(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】電動家具
(51)【国際特許分類】
A61G 7/043 20060101AFI20220510BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220510BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61G7/043
A61B5/11 100
A61B5/00 101R
(21)【出願番号】P 2018064135
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】細川 雄史
(72)【発明者】
【氏名】下川 真人
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127491(JP,A)
【文献】特開2014-144022(JP,A)
【文献】特開2016-195762(JP,A)
【文献】特開2017-18378(JP,A)
【文献】特開2012-118782(JP,A)
【文献】特開2017-117418(JP,A)
【文献】特開2016-214839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/043
A61B 5/11
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動家具上の使用者が居る第1状態と、前記電動家具に前記使用者が居ない第2状態と、を判断する第1センサにより得られた第1検出結果と、
前記電動家具に設けられた第2センサにより得られた、前記使用者の体動を含む生体信号と、
に基づいて
、
前記第1検出結果が前記第1状態であるときに、
前記第2センサで検出された第1状態情報を複数の種類のピクトグラムで表示し、
前記第1検出結果が前記第2状態であるときに、
前記第1センサで検出された第2状態情報をピクトグラムで表示する電動家具。
【請求項2】
前記第1検出結果が前記第1状態であるときに、
前記第1検出結果と前記生体信号の少なくとも一部に対応した生体情報とを出力し、
前記第1検出結果を表示画像に前記ピクトグラムで表示し、前記生体情報を前記表示画像に表示する請求項1に記載の電動家具。
【請求項3】
前記第1検出結果が前記第2状態であるときに、前記生体情報を出力しない請求項
2記載の電動家具。
【請求項4】
処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1検出結果及び前記生体信号を入手して、前記第1検出結果が前記第1状態であるときに、前記生体情報を出力する、請求項
2または3に記載の電動家具。
【請求項5】
前記第2センサは、前記第1検出結果及び前記生体信号に基づいて、前記第1検出結果が前記第1状態であるときに、前記生体情報を出力する、請求項
2~4のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項6】
前記電動家具はボトムを含み、
前記第2センサは、前記ボトム上に設けられる、請求項
2~5のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項7】
前記第1センサは、前記ボトムが受ける荷重の変化に基づいて、前記第1状態または前記第2状態を判断する、請求項
6記載の電動家具。
【請求項8】
前記第1センサは、前記ボトムを駆動する駆動部に設けられた、請求項
6または7に記載の電動家具。
【請求項9】
第1アクチュエータをさらに備え、
前記第1アクチュエータは、前記ボトムの高さを変更し、
前記第1センサは、前記第1アクチュエータに設けられた第1荷重センサを含む、請求項
6または7に記載の電動家具。
【請求項10】
第2アクチュエータをさらに備え、
前記第2アクチュエータは、前記ボトムの傾斜を変更し、
前記第1センサは、前記第2アクチュエータに設けられた第2荷重センサを含む、請求項
6または7に記載の電動家具。
【請求項11】
前記第1センサをさらに備えた、請求項1~
10のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項12】
前記第2センサをさらに備えた、請求項1~
11のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項13】
前記生体信号は、前記使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかを含む、請求項1~
12いずれか1つに記載の電動家具。
【請求項14】
前記電動家具はベッドであり、
前記表示画像はベッドサイド端末またはサーバに接続された表示装置に表示され、
前記第2センサは、前記使用者の前記体動から前記使用者の離床を検出する動作モードを有する、請求項1~
13のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項15】
前記第2センサは、前記使用者の前記体動から前記使用者の睡眠状態を検出可能である、請求項1~
14のいずれか1つに記載の電動家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動家具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、空気収容体内の空気圧の変動により、電動家具の使用者の生体情報を検出する技術がある。生体情報をより正確に検出することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、生体情報をより正確に検出できる電動家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、電動家具は、電動家具上の使用者が居る第1状態と、前記電動家具に前記使用者が居ない第2状態と、を判断する第1センサにより得られた第1検出結果と、前記電動家具に設けられた第2センサにより得られた、前記使用者の体動を含む生体信号と、に基づいて、前記第1検出結果が前記第1状態であるときに、前記生体信号の少なくとも一部に対応した生体情報を出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、生体情報をより正確に検出できる電動家具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
【
図4】
図4(a)~
図4(d)は、第1実施形態に係る電動家具における信号を例示する模式図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(d)は、第1実施形態に係る電動家具における表示を例示する模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
【
図9】
図9(a)~
図9(d)は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る電動家具310は、例えば、ベッドである。電動家具310は、ボトム71を含む。ボトム71の上に、後述するマットレスが設けられる。マットレスの上に、電動家具310の使用者が横たわる。
【0010】
電動家具310は、例えば、病院または介護施設などで使用される。電動家具310は、例えば、家庭などで使用されても良い。
【0011】
この例では、ボトム71は、可動部70を含む。可動部70は、例えば、背ボトム70a(back section)、膝ボトム70b(upper leg section)、脚ボトム70c(lower leg section)及び高さ変更部70hなどを含む。高さ変更部70hは、例えば、ベッド昇降機である。
図1の例のように、可動部70は、頭ボトム70d(head section)をさらに含んでも良い。ボトム71に含まれる複数の部分(背ボトム70a、膝ボトム70b、脚ボトム70c及び頭ボトム70d)において、互いの角度が変更可能である。
【0012】
例えば、フレーム75の上にボトム71が設けられる。この例では、フレーム75の下にキャスタ70gが設けられている。キャスタ70gが省略され、「脚」に変更されても良い。
【0013】
電動家具310には、制御装置160が設けられている。制御装置160により、電動家具310の可動部70などを制御できる。制御装置160は、例えば、電動家具310のリモートコントローラ(リモコン)である。制御装置160は、例えば、手元スイッチである。
【0014】
制御装置160には、操作受付部20(ボタン、またはタッチパネルなど)が設けられる。操作受付部20は、使用者の操作を受け付ける。使用者が操作受付部20を操作することにより、例えば可動部70などが制御される。
【0015】
制御装置160は、照明の入り切り機能、看護者または介護者の呼び出し機能、または、電源の入り切り機能などの種々の機能を有しても良い。
【0016】
この例では、制御回路43が設けられている。制御装置160は、ケーブル15により制御回路43に接続される。制御回路43の動作により、上記の可動部70が動作する。
【0017】
この例では、ベッドサイド端末47が設けられている。ベッドサイド端末47には、例えば、ベッドの状態(例えば、ボトムの角度及び高さなど)が表示されても良い。ベッドサイド端末47に、使用者の状態などが表示されても良い。
【0018】
