(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】上半身部用衣類
(51)【国際特許分類】
A41D 13/05 20060101AFI20220510BHJP
A41D 27/00 20060101ALI20220510BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A41D13/05 131
A41D13/05 125
A41D27/00 C
A61F5/01 E
(21)【出願番号】P 2018564116
(86)(22)【出願日】2017-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2017040632
(87)【国際公開番号】W WO2018139010
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2017013000
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500262898
【氏名又は名称】インターリハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【氏名又は名称】若林 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 藤泰
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-261118(JP,A)
【文献】特開2015-063768(JP,A)
【文献】登録実用新案第3037813(JP,U)
【文献】特開2012-101107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00-13/12
A61F 5/00- 6/24
A41C 1/00- 5/00
A41B 9/00- 9/16
A41B 13/00-17/00
A41D 1/02- 1/04
A41D 3/00- 3/08
A41D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に着用可能であり前記着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に密着するように伸縮可能に構成された上半身部用衣類本体部を有し、
前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、胴体の重心の位置よりも上方の背中における位置から、左右の体側における外腹斜筋に対向する位置に至るまでそれぞれ延びて、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向すると共に左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向するように配置される所定部分支持用バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、
前記所定部分支持用バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記所定部分支持用バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記所定部分支持用バンド部が伸縮性を有していないことにより、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すると共に、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行
い、
前記所定部分支持用バンド部においては、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されている、上半身部用衣類。
【請求項2】
前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、着用者の前側であって丹田に対向する位置から左右の体側に向かって延びる丹田支持用バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、
前記丹田支持用バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記丹田支持用バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記丹田支持用バンド部が伸縮性を有していないことにより、丹田を支持して丹田に対して感覚入力を行う、請求項1に記載の上半身部用衣類。
【請求項3】
前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、着用者の腰の後面においてヤコビー線に対向するか、又は、着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分に対向する腰部左右方向バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、
前記腰部左右方向バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記腰部左右方向バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記腰部左右方向バンド部が伸縮性を有していないことにより、前記所定部分支持用バンド部が着用者の前側へ移動することを抑制する請求項1又は請求項2に記載の上半身部用衣類。
【請求項4】
前記バンド部は、並列された複数の狭幅バンド部により構成されている請求項1~請求項3のいずれかに記載の上半身部用衣類。
【請求項5】
前記所定部分支持用バンド部においては、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されている請求項1~請求項4のいずれかに記載の上半身部用衣類。
