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7068829生物サンプルの生理的性質を測定するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】生物サンプルの生理的性質を測定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
G01N33/543 591
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018000613
(22)【出願日】2018-01-05
(65)【公開番号】P2018179967
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】15/480,586
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・シー・ニールソン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ディー・マクガー
【審査官】三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516596(JP,A)
【文献】特表2007-505316(JP,A)
【文献】特表2016-503299(JP,A)
【文献】特表平04-500307(JP,A)
【文献】特表2005-528582(JP,A)
【文献】特表2001-521162(JP,A)
【文献】特表2002-533727(JP,A)
【文献】国際公開第2014/198836(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0152210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
G01N 21/75-21/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するための装置であって、
第1の表面と第2の表面を有する蓋と、
前記蓋の第1の表面に接続しそこから延長した複数のスパインであって、前記複数のスパインのそれぞれが遠位端を有するボディーを含む、スパインと、
1つまたは複数の分析物に会合しそれに応答するシグナルを提供するための、前記複数のスパインの少なくとも1つの遠位端に配置されたセンサーと
を含み、
前記複数のスパインのそれぞれがボディー上にインペラーを含む、装置。
【請求項2】
前記センサーが蛍光インジケーターである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサーが透過性媒体中に埋め込まれたインジケーターである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサーが捕捉試薬である、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のスパインが24、48、96、384、または1536個のスパインを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のスパインのそれぞれが長さを有し、前記長さが1mmと20mmの間である、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のスパインが集合的に平均長を有し、前記複数のスパインのそれぞれの長さが前記平均長の20%以内である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のスパインが前記蓋に着脱可能に接続されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するためのシステムであって、
複数のウェルを有するウェルプレートであって、前記ウェルが開放端および前記開放端と反対側の閉鎖端を有する、ウェルプレートと、
前記複数のスパインが前記開放端を介して前記ウェルに延長している、請求項1からのいずれか1項に記載の装置と
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし。
【0002】
本開示は、生物学的流動の測定など、生物サンプルの多数の生理的性質を測定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
生細胞は典型的にそれらの周辺環境から酸素(O2)を消費し、二酸化炭素(CO2)、ラクテート、および様々な他の代謝副産物などの代謝副産物を放出する。フラックスアナライザーによって、酸素消費速度(OCR)、細胞外酸性化速度(ECAR)、CO2生成速度(CPR)、および/または他の生物学的流動パラメーターを測定することができる。このような測定によって、これらの生細胞により実施された代謝プロセスに関する貴重な情報を提供することができる。
【0004】
