(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20220510BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
H05B6/12 324
F24C3/12 Z
F24C3/12 E
F24C3/12 A
(21)【出願番号】P 2018075700
(22)【出願日】2018-04-10
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇文
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0122134(US,A1)
【文献】特開2008-008536(JP,A)
【文献】特開2004-047250(JP,A)
【文献】特開2003-102173(JP,A)
【文献】特開昭54-121434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器であって、
商用電源に接続される電力供給手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を利用して動作するガス加熱ユニットと、
絶縁手段と、を備え、
前記ガス加熱ユニットは、
ガスを燃焼させて加熱を行うガス加熱部と、
前記ガス加熱部による加熱を制御するガス加熱制御部と、
前記ガス加熱部の近傍において、利用者が接触可能な態様で露出している可触部であって、前記ガスへの点火を行う点火部と、前記ガスの燃焼炎を検知する炎検知部と、のうちの少なくとも一方を含む前記可触部と、を有しており、
前記絶縁手段は、前記電力供給手段と前記可触部の間において
、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能な手段である、
加熱調理器。
【請求項2】
前記絶縁手段は、二重絶縁相当の少なくとも2個の独立した絶縁構造を含む、
請求項
1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記絶縁手段は、少なくとも1個の強化絶縁構造を含む、
請求項
1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記電力供給手段から供給される電力を利用して動作する電気加熱ユニットをさらに備え、
前記電気加熱ユニットは、
電気を熱に変換して加熱を行う電気加熱部と、
前記電気加熱部による加熱を制御する電気加熱制御部と、を有している、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットのうちの第1のユニットは、前記電力供給手段に電気的に接続されており、
前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットのうちの前記第1のユニットとは異なる第2のユニットは、前記第1のユニットに電気的に接続されている、
請求項
4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットは、それぞれ、前記電力供給手段に電気的に接続されている、
請求項
4に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガス加熱ユニットを備える加熱調理器が開示されている。ガス加熱ユニットは、ガスを燃焼させて加熱を行うガス加熱部と、ガス加熱部による加熱を制御するガス加熱制御部と、ガス加熱部の近傍において、利用者が接触可能な態様で露出している可触部とを備える。可触部は、ガスへの点火を行う点火部と、ガスの燃焼炎を検知する炎検知部と、を含む。また、加熱調理器は、電力供給源である電池(例えば一次電池である乾電池)も備えている。ガス加熱ユニットは、電池から供給される電力を利用して動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような加熱調理器において、電池に代えて商用電源を電力供給源として使用することが考えられる。その場合、加熱調理器には、電池に代えて、商用電源に接続される電力供給手段が備えられる。ガス加熱ユニットは、その電力供給手段から供給される電力を利用して動作する。
【0005】
ただし、一般的に、商用電源の電圧は乾電池等の電池の電圧に比べて大きい。そのため、商用電源を電力供給源とする加熱調理器において、利用者が誤ってガス加熱ユニットの可触部に触れた場合、電池が電力供給源である場合に比べて、感電の可能性が高くなる。商用電源を電力供給源とする加熱調理器を採用する場合において、利用者がガス加熱ユニットの可触部に触れたとしても、感電を防止し得る対策が求められている。
【0006】
本明細書では、商用電源を電力供給源とする加熱調理器において、利用者がガス加熱ユニットの可触部に触れたとしても、感電を防止できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する加熱調理器は、商用電源に接続される電力供給手段と、前記電力供給手段から供給される電力を利用して動作するガス加熱ユニットと、絶縁手段と、を備える。前記ガス加熱ユニットは、ガスを燃焼させて加熱を行うガス加熱部と、前記ガス加熱部による加熱を制御するガス加熱制御部と、前記ガス加熱部の近傍において、利用者が接触可能な態様で露出している可触部であって、前記ガスへの点火を行う点火部と、前記ガスの燃焼炎を検知する炎検知部と、のうちの少なくとも一方を含む前記可触部と、を有している。前記絶縁手段は、前記電力供給手段と前記可触部の間において絶縁性能を発揮可能な手段である。