【請求項6】
前記バンド部は、前記上半身部用衣類本体部における左右非対称の模様を構成する請求項1~請求項
5のいずれかに記載の上半身部用衣類。
【請求項7】
前記バンド部は、前記上半身部用衣類本体部にプリントされて設けられている請求項1~請求項
6のいずれかに記載の上半身部用衣類。
【請求項8】
前記上半身部用衣類本体部の左右方向における中央位置には、前記上半身部用衣類本体部を左右に分離可能なファスナーが設けられている請求項1~請求項
7のいずれかに記載の上半身部用衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上半身部用衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、猫背や下腹部の突出の改善による姿勢改善のために、上半身の上部だけでなく、上半身の下部をもサポートする姿勢改善サポート衣類が知られている(例えば、特許文献1参照)。姿勢改善サポート衣類においては、本体部と、本体部よりも強い緊締力を有する帯状のメイン緊締部と、を有している。帯状のメイン緊締部は、パワーネット等の高い伸縮性を有する生地が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人体の肋骨においては、第十一肋骨及び第十二肋骨は胸骨に接続されていない。即ち、第十一肋骨及び第十二肋骨の一端部は、脊柱に接続されているが、第十一肋骨及び第十二肋骨の他端部は、自由端を構成している。このため、第十一肋骨及び第十二肋骨は人体の外方へ向って広がりやすい。このように広がることにより、人体においてウエストが太くなり、これにより、お腹まわりの筋肉を使いにくい状態になると考えられる。
【0005】
本発明は、第十一肋骨及び第十二肋骨が人体の外方へ広がることを、強制的に押圧することにより抑えるのではなく、本来の位置から外れないようにサポートすることにより抑えると共に、お腹まわりの筋肉に感覚入力を与えることができる上半身部用衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に着用可能であり前記着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に密着するように伸縮可能に構成された上半身部用衣類本体部を有し、前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、胴体の重心の位置よりも上方の背中における位置から、左右の体側における外腹斜筋に対向する位置に至るまでそれぞれ延びて、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向すると共に左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向するように配置される所定部分支持用バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、前記所定部分支持用バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記所定部分支持用バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記所定部分支持用バンド部が伸縮性を有していないことにより、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すると共に、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行う、上半身部用衣類を提供している。
【0007】
ここで、前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、着用者の前側であって丹田に対向する位置から左右の体側に向かって延びる丹田支持用バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、前記丹田支持用バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記丹田支持用バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記丹田支持用バンド部が伸縮性を有していないことにより、丹田を支持して丹田に対して感覚入力を行うことが好ましい。
【0008】
また、前記上半身部用衣類本体部には、前記上半身部用衣類本体部よりも低い伸縮性を有するバンド部か又は伸縮性を有していないバンド部からなり、前記上半身部用衣類本体部を着用したときに、着用者の腰の後面においてヤコビー線に対向するか、又は、着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分に対向する腰部左右方向バンド部が、前記上半身部用衣類本体部に対して移動不能に設けられ、前記腰部左右方向バンド部は、前記上半身部用衣類本体部に対する前記腰部左右方向バンド部の相対的に低い伸縮性により、又は、前記上半身部用衣類本体部に対して前記腰部左右方向バンド部が伸縮性を有していないことにより、前記所定部分支持用バンド部が着用者の前側へ移動することが好ましい。
【0009】
また、前記バンド部は、並列された複数の狭幅バンド部により構成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記所定部分支持用バンド部においては、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されていることが好ましい。
【0011】
また、前記所定部分支持用バンド部においては、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記バンド部は、前記上半身部用衣類本体部における左右非対称の模様を構成することが好ましい。
