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特許7069012eベイピングセクションおよびeベイピング装置、およびその製造方法
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  • 特許-eベイピングセクションおよびeベイピング装置、およびその製造方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】eベイピングセクションおよびeベイピング装置、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20220510BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20220510BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220510BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220510BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220510BHJP
【FI】
A24F40/40
A61M15/06 A
A61M15/06 C
A24F40/42
A24F40/46
A24F47/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018524490
(86)(22)【出願日】2016-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2016077504
(87)【国際公開番号】W WO2017081299
(87)【国際公開日】2017-05-18
【審査請求日】2019-11-11
(31)【優先権主張番号】14/940,781
(32)【優先日】2015-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ガヴリーロフ シュムエル
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ モシェ
(72)【発明者】
【氏名】スターン エヘズケル
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0228191(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0216232(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0192620(US,A1)
【文献】特表2015-505474(JP,A)
【文献】特表2015-519903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力セクションであって、
長軸方向に延びる外側ハウジングと、
前記外側ハウジング内部の電源と、
前記電力セクションの一端にある第一のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターとを備え、前記オスのねじ込みコネクターが、前記オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定する、電力セクション。
【請求項2】
前記第一のねじ山が前記オスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、前記少なくとも1つの通気孔が前記オスのねじ込みコネクターの前記遠位端に対して前記オスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する、請求項に記載の電力セクション。
【請求項3】
前記オスのねじ込みコネクターの前記遠位端が前記電力セクションの最遠位端付近である、請求項に記載の電力セクション。
【請求項4】
前記電力セクションの前記一端の付近のポストであって、前記ポストが前記電源に電気的に接続されているものをさらに含み、
前記ポストが、前記ポストの長軸方向の長さ全体にわたり明確に貫通する中央通路を画定し、前記少なくとも1つの通気孔が前記ポストによって画定された前記中央通路と流体連通する、請求項またはに記載の電力セクション。
【請求項5】
さらに、
前記ポストによって画定された前記中央通路と流体連通する吸煙センサーであって、前記吸煙センサーが前記電力セクション内での圧力降下を検出するように構成されているものと、
前記電力セクションがカートリッジに接続されており、かつ前記吸煙センサーが前記電力セクション内での前記圧力降下を検出した場合に、前記電源が前記カートリッジのヒーターに電流を送るように構成された制御回路とを備える、請求項に記載の電力セクション。
【請求項6】
eベイピング装置であって、
第一のセクションであって、前記第一のセクションが、
長軸方向に延びる第一の外側ハウジングと、
前記第一の外側ハウジング内にプレベイパー製剤を含むように構成された供給貯蔵部と、
前記第一の外側ハウジング内を前記長軸方向に延びる内側チューブであって、前記内側チューブがチャネルを画定するものと、
前記チャネルの一部分に露出されたヒーターであって、前記ヒーターが前記プレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するように構成されているものと、
前記第一のセクションの一端に第一のねじ山を備えたメスのねじ込みコネクターであって、前記メスのねじ込みコネクターが、前記第一のねじ山に隣接して位置する前記メスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの空気吸込み口の少なくとも一部分を画定するものとを含む、第一のセクションと、
第二のセクションであって、前記第二のセクションが、
第二の外側ハウジングと、
前記第二の外側ハウジング内の電源と、
前記第一のセクションの前記メスのねじ込みコネクターと結合可能である前記第二のセクションの一端に第二のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターであって、前記オスのねじ込みコネクターが、前記オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定するものとを備える、第二のセクションとを備え、
前記少なくとも1つの空気吸込み口および前記少なくとも1つの通気孔が相互に流体連通し、また前記第一のセクションが前記オスおよび前記メスのねじ込みコネクターを介して前記第二のセクションと接続されている場合に、周囲雰囲気および前記チャネルと流体連通する、eベイピング装置。
