(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】調節可能な整形外科的接続
(51)【国際特許分類】
A61F 2/40 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A61F2/40
(21)【出願番号】P 2019537181
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 US2018012537
(87)【国際公開番号】W WO2018129286
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-08-14
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン エー.ウィンズロー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ロルフ ホプキンス
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-121850(JP,A)
【文献】特表2016-538929(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0325130(US,A1)
【文献】特表2009-531085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リバース型人工肩関節形成術で使用するためのインプラント組立体であって、
頂部側と底部側とを含むトレイ部材であって、前記頂部側はトレイ部材キャビティを規定し、前記底部側はトレイステムを含むトレイ部材と、
患者の上腕骨に固定可能であり、遠位端及び近位端を有し、前記近位端から前記遠位端へ向かって固定部材内へ延びるテーパ孔への開口部を含む固定部材と、
前記トレイステムの遠位端に隣接して配置される準球状部材であって、前記固定部材に対する前記トレイ部材の角度が三次元で調節されて、該準球状部材を所望の配向で前記固定部材に着脱自在にロックしうるように、前記固定部材の前記テーパ孔内に位置決め可能な準球状部材と、
を備え、
前記準球状部材は、前記テーパ孔の壁と接触するテクスチャード加工された外面を含む、インプラント組立体。
【請求項2】
関節ライナをさらに備え、前記関節ライナは、該関節ライナを前記トレイ部材に軸方向に固定するために前記トレイ部材キャビティ内に受容され得る第1の端部を含み、前記関節ライナは、ボール部材の面と関節接合するように構成された、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項3】
前記テクスチャード加工された外面は、前記準球状部材の50%以上を覆う、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項4】
前記テクスチャード加工された外面は、複数の概ね平坦な面を含む、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項5】
前記複数の概ね平坦な面は、前記準球状部材上で互いに離間している、請求項4に記載のインプラント組立体。
【請求項6】
前記複数の概ね平坦な面は、前記準球状部材上で互いに隣接する、請求項4に記載のインプラント組立体。
【請求項7】
前記複数の概ね平坦な面は、曲線状外周を有する、請求項4に記載のインプラント組立体。
【請求項8】
前記複数の概ね平坦な面は、円形の外周を有する、請求項7に記載のインプラント組立体。
【請求項9】
前記複数の概ね平坦な面は、
直線で囲まれた外周を有する、請求項4に記載のインプラント組立体。
【請求項10】
前記複数の概ね平坦な面は、多角形の外周を有する、請求項9に記載のインプラント組立体。
【請求項11】
前記複数の概ね平坦な面は、三角形の外周を有する、請求項10に記載のインプラント組立体。
【請求項12】
前記テクスチャード加工された外面は、多角形の外周を有する複数の面要素を含む、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項13】
前記複数の面要素は、前記多角形の外周内で平面である、請求項12に記載のインプラント組立体。
【請求項14】
前記複数の面要素は、前記多角形の外周内で凸状又は凹状である、請求項12に記載のインプラント組立体。
【請求項15】
前記テクスチャード加工された外面は、多角形面を含む三次元テッセレーションを含む、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項16】
前記テクスチャード加工された外面は、前記準球状部材の中心に対して最も外側に位置して前記準球状部材の第1の半径を規定する複数の最も外側の延長部と、前記準球状部材の中心に対して最も内側に位置して前記準球状部材の第2の半径を規定する複数の最も内側の凹部とを含む、請求項1に記載のインプラント組立体。
【請求項17】
前記テーパ孔は、前記第1の半径の2倍の第1の直径と、前記第2の半径の2倍の第2の直径とを有するテーパ部分を含む、請求項16に記載のインプラント組立体。
【請求項18】
前記複数の最も内側の凹部は、前記準球状部材の平面上に生じる、請求項16に記載のインプラント組立体。
【請求項19】
前記複数の最も内側の凹部は、前記準球状部材の凹面上に生じる、請求項16に記載のインプラント組立体。
【請求項20】
前記複数の最も外側の延長部は、前記準球状部材上の対称なピークである、請求項16に記載のインプラント組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、35U.S.C.セクション第119(e)の下で、ネイサン・ウィンスロウ(NATHAN WINSLOW他)により「調節可能な整形外科的接続(ADJUSTABLE ORTHOPEDIC CONNECTIONS)(弁理士係属番号4394.K80PRV)と題する、2017年1月9日に提出の米国特許出願第62/444,142号明細書の優先権の利益を主張するものでありその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概ね、医療技術に関し、特定の態様において、整形外科用コンポーネント、例えば、関節部材をステム又はベースに調節可能に接続するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
さらなる背景として、近位上腕骨の頭部又は他の部分は、例えば、近位上腕骨の進行した変性を処置するために、補綴装置と交換できる。解剖学的構造、例えば、頭部の高さ、直径、上腕骨管への傾斜及びずれ等の変動性のため、効果的な解剖学的再構成には、多くの場合、様々なインプラント構成を提供するモジュラーシステムを必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、特定の態様において、整形外科用コンポーネントを組み込む又は接続するための独自の方法及びシステムを提供する。例示的に、本開示の1つの態様は、複数の整形外科用コンポーネントを接続するための接続組立体を提供する。この特定の接続組立体は、孔を提供する第1の整形外科用コンポーネントを含む。組立体は、又、第1の整形外科用コンポーネントの孔内に位置決め可能な準球状部材であるか、又はそれを含むことができる第2の整形外科用コンポーネントを含んでおり、準球状部材を第1の整形外科用コンポーネントに着脱自在にロックできる。準球状部材は、本明細書に開示されたもののいずれかのような、テクスチャード加工された外面(textured outer surface)を含む。テクスチャード加工された外面は、孔の壁と接触可能であり、準球状部材を第1の整形外科用コンポーネントに着脱自在なロック又は着脱自在にロックすることができるよう補助する。必須ではないが、以下の特徴の任意の適切な組合せを、接続組立体に組み込むか、又は接続組立体に関連付けてもよい。準球状部材は、骨ネジ又は締結具の一部とすることができる。このような骨ネジは、例えば、準球状部材が、ネジのヘッドの全体又は一部を形成するような、準球状部材から離れる方向に延びる、軸(例えば、1つ以上のテーパ形状及び/又は1つ以上の非テーパ状の長手方向断面を有する又は有しない全体又は部分的にネジ切りされた軸)を含んでいてもよい。整形外科用コンポーネントは、インプラントであってもよい。整形外科用コンポーネントは、骨プレートであってもよい。骨プレートでは、孔は、プレートの壁を通って部分的に又は全体的に延びていてもよい。いくつかの形態では、孔は、プレートの壁を完全に貫通して延び、ネジの先端は、準球状部材の前に、孔を通過する。第1の整形外科用コンポーネントは、上腕骨頭のような関節ボール又はヘッド部材であってもよい。準球状部材は、別個の上腕骨ステムコンポーネントに接続可能なモジュールコンポーネントとすることができる。テクスチャード加工された外面は、25%超、又は50%超等、準球状部材のかなりの部分を覆うことができる。テクスチャード加工された外面は、例えば多角形の外周を有する複数の平坦面要素を含んでいてもよい。
【0005】
一態様では、本開示は、患者内で玉継ぎ手のソケットと関節接合するための玉側プロテーゼを提供する。この特定のプロテーゼは、頂部側及び底部側を含む関節式ボール部材を含む。頂部側は、ソケット内の面と関節接合するための凸状関節面を提供する。底部側は、底部側から頂部側へと関節式ボール部材の中へと延びる孔への開口部を含む。プロテーゼは、玉継ぎ手の玉側に残る患者の骨に固定可能な固定部材をさらに備える。プロテーゼは、固定部材の近位端に配置される準球状部材をさらに備える。準球状部材は、関節式ボール部材の孔内に位置決め可能であり、準球状部材を関節式ボール部材に着脱自在に係止する。準球状部材は、孔の壁と接触するための、本明細書で開示されたもののいずれかのような、テクスチャード加工された外面を含む。必須ではないが、以下の特徴の任意の適切な組合せをプロテーゼに組み込むか又は、プロテーゼに付随させることもできる。固定部材は、玉継ぎ手の玉側の髄内管内に受容可能な長尺のステムを含んでいてもよい。関節式ボール部材は、上腕骨頭であってもよい。孔は、テーパ状部分を含んでいてもよい。固定部材及び準球状部材は、例えばモース(Morse)型テーパ接続を使用して互いに接続可能なモジュールコンポーネントとすることができる。テクスチャード加工された外面は、準球状部材の任意の適切な割合、例えば約10%~100%の間、又は約40%~99%、又は約50%~90%の間をカバーすることができる。テクスチャード加工された外面は、複数の概ね平坦な面、例えば、準球状部材上で互いに離間された概ね平面、及び/又は、準球状部材上で互いに隣接する概ね平坦な面を含んでいてもよい。テクスチャード加工された外面は、多角形外周面を有する複数の面要素を含むことができ、例えば多角形の外周内に平坦面を有する面要素を含み、及び/又は多角形外周内に凸状及び/又は凹状面を有する面要素を含んでいてもよい。テクスチャード加工された外面は、多角形面を組み込んだ三次元テッセレーション(tessellation)を含んでいてもよい。準球状部材は、多面体セルのハニカムに近似することができる。
