(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】医療画像及びデータのマルチロケーションエクスチェンジ
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20220510BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20220510BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20220510BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220510BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G16H30/20
A61B6/00 360Z
A61B6/03 360T
A61B5/00 D
A61B5/055 390
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018017775
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2020-09-28
(32)【優先日】2017-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032971
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 豊
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 孝夫
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0179192(US,A1)
【文献】国際公開第2012/081405(WO,A1)
【文献】特開2014-039658(JP,A)
【文献】特表2012-512479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0015941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
A61B 6/00
A61B 6/03
A61B 5/00
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと
前記クラウドサーバに接続された複数のローカルサーバ上の複数のローカルリポジトリとの間で、医療データを交換する方法であって、
前記複数のローカルサーバは、第1のローカルサーバを備え、
前記複数のローカルリポジトリは、前記第1のローカルサーバ上の第1のローカルリポジトリを備え、
前記方法は、前記第1のローカルサーバに
、
所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求を送信させること
を含み、
前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記クラウドリポジトリ又は
前記第1のローカルリポジトリの何れに格納されている
かを判断させ
るものであり、
前記方法は、前記第1のローカルサーバに、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信させるこ
と、又は、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記
医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信させることと
、
ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示させることと
、
を含
み、
前記第1のローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記方法は、前記第1のローカルサーバに、
前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されているか否かを判断させ、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成させ、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示させることを含む、
方法。
【請求項2】
前記複数のローカルサーバのそれぞれは、ローカルコンピュータに結合される、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記ユーザによる前記要求は、それぞれが前記所定の患者又は異なる所定の患者に関連付けられた複数の医療画像にアクセスするための要求であり、
前記方法は、前記第1のローカルサーバに、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記クラウドサーバから前記複数の医療画像の1つを受信させ
、前記複数の医療画像のうちの別の医療画像をローカルに生成するための前記命令を前記クラウドサーバから受信させることを含み、
前記クラウドサーバから受信した前記医療画像及び前記第1のローカルサーバによってローカルに生成された医療画像は、異なる医療画像である、
請求項1
又は2に記載された方法。
【請求項4】
前記第1のローカルサーバは、前記第1のローカルサーバに結合されたヘルスケア施設における外部装置、外部媒体、及び撮像手段の少なくとも1つから前記未加工画像データを受信し、前記第1のローカルサーバは、
前記未加工画像データを
前記クラウドリポジトリに格納するために、前記未加工画像データを
前記クラウドサーバに送信する、請求項1
から3のいずれか一項に記載された方法。
【請求項5】
前記第1のローカルサーバは、前記未加工画像データを前記クラウドリポジトリに格納するために、前記未加工画像データを前記クラウドサーバに送信する、請求項1
から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記未加工画像データは、前記ユーザによって設定されたプリファレンスに基づいて、前記未加工画像データが前記クラウドサーバに送信された後に、前記第1のローカルリポジトリに格納されるか、又は前記第1
のローカルサーバから削除される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記未加工画像データは、メタデータを含む医療用デジタル画像及び通信フォーマット(DICOMフォーマット)の画像データである、請求項1
から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記未加工画像データのメタデータは、患者ID、患者名、検査ID、ローカル指標、クラウド指標、及びローカルPC情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ローカル指標及び前記クラウド指標は、前記未加工画像データの格納場所に関する情報を含み、前記ローカルPC情報は、前記第1のローカルサーバのメディア制御アクセス(MAC)アドレスである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記未加工画像データの前記メタデータは、
前記クラウドリポジトリ内のリモートデータテーブルに格納され、
前記第1のローカルリポジトリ内のローカルデータテーブルは、前記第1のローカルサーバのMACアドレスに関連付けられたリモートデータテーブルに格納されたメタデータにより所定の間隔で更新される
、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ローカルリポジトリに格納された前記未加工画像データの削除は、複数のユーザベースの設定に基づいて、前記第1のローカルサーバによって自動的に管理される、請求項1
から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のユーザベースの設定は、自動削除期間設定、自動削除設定のための撮像手段の種類、ブックマークデータが削除対象から除外されるべきか否かを決定するための設定、画像削除設定を実行するための時間、及び画像削除設定の頻度を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記クラウドサーバ上の前記クラウドリポジトリは、クラウド型画像アーカイブ通信システム(PACS)用のデータベースである、請求項1
から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のローカルサーバに格納されたローカル
画像生成プログラムのバージョンは、前記クラウドサーバに格納されたリモート画像生成プログラムのバージョンに基づいて自動的に更新される、請求項1
から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータに結合された第1のローカルサーバに、クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバに接続された複数のローカルサーバ上の複数のローカルリポジトリとの間で、医療データを交換するための動作を実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、
前記複数のローカルサーバは、
前記第1のローカルサーバを備え、
前記複数のローカルリポジトリは、前記第1
のローカルサーバ上の第1
のローカルリポジトリを備え、
前記動作は、前記第1のローカルサーバに
、
所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求を送信させること
を含み、
前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記クラウドリポジトリ又は
前記第1のローカルリポジトリの何れに格納されている
かを判断させ
るものであり、
前記動作は、前記第1のローカルサーバに、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信させるこ
と、又は、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記
医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信させることと、
ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示させることと
、
を含
み、
前記第1のローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記動作は、前記第1のローカルサーバに、