【0013】
また、前記バンド部は、前記上半身部用衣類本体部にプリントされて設けられていることが好ましい。
【0014】
また、前記上半身部用衣類本体部の左右方向における中央位置には、前記上半身部用衣類本体部を左右に分離可能なファスナーが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第十一肋骨及び第十二肋骨が人体の外方へ広がることを、強制的に押圧することにより抑えるのではなく、本来の位置から外れないようにサポートすることにより抑えると共に、お腹まわりの筋肉に感覚入力を与えることができる上半身部用衣類を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態による上半身部用衣類を示す正面図。
【
図2】本発明の第1実施形態による上半身部用衣類を示す背面図。
【
図3】本発明の第2実施形態による上半身部用衣類を示す背面図。
【
図4】本発明の第3実施形態による上半身部用衣類を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1実施形態による上半身部用衣類について
図1~
図2に基づき説明する。以下の説明においては、便宜上、上半身部用衣類1を着用した着用者から見た方向を基準として前後左右上下の方向を記載する。
【0018】
上半身部用衣類1は、主に着用者の肌に直接接触する下着として着用されるものであり、
図1、
図2に示されるように、上半身部用衣類本体部10と、所定部分支持用バンド部20と、丹田支持用バンド部30と、腰部左右方向バンド部40と、を備えている。
【0019】
上半身部用衣類本体部10は、袖なしの略ランニングシャツ形状をしており、
図1に示されるように、上半身部用衣類本体部10を着用する着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部たる上半身の胴体部に着用可能である。上半身部用衣類1においては、着用者の体格に応じて、上半身部用衣類本体部10を着用した着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部の肌に対して、フィットして密着するように適切なサイズのものが選択されて着用されるが、肌にぴったりとフィットして密着するように適度に伸縮可能な素材、例えば、ナイロン85%、ポリウレタン15%の素材により、上半身部用衣類本体部10は構成されている。また、ナイロンに代えて、ポリエステル、アクリル等を用いてもよい。
【0020】
上半身部用衣類本体部10の前面の左右方向における中央位置には、線ファスナーにより構成されるファスナー101が設けられている。上半身部用衣類本体部10の前面の中央位置において、ファスナー101を開くことにより、上半身部用衣類本体部10の前面を左右に分離可能である。ファスナー101は、上半身部用衣類本体部10の前面の中央位置の下端部から、胸骨の下端部から上方へ向って胸骨の上下方向における長さの3分の1よりも上方の位置に至るまで設けられている。ファスナー101が設けられているため、体の不自由な着用者が着用する場合であっても、脱ぎ着する作業を容易とする。
【0021】
上半身部用衣類本体部10の前面の内面であって、ファスナー101に対向する位置には、ファスナー遮蔽部102が設けられている。ファスナー遮蔽部102は、上半身部用衣類本体部10を構成する素材と同一の素材により構成されており、ファスナー101の幅よりも幅の広い帯状を有している。ファスナー遮蔽部102の長手方向に延びる左側の縁部がファスナー101の右端部近傍の上半身部用衣類本体部10の部分に縫い付けられることにより、上半身部用衣類本体部10に固定されている。ファスナー遮蔽部102は、上半身部用衣類1の着用者の肌とファスナー101との間に介在して、着用者の肌が直接ファスナー101に接触することを防ぐと共に、ファスナー101の開閉時に、肌がファスナー101に挟まることを防止する。上半身部用衣類本体部10の前面であって、ファスナー101の上端部よりも上の上半身部用衣類本体部10の部分は、Vネック形状に開口している。
【0022】
このように上半身部用衣類本体部10がVネック形状に開口していても、前述のように、ファスナー101の上端部、即ち、Vネック形状の開口の下端部が、上半身部用衣類本体部10の前面の中央位置の下端部から、胸骨の下端部から上方へ向って、胸骨の上下方向における長さの3分の1よりも上方の位置にある。このため、後述のように、着用者が上半身部用衣類1を着用したときに、上半身部用衣類本体部10の伸縮性により所定部分支持用バンド部20が着用者の後方に引っ張られて移動することが抑えられ、これにより、後述する所定部分支持用バンド部20が、着用者の背中において、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向しながら左右の体側に延び、左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向する、理想的な位置から外れることが抑えられる。
【0023】
所定部分支持用バンド部20、丹田支持用バンド部30、及び、腰部左右方向バンド部40は、それぞれ細長い帯状を有しており、伸縮しない素材、例えば、ウレタン樹脂系の素材により構成されたバンド部からなる。ウレタン樹脂系の素材に代えて、アクリル樹脂系の素材を用いてもよい。ここで「伸縮しない」とは、全く伸縮しないことを意味するだけではなく、適切なサイズの上半身部用衣類1を着用者が着用した場合に、上半身部用衣類本体部10の伸縮量に対して伸縮量が極めて小さく、ほとんど伸縮しないものも含まれることを意味する。これらのバンド部は、一方の面が全面で上半身部用衣類本体部10の外側の面に対向するようにしてプリント(印刷)されて固定されており、それぞれ上半身部用衣類本体部10に対して移動不能とされている。
【0024】