実施形態においては、第1センサ61及び第2センサ62が設けられる。第1センサ61は、電動家具310に関する状態(例えば、第1状態及び第2状態)を検出する。第1状態においては、電動家具310に使用者が居る。第2状態においては、電動家具310に使用者が居ない。電動家具310がベッドである場合において、第1状態は、在床状態である。第1状態は、例えば、使用者が横たわっている状態、使用者が座っている状態、及び、使用者が起き上がっている状態の少なくともいずれかを含む。第1状態は、例えば、使用者の体重の実質的に全てをベッドが受けている状態を含む。一方、第2状態は、例えば、離床状態である。この他、端座位などの第3状態が検出されても良い。例えば、第1状態においてベッドが受ける荷重は、第3状態においてベッドが受ける荷重よりも大きい。第2状態においてベッドが受ける荷重は、第3状態においてベッドが受ける荷重よりも小さい。
【0019】
この例では、ボトム71を駆動する駆動部(後述するアクチュエータ)が設けられる。第1センサ61は、この駆動部に設けられる。第1センサ61は、例えば、荷重センサである。
【0020】
一方、第2センサ62は、使用者の生体信号を検出する。生体信号は、使用者の体動を含む。生体信号は、例えば、使用者の呼吸数、及び、使用者の心拍数の少なくともいずれかを含む。
【0021】
図1に示すように、第2センサ62は、ボトム71上に設けられる。第2センサ62は、例えば、使用者の呼吸及び心拍に伴う力を検出する。これにより、呼吸数及び心拍数数などが検出される。第2センサ62の例については、後述する。
【0022】
実施形態においては、第1センサ61により得られた第1検出結果と、第2センサ62により得られた生体信号と、に基づいて、第1検出結果が第1状態(例えば、横たわっている状態)であるときに、生体信号の少なくとも一部に対応した生体情報が出力される。
【0023】
例えば、使用者がベッドに横たわっているかどうかに関係なく、第2センサ62の出力を生体情報として用いると、後述するように、正確な生体情報を得るために時間を要する場合があることが分かった。
【0024】
実施形態においては、第1検出結果が第1状態(例えば、横たわっている状態)であるときに、生体情報を出力する。これにより、より正確な生体情報が得られる。例えば、より短時間で正確な生体情報が得られる。
【0025】
このような処理は、任意の場所で行われても良い。処理は、例えば、第2センサ62で行われても良い。処理は、例えば、制御回路43などで行われても良い。処理は、例えば、ベッドサイド端末47など、または、サーバなどで行われても良い。
【0026】
以下、1つの例として、処理が第2センサ62で行われる場合について、説明する。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図2は、電動家具310のブロック図である。
【0028】
図2に示すように、例えば、第1センサ61から第1検出結果S61が出力される。この例では、第1検出結果S61は、制御回路43に供給される。制御回路43から、第1検出結果S61が第2センサ62に供給される。第2センサ62は、通信部62c、センサ部62d、及び、回路部62aを含む。例えば、第1検出結果S61は、通信部62cを介して、回路部62aに提供される。一方、センサ部62dにより、生体信号S62が検出される。得られた生体信号S62は、回路部62aに供給される。
【0029】
回路部62aは、第1センサ61により得られた第1検出結果S61と、第2センサ62により得られた生体信号S62と、に基づいて、第1検出結果S61が上記の第1状態であるときに、生体信号S62の少なくとも一部に対応した生体情報BS0を生成する。
【0030】
この例では、生体情報BS0は、通信部62cを介して外部に出力される。出力SS0は、生体情報BS0を含む。
【0031】
このように、この例では、第2センサ62の一部である回路部62aは、処理部42として機能する。
【0032】
図2に示すように、回路部62a(または通信部62c)は、第1状態であることを示す情報(第1状態情報SS1)、及び、第2状態であることを示す情報(第2状態情報SS2)の少なくともいずれかを出力しても良い。第1状態情報SS1は、例えば、「横たわっている状態」を示す情報である。第2状態情報SS2は、例えば、「離床」を示す情報である。これらの情報は、例えば、ベッドサイド端末47またはサーバなどに表示されても良い。
【0033】
このように、この例では、第2センサ62は、第1検出結果S61及び生体信号S62に基づいて、第1検出結果S61が第1状態であるときに、生体情報BS0を出力する。
【0034】
図3は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
図3に示すように、生体信号S62を入手する(ステップS110)。さらに、第1検出結果S61を入手する(ステップS120)。ステップS110及びステップS120の順序は、逆でも良い。これらのステップは、同時に実施されても良い。第1検出結果S61が第1状態かどうか、が、判断される(ステップS130)。第1状態である場合、生体情報BS0を出力する(ステップS140)。例えば、心拍数及び呼吸数などに関する情報が出力される。この情報は、例えば、ベッドサイド端末47などに表示されても良い。この情報は、サーバなどに供給されても良い。