生細胞のOCRとECARを測定する1つの公知の方法は、一組の蛍光センサーを使用した、ウェルプレートでこれらの生細胞によって生じたO2とH+の流動を測定することによる方法である。蛍光センサーを使用してO2とH+の流動を検出するアナライザーの一例は、Seahorseフラックスアナライザーであり、これは米国特許第7,276,351号および米国特許第8,202,702号中に一般的に記載されている。蛍光センサーは経時的に蛍光シグナルの強度を測定する。生細胞含有サンプルに関して、経時的シグナルは、細胞の代謝によって消費または生成されるO2分子およびH+イオンの生成または消費速度に正比例する。このデータを使用して、生細胞によって消費および生成されるO2分子およびH+イオンの流動を計算する。
【0005】
フラックスアナライザーおよび流動測定に関する問題は、このようなデバイスの使用と製造、および所望レベルの正確性と精度の獲得における難題を含む。
【0006】
PreSens GmbH of Regensburg、Germanyはセンサープレート(OxoPlate OP96U)を製造しており、これは従来型の96ウェルのウェルプレートの底部に配置されたヒドロゲル基質中に埋め込まれた蛍光色素を使用する。この製品は検出システムと共に作用するよう設計されており、検出システムは、振動入力(励振)を適用して参照色素への主要反応色素のフェーズシフトを読み取ることにより、蛍光色素の減衰時間を測定する。生物サンプルは、ウェル内部、色素の上部に置かれ、一定時間で平衡状態にし、その間にウェル全体が測定される分析物と平衡状態になる。欠点は、大きな開放体積が原因の長い平衡化時間、蛍光色素を含有する非標準プレート、細胞の成長/増殖に影響を与え得るプレートの底部中のセンサー、一分析物に限定されること、および独占所有権下にある電気光学システムを含む。
【0007】
米国特許第6,395,506号(Becton Dickerson)は冷光検出システムを開示し、これは濃度依存的に化合物の冷光発光を消失(減衰)させる酸素の存在に対する特定化合物の冷光発光の感度を使用する。Becton Dickersonは、製造中止となったOBS Bioplateと呼ばれる製品も製造していた。BDプレートは、酸素の存在下で消光した一励振二重発光性冷光色素のレシオメトリック強度を測定することにより、一般的プレートリーダーで読み取ることができた。この形状では、蛍光色素はプレートの底部に配置されており、PreSens製品と同様の欠点を有していた。
【0008】
米国特許第5,718,842号(Joanneum Reserach)は、オキソポルフィリンの金属錯体を含む冷光色素を論じている。Luxcelは、生物サンプルと共に媒体中に溶解する冷光色素を含有するリン光性酸素プローブキットを製造している。これらのキットは標準プレートリーダーで読み取ることができ、ハイスループットで計測可能であるが、感度を欠く。別の欠点は、センサーが媒体中に溶解するのでサンプルの夾雑である。他の欠点は、大きな開放体積が原因の長い平衡化時間であるが、これは媒体の上部に油層を加えることにより短縮できる。さらに、冷光プローブが媒体中に溶解することから、侵入性という他の欠点もある。
【0009】
Pall ForteBio LLC of Fremont、Californiaは、サンドイッチELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)に基づきタンパク質を測定するための浸漬およびリードアッセイ計器を製造している。このバイオセンサーアッセイ計器は、センサープローブの遠位端がマトリックスタンパク質でコーティングされる。センサーは、機器により読み取られる干渉パターンを変えることによってタンパク質の結合に反応する。このシステムの欠点は、キットが反応速度論的な結合および(特異的結合事象の)単一終点読み出しに限定される点である。
【0010】
米国特許第5,496,697号(Molecular Devices Corp.)は、生細胞に対する細胞作用物質の影響を検出するための方法および装置を論じている。生細胞はマイクロフローチャンバー中に保持される。マイクロフローチャンバーは、細胞と密着した溶液または懸濁液の連続流または不連続流のいずれかに適合している。次いで細胞作用物質を含有する溶液または懸濁液は細胞と密着して流れ、窪みが測定される。
【0011】
Molecular Devices Corp.of Sunnyvale、Californiaは、光対応型電位差計センサーを使用して小型密閉チャンバー内のpHの変化を測定するための、「Cytosensor」という名称の製品を以前販売していた。この製品は製造中止になっている。この製品は、チャンバーを介した媒体の流れを定期的に止めた灌流システムに基づくものであった。流れの停止時間中、小型チャンバーが作られ、複数のタイムポイントにわたり流動の増幅とpHの測定が行われた。このシステムの考えられる欠点は、その複雑な灌流システム、一分析物に限定されること(pH)、非標準プレート、規模拡張が困難であったこと(8ウェル形式で販売されていたため)、および電気光学システムに独占所有権があったことを含む。
【0012】