【0008】
上記の構成によると、加熱調理器は、電力供給手段と可触部の間において絶縁性能を発揮可能な絶縁手段を備える。絶縁手段を備えることにより、利用者がガス加熱ユニットの可触部に触れたとしても、利用者が感電する事態は生じ難い。従って、上記の構成によると、商用電源を電力供給源とする加熱調理器において、利用者がガス加熱ユニットの可触部に触れたとしても、感電を防止することができる。
【0009】
前記絶縁手段は、前記電力供給手段と前記可触部の間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能な手段である。
【0010】
ここで、「二重絶縁」とは、基礎絶縁及び付加絶縁の両方で構成される絶縁のことを意味してもよい(JIS規格参照)。二重絶縁の絶縁性能は、基礎絶縁の絶縁性能に比べて高い。「基礎絶縁」とは、感電に対する基礎的な保護を行うために、充電部(即ち、電気系統と接続されている部分)に施した絶縁のことを意味してもよい(JIS規格参照)。「付加絶縁」とは、基礎絶縁が破損した場合に感電に対する保護を行うために、基礎絶縁に追加された独立の絶縁のことを意味してもよい(JIS規格参照)。
【0011】
この構成によると、絶縁手段は、電力供給手段と可触部の間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能である。そのため、電力供給手段と可触部の間に基礎絶縁1個分のみの絶縁性能を発揮する絶縁手段が備えられている場合に比べて、高い絶縁性能を発揮可能である。そのため、上記の構成によると、利用者が感電する事態をより適切に防止することができる。
【0012】
前記絶縁手段は、二重絶縁相当の少なくとも2個の独立した絶縁構造を含んでもよい。
【0013】
ここで、二重絶縁相当の少なくとも2個の独立した絶縁構造とは、少なくとも2個の基礎絶縁構造のことであってもよいし、少なくとも1個の基礎絶縁構造と少なくとも1個の付加絶縁構造との組合せであってもよい。例えば、1個の基礎絶縁構造は、一次側と二次側の配線を直接接続させない電源変換部(いわゆるトランス)を設ける構造を含む。この構成によると、絶縁手段は、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を適切に発揮することができる。
【0014】
前記絶縁手段は、少なくとも1個の強化絶縁構造を含んでもよい。
【0015】
ここで、「強化絶縁」とは、感電に対し二重絶縁と同程度の保護を持つ、充電部に施した単一の絶縁のことを意味してもよい(JIS規格参照)。例えば、強化絶縁構造は、一次側と二次側の配線を直接接続させない電源変換部(いわゆるトランス)を設けるとともに、一次側と二次側の配線をいずれの箇所においても所定距離以上離隔させる構造を含む。この構成によると、絶縁手段は、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を適切に発揮することができる。
【0016】
上記の加熱調理器は、前記電力供給手段から供給される電力を利用して動作する電気加熱ユニットをさらに備えてもよい。前記電気加熱ユニットは、電気を熱に変換して加熱を行う電気加熱部と、前記電気加熱部による加熱を制御する電気加熱制御部と、を有していてもよい。
【0017】
ここで、「電気加熱部」とは、電熱器(例えばシーズヒータ等、電気をジュール熱に変換する加熱器)、IH加熱器(即ち、電気を利用して発生する磁力を利用して加熱対象物(鍋等)を誘導加熱する加熱器)等、電気を熱に変換して加熱対象物を加熱可能な各種加熱部を含む。
【0018】
この構成によると、加熱調理器が、商用電源を電力供給源とする電気加熱ユニットとガス加熱ユニットとを両方備える場合において、利用者がガス加熱ユニットの可触部に触れたとしても、感電を防止することができる。
【0019】
前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットのうちの第1のユニットは、前記電力供給手段に電気的に接続されており、前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットのうちの前記第1のユニットとは異なる第2のユニットは、前記第1のユニットに電気的に接続されていてもよい。
【0020】
この構成によると、第2のユニットが動作できない状況が発生する場合(例えば、第2のユニットに不具合が発生する場合)においても、電力供給手段に電気的に接続されている第1のユニットを継続して動作させることができるため、第2のユニットが動作できない間に、加熱調理器を用いた調理が全く行えない事態の発生を防止することができる。
【0021】
前記ガス加熱ユニットと前記電気加熱ユニットは、それぞれ、前記電力供給手段に電気的に接続されていてもよい。
【0022】
