(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】携行用注入ポンプおよびそれとの使用のためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20220510BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61M5/168 506
A61M5/145 500
(21)【出願番号】P 2018542219
(86)(22)【出願日】2017-02-12
(86)【国際出願番号】 US2017017585
(87)【国際公開番号】W WO2017139723
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2019-12-12
(32)【優先日】2016-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595038051
【氏名又は名称】メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ロジャー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, トム シャオハイ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-521948(JP,A)
【文献】米国特許第5257980(US,A)
【文献】特表2013-537844(JP,A)
【文献】特表2013-526366(JP,A)
【文献】国際公開第2014/116274(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/082126(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0215163(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
薬剤リザーバと、
前記薬剤リザーバと流体連通するリザーバ出口と、
前記リザーバ出口に設けられたトロカールシールアセンブリであって、前記トロカールシールアセンブリは、カニューレと、少なくとも1つのシールと、
先端が細く鋭くなっているロッドを有するトロカールと、を含み、前記トロカールは、前記リザーバ出口に対して移動可能であり、前記トロカールが前記少なくとも1つのシールと係合する第1の位置にあるとき、薬剤が前記リザーバ出口を通してカニューレへ流動することを防止し、前記トロカールが前記第1の位置から前記リザーバ出口から前記カニューレへの薬剤の流れを邪魔しない第2の位置に移動されたことに応答して、薬剤が前記リザーバ出口を通してカニューレへ流動することを可能にするように構成される、トロカールシールアセンブリと
を備える、装置。
【請求項2】
前記トロカールシールアセンブリは、前記リザーバ出口と流体連通するドラム入口とドラム出口とを有するドラムを含み、
前記トロカールの一部は、前記第1の位置にあるとき、前記ドラム出口内に位置する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ドラムは、前記リザーバ出口内に位置する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記トロカールロッドは、外側表面を画定し、
前記ドラム出口は、少なくとも1つのシールを含む縦方向に延在するドラム出口管腔を備え、前記少なくとも1つのシールは、前記トロカールが前記第1の位置にあるとき、前記トロカールロッドの外側表面に係合する、
請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記トロカールシールアセンブリは、隔壁を含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記隔壁は、前記ドラムに隣接するか、または前記ドラムと一体型であるかのいずれかである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記トロカールは、前記トロカールシールアセンブリの残りから除去可能である、請求項1-6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記トロカールシールアセンブリは、外側表面およびカニューレ入口を伴うカニューレを含み、前記カニューレは、前記リザーバ出口に対して移動可能であり、
前記トロカールの少なくとも一部は、前記カニューレ内に位置し、
前記ドラム出口は、前記カニューレの外側表面に係合する少なくとも1つのシールを含む縦方向に延在するドラム出口管腔を備え、
前記カニューレ入口は、前記トロカールが前記第1の位置にあるとき、前記ドラム入口と流体連通しない、
請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記カニューレは、前記トロカールに伴って、前記カニューレ入口が前記ドラム入口と流体連通する位置に移動可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
装置であって、
薬剤リザーバと、
前記薬剤リザーバと流体連通するリザーバ出口と、
前記薬剤リザーバと流体連通する充填ポートと、
前記充填ポートおよび前記リザーバ出口に設けられた充填プラグシールアセンブリであって、前記充填プラグシールアセンブリは、コアピンを含み、前記充填プラグシールアセンブリは、前記コアピンが第1の位置にあるとき、薬剤が前記リザーバ出口を通して流動することを防止し、前記コアピンが前記第1の位置から移動されたことに応答して、薬剤が前記リザーバ出口を通して流動することを可能にするように構成される、充填プラグシールアセンブリと
を備え、
前記充填プラグシールアセンブリは、前記充填ポート内に位置する充填プラグを含み、内側表面を画定し、
前記コアピンの一部は、前記コアピンが前記第1の位置にあるとき、前記充填プラグ内側表面に係合し、シールを生成する、シール表面を含み、前記コアピンシール表面は、前記コアピンが前記第1の位置から移動すると、前記充填プラグ内側表面から係脱する、装置。
【請求項11】
前記充填プラグシールアセンブリは、無傷状態にあるとき、前記薬剤リザーバから前記リザーバ出口への流動を防止する、薄シールを含み、
前記コアピンは、前記コアピンが前記第1の位置から移動されると、前記薄シールに貫通する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記充填プラグシールアセンブリは、前記充填ポート内に位置する、充填プラグを含み、
前記薄シールは、前記充填プラグ上に搭載される、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記充填プラグシールアセンブリは、無傷状態にあるとき、前記薬剤リザーバから前記リザーバ出口への流動を防止する、薄シールを含み、
前記コアピンは、前記コアピンが前記第1の位置から移動されると、前記薄シールに貫通する、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コアピンが前記第1の位置から移動することを防止する除去可能保護体をさらに備える、請求項10-13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
注入ポンプであって、
請求項1-14のいずれか1項に記載の装置と、
薬剤を前記薬剤リザーバから駆動する流体変位デバイスと、
を備える、注入ポンプ。
【請求項16】
前記流体変位デバイスは、前記リザーバ内のプランジャと、前記プランジャを駆動する駆動機構とを含む、請求項15に記載の注入ポンプ。
【請求項17】
前記駆動機構は、モータを含む、請求項16に記載の注入ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年2月12日に出願された先に出願された米国仮特許出願第62/294,941号の利益および優先権を主張するものであり、これは、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本デバイスおよび方法は、概して、携行用注入ポンプおよびそれらのポンプのためのシールに関する。
【背景技術】
【0003】
携行用注入ポンプ(本明細書では、単に、「注入ポンプ」とも称される)は、薬物および他の注入可能物質(集合的に、「薬剤」)を患者の身体の中に導入するために使用される、比較的に小型であって、少なくとも実質的に自給式のデバイスである。いくつかの注入ポンプは、ベルト上に装着される、衣類のポケット内で搬送される、または同等物であるように構成される。他の注入ポンプは、パッチ様方式で皮膚に取り付けられるように構成される。注入ポンプは、それらが、例えば、薬剤を、持続して、またはさらに臨床環境外でさえ継続的に、経皮的に導入(または「注入」)するために使用され得るという点において有利である。注入ポンプはまた、それらが、針ベースの注射等の皮下アクセス事象の頻度を大幅に低減させるという点において有利である。注入ポンプによって導入され得る、薬剤の一実施例は、インスリンの液体処方物である。注入ポンプによって導入され得る、他の例示的薬剤は、限定ではないが、癌を処置する薬物および疼痛の知覚を抑制する薬物を含む。
【0004】
多くの従来の注入ポンプは、患者の健康および生活の質を改善する。それにもかかわらず、本発明者らは、従来の注入ポンプが、広範囲の改良を受けるに値すると判断した。実施例として、限定ではないが、本発明者らは、従来の注入ポンプより小型であって、より単純であって、より安価でありながら、また、従来の注入ポンプより正確である、注入ポンプを提供することが望ましいと判断した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうちの少なくとも1つによる、装置は、薬剤リザーバと、薬剤リザーバと流体連通するリザーバ出口と、リザーバ出口と関連付けられたトロカールシールアセンブリであって、該トロカールシールアセンブリは、ロッドおよび鋭的端部を伴うトロカールを含み、該トロカールは、リザーバ出口に対して移動可能であり、トロカールが第1の位置にあるとき、薬剤がリザーバ出口を通して流動することを防止し、トロカールが第1の位置から移動されたことに応答して、薬剤がリザーバ出口を通して流動することを可能にするように構成される、トロカールシールアセンブリとを含む。本発明はまた、そのような装置を伴う、注入ポンプを含む。