【0006】
一態様では、本開示は、準球状部材を整形外科用コンポーネントに着脱自在にロックするために整形外科用コンポーネントの孔内に位置決め可能な準球状部材を提供する。準球状部材は、テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、準球状部材の第1の半径を規定する複数の最も外側の延長部と、テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、準球状部材の第2の半径を規定する複数の最も内側の凹部とを含むテクスチャード加工された外面を含む。テクスチャード加工された外面は、孔の壁と接触して、準球状部材を整形外科用コンポーネントに着脱自在にロックするか、又は着脱自在にロックできるよう補助することができる。必須ではないが、以下の特徴の任意の適切な組み合わせにより、準球状部材又は整形外科用コンポーネントに組み込む、又はこれらに付随させることができる。孔は、第1の半径の2倍の第1の直径と、第2の半径第2の半径の2倍の第2の直径とを有するテーパ状部分を含んでいてもよい。複数の最も内側の凹部は、準球状部材の平面及び/又は非平面(例えば、凹状)上に生じる場合がある。複数の最も外側の延長部は、準球状部材上の対称的ピークであってもよい。
【0007】
一態様では、本開示は、患者の関節窩を関節接合するための上腕骨プロテーゼを提供する。この特定の上腕骨プロテーゼは、頂部側及び底部側を含む上腕骨頭部材を含む。頂部側は、関節窩の面、例えば、生来の関節窩の面と関節接合するための凸状関節面を提供する。底部側は、底部側から頂部側に向かって上腕骨頭部材内に延びる孔への開口する開口部を有している。プロテーゼは、患者の上腕骨に対して固定可能な固定部材をさらに含む。プロテーゼは、固定部材の近位端、例えば、準球状部材は固定部材の一体部分に配置される準球状部材をさらに含む。準球状部材は、上腕骨頭部材の孔内に位置決め可能であり、準球状部材を上腕骨頭部材に着脱自在にロックする。準球状部材は、孔の壁と接触するための、本明細書で開示されたもののいずれかのような、テクスチャード加工された外面を含む。一実施形態では、テクスチャード加工された外面は、テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、準球状部材の第1の半径を規定する複数の最も外側の延長部と、テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、準球状部材の第2の半径を規定する複数の最も内側の凹部とを含む。必須ではないが、固定部材は、玉継ぎ手の玉側の髄内管内に受容される長尺のステムを含むことができ、及び/又は、テクスチャード加工された外面は、三角形面の三次元テッセレーションを含み、その頂点は複数の最も外側の延長部を提供する。
【0008】
いくつかの態様において、本開示は、上腕骨の頭部又は近位端が、例えば、迅速かつ正確な調節可能性を提供するモジュール式上腕骨頭システムを外科医に提供することによって置き換える、又は修復する、上腕骨再建手術において使用できるシステム及び方法を提供する。いくつかの形態では、モジュラー上腕骨頭部は、偏心中心を有し、及び/又は、ステム付き又はステムなしの上腕骨固定部材とともに使用できる。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、整形外科用プレート(例えば、骨プレート)等の第1の整形外科用部材の雌型孔と、第2の整形外科用部材の準球状部材又は別の雄型コネクタとの間の接続を含む。この第2の部材は、プレートに接続される任意の整形外科要素又は装置とすることができる。特定の実施形態では、この第2の部材は、骨内に押し込まれるか、或いは、骨内に受容されて、例えば、骨にプレートを取り付けるものである。この第2の部材は、ネジ、締結具、ピン、スパイク又は釘とすることができる。例えば、第2の部材は、テーパ軸を有するネジであってもよく、又はネジ切りした又はネジ切りしていないテーパ軸の有意な長手方向断面を有するものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の整形外科用部材は、非プレート整形外科用装置である。いくつかの実施形態では、第1の整形外科用部材は、整形外科用インプラント(例えば、膝、股関節、肩、足首又は別の関節インプラント)である。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、リバース型人工肩関節形成術(reverse shoulder arthroplasty)に関連する装置/システム/方法を含む。従来の肩関節移植は、回旋筋腱板筋が存在して正常に機能しなければならない場合もある。そうでない場合には、逆肩プロテーゼを用いることが好ましい。逆肩プロテーゼでは、上腕骨インプラントプロテーゼは、固定部材と、固定部材に連結された上腕骨トレイと、上腕骨トレイ内に保持された関節ライナとを含んでいてもよい。関節窩コンポーネントは、上腕骨が移動するときに関節ライナと関節接合することができるヘッド部材を支持することができる。
【0011】
上腕骨トレイは、関節ライナを受容するための頂面を含んでいてもよい。上腕骨トレイは、トレイステムの端部に隣接して配置された準球状部材を有するトレイステムを含むことができる底面を含んでいてもよい。準球状部材は、上述したようなテクスチャード加工面を含んでいてもよい。準球状部材は、固定部材の近位端の孔内に配置することができる。外科医は、孔内の準球状部材の可変位置決めによって上腕骨トレイの配向を変更することができる。所望の配向となれば、準球状部材を、適所にロックさせることができる。これにより、外科医は、上腕骨プロテーゼを個人の解剖学的構造に対してより正確にフィットさせることができる。
【0012】
様々なタイプのインプラントコンポーネントが、リバース型及び従来の肩関節形成術を含む肩用インプラント組立体に関する装置/システム/方法において使用されてきた。これらの装置/システム/方法の実施例は、米国特許第6,942,699、7,175,663、7,241,314、7,753,959、7,918,895、8,246,687、及び8,317,871に図示され記載されている。これらの特許の各々は、本明細書中にその全体が参照により援用される。
【0013】
これらの非限定的な実施例の各々は、それ自体でも成り立つことができ、又は他の実施例のいずれか1つ以上と様々な順列又は組合せと組合せることも可能である。
【0014】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書で説明する例示は、本発明の好ましい実施形態を示しており、このような例示は、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。図面において、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、同様の数字は、異なる図面における同様のコンポーネントを示すものである。異なる文字接尾語を有する同様の数字は、類似のコンポーネントの異なる例を表すものである。図面は、本明細書で議論される様々な実施形態を限定するものではないが、一例として、様々な実施形態を概ね示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本開示の一実施形態による上腕骨プロテーゼを示す。
【
図1C】例示的な上腕骨プロテーゼの放射線画像を示す。
【
図2】本開示の一実施形態による上腕骨頭部材を示す。
【
図3A】本開示の一実施形態による上腕骨頭部材の側面断面図を示す。
【
図3C】本開示の一実施形態によるテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図4A】本開示のさらなる実施形態による異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図4B】本開示のさらなる実施形態による異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図4C】本開示のさらなる実施形態による異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図4D】本開示のさらなる実施形態による異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図5A】本開示の一実施形態によるテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図5B】本開示の一実施形態によるテクスチャード加工された外面を有する準楕円体部材を示す。
【
図6A】本開示の一実施形態によるテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図6B】本開示の一実施形態によるテクスチャード加工された外面を有する準球状部材を示す。
【
図7A】本開示の一実施形態による上腕骨部材を示す。
【
図7B】本開示の別の実施形態による上腕骨部材を示す。
【
図8】本開示の一実施形態による上腕骨部材を示す。
【
図9】本開示の別の実施形態による上腕骨部材を示す。
【
図10】本開示の一実施形態による骨ネジの正面図を示す。
【
図11】本開示の一実施形態による整形外科用組立体の正面図を示す。
【
図12】本開示の別の実施形態による整形外科用組立体の正面図を示す。
【
図13A】本開示の一実施形態による整形外科用プレートの上面図を示す。
【
図13C】本開示の別の実施形態による整形外科用プレートの部分を示す。
【
図14】本開示の少なくとも1つの実施形態による人工肩関節置換(total shoulder joint replacement)用のインプラント組立体を示す。
【
図15】本開示の少なくとも1つの実施形態による上腕骨トレイ組立体の斜視図を示す。
【
図16】本開示の少なくとも1つの実施形態による上腕骨トレイ組立体の断面を示す。
【
図17】本開示の少なくとも1つの実施形態による固定部材と係合するトレイの断面を示す。
【
図18】本開示の少なくとも1つの実施形態による固定部材と係合するトレイの断面を示す。
【
図19】本開示の少なくとも1つの実施形態による固定部材と係合するトレイの断面を示す。
【
図20】本開示の少なくとも1つの実施形態による固定部材と係合するトレイの断面を示す。
【
図21】本開示の少なくとも1つの実施形態による、内部孔を有する上腕骨トレイ組立体を示す。
【
図22】本開示の少なくとも1つの実施形態による、人工肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【
図23】本開示の少なくとも1つの実施形態による、2次ロックシステムを有する人工肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【
図24】本開示の少なくとも1つの実施形態による、二次ロックシステムを有する人工肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【