前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されているか否かを判断させ、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成させ、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示させることを含む、
CRM。
【請求項16】
前記複数のローカルサーバのそれぞれは、ローカルコンピュータに結合される、請求項15に記載されたCRM。
【請求項17】
前記ユーザによる前記要求は、それぞれが前記所定の患者又は異なる所定の患者に関連付けられた複数の医療画像にアクセスするための要求であり、
前記動作は、前記第1のローカルサーバ
に、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記クラウドサーバから前記複数の医療画像の1つを受信
させ、前記複数の医療画像のうちの別の医療画像をローカルに生成するための前記命令を前記クラウドサーバから受信させることを含み、
前記クラウドサーバから受信した前記医療画像及び前記第1のローカルサーバによってローカルに生成された医療画像は、異なる医療画像である、
請求項15
又は16に記載されたCRM。
【請求項18】
医療データを交換するシステムであって、
クラウドサーバと、
前記クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと、
前記クラウドサーバに接続されたローカルサーバと、
前記ローカルサーバ上のローカルリポジトリと、を備え、
前記ローカルサーバは、
所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求を送信し、
前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記クラウドリポジトリ又は
前記ローカルリポジトリの何れに格納されている
かを判断させ
るものであり、
前記ローカルサーバは、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信し、又は、前記未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記
医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信し、
ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示
し、
前記ローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記ローカルサーバは、
前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されているか否かを判断し、前記未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成し、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示する、
システム。
【請求項19】
前記
ローカルサーバは、ローカルコンピュータに結合される、請求項18に記載されたシステム。
【請求項20】
前記ユーザによる前記要求は、それぞれが前記所定の患者又は異なる所定の患者に関連付けられた複数の医療画像にアクセスするための要求であり、
前記ローカルサーバは、
前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記クラウドサーバから前記複数の医療画像の1つを受信し、前記複数の医療画像のうちの別の医療画像をローカルに生成するための前記命令を前記クラウドサーバから受信し、
前記クラウドサーバから受信した前記医療画像及び前記
ローカルサーバによってローカルに生成された医療画像は、異なる医療画像である、
請求項18
又は19に記載されたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療画像及びデータのマルチロケーションエクスチェンジに関する。
【背景技術】
【0002】
医療画像及び医療データは、患者の診断において重要な役割を果たす。ヘルスケア施設(例えば、病院)は、医療画像及び医療データを電子的に格納する利点を実感している。医療画像及びデータのデジタル化は、ユーザが医療画像及び医療データに容易にアクセスすることを可能にするだけでなく、複数のヘルスケア施設間で画像及びデータを容易に交換することを可能にする。
【0003】
ヘルスケア業界では、画像アーカイブ通信システム(「PACS」)として知られるシステムの使用が、医療画像の便利な保管及びアクセスのために普及が進んでいる。一般に、PACSは、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)、位置放射断層撮影法(PET)、超音波、X線などのような様々な撮像手段(imaging modality)によって生成された医療画像をデジタル的にキャプチャし、保管し、管理し、分配し、及び表示するように協働する多数の装置を備える。PACSは、様々なヘルスケア施設が、内部又は外部的にキャプチャされたすべてのタイプの画像を共有することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、クラウド型PACSが、従来のPACSの効率性及びアクセシビリティを向上させる方法として浮上している。一般に、「クラウド」は、様々な場所にある複数のコンピュータやデバイスに、インターネットを介して、コンピューティングリソース及びデータのリモート・オンデマンド・アクセスを提供するオンラインストレージシステムとして理解され得る。クラウドは、ヘルスケア施設がローカルに格納したくないデータを、ヘルスケア施設が格納できるようにする媒体を提供する。クラウド型PACSは、医療画像の格納のために様々な場所にリモート又はオフサイトのデータセンタを利用するベンダによって提供され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、一の態様では、本発明は、クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバに接続された複数のローカルサーバ上の複数のローカルリポジトリとの間で、医療データを交換する方法に関する。前記複数のローカルサーバは、第1のローカルサーバを備え、前記複数のローカルリポジトリは、前記第1のローカルサーバ上の第1のローカルリポジトリを備える。前記方法は、前記第1のローカルサーバに、所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求(image retrieval request)を送信させることを含み、前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データ(raw image data)が前記クラウドリポジトリ又は前記第1のローカルリポジトリの何れに格納されているかを判断させるものである。前記方法は、前記第1のローカルサーバに、前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信させること、又は、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信させることと、ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示させることと、を含む。前記第1のローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記方法は、前記第1のローカルサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されているか否かを判断させ、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成させ、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示させることを含む。
【0006】
一般に、一の態様では、本発明は、コンピュータに結合された第1のローカルサーバに、クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバに接続された複数のローカルサーバ上の複数のローカルリポジトリとの間で、医療データを交換するための動作を実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)に関する。前記複数のローカルサーバは、前記第1のローカルサーバを備え、前記複数のローカルリポジトリは、前記第1のローカルサーバ上の第1のローカルリポジトリを備える。前記動作は、前記第1のローカルサーバに、所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求を送信させることを含み、前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記クラウドリポジトリ又は前記第1のローカルリポジトリの何れに格納されているかを判断させるものである。前記動作は、前記第1のローカルサーバに、前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信させること、又は、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信させることと、ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示させることと、を含む。前記第1のローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記動作は、前記第1のローカルサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されているか否かを判断させ、前記未加工画像データが前記第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成させ、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示させることを含む。
【0007】