この構成によると、ガス加熱ユニットと電気加熱ユニットとのうちの一方が動作できない状況が発生する場合(例えば、当該加熱ユニットに不具合が発生する場合)においても、電力供給手段に電気的に接続されている他方の加熱ユニットを継続して動作させることができるため、一方の加熱ユニットが動作できない間に、加熱調理器を用いた調理が全く行えない事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施例の加熱調理器2の構成を模式的に示す図。
【
図2】第2実施例の加熱調理器102の構成を模式的に示す図。
【
図3】第3実施例の加熱調理器202の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施例)
図1に示される本実施例の加熱調理器2は、商用電源(図示しない)を電力供給源として動作する加熱調理器である。そして、加熱調理器2は、電気を熱に変換して加熱を行う電気式加熱と、ガスを燃焼させて加熱を行うガス式加熱とを両方行うことができるハイブリッドタイプの加熱調理器である。
図1に示されるように、加熱調理器2は、電力供給手段4と、電気加熱ユニット6と、ガス加熱ユニット8と、を備える。本実施例では、電気加熱ユニット6は電力供給手段4に電気的に接続され、ガス加熱ユニット8は電気加熱ユニット6に電気的に接続されている。即ち、電力供給手段4と電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8とがこの順で直列に接続されていると言い換えてもよい。
【0025】
電力供給手段4は、商用電源に接続され、商用電源から加熱調理器2の各ユニットに電力を供給するための手段である。電力供給手段4は、例えば電源プラグである。
【0026】
電気加熱ユニット6は、電力供給手段4から供給される電力を利用して動作する加熱ユニットである。上記の通り、電気加熱ユニット6は電力供給手段4に電気的に接続されている。電気加熱ユニット6は、電気加熱部10と、電気加熱制御部12と、を有している。
【0027】
電気加熱部10は、電気を熱に変換することにより、載置されている加熱対象物(例えば鍋)を加熱するための加熱部である。本実施例では、電気加熱部10は、電気を利用して発生する磁力を利用して加熱対象物(鍋等)を誘導加熱するいわゆるIH加熱器である。他の例では、電気加熱部10は、電気をジュール熱に変換する電熱器(例えばシーズヒータ)等、電気を熱に変換可能な他の加熱器であってもよい。
図1に示されるように、電気加熱部10は、電力供給手段4に直接接続されている。電気加熱部10は、高圧の交流電源(この場合は商用電源(例えばAC200V))を、電気加熱部10で利用可能な直流電源に変換するための変換部を内蔵している。電気加熱部10は、内蔵している変換部によって変換された後の直流電源を利用して加熱を行う。
【0028】
電気加熱制御部12は、電気加熱部10による加熱を制御する制御部である。
図1に示されるように、電気加熱制御部12は、電力供給手段4と電気的に接続されている電力供給系統から、基礎絶縁構造30を介して電力供給を受けて動作する。基礎絶縁構造30については後で詳しく説明する。
【0029】
ガス加熱ユニット8も、電力供給手段4から供給される電力を利用して動作する加熱ユニットである。上記の通り、ガス加熱ユニット8は電気加熱ユニット6に電気的に接続されている。即ち、ガス加熱ユニット8は、電気加熱ユニット6を介して、電力供給手段4からの電力の供給を受けている。ガス加熱ユニット8は、ガス加熱部20と、ガス加熱制御部22と、可触部24と、を有している。
【0030】
ガス加熱部20は、ガスを燃焼させることにより、載置されている加熱対象物(例えば鍋)を加熱するための加熱部である。図示しないが、ガス加熱部20は、ガスを供給するためのガス供給路、供給されたガスを燃焼させるバーナ等を有している。ガス加熱制御部22は、ガス加熱部20による加熱を制御する制御部である。可触部24は、ガス加熱部20の近傍において、利用者が接触可能な態様で露出している部分である。可触部24は、ガスへの点火を行うための点火部26と、ガスの燃焼炎を検知する炎検知部28とを有している。
図1に示されるように、ガス加熱部20、ガス加熱制御部22、可触部24も、電力供給手段4と電気的に接続されている電力供給系統から電力供給を受けて動作する。
【0031】
また、上述の電気加熱制御部12と、ガス加熱制御部22とは、それぞれ、フォトカプラを備える通信用回路を内蔵している。電気加熱制御部12と、ガス加熱制御部22とは、送信側の発光ダイオードに光を発光させ、受信側のフォトトランジスタを導通させることで信号伝達を行う。このように、上述の電気加熱制御部12と、ガス加熱制御部22とは、電気的に絶縁された状態で相互に通信可能に構成されている。
【0032】
図1に示されるように、本実施例の加熱調理器2は、加熱調理器2の電力供給系統中の位置P1、P2、P3のそれぞれに、基礎絶縁構造30、40、50が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器2では、商用電源に接続される電力供給手段4と、外部に露出して利用者が接触可能な可触部24と、の間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。
【0033】