図25】本開示の少なくとも1つの実施形態による、二次ロックシステムを有する人工肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【
図26】本開示の少なくとも1つの実施形態による、二次ロックシステムを有する人工肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述したように、本開示は、特定の態様において、整形外科的接続を形成するための独自の方法及びシステムを提供する。例示的に、本開示のいくつかの実施形態は、複数の整形外科用コンポーネントを接続するための接続組立体を提供する。例えば、接続組立体自体が、第1のコンポーネントを第2のコンポーネントに対して空間的に調節するための独自の方法を提供する。このような接続組立体は、雌孔を設けた第1の整形外科用コンポーネントを含んでいてもよい。さらに、組立体は、第1の整形外科用コンポーネントの孔内に位置決め用である、雄型接続部材であるか、又はそれを含むことができる第2の整形外科用コンポーネントを含んでいてもよい。1つの好ましい形態では、前記雄型接続部材は、準球状部材を含む。準球形部材は、例えば、孔内に準球状部材を着脱自在にロック又は着脱自在にロックすることを補助する、又は固定するように、ボア内の1つまたは複数の壁または表面と接触するためのテクスチャ付き外面を含む。本開示によるテクスチャード加工された外面を組み込んだ他の適切な雄型接続部材は、本明細書の他の箇所で説明するように、他の形状(例えば、準楕円体形状等の非球面形状)に近似することができる。いくつかの好ましい実施形態では、テクスチャード加工された外面の幾何学的形状は、準球状部材を、かなり多数の配向又は角度位置で孔内に位置決めしてロックすることが可能なので、例えば、患者の解剖学的構造における変動性に対応する。ある場合には、そのような接続組立体は、患者の玉継ぎ手内のソケットと関節接合するための玉側プロテーゼの一部である。例えば、第1の整形外科用コンポーネントは、頂部側及び底部側を含む上腕骨頭部材のような関節式ボール部材とすることができる。頂部側は、ソケット内の面と関節接合するための凸状関節面を提供することができる。底部側は、例えば、底部側から頂部側に向かって関節式ボール部材の中へ延びる、孔内への開口部を含んでいてもよい。準球状部材は、玉継ぎ手の玉側に残る患者の骨に対して固定可能な固定部材の近位端に配置することができる。上腕骨プロテーゼとの関連では、例えば、孔内の準球状部材の配向又は角度位置は、頭部の高さ、直径、傾斜及び上腕骨管に対するずれのような変動性に対応するように調節することができる。いくつかの実施形態では、第1の整形外科用コンポーネントは骨プレートであり、第2の整形外科用コンポーネントは、例えば、ネジの部分を形成する、例えば、ネジのヘッドの全部又は部分を形成する準球状部材の前に、ネジの軸の先端がプレートの雌孔を通って通過して骨の中まで入るような骨ネジである。その後、準球状部材は、例えば、ネジを骨内の所望の最終位置まで進めることによって、プレートを骨に取り付けるためのかなり多数の配向又は角度位置で、孔内に受容され、ロック可能となる。このような接続は、ネジが後退しないように抗するのに効果的となり得る。ある場合には、軸又は軸の先端は、プレートの雌孔を貫通することはない。いくつかの実施形態では、軸の先端は、ネジがプレートに接触するか、又はプレートを伴う前に骨に進入する。いくつかの形態では、準球状部材が雌孔内にロックされる前に、例えば、プレートが予め配置されたネジに衝突する前に、ネジが骨内の所望の最終位置まで前進して、準球状部材が強制的に受容されて雌孔内にロックされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のコンポーネントは、患者の上腕骨に挿入することができる固定部材であってもよい。固定部材は、その近位端の近くに孔を規定することができる。いくつかの実施形態では、第2のコンポーネントは、上腕骨トレイ部材であってもよい。上腕骨トレイ部材は、トレイの背面から延びるトレイステムを含んでいてもよい。ステムの遠位端は、準球状部材を含んでいてもよい。外科医は、所望の配向が達成されたときに、固定部材に対するトレイの位置を調節し、準球状部材を孔内にロックすることができる。
【0018】
図1Aと1Bは、例示的な上腕骨プロテーゼ10を示す。この特定の上腕骨プロテーゼ10は、上腕骨頭部材40及び組立体9を含んでいてもよい。組立体9は、準球状部材20と上腕骨固定部材60とを含んでいてもよい。上腕骨頭部材40は、頂部側41及び底部側42を含む。上腕骨頭部材40は、半球形又は部分球形とすることができ、この特定の例では、頂部側41は、凸状関節面、例えば、人間又は動物の肩の自然又は合成の嵌め合い関節窩面と関節接合するための凸状関節面47を提供する。上腕骨頭部材40は、金属、セラミック、ポリマー又はこれらの材料の組合せを含む任意の適切な材料で形成することができる。上腕骨固定部材60は、上腕骨に対して固定可能である。上腕骨固定部材60は、上腕骨74の管73(
図1C参照)内に挿入されるようなサイズ及び形状を有するステム70を含む。ステム70は、周囲の骨材料に接合されるか、接合されないか、ピン止めされるか、又はネジ止めされるか等、任意の適切な方法で固定することができ、骨の内部成長を促進するように構成することができる。ステム70は、金属、セラミック、ポリマー又はこれらの材料の組合せを含む任意の適切な材料で形成することができる。
図1Cは、例示的な肩置換手術の後に移植された上腕骨プロテーゼの放射線画像である。固定部材60のステム70は、上腕骨74の管路73内に設置することができる。上腕骨頭部材(ヘッド)40は、上腕骨74の近位端59に配置することができ、肩75の自然又は合成の関節窩面58と関節接合することができる。
【0019】
図1Aと
図1Bを参照すると、上腕骨プロテーゼ10が必要であり、恐らく解剖学的構造の変化に起因する肩置換の間、外科医は、上腕骨固定部材60のような残りの解剖学的構造又は別のインプラントのコンポーネントに対する上腕骨頭部40(断面で示される)の配向又は角度位置の調節を選択することができる。上腕骨頭部材40は、1つ以上の壁44を有する孔43を提供する底部側42を含む。孔は、上腕骨頭部材内に底部側から頂部側に向かって延びる。孔43は、底部側42において開口部を広くして、孔43の底部を形成するベース48に向かって狭くすることでテーパを付けることができる。適切な雌孔はテーパ状又は非テーパ状でもよい。適切な雌型孔は、任意の適切な三次元形状、例えば、直線状及び/又は曲線状の特徴を組み込むことであり得るか、又は組み込まれ得る。適切な雌型孔は、円錐台形状を有していてもよい。雌型孔の適切な形状は、楔形、テーパ状体、環状体、円錐曲線体、懸垂面、直方体、平行六面体、角柱、及びそれらの組み合わせの完全及び部分形態である、又はそれらを含んでいてもよい。適切な形状は、これらに限定されるものではないが、完全又は部分円筒体、直方体、円錐、角錐、及び四面体、及びこれらの組合せを含み、本開示の特定の態様によるテクスチャード加工された外面を組み込んだ雄型コネクタのコネクタは、任意の適切な形状に近似することができることが理解できよう。したがって、球体に加えて、このような雄型接続部材は、例えば、任意の適切な三次元直線状及び/又は曲線形状を取り入れることができる、非球形形状に近似することができる。例示的に、いくつかの好ましい形態において、本開示によるテクスチャード加工された外面を組み込んだ雄型コネクタは、球状(例えば、半球等の部分球体)、楕円体、扁平球状体、扁長球状体、懸垂面、円錐曲線体、又は回転放物面のような形状の全部又は部分を近似する。
【0020】
図1A及び
図1Bを続けて参照すると、準球状部材20と1つ以上の界面22の孔の壁44の間の接触により、外科医が上腕骨頭部40を広範囲の位置で配向させることができるようになり、そのうちの2つの位置は、
図1A及び
図1Bに示す上腕骨頭40の異なる角度で見ることができる。
図1Aは、第1の角度17における固定部材60と上腕骨頭部40との間の関係を示し、
図1Bは、第2の角度18における固定部材60と上腕骨頭部40との間の関係を示している。準球状部材20の形状は、これらの角度調節を三次元で行うことを可能にすることができる。上腕骨頭部40の配向又は角度位置を評価する間、準球状部材20は、孔43内に部分的にのみ挿入されてもよい。その場合でも、外科医が位置決めの適合性を判断できるように、コンポーネントを一緒に保持するのに充分なグリップを提供できる。上腕骨頭部40が外科医によって適切に方向付けられさえすれば、例えば、圧力、衝撃力、又は他の方法で達成される衝突荷重によって、準球状部材20を孔43内により完全に挿入できる。ある場合には、準球状部材20のような雄型部材と孔の壁との間の強制接触は、雄型部材及び/又は雌孔内の面又は壁の面特徴部を破砕するか、又は他の方法で変形させるのに充分である。その壁44及び準球状部材20の形状及び面特徴部を含む孔43の形状は、上腕骨頭部材の孔内に準球状部材を位置決め可能とするようにすることができるため、準球状部材を上腕骨頭部材に着脱自在にロックする、例えば、準球状部材20と上腕骨頭40との間に固定された不動の接続を提供することができる。
【0021】
準球状部材20は、固定部材60の近位端に配置されている。この特定の実施形態では、上腕骨プロテーゼ10は、準球状部材20と固定部材60との間に移行部を形成することができる縮小及び接続部材37を含んでいてもよい。この接続部材37は、準球状部材20上で上腕骨頭部40を調節するための間隙を提供するような大きさ及び形状にすることができる。上腕骨頭部40は、孔43のベース48から凸状関節面47へと延びる開口部を提供するカニューレ挿入部55を含んでいてもよい。カニューレ挿入部55を使用してピン状工具(図示せず)を挿入し、2つの部材が衝撃荷重によって固定的に取り付けられた後に上腕骨頭部40を準球状部材20から分離することができる。別の実施例では、カニューレ挿入部55をネジ切りし、ボルト(図示せず)と共に使用して上腕骨頭部材40を準球状部材20から分離するようにネジ切りすることができる。孔43は上腕骨頭部40の中心軸線39上に位置決めされるように図示されているが、孔43の配置は、上腕骨プロテーゼ10のさらなる構成を外科医に提供するために中心軸線39からずれていてもよい。
【0022】
図2は、上腕骨頭部材40の別の実施例を示す斜視図である。底部側42は、上腕骨頭部材40に軽量及び/又はより大きな配向調節を提供することができる陥没領域49を含んでいてもよい。
【0023】
図3Aは、上腕骨頭部40の断面を示す。孔43は、底部側42の近くに位置する第1の半径45と、ベース48の近くに位置する第2の半径46とを含むように、テーパ状にすることができる。必須ではないが、第1の半径45及び第2の半径46は、準球状部材20(
図3C参照)上の測定値に関連させてもよい。
図3Bは、半径23を有する真球体21を示す。
図3Cは、準球形部材20の略全体を覆う例示的なテクスチャード加工された外面11を含む準球状部材20を示す。本開示の特定の態様によれば、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、準球状部材又は別のコネクタの50%超、又は65%超、又は75%超、又は85%超を覆うテクスチャード加工された外面を組み込む。ある場合には、テクスチャード加工された外面は、準球状部材又は他のコネクタの約25%から約50%の間、又は約35%から約75%の間、又は約50%から約90%の間、又は約60%から約100%の間を覆う。