生物学的分析物の測定に使用するのに適しており製造するのが容易な装置および方法が依然として必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許第7,276,351号
【文献】米国特許第8,202,702号
【文献】米国特許第6,395,506号
【文献】米国特許第5,718,842号
【文献】米国特許第5,496,697号
【発明の概要】
【0014】
本開示は、媒体中に置かれた生物器官系または生物サンプルによって消費および/または生成される1つまたは複数の分析物の生理的性質を測定するための装置および方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】媒体に囲まれた生物サンプルを含有するウェルプレートのウェル中に配置された装置のスパインを示す、本開示の装置の一実施形態の前部横断面図である。
図2】ウェルプレートと嵌合した本開示の装置の一実施形態の斜視図である。
図3】シグナル検出器とプロセッサーを含む装置の一実施形態を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用する用語「流動」は、パラメーターの変化を時間の関数として意味する。パラメーターにより表された反応物の消費または反応によって、その変化を予想することができる。
【0017】
一態様として、本開示は、生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するための装置を提供する。この装置は、第1の表面と第2の表面を有する蓋、蓋の第1の表面に接続しそこから延長した複数のスパインであって、複数のスパインのそれぞれが遠位端を有するボディーを含む、スパイン、および1つまたは複数の分析物に会合しそれに応答するシグナルを提供するための、複数のスパインの少なくとも1つの遠位端に配置されたセンサーを含む。
【0018】
別の態様として、本開示は、生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するためのシステムを提供する。このシステムは、複数のウェルを有するウェルプレートを含む。ウェルは、開放端および開放端と反対側の閉鎖端を有する。システムは、本明細書で開示する蓋と複数のスパインを含む任意の装置も含んでいてもよい。複数のスパインは、開放端を介してウェルに延長している。システムは、センサーからシグナルを検出する位置にシグナル検出器、例えばプレートリーダーまたは電荷結合素子(CCD)カメラも含んでいてもよい。システムは、シグナル検出器と連結したプロセッサーも含んでいてもよい。
【0019】
さらに別の態様として、本開示は、生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するための装置の製造方法を提供する。この方法を使用して、本明細書で開示する蓋および複数のスパインを含む任意の装置を製造することができる。例えばこの方法は、第1の表面と第2の表面を有する蓋、および蓋の第1の表面に接続しそこから延長した複数のスパインの提供を含んでいてもよい。複数のスパインのそれぞれは遠位端を有するボディーを含む。この方法は、複数のスパインの少なくとも1つの遠位端へのセンサーの適用も含み、センサーは、1つまたは複数の分析物に会合してそれに応答するシグナルを提供する。幾つかの実施形態では、ポリマー材料を成型し蓋と複数のスパインを形成することによって蓋を提供する。
【0020】
使用中、本開示の特定の実施形態の装置は、ウェルを画定するウェルプレートと嵌合する。それぞれのウェルは媒体内に置かれた生物サンプルを含む。装置のスパインは、各スパインの遠位端に配置されたセンサーが媒体中の生物サンプルによって消費および/または生成される1つまたは複数の分析物に会合できるように、ウェル中に挿入または配置する。センサーは1つまたは複数の分析物に応答するシグナルを生成し、シグナルはこのような分析物の量または濃度を示し得る。様々な公知の方法を実施して、光シグナルの検出などによりセンサーからシグナルを検出し、様々なタイムポイントで1つまたは複数の分析物の濃度の変化を測定する。これらの測定をさらに使用し、時間の関数として1つまたは複数の分析物の流動をコンピューターで計算することができる。
【0021】
ここで図1を参照して、本開示の装置の一実施形態を示す。様々な実施形態では、装置100は(1)第1の表面108と第2の表面112を有する蓋104、(2)第1の表面108に接続しそこから延長したスパイン116、(3)各スパイン116上に配置されたセンサー120、および(4)第1の表面108に接続しそこから延長した突起124を含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、装置は1つまたは複数のスパインを含む。特定の実施形態における各スパインは、同一または実質的に同一であることが理解されるものとする。したがって、図1中に示し以下でさらに詳細に論じられるスパイン116は、特定の実施形態中に含まれるスパインの一例である。しかしながら、スパインが必ずしも同一または実質的に同一ではなくてもよく、それぞれの位置および本開示の装置の他の部材との接続または形成に基づいて、変わり得ることが理解されるものとする。幾つかの実施形態では、複数のスパインは、それが標準ウェルプレートと対応または連係するように、24個のスパイン、あるいは48個のスパイン、あるいは96個のスパイン、あるいは384個のスパイン、あるいは1536個のスパインを含む。