ここで、「二重絶縁」とは、基礎絶縁及び付加絶縁の両方で構成される絶縁のことを意味してもよい(JIS規格参照)。二重絶縁の絶縁性能は、基礎絶縁の絶縁性能に比べて高い。「基礎絶縁」とは、感電に対する基礎的な保護を行うために、充電部(即ち、電気系統と接続されている部分)に施した絶縁のことを意味する(JIS規格参照)。「付加絶縁」とは、基礎絶縁が破損した場合に感電に対する保護を行うために、基礎絶縁に追加された独立の絶縁のことを意味する(JIS規格参照)。基礎絶縁構造30、40、50は、例えば、一次側と二次側の配線を直接接続させない電源変換部(いわゆるトランス)を設ける構造である。また、他の例では、基礎絶縁構造30、40、50は、一次側と二次側の配線をいずれの箇所においても所定距離以上離隔させる構造(いわゆる離隔による絶縁構造)であってもよい。
【0034】
図1の例において基礎絶縁構造30が設けられている位置P1は、電気加熱ユニット6内の電力供給系統のうち、電力供給手段4側の上流端部分と、電力を利用する電気加熱制御部12と、の間の位置である。そのため、例えば、基礎絶縁構造30は、高圧の交流電源である商用電源(例えばAC200V)を、電気加熱制御部12で利用可能な低圧の直流電源(例えばDC12V)に変換するための降圧トランスである。ここで、「トランス」の語は、交流電源の変圧(降圧)を行う変圧部、変圧後の交流電源を整流して直流電源に変換する整流器、及び、直流電源を平滑する平滑コンデンサ、を含む装置のことを意味する場合がある。以下、本明細書において言及される各種の「トランス」についても同様とする。
【0035】
基礎絶縁構造40が設けられている位置P2は、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8とを電気的に接続するユニット間電力供給部である。そのため、例えば、基礎絶縁構造40は、一次側と二次側との間で昇降圧を行わない絶縁トランスである。絶縁トランスも、上記の変圧部、整流器、及び、平滑コンデンサ、を含む。ただし、絶縁トランスは、その一次側において、直流電源を交流電源に変換する変換器をさらに含んでいる。これにより、絶縁トランスでは、変換部における直流電源から交流電源への変換、変圧部における交流電源の変圧(ただし昇降圧は行わない)、整流器における整流と直流電源への変換、及び、平滑コンデンサによる直流電源の平滑、が行われる。以下、本明細書で言及する絶縁トランスについても同様とする。
【0036】
基礎絶縁構造50が設けられている位置P3は、ガス加熱ユニット8内の電力供給系統のうち、ガス加熱ユニット8側の上流端部分と、電力を利用する各要素(即ち、ガス加熱部20、ガス加熱制御部22、及び、可触部24)と、の間の位置である。例えば、基礎絶縁構造50は、一次側と二次側との間で昇降圧を行わない絶縁トランスである。
【0037】
以上、本実施例の加熱調理器2の構造を説明した。上記の通り、本実施例の加熱調理器2では、電力供給手段4と可触部24との間に、合計3個の基礎絶縁構造30、40、50が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器2では、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。このような絶縁手段が備えられているため、本実施例によると、商用電源を電力供給源とする加熱調理器2において、利用者がガス加熱ユニット8の可触部24に触れたとしても、感電を防止することができる。特に、本実施例では、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されているため、電力供給手段4と可触部24との間に基礎絶縁構造1個分のみの絶縁性能を発揮する絶縁手段が備えられている場合に比べて、高い絶縁性能を発揮可能である。即ち、利用者が感電する事態をより適切に防止することができる。
【0038】
また、本実施例の加熱調理器2は、商用電源を電力供給源とする調理器であり、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8を両方備えるハイブリッドタイプの調理器である。利用者は、加熱調理器2を利用して電気式加熱とガス式加熱を両方行うことができる。そして、利用者がガス加熱ユニット8の可触部24に触れたとしても、感電する可能性は十分に抑制されている。利用者は、加熱調理器2を利用して、安全に電気式加熱とガス式加熱を行うことができる。
【0039】
また、本実施例の加熱調理器2では、電気加熱ユニット6が電力供給手段4に電気的に接続されており、ガス加熱ユニット8が電気加熱ユニット6に電気的に接続されている。即ち、電力供給手段4、電気加熱ユニット6、ガス加熱ユニット8がこの順に直列に接続されている。そのため、仮に、ガス加熱ユニット8に不具合が発生する等して、ガス加熱ユニット8が動作できない状況が発生する場合であっても、電力供給手段4に電気的に接続されている電気加熱ユニット6を継続して動作させることができる。そのため、ガス加熱ユニット8が動作できない間に、加熱調理器2を用いた調理が全く行えない事態の発生を防止することができる。
【0040】
(第1実施例の各種変形例)
本実施例の加熱調理器2の各種変形例を説明する。本実施例では、加熱調理器2は、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されていれば、絶縁手段を構成する絶縁構造の内容、及び、各絶縁構造の配置位置は、上記のものには限られず、任意とすることができる。以下に、具体的ないくつかの変形例について説明する。