【請求項7】
前記第一のセクションが前記第二のセクションと接続されている場合に、前記メスのねじ込みコネクターによって画定された前記少なくとも1つの空気吸込み口以外に、周囲雰囲気と流体連通した前記第一および前記第二のセクションに追加的な空気吸込み口が存在しない、請求項に記載のeベイピング装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通気孔の総断面積が、前記少なくとも1つの空気吸込み口の総断面積よりも大きい、請求項またはに記載のeベイピング装置。
【請求項9】
請求項またはに記載のeベイピング装置であって、
前記少なくとも1つの空気吸込み口が、前記メスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置付けられており、前記第一のねじ山が前記メスのねじ込みコネクターの前記遠位端に対して前記メスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置し、
前記第二のねじ山が前記オスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置付けられており、前記少なくとも1つの通気孔が前記オスのねじ込みコネクターの前記遠位端に対して前記オスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する、eベイピング装置。
【請求項10】
eベイピング装置を製造する方法であって、
前記eベイピング装置の第一のセクションを前記eベイピング装置の第二のセクションに結合する工程であって、
前記第一のセクションが第一の端および第二の端を有し、
長軸方向に延びる第一の外側ハウジングと、
前記第一の外側ハウジング内にプレベイパー製剤を含むように構成された供給貯蔵部と、
前記第一の外側ハウジング内を前記長軸方向に延びる内側チューブであって、前記内側チューブがチャネルを画定するものと、
前記チャネルの一部分に露出されたヒーターであって、前記ヒーターが前記プレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するように構成されているものと、
前記第一のセクションの前記第一の端に第一のねじ山を備えるメスのねじ込みコネクターであって、前記メスのねじ込みコネクターが、前記第一のねじ山に隣接して位置する前記メスのねじ込みコネクターの側壁を横切って通過する少なくとも1つの空気吸込み口を画定するものとを含む、第一のセクションと、
前記第二のセクションであって、
第二の外側ハウジングと、
前記第二の外側ハウジング内の電源と、
前記第一のセクションの前記メスのねじ込みコネクターと結合可能である前記第二のセクションの一端に第二のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターであって、前記オスのねじ込みコネクターが、前記オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定するものとを備える、第二のセクションとを備え、
前記少なくとも1つの空気吸込み口および前記少なくとも1つの通気孔が相互に流体連通し、また周囲雰囲気および前記チャネルと流体連通する、工程と、
圧力降下センシング装置を前記第一のセクションの前記第二の端に接続する工程と、
圧力降下センシング装置を使用して引き出し抵抗(RTD)値を測定する工程と、
前記第一のセクション内の空気吸込み口の全体的な断面積を調節する工程と、
前記測定する工程および前記調節する工程を繰り返して望ましいRTD値を獲得する工程とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にプレベイパー製剤を供給貯蔵部からヒーターに送達するように動作可能としうるeベイピング装置に関連する。ヒーターは、プレベイパー製剤を気化して蒸気を形成しうる。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング(「eベイピング」)装置は、携帯可能なベイピングの手段として、成人ベイパー(ユーザー)によって使用されうる。eベイピング装置は、プレベイパー製剤を保持する能力のある供給貯蔵部と、プレベイパー製剤を気化するヒーターと、ヒーターを活性化するための電源と、電源でヒーターを活性化させるために成人ベイパーがeベイピング装置を操作しているかどうかを判断するためのセンサーおよび制御回路を含むいくつかの要素を含みうる。
【0003】
eベイピング装置は、供給貯蔵部およびヒーターを含みうるカートリッジとしうる第一のセクションと、電源(電池としうる)、センサーおよび制御回路を含みうる第二のセクションとの、2つの明確なセクションを含みうる。第一のセクションは、使い捨てセクションでもよく、あるいは代替的に第一のセクションは使い捨てではないセクションでもよい。第二のセクションは、使い捨てではなくてもよく(電源が再充電可能なように)、あるいは代替的に第二のセクションは使い捨てセクションでもよい。随意的に、eベイピング装置は、1つのセクションのみを含んでもよく(その場合、装置のすべての要素が1つのセクション内に含まれうる)、あるいはeベイピング装置要素は、2つ以上のセクションを含んでもよい(特に、コネクターおよび/またはアダプターが装置のセクションの結合に関与する場合)。
【0004】
孔は、空気をeベイピング装置へ空気の引き出し(および通過)を許容し、気化したプレベイパー製剤によって生成された蒸気を吸入空気に混入する、eベイピング装置内に含まれうる。孔は、本質的に空気孔としうるが、電源を含む装置のセクションの一端に位置しうる。これらの孔は、埃およびその他の環境的条件による目詰まりを起こすことがある。目詰まりが起こると、eベイピング装置は、引き出し抵抗(RTD)の増大に関連付けられた問題を示しかねない。このRTDの増大は、成人ベイパーによる満足度の低下を経験する原因となりかねない。RTDの増大はまた、電源および関連付けられた電子回路がまだ動作でき、寿命の完全な終了に達していない時でさえも、電源の早期の交換をもたらしかねない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様は、eベイピングカートリッジに関連する。
【0006】