【0024】
図3Cを続けて参照すると、この特定のテクスチャード加工された外面11は、三次元であり得るテッセレーションパターン80を組み込んでいる。適切なテッセレーションは、多角形要素78のような複数の多角形要素を組み込むことができる。この特定の例では、多角形要素は三角形要素又は面81である。本開示の追加的な態様によるテクスチャード加工された外面は、他の適切な三次元テッセレーションを組み込むことができる。特定の実施形態では、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、限定されないが、積み重ねられた立方体、菱形十二面体、切頭八面体、六方晶角柱、又は三角形プリズム等、複数の積層多面体を模倣又は近似する。いくつかの形態では、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、均一、また不均一なハニカムを含む多面体セルのハニカムを模倣又は近似する。
【0025】
さらに続けて
図3Cを参照するが、テクスチャード加工された外面11は、本実施形態では、以下に説明するように三角形面の頂点で生じる複数の最も外側の延長部12を含む。準球状部材20の中心から最も外側の延長部12までの距離は、第1の半径45と等しくすることができる。必須ではないが、最も外側の延長部12の少なくとも2つの間を接続するアークは、概ね真球体21の弧と同じ曲率を有していてもよい。テクスチャード加工された外面11は、本実施形態では以下に説明するように三角形面の中心に生じる複数の最も内側の凹部13を含んでいてもよい。準球状部材20の中心から最も内側の凹部13までの距離は、第2の半径46と等しくしてもよい。必須ではないが、最も内側の凹部の少なくとも2つの間を接続するアークは、概ね真球体21の円弧と同じ曲率を有していてもよい。テクスチャード加工された外面11と孔の内壁44との間は、1つ以上の界面22において確実に把持できる。必須ではないが、第1の半径45と第2の半径46との関係は、以下のようにしてもよい。R=真球体21の半径23とすると、第1の半径45=R+t、そして、第2の半径46=R-t、「t」は広い範囲のテクスチャード加工された外面11を生成するように変更可能な変数である。
【0026】
図4A~
図4Dは、テッセレーションパターン80の密度のスペクトルを示す。
図4Aは、多角形要素78の低密度28を有する準球状部材20を提供する。
図4Dは、多角形要素78の高密度27を有する準球状部材20を提供する。
図4B~
図4Cは、多角形要素78の中間密度29のうち、低めと高めの中間密度を有する準球状部材20を示している。より高い密度を有する準球状部材20は、高品質な球状マッピングを可能にする。準球状部材20が孔43の壁44内で調節されるので(
図1A及び
図1B参照)、より高品質のマッピングは、準球形部材20に対する上腕骨頭部材40の可能な配向又は角度位置のより大きなスペクトルを可能にすることができる。
【0027】
図4Aは、多角形要素78の特徴を示す。個々の多角形86は、準球状部材20上の外面を形成する外面87を有していてもよい。外面87は、外面87の縁部としての弦89を含んでいてもよい。各弦89は、隣接する多角形79の弦89と連続してもよい。弦89は、各端部が頂点88内で終端してもよい。多角形86の各頂点88は、隣接する多角形79の頂点88と連続してもよい。雄型接続部材のテクスチャード加工された外面に組み込むことができる、本明細書で開示された任意の数のこれら外面特徴部(例えば、縁部、弦、平面又は非平坦面、頂点等)及び/又は他の外面特徴部のいずれかは、雌型孔内の壁又は面とある程度、強制的に接触することができ、ある場合には、このような強制接触時に、そのような面特徴部を押し潰すか又は変形する材料で形成することによって、孔の中の雄型接続部材を着脱自在にロックするか、又はそれを着脱自在にロックできるように補助する。一例を揚げると、雄型接続部材(例えば、準球状部材)のテクスチャード加工された外面上の複数の平面又はほぼ平坦な面は、それぞれ、雌孔(例えば、円筒形又は円錐形)の湾曲した壁に部分的に接触してもよい。
【0028】
本開示の特定の態様によれば、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、例えば、概ね平坦な面の組み合わされた領域が、準球状部材又は別の雄型接続部材の50%を超える、又は65%を超える、又は75%を超える、又は85%を超える、複数の概ね平坦な面を含むテクスチャード加工された外面を組み込む。ある場合には、概ね平坦な面の組み合わされた領域は、準球状部材又は他の雄型接続部材の約25%から約50%、又は約35%から約75%、又は約50%から約90%、又は約60%から約100%を覆う。
【0029】
ここで
図5Aを参照すると、任意の適切な整形外科用システム又はインプラントに組み込むことができる、本開示の別の実施形態による準球状部材20が示されている。或いは、真球体であれば、この例では、テクスチャード加工された外面11は、準球状部材上で互いに離間された複数の平坦な円形面82を含む。これらのタイプの平坦面は、例えば、直線状及び/又は曲線状の特徴を組み込んだ任意の適切な外周形状を有していてもよい。例示的に、追加の実施形態では、テクスチャード加工された外面は、例えば、多角形等の非円形である複数の平坦面を含む。この一実施例は、
図3Cに示されるテッセレーション式の面パターンである。さらに、本開示によるテクスチャード加工された外面に円形及び/又は非円形の外面を組み込む場合、これらの面は平面である必要はないことが理解できよう。例示的に、追加の実施形態では、テクスチャード加工された外面は、準球状部材又は別の雄型接続部材上で互いに離間された複数の非平坦な面要素を含むことになる。このような面要素は、凸状又は凹状とすることができ、又は他の三次元的に湾曲した面を組み込むことができる。例えば、
図5Aに示された平面、円形面82の1つ以上は、代わりに、わずかに凸状であってもよく、又はわずかに凹状であってもよい。さらに、2つのそのような円形又は非円形の面要素は、いずれも、雄型接続部材のテクスチャード加工された外面上で互いに離間される必要はないことが理解できよう。選択する面要素は、互いに隣接していてもよいし、或いは、テクスチャード加工された外面上で互いに接触していてもよい。
図5Bは、任意の適切な整形外科用システム又はインプラントに組み込むことができる、本開示の一実施形態による準楕楕円体部材85を示す。この例では、テクスチャード加工された外面11は、本明細書で開示されたもの、例えば、平面要素及び/又は非平坦な要素のいずれかとすることができる複数の面要素「X」を含む。例えば、任意の1つの面要素「X」は、突起、隆起、塊、こぶ、突出、窪み、凹部、凹み、又は他のタイプの突起又は圧痕でよい。このような特徴は、規則的又は不規則なパターンで配置することができる。本明細書に開示されるこれら及び他の面テクスチャは、初期のワークピースから材料を切断するか、研削するか、又はそうでなければ除去して、1つ以上の面特徴部又は要素を設けること、又は既存の部品に材料を溶接するか、接着するか、又は他の方法で添加して1つ以上の面特徴部又は要素を設けること、又はコンポーネントをキャスティング又は(例えば、添加剤製造工程を使って)最初に形成して1つ以上の面特徴部又は要素を設けることを含む、任意の適切な方法で形成すればよい。
【0030】
図6Aと
図6Bは、各多角形要素78の各外面87の面の平面度の間の変化を示す。
図6Aは、平面93を有する多角形86を有する準球状部材20を示す。
図6Bは、円弧面92を有する多角形86を有する準球状部材20を示す。円弧面92は、非常に小さい半径を有する曲線で形成してもよく、又は本明細書の他の箇所で説明するように、より顕著な半径を有する曲線で形成してもよい。
【0031】
図7Aと
図7Bは、固定部材60と準球状部材20とを含む組立体9の2つの構成を示す。
図7Aにおいて、組立体9は、少なくとも2つの別個の部品を含む。準球状部材20は、準球状部材と一体的に形成された接続部材37を含むことができ、或いは、接続部材は、テーパ嵌合又はネジ接続等の任意の適切なタイプの接続部を使用して準球状部材に後に接続される別個に形成された部品でよい。例えば、準球状部材は、接続部材の雄型要素が受容されるように接続される雌型孔を含んでいてもよい。また、固定部材60は、接続部材37の遠位端61を受容することができるステムキャビティ76を含み、任意の適切な方法で2つの間を接続してもよい。例えば、接続部材37と固定部材60との間の接続は、ロッキングテーパ接続、ネジ接続、ボルト接続、又は接続を容易にするために追加の締結具を使用する接続の形態を含む、本明細書に開示される任意の形態とすることができる。例えば、接続部材は、ステムキャビティ76内のネジ山と噛合うネジ山を有していてもよい。
図7Aに示すような構成は、様々な形態の接続部材及び/又は固定部材60との、様々な形態の準球状部材/接続部材組立体の混合及び整合が可能であり、特定の患者の形態と完全に一致させることができる。
【0032】
図7Bは、接続部材37が固定部材から着脱自在でない一体型の組立体69の実施例を示す。これらの実施例は、限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、
図7Aの接続部材37は、準球状部材20と一体的に形成される代わりに、固定部材60と一体的に形成してもよい。このような場合、準球状部材20は、接続部材37の近位端を受容するためのキャビティを有することになる。固定部材60及び準球状部材20及び任意の潜在的な中間部材は、単一ユニットとして一体型又は他の方法で一体に形成してもよい。
【0033】
図8は、ステムレス部材62を含む上腕骨部材又は組立体9の一例を示す。ステムレス部材62は、短尺ステムと考えられるものも含み得るが、いずれの場合も、上腕骨74の歯73内に深く挿入されず、代わりに上腕骨74のより近位の部分に固定される(
図1C参照)。必須ではないが、ステムレス部材62は、接続部材37の遠位端に接続することができ、接続部材は、その反対側の端部を準球状部材20に接続することができる。
【0034】
本明細書の他の箇所で説明するように、いくつかの好ましい形態では、雄型コネクタのテクスチャード加工された外面は、球面の一部、楕円体の部分等、特定の形状の一部のみを呈する又は占有する。
図9は、本開示の一実施形態による上腕骨部材又は組立体9を示す。組立体9は、固定部材60と、雄型コネクタ100とを含んでいてもよい。コネクタの一部は破線101で示されるように想像線で示され、この点に関して、コネクタ100は球形又は部分球形の品質を有していてもよいことが理解できよう。例えば、いくつかの形態では、コネクタ100は、球の図示した部分102が除去されるか、又はコネクタの一部としてもともと存在しない、切頂球体である。