一般に、一の態様では、本発明は、医療データを交換するシステムに関する。前記システムは、クラウドサーバと、前記クラウドサーバ上のクラウドリポジトリと、前記クラウドサーバに接続されたローカルサーバと、前記ローカルサーバ上のローカルリポジトリとを備える。前記ローカルサーバは、所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、前記クラウドサーバへ画像取出し要求を送信し、前記画像取出し要求は、前記所定の患者に関連付けられ、前記クラウドサーバに、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記クラウドリポジトリ又は前記ローカルリポジトリの何れに格納されているかを判断させるものである。前記ローカルサーバは、前記クラウドサーバによる前記判断に基づき、前記未加工画像データが前記クラウドリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用して前記クラウドサーバによって生成される前記医療画像を受信し、又は、前記未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されている場合に、前記未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成するために、前記クラウドサーバから命令を受信し、ディスプレイ上に前記生成した医療画像を表示する。前記ローカルサーバと前記クラウドサーバとの接続が切断された状態では、前記ローカルサーバは、前記画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されているか否かを判断し、前記未加工画像データが前記ローカルリポジトリに格納されている場合に、当該未加工画像データを使用してローカルに前記医療画像を生成し、当該生成した医療画像を前記ディスプレイ上に表示する。
【0008】
本発明の他の態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、1つ又は複数の実施形態に係るシステムを示す。
【
図1B】
図1Bは、1つ又は複数の実施形態に係るシステムを示す。
【
図2】
図2は、1つ又は複数の実施形態に係るダイアグラムを示す。
【
図3】
図3は、1つ又は複数の実施形態に係るユーザインターフェースを示す。
【
図4】
図4は、1つ又は複数の実施形態に係るダイアグラムを示す。
【
図5】
図5は、1つ又は複数の実施形態に係るコンピューティングシステムを示す。
【
図6】
図6は、1つ又は複数の実施形態に係る概略ダイアグラムを示す。
【
図7】
図7は、1つ又は複数の実施形態に係るフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、1つ又は複数の実施形態に係るフローチャートを示す。
【
図9】
図9は、1つ又は複数の実施形態に係るフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、1つ又は複数の実施形態に係るフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して特定の実施形態を詳細に説明する。様々な図における同様の要素は、一貫性のため、同様の参照番号で示される。同様の要素は、簡潔にするために、すべての図に示されていない場合がある。
【0011】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明において、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者にとって、これらの具体的な詳細なしに本開示が実施され得ることは明らかであろう。他の例では、周知の特徴は、説明を不必要に複雑にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0012】
出願全体を通して、序数(例えば、第1、第2、第3など)は、要素(すなわち、出願における任意の名詞)の形容詞として用いられ得る。序数の使用は、「前」、「後」、「単一」及び他のそのような用語の使用など、明示的に開示されていない限り、要素の特定の順番を示唆したり、与えたりすることはなく、或いは、あらゆる要素を単一の要素のみであると限定することはない。むしろ、序数の使用は要素を区別することである。一例として、第1の要素は第2の要素とは区別され、第1の要素は2以上の要素を包囲し、要素の順序で、第2の要素を後にする(又は先行させる)ことができる。
【0013】
単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことが理解されるべきである。したがって、例えば、「水平ビーム」への言及は、そのようなビームの1つ又は複数への言及を含む。
【0014】
「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」などのような語は、記載された特性、パラメータ、又は値が、正確に達成される必要はないが、例えば、許容値、測定誤差、測定精度限界及び当業者にとって既知の他の因子を含む偏差又は変動が、特性が提供しようとした効果を排除しない量で、生じ得る。
【0015】
多数従属請求項は導入されていないが、1つ又は複数の実施形態の従属請求項の発明主題は、他の従属請求項と組み合わせられ得ることは、当業者には明らかであろう。
【0016】
一般に、本発明の1つ又は複数の実施形態は、クラウド型PACSに関し、医療画像及びデータのマルチロケーションエクスチェンジのために構成されたクラウドサーバ上の負荷を効率的に除去することができる、方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及びシステムを提供する。
【0017】
1つ又は複数の実施形態に係るクラウドベースのPACSに関し、同一の病院グループ内の施設のようなクラウドサーバ上のクラウドデータリポジトリ又はデータベース(「クラウドリポジトリ」)にアクセスするための許可を与えられた様々なヘルスケア施設間で、医療画像及びデータが交換される。このような環境では、例えば、クラウド型PACSのすべてのユーザ(例えば、医療従事者)は、「ネットワーク内」の他のヘルスケア施設(すなわち、クラウドリポジトリの同一部分にアクセスするための許可を持っている。)で得られた患者の医療画像及びデータを取り出す(retrieve)ために、クラウドサーバに要求を送信することができる。
【0018】
1つ又は複数の実施形態によれば、ユーザ要求に応答して、クラウドサーバは、クラウドリポジトリに格納された医療画像データ(「未加工画像データ」)を使用して医療画像を生成し得る。クラウドサーバは、複数のそのような要求を同時に受信し得る。しかしながら、1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設の少なくとも一部は、現場でローカルに取得した未加工画像データ、又はローカルデータリポジトリ若しくはデータベース(「ローカルリポジトリ」)を少なくとも一時的に格納し、ローカルに格納された画像生成プログラムを使用して未加工画像データから医療画像を生成するように、構成される。したがって、要求された医療画像を生成する前に、クラウドサーバは、まず、自身の要求を、施設のいずれかが、クラウドサーバのリソースを利用することなくローカルに満たすことができるか否かを決定するために、ネットワーク内ヘルスケア施設と通信する。次に、これらの機能を持つ施設に自身の医療画像を生成するように指示することにより、クラウドサーバは、たとえ、ネットワーク接続が遅い、及び/又は非常に多くのユーザが同時に要求をクラウドサーバに送信する場合であっても、より適時にかつ効率的な方法で、すべての要求を処理することができる。その結果、本発明の1つ又は複数の実施形態は、同一施設内又は異なる施設内の異なるユーザデバイスから医療画像にアクセス(例えば、使用又は閲覧)しようとしているかも知れない複数のユーザが経験するパフォーマンスをトータルで高めることができる。
【0019】
1つ又は複数の実施形態によれば、そのような各ヘルスケア施設で生成されたすべての未加工画像データが、それぞれのローカルリポジトリに必ずしも格納される必要はなく、むしろ、それぞれの施設に必要な又は関心のあるデータのみがローカルに格納され得る。例えば、施設は、頻繁にアクセスされない医療画像で満杯になったそのローカルリポジトリを望まないし、又は該医療画像で負荷がかかるローカルサーバを望まないかも知れない。さらに、あるネットワーク内ヘルスケア施設は、医療画像をローカルに生成するために必要なリソース(例えば、帯域幅、適切な機器など)を有しないかも知れない。
【0020】
1つ又は複数の実施形態によれば、一の施設のユーザが、ネットワーク内施設のユーザデバイス(「ローカルコンピュータ」)からクラウドサーバに(ローカルコンピュータから直接又はローカルコンピュータに接続されたローカルサーバを介して)画像取出し要求(image retrieval request)を送信した場合、クラウドサーバは、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データがクラウドリポジトリにのみ格納されていると判定される場合に、要求された医療画像を生成し、該施設に送信する。一方、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データが施設のローカルリポジトリで利用可能であると判定される場合、クラウドサーバは、ローカルコンピュータに医療画像をローカルに生成するように指示する命令をローカルコンピュータに返送する。異なるネットワーク内施設によって行われる各画像取出し要求に対してこのプロセスを実行することにより、本発明の1つ又は複数の実施形態は、クラウドサーバに課される負荷がネットワーク内ヘルスケア施設間で除去されることを可能にし、クラウドサーバにアクセスするすべてのユーザに高くかつより安定したパフォーマンスをもたらすようになる。
【0021】
図1A及び1Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るシステム100を示す。
図1A及び
図1Bに示すように、システム100は、クラウドリポジトリ103を含むクラウドサーバ101、複数のローカルコンピュータ105、及び異なるネットワーク内ヘルスケア施設に関連付けられたローカルリポジトリ107を有するローカルサーバ106を含む。ローカルサーバ106(例えば、アプリケーションプロキシサーバ(APS))及び複数のローカルコンピュータ105は、クラウドサーバ101から医療画像を要求するため、クラウドサーバ101にアクセスするための権限が与えられる。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ106がネットワーク内ヘルスケア施設で利用可能である場合、複数のローカルコンピュータ105は、ローカルサーバ106に接続され、ローカルサーバ106を介して、クラウドサーバ101にアクセスし得る。
【0022】