【0041】
(第1実施例の変形例1)
加熱調理器2の電力供給系統中の位置P1、P2、P3のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造30、40、50のうち、いずれか1個を省略してもよい。例えば、位置P1に設けられている基礎絶縁構造30を省略してもよい。その場合、位置P2の基礎絶縁構造40、及び、位置P3の基礎絶縁構造50により、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0042】
(第1実施例の変形例2)
また、加熱調理器2の位置P1、P2、P3のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造30、40、50に代えて、位置P1に1個の強化絶縁構造60(
図1参照)を設けてもよい。ここで、「強化絶縁」とは、感電に対し二重絶縁と同程度の保護を持つ、充電部に施した単一の絶縁のことを意味する(JIS規格参照)。例えば、強化絶縁構造は、一次側と二次側の配線を直接接続させない電源変換部(いわゆるトランス)を設けるとともに、一次側と二次側の配線をいずれの箇所においても所定距離以上離隔させる構造を含む。この変形例による場合、位置P1に強化絶縁構造60が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0043】
(第1実施例の変形例3)
また、位置P1に強化絶縁構造60を設けることに代えて、位置P2に強化絶縁構造70(
図1参照)を設けてもよい。同様に、位置P1に強化絶縁構造60を設けることに代えて、位置P3に強化絶縁構造80(
図1参照)を設けてもよい。この変形例による場合も、強化絶縁構造70(又は80)が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0044】
(第1実施例の変形例4)
また、位置P1の強化絶縁構造60、位置P2の強化絶縁構造70、位置P3の強化絶縁構造80のうち、いずれか2個以上を設けてもよい。この場合も、強化絶縁構造60、70、80のうちの2個以上が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0045】
(第1実施例の変形例5)
また、位置P1の強化絶縁構造60、位置P2の強化絶縁構造70、位置P3の強化絶縁構造80のうちのいずれか1個が設けられ、他の位置に基礎絶縁構造が設けられていてもよい。例えば、位置P1に強化絶縁構造60が設けられる場合に、位置P2に基礎絶縁構造40が設けられていてもよい。この場合も、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0046】
(第2実施例)
図2に示される第2実施例の加熱調理器102について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例の加熱調理器102も、第1実施例と同様に、電力供給手段4と、電気加熱ユニット6と、ガス加熱ユニット8と、を備える。電力供給手段4、電気加熱ユニット6、及び、ガス加熱ユニット8は、いずれも、第1実施例と同様の構成を有する。ただし、本実施例では、ガス加熱ユニット8は電力供給手段4に電気的に接続され、電気加熱ユニット6はガス加熱ユニット8に電気的に接続されている点が第1実施例とは異なる。即ち、本実施例では、電力供給手段4とガス加熱ユニット8と電気加熱ユニット6とがこの順で直列に接続されている。
図2では、第1実施例の加熱調理器2(
図1参照)と同じ構成を有する要素を、
図1と同じ符号を用いて示している。本実施例では、第1実施例の加熱調理器2(
図1参照)と同じ構成を有する要素についての詳しい説明は省略する。
【0047】
図2に示されるように、本実施例の加熱調理器102でも、商用電源に接続される電力供給手段4と、外部に露出して利用者が接触可能なガス加熱ユニット8の可触部24と、の間における位置P11、P12、P13のそれぞれに、基礎絶縁構造130、140、150が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器102でも、商用電源に接続される電力供給手段4と、外部に露出して利用者が接触可能な可触部24と、の間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。
【0048】
図2の例において基礎絶縁構造130が設けられている位置P11は、電力供給手段4とガス加熱ユニット8とを電気的に接続する電力供給部である。そのため、例えば、基礎絶縁構造130は、高圧の交流電源である商用電源(例えばAC200V)を、ガス加熱部20、ガス加熱制御部22、及び、可触部24で利用可能な比較的低圧の直流電源(例えばDC12V)に変換するための降圧トランスである。
【0049】
基礎絶縁構造140が設けられている位置P12は、ガス加熱ユニット8内の電力供給系統のうち、電力供給手段4側の上流端部分と、電力を利用する各要素(即ち、ガス加熱部20、ガス加熱制御部22、及び、可触部24)と、の間の位置である。例えば、基礎絶縁構造140は、上記の降圧トランスであってもよいし、一次側と二次側との間で昇降圧を行わない絶縁トランスであってもよい。
【0050】