所定部分支持用バンド部20は、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、胴体の重心の位置よりも上方の背中における位置から、左右の体側における外腹斜筋に対向する位置に至るまでそれぞれ延びている。所定部分支持用バンド部20は、着用者の背中において、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向しながら左右の体側に延びており、左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向するように配置される。
【0025】
具体的には、
図2に示すように、所定部分支持用バンド部20は、並列された複数の細い狭幅バンド部により構成されて全体として富士山の模様を表している。最も上側に位置している第1狭幅バンド部21は、他の第2狭幅バンド部22、第4狭幅バンド部24、第5狭幅バンド部25よりも幅が広く構成されている。また、上から2番目の第2狭幅バンド部22と、上から4番目の第4狭幅バンド部24と、上から5番目の第5狭幅バンド部25とは、略同一の幅を有している。上から3番目の第3狭幅バンド部23においては、
図2に示すように、右側の部分は第2狭幅バンド部22等と同様の幅を有しており、左側の部分は、第1狭幅バンド部21と同様の幅を有している。
【0026】
所定部分支持用バンド部20の形状を富士山の形状と見た場合の富士山の山頂に相当する第1狭幅バンド部21の部分(
図2において最も上に位置する第1狭幅バンド部21の部分)は、第三胸椎に対向する背中の位置に配置されている。また、背中においては、左右の肩甲骨の最下点を結ぶ線の中点の位置に、上半身の重心は一致しているが、富士山の山頂に相当する第1狭幅バンド部21の部分と、富士山の山頂に相当する第2狭幅バンド部22の部分と、の間に、上半身の重心が位置する位置関係となるように、山頂部分に相当する第1狭幅バンド部21の部分及び第2狭幅バンド部22の部分は配置されている。
【0027】
そして、第1狭幅バンド部21の部分と、第2狭幅バンド部22においては、当該山頂部分に相当する部分から、富士山の稜線に相当する部分が、左右の体側における外腹斜筋に対向する位置に至るまで延びている。同様に、第3狭幅バンド部23~第5狭幅バンド部25についても同様である。即ち、第1狭幅バンド部21~第5狭幅バンド部25は、並列されて、全体で幅の広い所定部分支持用バンド部20を構成しているが、この幅の広い所定部分支持用バンド部20であって、当該富士山の稜線に相当する部分が、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向しながら左右の体側に至り、左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向する。
【0028】
所定部分支持用バンド部20は、上半身部用衣類本体部10に対して所定部分支持用バンド部20が伸縮性を有していないことにより、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すると共に、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行う。具体的には、所定部分支持用バンド部20が存在していない上半身部用衣類本体部10の部分は、適度な伸縮性を有しているため、着用者が着用することにより伸び、これに対して縮まろうとすることにより、着用者の上半身部に対してフィットして密着する。
【0029】
これに対して、所定部分支持用バンド部20が存在する上半身部用衣類本体部10の部分は、着用者による着用に際して伸びないため、その部分が他の部分に対して相対的に着用者の上半身の内方へ向って入り込むようになり、着用者の上半身の当該部分を支持する。この支持が、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すると共に、腹横筋が上半身部の外方へ広がることを抑制して腹横筋を支持して、腹横筋に対する感覚入力となる。
【0030】
前述のように、第3狭幅バンド部23においては、右側の部分は第2狭幅バンド部22と同様の幅を有しているが、左側の部分は、第1狭幅バンド部21と同様の幅を有しており、富士山の稜線に相当する所定部分支持用バンド部20の部分の構成は、左右において異なる。このため、所定部分支持用バンド部20においては、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されている。
【0031】
地球の北半球において人が歩行する際には、腰の右側の部分を前方に大きく動かすことが、本発明の発明者によって見出されている。これは、地球の自転の影響によると考えられるが、このため、地球の北半球においては、左側の第十一肋骨及び第十二肋骨が、右側の第十一肋骨及び第十二肋骨よりも、上半身の外方へ広がっている人が非常に多い。このことは、利き手が右利きか左利きかということや、内臓反転者か否かには関係ない。上述のように、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力を、よりも強く構成することにより、このような人体の左側の第十一肋骨及び第十二肋骨の広がりを抑えることに対応する。
【0032】
丹田支持用バンド部30は、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、着用者の前側であって丹田に対向する位置から左右の体側に向かって延びている。丹田支持用バンド部30は、具体的には、
図1に示すように、並列された複数の細い狭幅バンド部31により構成されて波の模様を表しており、右端から左方向へ向って(
図1における左端から右方向へ向って)徐々に上方へ斜めに上がってゆき、ファスナー101の位置において着用者の丹田に対向し、ファスナー101よりも左へ延びて、丹田支持用バンド部30の左端部に至る。また、ファスナー101の左側であってファスナー101の近傍の丹田支持用バンド部30の部分は、斜め上方と下方とに分岐しており、右へ湾曲した後に、左へ延びて、丹田支持用バンド部30の左端部へ至る。このように、丹田支持用バンド部30を構成するバンド部は、上半身部用衣類本体部10における左右非対称の模様を構成する。ファスナー101から丹田支持用バンド部30の右端部までの最短距離と、ファスナー101から丹田支持用バンド部30の左端部までの直線距離と、は、略同一である。