一つの実施形態において、eベイピングカートリッジは、長軸方向に延びる外側ハウジングと、プレベイパー製剤を外側ハウジング内部に含むように構成された供給貯蔵部とを含む。eベイピングカートリッジは、外側ハウジング内を長軸方向に延びる内側チューブであって、その内側チューブがチャネルを画定するものと、チャネルの一部分に露出したヒーターであって、そのヒーターがプレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するものとをさらに含む。eベイピングカートリッジはまた、eベイピングカートリッジの一端に第一のねじ山を備えるメスのねじ込みコネクターを含み、メスのねじ込みコネクターは、第一のねじ山に隣接して位置するメスのねじ込みコネクターの側壁を通過して横切る少なくとも1つの空気吸込み口の少なくとも一部分を画定する。
【0007】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、メスのねじ込みコネクターおよび外側ハウジングの遠位端付近に位置し、第一のねじ山はコネクターの遠位端に対してメスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。
【0008】
一つの実施形態において、メスのねじ込みコネクターの遠位端は、eベイピングカートリッジの最遠位端付近である。
【0009】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、内側チューブによって画定されるチャネルと流体連通する。
【0010】
一つの実施形態において、メスのねじ込みコネクターの第一のねじ山は、eベイピング装置の電力セクションの端部上にあるオスのねじ込みコネクターと結合するように構成されている。
【0011】
一つの実施形態において、ヒーターは、プレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するために、電力セクションからの電流を受けるように構成されている。
【0012】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、eベイピングカートリッジがeベイピング装置の電力セクションに接続されている場合、eベイピング装置の電力セクションの端部上にある少なくとも1つの空気吸込み口と流体連通するように構成される。
【0013】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、eベイピングカートリッジがeベイピング装置の電力セクションに接続される場合、内側チューブによって画定されるチャネルと流体連通するように構成される。
【0014】
一つの実施形態において、外側ハウジングはまた、少なくとも1つの空気吸込み口の一部分を画定する。
【0015】
本発明の第二の態様は、電力セクションに関連する。
【0016】
一つの実施形態において、電力セクションは、長軸方向に延びる外側ハウジング、外側ハウジング内部の電源、および電力セクションの一端にある第一のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターを含む。オスのねじ込みコネクターは、オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定する。
【0017】
一つの実施形態において、第一のねじ山はオスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、少なくとも1つの通気孔がオスのねじ込みコネクターの遠位端に対してオスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。
【0018】
一つの実施形態において、オスのねじ込みコネクターの遠位端は、電力セクションの最遠位端付近にある。
【0019】
一つの実施形態において、オスのねじ込みコネクターの第一のねじ山は、eベイピング装置のカートリッジの一端にあるメスのねじ込みコネクターと結合するように構成される。
【0020】
一つの実施形態において、電力セクションは、電力セクションの端部付近にあるポストをさらに含み、ポストは電源に電気的に接続されているが、ここで、ポストは、ポストの長軸方向の長さ全体にわたり明確に貫通する中央通路を画定し、少なくとも1つの通気孔はポストによって画定された中央通路と流体連通している。
【0021】
一つの実施形態において、電力セクションは、ポストによって画定された中央通路と流体連通した吸煙センサーをさらに含み、吸煙センサーは電力セクション内での圧力降下を検出するように構成されており、また、制御回路は、電力セクションがカートリッジに接続され、かつ吸煙センサーが電力セクション内での圧力降下を検出した場合に、電源がカートリッジのヒーターに電流を送るように構成される。
【0022】
一つの実施形態において、少なくとも1つの通気孔は、電力セクションがカートリッジに接続されている場合に、カートリッジの端部にある少なくとも1つの空気吸込み口と流体連通するように構成される。
【0023】
一つの実施形態において、少なくとも1つの通気孔は、電力セクションがカートリッジに接続されている場合に、カートリッジの端部にある少なくとも1つの空気吸込み口と流体連通する少なくとも1つの通気孔によって周囲雰囲気と流体連通するように構成される。
【0024】
一つの実施形態において、電力セクションがカートリッジに接続されている場合、オスのねじ込みコネクターによって画定される少なくとも1つの通気孔以外に、周囲雰囲気と流体連通する電力セクションには追加的な通気孔は存在しない。
【0025】
本発明の第三の態様は、eベイピング装置に関連する。
【0026】
eベイピング装置は、eベイピングカートリッジに接続された電力セクションを備えうる。eベイピングカートリッジは、本明細書で説明した実施形態のいずれかによる本発明の第一の態様によるeベイピングカートリッジとしうる。電力セクションは、本明細書で説明した実施形態のいずれかによる本発明の第二の態様による電力セクションとしうる。
【0027】
一つの実施形態において、eベイピング装置は第一のセクションを含み、第一のセクションは、長軸方向に延びる第一の外側ハウジング、および第一の外側ハウジング内にプレベイパー製剤を含むように構成された供給貯蔵部を含む。第一のセクションは、第一の外側ハウジング内を長軸方向に延びる内側チューブであって、その内側チューブがチャネルを画定するものと、チャネルの一部分に露出されたヒーターであって、そのヒーターがプレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するものとをさらに含む。第一のセクションはまた、第一のセクションの一端に第一のねじ山を備えるメスのねじ込みコネクターを含み、メスのねじ込みコネクターは、第一のねじ山に隣接して位置するメスのねじ込みコネクターの側壁を通過して横切る少なくとも1つの空気吸込み口の少なくとも一部分を画定する。eベイピング装置は第二のセクションをさらに含み、第二のセクションは第二の外側ハウジングおよび第二の外側ハウジング内の電源を含む。第二のセクションは、第一のセクションのメスのねじ込みコネクターと結合可能である第二のセクションの一端に第二のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターをさらに含む。オスのねじ込みコネクターは、オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定し、ここで、少なくとも1つの空気吸込み口および少なくとも1つの通気孔は相互に流体連通し、またオスおよびメスのねじ込みコネクターを介して第一のセクションが第二のセクションと接続されている場合に、周囲雰囲気およびチャネルと流体連通する。