基礎絶縁構造150が設けられている位置P13は、ガス加熱ユニット8内の電力供給系統のうち、位置P12と、可触部24と、の間の位置である。例えば、基礎絶縁構造150は、上記の絶縁トランスであってもよい。
【0051】
なお、
図2の例では、電気加熱ユニット6内の電力供給系統のうち、ガス加熱ユニット8側の上流端部分と、電気加熱部10との間の位置である位置P50に、絶縁構造300が設けられている。本実施例の絶縁構造300は、ガス加熱ユニット8から供給される低圧の直流電源(例えばDC12V)を、電気加熱部10で利用可能な高圧の交流電源(例えばAC200V)に昇圧させるための昇圧トランスである。絶縁構造300として利用される昇圧トランスは、その一次側において直流電源を交流電源に変換する変換器と、交流電源の変圧(昇圧)を行う変圧部と、を備えるが、整流器と平滑コンデンサは備えない。そのため、絶縁構造(昇圧トランス)300から電気加熱部10には高圧の交流電源(例えばAC200V)が供給される。上記の通り、電気加熱部10は、高圧の交流電源(この場合は商用電源(例えばAC200V))を、電気加熱部10で利用可能な直流電源に変換するための変換部を内蔵している。電気加熱部10は、内蔵された変換部によって変換された後の直流電源を利用して加熱を行う。
【0052】
以上、本実施例の加熱調理器102の構造を説明した。上記の通り、本実施例の加熱調理器102でも、電力供給手段4と可触部24との間に、合計3個の基礎絶縁構造130、140、150が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器102でも、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。従って、本実施例でも、利用者がガス加熱ユニット8の可触部24に触れたとしても、感電することを防止することができる。
【0053】
また、本実施例の加熱調理器102では、電力供給手段4、ガス加熱ユニット8、電気加熱ユニット6がこの順に直列に接続されている。そのため、仮に、電気加熱ユニット6に不具合が発生する等して、電気加熱ユニット6が動作できない状況が発生する場合であっても、電力供給手段4に電気的に接続されているガス加熱ユニット8を継続して動作させることができる。そのため、電気加熱ユニット6が動作できない間に、加熱調理器102を用いた調理が全く行えない事態の発生を防止することができる。
【0054】
(第2実施例の各種変形例)
本実施例の加熱調理器102の各種変形例を説明する。本実施例でも、加熱調理器102は、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されていれば、絶縁手段を構成する絶縁構造の内容、及び、各絶縁構造の配置位置は、上記のものには限られず、任意とすることができる。以下に、具体的ないくつかの変形例について説明する。
【0055】
(第2実施例の変形例1)
加熱調理器102の電力供給系統中の位置P11、P12、P13のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造130、140、150のうち、いずれか1個を省略してもよい。例えば、位置P11に設けられている基礎絶縁構造130を省略してもよい。その場合、位置P12の基礎絶縁構造140、及び、位置P13の基礎絶縁構造150により、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0056】
(第2実施例の変形例2)
また、加熱調理器102の位置P11、P12、P13のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造130、140、150に代えて、位置P11に強化絶縁構造160(
図2参照)を設けてもよい。位置P11に強化絶縁構造160が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0057】
(第2実施例の変形例3)
また、位置P11に強化絶縁構造160を設けることに代えて、位置P12に強化絶縁構造170(
図2参照)を設けてもよい。同様に、位置P11に強化絶縁構造160を設けることに代えて、位置P13に強化絶縁構造180(
図2参照)を設けてもよい。この変形例による場合も、強化絶縁構造170(又は180)が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0058】
(第2実施例の変形例4)
また、位置P11の強化絶縁構造160、位置P12の強化絶縁構造170、位置P13の強化絶縁構造180のうち、いずれか2個以上を設けてもよい。この場合も、強化絶縁構造160、170、180のうちの2個以上が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0059】
(第2実施例の変形例5)
また、位置P11の強化絶縁構造160、位置P12の強化絶縁構造170、位置P13の強化絶縁構造180のうちのいずれか1個が設けられ、位置P11~P13のうちの他の位置に基礎絶縁構造が設けられていてもよい。例えば、位置P11に強化絶縁構造160が設けられる場合に、位置P12に基礎絶縁構造140が設けられていてもよい。この場合も、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0060】