【0033】
丹田支持用バンド部30は、上半身部用衣類本体部10に対して丹田支持用バンド部30が伸縮性を有していないことにより、丹田を支持して丹田に対して感覚入力を行なう。具体的には、丹田支持用バンド部30が存在していない上半身部用衣類本体部10の部分は、適度な伸縮性を有しているため、着用者が着用することにより伸び、これに対して縮まろうとすることにより、着用者の上半身部に対してフィットして密着する。
【0034】
これに対して、丹田支持用バンド部30が存在する上半身部用衣類本体部10の部分は、着用者による着用に際して伸びないため、その部分が他の部分に対して相対的に着用者の上半身の内方へ向って入り込むようになり、着用者の上半身の当該部分を支持する。この支持が丹田に対する感覚入力となる。ファスナー101を挟んで、右側の丹田支持用バンド部30の部分における丹田を支持する支持力と、左側の丹田支持用バンド部30の部分における丹田を支持する支持力とは、略同一となるように、丹田支持用バンド部30の太さ、本数、配置が決定されている。
【0035】
腰部左右方向バンド部40は、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、着用者の腰の後面において、着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分に対向し左体側から右体側に至るまで延びる。腰部左右方向バンド部40は、具体的には、
図2に示すように、並列された2本の細い狭幅バンド部41、42により構成されて山の裾野の模様を表しており、波状の山の裾野を描いてきながら、着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分において、左体側から着用者の後部を通り右体側に至るまで延びて設けられている。
【0036】
2本の細い狭幅バンド部41、42は、左体側から着用者の後部へ向って少し上方に上がり、すぐ下に下がり、そこから、左体側から着用者の後部へ向って上方に上がり、骨盤の左側の最上部に相当する位置の近傍で下に下がり、更にそこから、骨盤の右側の最上部に相当する位置に向って上方に上がり、骨盤の右側の最上部に相当する位置の近傍で下に下がり、着用者の右体側へ向って上方に上がり、右体側に至る。
【0037】
腰部左右方向バンド部40は、上半身部用衣類本体部10に対して腰部左右方向バンド部40が伸縮性を有していないことにより、所定部分支持用バンド部20が着用者の前側へ移動することを抑制する。即ち、上半身部用衣類1が着用者により着用されたときには、上半身部用衣類本体部10の伸縮性により、所定部分支持用バンド部20及びその近傍の上半身部用衣類本体部10の部分は、上半身の前側へ引っ張られる。これにより、所定部分支持用バンド部20は、本来であれば、着用者の背中において、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向しながら左右の体側に延びて、左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向することが理想的であるが、この位置からずれた位置に所定部分支持用バンド部20が位置してしまうことになる。しかし、伸縮性を有していない腰部左右方向バンド部40の存在により、このように引っ張られても、所定部分支持用バンド部20がずれた位置に移動することを防止する。
【0038】
所定部分支持用バンド部20と腰部左右方向バンド部40とに囲まれる部分には、幅の広いバンド部により構成される中央バンド部50が設けられている。中央バンド部50は、環状の部分51と、環状の部分51から上方へ延び、上端が左右に広がる上部拡大部52とを有している。
【0039】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
上半身部用衣類1は、着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に着用可能であり着用者の丹田よりも下方の位置から上側の上半身部に密着するように伸縮可能に構成された上半身部用衣類本体部10を有する。
上半身部用衣類本体部10には、伸縮性を有していないバンド部からなり、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、胴体の重心の位置よりも上方の背中における位置から、左右の体側における外腹斜筋に対向する位置に至るまでそれぞれ延びて、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向すると共に左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向するように配置される所定部分支持用バンド部20が、上半身部用衣類本体部10に対して移動不能に設けられている。
所定部分支持用バンド部20は、上半身部用衣類本体部10に対して所定部分支持用バンド部20が伸縮性を有していないことにより、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すると共に、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行う。
【0040】
筋肉の強い作用で浮いたような状態となっている骨格(第十一肋骨及び第十二肋骨等)は、当該筋肉の使い方に影響を受けやすい。そして、そのような骨格は、当該筋肉に強く引っ張られて、その位置が理想的な位置から外れた位置に定着しやすい。これを抑えるためには、当該筋肉の使い方を変える必要があり、それに準じた骨格の位置変化を起す必要がある。