【0035】
上記のステップS130において、第1検出結果S61が第1状態ではない場合は、例えば、第2状態であることを示す情報(第2状態情報SS2)が出力されても良い(ステップS135)。例えば、第1検出結果S61が第2状態であるときに、第2状態情報SS2が出力されても良い。ステップS135の後に、例えば、ステップS110の前に戻る。
【0036】
以下、電動家具における種々の信号の例について説明する。
図4(a)~
図4(d)は、第1実施形態に係る電動家具における信号を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。
図4(a)の縦軸は、第1検出結果S61に対応する信号強度である。
図4(b)の縦軸は、生体信号S62に対応する信号強度である。
図4(c)の縦軸は、生体情報BS0に対応する値(例えば、心拍数または呼吸数など)である。
図4(d)の縦軸は、回路部62a(または通信部62c)から外部に出力される出力SS0に対応する。出力SS0は、例えば、第1状態情報SS1または第2状態情報SS2などに対応した情報である。
【0037】
図4(a)に示すように、第1検出結果S61(例えば、荷重)が第1しきい値V1よりも大きいときに、第1状態ST1と判断される。第1検出結果S61(例えば、荷重)が第2しきい値V2未満のときに、第2状態ST2と判断される。この他、これらの間の「端座位」などの第3状態が設けられても良い。この例では、第1時刻t1よりも前の期間において、使用者は第1状態ST1(例えば、「横たわっている」状態)である。
【0038】
図4(b)に示すように、第1時刻t1よりも前の期間において、生体信号S62は、周期的な変化を繰り返す状態(第1生体状態BS1)である。この生体信号S62は、例えば、心拍である。この生体信号は、呼吸でも良い。以下では、生体信号S62が心拍である場合について説明する。
【0039】
図4(b)に示すように、第1時刻t1を過ぎると、生体信号S62は、異常に大きく変化する(異常生体状態BSX)。この変化は、使用者が「横たわった状態」から起き上がる動作に対応する。さらに、その後、生体信号S62は、非常に小さい変化を示す状態(第2生体状態BS2)となる。第2生体状態BS2は、例えば、使用者が離床している状態に対応する。
【0040】
図4(c)に示すように、生体情報BS0は、第1時刻t1よりも前(第1状態ST1)のときに、出力される。例えば、第1状態ST1における心拍数が出力される。例えば、回路部62a(または通信部62c)から、第1状態ST1における心拍数が、生体情報BS0として出力される。
【0041】
例えば、上記の異常生体状態BSXまたは第2生体状態BS2を含む検出結果を生体情報BS0として出力すると、その生体情報BS0は、不正確である場合がある。
【0042】
実施形態においては、使用者が第1状態ST1が第2状態ST2であるか、どうかを、第1センサ61で検出する。その検出結果に基づいて、第1状態ST1であるときに、得られた生体信号S62を生体情報BS0として出力できる。これにより、より正確な生体情報BS0を提供できる。
【0043】
図4(d)に示すように、回路部62a(または通信部62c)から、出力SS0として、第1状態情報SS1(「横たわっている」ことを示す情報)、または、第2状態情報SS2(「離床」を示す情報)が出力されても良い。
【0044】
図5(a)~
図5(d)は、第1実施形態に係る電動家具における表示を例示する模式図である。
これらの図は、例えば、ベッドサイド端末47における表示の例を示す。
図5(a)に示すように、表示画像D1中に、使用者の名前81Nが表示されても良い。表示画像D1に、生体情報BS0として、例えば、心拍数として「50」の文字、及び、呼吸数として「10」の数字が表示される。この例では、使用者が第1状態ST1であることを示す第1状態情報SS1が表示されている。この例では、第1状態情報SS1は、「睡眠」であることを示す図(ピクトグラム)である。
【0045】
図5(b)に示すように、第1状態情報SS1として、「覚醒」であることを示す図(ピクトグラム)でも良い。「睡眠」または「覚醒」の区別は、第2センサ62で検出されても良い。
【0046】
図5(c)に示すように、使用者の状態が「座位(または端座位)」(第3状態)であるときに、第3状態情報SS3が表示されても良い。第3状態情報SS3は、例えば、「座位」を示す図(ピクトグラム)である。「座位」は、例えば、第1センサ61で検出できる。
【0047】