【0028】
一つの実施形態において、第一のセクションが第二のセクションと接続されている場合、メスのねじ込みコネクターによって画定された少なくとも1つの空気吸込み口以外に、周囲雰囲気と流体連通する第一および第二のセクションに追加的な空気吸込み口は存在しない。
【0029】
一つの実施形態において、少なくとも1つの通気孔の総断面積は、少なくとも1つの空気吸込み口の総断面積よりも大きい。
【0030】
一つの実施形態において、eベイピング装置は、第一のセクションが第二のセクションと接続されている場合に、約70~約140水柱ミリメートルの引き出し抵抗(RTD)値を持つ。
【0031】
一つの実施形態において、eベイピング装置は、第一のセクションが第二のセクションと接続されている場合に、約94~約135水柱ミリメートルの引き出し抵抗(RTD)値を持つ。
【0032】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、メスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、第一のねじ山はメスのねじ込みコネクターの遠位端に対してメスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。第二のねじ山はオスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、少なくとも1つの通気孔がオスのねじ込みコネクターの遠位端に対してオスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。
【0033】
一つの実施形態において、第一の外側ハウジングはまた、少なくとも1つの空気吸込み口の一部分を画定する。
【0034】
本発明の第四の態様は、eベイピング装置を製造する方法に関連する。eベイピング装置は、本明細書に説明される実施形態のいずれかによる本発明の第三の態様によるeベイピング装置であってもよい。
【0035】
一つの実施形態において、eベイピング装置を製造する方法は、eベイピング装置の第一のセクションをeベイピング装置の第二のセクションに結合する工程を含む。第一のセクションは第一の端および第二の端を有し、長軸方向に延びる第一の外側ハウジングを含む。第一のセクションは、第一の外側ハウジング内にプレベイパー製剤を含むように構成された供給貯蔵部および第一の外側ハウジング内を長軸方向に延びる内側チューブを含み、内側チューブはチャネルを画定する。第一のセクションはまた、チャネルの一部分に露出されたヒーターであって、ヒーターがプレベイパー製剤を加熱して蒸気を形成するように構成されているものと、第一のセクションの第一の端に第一のねじ山を備えるメスのねじ込みコネクターを含む。メスのねじ込みコネクターは、第一のねじ山に隣接して位置するメスのねじ込みコネクターの側壁を横切って通過する少なくとも1つの空気吸込み口を画定する。第二のセクションは、第二の外側ハウジングと、第二の外側ハウジング内の電源と、第一のセクションのメスのねじ込みコネクターと結合可能である第二のセクションの一端に第二のねじ山を備えるオスのねじ込みコネクターとを含む。オスのねじ込みコネクターは、オスのねじ込みコネクターの側壁を通して横切る少なくとも1つの通気孔を画定し、ここで、少なくとも1つの空気吸込み口および少なくとも1つの通気孔は相互に流体連通し、また周囲雰囲気およびチャネルと流体連通する。方法は、圧力降下センシング装置を第一のセクションの第二の端に接続する工程と、圧力降下センシング装置を使用して引き出し抵抗(RTD)値を測定する工程と、第一のセクション内の空気吸込み口の全体的な断面積を調節する工程と、測定する工程および調節する工程を繰り返して望ましいRTD値を獲得する工程とをさらに含む。
【0036】
一つの実施形態において、周囲雰囲気と流体連通するeベイピング装置の第一および第二のセクション内には、メスのねじ込みコネクターによって画定された少なくとも1つの空気吸込み口以外に、追加的な空気吸込み口は存在しない。
【0037】
一つの実施形態において、少なくとも1つの通気孔の総断面積は、少なくとも1つの空気吸込み口の総断面積よりも大きい。
【0038】
一つの実施形態において、eベイピング装置は、約70~約140水柱ミリメートルの望ましいRTD値を有する。
【0039】
一つの実施形態において、eベイピング装置は、約94~約135水柱ミリメートルのRTD値を有する。
【0040】
一つの実施形態において、少なくとも1つの空気吸込み口は、メスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、第一のねじ山はメスのねじ込みコネクターの遠位端に対してメスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。第二のねじ山はオスのねじ込みコネクターの遠位端付近に位置し、少なくとも1つの通気孔はオスのねじ込みコネクターの遠位端に対してオスのねじ込みコネクター上の近接位置に位置する。
【0041】
一つの実施形態において、第一の外側ハウジングはまた、少なくとも1つの空気吸込み口の一部分を画定する。
【0042】
例示的な実施形態の上記およびその他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによってさらに明らかとなる。添付の図面は、例示的な実施形態を描写することを意図したものであり、意図された請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1A図1Aは、一実施形態例によるeベイピング装置の第一のセクションの断面図である。
図1B図1Bは、一実施形態例によるeベイピング装置の第一のセクションの一端の代替的な実施形態の断面図である。