【0041】
しかし、上記構成により、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制することができると共に、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行うことができる。この結果、腹横筋の使い方を変えることが可能となり、それに準じた第十一肋骨及び第十二肋骨の位置変化を起すことが可能となる。即ち、人体においてウエストが太くなることを抑え、お腹まわりの筋肉を使いにくい状態になることを抑えることが可能となる。また、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身部の外方へ広がることを抑制すること、及び、腹横筋を支持して腹横筋に対して感覚入力を行うことは、体を起しやすくすることに繋がるため、姿勢の崩れを抑えることが可能となり、また、呼吸を楽にさせることができる。
【0042】
また、上半身部用衣類本体部10には、伸縮性を有していないバンド部からなり、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、着用者の前側であって丹田に対向する位置から左右の体側に向かって延びる丹田支持用バンド部30が、上半身部用衣類本体部10に対して移動不能に設けられる。
丹田支持用バンド部30は、上半身部用衣類本体部10に対して丹田支持用バンド部30が伸縮性を有していないことにより、丹田を支持して丹田に対して感覚入力を行う。
【0043】
この構成により、丹田を支持して丹田に対して感覚入力を行うことができ、この結果、丹田における腹部のたるみを抑えることができ、姿勢の崩れを抑えることが可能となる。
【0044】
また、上半身部用衣類本体部10には、伸縮性を有していないバンド部からなり、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、着用者の腰の後面において着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分に対向する腰部左右方向バンド部40が、上半身部用衣類本体部10に対して移動不能に設けられる。
腰部左右方向バンド部40は、上半身部用衣類本体部10に対して腰部左右方向バンド部40が伸縮性を有していないことにより、所定部分支持用バンド部20が着用者の前側へ移動することを抑制する。
【0045】
この構成により、所定部分支持用バンド部20が着用者の前側へ移動することを抑制することができ、安定して所定部分支持用バンド部20を、着用者の背中において、腹横筋の上縁部及び肋骨の下縁部に沿って腹横筋及び肋骨にそれぞれ対向しながら左右の体側に延びて、左右の体側において外腹斜筋にそれぞれ対向させることが可能となる。
【0046】
また、バンド部は、並列された複数の狭幅バンド部(第1狭幅バンド部21、第2狭幅バンド部22、第3狭幅バンド部23、第4狭幅バンド部24、第5狭幅バンド部25、狭幅バンド部31、41、42)により構成されている。この構成により、バンド部による支持を柔らかくすることができ、着用者に、矯正をしているような違和感を与えることを抑えることが可能となる。また、バンド部による支持の強弱の調整を容易とすることができ、バンド部による支持の効果を得やすくすることができる。
【0047】
また、所定部分支持用バンド部20においては、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されている。
【0048】
この構成により、北半球の着用者において、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを、効果的に抑制することができる。即ち、上半身部用衣類1を地球の北半球用とすることができる。
【0049】
また、バンド部(所定部分支持用バンド部20、丹田支持用バンド部30、腰部左右方向バンド部40)は、上半身部用衣類本体部10における左右非対称の模様を構成する。この構成により、幾何学的な単純な模様ではなくすることができ、視覚に訴えて、着用を促すことを可能とする。
【0050】
また、バンド部(所定部分支持用バンド部20、丹田支持用バンド部30、腰部左右方向バンド部40)は、上半身部用衣類本体部10にプリントされて設けられている。この構成により、バンド部が、上半身部用衣類本体部10から大きく突出する等、バンド部が上半身部用衣類本体部10に対する異物とならずに、上半身部用衣類本体部10と一体的な構成とすることができ、デザイン性の向上に寄与することができる。
【0051】
また、上半身部用衣類本体部10の前面の左右方向における中央位置には、上半身部用衣類本体部10の前面を左右に分離可能なファスナー101が設けられている。この構成により、上半身部用衣類1の着脱のしやすさと、前述した姿勢の崩れを抑えることと、の両立を可能にできる。このため、上半身部用衣類1を、使用者の体格に、よりフィットしたサイズとして、より効果的に姿勢の崩れを抑える機能を発揮することができる。
【0052】
より具体的には、通常、洋服においては、着脱のし易さを考慮して、例えばJASPO規格等のサイズの規格が存在する。しかし、上半身部用衣類1のように、腹横筋等に対して圧力をかけて腹横筋等を支持することにより感覚入力を行うことで、姿勢の崩れを抑えて姿勢を矯正する衣服の場合には、その機能性が重視されて、着脱のしやすさは犠牲にされているものが大半である。
【0053】
即ち、このような姿勢を矯正する衣服の場合には、着脱のしやすさと、姿勢矯正(所定の筋肉への圧力)の機能性との両立が課題となっていた。しかし、上半身部用衣類本体部10の前面の左右方向における中央位置には、ファスナー101が設けられているため、ファスナーの位置が正中線に一致し、これにより、上半身部用衣類1の着脱のしやすさと、上半身部用衣類1による姿勢矯正との両立が可能となる。
【0054】
なお、ファスナー101は、