図5(d)に示すように、使用者が離床状態であるときに、第2状態情報SS2が表示されても良い。第2状態情報SS2は、「離床」を示す図(ピクトグラム)である。例えば、第1センサS61により、第1状態ST1ではないことが検出されたときに、第2状態ST2であると判断されても良い。この場合に、第2状態情報SS2が表示される。例えば、第3状態が検出される場合において、第1状態ST1ではなく第3状態でもないときに、第2状態ST2と判断されても良い。
【0048】
これらの図は、例えば、サーバに接続された表示装置に表示されても良い。この場合、例えば、複数の使用者に関する図が、1つの画面に表示されても良い。
【0049】
実施形態において、第2センサ62で得られる生体信号S62から、使用者の離床を検出する動作モード(離床検出モード)を有していても良い。この場合、得られる生体信号S62には、使用者の心拍または呼吸に対応した信号と、離床に伴う振動に対応した信号と、が含まれる。
【0050】
この場合でも、第1センサ61で得られる第1検出結果S61に基づいて、使用者の離床が検出され、その情報に基づいて、第2センサ62で得られた生体信号S62から生体情報BS0を出力するか否かが制御されても良い。これにより、より正確な生体情報BS0が得られる。
【0051】
例えば、第2センサ62で得られる生体信号S62から、使用者の離床を検出する動作(離床検出モード)を行う場合、生体信号S62に生じる変動が、心拍数などの変動であるのか、離床に伴う変動であるのかが、判断し難い。このため、特殊なデータ処理が行われる場合もある。このため、生体信号S62から生体情報BS0を得るまでに、時間がかかる場合がある。さらに、離床の検出にも時間がかかる場合がある。
【0052】
これに対して、本実施形態においては、使用者の第1状態ST1または第2状態ST2の検出(例えば離床の検出)を第1センサ61で行い、生体信号S62は、第2センサ62で行う。2つのセンサが用いられることで、生体情報BS0を出力するまでの時間を短くすることができる。実施形態においては、離床の検出に要する時間を短縮できる。
【0053】
以下、上記の処理が処理回路43で実施される例について、説明する。
図6は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図6に示すように、実施形態に係る電動家具311においては、例えば、第1センサ61から第1検出結果S61が制御回路43に供給される。一方、センサ部62dにより、生体信号S62が検出される。得られた生体信号S62は、回路部62aに供給される。回路部62aで処理された生体信号S62は、通信部62cを介して、制御回路43に供給される。制御回路43は、第1センサ61により得られた第1検出結果S61と、第2センサ62により得られた生体信号S62と、に基づいて、第1検出結果S61が上記の第1状態ST1であるときに、生体信号S62の少なくとも一部に対応した生体情報BS0を生成する。
【0054】
この例では、制御回路43は、処理部42として機能する。
【0055】
図6に示すように、制御回路43は、第1状態であることを示す情報(第1状態情報SS1)、及び、第2状態であることを示す情報(第2状態情報SS2)の少なくともいずれかを出力しても良い。これらの情報、例えば、ベッドサイド端末47またはサーバなどに表示されても良い。
【0056】
このように、実施形態に係る電動家具311は、処理部42をさらに含んでも良い。処理部42は、例えば、制御回路43である。処理部42は、第1検出結果S61及び生体信号S62を入手して、第1検出結果S61が第1状態ST1であるときに、生体情報BS0を出力する。
【0057】
図7は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図7に示すように、電動家具312においては、第1~第3アクチュエータ72a~72cが設けられる。第1アクチュエータ72aは、例えば、高さ変更部70h(
図1参照)に対応する。第2アクチュエータ72bは、例えば、背ボトム70aの角度を変更する。第3アクチュエータ72cは、例えば、膝ボトム70bの角度を変更する。
【0058】
制御回路43は、これらのアクチュエータの動作のための制御信号を、これらのアクチュエータに供給する。
【0059】
この例では、第1センサ61として、第1荷重センサ61aが設けられる。第1荷重センサ61aは、第1アクチュエータ72aに設けられる。実施形態において、第1センサ61として、第2荷重センサ61bが設けられても良い。第2荷重センサ61bは、第2アクチュエータ72bに設けられる。実施形態において、第1センサ61として、第3荷重センサ61cが設けられても良い。第3荷重センサ61cは、第3アクチュエータ72cに設けられる。実施形態において、第1センサ61として第1荷重センサ61aが設けられ、他の荷重センサが設けられなくても良い。
【0060】
このように、第1センサ61は、ボトム71が受ける荷重の変化に基づいて、第1状態ST1または第2状態ST2を検出しても良い。例えば、第1センサ61は、ボトム71を駆動する駆動部(例えばアクチュエータ)に設けられても良い。装置が小型化できる。例えば、部品数の増大が抑えられる。