【0023】
図1に最もよく示されるように、スパイン116は遠位端132を有する放射状に先細りしたボディー128を含む。この実施形態では、ボディー128の遠位端132は約1ミリメートルの直径を有する。他の実施形態では、遠位端132は、1ミリメートルを超える直径または1ミリメートル未満の直径を有していてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、複数のスパイン116のそれぞれが長さを有し、その長さは1mmと20mmの間、あるいは5mmと15mmの間、あるいは約10mmである。幾つかの実施形態では、複数のスパインが集合的に平均長を有し、複数のスパインのそれぞれの長さは平均長の20%以内、あるいは10%以内、あるいは5%以内である。幾つかの実施形態では、遠位端は実質的に平坦な表面を有し、および/またはスパインの遠位端の表面積は0.01mmと16mmの間、あるいは0.25mmと4mmの間、あるいは約1mmであるが、表面積は16mmを超えるかまたは0.01mm未満である別の適切なサイズであってよいことがさらに理解されるものとする。幾つかの実施形態では、スパイン116の遠位端は実質的に円形であり、直径は0.1mmと2mmの間、あるいは0.5mmと1.5mmの間、あるいは約1mmである。さらにスパイン116は、蓋104の第1の表面108に接続しそこから延長するとき、別のスパイン(複数可)から等距離または実質的に等距離に配置することができる。例えば特定の実施形態では、スパイン116は、別のスパイン116(複数可)から1mmと20mmの間、あるいは約10mmに位置する。2つ以上のスパイン間の距離は、10mmを超えるかまたは10mm未満である別の適切な長さであってよいことがさらに理解されるものとする。
【0025】
幾つかの実施形態では、複数のスパインのそれぞれの遠位端は、開放端と反対側の閉鎖端にウェルの開放端を介して延長する。遠位端は、閉鎖端から例えば50マイクロメートルと800マイクロメートルの間、あるいはウェルの閉鎖端から100マイクロメートルと400マイクロメートルの間、あるいは約200マイクロメートルの距離に存在してよい。
【0026】
特定の実施形態は、着脱可能に蓋に接続したスパイン(複数可)を含んでいてもよい。例えば、スパイン(複数可)の近位端は蓋中のネジ山と逆のネジ山を有し得る。あるいは、近位端はサイズ変更することができ、または蓋中にホールドされたときに圧縮フィットするよう設定された部分を有する。代替実施形態が、蓋に一体型に接続したスパイン(複数可)を含んでいてもよいことが理解されるものとする。
【0027】
幾つかの実施形態では、装置はその各々にセンサーを有するスパインを含む。より具体的には、特定の実施形態では、センサー120はスパイン116のボディー128の遠位端132上に配置される。以下でさらに論じられるように、センサー120は1つまたは複数の分析物に会合し、適切な測定デバイスによって検出されるシグナルを提供するよう設定される。特定の実施形態では、全てのスパインが各スパイン上に配置されたセンサーを必ずしも有していなくてもよい。さらに、遠位端以外のスパインのボディーの別の適切な部分に、センサーを配置できることが理解されるものとする。
【0028】
幾つかの実施形態では、装置は蓋に連結した複数のスパインを有し、それぞれのスパインは実質的に同一のセンサーを有する。例えばそれぞれのスパインは、スパインの平面遠位端に均一に分布した実質的に同一な量の同じフルオロフォア(複数可)を有する。幾つかの実施形態では、装置は蓋に連結した複数のスパインを有し、少なくとも2つのスパインが異なる量のセンサーを有する。例えば、複数のスパインの第1のスパインは第1の量のセンサーを有していてもよく、複数のスパインの第2のスパインは第2の量のセンサーを有していてもよく、装置は第3、第4、およびそれ以上の量のセンサーを有するスパインも含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、装置は蓋に連結した複数のスパインを有し、少なくとも2つのスパインが異なるセンサーを有する。例えば、複数のスパインの1つまたは複数が第1のセンサーを有していてもよく、複数のスパインの1つまたは複数が第2のセンサーを有していてもよい。装置は第3、第4、およびそれ以上のタイプのセンサーを有するスパインも含んでいてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、それぞれのスパインは、蓋の複数の全スパイン上のセンサーの近似量と20%未満、あるいは10%未満、あるいは5%未満異なる量のセンサーを有する。
【0030】