【0006】
本発明のうちの少なくとも1つによる、装置は、薬剤リザーバと、薬剤リザーバと流体連通するリザーバ出口と、薬剤リザーバと流体連通する充填ポートと、充填ポートおよびリザーバ出口と関連付けられた充填プラグシールアセンブリであって、該充填プラグシールアセンブリは、コアピンを含み、コアピンが第1の位置にあるとき、薬剤がリザーバ出口を通して流動することを防止し、コアピンが第1の位置から移動されたことに応答して、薬剤がリザーバ出口を通して流動することを可能にするように構成される、充填プラグシールアセンブリとを含む。本発明はまた、そのような装置を伴う、注入ポンプを含む。
【0007】
本発明の特徴および付帯利点は、本発明が、付随の図面と併せて検討されるとき、以下の詳細な説明を参照することによってより深く理解されることによって、明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
例示的実施形態の詳細な説明が、添付の図面を参照して行われるであろう。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、組み立てられた状態における、例示的注入ポンプの斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、耐久性アセンブリおよび使い捨てアセンブリを含む、
図1Aに図示される注入ポンプシステムの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1Aおよび1Bに図示される注入ポンプシステムのある構成要素の上面図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1Aおよび1Bに図示される注入ポンプシステムの使用を示す、概略図である。
【
図2B】
図2Bは、
図1Aおよび1Bに図示される注入ポンプシステムの別の使用を示す、概略図である。
【
図4A】
図4Aは、例示的使い捨てアセンブリの斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、例示的注入ポンプシステムの耐久性アセンブリおよび使い捨てアセンブリのある構成要素の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5Aの例示的注入ポンプシステムの構成要素の斜視断面図であって、耐久性アセンブリおよび使い捨てアセンブリのある構成要素間の間隙を露見させる。
【
図7】
図7は、患者の皮膚が清掃されていることを示す、正面図である。
【
図8】
図8は、例示的使い捨てアセンブリの除去および交換方法を図示する、流動チャートである。
【
図9A】
図9Aは、組み立てられた状態における、別の例示的注入ポンプシステムの斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、使い捨てアセンブリのある例示的構成要素の分解断面図である。
【
図11C】
図11C-11Fは、その組み立てられた位置に示される、
図11Aの構成要素と併用するための付加的例示的構成要素を示す、断面図である。
【
図11D】
図11C-11Fは、その組み立てられた位置に示される、
図11Aの構成要素と併用するための付加的例示的構成要素を示す、断面図である。
【
図11E】
図11C-11Fは、その組み立てられた位置に示される、
図11Aの構成要素と併用するための付加的例示的構成要素を示す、断面図である。
【
図11F】
図11C-11Fは、その組み立てられた位置に示される、
図11Aの構成要素と併用するための付加的例示的構成要素を示す、断面図である。
【
図12】
図12は、使い捨てアセンブリのある代替構成要素を示す、断面図である。
【
図13A】
図13Aは、使い捨てアセンブリの付加的代替構成要素を示す、側面図である。
【
図15A】
図15Aおよび15Bは、使い捨てアセンブリの代替構成要素を示す、側面図である。
【
図15B】
図15Aおよび15Bは、使い捨てアセンブリの代替構成要素を示す、側面図である。
【
図16A】
図16A-16Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリの付加的代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図16B】
図16A-16Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリの付加的代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図16C】
図16A-16Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリの付加的代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図17A】
図17A-17Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリのさらなる代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図17B】
図17A-17Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリのさらなる代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図17C】
図17A-17Cは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリのさらなる代替構成要素を示す、斜視断面図である。
【
図18A】
図18Aは、分注前または保管位置に示される、使い捨てアセンブリと併用され得る、ある例示的構成要素の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本発明を実施する現在公知の最良形態の詳細な説明である。本説明は、限定的意味で捉えられるものではなく、単に、本発明の一般的原理を例証する目的のために行われる。
【0011】
また、ここでは、本明細書は、U-500インスリン等の高濃度インスリン(すなわち、U-200インスリンおよびそれを上回る)ならびにU-100インスリン等のより低い濃度のインスリンの皮下送達のために特に非常に好適である、構造および方法を説明することに留意されたい。なお、本発明は、多種多様な注入ポンプおよび薬剤に適用可能であることを理解されたい。実施例として、限定ではないが、本発明は、流体変位のために、プランジャを伴うリザーバ、プランジャプッシャの形態における流体変位デバイス、およびモータ、または他の流体変位デバイス(採用されるリザーバのタイプにかかわらず)、ピストンポンプ(例えば、電磁ポンプ)、MEMSポンプ、蠕動ポンプ、および任意の他の好適なポンプならびに対応する駆動機構を含む、駆動機構を採用してもよい。プランジャを伴うリザーバ、プランジャプッシャの形態における流体変位デバイス、および駆動機構を含む、例示的注入ポンプは、2010年9月24日出願の米国特許出願第12/890,207号および対応する特許公開第2012/0078170号(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、ならびに2014年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/057,273号、2015年9月29日に出願された対応する米国特許出願第14/869,906号、および対応する米国特許公開第2016/0089491号、(それぞれ、参照することによってその全体として組み込まれる)、ならびに2015年2月18日に出願された米国仮特許出願第62/117,565号、2016年2月11日に出願された対応する米国特許出願第15/042,093号、および対応する米国特許公開第2016/0235913号(それぞれまた、参照することによってその全体として組み込まれる)に説明されている。本発明はまた、例えば、疼痛を緩和するための薬物、化学療法および他の癌関連薬物、抗生物質、ホルモン、GLP-1、グルカゴン、大分子を含む、種々の他の薬物、および高レベルの送達正確度を要求し得る、たんぱく質、ならびにU-500インスリン等の比較的高濃度インスリン(すなわち、U-200インスリンおよびそれを上回る)およびU-100インスリン等のより低い濃度のインスリン等の薬剤にも適用可能である。前述の米国特許公開第2012/0078170号、米国仮特許出願第62/057,273号、米国特許出願第14/869,906号、および対応する米国特許公開第2016/0089491号はそれぞれまた、本明細書に説明される例示的注入ポンプ等の注入ポンプとの患者相互作用および併用を説明している。
【0012】
上記に説明されるように、いくつかの携行用注入ポンプは、ベルト上に装着される、ポケット内で搬送される、または別様にある種類のホルダ(集合的に、「ポケット」と称される)内に支持されるように意図される。そのような注入ポンプは、伸長管を経由して、流体をリザーバから注入セットに輸送する。皮下アクセスは、注入セット内のカニューレを経由して得られてもよい。他の携行用注入ポンプは、送達部位の上方の皮膚に取り付けられるように意図される(時として、「パッチポンプ」と称される)。ここでは、カニューレまたは他の皮下アクセスデバイスは、直接、注入デバイスから延在してもよい。これらの使用形態を前提として、患者は、典型的には、デバイスが、可能な限り小型であって、したがって、より快適であって、より目立たず、かつあまり可視ではないことを好む。加えて、患者は、使用がより容易かつ便宜的であるデバイスを所望する。
【0013】
概して、