1つ又は複数の実施形態では、ヘルスケア施設(サイトA、サイトB)のそれぞれは、いずれの場所にあってもよく、公立病院、私立病院、診療所(medical clinic)、歯科医院、ポータブル診療所、医療用テント、一時的医療用ステーションなどのような医療ケアを提供する施設であり得る。
図1A及び1Bは、サイトA及びBのみを示しているが、これは説明を容易にするためである。本発明の1つ又は複数の実施形態は、より多くのネットワーク内施設を有し得る。さらに、
図1A及び
図1Bは、単一のローカルサーバ106を有する1つの施設(サイトA)のみを示しているが、これは、同様に、説明を容易にするためである。本発明の1つ又は複数の実施形態は、ローカルサーバ106を含む複数のネットワーク内ヘルスケア施設を有し、1つ以上のローカルサーバ106は、1つの施設に配置され得る。
【0023】
1つ又は複数の実施形態では、クラウドリポジトリ103を有するクラウドサーバ101は、クラウド型PACS又はそのようなベンダに関連付けられた別のサードパーティを提供するベンダによって運営され得る。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101は、アプリケーション及び情報処理を実行する物理及び/又は仮想のコンピュータインフラストラクチャである。例えば、クラウドサーバ101は、仮想サーバ又はインターネットを介して遠隔からアクセスされる物理サーバであり得る。1つ又は複数の実施形態では、クラウドリポジトリ103は、オンラインデータリポジトリである。例えば、クラウドリポジトリは、仮想データルーム(VDR)又はインターネットを介して遠隔からアクセスされるデータベース(又はデータベース群)であり得る。
【0024】
1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101は、ローカルサーバ106から送信された医療画像データ(「未加工画像データ」)を受信し、該原データを遠隔データとしてクラウドリポジトリ103に格納するように、構成される。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルコンピュータ105のそれぞれは、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレットPC、スマートフォンなど)、サーバ、メインフレーム、キオスクなどに対応し得る。ローカルコンピュータ105は、それぞれのヘルスケア施設に関連付けられた医療専門家によって操作され、クラウドサーバ101と医療画像及び未加工画像データを交換するように構成される。1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設における複数のローカルコンピュータ105の1つは、ローカルサーバ106として構成され得る。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ106は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、関連するメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数のストレージデバイス(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光学ドライブ、フラッシュメモリスティックなど)、並びに他の多くの要素及び機能を含む、コンピューティングデバイスであり得る。
【0027】
また、
図1A及び
図1Bに示すように、クラウドサーバは、リモート画像表示アプリケーション(「リモートIDA」)及びリモート画像生成プログラム(「リモートIGP」)を備える。ローカルサーバ106は、ローカルサーバ106がクラウドサーバにアクセスすることを可能にするルーティングアプリケーションを備える。ローカルサーバ106は、同様に、ローカル画像表示アプリケーション(「ローカルIDA」)及びローカル画像生成プログラム(「ローカルIGP」)を備える。ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、及びローカルIGPは、クラウドサーバ101を運営するベンダによって提供され得る。ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105は、ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、及びローカルIGPの機能にアクセスし得る。これは、ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、及びローカルIGPを、個々のローカルコンピュータ105にインストールする必要性をなくす。
【0028】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、及びローカルIGPは、ベンダに関連付けられたサードパーティによって提供され得る。ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、及びローカルIGPは、ローカルサーバ106に格納され、また、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105がクラウドサーバ101にアクセスし、外部ローカルソースからデータを受信し、医療画像を生成することを可能にするグラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)を備えたウェブブラウザベースのアプリケーションのプラグインとしてインストールされ得る。
【0029】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティングアプリケーションは、ローカルサーバ106がクラウドサーバ101に医療画像取出し要求を送信し、クラウドサーバ101から命令を受信することを可能にするメイン中継点として構成される。ローカルIDA及びリモートIDAは、外部ソースから未加工画像データを受信し、ローカルサーバ106によって送信された医療画像取出し要求を受信するように構成される。外部ソースは、撮像手段109、外部デバイス、又はCD、DVD、USBなどのような外部メディアであり得る。外部デバイスは、デジタル信号調節器(DSC)、スマートフォンなどのようなデバイスであり得る。外部メディアは、CD、DVD、USBなどのようなローカルサーバ106の入力インタフェースに挿入可能なデータを記憶する媒体であり得る。
【0030】
1つ又は複数の実施形態では、リモートIGP及びローカルIGPは、未加工画像データを、JPEG(Joint Photographic Expert Group)、JPEG2000、PNG(Portable Network Graphics)、GIF(Graphics Interchange Format)、TIFF(Tagged Image File Format)などのようなフォーマットに変換するように構成される。未加工画像データは、医療用デジタル画像及び通信フォーマット(DICOMフォーマット)であり得る1つ又は複数の実施形態では、DICOMは、システム100を実現するための汎用画像フォーマットであり得る。
【0031】
また、
図1A及び
図1Bに示すように、ローカルサーバ106は、撮像手段109に結合され得る。撮像手段109は、患者の診断を提供する医療画像を生成するために使用しられる、DICOMフォーマットのデータのような未加工画像データを生成することができる任意のタイプの医療用撮像装置であり得る。撮像手段の例は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)、超音波(US)、X線、デジタルX線撮影(DR)などであり得る。
【0032】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティングアプリケーション、ローカルIDA、ローカルリポジトリ107、及びローカルIGPは、ローカルサーバ106の代わりに、ローカルコンピュータ105上に提供され得る。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ106に接続されていないか、又はローカルサーバ106を有していないローカルコンピュータ105は、ルーティングアプリケーションのみを含み得る。
【0033】
図1Aは、ネットワーク内ヘルスケア施設とクラウドサーバ101との間の接続が安定している1つ又は複数の実施形態に係る例を示す。この状態で、複数のネットワーク内ヘルスケア施設は、クラウドサーバ101と双方向に通信し得る。
図1Aに示すように、ネットワーク内ヘルスケア施設は、他のネットワーク内ヘルスケア施設にとってアクセス可能なクラウドリポジトリ103にリモートデータとして格納されるよう、ローカルに取得した未加工画像データをクラウドサーバ101に送信し得る。
【0034】
1つ又は複数の実施形態では、サイトAと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設は、それぞれのローカルリポジトリ107にローカルデータとして格納されるよう、クラウドサーバ101から未加工画像データを取り出し、又はローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105によって表示されよう、医療画像を受信し得る。ヘルスケア施設はまた、ローカルIGPを使用してローカルに医療画像を生成するよう、ローカルリポジトリ107に格納された未加工画像データにアクセスし得る。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、サイトAと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設とクラウドサーバ101との間の接続が安定している場合、ローカルサーバ106は、ルーティングアプリケーションを介して、クラウドサーバ101に画像取出し要求を送信することができる。該要求を受信すると、クラウドサーバ101は、クラウドリポジトリ103に格納された未加工画像データからの情報に基づき、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データが格納されているか否かを判断する。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101は、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データのコピーを常に保持する。
【0036】