図1に示すように、いわゆる線ファスナーにより構成されたが、これに限定されない。例えば、いわゆる面ファスナーによって構成されてもよい。この場合であっても、線ファスナーにより構成された場合と同様の効果を得ることができる。また、ファスナー101が設けられる位置は、上半身部用衣類本体部10の前面に限定されない。例えば、上半身部用衣類本体部10の背面の左右方向における中央位置に、ファスナー101が設けられていてもよく、この場合であっても、ファスナー101が上半身部用衣類本体部10の前面に設けられている場合と同様の効果を得ることができる。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態による上半身部用衣類について
図3を参照しながら説明する。第2実施形態による上半身部用衣類1Aにおいては、所定部分支持用バンド部20A及び腰部左右方向バンド部40Aの構成が、第1実施形態における所定部分支持用バンド部20及び腰部左右方向バンド部40の構成とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態による上半身部用衣類1の構成と同様であるため、第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0056】
所定部分支持用バンド部20A及び腰部左右方向バンド部40Aは、第1実施形態における所定部分支持用バンド部20及び腰部左右方向バンド部40に対して、脊椎を中心とした線対称の形状を有している。
図3においては、第1実施形態における所定部分支持用バンド部20及び腰部左右方向バンド部40に対して、脊椎を中心とした線対称の形状になっている部材等の符号には、末尾に「A」を付けて図示し、説明を省略する。
【0057】
上記構成により、所定部分支持用バンド部20Aにおいては、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力が、着用者の左体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力よりも強く構成されている。
【0058】
地球の南半球において人が歩行する際には、腰の左側の部分を前方に大きく動かすことが、本発明の発明者によって見出されている。このため、地球の南半球においては、人体の右側の第十一肋骨及び第十二肋骨が、人体の左側の第十一肋骨及び第十二肋骨よりも、上半身の外方へ広がっている人が非常に多い。上述のように、着用者の右体側における、第十一肋骨及び第十二肋骨が上半身の外方へ広がることを抑制する抑制力、及び、腹横筋を支持する支持力を、よりも強く構成することにより、このような人体の右側の第十一肋骨及び第十二肋骨の広がりを抑えることに対応することができる。即ち、上半身部用衣類1Aを、地球の南半球用とすることができる。
【0059】
次に、本発明の第3実施形態による上半身部用衣類について
図4を参照しながら説明する。第3実施形態による上半身部用衣類1Bにおいては、所定部分支持用バンド部20Bの構成が、第1実施形態における所定部分支持用バンド部20の構成とは異なる。また、バンド部は、腰部左右方向バンド部40等を有していない。これら以外の構成については、第1実施形態による上半身部用衣類1の構成と同様であるため、第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0060】
所定部分支持用バンド部20Bは、
図4に示すように、Y字を上下逆にしたような逆Y字形状を有している。所定部分支持用バンド部20Bは、ウレタン樹脂系の素材がドット状、即ち、小さい多数の円形状にプリントされて構成されており、全体として帯状のバンド部を構成している。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
【0062】
例えば、バンド部(所定部分支持用バンド部20、丹田支持用バンド部30、腰部左右方向バンド部40)は、伸縮性を有していなかったが、この構成に限定されない。例えば、バンド部は、バンド部に対向する身体の部分を、バンド部が設けられていない上半身部用衣類本体部10に対向する身体の部分に対して相対的に支持できる程度に、上半身部用衣類本体部10よりも低い伸縮性を有するバンド部により構成されてもよい。また、腰部左右方向バンド部40は、着用者の腰の後面におけるヤコビー線よりも下方の部分に対向していたが、この構成に限定されない。例えば、腰部左右方向バンド部は、上半身部用衣類本体部10を着用したときに、着用者の腰の後面においてヤコビー線に対向していてもよい。
【0063】
また、バンド部(所定部分支持用バンド部20、丹田支持用バンド部30、腰部左右方向バンド部40)は、上半身部用衣類本体部10における左右非対称の模様を構成したが、この構成に限定されない。たとえば、バンド部は、上半身部用衣類本体部10における左右対称の模様を構成してもよい。また、バンド部は、一方の面が全面で上半身部用衣類本体部10の外側の面に対向するようにしてプリントされて設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、バンド部は、一方の面が全面で上半身部用衣類本体部10の内側の面に対向するようにしてプリントされて設けられてもよい。
【0064】
また、バンド部は、ウレタン樹脂系やアクリル樹脂系等の素材がプリントされて構成され、又は、織りにより構成されたが、これらの構成に限定されない。例えば、ステッチ(刺繍)が施されることにより、バンド部が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1、1A、1B…上半身部用衣類
10…上半身部用衣類本体部
20、20A、20B…所定部分支持用バンド部
21、21A…第1狭幅バンド部
22、22A…第2狭幅バンド部
23、23A…第3狭幅バンド部
24、24A…第4狭幅バンド部
25、25A…第5狭幅バンド部
30…丹田支持用バンド部
31、41、42…狭幅バンド部
40…腰部左右方向バンド部
101…ファスナー