図1A、1B、および2における参照番号100によって表される、例示的携行用注入システムは、耐久性アセンブリ200と、使い捨てアセンブリ300とを含む。例示的耐久性アセンブリ200は、筐体202と、1つまたはそれを上回るバッテリもしくは他のエネルギー供給源221と、1つまたはそれを上回るコンデンサもしくは他のエネルギー貯蔵装置222と、マイクロプロセッサ223と、コイルアセンブリ224(モータ固定子として機能する)と、1つまたはそれを上回るホール効果センサ225とを含む。例示的使い捨てアセンブリ300は、磁気モータ回転子331等の構成要素を支持する、ベースプレート350と、リザーバ支持ブロック337内に送りねじ駆動歯車333を含む、歯車列332と、リザーバ支持ブロック337に搭載される、薬剤リザーバ336内に位置付けられる、プランジャ335に取り付けられる送りねじ334とを含む。例示的プランジャ335は、コアと、コア上の複数のシールとを含む。カバー302が、ベースプレート350に搭載されてもよく、該カバーの下に、磁気モータ回転子331、歯車列332(駆動歯車333を伴う)、送りねじ334、プランジャ335、および薬剤リザーバ336の一部または全部が、種々の実施形態では、位置付けられる。
【0014】
送りねじ駆動歯車333、送りねじ334、プランジャ335、薬剤リザーバ336、およびリザーバ支持ブロック337はまた、集合的に、「リザーバアセンブリ」と称され得る。例えば、注入システム100内で採用され得る、他の例示的リザーバアセンブリ、耐久性アセンブリ、およびシールアセンブリは、
図9D-18Cを参照して以下に説明される。
【0015】
例示的使い捨てアセンブリ300は、
図1Aおよび2に示されるように、例示的耐久性アセンブリ200に固着されてもよい。この目的のために、例示的筐体202は、ともに、比較的に薄い筐体部分210および比較的に厚い筐体部分212を画定する、上壁204と、底壁206aおよび206bと、側壁208とを含む。くぼみ214が、比較的に厚い部分212内に形成される。例示的カバー302は、ともに、比較的に薄いカバー部分308および比較的に厚いカバー部分310を画定する、上壁304aおよび304bと、側壁306とを含む。ベースプレート350の一部は、カバー302によって被覆されず、それによって、ベースプレートの周囲に延在する壁314によって境界される、陥凹312を画定する(また、
図4B参照)。耐久性アセンブリおよび使い捨てアセンブリ200ならびに300が、
図1Aに図示される様式において相互に固着されると、筐体202の比較的に厚い部分212は、使い捨てアセンブリ300の陥凹312内に常駐するであろう(くぼみ214内に壁314を伴う)。筐体202の比較的に薄い部分210は、カバー302の上壁304b上に常駐するであろう。カバー302はまた、筐体202上の陥凹216と噛合する、突起316を含む。加えて、以下により詳細に議論されるように、使い捨てアセンブリ300は、異なる薬剤濃度、異なる薬剤量、または異なるシステム動作形態等、異なる薬剤のために構成されてもよい。
【0016】
他の実装では、カバー302は、ベースプレート350上の構成の全てより少ない構成要素を被覆するように構成要素されてもよい。例えば、カバーは、磁気モータ回転子331および歯車列332の一部が、カバー下にない一方、残りの構成要素が、カバー下にあるように構成されてもよい。さらに他の実装では、カバー302は、省略されてもよく、耐久性アセンブリ200は、ベースプレート350上の構成要素の全てを被覆するように構成されてもよい。さらに他の実装では、本願では、「耐久性」アセンブリと称されるものは、使い捨てであってもよく、完全使い捨てシステムをもたらしてもよい。
【0017】
前述の米国特許公開第2012/0078170号、ならびに2011年11月19日に出願された米国出願第13/300,574号および対応する米国特許公開第2012/0184907号、ならびに2012年5月18日に出願された米国出願第13/475,843号および対応する米国特許公開第2013/0138078号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論されるように、ベースプレート上のリザーバを採用する、携行用注入システムは、異なるタイプの使用のために構成されてもよい。例えば、使い捨てアセンブリ300は、患者の皮膚に接着されてもよく、システム100が、
図2Aに示されるように、「パッチポンプ」として展開され得るように、リザーバ336に動作可能に接続される、カニューレ(図示せず)と併用されてもよい。代替として、
図2Bに示されるように、使い捨てアセンブリ300のベースプレート350は、システム100が、「ポケットポンプ」、「ベルト装着ポンプ」、またはいくつかの他の装着可能ポンプとして採用され得るように、リザーバ336を注入セット382に動作可能に接続するように構成されてもよい(例えば、
図1Bおよび2に示される、例証される注入セット管およびコネクタ380を経由して)。換言すると、同一の耐久性アセンブリ200を使用して、ユーザは、単に、適切な使い捨てアセンブリを選択し、使い捨てアセンブリを耐久性アセンブリに取り付けることによって、「ポケットポンプ」または「パッチポンプ」として使用するためにシステムを構成してもよい。ユーザはまた、単に、1つの使い捨てアセンブリを除去し、それを別の使い捨てアセンブリと交換することによって、1つの構成から別の構成に切り替えてもよい。コネクタ380はまた、以下に議論されるように、充填ポートとして使用されてもよい。
【0018】
したがって、本発明は、使い捨てアセンブリのうちの少なくとも2つが異なり得る、種々の組み合わせの使い捨てアセンブリを含有する、キットを含むことに留意されたい。加えて、または代替として、キットまたは他のパッケージは、注入セットおよび/またはカニューレ挿入器等、種々の使い捨てアセンブリ構成要素を含んでもよい。キットはまた、耐久性アセンブリを含んでもよい。そのようなキット内の使い捨てアセンブリはまた、以下に議論される検出/識別手段を含んでもよい。本キットの構成要素(例えば、種々の使い捨てアセンブリおよび/または構成要素の組み合わせ)は、必要に応じて、構成要素毎に個々のパッケージを伴う、共通パッケージ内に保管され、共通パッケージ内においてユーザに提供されてもよい。そのようなキット内に提供され得る、他の構成要素は、限定ではないが、カニューレが事前装填された挿入器および清掃用綿棒を含む。充電器もまた、耐久性アセンブリを含む、キット内に提供されてもよい。
【0019】
使い捨てアセンブリパッケージおよび標識に加え、異なる使い捨てアセンブリは、種々の使い捨てアセンブリを区別するための視覚的目印を含んでもよい。例えば、異なる濃度の薬剤または異なる薬剤充填体積を伴う、使い捨てアセンブリが、使い捨てアセンブリのリザーバおよび/またはベースプレートのための異なる色、もしくは使い捨てアセンブリが、正しくプログラムされた耐久消費財にのみ取付可能であることを確実にする機械的特徴を使用してもよい。
【0020】
また、ここでは、プライミングの問題がなければ、耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300を含み得る、注入システム「パッチポンプ」構成と関連付けられた分注手順は、同様に注入セット382(
図2B参照)を含み得る、「ポケットポンプ」構成と関連付けられた分注手順と実質的に同一であることに留意されたい。「パッチポンプ」構成では、プライミングは、関連付けられたカニューレの体積が、非常に小さいく、直接接続がカニューレと薬剤リザーバとの間に存在するため、必要ない。しかしながら、プライミングは、薬剤送達の開始に先立って、「ポケットポンプ」構成における注入セット管(
図2B)を充填するために要求される。例えば、20~30μlが、注入セット管全体を充填するために要求され得、故に、プライミング手順は、管への10~15IUのU-500インスリンの急速送達を伴い得る。本発明者らは、システムが「パッチポンプ」構成であるとき、10~15IUのインスリンを患者に急速に送達することが患者の健康に悪影響を及ぼし得るため、本質的には直接薬剤を薬剤リザーバから患者に送達するように位置付けられるカニューレを用いて、ユーザがプライミング手順を開始することを防止することが有利となるであろうと判断した。
【0021】
そのような望ましくない転帰を防止するために、かつ種々の使い捨てアセンブリ(異なる薬剤、異なる濃度の薬剤、および/または可変量の薬剤を含有するリザーバを伴う、使い捨てアセンブリ等)間の選択肢を伴う他の状況においてユーザの利便性のために、本使い捨てアセンブリの少なくともいくつかは、ベースプレート識別デバイスを具備してもよく、本使い捨てアセンブリの少なくともいくつかは、耐久性アセンブリマイクロプロセッサ/コントローラが「ベースプレートタイプ」判定を行い得るような様式においてベースプレート識別デバイスと協働する、構造を具備してもよい。例示的ベースプレート識別手段および方法論は、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号に説明されるようなものであってもよい。加えて、ベースプレート識別は、機械的に行われてもよい。例えば、ピンまたはリブは、ある使い捨てアセンブリとある耐久性アセンブリの取付を防止してもよい。加えて、または代替として、ある耐久性アセンブリは、単に、ある使い捨てアセンブリとは機能しないであろう。
【0022】
代替として、患者または臨床医は、遠隔制御を介して等、取り付けられる使い捨てアセンブリのタイプを示すようにシステムをプログラムしてもよい。このような様式では、患者は、単一耐久性アセンブリと併用するための種々の薬剤にアクセスすることができる。
【0023】
いったん「ベースプレートタイプ」判定が行われると(例えば、「パッチポンプ」使い捨てアセンブリ300対注入セット382が取り付けられた「ポケットポンプ」)、耐久性アセンブリは、取り付けられた使い捨てアセンブリに適切な様式または動作モードに進むであろう。例えば、「パッチポンプ」使い捨てアセンブリ300が検出される場合、耐久性アセンブリコントローラは、送達プロセスの一部として、プライミングを含まず、いくつかの実装では、ユーザがプライミング手順を手動で実装することを防止するであろう。一方、「ポケットポンプ」使い捨てアセンブリが検出される場合、送達プロセスは、注入セット管の適切なプライミングを含んでもよい。
【0024】