幾つかの実施形態では、センサーは、酸素透過性媒体などの透過性媒体中に埋め込まれたインジケーターである。例えばセンサーは、ヒドロゲルなどの酸素透過性媒体中に埋め込まれた、酸素消失フルオロフォアなどの蛍光インジケーターであってよい。幾つかの実施形態では、蛍光インジケーターはHPTS、フルオレセイン、ポルフィリン、およびルテニウムから選択される。蛍光インジケーターは、ウェル中の成分の存在および/または濃度に応じて蛍光シグナルを提供する。電気化学的センサー、ISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ)センサー、クラーク電極などのアンペロメトリックセンサー、生体感受性要素、例えば抗体および核酸などの、他のタイプの公知のセンサーを使用することができる。他の実施形態では、センサーは、適切な測定デバイスによって検出されるよう設定された別の適切なセンサーであってよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、インジケーターは、ヒドロゲル、シリコーン、およびマトリゲルから選択される透過性媒体などの透過性媒体中に埋め込まれている。幾つかの実施形態では、(乾燥、硬化、冷却、蒸発または他の技法などによる)媒体の固体化または除去によって、センサーを複数のスパインと結合させる。複数のスパインの少なくとも1つの遠位端を媒体内の蛍光インジケーターの混合物中に浸漬またはスポッティングすることによって、センサーを適用することができる。
【0032】
特定の実施形態では、装置のスパインのボディーに、センサーをスポッティングまたは浸漬できることが理解されるものとする。特定の実施形態では、装置のスパインのボディーに、センサーを着脱可能に接続できることがさらに理解されるものとする。特定の実施形態では、センサーは装置のスパインのボディーと一体型に形成できることがさらに理解されるものとする。複数のスパインで実質的に同一のセンサーを得るには、蒸着、ケミカルコーティング、スピンコーティング、浸漬、およびロボットスポッティングなどの、綿密な、特別に設計された製造技法が必要である。
【0033】
幾つかの実施形態では、蓋は、間隔を置いて配置された1つまたは複数の突起も含む。突起124は、丸形、円錐形、または三角形などの任意の適切な形状であってよい。突起124は、蓋104の第1の表面108がウェルプレートの表面と嵌合せず、前記ウェルプレートの表面と嵌合するよう設定される。より具体的には図1中に示したように、突起124は、ウェルプレート150の表面136と蓋104の第1の表面108の間に一定距離または空間が存在するように、ウェルプレート150の表面136と嵌合する。特定の実施形態では、この距離は突起124の長さに応じて変わり得る。突起が別の適切な形状であってよいことが理解されるものとする。代替実施形態では、本開示の装置は突起を含む必要がないことがさらに理解されるものとする。このような代替実施形態では、装置は、蓋104の第1の表面108とウェルプレート150の表面136の間の距離を形成する別の適切な部材を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、突起124はウェルプレート150上のインデントと逆であり、それらはウェルプレート上の蓋の適切な配置を保証または助長するアライメントメカニズムを一緒に形成する。
【0034】
特定の実施形態では、装置100は、各スパイン116がそれと一直線に並ぶウェル内に配置されるようにウェルプレート150と嵌合する。ウェルは媒体中に置かれた生物サンプル160を含む。生物サンプルは原核生物または真核生物であってよく、酸素ガスまたは別の適切な代謝化合物(複数可)を消費する真核生物であることが好ましい。
【0035】
サンプル領域中のウェル内に、分析物の勾配が形成される。センサー120と会合する1つまたは複数の分析物(示さず)を生物サンプル160が消費および/または生成するとき、この勾配180が一般に形成される。
【0036】
使用中、スパインはウェル中の所定の深さに配置される。図1中に示したように、センサー120および/またはスパイン116は生物サンプル160に会合していない。特定の実施形態では、この所定の深さは生物サンプル上部50~800マイクロメートル、あるいは100~400マイクロメートル、あるいは200マイクロメートルである。幾つかの実施形態では、この所定の深さは200マイクロメートルを超えるか、または200マイクロメートル未満である。幾つかの実施形態では、スパインの長さ、センサーのサイズ、ウェルプレートの寸法、またはこれらの組合せを変えることにより、この所定の深さを変更することができる。ウェル中の所定の深さに配置すると、スパインはサブチャンバーを画定することができ、このサブチャンバーはセンサーの近位端と生物サンプルの細胞単層の間の空間として画定され得る。例えばスパイン、装置の別の部材、および/または生物サンプルの1つまたは複数の性質が変わるとき、サブチャンバーのサイズは変動し得る。サブチャンバーの形成によって、センサーは生物サンプルの多数回の測定にわたり高い感度と再現性で1つまたは複数の分析物の生物学的流動を測定することができる。