(第3実施例)
図3に示される第3実施例の加熱調理器202について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例の加熱調理器202も、第1実施例と同様に、電力供給手段4と、電気加熱ユニット6と、ガス加熱ユニット8と、を備える。電力供給手段4、電気加熱ユニット6、及び、ガス加熱ユニット8は、いずれも、第1実施例と同様の構成を有する。ただし、本実施例では、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8が、それぞれ、電力供給手段4に電気的に接続されている点が第1実施例とは異なる。即ち、本実施例では、電力供給手段4に対して、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8が互いに並列に接続されている。
図3でも、第1実施例の加熱調理器2(
図1参照)と同じ構成を有する要素を、
図1と同じ符号を用いて示している。本実施例では、第1実施例の加熱調理器2(
図1参照)と同じ構成を有する要素についての詳しい説明は省略する。
【0061】
図3に示されるように、本実施例の加熱調理器202でも、商用電源に接続される電力供給手段4と、外部に露出して利用者が接触可能なガス加熱ユニット8の可触部24と、の間における位置P21、P22、P23のそれぞれに、基礎絶縁構造230、240、250が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器202でも、商用電源に接続される電力供給手段4と、外部に露出して利用者が接触可能な可触部24と、の間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。
【0062】
図3の例において基礎絶縁構造230が設けられている位置P21は、電力供給手段4とガス加熱ユニット8とを電気的に接続する電力供給部である。そのため、例えば、基礎絶縁構造230は降圧トランスである。
【0063】
基礎絶縁構造240が設けられている位置P22は、ガス加熱ユニット8内の電力供給系統のうち、電力供給手段4側の上流端部分と、電力を利用する各要素(即ち、ガス加熱部20、ガス加熱制御部22、及び、可触部24)と、の間の位置である。例えば、基礎絶縁構造240は、降圧トランスであってもよいし、絶縁トランスであってもよい。
【0064】
基礎絶縁構造250が設けられている位置P23は、ガス加熱ユニット8内の電力供給系統のうち、位置P22と、可触部24と、の間の位置である。例えば、基礎絶縁構造250は、絶縁トランスであってもよい。
【0065】
なお、
図3の例では、電気加熱ユニット6内の電力供給系統のうち、電力供給手段4側の上流端部分と、電気加熱制御部12との間の位置である位置P60にも、絶縁構造400が設けられている。本実施例の絶縁構造400は、電気加熱ユニット6のための絶縁構造であって、基礎絶縁構造と強化絶縁構造のどちらであってもよい。また、
図3に示すように、本実施例でも、電気加熱部10は、電力供給手段4に直接接続されている。
【0066】
以上、本実施例の加熱調理器202の構造を説明した。上記の通り、本実施例の加熱調理器202でも、電力供給手段4と可触部24との間に、合計3個の基礎絶縁構造230、240、250が設けられている。即ち、本実施例の加熱調理器202でも、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されている。従って、本実施例でも、利用者がガス加熱ユニット8の可触部24に触れたとしても、感電することを防止することができる。
【0067】
また、本実施例の加熱調理器202では、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8が、それぞれ、電力供給手段4に電気的に接続されている。即ち、電力供給手段4に対して、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8が互いに並列に接続されている。そのため、仮に、電気加熱ユニット6とガス加熱ユニット8のうちの一方に不具合が発生する等して、一方の加熱ユニットが動作できない状況が発生する場合であっても、電力供給手段4に電気的に接続されている他方の加熱ユニットを継続して動作させることができる。そのため、一方の加熱ユニットが動作できない間に、加熱調理器202を用いた調理が全く行えない事態の発生を防止することができる。
【0068】
(第3実施例の各種変形例)
本実施例の加熱調理器202の各種変形例を説明する。本実施例でも、加熱調理器202は、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築されていれば、絶縁手段を構成する絶縁構造の内容、及び、各絶縁構造の配置位置は、上記のものには限られず、任意とすることができる。以下に、具体的ないくつかの変形例について説明する。
【0069】
(第3実施例の変形例1)