1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101は、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データがクラウドリポジトリ103にのみ格納されていると判断した場合、クラウドサーバ101は、クラウドリポジトリ103から未加工画像データを取り出し、リモートIGPを使用して医療画像を生成する。クラウドサーバ101は、次に、生成された医療画像を、画像取出し要求を送信したそれぞれのローカルサーバ106に送信する。
【0037】
1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101が、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データが画像取出し要求を送信したローカルサーバ106のローカルリポジトリ107にローカルデータとして格納されていると判断する場合、クラウドサーバ101は、ローカルデータを使用してローカルIGPによってローカルに要求された医療画像を生成するために、ローカルサーバ106に命令を送信する。
【0038】
1つ又は複数の実施形態では、クラウドリポジトリ103に格納されたすべてのリモートデータが、ローカルデータとして格納されるべきサイトAと同様の設定でネットワーク内ヘルスケア施設によって取り出される必要はない。ローカルデータとして取り出され記憶されるリモートデータは、ヘルスケア施設のサイズ及び必要性、又はローカルコンピュータ105のユーザ(例えば、医療従事者)のプリファレンスに基づいて変化し得る。例えば、あるネットワーク内ヘルスケア施設のローカルリポジトリ107にローカルデータとして取り出され格納されるリモートデータは、それらの施設の患者である特定の個人に基づき得る。したがって、特定の個人がネットワーク内の特定のヘルスケア施設の患者でない場合、そのヘルスケア施設は、その患者の未加工画像データをローカルデータとしてクラウドサーバ101から取り出して格納しないかも知れない。さらに、取出し及び記憶されるべきリモートデータは、医療従事者によって頻繁に使用される特定の患者のデータに基づき得る。さらに、リモートデータは、一時的にローカルデータとしてのみ記憶され得る。例えば、特定の時間枠よりも古いデータは、パージされ得る。これらのオプションは、限られたストレージ容量及び処理能力のローカルリポジトリ107を有する小規模のヘルスケア施設に対して特に有用である。
【0039】
1つ又は複数の実施形態では、サイトAと同様の設定の各ネットワーク内ヘルスケア施設のローカルコンピュータ105のユーザは、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105にインストールされたGUIを備えたウェブブラウザベースのアプリケーションを介して、クラウドリポジトリ103上で取り出された医療画像を閲覧し得る。1つ又は複数の実施形態では、リモートデータが別のヘルスケア施設によって更新された場合、ローカルサーバ106は、クラウドリポジトリ103のデータでローカルリポジトリ107のローカルデータを自動的に更新し得る。
【0040】
例えば、個人は、複数のネットワーク内ヘルスケア施設の患者であり得る。これらのネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、個人の未加工画像データをローカルデータとして格納し得る。1つ又は複数の実施形態では、個人の未加工画像データは、ネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つによってクラウドリポジトリ103において更新され、該個人が同様に患者である他のネットワーク内ヘルスケア施設は、ローカルリポジトリ107内のローカルデータを最新の状態に保つように、該個人の更新された画像及びデータを自動的に取り出す(同期する)。クラウドリポジトリ103の自動更新及び/又は患者のローカルリポジトリ107の同期は、例えば、ローカルサーバ106のユーザによって設定された所定の間隔で、トリガされ得る。
【0041】
図1に示す1つ又は複数の実施形態では、サイトBと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設は、ローカルコンピュータ105上で表示されるよう、クラウドサーバ101から医療画像を直接取り出し得る。ローカルコンピュータ105は、ルーティングアプリケーションを介して、医療画像取出し要求をクラウドサーバ101に送信する。クラウドサーバ101により画像取出し要求を受信すると、クラウドサーバ101は、クラウドリポジトリ103に格納された要求された医療画像に関連付けられたリモートデータを使用して、リモートIGPを備える要求された医療画像を生成する。クラウドサーバ101において医療画像が生成されると、クラウドサーバ101は、ローカルコンピュータ105によって表示されるよう、ローカルコンピュータ105に医療画像を送信する。
【0042】
図1Bは、サイトAと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設の1つとクラウドサーバ101との間の接続が切断されている状態の1つ又は複数の実施形態に係る一例を示す。この状態では、アプリケーションは、ローカルリポジトリ107に格納されたローカルデータにアクセスするために、切断されたヘルスケア施設のローカルサーバ106を自動的に構成し得る。1つ又は複数の実施形態では、切断されたヘルスケア施設は、切断のときに取得された未加工画像データをローカルリポジトリ107に一時的に格納する。
【0043】
1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つとクラウドサーバ101との間の接続が切断される状態では、ルーティングアプリケーションは、ローカルサーバ106による画像取出し要求をローカルIDAに向ける。ローカルIDAは、要求された画像に関連付けられた未加工画像データがローカルリポジトリ107内のローカルデータとして格納されているか否かを判断する。要求された画像に関連付けられた未加工画像データがローカルリポジトリ107に格納されている場合、ローカルIDAは、ローカルデータを使用して、要求された医療画像を生成するよう、ローカルIGPに指示する。ローカルデータは、医療従事者によって頻繁に使用されるデータであり得るので、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データは、ローカルデータとして格納される可能性が高い。これにより、ヘルスケア施設は、クラウドサーバ101からの切断によって受けるダウンタイムを低減することができる。
【0044】
次に、切断されたヘルスケア施設との接続がクラウドサーバ101で再確立されると、再接続されたヘルスケア施設のローカルサーバ106は、クラウドサーバ101に、切断されている間に取得されたローカルリポジトリ107に格納されたすべての未加工画像を送信するようにアプリケーションによって構成され得る。このような未加工画像データは、その結果、新しいリモートデータとしてクラウドリポジトリ103に格納され得る。クラウドサーバ101が、再接続されたヘルスケア施設からの未加工画像データで更新されているので、他のネットワーク内施設のローカルサーバ106は、それぞれのローカルリポジトリ107を新しいリモートデータで自動的に更新し得る。
【0045】
図1Bに示す1つ又は複数の実施形態では、サイトBと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設のローカルコンピュータ105とクラウドサーバ101との間の接続が切断された場合、ローカルコンピュータ105は、クラウドサーバ101からいかなる医療データを取り出すことができなくなる。
【0046】
図2は、1つ又は複数の実施形態に係る、
図1A及び
図1Bに示すようなサイトAと同様の設定のネットワーク内ヘルスケア施設のデータ格納スキームを示すダイアグラム200を示す。
図2を参照して、撮像手段(modality)のような外部ローカルソース、DSC及びスマートフォンのような外部デバイス、並びにCD、DVD、USBのような外部メディアからのデータは、ローカルリポジトリ107で受信される。ローカルリポジトリ107は、すべての受信データを、リモートデータとして格納されるよう、クラウドリポジトリ103に送信する。ローカルリポジトリ107は、クラウドリポジトリ103からリモートデータを受信し、該リモートデータをローカルデータとしてローカルに格納し得る。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルリポジトリ107は、ローカルIGPに未加工画像データを提供するように構成される。ローカルIGPは、ローカルリポジトリ107から未加工画像データを受信し、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105のユーザ(例えば、医療従事者)に表示されるよう、医療画像を生成する。ローカルリポジトリ107はまた、ユーザが画像削除アプリケーションを使用して、ローカルに保存したくない特定のローカルデータを自動的に削除するように構成される。画像削除アプリケーションは、ユーザのプリファレンスに基づいてローカルリポジトリ107に格納されたローカルデータの削除を容易に管理するようユーザによって構成され得る。
【0048】
図3は、1つ又は複数の実施形態に係る画像削除アプリケーションに関連付けられたユーザインターフェース300の一例を示す。ユーザインターフェース300は、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105にインストールされたウェブブラウザベースのアプリケーションを介して提示される。ユーザインターフェース300には、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105のユーザ(例えば、医療従事者)によって変更することができる複数の設定が備わっている。ユーザは、ローカルサーバ106上のローカルリポジトリ107に格納されたローカルデータの自動削除を管理するためのプリファレンスを設定するために、ユーザインターフェースの設定を構成し得る。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、
図3に示すように、ユーザインターフェース300は、非限定的に、自動削除期間設定、自動削除設定のための撮像手段の種類、ブックマークデータが削除対象から除外されるべきか否かを決定するための設定、画像削除設定を実行するための時間、及び画像削除設定の頻度のようなユーザ構成可能な設定を含み得る。自動削除設定は、ユーザが、選択した時間間隔に一致する又は超えるタイムスタンプを有するすべての画像を削除することを可能にする。自動削除の撮像手段の種類は、ユーザが、選択した撮像手段のみに関連付けられたローカルデータを削除することを可能にする。画像削除の実行時間及び画像削除設定の頻度は、ユーザが、その日の時間及び自動削除機能がどのくらいの頻度で実施されるかを設定することを可能にする。