【0061】
これらの荷重センサで得られた信号は、例えば、制御回路43に供給される。
【0062】
電動家具312において、通信ネットワーク46が設けられる。通信ネットワーク46において、有線及び無線の少なくともいずれかによる通信が可能である。通信ネットワーク46の1つのポートが、制御回路43に接続される。通信ネットワーク46の別のポートが、第2センサ62に接続される。通信ネットワーク46の別のポートが、ベッドサイド端末47に接続されても良い。通信ネットワーク46の別のポートが、通信機器45に接続されても良い。通信機器45は、サーバ49などに接続される。
【0063】
例えば、生体情報BS0、第1状態情報SS1、及び、第2状態情報SS2の少なくともいずれかが、ベッドサイド端末47、通信機器45及びサーバ49の少なくともいずれかに供給されてもよい。
【0064】
以下、第2センサ62のいくつかの例について説明する。
【0065】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図8(a)は、第2センサ62、及び、第2センサ62の配置を例示する模式的斜視図である。
図8(b)は、第2センサ62を例示する模式的平面図である。
図8(a)においては、図を見やすくするために、構成要素が互いに離されて描かれている。
【0066】
図8(a)に示すように、電動家具340において、ベッド部70Bのベッド脚部74の上に、ボトム71が設けられる。ボトム71の上に、マットレス76が設けられる。マットレス76の上に、使用者81が横たわる。第2センサ62は、ボトム71とマットレス76との間に設けられる。この例では、第2センサ62は、シート状またはプレート状である。
【0067】
図8(b)に示すように、第2センサ62は、回路部62a及びセンサ部62bを含む。回路部62aは、通信部62cを含む。通信部62cは、制御回路43とデータの送受信を行う。送受信は、有線及び無線の少なくともいずれかを含む任意の方法により行われる。
【0068】
センサ部62bは、例えば、センサ部品62dを含む。センサ部62bは、センサ部62bが受ける力(または力に対応した特性)を検出する。力は、例えば、圧力及び音波の少なくともいずれかを含む。センサ部62bは、例えば、圧力センサを含む。センサ部62bは、例えば、マイクロフォンを含む。
【0069】
センサ部62bに、マットレス76を介して、使用者81による力(圧力及び音波の少なくともいずれか)が加わる。例えば、センサ部62bで検出された力に基づく信号が、回路部62aから出力される。出力された信号が制御回路43に供給される。制御回路43において、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、回路部62aにおいて、センサ部62bで検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。使用者81の状態は、起き上がり、離床準備状態(例えば端座位)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0070】
さらに、制御回路43または回路部62aの少なくともいずれかにおいて、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者の生体信号が検出される。生体信号は、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかを含む。生体信号に基づいて、睡眠の状態が推定されても良い。生体信号に基づいて、寝ているときの使用者の姿勢が推定されても良い。
【0071】
例えば、使用者81の状態に応じた振動が、センサ部62bに加わる。振動は、例えば、使用者81の体動に応じている。振動がセンサ部62bにおいて検出される。振動は、音を含んでも良い。
【0072】
例えば、振動検出手段(センサ部62b)と、処理部(回路部62a及び制御回路43の少なくともいずれかの少なくとも一部)と、が設けられる。処理部は、例えば、コンピュータを含む。振動検出手段は、例えば、寝具(ベッド部70B)上の就寝者(使用者81)の振動を検出する。
【0073】
処理部は、例えば、活動量算出手段と、睡眠判定値算出手段と、睡眠状態判定手段と、を含む。これらの手段は、機能的に分けられている。活動量算出手段は、例えば、振動検出手段により検出された振動に基づいて、就寝者の活動量をサンプリング単位時間毎に算出する。睡眠判定値算出手段は、例えば、第1時刻(例えば、現在の時刻)の活動量と、第2時刻(例えば現在の時刻以前の時刻)に算出した活動量と、に、時間に応じて重み付けした補正係数を乗じた値の総和を睡眠判定値として算出しても良い。睡眠状態判定手段は、例えば、睡眠判定値が所定の閾値を超えた場合には覚醒状態と判定し、それ以外の場合には睡眠状態と判定しても良い。