「ポケットポンプ」として構成されるかまたは「パッチポンプ」として構成されるかにかかわらず、システムは、臨床医のプログラミングユニットを用いて医師によって提供される送達プロファイルに従って、薬剤の基礎送達を提供するように構成されてもよい。例えば、システムは、いくつかの送達プロファイル(例えば、24-時間送達サイクルと関連付けられた送達プロファイル、睡眠または病気等の特定の状況のための送達プロファイル、および同等物)を記憶する、プログラムを含んでもよい。各送達プロファイルは、経時的な複数の投与(またはポンプ「動作」)、例えば、特定の時間における特定の投与数または単位時間あたりの特定の投与数を規定する。いくつかの実装では、投与は、プランジャ335の最小制御可能変位と関連付けられた体積であってもよい。システムはまた、患者遠隔制御1000(
図2A)からの命令に応答して、ボーラス送達を提供するように構成されてもよい。ボーラス命令は、糖尿病患者の場合の高血糖値測定、疼痛管理患者の場合の疼痛レベル増加、またはある他の症状に応答して生じてもよい。システムはまた、患者遠隔制御1000からの命令に応答して、薬剤送達の終了等の他の機能を行うように構成されてもよい。
【0025】
本注入ポンプは、様々な遠隔制御と併せて使用されてもよい。そのような遠隔制御は、例えば、ユーザが命令を耐久性アセンブリ200に伝送することを可能にする、または耐久性アセンブリ200とユーザとの間の通信(例えば、アラーム条件メッセージまたはシステム100の条件に関する他のメッセージ)を促進するために使用されてもよい。例示的遠隔制御1000(
図2A)は、以下の動作のうちの1つ、いくつか、または全てを促進するように構成されてもよい。(1)遠隔制御1000のオンまたはオフ、(2)遠隔制御1000と耐久性アセンブリ20の関連付け(または「割当」)、(3)薬剤レベル、バッテリ充電レベル、および/またはアラーム条件等のステータス情報の取得、(4)耐久性アセンブリアラームの静音化、(5)アラームのタイプ(可聴、可触知、および/または可視)およびアラームの強度/音量等の耐久性アセンブリアラームと関連付けられ得るオプションの選択、(6)例えば、遠隔制御または耐久性アセンブリファームウェアを更新し、耐久性アセンブリまたは遠隔制御内に記憶される送達プロファイルをロードおよび削除し、別様に、耐久性アセンブリまたは遠隔制御を再プログラムするための遠隔制御1000とコンピュータの接続、(7)薬剤濃度等の薬剤オプションの選択、(8)記憶された薬剤送達プロファイルの選択および開始、(9)薬剤投与レートの増加および減少、ならびに/または(10)分注動作の一時停止。ユーザは、患者に適用された構造(例えば、使い捨てアセンブリ)を除去もしくは交換する、現在もしくは予期される身体条件の変化(例えば、低血糖値、激しい運動)を調節する、医師の提案に従う、または任意の他の理由から耐久性アセンブリを身体から切断するために、送達を一時停止してもよい。
【0026】
例示的遠隔制御1000(
図2A)は、例えば、現在の分注プログラムにおける時間残量、次の使い捨てアセンブリ交換までの時間量等を示す、耐久性アセンブリ200のためのマイクロプロセッサ223からの情報に基づいて、インジケータを生成するように構成されてもよい。インジケータは、可聴、可視、可触知、またはそれらの組み合わせであってもよい。時間残量インジケータは、種々の理由から有用であり得る。例えば、次の使い捨てアセンブリ交換に先立った時間残量の把握は、患者が、少なくとも部分的に、現在の時刻および今後の事象(例えば、旅行または睡眠)に基づいて、使い捨てアセンブリを分注プログラムの終了に先立ったある時間に交換することがより便利となるであろうかどうかを判定することを可能にする。
【0027】
上記に説明されるように、本システムの一部は、再使用可能部品と見なされ得る一方、他の部分は、使い捨て部品と見なされ得る。図示される実施形態では、マイクロプロセッサ223およびコイルアセンブリ224等の構造を含み得る、耐久性アセンブリ200は、再使用可能である一方、モータ回転子331およびリザーバ336等の構造をベースプレート350上に含み得る、例示的使い捨てアセンブリ300は、使い捨てである。他の実施形態では、本システムは、完全に使い捨てであってもよい。
【0028】
寸法に関して、例示的注入ポンプシステム100のいくつかの実施形態は、以下の寸法、すなわち、長さ寸法35mm+/-1.0mm、35mm+/-0.10mm、または35mm+/-5.0mm、幅寸法30mm+/-1.0mm、30mm+/-0.10mm、または30mm+/-5mm、および全体的厚さまたは高さ寸法8.5mm+/-1.0mm、8.5mm+/-2mm、または8.5mm+/-0.10mmを有してもよい。好適な筐体材料は、限定ではないが、弾性係数0.2~1.0百万psiを有する、プラスチックまたは他の材料を含む。
【0029】
例示的耐久性アセンブリマイクロプロセッサおよび関連付けられた回路、再充電可能バッテリおよび関連付けられたバッテリ充電器ならびに再充電方法、バッテリおよび再充電管理、温度センサ、ならびに例示的アラームおよびアラーム条件は、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号により詳細に説明されている。
【0030】
ここで
図3Aおよび3Bに目を向けると、例示的耐久性アセンブリ200は、1つまたはそれを上回るバッテリ221等の電源と、1つまたはそれを上回るコンデンサ222等の一時的電力貯蔵装置(
図2および5B参照)と、マイクロプロセッサ223等のコントローラと、コイルアセンブリ224と、ホール効果センサ225とを含んでもよい。当業者は、モータのコイルアセンブリ224および全ての他の電子機器を耐久性アセンブリ200内に含むことが、使い捨てアセンブリ300のコストおよび複雑性を低減させることを理解するであろう。加えて、マイクロプロセッサ223は、ユーザデータ保管、プログラム、プログラム可能性、調節可能性、ディスプレイ、ボタン、無線通信プロトコル、または同等物等の特徴を含む柔軟性をポンプ100に提供する。耐久性アセンブリ200はまた、使い捨てアセンブリ300にスナップ留めされるが、また、使い捨てアセンブリが患者上の定位置にあるまま(薬剤送達が一時停止された後)、またはシステム全体が患者から除去された後のいずれかにおいて、耐久性アセンブリ200の使い捨てアセンブリ300からの除去を可能にする、係止特徴とともに成型されてもよい。
【0031】
電源は、市販の空気亜鉛バッテリまたはリチウムポリマーバッテリ等の1つまたはそれを上回る市販のバッテリであってもよい。バッテリは、400単位のインスリンが送達されるため等、ある送達量または送達時間にわたって、システムを動作させるために十分な容量を有するように選択されてもよい。随意の電力貯蔵装置は、1つまたはそれを上回る市販のコンデンサまたはスーパーコンデンサもしくは他の一時的貯蔵デバイスであってもよい。
【0032】
ここで
図4Aおよび4Bに目を向けると、例示的使い捨てアセンブリ300は、ベースプレート350と、リザーバ336、リザーバ内にあって、送りねじ334に接続される、プランジャ335、および歯車列332を通して機械的に取り付けられ、送りねじ駆動歯車333の回転に影響を及ぼし、送りねじ334およびプランジャ335の平行移動をリザーバ336内で生じさせる、磁気モータ回転子331等の構成要素とを含んでもよい。カバー302が、図示される実施形態では、これらの構成要素にわたって位置付けられる。例示的ベースプレート350は、除去可能である接着カバーを用いて患者に取り付けるために、接着裏材を含む。ベースプレート350はまた、耐久性アセンブリ200上にスナップ留めされ、また、耐久性アセンブリ200の使い捨てアセンブリ300からの除去を可能にする、ベースプレート係止特徴(各アセンブリの筐体の中に成型される磁石等)とともに成型されてもよい。
【0033】
図2および4Bを参照すると、例示的リザーバ336は、流体貯蔵体積342および卵形断面を画定する、内側表面340を伴う、バレル338を含むが、
図10A-18Cを参照に以下に議論されるように、他の形状(円形等)も可能性として考えられる。合致する断面形状を伴う、プランジャ335が、バレル内に嵌合し、限定ではないが、Oリング等の流体シールを担持し、薬剤を貯蔵体積342内にシールする。例示的プランジャ335は、ゴムから形成され、3つのOリングシールを含む。リザーバ336は、リザーバ336を充填するため、または「パッチポンプ」タイプ構成のためのカニューレを取り付けるため、もしくは「ポケット-ポンプ」タイプ構成のための注入セットを接続するため(潜在的に、適切なアダプタを介して)に使用され得る、前述のコネクタ380を含む。プランジャ335は、バレル338内を移動し、貯蔵体積342内の薬剤の体積を変動させる。リザーバ336は、例えば、患者使用プロファイルに合わせるために、種々の体積におけるU-500インスリンで事前に充填(またはユーザによって充填)されてもよい。他の事例では、U-100インスリンおよびU-200インスリン等のより低い濃度のインスリンが、採用されてもよい。プラグが、コネクタ380内に挿入され、使用まで、滅菌環境を維持してもよい。患者は、それらの事例では、使用に先立って、プラグを除去するであろう。
【0034】
本発明の使い捨てアセンブリと併用するための付加的例示的ベースプレート、ならびに例示的カニューレ設計、薬剤リザーバとカニューレとの間の流体接続、カニューレと使い捨てアセンブリとの間の協働(例えば、ベースプレートおよび患者に対するカニューレの軸方向移動を防止するため)、注入セットと使い捨てアセンブリのリザーバの取付、非送達ベースプレートの構成および使用、使い捨ておよび耐久性アセンブリを取り付けるための配列および構造、皮膚接着剤設計、ならびに種々の閉塞センサは、2010年9月24日に出願された米国特許出願第12/890,207号および対応する米国特許公開第2012/0078170号、ならびに前述の米国特許公開第2012/0184907号および2013/0138078号に説明されるようなものであってもよい。
【0035】
ここで