【0050】
1つ又は複数の実施形態では、ブックマークデータが削除から除外されるべきか否かを決定する設定は、ブックマークがユーザによる設定された自動削除設定のカテゴリのうちの少なくとも1つに該当する場合であっても、ユーザが、ユーザによって特別に選択されたローカルデータ(「ブックマーク」)が自動的に削除されないようにすることを可能にする。
【0051】
例えば、ユーザが
図3に示すようなユーザインターフェース300設定を構成する場合、DR及びUS撮像手段に関連付けられた3ヶ月以上前のタイムスタンプを有するすべてのローカルデータは、ユーザによってブックマークされたデータを除いて、毎日1:00に削除される。ローカルサーバ106は、ユーザが新しい設定の組み合わせを修正し保存しない限り、同じ設定を適用し続ける。
【0052】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが所望の設定を入力すると、ローカルリポジトリに格納されたローカルデータの自動削除を実施するよう、ローカルサーバ106の設定を保存することができる。ユーザは、いつでもユーザインターフェース300を起動し、設定を変更し得る。
【0053】
図4は、1つ又は複数の実施形態に係るクラウドリポジトリ103に格納された未加工画像に関連付けられた情報の更新を示すダイアグラムを示す。
図4に示すように、未加工画像データに関連付けられた情報は、ローカルリポジトリ107のローカルデータテーブル401及びクラウドリポジトリ103のリモートデータテーブル403に格納される。ローカルデータテーブル401及びリモートデータテーブル403は、それぞれ、未加工画像データに埋め込まれたメタデータを抽出することによって、ローカルサーバ106及びクラウドサーバ101によってコンパイルされる。
【0054】
ローカルデータテーブル401及びリモートデータテーブル403内のデータは任意のあらゆる方法でソートし得る。
図4に示す例において、データは、患者によってソートされる。しかしながら、データは、例えば、医療従事者のプリファレンスに基づいて、別の方法でソートすることができる。
【0055】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルデータテーブル401及びリモートデータテーブル403は、非限定的に、患者ID405、患者名407、検査(study)ID409、ローカル指標411、クラウド指標413、及び、非限定的に、ローカルコンピュータ105に結合されたローカルサーバ106のローカル側情報415などのローカルサーバ106関連情報のような患者関連情報を含み得る。
【0056】
1つ又は複数の実施形態では、患者ID405は、個人の患者識別番号である。各個人は、単一の一意の患者ID405を有する。個人の患者ID405は、ネットワーク内ヘルスケア施設間で共有される。患者名407は、個人の法的な名称である。検査ID409は、患者の医療診断に関連付けられた、患者に対して行われた診断の識別番号である。複数の診断を受けた各個人は、複数の検査ID409に関連付けられている可能性がある。
【0057】
1つ又は複数の実施形態では、ローカル指標411及びクラウド指標413は、患者ID405又は検査ID409に関連付けられた未加工画像データが、ローカルデータとして、リモートデータとして、又はその両方として利用可能であるか否かを示す識別子である。例えば、個人の未加工画像データがリモートデータとしてのみ利用可能である場合、ローカル指標411は「NO」となり、クラウド指標413は「YES」となる。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ106からクラウドサーバ(101)への未加工画像データの送信が完了した場合にのみ、クラウド指標413が「NO」から「YES」に変更される。
【0058】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルPC情報415は、ローカルサーバ106に関連付けられたメディアアクセス制御(「MAC」)アドレスである。同じヘルスケア施設のローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105は、ローカルサーバ106と同じMACアドレスを共有し得る。異なるヘルスケア施設のローカルサーバ106及びローカルコンピュータ105は、異なるMACアドレスを有するであろう。
【0059】
図4に示すように、ローカルデータテーブル401に格納された情報は、リモートデータテーブル403に格納された情報で更新される。ローカルデータテーブル401は、ローカルサーバ106のMACアドレスと同じMACアドレスに関連付けられたリモートデータテーブル403からの情報でのみ更新される。ローカルデータテーブル401の更新は、ローカルサーバ106に結合されたローカルコンピュータ105のユーザ(例えば、医療従事者)によって手動で起動することができる。追加的又は代替的に、ローカルデータテーブル401の更新は、ユーザ設定プリファレンスに基づいて、所定の間隔でローカルサーバ106によって自動的に起動される。これは、ローカルリポジトリ107に格納された未加工画像データの特定の情報が、クラウドリポジトリ103に格納された未加工画像データの情報によって常に最新のものであることを保証する。
【0060】
本発明の実施形態は、使用されているプラットフォームにかかわらず、事実上、あらゆるタイプのコンピューティングシステム上に実装され得る。例えば、コンピューティングシステムは、本発明の1つ又は複数の実施形態を実施するための、少なくとも、最少処理能力(minimum processing power)、メモリ、及び入出力デバイスを含む、1つ若しくは複数のモバイルデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、又は他のモバイルデバイス)、デスクトップコンピュータ、サーバ、サーバシャーシ内のブレード、又は任意の他のタイプの1つ若しくは複数のコンピューティングデバイスである。例えば、
図5に示すように、コンピューティングシステム500は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ502、関連メモリ504(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数のストレージデバイス506(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光学ドライブ、フラッシュメモリスティックなど)、並びに他の多くの要素及び機能を含み得る。コンピュータプロセッサ502は、命令を処理するための集積回路であり得る。例えば、コンピュータプロセッサ502は、1つ又は複数のコア、又はプロセッサのマイクロコアであり得る。コンピューティングシステム500はまた、タッチスクリーン、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチパッド、電子ペン、又は任意の他のタイプの入力デバイスのような1つ又は複数の入力デバイス510を含み得る。さらに、コンピューティングシステム500は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、陰極線管(CRT)モニタ、プロジェクタ、又は他のディスプレイデバイス)、プリンタ、外部ストレージ、又は任意の他の出力デバイスのような1つ又は複数の出力デバイス508を含み得る。出力デバイスのうちの1つ又は複数は、入力デバイスと同じであってもよいし、異なっていてもよい。出力デバイスのうちの1つ又は複数は、入力デバイス510と同じであってもよいし、異なっていてもよい。コンピューティングシステム500は、ネットワークインターフェイス接続(図示せず)を介して、ネットワーク512(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットのようなワイドエリアネットワーク(WAN)、モバイルネットワーク、又は任意の他のタイプのネットワーク)に接続され得る。入力及び出力デバイスは、ローカルに又はリモートに(例えば、ネットワーク512を介して)、コンピュータプロセッサ502、メモリ504、及びストレージデバイス506に接続され得る。多くの異なるタイプのコンピューティングシステムが存在し、前述の入力及び出力デバイスは、他の形態をとり得る。
【0061】
本発明の実施形態を実施するためのコンピュータ可読プログラムコードの形式のソフトウェア命令は、CD、DVD、ストレージデバイス、ディスケット、テープ、フラッシュメモリ、物理メモリ、又は任意の他のコンピュータ可読記憶媒体のような非一時的なコンピュータ可読媒体上に、全体的又は部分的に、一時的又は永続的に、記憶され得る。具体的には、ソフトウェア命令は、プロセッサによって実行されると、本発明の実施形態を実施するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードに対応し得る。
【0062】
さらに、前述のコンピューティングシステム500の1つ又は複数の要素は、遠隔地に配置され、ネットワーク512を介して他の要素に接続され得る。さらに、本発明の1つ又は複数の実施形態は、複数のノードを有する分散システム上で実施することができ、本発明の各部分は、分散システム内の異なるノード上に配置され得る。本発明の一実施形態では、ノードは、別個のコンピューティングデバイスに対応する。あるいは、ノードは、関連する物理メモリを有するコンピュータプロセッサに対応し得る。あるいは、ノードは、共有メモリ及び/又はリソースを有するコンピュータプロセッサ又はそのマイクロコアに対応し得る。
【0063】
図5のコンピューティングシステム500は、比較及び他の処理の結果といった未処理及び/又は処理済みのデータを提示する機能を含み得る。例えば、データの提示は、様々な提示方法によって達成され得る。具体的には、データは、コンピューティングデバイスによって提供されるユーザインターフェースを介して提示され得る。ユーザインターフェースは、ハンドヘルドコンピュータデバイス上のコンピュータモニタ又はタッチスクリーンのようなディスプレイデバイス上に情報を表示するGUIを含み得る。GUIは、どのデータが表示されるか、どのようにデータがユーザに提示されるかを編成する様々なGUIウィジェットを含み得る。さらに、GUIは、ユーザに直接的にデータを、例えばテキストを通して実際のデータ値として示されるデータ、又はコンピューティングデバイスによって、データモデルを視覚化するなどといった、データの視覚的表現にレンダリングされたデータを、提示し得る。
【0064】