図2図2は、一実施形態例によるeベイピング装置の第二のセクションの断面図である。
図3図3は、一実施形態例による組み立てられたeベイピング装置の断面図である。
図4図4は、一実施形態例による、組み立てられたeベイピング装置の断面図であり、吸入空気の流路を描いたものである。
図5図5は、一実施形態例による、引き出し抵抗(RTD)値を制御するeベイピング装置の製造方法を描写するフローチャートである。
図6図6は、eベイピング装置用の引き出し抵抗(RTD)値を測定する能力を有する圧力センシング装置に接続されたeベイピング装置である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。ところが、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。ところが、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0045】
従って、例示的な実施形態は、様々な変更および代替的形態が可能である一方で、その実施形態は図面の例によって示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲に収まるあらゆる変更、同等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0046】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の直接的に上にある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が、別の要素もしくは層「の直接的に上にある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0047】
第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことを理解するべきである。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0048】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、1つの要素または特徴と1つ以上の他の要素(複数可)または特徴(複数可)との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていることを理解するべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。よって、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0049】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、またはその群の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはその群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0050】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば、製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば、製造に起因する形状の逸脱を含む。従って、図に図示された領域は、事実上概略的なものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を図示する意図はなく、例示的な実施形態の範囲を限定する意図はない。
【0051】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0052】
図1Aは、一実施形態例による、eベイピング装置60(図3の全体的なeベイピング装置60を参照)の第一のセクション70の断面図である。第一のセクション70は、装置60の「カートリッジ」セクションとしうる。
【0053】
第一のセクション70は長軸方向に延びうるが、内側チューブ(または煙突)362はセクション70の外側ハウジング22内に同軸に位置付けられている。第一のセクション70は、第一のセクション70の端部70bに口側の端部インサート20を含みうるが、出口21は、eベイピング装置60の長軸方向に対して外方向に角を成す軸外の経路の端部に位置する。実施形態において、単一の中央に位置する出口21のみが存在してもよい。
【0054】
ガスケット(またはシール)320の鼻部分361は、ガスケット320の外周367が外側ハウジング22の内部表面397との液体密封シールを提供しうる、内側チューブ362の端部分365内に組み込まれうる。ガスケット320はまた、中央の長軸方向の空気通路315を含みうるが、これは、内側チューブ362の内部に通じて中央チャネル321を画定しうる。ガスケット320の一部分における横断チャネル333は、ガスケット320の中央の長軸方向の空気経路315と交差し、これと連通しうる。チャネル333は、中央の長軸方向の空気経路315と、ガスケット320とねじ接続部74との間に画定される空間335との間の連通を確保する。
【0055】
ガスケット310の鼻部分393は、内側チューブ362の端部分381に組み込まれうる。ガスケット310の外周382は、外側ハウジング22の内部表面397との実質的な液密シールを提供する。ガスケット310は、内側チューブ362の中央通路321と口側の端部インサート20との間に配置された中央チャネル384を含む。
【0056】
貯蔵部314は、内側チューブ362と外側ハウジング22の間、および第一のガスケット320と第二のガスケット310の間の円環に含まれうる。従って、貯蔵部314は、中央空気通路321を少なくとも部分的に囲みうる。貯蔵部314は、プレベイパー製剤を含みうる。貯蔵部314はまた、繊維質構造、ガーゼ構造、またはその両方など、プレベイパー製剤を保持可能な記憶媒体(図示せず)を随意に含みうる。プレベイパー製剤は、1つ以上の蒸気形成体、水、1つ以上の「風味剤」(風味および芳香のうち少なくとも1つを提供する化合物)、およびニコチンを含みうる。例えば、プレベイパー製剤は、加熱時にプレベイパー製剤から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含みうる。プレベイパー製剤は、また、たばこ風味含有材料またはニコチン含有材料であってもよい。代わりに、または加えて、1つ以上のプレベイパー製剤は非たばこ材料を含んでもよい。例えば、プレベイパー製剤は、水、溶媒、有効成分、エタノール、植物抽出物および天然または人工の風味を含みうる。プレベイパー製剤は、ベイパー形成体をさらに含んでもよい。適切なプレベイパー製剤の多様性のため、当然のことながら、これらの各種のプレベイパー製剤は、様々な密度、粘性、表面張力および蒸気圧など、様々な物理的特性を含みうる。