図5A-5Cおよび図示される2つの部品から成るモータに目を向けると、耐久性アセンブリ200のモータのコイルアセンブリ224(およびホール効果センサ225)は、使い捨てアセンブリ300の一部である、磁気モータ回転子331の上方に位置付けられる。例示的多極モータ回転子331は、ディスク形状であってもよく、9.8mm外径、5.2mm内径、および0.8mm厚さを有してもよい。別の例示的モータ回転子は、11mm外径、5mm内径、および1.2mm厚さを有してもよい。本タイプの多極モータ回転子は、典型的には、部品あたり5セント未満のコストであって、使い捨てアセンブリ200の総コストを制御することに役立つ。モータ回転子331はまた、ベースプレート350と平行である、すなわち、モータ回転子回転軸は、図示される実施形態では、ベースプレートと垂直である。マイクロプロセッサ223は、連続して、モータコイルアセンブリ224のコイルを励起し、電磁トルク結合をモータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間に生成することによって、モータ回転子331の回転を指示する。回転磁場発生器(コイルアセンブリ224)に対する回転子の極の位置/配向は、逆起電力、回転式エンコーダ、ホール効果センサ225(
図5A)、または同等物によって測定される。例えば、コイル巻線上に搭載されるホール効果センサが、マイクロプロセッサに、カウント、回転速度計信号、または回転子位置を供給し、回転子速度の低コスト閉ループ制御を可能にするために使用されてもよい。本タイプのブラシレスモータは、典型的には、85~90%またはそれを上回る効率性であって、非常に低温で稼働する。構造に変動が存在し得るが、
図5A-5Cに示される対面固定子コイルおよび平坦回転子プレートは、コンパクトな設計を提供する。加えて、より多くのコイルおよび/またはホール効果センサが、使用されてもよい。
【0036】
図6に最良に見られ得るように、モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間には、間隙240がある。間隙240の一部または全部は、図示される実装では、筐体202およびカバー302の一部、すなわち、筐体底壁206aおよびカバー上壁304bによって画定(かつ占有)されてもよい。他の実装では、モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間の間隙240は、耐久性アセンブリ筐体の一部のみ、もしくは使い捨てアセンブリカバーの一部のみによって占有されてもよい、または構造が全くなく、単に、空隙であってもよい。モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間の距離によって画定された間隙のサイズは、典型的には、約0.5mm~2.0mmである。したがって、歯車係合または他の機械的接続が、耐久性アセンブリ200と使い捨てアセンブリ300との間に存在しない。また、上記で説明されたように、全ての電子機器は、耐久性アセンブリ200内に位置付けられてもよく、使い捨てアセンブリ300によって必要とされるエネルギーは、耐久性アセンブリ200から、直接的な機械的結合または電気的接触を伴わずに結合する、電磁トルク結合によって伝達される。本例示的設計は、防水または少なくとも耐水性にすることが比較的に単純であるという付加的利点をもたらす。
【0037】
上記に説明されるように、モータ回転子331の回転は、歯車列332を駆動させ、送りねじ駆動歯車333の回転を生じさせ、これは、順に、送りねじ334および送りねじ334に取り付けられるプランジャ335の平行移動に影響を及ぼす。このように、電磁的に発生されたトルクは、耐久性アセンブリ200によって供給される電磁エネルギーが、プランジャ335を前進させる、使い捨てアセンブリ300内の機械的力に変換されるときに生成される。ラチェット(図示せず)または他の類似デバイスが、歯車列332の逆駆動を防止するために使用されてもよい。プランジャ335が、リザーバ336を通して駆動されるにつれて、薬剤は、歯車およびモータ回転子の精密な移動に対応して、精密に分注される。歯車列、送りねじ駆動歯車、送りねじ、およびプランジャ全体が全て、使い捨てアセンブリ300内に恒久的に含有される状態では、使い捨てアセンブリ300からの分離に先立って、任意のプランジャ構成要素を耐久性アセンブリ200の中に後退させる必要はない。その結果、本例示的設計のさらなる利点は、大幅に低減されたエネルギー消費であり、これは、例えば、電源としての一次バッテリの使用を可能にする。
【0038】
例示的システム100の使用が、ここで説明されるであろう。最も基本のレベルでは、例示的注入ポンプシステム(例えば、
図1A-2Bにおけるシステム100)の患者の使用は、新しい使い捨てアセンブリ300を得て、使い捨てアセンブリを耐久性アセンブリ200に接続し、ライナをベースプレート接着層から剥離し、皮下アクセスを得て、薬剤送達動作を開始することを伴う。いくつかの事例では、使用は、必要に応じて、カニューレを使い捨てアセンブリのコネクタ380に取り付け、カニューレキャップを除去すること等の付加的ステップを伴ってもよい。本システムの基本動作の種々の側面が、以下に説明される。システムの動作は、システムが展開される度に、必ずしも、ステップの全てを要求せず、ステップのいくつかの順序は、変更されてもよい。動作はまた、流動チャート(
図8)の使用を通して、パッチポンプとして使用される、前述の耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300の例示的文脈において以下に議論される。しかしながら、議論は、わずかな変動を伴う、他のパッチポンプ実装ならびにポケットポンプ実装にも等しく適用可能である。また、別様に示されない限り、耐久性アセンブリ200によって行われる作用および判定は、耐久性アセンブリマイクロプロセッサによって制御されるが、コントローラについてのさらなる言及は、簡略化のために限定される。
【0039】
図8を参照すると、本システムの使用は、使い捨てアセンブリの耐久性アセンブリからの除去および使い捨てアセンブリの交換を伴ってもよい。これは、薬剤リザーバが空であって(米国特許出願第12/890,207号および対応する米国特許公開第2012/0078170号により詳細に説明されるように)(ステップS101)、「使い捨てアセンブリ交換」メッセージまたはアラートが提示される(ステップS102)とき、または耐久性アセンブリコントローラが、ユーザ開始「使い捨てアセンブリ交換」信号を遠隔制御1000から受信する(ステップS103)ときに生じてもよい。ユーザは、例えば、ユーザの睡眠または旅行スケジュールに適応させるために、薬剤が有効性の喪失を呈するとき、分注問題が生じるとき、または事前に規定された薬剤の変化に起因して等の種々の理由から、薬剤リザーバが空になる前に、使い捨てアセンブリを交換することを所望してもよい。
【0040】
ユーザは、次いで、可能性として、薬剤要件に応じて、冷蔵庫内の貯蔵場所から、新しい事前に充填された使い捨てアセンブリ300を得てもよい、または次いで、新しい使い捨てアセンブリを得て、使い捨てアセンブリを薬剤で充填してもよい(ステップS104)。耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300は、次いで、皮膚から除去され、分離され、使い捨てアセンブリ300は、廃棄されてもよい(ステップS106およびS107)。
【0041】
次に、新しい使い捨てアセンブリ300が、耐久性アセンブリ200に取り付けられてもよい(ステップS109)。ユーザは、使い捨てアセンブリ300のベースプレート350が接着されるであろう、皮膚表面Sを清掃すべきである(
図7および
図8のステップS116)。次いで、ユーザは、ベースプレート接着ライナを剥離し、ベースプレート接着層を暴露し(ステップS117)、カニューレキャップ(存在するとき)を除去する(ステップS118)。
図8の例示的使用では、使い捨てアセンブリ30は、リザーバ貯蔵体積と流体連通するカニューレを具備する。他の実施形態では、カニューレ挿入器が、システムに取り付けられてもよく、これは、システムが皮膚に対して設置された後、トリガされ、カニューレを挿入してもよい。例示的挿入器は、米国特許公開第2013/0138078号に説明されている。
【0042】
図8におけるステップに戻ると、耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300を含む、システム100は、好適な身体場所にわたって位置付けられ、優しく圧接され、接着層を皮膚表面Sに接着してもよく、いったんシステムが接着されると(ステップS119)、挿入器は、カニューレの端部を皮膚の下方に位置付けるように作動されてもよい。挿入器を含まず、代わりに、単に、システムの底部表面から外向きに突出する、中空針(またはカニューレおよび除去可能であるトロカール配列)を含む、それらの実装では、ユーザは、接着剤層を接着し、針またはカニューレを皮膚の下方に位置付けることのみ必要であることに留意されたい。トロカールは、採用される場合、次いで、除去されてもよい。最後に、必要に応じて、遠隔制御1000が、特定の薬剤送達動作を開始するために使用されてもよい(ステップS120)。送達動作は、プロファイルに従って薬剤を送達するために要求される特定のレートおよび時間におけるモータ回転子回転と同等の所定の送達プロファイル(例えば、特定の基礎率、一連の時間間隔ボーラス送達、またはいくつかのそれらの組み合わせ)に従ってもよい。代替として、プロファイルは、ユーザによって遠隔制御1000を用いて入力され、耐久性アセンブリマイクロプロセッサによって記憶されてもよい。例えば、遠隔制御は、患者が選定し得る、いくつかの異なる送達プロファイルおよびボーラス送達を記憶してもよい。そのようなプロファイルは、薬剤、激しい運動が予期される日、そうではない日、疼痛増加の発生等に対応してもよい、例えば、それに応じてもよい。代替として、または加えて、耐久性アセンブリマイクロプロセッサ内に記憶されるプロファイルは、臨床医のプログラミングユニットによって設定されてもよい。異なる規定された送達レートを具備する、異なる使い捨てアセンブリ300の場合のような場合、遠隔制御は、例えば、基礎送達を開始するために必要とされなくてもよい。
【0043】
上記の議論はまた、
図2Bに示されるように、「ポケットポンプ」システムの使用にも適用可能である。前述の手順におけるわずかな変動として、例えば、カニューレの代わりの注入セット382の使用、潜在的にアダプタを介した注入セットとコネクタ380の取付(注入セット382のタイプに伴って変動し得る)、および注入セット管のプライミングを含む。
【0044】
概して、