図9に示される切頂の程度又は量は、特定の実施形態では、有用ともなり得るが、あくまでも例示に過ぎない。コネクタのこの切頂した態様において、部分102は、単一の平面に沿って規定されており、近位の平坦面103を形成する。存在する場合、このような近位面は、平面でも非平面であってもよい。また、そのような切頂された、又は別の部分形状の適切な部分又は割合はいずれも、テクスチャード加工された外面によって覆われていてもよい。
【0035】
本明細書の他の箇所にも記載されているように、本開示の特定の態様による準球状部材又は他の雄型コネクタは、準球状部材又は別のコネクタの特定の部分又は割合(例えば、約50%~約90%の間)のみを覆うテクスチャード加工された外面を組み込むことができる。
図9を続けて参照すると、他のいくつかの形態では、部分102のような1つ以上のコネクタ部分又は他のコネクタ部分は、コネクタの一部であるが、面99のようなテクスチャード加工された外面がなくてもよく、又は軽くテクスチャード加工された、異なるテクスチャード加工された、等の外面を有する。例えば、図示した部分102が存在する場合には、概ね滑らかな外面を有していてもよい。この点に関して、
図9に示されるテクスチャード加工された外面99による被覆の量又は割合は、特定の実施形態では有用となり得るが、それは、あくまで例示に過ぎない。特定のテクスチャード加工された外面による適切な被覆の程度又は割合は、いずれも例えば、準球状部材又は他のコネクタの50%超、65%超、75%超、85%超、約25%~約50%、約35%~約75%、約50%~約90%、約60%~約100%が想定される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示による準球状部材又は別の雄型コネクタは、骨に別の整形外科用装置、例えば、骨プレート又はインプラントを取り付ける又は固定するための製品として、骨内に押し込まれる又は他の方法で受容される整形外科用製品に組み込まれる。これらの実施形態のいくつかにおいて、整形外科用製品は、例えば、ネジの端部間、又はネジの端部付近の位置等、ネジの長さに沿った位置に、準球状部材又は他の雄型コネクタが配置され、ネジのヘッドの全体又は一部を形成する骨ネジである。このような製品は、任意の適切な材料(単数又は複数)を用いて形成することができ、ある場合には、例えば、骨の成長を促進し易い、ブラスト面を含む骨の表面成長又は内部成長を促進する外面を含むことになる。
【0037】
図10を参照すると、ネジの近位端122に配置された準球状部材121を含み、ネジのヘッド123を提供する骨ネジ120が示されている。この特定の実施形態では、六角形断面を有する雌孔125は、ヘッドの近位面126から頭部内に延びる。骨ネジ120はまた、軸128を含む。この種の準球形骨ネジのヘッドは、任意の適切なサイズ、形状、又は構成の骨ネジ軸と対をなすことができ、この特定の例では、軸は、近位端122(例えば、ネジのヘッド)からネジの先端部130まで遠位方向に延びる。中央カニューレ131は、雌孔25から続き、例えば、位置決めされたKワイヤ上にネジを配置するのに有用となり得るようにネジの全長を横切る。本開示による骨ネジ及び締結具は、完全に又は部分的にカニューレ処理されてもよく、又はカニューレ処理されなくてもよい。カニューレ処理された領域は、任意の適切な壁厚を有していてもよい。
【0038】
図10を続けて参照すると、軸128は、第1の直径を有する近位部分133と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する遠位部分134とを含む。本開示による骨ネジ及び締結具軸は、その長さに沿って一定の直径又は断面を有していてもよく、又は軸直径又は断面は、その長さに沿って変化してもよい。例えば、軸の任意のセクションは、テーパ状又は非テーパ状でよい。したがって、近位部分133及び/又は遠位部分134は、その長さに沿って完全に又は部分的にテーパ状になっていてもよい。本開示のより広義な態様には必須ではないが、二重又は他の多直径又は断面軸は、様々な事例において有用であり、例えば、異なる直径又は断面を有する軸セクションが、骨の異なるタイプ又は領域に存在するように構成した場合に有用である。例えば、骨ネジ120が関節窩に配置される場合、この種の二重直径を配置することにより、ネジの入口点から離れて位置する骨の容積が小さい又は最小断面積の骨解剖学的構造(例えば肩甲骨)、並びに入口点(例えば関節円蓋)の近くに位置する利用可能な容積が比較的大きい骨に対応できる。この点に関して、近位部分133は関節窩アーチ形ゾーンとみなすことができ、この特定の解剖学的構造内にネジが配置された場合には、遠位部分134はネジ120の関節窩翼形ゾーンとみなすことができる。
【0039】
図10の参照を続けると、ネジ山135(分かりやすくするために図示されていない)は、一貫したネジピッチを有していてもよく、軸の近位部分及び遠位部分の両方に沿って延びる。本開示による骨ネジ及び締結具軸は、全体又は部分的にネジ切りされていてもよく、又はネジ切りされていなくてもよい。任意の適切なネジ切りを使用することができ、ネジ又は締結具は、軸に沿った異なる位置での異なるタイプのネジ切りをしてもよい。上記は、本開示による準球状部材又は別の雄型コネクタを、セルフドリリング又はセルフタッピング軸を含む任意の適切なサイズ、形状又は、構成の軸と対にすることができる方法を示す一部の非限定的な実施例である。
【0040】
本開示による骨ネジ又は他の固定式装置の準球状部材又は他の雄型接続部材は、本明細書中の他の箇所で開示される任意の数のインプラント又は他の整形外科用装置とともに使用することができる(例えば、その中に存在する孔に受容され、ロックされる)。これらには、プレート(例えば、骨プレート)及び他の非プレート整形外科用装置が含まれる。本開示による1つ以上の骨ネジ又は他の固定タイプの装置は、任意の1つの装置で利用することができる。
図11は、そのような装置の一例を示し、例えば、本開示の態様による接続を使用して、異なる角度位置X及びYをどのようにして達成及び維持することができるかを示す。特に、
図11は、第1のテーパ付き雌孔142と、壁144を有する第2の同一テーパ付き雌孔143とを提供する整形外科用装置141(例えば、骨プレート又はインプラント)を含む整形外科用組立体140を示す。これらの注目すべき孔は、右円錐台の形状を有する。本開示のより広義の態様では必ずしも必須ではないが、孔はそれぞれ、装置の壁又は部分145を貫通して延びる。どちらの孔も、任意の適切なサイズ及び形状を有していてもよい。本明細書の他の箇所で開示されているように、適切な雌孔はテーパ状又は非テーパ状であってよく、任意の適切な三次元形状、例えば直線状及び/又は曲線状の特徴を組み込むことができる。
図11を続けて参照すると、組立体140はまた、第1の骨ネジ146と、同一の第2の骨ネジ147とを含む。各ネジは、準球状ヘッド148と、ヘッドから延びる軸149とを含む。これらの頭部及び軸は、本明細書で開示されるヘッド及び軸の任意の組み合わせとすることができる。使用時には、軸の先端は、孔内を通って、貫通することができる。
図11の説明では、この通過は下方向に行われ、すなわち、先端は、孔の大きい頂端を通って円錐台形状の孔に入り、より小さな底端から出る。その後、ネジは、準球状ヘッドがそれぞれの雌孔内に受容され、そこでロックされるまで、前進し(例えば、骨内に)、異なる角度位置X及びYとすることができる。
図11の配向に基づいて、着座は、ヘッドに対して上方向に孔を移動させることによって、全体又は部分的に達成することもできる。本開示のより広義の態様では、必ずしも必須ではないが、孔の壁は、例えば、円錐台形孔形状を形成する壁に裂け目や開口部がない状態で、着座したヘッドの周囲全体に延びる。
【0041】
図12は、本開示の別の実施形態による整形外科用組立体の正面図を示し、例えば、本開示の態様による接続を使用して、異なる角度位置X及びYをどのように達成し、維持することができるかを示す。特に、
図12は、壁144’を備えた第1のテーパ付き雌孔142’及び第2の同一テーパ付き雌孔143’を有する整形外科用装置141(例えば、骨プレート又はインプラント)を含む整形外科用組立体140を示す。これらの注目すべき孔は、右円錐台の形状を有する。本開示のより広義の態様では必ずしも必須ではないが、孔はそれぞれ、装置の壁又は部分145を貫通して延びる。どちらの孔も、任意の適切なサイズ及び形状を有していてもよい。本明細書の他の箇所で開示されているように、適切な雌孔はテーパ状又は非テーパ状であってよく、任意の適切な三次元形状、例えば直線状及び/又は曲線状の特徴を組み込むことができる。このような孔は、例えば、
図13Cの長尺の孔又は開口部で示されるように、壁又は片を通って部分的にのみ延びていてもよい。
図12を続けて参照すると、組立体140はまた、第1の骨ネジ146と、同一の第2の骨ネジ147とを含む。各ネジは、準球状ヘッド148と、ヘッドから延びる軸149とを含む。これらのヘッド及び軸は、本明細書に開示されたものの任意の組み合わせとすることができる。使用時に、準球状ヘッドは、それぞれの雌孔内に受容され、ロックされて、異なる角度位置X及びYとすることができる。
図12の説明に基づいて、そのような接続は、壁又は部分145をネジ上に下方向に移動させることにより(例えば、装置141に衝撃を与えることによって)達成され、ヘッドは、孔がより大きい底端を通って円錐台形状の孔に入り、所定の位置に適切にロックされるまで、より小さい頂端方向の孔内である距離だけ移動する。
図12の向きに基づいて、着座は、孔に対して上方向に準球状ヘッド148を移動させることによって、全体又は部分的に達成することもできる。この点に関して、様々なコンポーネントのサイズ及び形状に依存して、軸の部分が孔に入り込むことがないように接続することが可能である。本開示のより広義の態様では、必ずしも必須ではないが、孔の壁は、例えば、円錐台形孔形状を形成する壁に裂け目や開口部がない状態で、着座したヘッドの周囲全体に延びる。いくつかの形態では、準球状ネジのヘッドが装置の雌孔内にロックされる前に、例えば、プレートが予め配置されたネジに衝突する前に、ネジが骨内の所望の最終位置まで前進して、準球状部材が強制的に受容されて雌孔内にロックされる。
【0042】
ここで、
図13Aを参照すると、本開示の一実施形態による整形外科用プレート200の上面図が示されている。この図から、プレート200は、概ね長方形の孔又は開口部201を含むように示されている。本開示のより広義の態様では必ずしも必須ではないが、長方形の開口部は、
図13Aの図示に基づいて、プレートを完全に貫通する、すなわちページの内方に延びる。この開口部は、任意の適切なサイズ及び長方形又は非長方形の形状の長尺の又はスロット型の開口部でもよい。プレート又は他の装置には、これらの開口部をいくつ組み込んでもよい。例示的に、これら開口部は、別の寸法(例えば、長方形スロット幅)より大幅に大きい1つの寸法(例えば、
図13Aにおける上面から見たときの長方形スロット長)を有していてもよく、非限定的ではあるが、第1の寸法が第2の寸法よりも2~40倍、又は4~20倍、又は8~15倍大きい場合も含む。長尺の又はスロット型の開口部は、その長さに沿ってある曲率を有していてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、端部を持たない環状又はリング状のスロットを設けてもよい。また、