【0057】
ヒーター319は内側チューブ362の中央空気通路321を通って延びてもよく、またヒーター319は、別の方法で中央空気通路321に晒されてもよい。ヒーター319は、フィラメント状の芯328と接触しうるが、これは、プレベイパー製剤を貯蔵部314からヒーター319に送達するように、貯蔵部314の対向するセクションの間に延びうる。ヒーター319は、中央空気通路321に混入されることになりうる蒸気を生成するために、プレベイパー製剤を気化しうる。電気リード線26は、装置60が成人ベイパーによって活発に使用される時、ヒーターを活性化するためにヒーターに電気的に接続されうる。電気リード線26は、第一のセクション70が第二のセクション72に接続されてeベイピング装置60を形成する時に、ポスト78(図2)との電気的接触を提供するように構成されたポスト77に電気的に接続されうる(図3に図示した組み立てられたeベイピング装置60を参照)。ポスト77は、ポスト77の中央部分を貫いて長軸方向に走る中央通路77aを含みうるが、そこで、中央通路77aは空気通路315と流体連通しうる。別の方法として、ポスト77は、遠位端で閉じ、その代わりに、(中央通路77aがポスト77の長軸方向の長さ全体にわたる明確な貫通を妨げず、その代わりに単にポスト77の近位端と交差するように)中央通路77aと流体連通する側方の通気孔を持ちうる。1つ以上の空気吸込み口440は、第一のセクション70の端部付近に位置付けられうる。
【0058】
第一のセクション70の端部70aは、第二のセクション72のねじ山76a(図2)と結合しうるねじ込みコネクター74を含みうる。一つの実施形態において、第一のセクション70は、第二のセクション72のオスコネクター76と結合されうる、コネクター74の内部表面に位置付けられたねじ山74aを備えたメスコネクター74を含みうる。
【0059】
1つ以上の空気孔(通気孔)440aは、第一のセクション70の端部70a付近に位置付けられうるが、そこで孔440aは周囲雰囲気(第一のセクション70を囲む)と流体連通しうる。一つの実施形態において、1つ以上の通気孔440aは、孔440aがねじ山74aと直に隣接して位置付けられうるように、外側ハウジング22とメスのねじ込みコネクター74の両方を貫通しうる(ねじ山74aの位置に対して、コネクター74のさらに遠位の位置で、ねじ山74aがコネクター74の「内側に設定」されうるように)。特に、孔440aは、コネクター74の内部表面の、より近接した位置に位置付けられうるねじ山74aに対して、ねじ込みコネクター74および第一のセクション70の外側ハウジング22の遠位の位置を貫通しうる(ここでコネクター74のこの遠位端は、第一のセクション70の最遠位端付近としうる)。
【0060】
代替的な実施形態(図1bに図示)において、ねじ込みコネクター74は、図1aに示した実施形態に対して、第一のセクション70の端部70aの外部表面のより長い部分を形成しうるため、孔440aは、ハウジング22ではなくねじ込みコネクター74を貫通しうる。
【0061】
通気孔440aは円形断面を持ちうる。代わりに、通気孔440aは正方形の断面を持ってもよく、または断面は別の形状でもよい。孔440aが円形断面を持つ場合、孔440aの相対的直径は図2に描いた通気孔440bの相対的直径よりも小さくてもよいが(下記で考察)、これは第一のセクション70にある孔440aは、通気孔440aを通って入り、(第二のセクション72の)通気孔440bに染み出る空気の流路の「ボトルネック」と考えられうるためであり、この流路については下記でさらに詳細に説明する。孔440aの相対的直径が孔440bの直径よりも小さい目的は、第一のセクション70の孔440aが、本質的に、不注意に侵入して潜在的に孔440aを詰まらせうる環境中の潜在的な破片をスクリーンまたはフィルターしうるように、装置60に入る空気の流路が(第二のセクション72の孔440bによって制限されるのでなく)装置60のこれらの孔440aによって制限されることを確保するためである。第二のセクション72ではなく第一のセクション70で流路のこの「ボトルネック」効果を生成するにあたり、破片が侵入して孔440aを詰まらせた場合には、第一のセクション70は最終的に破棄でき(第一のセクション70は使い捨てセクションとしうるため)、その一方で、第二のセクション72は第二のセクション72のライフサイクル全体にわたり有効な動作使用状態が保たれうる(特に、第二のセクション72が使い捨てではないセクションである場合)。孔440aが円形ではない断面形状を持つ場合には、孔440aの相対的断面積は、孔440bの相対的断面積よりも小さくてもよい。
【0062】
図2は、一実施形態例による、eベイピング装置60の第二のセクション72の断面図である。第二のセクション72は電源12を含みうるが、これは使い捨てまたは再充電可能のいずれかの電池としうる。電源12は、電圧をヒーター319(図1aで第一のセクション70に図示)にかけるように動作しうる。従って、ヒーター319は、2~10秒の期間などのある期間の電力サイクルに従い、プレベイパー製剤を揮発しうる。第二のセクション72は、プリント基板上としうる制御回路11を備えた吸煙センサー16を含みうる。制御回路11は、ヒーター319が起動された時に発光するように動作しうるヒーター作動灯27も含みうる。外側ハウジング22は金属製としうると同時に、このハウジング22は、電源12、吸煙センサー16、制御回路11、電気リード線26およびヒーター319を含む電気回路用のアース端子としての役割を果たしうる。
【0063】
ポスト78は、第二のセクション72の端部72aに位置しうる。ポスト78は、制御回路11が電源12からポスト78を通して、電気リード線26およびヒーター319に電流を送る能力を持ちうるように、(下記に詳細に説明する通り)電源12に電気的に接続されうる。
【0064】
第二のセクション72の端部72aは、第一のセクション70のねじ山74a(図1A)と結合しうるねじ込みコネクター76を含みうる。一つの実施形態において、第二のセクション72の端部72aは、第一のセクション70のメスのコネクター74のねじ山74aと結合しうる、ねじ山76aを備えたオスのコネクター76を含みうる。
【0065】