例えば、GUIは、最初に、特定のデータオブジェクトがGUI内に提示されることを要求するソフトウェアアプリケーションからの通知を取得し得る。次に、GUIは、例えば、データオブジェクトタイプを識別するデータオブジェクト内のデータ属性からデータを取得することによって、特定のデータオブジェクトに関連付けられたデータオブジェクトタイプを決定し得る。次に、GUIは、そのデータオブジェクトタイプを表示するために指定された任意のルール、例えば、データオブジェクトクラスのソフトウェアフレームワークによって特定されるルール、又はそのデータオブジェクトタイプを提示するためにGUIによって定義される任意のローカルパラメータに従ったルール、を決定し得る。最後に、GUIは、特定のデータオブジェクトからデータ値を取得し、そのデータオブジェクトタイプに対する指定されたルールに従って、ディスプレイデバイス内のデータ値の視覚的表現をレンダリングし得る。
【0065】
図6は、1つ又は複数の実施形態に係るシステムの概略ダイアグラムを示す。該システムは、クラウドサーバ上のクラウドリポジトリとクラウドサーバに接続された複数のローカルサーバ上の複数のローカルリポジトリとの間で医療データを交換するように構成される。複数のローカルサーバは、第1のローカルコンピュータ602に結合された第1のローカルサーバを備え、複数のローカルリポジトリは、第1のローカルサーバ上の第1のローカルリポジトリを備える。1つ又は複数の実施形態では、第1のローカルコンピュータ602は、第1のローカルサーバであり得る。
【0066】
上で説明したように、序数の使用は、要素の特定の順序付けを示唆したり、与えたりすることはなく、或いは要素を単一要素に限定するものではない。例えば、「第1のローカルコンピュータ」は、クラウドサーバに接続された複数のローカルコンピュータの中の任意のローカルコンピュータであってもよく、説明のために単に「第1の」と称される。
【0067】
図6に示す処理モジュールは、例えば、(i)以下のステップを実行するように構成された命令を実行するように構成されたコンピュータプロセッサ606を含む処理モジュール604を含むことができる。
【0068】
一の態様では、1つ又は複数の実施形態に係る方法は、第1のローカルコンピュータに、所定の患者に関連付けられた医療画像にアクセスするためのユーザによる要求に応答して、画像取出し要求をクラウドサーバに送信させる。画像取出し要求は、所定の患者に関連付けられ、クラウドサーバに、画像取出し要求に関連付けられた未加工画像データがクラウドリポジトリに格納されているか、又は第1のローカルリポジトリにローカルに格納されているかを判断させる。
【0069】
さらに、クラウドサーバによる決定に基づいて、1つ又は複数の実施形態に係る方法は、未加工画像データがクラウドリポジトリに格納されている場合、第1のローカルコンピュータに、未加工データを使用してクラウドサーバによって生成された医療画像を受信させ、又は、未加工画像データが第1のローカルリポジトリに格納されている場合に、未加工画像データを使用してローカルに医療画像を生成するよう、クラウドサーバから命令を受信する。その後、医療画像は、第1のローカルコンピュータのユーザに表示される。
【0070】
図6のシステムは、(ii)医療画像及びデータをユーザに提示するように構成された第1のローカルコンピュータ602をさらに備える。システムは、ベンダ提供アプリケーションに関係するアプリケーションデータ(PACSデータ)610、患者情報612、及び医療画像及び未加工画像データを含む医療画像及びデータ614を格納するように構成されたデータリポジトリ608をさらに含む。
【0071】
図7は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図7に示すコンピュータ実装された方法である。
図7に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のみに関して説明されている。以下に説明する方法の各ステップは、ネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかによって実行され得ることは、当業者にとって明らかであろう。さらに、該方法は、ローカルサーバによって実行されるものとして説明されるが、ローカルサーバに接続されるローカルコンピュータによって実行されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ自体がローカルコンピュータであってもよく、これは小規模施設の場合であってもよい。
【0072】
ステップ705において、ヘルスケア施設のローカルサーバは、ローカルソースから未加工画像データを受信する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルソースは、撮像手段、外部デバイス、又はCD、DVD、USBのような外部メディアであり得る。撮像手段は、患者の診断を提供する医療画像を生成するために使用されるDICOMフォーマットデータのような未加工画像データを生成することができるあらゆるタイプの医療画像装置であり得る。撮像手段の例は、CT、MRI、PET、DR、US、X線などであり得る。外部装置は、DSC、スマートフォンのような装置であり得る。
【0073】
ステップ710において、ローカルサーバは、ローカルソースから受信した画像データをローカルデータとしてローカルリポジトリに格納する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルリポジトリに格納されたローカルデータは、後に、ローカル施設のユーザ(例えば、医療従事者)によって設定されたプリファレンスに基づいて自動的に削除される。削除されるべきローカルデータは、ユーザへのデータの重要性に依存するかも知れないし、ローカルデータの使用頻度に依存するかも知れない。1つ又は複数の実施形態では、ローカルデータの削除は、ローカルデータが送信された直後に行われ得る。
【0074】
ステップ715において、ローカルサーバは、ローカルデータをクラウドサーバに送信する。ステップ720において、クラウドサーバは、ローカルサーバから送信されたローカルデータを受信し、ステップ725において、クラウドサーバは、ローカルデータをリモートデータとしてクラウドサーバ上のクラウドリポジトリに格納する。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバがローカルデータをクラウドリポジトリにリモートデータとして格納するとき、クラウドサーバはまた、リモートデータテーブルを、新たなリモートデータに関連付けられた情報で更新する。
【0075】
図8は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図8に示す方法は、コンピュータ実装された方法である。
図8に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のみに関して説明されている。以下に説明する方法の各ステップは、ネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかによって実行され得ることは、当業者とって明らかであろう。さらに、該方法は、ローカルサーバによって実行されるものとして説明されるが、ローカルサーバに接続されるローカルコンピュータによって実行されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ自体がローカルコンピュータであってもよい。
【0076】
ステップ805A及び805Bにおいて、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つに関連付けられたローカルサーバは、ローカルサーバとクラウド上のクラウドサーバとの間の接続状態をチェックして、接続が正常であるか否かを判断する。
【0077】
ステップ805Bにおけるチェック結果がYESの場合、ローカルサーバは、ステップ810Aにおける画像取出し要求をクラウドサーバに送信する。1つ又は複数の実施形態では、画像取出し要求は、個々の患者の名前(「所定の患者」)と関連付けられ得る。画像取出し要求は、所定の患者に関連付けられた1つ以上の医療画像に対する要求を含み得る。
【0078】
ステップ805BにおけるチェックがNOであれば、ステップ810Bにおいて、ローカルサーバは、ローカルサーバ上にローカルに格納されている画像表示アプリケーションに画像取出し要求を送信し、ステップ825に進む。
【0079】
ステップ815においては、画像検索要求がステップ810Aにおいて送信された後、ローカルサーバは、クラウドから医療画像又は画像生成命令の少なくとも1つを受信する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバは、クラウドから医療画像及び画像生成命令の両方を受信し得る。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバから受信された医療画像は、クラウドサーバ上のクラウドリポジトリにリモートデータとして格納されるのみの未加工画像データを有する医療画像である。
【0080】
ステップ820において、ローカルサーバは、クラウドサーバから受信したデータが、医療画像、画像生成命令、又はその両方であるか否かを判断する。
【0081】
ステップ820におけるチェックの結果が、命令のみ、又は命令及び医療画像の両方である場合、ローカルサーバは、ステップ825に進む。ステップ825において、ローカルサーバは、要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データをローカルリポジトリから取得し、ステップ830において、未加工画像データとともにローカル画像生成プログラムを使用して、要求された医療画像を生成する。生成された医療画像は、次に、ローカルサーバに結合されたローカルコンピュータを介して、クラウドサーバから直接受信した任意の医療画像とともに、ローカルサーバによってユーザに表示される。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバは、ローカルコンピュータであり得る。
【0082】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルに生成された医療画像は、クラウドサーバから直接受信された医療画像とは異なる未加工画像データに関連付けられた異なる医療画像である。これは、クラウドサーバが、異なるローカルサーバからそれぞれのローカルリポジトリにローカルデータとして格納された要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データを有するそれぞれのローカルデバイスまで、要求されたすべての医療画像を生成することに伴う負荷及びトラフィックを除去することを可能にする。
【0083】