図13Aの開口部201の幅は、その長さに沿って一定であるが、必ずしもそうである必要はない。このスロットは、
図11及び
図12に示されるようなプレート又は他の装置を横切って相互接続される、例えば、ネジ又は締結具が最終的に特定の孔内で所定の位置にロックされる前に、プレートや他の装置に沿って1つの孔から他方の孔へのネジ又は締結具軸が水平方向に動く等のような、他の組立体コンポーネントの孔間の動きを許容するより小さい幅又は寸法のスロット又は通路によって相互接続される一連の識別可能な開口部又は孔であってもよい。そのような長尺の又はスロット型の開口部は、いずれも、本開示による任意のプレート又は非プレート整形外科用装置の部分とすることができる。
【0043】
図13Bは、
図13Aの線13B-13Bに沿った断面図を示し、開口部の壁202は角度を付けられている、又はテーパが付けられていることが分かる。
図13Bの配向に基づいて、壁は、頂部から底部に向かって広がり、開口部201の頂端が開口部の底端よりも小さくなる。
図13Bの説明に基づいて、本開示による準球状部材又は別の雄型コネクタとの接続は、準球状部材(例えば、ネジのヘッドの全部又は一部を形成する)上にプレート200を下方向に移動させることによって達成することができるので、準球状部材は開口部のより大きい底端部を通って開口部に入り、適切な所定の位置にロックされるまで開口部内でより小さい頂端方向に所定の距離だけ移動することができる。或いは、プレートを
図13Bに示すものから裏返し、ネジの先端を開口部内に通して、貫通することができ、ネジの準球状ヘッドが開口部内にロックされるまでネジを前進させることができる。
【0044】
このような開口部は、長尺の又はスロット型の形状を有していてもよく、所定位置にロックされる前に、
図10に示されるネジのような準球状部材を、スロット又は他の開口部の長さに沿って異なる相対位置に移動させることができる。例えば、
図13Aを参照すると、このような準球状部材は、開口部の一端又はその近傍、開口部の遠反対側の端部又はその近傍、又はその間のどこかで、開口部内の所定の位置に受容し、ロックすることができる。本開示のより広義の態様では必ずしも必須ではないが、長方形開口部の両端では、開口部201は三つの側でテーパ状になっている。或いは、
図13Bは、プレート200の一方の端部を示す図であり、プレート200の断面図ではなく、むしろ端面図である。この点に関して、準球状部材は、開口部内に部分的に且つ緩く受容され、そして、接続が行われる前に、プレートは、準球状部材(例えば、側部から)上を摺動することができる。このような構成は、例えば、空間が解剖学的に制限される場合、例えば、プレート又は装置を側方以外から導入しづらい又は不可能である場合に、特に有用となり得る。このような側部開口部は、プレート又は他の装置上のいずれかの場所に配置することができる。
【0045】
図13Cは、本開示の別の実施形態による整形外科用プレート210の一部を示す。プレート210は、頂面211及び底面212を含む。このプレートは、プレートを部分的にのみ貫通して延びる開口部213を含むことを除いて、
図13Bに示されたものと類似しており、この点において、
図13Cは、
図13Bにおける断面図と同様の視点から得られたプレートの断面図を表す。特に、開口部213は、底面212からプレート内へ延び、開口部の壁214は、プレートの頂面211に向かって移動する。或いは、
図13Cは、プレート210の一方又は両方の端部を示す図であり、プレート210の断面図ではなく、むしろ端面図である。この点に関して、準球状部材は、開口部内に部分的に且つ緩く受容され、そして、接続が行われる前に、プレートは、準球状部材(例えば、側部から)上を摺動することができる。このような構成は、例えば、空間が解剖学的に制限される場合、例えば、プレート又は装置を側方以外から導入しづらい又は不可能である場合に、特に有用となり得る。このような側部開口部は、プレート又は他の装置上のいずれかの場所に配置することができる。
【0046】
図14は、全肩関節置換用のインプラント組立体300の一実施形態を示す。インプラント組立体300は、図面では逆肩プロテーゼとして図に示されているが、他の肩プロテーゼも考えられる。インプラント組立体300は、逆関節形成術において、切除された上腕骨302と肩甲骨306の関節窩(「関節窩」)304との間に移植されるように構成される。インプラント組立体300は、ヘッド部材308(以下、「ヘッド」と称する)、上腕骨トレイ組立体310、及びアダプタ311を含んでいてもよい。上腕骨トレイ組立体310は、上腕骨トレイ部材312(以下、「トレイ」と称する)と、関節ライナ部材314(以下、「ライナ」と称する)とを含んでいてもよい。インプラント組立体300はまた、近位端318及び遠位端320を有する固定部材316を含んでいてもよい。
【0047】
図14に示す実施形態では、ヘッド308は、例えば半球面であってもよい凸面322と、略平坦面であってもよいベース324とによって境界を定められてもよい。一実施形態では、ベース324は、ヘッド308にモジュール式に接続されてもよい。テーパ状の内壁328を有する雌型テーパ326は、ベース324からヘッド308内に延びていてもよい。ヘッド308の凸面322は、ライナ314の凹面330と関節接合するような形状にして、肩関節運動を可能にすることができる。このような関節接合は、中心にあっても偏心していてもよい。
【0048】
一実施形態では、アダプタ311は、アダプタトレイ332と、ヘッド308の雌型テーパ326に圧入することができる延長部又は雄テーパ部334とを含んでいてもよい。逆関節形成術の処置では、アダプタトレイ332を関節窩304に取り付けることができる。
【0049】
図14を参照すると、トレイ312は、トレイステム338を含むことができる底部側336を含んでいてもよい。トレイステム338は、底部側336から延びる任意の構造とすることができ、様々な長さ及び形状で構成して異なるサイズ及び形状の患者の解剖学的構造を提供することができる。トレイステム338は、
図1、7、及び8における接続部材37について説明したような任意の特徴又は任意の特徴の組み合わせを含んでいてもよい。
図1~
図13に記載される準球形部材の任意の特徴又は任意の特徴の組み合わせを有する準球状部材等の準球状部材340は、トレイステム338の遠位端339(
図15参照)に隣接して結合でき、リバース型人工肩関節形成術又は他の関節置換処置において、固定部材316に選択的に結合できるように構成することができる。固定部材316は、遠位端320から近位端318まで延びていてもよい。孔342は、近位端318内に規定してもよい。孔342はテーパ状であってもよく、上述した孔43又は143の特徴のいずれか又は任意の組み合わせに関連する全ての特徴を含んでいてもよい。加えて、孔342は、準球状部材340に関連するので、上述の孔43又は143の特徴のいずれか又は任意の組合せを含んでいてもよい。
【0050】
準球状部材340は、孔342内に配置してもよい。固定部材316に対するトレイ312の角度は、三次元で調節することができる。トレイ312が外科医によって適切に方向付けられさえすれば、例えば、圧力、衝撃力、又は他の方法で達成される衝突荷重によって、準球状部材340を孔342内により完全に挿入できる。ある場合には、準球状部材340のような雄型部材と孔342の壁との間の強制接触は、雄型部材及び/又は孔342内の面又は壁の面特徴部を破砕するか、又は他の方法で変形させるのに充分である。その壁344及び準球状部材340の形状及び面特徴部を含む孔342の形状は、準球状部材340を固定部材316の孔342に位置決め可能として、準球状部材340を着脱自在に固定部材316にロックする、例えば、準球状部材340と固定部材316との間に固定された不動の接続を提供することができる。
【0051】
一例では、固定部材316の近位端318の面及び/又は切除上腕骨302の近位端は、固定部材316に対するトレイ312の追加的な角度調節を可能にするように修正又は調節することができる。
【0052】
図15は、本開示の少なくとも1つの実施形態による上腕骨トレイ組立体310の斜視図を示す。上腕骨トレイ組立体310は、概ねトレイ312と、ライナ314と、保持リング346とを含んでいてもよい。理解されるように、保持リング346は、ロック位置においてトレイ312に対してライナ314を保持するように構成することができる。
【0053】
トレイ312は、ライナ314を受容するように構成された凹部を形成することができるトレイ部材キャビティ348を概ね規定することができる頂部側313を含んでいてもよい。注:本明細書では、頂部側313及び底部側336という用語を使用してきたが、これは説明の目的だけであり、トレイ312の配向は、「頂部側313」及び「底部側336」が2つの概ね対向する面であるという点でのみ限定される任意の三次元方向であってもよい。トレイ312は、概してプラットフォーム部分350及びトレイステム338を含んでいてもよい。プラットフォーム部分350は、上側リム352を有していてもよい。トレイ312は、ライナ係合面354を有していてもよい。トレイ312は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、及びコバルトクロム合金等の生体適合性金属を含んでいてもよい。別の実施形態では、トレイ312は、任意の生体適合性材料を含んでいてもよい。上側リム352は、第1のインターロック部分356を有していてもよい。図示の実施例では、第1のインターロック部分356は、上側リム352の周りに半径方向に配置されたタブ358の形態をしている。タブ358は、上側リム352に対して概ね上昇させることができる。プラットフォーム部分350は、ライナ係合面354の周囲に形成された内側環状溝360をさらに規定することができる。上側リム352は、第1のスロット362をさらに含んでいてもよい。一実施例では、第1のスロット362は、トレイステム338の長軸線に対して横方向である概ね平坦面又はレッジ364を含んでいてもよい。保持リング346のフィンガ366は、第1のスロット362と係合することができる。トレイ312の部分は、多孔質コーティングを有する骨係合面を含んでいてもよい。
【0054】
ライナ314について、ここで、さらに詳細に説明する。ライナ314は、ポリエチレン又は他の適切なベアリング材料で形成されてもよい。ライナ314は、概ね外側トレイ係合面368及び内側ヘッド係合面370を含んでいてもよい。外部環状溝369は、外側トレイ係合面368の周囲に形成することができる。外側トレイ係合面368は、概ね平坦な面を有していてもよく、内側ヘッド係合面370は、概ね凹状でもよい。第2のインターロック部分372は、ライナ314のリム部分371の周囲に形成することができる。図示の実施例では、第2のインターロック部分372は、リム部分371の周囲に形成された相補的なノッチ374の形態である。第1及び第2のインターロック部分356及び372は、タブ358がノッチ374と重なるので、組み立て位置(