図9Aにおける参照番号100aによって表される、別の例示的携行用注入システムは、耐久性アセンブリ200aと、使い捨てアセンブリ400とを含む。システム100aは、システム100に実質的に類似する。しかしながら、ここでは、上壁の交差点は、主に、線形である。加えて、使い捨てアセンブリ400は、耐久性アセンブリ200a上の対応する突起216aと噛合する、陥凹316aを有する。突起216aおよび陥凹316aは、組み立てられたシステム100aの外周に位置する。
【0045】
図9Bおよび9Cにより詳細に示される、例示的耐久性アセンブリ200aは、筐体202aと、1つまたはそれを上回るバッテリまたは他のエネルギー供給源221aと、1つまたはそれを上回るコンデンサまたは他のエネルギー貯蔵器(図示せず)と、マイクロプロセッサ(図示せず)と、1つまたはそれを上回るホール効果センサ(図示せず)を含む、コイルアセンブリ224aとを含んでもよい。
図9Dおよび9Eにより詳細に示される、例示的使い捨てアセンブリ400は、磁気モータ回転子431、送りねじ駆動歯車433を含む歯車列432、および薬剤リザーバ436内に位置付けられるプランジャアセンブリ435に取り付けられる送りねじ434等のベースプレート450支持構成要素を含んでもよい。磁気モータ回転子431は、歯車列432を通して機械的に取り付けられ、送りねじ駆動歯車433の回転に影響を及ぼし、これは、送りねじ434およびプランジャ435の平行移動をリザーバ436内で生じさせてもよい。リザーバ436は、例えば、U-500インスリンまたはU-100インスリンもしくは他の濃度のインスリンで事前充填され、異なる患者使用プロファイルに合わせてもよい、または充填ポート415を用いて、ユーザ充填可能であってもよい。リザーバ出口438は、リザーバ436と流体連通する。トロカールシールアセンブリ(以下に説明されるもの等)の一部を形成し得る、隔壁446が、リザーバ出口内に位置付けられる。使い捨てアセンブリ400は、
図9Aに示されるように、かつ米国仮特許出願第62/057,273号、対応する米国特許出願第14/869,906号、対応する米国特許公開第2016/0089491号にさらに説明されるように、耐久性アセンブリ200aに固着されてもよい。
【0046】
リザーバは、事前に充填されてもよいが、そのように要求されない。事前充填されたリザーバは、種々の理由から有利である。一例として、限定ではないが、一部のユーザは、それらが不便であって、針を伴う傾向にあるため、リザーバ充填手技を回避することを好む。ユーザベースの再充填もまた、気泡がリザーバの中に導入されるであろう可能性を増加させる一方、リザーバおよび/または薬剤の製造業者による事前充填は、例えば、真空充填手技を使用して、気泡の任意の実質的導入を伴わずに遂行されることができる。なお、ユーザ充填リザーバが、いくつかの事例では、採用されてもよい。圧力センサ(閉塞を感知するため等)および他のセンサを含むものを含む、種々の例示的薬剤リザーバは、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号により詳細に説明されている。
【0047】
事前充填されたリザーバは、パッチおよびポケットポンプ技術の使用の容易性を著しく改良するであろうが、そのような事前充填されたリザーバを提供するためには、いくつかの課題がある。一例として、限定ではないが、インスリンの長期保管は、従来、ブロモブチルゴムストッパを伴うガラス容器を使用しており、これは、ブロモブチルプランジャを伴うガラス注射筒を使用する事前充填されたインスリンペンに適用されている。ガラスにかかるブロモブチルの高摩擦係数は、リザーバの内部へのシリコーン油のコーティングを要求し、したがって、プランジャは、分注の間、注射筒内を容易に摺動し得る。代替として、または加えて、2015年2月18日に出願された米国仮特許出願62/117,565号、2016年2月11日に出願された対応する米国特許出願第15/042,093号、および対応する米国特許公開第2016/0235913号により詳細に説明されるように、リザーバアセンブリは、保管または分注前の間、水蒸気損失を最小限にする、静的シールと、分注の間、プランジャが移動しているとき、低滑動/破壊力を提供する、動的シールとを有する、二重シールシステムを利用してもよい。
【0048】
別の非限定的実施例として、リザーバを充填しながら、薬剤を導入するために使用される任意の開口部は、次いで、分注前流体漏出を防止し、任意の保管期間の間、水蒸気損失を限定するために、適切にシールされなければならない。さらに別の非限定的実施例として、充填されたリザーバはまた、薬剤適合性のために設計され、事前充填されたリザーバの任意の保管の間、蒸気損失を限定するように設計される、分注経路に沿って適切な出口シールを必要とし、それらのシールは、最終的には、薬剤分注を可能にするために、通路、弁、または他の手段を必要とする。例えば、概して、
図10Aおよび10Bに見られるように、例示的トロカールシールアセンブリ540は、リザーバ536と流体連通する、リザーバ出口538内に位置付けられてもよい。トロカールシールアセンブリ540は、いったんリザーバ536がユーザ充填されると、分注前流体損失を防止しなければならない、またはユーザに供給される前に事前充填される場合、保管の間、蒸気損失を防止しなければならないが、両場合において、いったん患者によって適切にアクティブ化されると、リザーバ536からリザーバ出口538およびトロカールシールアセンブリ540を通した薬剤の分注を可能にする。例示的トロカールシールアセンブリ540は、カニューレ541と、カニューレ挿入器542と、組み合わせられたドラム/隔壁543a(ドラム543および一体型隔壁546を伴う)と、トロカール(図示せず)とを含み、
図11A-11Fを参照して以下に説明される様式において機能する。トロカールシールアセンブリ540(および以下に説明される他のトロカールシールアセンブリ)は、例えば、
図9Eに図示される様式において注入ポンプの中に組み込まれてもよい。
【0049】
より具体的例示的実施形態が、
図11A-11Fに示され、内側表面660を伴うリザーバ出口638が、リザーバ接続639(または
図14Bおよび14Cに最良に見られる、リザーバ接続839等の類似物)を介して、流体リザーバ(例えば、
図10Aにおけるリザーバ536または
図12におけるリザーバ636等)と流体連通する。ゴムまたは類似適合可能材料から作製され、外側表面662と、ドラム出口管腔(または「ドラム出口」)664を画定する内側表面と、外側表面上のドラムシール644と、内側表面上のトロカールシール645とを含む、ドラム643が、薄リザーバ出口638内に位置付けられる。ドラム643はまた、リザーバ接続639およびドラム出口664と流体連通する、ドラム入口管腔(または「ドラム入口」)649を含む。トロカールシールアセンブリ640(
図11Eおよび11F)は、ドラム643と、ドラム643の上方に位置付けられる隔壁646と、カニューレ641と、カニューレ挿入器642と、隔壁646、ドラム643、カニューレ挿入器642、およびカニューレ641を通して位置付けられる、トロカール647とを備える。トロカール647は、外側表面666と、鋭的端部668とを伴う、伸長ロッドを含む。ドラム643と同様に、隔壁646はまた、シリコーンゴム等のゴムまたは同等物から作製されてもよい。カニューレ641は、TEFLON(登録商標)PTFE等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または他の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよく、カニューレ挿入器642は、ステンレス鋼等の金属または他の比較的に剛性の生体適合性材料から作製されてもよい。カニューレ挿入器642は、カニューレ641を定位置に保持し、カニューレ641をリザーバ出口638に対してシールする。加えて、カニューレ挿入器642は、組立の間、トロカール647をカニューレ641内の定位置に誘導し、トロカールの鋭的端部がカニューレを穿刺することを防止する。流体リザーバは、環状オレフィンポリマー(COP)または他の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよく、リザーバ出口638は、環状オレフィンポリマー(COP)または他の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよい。
【0050】
図12に示される、別の例示的実施形態では、ドラムおよび隔壁は、ドラム643’および一体型隔壁646’とともに組み合わせられたドラム/隔壁643aの中に統合される。本体643a全体は、ゴムまたは他の適合可能材料から作製されてもよい、またはオーバーモールド等の技法が、複数の材料の本体643aを形成するために使用されてもよい。
図11A-11Fに示される他の構成要素は、本例示的実施形態と相互交換可能に使用されてもよい。
【0051】
前述の例示的実施形態では、ユーザへの送達前にリザーバが薬剤で充填される場合(本願のいずれかに説明されるように、ユーザ充填ではなく)、トロカール647は、薬剤のための一次パッケージングシールであって、したがって、薬剤は、図示される実施例では、リザーバ接続639、ドラム入口649、およびドラム出口664を経由して、流体リザーバからリザーバ出口638を通してカニューレ641に進行することができない。ユーザ充填の場合、トロカール647は、薬剤シールとして作用し、同様に、ユーザがポンプをアクティブ化するまで、薬剤漏出を防止する。いずれの場合も、ドラムシール644は、出口内側表面660に係合し、リザーバ出口638とドラム643(または組み合わせられたドラム/隔壁643a)間の界面をシールする。トロカール647が、第1の(または「シール」)位置(
図11Eおよび11F)における定位置にある間、トロカールシール645は、トロカール外側表面666に係合し、トロカール647とドラム643(または組み合わせられるドラム/隔壁643a)間の界面をシールし、それによって、流体がドラム出口664を通してカニューレ641に流動することを防止する。トロカール647は、ステンレス鋼、剛性プラスチック、セラミック、または類似の剛性生体適合性材料から作製されてもよく、皮膚および肉の中に短距離だけ穿通し、カニューレ641のためのチャネルを生成するために使用される。少なくともいくつかの事例では、関連付けられたポンプが、患者の皮膚に対して押下され、それによって、カニューレ641およびトロカール647を皮膚表面の下方に駆動するであろう。いったんカニューレ641が定位置に来ると、トロカール647は、第2の(または「非シール」)位置に移動され、流体がリザーバ出口638からカニューレ641に流動することを可能にしてもよい。例えば、トロカール647は、ポンプ100/100aの中に後退され得る、または隔壁646(または組み合わせられるドラム/隔壁643a)を通して、ポンプ100/100aおよびトロカールシールアセンブリ640(