【0074】
図9(a)~
図9(d)は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
図9(a)は、第2センサ62の例の断面図である。
図9(b)は、第2センサ62の例の平面図である。
図9(c)は、第2センサ62の配置を例示する斜視図である。
図9(d)は、第2センサ62の配置を例示する側面図である。
【0075】
図9(a)に示すように、この例においては、第2センサ62は、第1板体62pと、第2板体62qと、を含む。第2板体62qは、第1板体62pと対向する。これらの板体は、シート状でも良い。
【0076】
第2板体62qは、支持突起62sを含む。支持突起62sは、第1板体62pの外縁部に対向する。第1板体62pは、外縁部の内側の内側部を含む。内側部と、第2板体62qと、の間に、空気収容体62rが設けられる。この例では、第2板体62qに溝62tが設けられている。溝62tにより形成される空間(分けられる空間)に空気収容体62rが設けられる。空気収容体62rには、信号線62uの一端が接続される。信号線62uの他端は、検出回路62v(検出装置)に接続される。
【0077】
図9(b)に示すように、支持突起62sは、第1板体62pの外縁の一部と対向する。この例では、支持突起62sは、第1板体62pの、4つのコーナー部に設けられている。センサ62は、シート状、または、板状である。
【0078】
図9(c)に示すように、ボトム71の上に、上記の第2センサ62が置かれる。
【0079】
図9(d)に示すように、ボトム71の上に、第2センサ62が置かれ、その上に、マットレス76が置かれる。マットレス76の上に、使用者81が横たわる。
【0080】
例えば、使用者81の体の動きに応じた力が空気収容体62rに加わる。この力は、例えば、振動を含む。空気収容体62rに加わる力(または力に対応した特性)が検出回路62vにより検出される。例えば、空気収容体62rに、圧力検出器が設けられ、圧力検出器により得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、空気収容体62rに、マイクロフォンが設けられ、マイクロフォンにより得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、検出回路62vの出力(信号)が制御回路43に供給される。制御回路43において、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、検出回路62vにおいて、検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。使用者81の状態は、起き上がり、端座位(例えば離床準備状態)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0081】
第2センサ62は、例えば、生体情報収集装置である。第2センサ62において、第1板体62pは、例えば、使用者81の身体側に配置される。第2板体62qは、例えば、支持側に設けられる。第1板体62pと第2板体62qとの中央部間に、空気圧検出用の変形可能な空気収容体62rが設けられる。第2板体62qの中央部には、空気収容体62rを装着する溝62tが設けられる。支持突起62sは、第2板体62qから第1板体62pに向かう方向に、突出する。支持突起62sは、第1板体62pの周囲の四隅を支持する。支持突起62sは、例えば、第1板体62pを水平な状態(正常状態)に常時支持する。
【0082】
実施形態において、第2センサ62は、種々の変形が可能である。
【0083】
図10は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
図10に示すように、電動家具350においては、第1センサ61として、荷重センサ61Fが設けられる。荷重センサ61Fは、例えば、ベッドのキャスタ70gの上部に設けられる。この場合も荷重センサ61Fにより、使用者81における、第1状態ST1または第2状態ST2が検出できる。
【0084】
これにより、
図10に示すように、第1センサ61として、画像センサ61Gが設けられても良い。使用者81における、第1状態ST1または第2状態ST2が検出できる。この他、第1センサ61として、赤外線センサなどが設けられても良い。
【0085】
図11は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