【0037】
ウェル中にスパイン116を配置すると、センサー120は勾配180中の生物サンプル160によって消費および/または生成される1つまたは複数の分析物と会合する。勾配180中の1つまたは複数の分析物の濃度は経時的に変化する。センサー(複数可)は増大または減少したシグナルを提供することにより変化を検出する。勾配180中の1つまたは複数の分析物のこの濃度の変化を測定するため、センサー120は、プレートリーダーまたは非スキャン画像ベース収集システム、例えばCCD系カメラまたはセンサーチップなどの、シグナル検出器によって検出されるシグナルを提供する。センサー120からのシグナルを検出するため使用するデバイスは、適切な手段によってプロセッサー(複数可)に接続される。このような場合、センサー120の信号は、様々なタイムポイントにおける勾配中の1つまたは複数の分析物の濃度変化を計算することにより、センサー120によって回収されるプロセッサー(複数可)解析データをもたらす。これらの測定値をさらに解析して、時間の関数として1つまたは複数の分析物の流動を計算することができる。1つまたは複数の分析物が定常平衡状態になるまで測定値を回収することができる。このような地点において、勾配180中の1つまたは複数の分析物濃度の実質的変化はなく、したがって、時間の関数としての1つまたは複数の分析物の流動の計算は終了する。
【0038】
シグナル検出器を含む装置の例示的実施形態を図3中に示す。シグナル検出器は、センサー320が信号を送るCCD系カメラ342である。カメラ342は、カメラ342がセンサー320からのシグナルを検出できるように、センサー320およびウェルの底部と比較して下部に位置する。カメラ342は、計算を実行しセンサー320により感知されカメラ342により収集されるデータを解析するよう設定されたコントローラー/プロセッサー343と電気系統で接続する。
【0039】
本開示の装置は、24ウェルのウェルプレート、48ウェルのウェルプレート、96ウェルのウェルプレート、384ウェルのウェルプレート、または1536ウェルのウェルプレートなどの、標準ウェルプレートと共に使用されるよう充分設定することができる。ウェルプレートはSBS(Society for Biomolecular Screening)標準に適合させることができる。このような場合、幾つかの実施形態は、装置が嵌合するウェルプレートによって画定されるウェルの数以下の数のスパインを含んでいてもよい。例えば、装置が標準96ウェルプレートと嵌合するよう設定された場合、したがって装置は96個または96個より少ないスパインを含んでいてもよい。代替実施形態では、図2中に示したように、Seahorse XF測定システムにおいて使用されるウェルプレートなどの適切なSeahorseウェルプレート250に適合するように、装置200を設定することができる。このウェルプレートの使用に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,276,351号に記載されている。このような特定の実施形態では、装置200は、ウェルプレート250によって画定されるウェルの数と同じ、それを超える、またはそれより少ない数のスパイン216を含んでいてもよい。例えば、24ウェルを有するウェルプレート250に関して、装置は12、24または48個(または別の数の)スパインを含んでいてもよい。装置はウェルプレートの1ウェルへの挿入用に設定または整列された1、2、3、4個、またはそれより多くのスパインを含んでいてもよい。図2中に示されるように、使用中スパイン216上のセンサーが、ウェル中の勾配において生物サンプルによって消費および/または生成される1つまたは複数の分析物と会合できるように、所定の深さでウェルプレート250のウェル中にスパイン216を配置する。
【0040】
使用中、本開示の装置を移動させることができること、またはウェルプレートを移動させウェルプレートのウェル中に装置のスパインを配置することができること、または両方が可能であることが理解されるものとする。
【0041】
幾つかの実施形態では、本開示の装置は、(図2中に示したような)第1の縁240、第2の縁(示さず)、第3の縁(示さず)、および第4の縁(示さず)を含んでいてもよい。それぞれの縁は、蓋204と一体型に接続しそこから垂直に延長することができる。それぞれの縁は、ウェルプレートのウェル中にスパイン216を配置したとき蓋が実質的に動かないように、ウェルプレートの側面と嵌合するよう設定される。
【0042】
プレートリーダーまたはCCD系カメラ以外の別の適切な測定デバイスを使用して、センサーからのシグナルを検出できることが理解されるものとする。測定デバイスは、吸光度、蛍光強度、冷光、時間分解蛍光、および/または蛍光偏光の検出などの1つまたは複数の検出モードを有していてもよい。これらの検出モードを有するプレートリーダーは市販されている。幾つかの実施形態では、センサーからのウェルプレートの閉鎖端と反対の位置からセンサーを見ることができる。幾つかの実施形態では、センサーはセンサーの上部から、装置の蓋上部などから信号を送られる可能性があり、このような配置では、シグナルは蓋および/またはスパインを通過できるはずであり、したがって、例えば透明材料もしくは半透明材料を含む蓋および/またはスパインを有すること、または蓋および/またはスパインを通過するかまたはその中に含有される1つまたは複数の光ファイバーを有することによってシグナルを検出できる。