図16)で協働して適合して、トレイ312内のライナ314の回転運動を阻止することができる。図示された特定の実施例では、ノッチ374の量はタブ358の量に等しい。しかしながら、他の実施例では、ノッチ374はタブ358を上回ることができることは理解できよう。
【0055】
保持リング346は、トレイ312の内側環状溝360内に位置するように適合されることができる。ロック位置では、トレイ312の内側環状溝360は、保持リング346をスナップ式に受容してライナ314をトレイ312に固定するように作動可能である。さらに説明すると、保持リング346は、トレイ312の内側環状溝360内に部分的に入れ子にするように適合されることができ、同時に、ロック位置において、ライナ314の外部環状溝369に部分的に入れ子にすることができる(
図16)。保持リング346の環状突起376は、第2のスロット378内に入れ子にすることができる。このようにして、保持リング346は、トレイ312のプラットフォーム部分350の周りを回転することを阻止することができる。
【0056】
準球状部材340は、トレイステム338の遠位端339に結合されるか、又はそれと一体に形成され得る(
図16参照)。
【0057】
図16は、本開示の少なくとも1つの実施形態による上腕骨トレイ組立体310の断面を示す。準球状部材340は、
図1~
図13において上述した形状、面、材料、形態、品質及び/又は機能のいずれかを含んでいてもよい。トレイ312は、トレイ312の所望の配向が外科医によって設定されているときに、固定部材316(
図14参照)に対するトレイ312のより大きな角度移動を可能にするように構成して底部側336内に1つ以上の凹部380A、380Bを規定することができる。
図16は、トレイ312内に設置され、外側環状溝369及び内側環状溝360内の保持リング346によって所定の位置に保持されるライナ314を示す。レッジ364が示されている。
【0058】
トレイステム338は、種々の長さで構成して、異なる量の角度調節及び/又は異なる患者解剖学的構造のために上腕骨トレイ組立体310を適合させることができる。
【0059】
上腕骨トレイ組立体310は、上記の説明で詳細に述べたが、本発明者は、本開示の意図を変更することなく、異なる輪郭、サブ組立体、及び/又は追加(例えば、スペーサ)、形態(例えば、ワンピーストレイ及びライナ組立体)を含むことができる他の形態も検討した。
【0060】
図17は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、固定部材316と係合されるトレイ312を示す。固定部材316は、ネジ切り孔382を含んでいてもよい。トレイステム338は、ステム孔384を含んでいてもよい。ステム孔384の部分は、ネジ切りすることができ、又はステム孔384は、ネジ切りすることができない。ステム孔384は、ライナ係合面354(
図15参照)から、準球状部材340の先端386まで延びていてもよい。トレイ312の角度調節が必要でない場合、締結具(図示せず)は、ステム孔384を通ってネジ切り孔382内に延びていてもよく、トレイ312を固定部材316に取り付けてもよい。準球状部材340は、孔342の孔ベース390の近くに位置するように示されているが、準球状部材340は、孔342の壁344の他の位置に(例えば、準球状部材340及び/又は孔342の直径を変更することによって)嵌合するように構成することができる。壁344は、孔43及び/又は孔143に関して上述したようにテーパ状、形状、又は形成されていてもよい。
【0061】
図18は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、固定部材316と係合されるトレイ312を示す。
図18は、第1の角度392における固定部材316とトレイ312との関係を示し、
図19は、第2の角度394における固定部材316とトレイ312との関係を示している。
図18は、孔342の両側に沿ってほぼ同一平面内にある頂縁396を示す。
図19において、頂縁396は、例えば部分398において、トレイ312の底部側336と干渉することなく第2の角度394を増加させることができるように、凹んでいるか、角度を付けるか、又は切断されるように構成してもよい。
図19のトレイステム338は、
図18のトレイステム338よりも短く、トレイ312は様々な長さのトレイステム338を備えることができ、異なる解剖学的構造、外科的処置、及び/又は角度調節を収容することができる。
【0062】
図20は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、固定部材316と係合されるトレイ312を示す。一実施形態では、トレイステム338及び準球状部材340の一方又は両方は、ステム孔384(
図17参照)を含まず、固体材料を含んでいてもよい。
【0063】
図21は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、内部孔402を有する上腕骨トレイ組立体400を示す。上腕骨トレイ組立体400は、トレイ412及びライナ414を含んでいてもよい。トレイ412は、テーパ壁404を有する内部孔402を含み、
図1-9に記載された孔43として動作するように構成されている。内部孔402は、
図1~
図9に記載されているように、固定部材60上に配置された準球状部材20と係合することができる。上腕骨トレイ組立体400は、
図1~
図9で上述した上腕骨頭部材40と同じ方法で角度調節することができる。
【0064】
図22は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、全肩関節置換用のインプラント組立体を示す。
【0065】
インプラント組立体500は、図面では逆肩プロテーゼとして図面に示されているが、他の肩プロテーゼも考えられる。インプラント組立体500は、逆関節形成術において、切除された上腕骨502と肩甲骨506の関節窩(「関節窩」)504との間に移植されるように構成される。インプラント組立体500は、ヘッド部材508(以下、「ヘッド」と称する)、上腕骨トレイ組立体510、及びアダプタ511を含んでいてもよい。上腕骨トレイ組立体510は、上腕骨トレイ部材512(以下、「トレイ」と称する)と、ライナ部材514(以下、「ライナ」と称する)とを含んでいてもよい。インプラント組立体500はまた、近位端518及び遠位端520を有する固定部材516を含んでいてもよい。固定部材516は、遠位端520から近位端518まで延びていてもよい。孔542は、近位端518内に規定することができる。
【0066】
図22に示す実施形態では、ヘッド508は、例えば、半球面であってもよい凸面522と、略平坦な面であってもよいベース524とによって境界を定められてもよい。一実施形態では、ベース524は、ヘッド508にモジュール式に接続されてもよい。テーパ状の内壁528を有する雌型テーパ526は、ベース524からヘッド508内に延びていてもよい。雌型テーパ526は、上述した孔43又は143の特徴のいずれか又は任意の組み合わせに関連する全ての特徴を含んでいてもよい。ヘッド508の凸面522は、ライナ514の凹面530と関節接合するような形状にして、肩関節運動を可能にすることができる。このような関節接合は、中心合わせ又は偏心されていてもよい。
【0067】
一実施形態では、上腕骨トレイ組立体510は、締結具、接着剤、又は圧入によって、切除された上腕骨502に固定することができる。トレイ512は、トレイステム538を含んでいてもよい底部側536を含んでいてもよい。トレイステム538は、底部側536から延びる任意の構造とすることができ、異なるサイズ及び形状の患者の解剖学的構造を提供するために、様々な長さ及び形状で構成することができる。トレイステム538は、
図1、7及び8における接続部材37について記載されたような任意の特徴又は特徴の任意の組み合わせを含んでいてもよい。トレイステム538は、近位端518内に規定され得る孔542内に接着、圧入、又は固定できる。孔542はテーパ状であってもよく、上述した孔43又は143の特徴のいずれか又は任意の組み合わせに関連する全ての特徴を含んでいてもよい。
【0068】
一実施形態では、アダプタ511は、アダプタトレイ532を含んでいてもよい。アダプタトレイ532は、アダプタステム535を含んでいてもよい。アダプタステム535は、アダプタトレイ532から延びる任意の構造として構成することができ、様々な長さ及び形状で構成することができ、異なるサイズ及び形状を有する患者の解剖学的構造を提供することができる。逆関節形成術の処置では、アダプタトレイ532を関節窩504に取り付けることができる。
【0069】
図1~
図13に記載された準球状部材の任意の特徴又は特徴の任意の組み合わせを有する準球状部材等の準球状部材540は、アダプタステム535の遠位端に隣接して結合され、リバース型人工肩関節形成術又は他の関節置換処置においてヘッド508に選択的に結合されるように構成されることができる。
【0070】
準球状部材540は、雌型テーパ526内に配置することができる。アダプタ511に対するヘッド508の角度は、三次元で調節することができる。一旦、ヘッド508が外科医によって適切に方向付けられると、準球状部材540は、例えば、圧力、衝撃力又は他の方法によって達成される衝突負荷によって、より完全に雌型テーパ526内に挿入できる。ある場合には、準球状部材540のような雄型部材と雌型テーパ526の壁との間の強制接触により、雌型テーパ526内の雄型部材及び/又は面又は壁部の面特徴部を充分に破砕、又は変形させることができる。テーパ状の内壁528を含む雌型テーパ526の形状と、準球形部材540の形状及び面特徴部とは、準球形部材540をヘッド508の雌型テーパ526内に位置決め可能であり、頭部508に準球状部材540を着脱自在にロックし、例えば、準球形部材540と固定ヘッド508との間に固定された不動の接続を提供してもよい。
【0071】
一実施例では、関節窩504の面は、ヘッド508に対するアダプタ511の追加的な角度調節を可能にするように修正又は調節することができる。
【0072】
図23~
図26は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、全肩関節置換用のインプラント組立体600の実施例を示す。インプラント組立体600は、逆肩プロテーゼとして
図23~
図26に示されているが、他の肩プロテーゼも考えられ、2つ以上の準球状部材を含む図示された装置/方法は、他の関節置換用途及び他の角度調節可能な締結用途において使用することができる。
【0073】
図23~
図26に示すインプラント組立体600は、
図22と関連して上述したインプラント組立体500と類似することができる。
図23は、ヘッド608、アダプタ611、アダプタトレイ632、アダプタステム635及び準球状部材640を含むことができるインプラント組立体600を示す。ヘッド608は、テーパ状の内壁628を含むことができる雌型テーパ626を規定することができる。準球状部材640は、上述した準球状部材の特徴のいずれか又は任意の特徴の組み合わせを含んでいてもよい。加えて、準球状部材640は、準球状部材640の外面からアダプタステム635に向かって延びることができる先端テーパ641を規定することができる。