図11D)の残りから除去され、それによって、トロカールをドラム出口664から除去し、流体流動を可能にしてもよい。隔壁646(または組み合わせられたドラム/隔壁643aの隔壁部分)は、次いで、カニューレ641の反対のドラム出口664の端部をシールするであろう。
【0052】
薬剤シールまたは一次パッケージングシールとして使用される、トロカールの別の例示的実施形態は、
図13A-13Qに示される。本例示的トロカールシールアセンブリ740は、ドラム743と、カニューレ741と、トロカール747とを含む。ドラム743は、外側表面762と、外側表面上のドラムシール744と、ドラム出口管腔(または「ドラム出口」)764を画定する、内側表面と、内側表面上のカニューレシール745とを含む(
図13Bおよび13C)。ドラム743は、リザーバ出口738内に位置付けられ、さらに、リザーバ接続739およびドラム出口764と流体連通する、ドラム入口749を含む。カニューレ741およびトロカール747は、分注前または保管位置にあるとき、ドラム743内に位置付けられ、以下により詳細に説明されるように、ドラム出口764によって画定される、ドラム743を通る流体路をシールする。
【0053】
トロカール747は、外側表面766を伴う伸長ロッドと、鋭的端部768とを含み、ステンレス鋼、剛性プラスチック、セラミック、または類似の剛性生体適合性材料から作製されてもよく、
図13F-13Gに最良に見られるように、ボタン700に取り付けられてもよい。例えば、約0.20mm(約0.008インチ)の直径を伴う外側表面766を有し得る、トロカール747は、約10mm(約0.4インチ)の外径を有し得る、ボタン700に接着されてもよい。別の実施例として、トロカール747は、COP、Delrin、ポリカーボネート、または他の射出成形可能ポリマー材料から作製され得る、ボタン700に成形された挿入器であってもよい。
図13D、13E、13K、13M、および13Nに最良に見られるように、トロカール747は、カニューレ741を担持し、これは、カニューレシール745と接触し、約0.50mm(0.020インチ)の直径を有する、外側表面770を有してもよい。カニューレ741は、PEEK、TEFLON(登録商標)PTFE、または他のポリマー材料から作製されてもよい。ボタン700は、タブまたはリム等のステムフック704を担持する、ステム702に取り付けられる。
図13G、13H、および13Jの断面図から最良に理解され得るように、全てのこれらの部品は、必ずしもではないが、同一材料から作製されてもよく、さらに、全て1度に射出成形等によって、1つの部品として作製されてもよい。ステム702は、ボタン700およびステム702と同一または類似材料から作製され得る、管720(
図13P-13Q)内を摺動する。管720は、ステムフック704と掛止し、ステム702が管720から係脱することを防止する、ステムキャッチ722を有する。同様に、管720は、管フック724と掛止し、管720がリザーバ出口738から係脱することを防止する、管キャッチ742を有する、リザーバ出口738の空洞755内を摺動する(
図13A)。
【0054】
関連付けられた使い捨てアセンブリが、薬剤で充填されるが、ポンプは、まだ分注されていないとき、トロカールシールアセンブリ740は、分注前シールまたは一次パッケージングシールとして作用し、ボタン700および管720は、
図13Aに描写されるように、その最高完全延在位置にある。本保管または分注前構成では、カニューレ741の端部およびトロカール747の先端は、
図13Aに見られるように、リザーバ出口738の底部の上方に位置付けられる。例えば、トロカール747の先端およびカニューレ741の端部は、リザーバ出口738の底部の約0.1mm上方にあってもよい。カニューレ741およびトロカール747が第1の(または「シール」)位置にある、本保管または分注前構成では、カニューレ入口758は、ドラム入口749と整合されず、したがって、薬剤は、カニューレ入口758を通してカニューレ通路759の中に流動することができない。加えて、カニューレシール745は、カニューレ外側表面770に係合し、それによって、ドラム743の内側表面とカニューレ外側表面との間からの流動を防止する。カニューレ通路759(
図13Mおよび13N)は、カニューレ741およびトロカール747の長さを辿ったカニューレ741の遠位端からの薬剤の通過を可能にする、カニューレ741の内側に沿ったチャネルである。
【0055】
ポンプを通して薬剤の流動を開始するために、ボタン700は、ステム702が完全に管720内に来て、管720が完全にリザーバ出口738内に来て、ボタン700がリザーバ出口738内の空洞755の上部の幅広部分内に着座されるまで、押下されない。ボタン700の押下は、ボタンばね706を約0.9mm(0.035インチ)(
図13Dおよび13E、また、13Hおよび13J参照)圧縮させ、これは、順に、トロカール747の遠位先端をカニューレ741の遠位端を越えて約0.9mm(0.035インチ)(
図13Dおよび13E参照)延在させる。ボタン700が、空洞755の上部の幅広部分の中に完全に押下され、カニューレ741およびトロカール747を第2の(または「非シール」)位置に駆動すると、トロカール747の遠位端は、皮膚に穿通し、リザーバ出口738の底部を越えて患者の肉の中に約6~8mm延在し、カニューレ741の遠位端をそれとともに搬送する。本位置では、カニューレ入口758は、ドラム入口749の上方および下方のカニューレシール745間に位置し、ドラム入口749と実質的に整合され、これは、薬剤が、リザーバ接続739を通して、ドラム入口749を通して、カニューレ入口758を通して、カニューレ通路759の中に、そしてカニューレ741外に流動することを可能にする(
図13K、13M、および13N参照)。カニューレ通路759は、幅W約0.15mm(約0.006インチ)および深度D約0.05mm(約0.002インチ)を伴う、チャネルであってもよい。カニューレ通路759は、近位端で閉鎖され、したがって、薬剤は、カニューレ741の上方のボタン700の中に流動することができない(
図13M参照)。ボタン700が、ユーザによって解放されると、ボタンばね706は、ボタン(およびトロカール474)を出口738から離れて短距離(例えば、0.9mm)駆動させるであろう。トロカール747は、第1の位置に向かってであるが、そこまでではなく移動するであろう一方、カニューレ741は、第2の位置に留まるであろう。
【0056】
薬剤シールまたは一次パッケージングシールとして使用される、トロカールの別の例示的実施形態は、
図14A-14Dに示される。本例示的トロカールシールアセンブリ840は、ドラム843と、カニューレ841と、カニューレ挿入器842と、トロカール847とを含む。ドラム843は、ドラム出口管腔(または「ドラム出口」)864を画定する、内側表面を含む。隔壁846は、ドラム843の上方に位置付けられてもよい、またはドラムおよび隔壁は、組み合わせられたドラム/隔壁(図示せず)の中に統合されてもよい。例示的トロカール847は、外側表面866を伴う伸長ロッドと、鋭的端部668とを含む。本例示的実施形態では、リザーバ出口838は、使い捨てアセンブリ800のベースプレート850の一部として生成され(
図14A-14B)、リザーバ接続839は、リザーバ836から突出するニップルであって、その一部として生成されてもよく(
図14B-14C)、ドラム843は、ドラム843をリザーバ接続839上に保持し、シールされた流体接続をリザーバ接続839のニップルとドラム入口849との間に生成する、保定具849aを含む(
図14B-14D)。ドラム843は、リザーバ出口838内に位置付けられ、トロカール847の外側表面866に係合し、上記の実施形態に説明されるように、シールをトロカール847の周囲に形成する、トロカールシール845を含む(
図14B)。リザーバ836およびリザーバ接続839は、COPまたは他の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよく、ドラム843または前述の随意の組み合わせられたドラム/隔壁は、ブロモブチルゴムまたは類似エラストマ材料から作製されてもよく、隔壁846は、シリコーンゴムまたは他の再シール可能エラストマ材料から作製されてもよい。
【0057】
使い捨てアセンブリ800が、薬剤で充填されるが、ポンプが、まだ分注されていないとき、トロカールシールアセンブリ840は、薬剤シールまたは一次パッケージングシールとして作用する。トロカール847が、上記に説明される第1の(または「シール」)位置において、ドラム843または統合されたドラム-隔壁本体内の定位置にある間、トロカールシール845は、トロカール外側表面866に係合し、トロカール847とドラム843または統合された本体間の界面をシールし、ドラム843(または組み合わせられたドラム/隔壁)を通る流体路をシールする。前述の例示的実施形態におけるように、トロカール847は、ステンレス鋼または類似生体適合性材料から作製されてもよく、皮膚および肉の中に短距離だけ穿通し、TEFLON(登録商標)PTFEまたは他の生体適合性材料から作製され得る、カニューレ841のためのチャネルを生成するために使用される。少なくともいくつかの事例では、関連付けられたポンプが、患者の皮膚に対して押下され、それによって、カニューレ841およびトロカール847を皮膚表面の下方に枢動するであろう。いったんカニューレ841が定位置に来ると、トロカールは、第2の(または「非シール」)位置に後退され、流体がリザーバ出口からカニューレ841に流動することを可能にしてもよい。例えば、トロカール847は、ポンプ100/100aの中に後退されてもよく、または、隔壁846(または組み合わせられたドラム/隔壁)を通して、ポンプ100/100aおよびトロカールシールアセンブリ840の残りから除去され、流体流動を可能にしてもよい。隔壁846(または組み合わせられたドラム/隔壁の隔壁部分)は、次いで、カニューレ841の反対のドラム出口864の端部をシールするであろう。