1つ以上の空気孔(通気孔)440bは、第二のセクション72の端部72a付近に位置付けられうる。一つの実施形態において、1つ以上の通気孔440bはコネクター76を貫通しうるが、ここで孔440bはコネクター76のオスのねじ山76aに隣接しうる。孔440bは、ポスト78の側方孔78bおよび中央通路78aと流体連通する空気経路を形成するために、コネクター76の側壁を完全に貫通しうる。孔440bは、コネクター76の遠位端にありうるオスのねじ山76aに対して、ねじ込みコネクター76上の近接位置に位置付けられうる(ここでコネクター76の遠位端は、第二のセクション72の最遠位端としうる)。
【0066】
通気孔440bは円形断面を持ちうる。代わりに、通気孔440bは正方形の断面を持ってもよく、または断面は別の形状でもよい。上述した通り、孔440a、440bが円形の場合に、通気孔440bの直径は、第一のセクション70の通気孔440aの直径よりも相対的に大きくてもよい(そうでない場合、孔440a、440bが円形ではない場合には、通気孔440bの断面積は、第一のセクション70の通気孔440aの断面積よりも大きくてもよい)。孔440a、440bのこの相対的サイズは、(上述した通り、相対的に小さいサイズの孔440aが大きめの孔440bに破片が入らないようにフィルターしうるため)セクション72の長期にわたる使用および耐用年数を確保しうる。
【0067】
図3は、一実施形態例による、組み立てられたeベイピング装置60の断面図である。装置60は、2つの主要セクション70、72(図1および2に関連して詳細に説明)を含みうるが、ここで第一のセクション70は使い捨ての(交換可能な)セクションとし、第二のセクション72は再利用可能な取付具としうる。随意に、両方のセクション70、72を使い捨てセクションとしてもよい。
【0068】
2つのセクション70、72は、装置60の長軸方向の長さにわたりうるハウジング22によって囲まれうる。外側ハウジング22は、適切な任意の材料または材料の組み合わせによって形成されうる。外側ハウジング22は円筒形としうると共に、少なくとも部分的に金属製でもよく、また電気回路の一部でもよい(本明細書でさらに詳細に説明する通り)。ハウジング22は、本明細書では円筒形として説明しているが、その他の形態および形状も意図されている。
【0069】
セクション70、72は、ねじ込みコネクター74、76によって一つに結合されうる。そうすることで、結合されたセクション70、72は、第一のセクション70の通気孔440aを、第二のセクション72の通気孔440bと流体連通させうる。これが次に、下記に詳細に説明する通り、eベイピング装置60へと引き出される吸入空気のための流路を形成しうる。
【0070】
動作使用状態において、空気出口21から引き出された空気は装置60の中央通路内で圧力降下を形成させうる(ここで、中央通路は空気通路315、中央チャネル321およびチャネル384を含みうる)。この圧力降下は次に、上述した空気吸込み口440a、440bを経由して、外の周囲空気が装置60へと引き出されるようにしうる。そうすることで、吸入空気は、第一のセクション70の1つ以上の空気吸込み口440aを通り、第二のセクションの1つ以上の空気吸込み口440bを通って横切る空気流路に沿って流れることができ、吸入空気はその後、ポスト78の外部表面に沿って横切り、ポスト77(第一のセクション70内)の中央通路77aと流体連通しうるポスト78(第二のセクション72内)のチャネル78cに流れ込みうるが、これは空気通路315、中央チャネル321、チャネル382および空気出口21と流体連通しうる。吸入空気のこの流路100全体は図4に描かれており、通気孔440aに入り空気出口21を通して最終的に放出される吸入空気を示している。
【0071】
装置の第二のセクション72内で、吸煙センサー16は、この空気の引出しによって生じるeベイピング装置60内での圧力降下を検出するために使用されうる。このために、中央通路78a(ポスト78を明確に貫通)は、通気孔440a、440bを経由し、側方の通気孔78bを経由してeベイピング装置60に入り込みうる吸入空気流100と流体連通しうる。すなわち、吸入空気100の流れによって真空圧力101が第二のセクション72内に形成されてもよく、ここで、この真空圧力101は、吸煙センサー16からポスト78の中央通路78aおよび側方孔78bを通して存在しうる。これに関して、従って吸煙センサー16は、第二のセクション72が第一のセクション70に接続されている時に、第一のセクション70の空気孔440aと口側の端部インサート20の空気出口21との間に存在する空気取込み経路100と流体連通しうる。代わりに、チャネル78cは、第二のセクション72のポスト78の表面上ではなく、第一のセクション70のポスト77の表面上に提供されうる。
【0072】
コネクター76およびポスト78によって画定される少なくとも1つの空気孔440b以外に、またポスト78内の中央通路78a(これは第二のセクション72が第一のセクション70と接続された時に閉鎖される)以外に、追加的な空気孔(周囲雰囲気と流体連通)は第二のセクション72の他方の端部72bに含まれておらず、空気孔(周囲雰囲気と流体連通)も第二のセクション72上の異なる場所に位置していないことが注目される。
【0073】
吸煙センサー16が圧力降下(すなわち、真空力)の低下を感知すると、ヒーター319が電気的に活性化した状態になりうるように、センサー16の制御回路は、外側ハウジング22(アース端子としての役割を果たす)、電池12(電源としての役割を果たす)、ポスト78、電気リード線26、およびヒーター319を含みうる電気回路を閉じさせうる。活性化したヒーター319は、貯蔵部314から芯328を通して中央チャネル321へと引き出されうるプレベイパー製剤を気化しうる。活性化されたヒーター319によって形成された蒸気は、空気および混入された蒸気がその後に空気出口21を通過するように、中央チャネル321を通る空気流内に混入されうる。
【0074】
通気孔440a、440bの配置およびサイズ設定は、eベイピング装置の望ましい引き出し抵抗(RTD)パラメータを保つのに役立ちうる。RTD値は、eベイピング装置60を通して引き出される空気に関連付けられた抵抗を定量化するのに使用されうる。一つの実施形態において、通気孔440a、440bの適切な配置およびサイズ設定をすることで、eベイピング装置60の全体的なRTD範囲を約40~約150水柱ミリメートルとしうる。一つの実施形態において、eベイピング装置60の全体的なRTD範囲は、約70~約140水柱ミリメートルともしうる。別の実施形態において、eベイピング装置60の全体的なRTD範囲は、約94~約135水柱ミリメートルとしうる。
【0075】