加熱調理器202の電力供給系統中の位置P21、P22、P23のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造230、240、250のうち、いずれか1個を省略してもよい。例えば、位置P21に設けられている基礎絶縁構造230を省略してもよい。その場合、位置P22の基礎絶縁構造240、及び、位置P23の基礎絶縁構造250により、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0070】
(第3実施例の変形例2)
また、加熱調理器202の位置P21、P22、P23のそれぞれに設けられている基礎絶縁構造230、240、250に代えて、位置P21に強化絶縁構造260(
図3参照)を設けてもよい。位置P21に強化絶縁構造260が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0071】
(第3実施例の変形例3)
また、位置P21に強化絶縁構造260を設けることに代えて、位置P22に強化絶縁構造270(
図3参照)を設けてもよい。同様に、位置P21に強化絶縁構造260を設けることに代えて、位置P23に強化絶縁構造280(
図3参照)を設けてもよい。この変形例による場合も、強化絶縁構造270(又は280)が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0072】
(第3実施例の変形例4)
また、位置P21の強化絶縁構造260、位置P22の強化絶縁構造270、位置P23の強化絶縁構造280のうち、いずれか2個以上を設けてもよい。この場合も、強化絶縁構造260、270、280のうちの2個以上が設けられることにより、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0073】
(第3実施例の変形例5)
また、位置P21の強化絶縁構造260、位置P22の強化絶縁構造270、位置P23の強化絶縁構造280のうちのいずれか1個が設けられ、位置P21~P23のうちの他の位置に基礎絶縁構造が設けられていてもよい。例えば、位置P21に強化絶縁構造260が設けられる場合に、位置P22に基礎絶縁構造240が設けられていてもよい。この場合も、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能を上回る絶縁性能を発揮可能な絶縁手段が構築される。
【0074】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0075】
(変形例1)上記の各実施例では、電力供給手段4と可触部24との間の位置P1~P3、P11~P13、P21~P23のいずれかに絶縁構造を設け、全体として、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮する絶縁手段を構築している。これに限られず、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮する絶縁手段が構築されれば、位置P1~P3、P11~P13、P21~P23に関わらず、電力供給手段4と可触部24の間の任意の位置に、任意の絶縁構造を設けてもよい。
【0076】
(変形例2)上記の各実施例では、加熱調理器2、102、202は、いずれも、電力供給手段4と、電気加熱ユニット6と、ガス加熱ユニット8と、を備える。これに限られず、加熱調理器は、電気加熱ユニットを省略してもよい。その場合、加熱調理器は、電力供給手段4とガス加熱ユニット8とが電気的に接続されることによって構成されていてもよい。その場合であっても、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮する絶縁手段が構築されればよい。
【0077】
(変形例3)上記の各実施例では、露出している可触部24は、点火部26及び炎検知部28を備えている。これに限られず、露出している可触部24は、点火部26と炎検知部28とのうちの一方のみを備えていてもよい。
【0078】
(変形例4)上記の各実施例において、強化絶縁構造60、70、80、160、170、180、260、270、280に代えて、基礎絶縁構造と付加絶縁構造とを組み合わせた絶縁構造を設けてもよい。この場合も、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮する絶縁手段が構築される。
【0079】
(変形例5)上記の各実施例において、電力供給手段4と可触部24との間において、二重絶縁相当の絶縁性能以上の絶縁性能を発揮する絶縁手段を構築することに代えて、電力供給手段4と可触部24との間において、一重絶縁相当(即ち、基礎絶縁構造1個分)の絶縁性能を発揮可能な絶縁手段を構築してもよい。一般的に言うと、絶縁手段は、電力供給手段と可触部の間において絶縁性能を発揮可能な手段であればよい。
【0080】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0081】
2:加熱調理器
4:電力供給手段
6:電気加熱ユニット
8:ガス加熱ユニット
10:電気加熱部
12:電気加熱制御部
20:ガス加熱部
22:ガス加熱制御部
24:可触部
26:点火部
28:炎検知部
30、40、50:基礎絶縁構造
60、70、80:強化絶縁構造
102:加熱調理器
130、140、150:基礎絶縁構造
160、170、180:強化絶縁構造
202:加熱調理器
230、240、250:基礎絶縁構造
260、260、270:強化絶縁構造
300、400:絶縁構造