ステップ820におけるチェックの結果が医療画像のみである場合、ローカルサーバは、ローカルサーバに結合されたローカルコンピュータを介して、要求された医療画像、ユーザに表示するために、ステップ835に直接進む。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバはローカルコンピュータであり得る。
【0084】
図9は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図9に示す方法は、コンピュータ実装された方法である。
図9に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のみに関して説明されている。以下に説明される方法の各ステップは、ネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかによって実行され得ることは、当業者とって明らかであろう。さらに、該方法は、クラウドサーバ及びローカルサーバに関して説明されるが、該方法は、クラウドサーバ及びローカルサーバに接続されるローカルコンピュータに関しても実現され得る。
【0085】
ステップ905において、複数のネットワーク内ヘルスケア施設に関連付けられたクラウドサーバは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つに関連付けられたローカルサーバによって送信された画像取出し要求を受信する。1つ又は複数の実施形態では、単一の画像取出し要求は、複数の医療画像に対する要求を含み得る。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバは、ローカルサーバから又は異なるネットワーク内ヘルスケア施設の複数のローカルサーバから、複数の画像取出し要求を同時に受信し得る。
【0086】
ステップ910において、クラウドサーバは、クラウドサーバに格納された画像表示アプリケーション(「リモートIDA」)を用いて、要求された画像に関連付けられた未加工画像データが格納されている場所を決定する。1つ又は複数の実施形態では、画像表示アプリケーションは、要求された画像の未加工画像データが格納されている場所を示す識別子について、要求された画像に関連付けられたクラウドリポジトリ内のリモートデータテーブルに格納された情報をチェックする。1つ又は複数の実施形態では、要求された画像の未加工画像データは、クラウドリポジトリにおけるリモートデータとして、画像取出し要求を送信したローカルサーバ上のローカルリポジトリとして、又はリモート及びローカルリポジトリの両方において、格納され得る。
【0087】
ステップ910において、チェックの結果が、ローカル及びクラウド、又はローカルのみである場合、クラウドサーバは、ステップ930において、ローカルサーバに画像生成命令を送信する。1つ又は複数の実施形態では、画像生成命令は、ローカルに格納された画像生成プログラムを使用してローカルリポジトリに格納されたローカルデータで要求された医療画像を生成するようにローカルサーバに命令するために使用される。これは、クラウドサーバが、それぞれのローカルリポジトリにおけるローカルデータとして格納された要求された医療画像に関連付けられた未加工画像データを有するそれぞれのローカルデバイスに対する、要求された医療画像を生成することに伴う負荷及びトラフィックの一部を除去することを可能にする。
【0088】
ステップ910において、チェックの結果がCLOUDのみである場合、リモートIDAは、ステップ915において、クラウドリポジトリに格納された未加工画像データを取り出す。
【0089】
ステップ920において、リモートIDAは、クラウドサーバに、クラウドサーバ上に格納された画像生成プログラムを使用してクラウドリポジトリから取得した未加工画像データで医療画像を生成するよう、指示する。
【0090】
ステップ925において、クラウドサーバは、生成された医療画像を、画像取出し要求を送信したそれぞれのローカルサーバに送信する。
【0091】
図10は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図10は、コンピュータ実装された方法である。
図10に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のみに関して説明されている。以下に説明する方法の各ステップは、ネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかによって実行され得ることは、当業者にとって明らかであろう。さらに、該方法は、クラウドサーバ及びローカルサーバに関して説明されているが、該方法は、クラウドサーバ及びローカルサーバに接続されたローカルコンピュータに関しても実現され得る。
【0092】
ステップ1005において、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つに関連付けられたローカルサーバは、1つ又は複数の実施形態のアプリケーションの起動により、ローカルIGPの現在のバージョンのバージョン情報をクラウドサーバにアップロードする。1つ又は複数の実施形態では、アプリケーションは、ベンダ又はベンダに関連付けられたサードパーティによって提供され得る。
【0093】
ステップ1010及び1015において、クラウドサーバは、ローカルサーバから送信されたバージョン情報を受信し、ローカルIGPの現在のバージョンが画像生成プログラムの古い(older)(「旧(outdated)」)バージョンであるか否かを判断する。
【0094】
ステップ1015において、チェックの結果がNOである場合、クラウドサーバは、ステップ1020に進み、該ステップにおいて、クラウドサーバは、ローカルIGPの現在のバージョンが最新の(most up-to-date)(「直近の(latest)」)バージョンである旨を示すメッセージをローカルサーバのユーザに表示するよう、ローカルサーバに命令を送信する。
【0095】
ステップ1015において、チェックの結果がYESである場合、クラウドサーバはステップ1025に進み、ローカルサーバに、画像生成プログラムの最新バージョンをダウンロードするように指示する。
【0096】
ステップ1030において、ローカルサーバは、クラウドサーバからの命令を受信すると、画像生成プログラムの最新バージョンをダウンロードし、ステップ1035に進み、古いローカルIGPを更新するために、最新バージョンの画像生成プログラムをインストールする。
【0097】
図11は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る
図1A及び1Bのシステムの1つの実装形態を示す。
図11に示すように、サイトAのローカルサーバ106とサイトBのローカルコンピュータ105は、画像取出し要求信号をクラウドサーバ101に送信し得る。
図11に示す例では、2つの医療画像(医療画像A及びB)が、各ローカルコンピュータ105のブラウザ上に、同時に表示されている。
【0098】
1つ又は複数の実施形態では、
図11に示す各矢印は、送信される信号/データを表す。矢印の方向は、信号/データが送信されている方向を示す。さらに、同じ要求/データに関係する信号は、同じ形式で示される。
【0099】
例えば、
図11に示すように、1つ又は複数の実施形態によれば、サイトBのローカルコンピュータ105は、画像取出し要求信号をクラウドサーバ101上の画像表示アプリケーションに送信する。画像表示アプリケーションは、画像取出し要求信号を受信し、未加工画像データ(すなわち、画像データ)取出し信号をクラウドリポジトリ103に送信する。クラウドリポジトリ103は、画像表示アプリケーションから信号を受信し、医療画像A及び医療画像Bの画像データを、医療画像が生成されるクラウドサーバ101上の画像生成プログラムに送信する。クラウドサーバ101は、医療画像A及びBをローカルコンピュータ(105)に送信し、そこで医療画像A及びBはユーザに表示される。
【0100】
図11に示すように、1つ又は複数の実施形態によれば、サイトAのローカルコンピュータ105上に表示された2つの医療画像A及びBは、2つの異なる場所、すなわち、1つはローカルサーバ106からローカルに(医療画像A)、もう1つはクラウドサーバ101からリモートに(医療画像B)に取り出される。具体的には、ローカルサーバ106は、ローカルリポジトリ107に格納された医療画像Aの画像データを有し得る。ローカルコンピュータ105が医療画像A及びBの両方の画像取出し要求をクラウドサーバ101に送信するとき、クラウドサーバ101は、医療画像Bを生成し、送信する。なぜならば、クラウドサーバ101は、医療画像Aの画像データがローカルサーバ106上にローカルに格納されていることを判断することができるからである。クラウドサーバ101は、ローカルサーバ106に格納された画像生成プログラムを使用してローカルに医療画像Aを生成するために、画像生成命令をローカルサーバ106に送信する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルサーバ106は、クラウドサーバ101から受信した医療画像と同じ医療画像を生成しない。なぜならば、クラウドサーバ101から受信した医療画像の画像データは、ローカルリポジトリ107において利用可能でないからである。1つ又は複数の実施形態では、クラウドサーバ101は、画像取出し要求に関連付けられた画像データ(例えば、医療画像Aの画像データ)をローカルリポジトリ107が含むと判断する場合、クラウドサーバ101は、該画像データに関連付けられた医療画像(すなわち、医療画像A)を生成しない。
【0101】
本発明の1つ又は複数の実施形態は、以下の利点の1つ又は複数を有し得る:高トラフィックネットワーク環境において様々なネットワーク接続性を有するローカルサーバ間の医療画像の交換のための高性能かつ安全な性能を効果的に提供する能力;ユーザによって設定されたデータストレージプリファレンスに基づいてデータを自動的に削除及び格納することによってローカルリポジトリのストレージスペースを効果的に利用する能力;接続性の悪いローカルサーバに高性能かつ安定した性能を提供するためにクラウドリポジトリからのトラフィックを相殺する能力;ローカル画像生成プログラムのバージョンが古いか否かを自動的に判断する能力;古いローカル画像生成プログラムを最新バージョンのプログラムで自動的に更新する能力などである。
【0102】
本発明を限定された数の実施形態に関して説明してきたが、本開示の利益を有する当業者は、ここに開示されるような本発明の要旨から逸脱しない他の実施形態を考案することができることを理解するであろう。したがって、本発明の要旨は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。