一つの実施形態において、第一のセクション70内の通気孔440aの制限されたサイズが、eベイピング装置60に入る吸入空気の「ボトルネック」効果を形成しうるように、第一のセクション70内の通気孔440aは第二のセクション72内の通気孔440bよりも小さなサイズとしうる。「ボトルネック」効果によって、装置60の全体的なRTD値を微調節するにあたって、通気孔440aのサイズ設定は効果的な制御パラメータとなりうる。また、第一のセクション70内の通気孔440aのサイズ設定によって提供される「ボトルネック」効果によって、通気孔440aは、第二のセクション72の通気孔440bに入り込んで潜在的に詰まらせうる破片をフィルターまたはスクリーンしうる。このために、一つの実施形態において、直径が約0.59~約0.61ミリメートル(孔440a、440bが円形である場合)の範囲でありうる第一のセクション70に2つの通気孔440aが含まれうるが、他の通気孔の直径も利用されうる。あるいは、通気孔440aが円形でないか、または孔440aが単一の通気孔または2つを越える数の通気孔を含む場合(すなわち、孔440aの数が2つの通気孔ではないいくつか)、通気孔440a(複数可)は、約0.5468~約0.5845平方ミリメートルの合計断面表面積を持ちうる。一つの実施形態において、第一のセクション70にある通気孔440aの数は、2つの通気孔440aとしうるが、ここでそれぞれの孔440aは、約0.2734~約0.2922平方ミリメートルの断面積を持ちうる。ところが、孔440aの数は1つでも、または2つを越えてもよく、従ってこれらの孔440aのサイズはそれに応じて変化しうる。
【0076】
一つの実施形態において、第二のセクション72の通気孔440bは、直径約1.0ミリメートル(孔440bが円形の場合)としうるか、または孔440bはそれぞれ約0.7854平方ミリメートルの断面表面積を持ちうる。これによって、第二のセクション72内の孔440bを第一のセクション70内の孔440aよりも大きくしうることが確保される。一つの実施形態において、第二のセクション72内の通気孔440bの数は、4つの通気孔440bでもよい(ここでそれぞれの孔440bは、約0.7854平方ミリメートルの断面積を持ちうる)。ところが、孔440bの数は1つ、2つ、または3つ、または4つを越えてもよい。一つの実施形態において、第二のセクション72内の孔440bの合計断面表面積は、第一のセクション70内の孔440aの合計断面表面積の3~4倍としうる。
【0077】
一つの実施形態において、吸入空気が従いうる流路(第一のセクション内の通気孔440aから口側の端部インサート20内の出口21まで)は、全長約37ミリメートルを持つ第一のセクション70について合計直線距離で約45~約50ミリメートルとしうる。
【0078】
図5は、一実施形態例による、引き出し抵抗(RTD)値を正確に制御するeベイピング装置60の製造方法を描写するフローチャートである。図5に示す通り、工程S600では、第一のセクション70および第二のセクション72は、一つに結合され(ねじ込みコネクター74、76によって)、組み立てられたeベイピング装置60を形成しうる。
【0079】
工程S602では、圧力降下センシング装置300(図6を参照)は、装置60の第一のセクション70の端部70bに接続されうる(ここで端部70bは口側の端部インサート20を含みうる)。圧力降下センシング装置300は、組み立てられたeベイピング装置60(図3および6に図示)などのeベイピング装置での圧力降下を効果的に測定しうる、圧力降下テスターまたはその他の匹敵するスタンドアロン型計器などの任意の装置300(関連付けられた圧力降下センサー302を備える)として、当業界で周知である。特に、当業界で周知の通り、圧力降下センシング装置300は、eベイピング装置60の端部70bに接続して端部70bとの空気密封シールを形成することで、圧力降下を測定しうる。よって、センシング装置300は、次に装置60を通して空気を引き出す装置300内部に周知の(定量化された)真空圧力を生成しうる。その後、eベイピング装置60での圧力降下によって、センシング装置300内部での結果的な平衡状態が達成されうるが、ここでセンシング装置300内部の周知の(定量化された)真空力がeベイピング装置60での空気流によって低減されうる。センシング装置300内部での結果的な平衡真空はセンサー302によって測定されうるが、ここでセンシング装置300内の結果的な平衡真空は測定されたRTD値と等しい。
【0080】
工程S604では、圧力降下センシング装置300は、eベイピング装置60のRTD値を測定するために使用されうるが、ここでこの値は、第一のセクション70の空気孔440aから第二のセクション440bの空気孔440bを通して、および組み立てられたeベイピング装置60を通して引き出される吸入空気に関連付けられた圧力降下を構成し、ここで、吸入空気は、第一のセクション70の端部70bにある空気出口21を経由して排出される(空気取込み流路100として表示、図4に関連して説明)。
【0081】
工程S606では、第一のセクション70内の通気孔440aの全体的断面積は、装置60についての望ましいRTD値を得るために調節されうる。
【0082】
一つの実施形態において、eベイピング装置60についての望ましいRTD値の範囲は約94~約135水柱ミリメートルとしうる。こうした望ましい範囲は、eベイピング装置60から「バランスのとれた」空気の流れを提供する。特に、「緩んだ」空気の流れ(通気孔400aのサイズが大きすぎることによって発生)は、結果的にRTD値が低くなりすぎ、空気内に混入される適切な蒸気量が不足した比較的大量の空気をもたらしうる。一方、「きつい」空気の流れ(通気孔400aのサイズが小さすぎることによって発生)は、結果的にRTD値が高くなりすぎ、適切な空気流を提供しない比較的少ない量の空気をもたらしうる。第一のセクション70の空気吸込み口400aが吸入空気の「ボトルネック」になるようにすることで(ここで第二のセクション72の通気孔400bが意図的に大きなサイズにされる)、またそれ以外に空気取込み口(すなわち、「空気吸込み口」)が第一のセクション70または第二のセクション72内に存在しないようにすることで(通気孔440bと連通した空気吸込み口400aを除く)、第一のセクション70内の空気吸込み口400aのサイズ設定によって、eベイピング装置60全体についてのRTD値を正確かつ精密に指図しうる。
【0083】
こうして例示的な実施形態を説明してきたが、これらは多くの方法で変形されうることが明らかになるであろう。こうした変形は、例示的な実施形態の意図する範囲から逸脱するものとして扱われるべきではなく、当業者であれば明らかであるようなこうした変形の全ては、続く請求項の範囲内に含めるべきであることを意図している。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6