されている保留時間の満了を待つことなく、後から発生条件を満たした別の保留時間の経過時間のカウントを開始するようにした。
これによって、同じ種別に属する複数の保留時間で待ちが発生することがなく、その結果、警報出力までの無駄な保留時間を省くことができる。
【0058】
なお、上述の動作説明においては、説明の簡単のため、監視ポイントは監視ポイントAのみとしたが、上述の動作は、監視ポイント毎に行われる。
【0059】
従来は、同じ種別に属する保留時間が複数設定され、先に発生条件を満たした保留時間が満了する前に、後から発生条件を満たした別の保留時間が生じても、先に生じた保留時間が満了するまで、後から生じた別の保留時間の経過時間のカウントは開始されないようになっていた。
【0060】
ここで、
図13は、従来の施設監視装置において、複数の保留時間のカウント方法の一例を説明するための図である。
また、
図14は、
図13に示す状況と同じ状況下での、実施の形態1に係る施設監視装置1における、複数の保留時間のカウント方法の一例を説明するための図である。
図13,
図14では、監視ポイントを空調機とし、施設監視装置が、空調機の異常を検知し、警報を出力する場合の、各保留時間のカウント方法の一例を示している。
また、施設監視装置において、予め、「インターロック保留時間」、「設定値変更保留時間」、および、「警報出力保留時間」の3種類の保留時間が設定されているものとする。「インターロック保留時間」の発生条件は、空調機がONにされたこととし、「設定値変更保留時間」の発生条件は、空調機の設定温度の設定値が変更されたこととし、「警報出力保留時間」の発生条件は、温度測定対象空間の温度の計測値が閾値を超え、異常が検知されたこととする。
【0061】
従来の施設監視装置では、例えば、
図13に示すT
0の時点で空調機の電源がONにされると、「インターロック保留時間」のカウントが開始される。その後、当該「インターロック保留時間」が満了となる前に、T
1の時点で空調機の設定温度設定値変更が行われたとする。この場合、「設定値変更保留時間」の発生条件を満たすことになるが、
図13に示すように、「インターロック保留時間」が満了するまでは、「設定値変更保留時間」のカウントが待ち状態になる。
さらに、T
2の時点で空調機の温度の計測値が閾値を超える等、警報出力条件を満たしたとしても、「インターロック保留時間」に続けて「設定値変更保留時間」が満了するまでは、「警報出力保留時間」のカウントが待ち状態になる。そして、「警報出力保留時間」が経過した、T
3の時点で、警報が出力される。
【0062】
これに対し、実施の形態1に係る施設監視装置1では、
図14に示すように、「インターロック保留時間」と「設定値変更保留時間」とは、並行して経過時間がカウントされる。
すなわち、「インターロック保留時間」が満了していなくても、空調機の温度の設定値変更が行われ、「設定値変更保留時間」の発生条件を満たせば、即、T
1の時点で「設定値変更保留時間」のカウントが開始される。これにより、「設定値変更保留時間」が満了した後、監視機能を有効にするまでの時間を短縮できる。
その結果、「警報出力保留時間」がカウント開始可能となる時刻も前倒しされ、警報出力までの時間を、T
3’の時点まで短縮できる。
【0063】
以上の実施の形態1では、種別分類部14は、異常の発生の検知機能を有効にしないために設けられた保留時間か、警報の出力を保留するために設けられた保留時間かによって、第1種別または第2種別の2つに分類分けを行うようにした。しかし、これは一例に過ぎず、種別分類部14は、3つ以上の種別に分類分けを行うようにすることもできる。
また、種別分類部14は、複数の種別の分類分けを行う際、保留時間の発生条件を満たした都度カウントを開始し並行して継続時間のカウントを行うことが可能な1つ以上の保留時間が同じ種別となり、並行して継続時間のカウントを行うことが可能ではない保留時間が別の種別となるよう、保留時間の分類分けを行うようになっていればよい。
また、種別分類部14によって分類分けされる保留時間の種別が3つ以上の場合、カウント部15は、ある種別に属する全ての保留時間が満了した後、当該ある種別とは別の種別の保留時間のカウントを開始するようにする。各種別に属する保留時間について、どの種別からカウントを開始するかの順番については、適宜、優先順位を設定しておくようにする。
【0064】
以上のように、実施の形態1によれば、施設監視装置1は、監視ポイント毎に、監視ポイントの状態に関する監視ポイント情報を収集するポイント情報収集部11と、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、当該監視ポイントの状態が、当該監視ポイントに対して設定された複数の種類の保留時間のうちのいずれかの発生条件を満たしているかを判定する状態判定部13と、状態判定部13が、発生条件を満たしていると判定した場合、当該発生条件に対応する保留時間を第1種別または第2種別に分類分けする種別分類部14と、監視ポイント毎に、種別分類部14が分類分けした第1種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第1種別カウント部151と、監視ポイント毎に、第1種別カウント部151が第1種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、種別分類部14が分類分けした第2種別に属する、1つまたは複数種類の保留時間の経過時間のカウントを、当該保留時間の発生の都度開始する第2種別カウント部152と、ポイント情報収集部11が収集した監視ポイント情報に基づき、監視ポイント毎に、異常の発生を検知する異常検知部16と、異常検知部16が異常を検知した場合、第2種別カウント部152が、異常が検知された監視ポイントに対して設定された、第2種別に属する全ての種類の保留時間の満了まで経過時間をカウントした後、警報を出力する警報出力制御部17とを備えるように構成した。これにより、監視対象の運転が開始されてから当該監視対象の異常等を検知し警報を出力するまでに複数の種類の保留時間が設定されている場合に、警報出力までの無駄な保留時間を省き、速やかに警報を出力することができる。
【0065】
また、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 施設監視装置
11 ポイント情報収集部
12 ポイント情報記憶部
13 状態判定部
14 種別分類部
15 カウント部
16 異常検知部
17 警報出力制御部
151 第1種別カウント部
152 第2種別カウント部