【0058】
別のタイプのシールは、薬剤がリザーバの中に導入される、充填ポートにおけるシールである。ある場合には、薬剤が、分注が開始するまで、リザーバ636/836/936からリザーバ接続639/739/839/939を通して通過することを防止することが望ましくあり得、これは、充填ポート415/515/815/915内の充填プラグシールアセンブリ904/1004を用いて達成されてもよい。
図15A-17Eの例示的実施形態から分かるように、リザーバ936は、充填ポート915を通して薬剤で充填され得る。分注が開始する前に、薬剤が、リザーバ936からリザーバ接続939を通して取り付けられたリザーバ出口およびカニューレ(図示せず)まで進行することを防止するために、充填プラグシールアセンブリ904/1004の充填プラグ910/1010は、充填ポート915の中に挿入され、リザーバ936からリザーバ接続939への薬剤の通過をブロックしてもよい。例えば、上記の実施形態の場合のように、保管の間および/または分注の前に、薬剤がリザーバ接続639/739/839/939およびドラム入口649/749/849内に位置付けられることを防止し、代わりに、保管の間および/または分注前に、全ての薬剤をリザーバ636/736/836/936内に維持することが好ましい場合、以下の実施形態またはその均等物が、上記の実施形態の代わりに、またはそれに加えて採用されてもよい。
【0059】
充填プラグにおけるシールの一例示的実施形態では、無傷状態にあるとき、リザーバ内に含有される薬剤に不浸透性であって、それと互換性がある、薄箔または他の材料等の薄シール980を含む、充填プラグシールアセンブリ904が、
図16A-16Dに示されるように、リザーバ936をシールするために使用される。ゴムまたは他の比較的に適合可能なシール材料から作製される、充填プラグ910が、充填ポート915内に位置付けられる。充填プラグ910は、入口管腔949を画定する、内側表面を含む。コアピン940は、
図16B-16Dに示されるように、充填プラグ910の入口管腔949を通して位置付けられてもよい。コアピン940は、鋭的先端944を有してもよく、プッシュボタン950に取り付けられてもよく(
図16Cおよび16D)、これは、コアピン940から除去可能であってもよい、またはそうではなくてもよい。充填プラグ出口管腔964は、入口管腔949をリザーバ接続939に接続する。
【0060】
デバイス100/100aが、使用のために準備ができ、患者が、薬剤がリザーバ936から分注されることを所望すると、プッシュボタン950が、充填プラグ910内に完全に着座されるまで押下されないべきである。ボタン950が押下されるにつれて、コアピン940が、第1の(または「シール」)位置からリザーバ936に向かって前進し、鋭的先端944が、第2の(または「非シール」)位置においてシール980に穿通し、薬剤が、リザーバ936から、充填プラグシールアセンブリ904の充填プラグ910を通して(管腔949および964を経由して)、リザーバ接続939を通して流動することを可能にする。充填プラグ910は、充填ポート915の内側表面960に係合し、薬剤が充填プラグ910の外側の周囲から漏出することを防止する、シール912を伴う、外側表面962を含む。コアピンシール942は、鋭的先端944がシール980を穿通した後、薬剤が充填プラグを通してコアピン940の外側の周囲に漏出することを防止する。プラグシール912およびコアピンシール942は、充填プラグ910、プラグシール912、およびコアピンシール942を1つの部品として射出成形すること等によって、ゴムまたは他の比較的に適合可能なシール材料から作製されてもよい。コアピン940は、ステンレス鋼、PEEK、セラミック、または他の比較的に剛性生体適合性材料から作製されてもよい一方、プッシュボタン950は、COP、Delrin、ポリカーボネート、または同等物から作製されてもよい。
【0061】
充填プラグにおける一次パッケージングの別の例示的実施形態は、
図17A-17Eに示される。本実施例では、充填プラグシールアセンブリ1004の充填プラグ1010およびコアピン1040は、保管の間および/または分注前、リザーバをシールする。より具体的には、充填プラグ1010は、入口管腔1049を画定する、内側表面を含み、コアピン1040は、入口管腔内に位置付けられる。充填プラグ出口管腔1064は、入口管腔949をリザーバ接続1039に接続する。コアピン1040が、保管または分注前位置(すなわち、ボタン1050がまだ押動されていない、第1の(または「シール」)位置)にあるとき、コア端部シール1046は、
図17Cに最良に見られるように、充填プラグ1010の内側表面に係合し、リザーバ936から充填プラグ1010を通してリザーバ接続939への通路(管腔1049および1064によって画定される)をシールする。デバイス100/100aが、使用のための準備ができ、患者が、薬剤がリザーバ936から分注されることを所望すると、プッシュボタン1050は、充填プラグ1010内に完全に着座されるまで、押下されるべきではない。
図17Eに最良に見られるように、ボタン1050が押下されるにつれて、コアピン1040は、リザーバ936に向かって第2の(または「非シール」)位置に前進し、そこで、コア端部シール1046は、入口管腔1049を画定する、充填プラグ1010の内側表面から係脱し、間隙1055を残し、それを通して、薬剤が、リザーバ936から、コア端部シール1046の周囲へ、充填プラグ1010の管腔1049および1064を通して、そしてリザーバ接続939を通して流動し得る。充填プラグ1010の外側表面上のプラグシール1012は、コア端部シール1046が充填プラグ1010から係脱された後、薬剤が充填プラグ1010の外側の周囲から漏出することを防止する一方、コアピンシール1042は、薬剤が充填プラグ1010を通してコアピン1040の外側の周囲に漏出することを防止する。上記のように、充填プラグ1010、プラグシール1012、およびコアピンシール1042は、射出成形等によって、ゴムまたは他の比較的に適合可能なシール材料から作製されてもよく、コアピン1040は、COP、Delrin、ポリカーボネート、または他の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよく、プッシュボタン1050は、COP、Delrin、ポリカーボネート、または同等物から作製されてもよい。
図17A-17Eは、鈍的端部1044を伴うコアピン1040を示すが、本例示的実施形態およびすぐ上の例示的実施形態は、ボタン1050の押下が、薄シール940に貫通し、かつ間隙1055をコア端部シール1046の周囲に生成するように、薄シール980をリザーバ936の端部に、鋭的先端944のような鋭的先端を鈍的端部1044に追加することによって、組み合わせられてもよい。
【0062】
ボタン1050(またはボタン950)の偶発的押下を防止するために、ボタン保護体が、ボタン1050/950と充填プラグ1010/910との間に挿入されてもよい。例示的ボタン保護体1160は、
図18A-18Cに示される。ボタン保護体1160が、定位置にあるとき、ボタン950/1050を押下し、コアピン940/1040を移動させ、シール980/1046を破壊し、流体が充填プラグ910/1010を通して流動することを可能にすることが不可能である。ボタン保護体1160は、COP、Delrin、ポリカーボネート、または他の類似ポリマー材料から作製されてもよい。
【0063】
種々の方法論およびシステムが、ここで、説明目的のためにだけに、上節に説明され、種々の図に図示される、例示的構造の文脈において提示される。本方法論およびシステムは、上記に説明される構造を採用してもよいが、それらは、それに限定されない。加えて、本発明の実施形態は、上記に参照された方法論またはデバイスのうちの任意の1つ、全てに満たない組み合わせ、または全てを組み込んでもよい。
【0064】
本明細書に開示される本発明は、上記の好ましい実施形態の観点から説明されたが、前述の好ましい実施形態の多数の修正および/または追加が、容易に当業者に明白となるであろう。一例として、限定ではないが、本薬剤シールアセンブリは、完全使い捨て注入ポンプの中に組み込まれてもよい。本発明の範囲は、全てのそのような修正および/または追加に拡張され、本発明の範囲は、以下に記載または後に追加される請求項によってのみ限定されることが意図される。
【0065】
最後に、本明細書で使用され得る専門用語に関して、説明におけるものであるかまたは請求項におけるものであるかにかかわらず、以下に留意されたい。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を担持する」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」、および同等物は、非制限的であって、「限定ではないが、~を含む」ことを意味する。「第1」、「第2」、「第3」等の序数は、それ自体が、任意の優先順位、選好、または別の要素に優る1つの要素、もしくは方法のステップが行われる時間的順序を暗示するものではない。代わりに、そのような用語は、単に、ある名称を有する1つの要素を同一名を有する(序数がなければ)別の要素から区別し、要素を区別するための標識である。「および/または」は、列挙されたアイテムが代替的であるが、代替がまた、列挙されたアイテムの任意の組み合わせを含むことを意味する。用語「およそ」、「約」、「実質的に」、および「概して」は、任意の正確な寸法、測定、および配列からのある変動量を許容し、本明細書に開示されるような本発明の説明および動作の文脈内で理解されるべきである。「上部」、「底部」、「上方」、および「下方」等の用語は、任意の具体的空間または重力配向ではなく、相互に対する部品の空間関係を示す、便宜上の用語である。したがって、本用語は、アセンブリが、図面に示され、明細書に説明される特定の配向に、その配向から上下逆に、またはそこから任意の他の回転変動に配向されるかどうかにかかわらず、構成要素部品のアセンブリを包含することが意図される。