【0043】
スパインの構成、および特にスパインの表面積を考慮して、低酸素症の発生または局所pHの変化など生物サンプルの局所環境を夾雑または変更せずに、長時間ウェル中の勾配にスパインを配置できることがさらに理解されるものとする。
【0044】
幾つかの実施形態では、測定する1つまたは複数の分析物は、生物サンプルによって消費および/または生成される酸素ガス、水素イオン、または他の代謝経路の分析物であってよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、本開示の装置は、このような他の分子に応答するセンサーを有するように設定することができる。例えばこのような代替実施形態は、インスリン、グルカゴン、炎症マーカー(IL-7など)、または刺激物質ホルモン(HIFなど)を含めたシグナル伝達分子の濃度を測定するように設定することができる。このような代替実施形態では、スパインのボディー上のセンサーは固定化抗体であってよい。装置を様々な貯蔵器に移して、対象の1つまたは複数の分析物の濃度をさらに測定できるように、結合および洗浄ステップを実施することができる。結合および洗浄はウェルプレートのウェル中ではなく装置のスパインのボディー上で行うので、結合および洗浄ステップは、洗浄およびウェルプレートのウェルへの試薬添加を行う代わりに、異なる貯蔵器に装置を移動させることによって行うことができる。このようなステップを実施するため、スパインのボディー上の分子(複数可)が貯蔵器中の分子(複数可)に会合するように、装置を貯蔵器に移動させてもよいし、または貯蔵器を装置に移動させてもよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、ELISAアッセイを実施するように装置を設定することができる。このような場合、センサーは、抗体またはその抗原結合断片などの捕捉試薬を含む。捕捉試薬は、サンプル中の標的分子に結合し捕捉することができる試薬であり、したがって適切な条件下では、捕捉試薬-標的分子複合体をサンプルの残り部分から分離することができる。典型的には、捕捉試薬は固定化状態または固定化可能である。捕捉試薬は、スパイン(複数可)の表面に捕捉試薬を共有または非共有結合させることなどにより、スパイン(複数可)上、好ましくはスパイン(複数可)の遠位端上に固定化することができる。サンドイッチイムノアッセイに適合した装置では、捕捉試薬は、1つまたは複数の標的抗原に対する一抗体または異なる抗体の混合物であってよい。抗体は1つまたは複数のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)であってよい。捕捉試薬は、その断片が抗体の抗原結合活性を示す限り1つまたは複数の抗体断片であってよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、インペラーを装置のスパインのボディーに接続させそこから延長させることができる。このような代替実施形態では、インペラーをスパインのボディーと一体型に接続することができ、またはスパインのボディーに着脱可能に接続することができる。インペラーを設定して、生物サンプルと接しているかもしくはその周辺の媒体を振動的または非振動的に混合する、または媒体を灌流することができる。例えば、本開示の装置のこのような代替実施形態は、振動し得る表面上に配置することができる。装置が上に存在するこの表面が振動すると、生物サンプル周辺の媒体は振動または移動する。このような場合、スパインのボディー上のインペラーは媒体と会合し媒体を混合する。それを行うと、混合によって均質な混合物が生じ得る。振動、およびしたがって媒体の混合を止めると、スパインのボディー上のセンサーと生物サンプルの細胞単層の間のサブチャンバーが形成する。このサブチャンバーにおいて、混合が停止し、センサーからのシグナル(複数可)を目視または検出して、媒体中の生物サンプルによって消費および/または生成される1つまたは複数の分析物の濃度の変化を測定することができる。スパインのボディー上にインペラーを含むことの利点は、生物サンプル周辺の媒体を様々な時間で均質に混合することができ、したがってセンサーを見る各時間において、生物サンプルがその中に存在する環境は均質状態であり、プロトン放出などのセンサーからの局所影響が実質的にないことである。
【0048】
幾つかの実施形態では、本開示の装置は蓋に結合したハンドルを含んでいてもよい。第1の位置から1つまたは複数の第2の位置に本開示の装置が移動できるように、ハンドルを設定することができる。移動は手動、自動、または両方であってよい。自動的に移動されるときなど、ハンドルはプロセッサーと連結させる、および/またはプロセッサーにより制御することが可能である。