図11に示すように、電動家具351においては、第1センサ61として、荷重センサ61Hが設けられる。荷重センサ61Hは、例えば、シート状である。荷重センサ61Hは、例えば、ベッドの近傍の床に置かれる。例えば、ベッドの使用者81がベッドから起き上がり、ベッドから離れようとすると、使用者81は、荷重センサ61Hを踏む。この力が荷重センサ61Hにより検出される。荷重センサ61Hにより検出した荷重に基づく信号に基づいて、使用者81における、第1状態ST1(使用者81が電動家具に居る状態)または第2状態ST2(使用者81が電動家具に居ない状態)が検出できる。
【0086】
図11に示すように、電動家具351において、第1センサ61として、荷重センサ61J及び61Kなどが設けられても良い。荷重センサ61J及び61Kなどは、例えば、ベッドのレール75L(サイドレールなど)に設けられる。荷重センサ61J及び61Kなどは、フレーム75などにもうけられても良い。荷重センサ61J及び61Kなどは、手すりなどにもうけられても良い。例えば、ベッドの使用者81がベッドから起き上がり、ベッドから離れようとするときに、体を支えるために、レール75L、フレーム75または各種の手すりをさわる場合(体を支える場合)がある。使用者81の体による荷重を荷重センサ61J及び61Kなどで検出することで、使用者81における、第1状態ST1または第2状態ST2が検出できる。
【0087】
電動家具351においては、第1検出結果S61(
図2参照)は、第1状態及び第2状態を少なくとも検出する。第1状態は、例えば、第1センサ61(荷重センサ61H、61J及び61Kなど)が荷重を検出しない状態である。第2状態は、例えば、第1センサ61(荷重センサ61H、61J及び61Kなど)が荷重を検出したときの状態である。
第1状態は、例えば、電動家具に使用者81が居る状態に対応する。第2状態は、家具に使用者81が居ない状態に対応する。
【0088】
電動家具351においても、第1センサ61により得られた第1検出結果S61と、第2センサ62により得られた生体信号S62、第1検出結果S61が第1状態であるときに、生体信号S62の少なくとも一部に対応した生体情報BS0が出力される。
【0089】
図12は、実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、電動家具360は、電動椅子である。電動家具330は、背もたれ部70p及び座面部70qを含む。背もたれ部70pは、角度が変更可能なボトム部に対応する。座面部70qは、高さ変更部に対応する。座面部70qの角度が変更可能でも良い。例えば、電動家具360の脚部に荷重センサ61Fが設けられる。背もたれ部70pに第2センサ62が設けられる。
【0090】
実施形態によれば、生体情報をより正確に検出できる電動家具が提供できる。
【0091】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、電動家具に含まれるセンサ、処理部、処理回路、可動部、ボトム及びマットレスなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0092】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0093】
その他、本発明の実施形態として上述した電動家具を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電動家具も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0094】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0095】
15…ケーブル、 20…操作受付部、 42…処理部、 43…制御回路、 45…通信機器、 46…通信ネットワーク、 47…ベッドサイド端末、 49…サーバ、 61…第1センサ、 61F…荷重センサ、 61G…画像センサ、 61H、61J、61K…荷重センサ、 61a~61c…第1~第3荷重センサ、 62…第2センサ、 62a…回路部、 62b…センサ部、 62c…通信部、 62d…センサ部品、 62p…第1板体、 62q…第2板体、 62r…空気収容体、 62s…支持突起、 62t…溝、 62u…信号線、 62v…検出回路、 70…可動部、 70B…ベッド部、 70a…背ボトム、 70b…膝ボトム、 70c…脚ボトム、 70d…頭ボトム、 70g…キャスタ、 70h…高さ変更部、 70p…背もたれ部、 70q…座面部、 71…ボトム、 72a~72c……第1~第3アクチュエータ、 74…ベッド脚部、 75…フレーム、 76…マットレス、 81…使用者、 81N…名前、 160…制御装置、 310、311、312、330、340、350、351、360…電動家具、 BS0…生体情報、 BS1、BS2…第1、第2生体状態、 BSX…異常生体状態、 D1…表示画像、 S61…第1検出結果、 S62…生体信号、 SS0…出力、 SS1…第1状態情報、 SS2…第2状態情報、 SS3…第3状態情報、 V1、V2…第1、第2しきい値、 t1…第1時刻、 tm…時間