【0074】
インプラント組立体600は、ヘッド608の準球状部材640への二次的な固定を可能にすることができる二次ロックシステム699を含むことができる。二次ロックシステム699は、凸面622から雌型テーパ626まで延びるピン孔650を有するヘッド608を含んでいてもよい。ピン孔650は、ピン孔650の一部を狭めることができるリップ651を含んでいてもよい。二次ロックシステム699は、ロックピン652を含んでいてもよい。ロックピン652は、ピンベース653を含んでいてもよい。ピンステム654は、ピンベース653から延びることができ、ピンベース653と対向するピン準球状部材655を含んでいてもよい。ピン準球状部材655は、上述した準球状部材の特徴のいずれか又は任意の組合せを含んでいてもよい。
【0075】
ロックピン652は、少なくとも部分的にピン孔650を通過するように構成することができる。リップ651は、ピンベース653がピン孔650を通過することを防止するための肩部を形成することができ、ピンベース653は、
図25に示すように、リップ651に当接することができる。
【0076】
図24に示すように、ヘッド608は、準球状部材640上に配置することができる。上述したように、ヘッド608を角度調節することができ、角度が達成されると、ヘッド608は、衝撃を受け、雌型テーパ626及び準球状部材640が、頭部を所望の配置角度で確実に維持するような方法で接合することができる。
図24に示すように、ピン孔650は、先端テーパ641と概ね位置合わせすることができる。ピン孔650の直径の少なくとも部分は、先端テーパ641の直径よりも大きくすることができる。ピン孔650のより大きい直径を有することにより、ヘッド608が所望の配置角度に調節されたときに、ピン準球状ヘッド655が先端テーパ641内に配置できるようになる。
【0077】
図25は、ピン孔650内に設置されたロックピン652を示す。ピン準球状部材655は、先端テーパ641内に配置することができる。ピン準球状部材655と先端テーパ641との間の接続は、テーパ孔及び準球状部材を有する上述の接続の任意の特徴を含んでいてもよい。一実施例ではヘッド608を準球状部材640上に衝撃を受け、ロックする前に、ロックピン652を先端テーパ641内に設置することができる。一実施例では、ヘッド608が準球状部材640上に衝撃を受けてロックされた後、ロックピン652は先端テーパ641内に設置することができる。
【0078】
図26は、ベース624がアダプタトレイ632と角度656を形成することができるようにヘッド608が調節されたインプラント組立体600を示す。アダプタトレイ632に対するヘッド608の所望の角度656又は位置を見出すと、ピン準球状部材655は、上述したような圧力、衝撃力、又は他の方法によって達成される衝突荷重によって先端テーパ641内にロックされる。ロックピン652のピン準球状部材655は、準球状部材640によって提供される保持力を補足するかまたはそれに代わることができる保持力を提供することができる。
【0079】
上記の説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面を参照することを含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。そのような実施例は、図示又は記載された要素に加えて要素を含んでいてもよい。しかしながら、本発明者はまた、図示又は記載された要素のみが提供される実施例も検討する。さらに、本発明者はまた、特定の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書中に示される又は記載される他の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、示される又は記載される(又はその1つ以上の態様)これらの要素の任意の組み合わせ又は置換を使用する例も検討している。
【0080】
この文書と、参照により援用される任意の文書との間の一貫性のない使用の場合には、この文書における使用法が支配する。
【0081】
本明細書では、「1つの」(a)又は(an)という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1又は複数」のいずれか他の場合又は用法とは独立して、1つ以上を含むように使用される。本明細書において、「又は」という用語は、特に示さない限り、非排他的に「A又はB」が、「Aではあるが、Bではない」、「BではあるがAではない」、及び「A及びB」を含むような非排他的論理和を指すのに使用される。本明細書において、「含む」及び「in which」という用語は、「備える(comprising)」及び「その(wherein)」というそれぞれの用語でプレイン・イングリッシュの等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」及び「備える」という用語は、非限定的なものであり、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に列挙された要素に加えて、要素を含むシステム、装置、物品、組成物、処方物、又はプロセスも、請求項の範囲内に入るとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、それらの目的に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0082】
上記の説明は、例示的なものであって、限定的なものではない。例えば、上述した実施例(又はその1つ以上の態様)を、互いに組み合わせて使用してもよい。上述の説明を検討することにより、当業者によってなど、他の実施形態を使用してもよい。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。それは、請求項の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されるものではないことを理解して提出する。また、上述の詳細な説明において、様々な特徴は、開示を合理化するために、一緒にグループ化されてもよい。これは、請求項に記載されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴に存在しなくてもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、実施例又は実施形態としての詳細な説明に援用され、各特許請求の範囲は、独立した実施形態としてそれ自体を表し、それら実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができるよう検討されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
リバース型人工肩関節形成術で使用するためのインプラント組立体であって、
頂部側と底部側とを含むトレイ部材であって、前記頂部側はトレイ部材キャビティを規定し、前記底部側はトレイステムを含むトレイ部材と、
患者の上腕骨に固定可能であり、遠位端及び近位端を有し、前記近位端から前記遠位端へ向かって固定部材内へ延びる孔への開口部を含む固定部材と、
前記トレイステムの遠位端に隣接して配置され、準球状部材を前記固定部材に着脱自在にロックするための前記固定部材の前記孔内に位置決め可能な準球状部材と、
を備え、
前記準球状部材は、前記孔の壁と接触するテクスチャード加工された外面を含む、インプラント組立体。
〔態様2〕
関節ライナをさらに備え、前記関節ライナは、該関節ライナを前記トレイ部材に軸方向に固定するために前記トレイ部材キャビティ内に受容され得る第1の端部を含み、前記関節ライナは、ボール部材の面と関節接合するように構成された、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様3〕
前記孔は、テーパ状部分を含む、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様4〕
前記テクスチャード加工された外面は、前記準球状部材の50%以上を覆う、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様5〕
前記テクスチャード加工された外面は、複数の概ね平坦な面を含む、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様6〕
前記複数の概ね平坦な面は、前記準球状部材上で互いに離間している、態様5に記載のインプラント組立体。
〔態様7〕
前記複数の概ね平坦な面は、前記準球状部材上で互いに隣接する、態様5に記載のインプラント組立体。
〔態様8〕
前記複数の概ね平坦な面は、曲線状周囲を有する、態様5に記載のインプラント組立体。
〔態様9〕
前記複数の概ね平坦な面は、円形の外周を有する、態様8に記載のインプラント組立体。
〔態様10〕
前記複数の概ね平坦な面は、直線状の外周を有する、態様5に記載のインプラント組立体。
〔態様11〕
前記複数の概ね平坦な面は多角形の外周を有する、態様10に記載のインプラント組立体。
〔態様12〕
前記複数の概ね平坦な面は、三角形の外周を有する、態様11に記載のインプラント組立体。
〔態様13〕
前記テクスチャード加工された外面は、多角形の外周を有する複数の面要素を含む、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様14〕
前記複数の面要素は、前記多角形の外周内で平面である、態様13に記載のインプラント組立体。
〔態様15〕
前記複数の面要素は、前記多角形の外周内で凸状又は凹状である、態様13に記載のインプラント組立体。
〔態様16〕
前記テクスチャード加工された外面は、多角形面を含む三次元テッセレーションを含む、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様17〕
前記準球状部材は、多面体セルのハニカムに近似する、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様18〕
前記テクスチャード加工された外面は、前記テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、前記準球状部材の第1の半径を規定する複数の最も外側の延長部と、前記テクスチャード加工された外面上で互いに離間され、前記準球状部材の第2の半径を規定する複数の最も内側の凹部とを含む、態様1に記載のインプラント組立体。
〔態様19〕
前記孔は、前記第1の半径の2倍の第1の直径と、前記第2の半径の2倍の第2の直径とを有するテーパ部分を含む、態様18に記載のインプラント組立体。
〔態様20〕
前記複数の最も内側の凹部は、前記準球状部材の平面上に生じる、態様18に記載のインプラント組立体。
〔態様21〕
前記複数の最も内側の凹部は、前記準球状部材の凹面上に生じる、態様18に記載のインプラント組立体。
〔態様22〕
前記複数の最も外側の延長部は、前記準球状部材上の対称なピークである、態様18に記載のインプラント組立体。