【0049】
幾つかの実施形態では、スパインおよび/または蓋は、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどのポリマー材料、または他の適切な材料もしくはポリマーから形成され得る。スパインおよび/または蓋は金属から形成され得る。さらに、スパインおよび/または蓋は使い捨てであってよい。さらに、装置はポリマー材料の成型によって形成され得る。
【0050】
幾つかの実施形態では、蓋および/またはスパインは中実状態であってよい。さらに、いかなる他のデバイスにも接続されていなくてもよい。
【0051】
特許、特許出願、および刊行物を含む本明細書で引用した全ての参照文献は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0052】
本開示中、語句「~を含む」が見られる場合は常に、語句「から実質的になる」または「からなる」をその代わりに使用することができると企図される。単数形の使用は、具体的に示す場合以外は複数形を含む。用語「約」が値の前に存在する場合は常に、本明細書が用語「約」以外の値の記載も示しており、逆もまた然りであることが理解されるものとする。
【0053】
本開示中、本明細書で列挙した任意の機能は、このような機能を実施するための1つまたは複数の手段によって実施することができる。本明細書中に記載した方法に関して、本明細書は、これらの方法を実施するための装置の記載も示すと考えられる。本明細書中に記載した装置に関して、本明細書は、このような装置の構成要素、パーツ、一部分の記載も示すと考えられる。
【0054】
従属クレームは米国特許の慣習に従った単一従属性を有するが、任意の従属クレームのそれぞれの特徴は、他の従属クレームまたは主クレームのそれぞれの特徴と組合せることができる。
【0055】
本明細書で記載する本発明の好ましい実施形態に対する様々な変形および修正が、当業者には明らかであろうことが理解されるものとする。このような変形および修正は、本発明の主題の精神および範囲から逸脱せず、その意図する利点を減らさずになすことができる。したがって、このような変形および修正は、添付の特許請求の範囲によって保護されると考えられる。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するための装置であって、
第1の表面と第2の表面を有する蓋と、
前記蓋の第1の表面に接続しそこから延長した複数のスパインであって、前記複数のスパインのそれぞれが遠位端を有するボディーを含む、スパインと、
1つまたは複数の分析物に会合しそれに応答するシグナルを提供するための、前記複数のスパインの少なくとも1つの遠位端に配置されたセンサーと
を含む装置。
[請求項2]
前記センサーが蛍光インジケーターである、請求項1に記載の装置。
[請求項3]
前記センサーが透過性媒体中に埋め込まれたインジケーターである、請求項1または2に記載の装置。
[請求項4]
前記センサーが捕捉試薬である、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
[請求項5]
前記複数のスパインが24、48、96、384、または1536個のスパインを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
[請求項6]
前記複数のスパインのそれぞれが長さを有し、前記長さが1mmと20mmの間である、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
[請求項7]
前記複数のスパインが集合的に平均長を有し、前記複数のスパインのそれぞれの長さが前記平均長の20%以内である、請求項6に記載の装置。
[請求項8]
前記複数のスパインが前記蓋に着脱可能に接続されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
[請求項9]
前記複数のスパインのそれぞれがボディー上にインペラーを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
[請求項10]
生物サンプルの1つまたは複数の生理的性質を測定するためのシステムであって、
複数のウェルを有するウェルプレートであって、前記ウェルが開放端および前記開放端と反対側の閉鎖端を有する、ウェルプレートと、
前記複数のスパインが前記開放端を介して前記ウェルに延長している、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置と
を含むシステム。
【符号の説明】
【0056】
100 装置
104 蓋
108 第1の表面
112 第2の表面
116 スパイン
120 センサー
124 突起
128 ボディー
132 遠位端
136 表面
150 ウェルプレート
160 生物サンプル
180 勾配
200 装置
204 蓋
216 スパイン
240 第1の縁
250 ウェルプレート
300 装置
320 センサー
342 カメラ
343 コントローラー/プロセッサー
図1
図2
図3