(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】車両ホイールの緊急操作用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
B60B 15/26 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
B60B15/26 G
(21)【出願番号】P 2019544042
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018053764
(87)【国際公開番号】W WO2018149910
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102017103101.4
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519274943
【氏名又は名称】ジーヴィー エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティン
【審査官】佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0003395(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向(48)に見たときに円形またはほぼ環状であるベース
本体(20)を有し、パンクしたタイヤ(14)での運転操作を可能にする車両ホイール(12)用のアタッチメント(10)であって、
前記アタッチメント(10)は、前記アタッチメント(10)を前記車両ホイール(12)のリム(26)に位置決めするための位置決め装置(22)と、前記車両ホイール(12)の前記リム(26)に前記アタッチメント(10)を固定するための、前記位置決め装置(22)とは独立して作動させるのに適した固定装置(24)とを有
し、前記位置決め装置(22)は、複数の接触要素(32)を具備し、前記接触要素の各々は、リムフランジ直径を備えた対応するリム(26)の中心に前記アタッチメント(10)を配置するために、リムフランジ(13)のリムフランジ直径に対応する指定された固定位置(FP1、FP2、FP2)に固定するのに適しており、前記接触要素は、対応する前記リムフランジ直径に関連するそれぞれの前記固定位置にロックできるので、前記アタッチメントが前記リム(26)に取り付け又はクリップするように構成される、アタッチメント(10)。
【請求項2】
前記固定装置(24)は、前記リム(26
)に前記固定装置(24)をクランプしたことを検出するよう構成され
た圧力測定装置(40)を具備することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアタッチメント(10)。
【請求項3】
前記固定装置(24)は
、取り外し可能な
ものであってもよい固定手段を具備し、
前記固定手段が、半径方向に移動可
能に取り付け
られることを特徴とする、請求項1に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項4】
前記固定装置(24)は、動作時
、半径方向(34)及
び軸方向(48)
のうちのいずれか一方または両方に、前記固定装置(2
4)の
複数の前記固定手段(38)の動
きを連結する連結機構(90)を具備することを特徴とする、請求項
3に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項5】
前記連結機構(90)は、円周方向(30)に回転させることによ
り軸方向(48)に動くことが可能なクランプリング(92)を具備し、前記固定装置(24)は、前記クランプリング(92)が軸方向(48)に動くことにより作動することがで
きることを特徴とする、請求項
4に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項6】
前記連結機構(90)は、
複数の固定手段(38)を結
合することができるクランプ要素(106)を具備し、前記クランプ要素(106)は、
前記半径方向(34)に縮小又は増大することができるように構成され、前記固定装置(24)は、前記クランプ要素(106)が縮小又は増大することにより作動することができることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項7】
前記固定装置(24)及
び前記位置決め装置(22)
のうちのいずれか一方または両方は
、空気圧又は油圧で作動可能で
あることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項8】
前記固定装置(24)は、前記アタッチメント(10)が前記車両ホイール(12)に固定されるとき
、円周方向の長さ
の6分の1
以上にわたって、前記リム(26)に接触するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項
7のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項9】
前記固定装置(24
)は、前記アタッチメント(10)が前記車両ホイール(12)の前記リム(26)に固定されクランプされたとき、前記アタッチメント(10)が前記リム(26)に向かって軸方向(48)に
ばねで付勢されるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項
8に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項10】
前記固定装置(24)は、軸方向(48)に見たときに、半径方向内側
に傾斜する
表面を具備し、前記固定装置(24)は、前記
表面が、前記アタッチメント(10)を前記リム(26)に固定しクランプしたとき、半径方向内側に移
動するように構成され、前記
表面は、前記アタッチメント(10)が前記車両ホイール(12)の前記リム(26)に固定されクランプされたとき、前記アタッチメント(10)が前記リム(26)に向かって軸方向(48)に
ばねで付勢されるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項
9のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項11】
前記ベースボディ(20)がリム側部分(70)と、前記リムの外側を向き前記リム側部分から取り外し可能な部分(72)と、を具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項1
0のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項12】
前記ベースボディ(20)、又はリム側部分(70)及び前記リムの外側を向く前記部分(72)の各々は、
複数の円周セグメント(50)を具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項1
1のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項13】
前記円周セグメント(50)同士が
、前記前記円周方向(30)に結合されていることを特徴とする、請求項1
2に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【請求項14】
前記リム側部分(70)及び前記リムの外側を向く前記部分(72)、又は前記リム側部分(70)及び前記リムの外側を向く前記部分(72)の1つのセグメント(50)は、組み立てられた状態とするために、トレッドボディ(18)又はトレッドボディ(18)の1つのセグメントが嵌合によ
り挿入することができる受け入れ部分(76)を前記組み立てられた状態に形成することを特徴とする、請求項1
1乃至請求項1
3のいずれか1項に記載の車両ホイール(12)のアタッチメント(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクしたタイヤでの運転操作を可能にする車両ホイールのアタッチメントに関する。それとは独立して、本発明は、さらに、緊急車両ホイールと、車両ホイールの緊急運転特性を持つことを可能にする装置を提供する。
【0002】
車両ホイールとは、自動車の車両ホイールを意味する。
【0003】
この場合、軸方向とは、車両ホイールの回転軸の方向を意味する。半径方向とは、車両の車両ホイールの回転軸に直交する方向を意味する。したがって、車両ホイールのタイヤは、車両ホイールのリムから見たときに半径方向外側に配置される。たとえば、車両ホイールのボルトサークルは半径方向内側にある。
【発明の概要】
【0004】
パンクしたタイヤでの運転操作を可能にする本発明による車両ホイール用のアタッチメントは、軸方向に見たときに円形又はほぼ環状の形状のベースボディで構成され、車両ホイールのリムにアタッチメントを固定するための、位置決め装置とは独立して作動させるのに適した、車両ホイールのリムにアタッチメントを位置決めするための位置決め装置と固定装置をこのアタッチメントが有することを特徴とする。互いに独立して作動させるのに適した位置決め装置及び固定装置を備えた本発明の構成によって、本発明によるアタッチメントは、タイヤがパンクした車両ホイールに非常に簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0005】
車両ホイールにアタッチメントを取り付けるには、まず、位置決め装置を介して、アタッチメントを車両ホイールの所望の位置に配置する。しかし、位置決め装置を介した位置決めは、確実な運転操作を保証するのには十分ではなく、車両の車両ホイールにアタッチメントを正しく配置する役割を果たすだけである。アタッチメントが位置決め装置を介して車両ホイールの所望の位置に配置されると、アタッチメントは固定装置を介して車両ホイールにしっかりと結合され、好ましくはクランプされる。位置決め装置は、アタッチメントが最終的に車両ホイールに固定された場合でも、車両ホイールのリムに対してクランプされていないことが好都合である。位置決め装置は、車両ホイール上のアタッチメントの中心に配置することを可能にするように構成され、固定装置は位置決め装置とは独立して作動するようになっていて、固定装置を作動させることにより、アタッチメントをしっかりと車両ホイールに固定、好ましくは、クランプすることができる。
【0006】
固定装置の固定手段は、アタッチメントにねじ止めされるプレハブ部品として構成されることが好ましい。
【0007】
好ましくは、アタッチメントは、リムフランジの背後に係合したときに、固定手段、特に旋回可能に取り付けられた固定手段のフック要素をロックするように構成及び配置されたロック機構を具備し、このロック機構は付勢された、特にばねにより付勢されたキャッチ要素であることが好ましい。ロック機構が固定手段をロックするとき、キャッチ要素がフック要素にロックするように係合するか、又はフック要素がキャッチ要素にロックするように係合することが好ましい。したがって、リムへのアタッチメントの固定は特に堅固となる。特に、キャッチ要素は、特に、ばねを介して付勢されるボルトの形態とすることができ、旋回可能に取り付けられたフック要素は、例えば、フック要素がリムとの係合位置に旋回していったとき、ばねにより付勢されたボルトがフックに係合してロックするための凹部を有することができる。そのために、係合位置において、キャッチ要素がこの凹部に入ることができるように、凹部がキャッチ要素上で旋回するように配置されることが好都合である。
【0008】
固定手段は、特にケーシングを備え、プレハブ部品の形態であることが好ましく、ロック機構もケーシング内に配置されることが好ましい。したがって、ロック機構及び固定手段は、いずれの場合も部分的に、これらの構成要素のための一種のハウジングを形成するケーシング内に配置することができる。ケーシング又はハウジングはその中に配置された構成要素とともに個別に組み立てることができ、その後、完成した事前に組み立てられたユニットをプレハブ部品としてアタッチメントに取り付けることができるか、又は取り付けることが好ましい。
【0009】
位置決め装置は、例えば、特に車両ホイールのリムフランジの領域で、例えばリムフランジにアタッチメントをクリップで留めることができる、旋回可能なばね付勢の爪型接触要素を有することができる。しかしながら、同様に、接触要素及び位置決め装置は他の形態も考えられる。位置決め装置の接触要素は、固定装置の固定手段内又は固定手段上に配置することもできる。
【0010】
位置決め装置は、把持装置の形態とすることができ、例えば、ボルトサークルの領域に配置されたリムの好ましくは円形の開口部と、把持装置の嵌合による係合及び/又は摩擦に基づく係合を介して車両ホイールに位置決めされるように構成され、開口部は、ホイールボルト又はスタッドボルトを受け入れるためにリムに設けられた穴から間隔を隔ててリムに配置され、好ましくは、開口部はリムの中央開口部か又はリムの回転軸から離れている。好ましくは、把持装置の一部は、いずれの場合でも、アタッチメントに、好ましくは最初の取り付け部分に取り外し不可能に結合されるが、これについては以下で詳細に説明する。したがって、アタッチメント又は最初の取り付け部分は、特に簡単に車両のホイールに固定できる。特に、ボルトサークルの領域の開口部がいわゆるポリコントロールボアである場合が好都合である。対応する形状のアタッチメントのアタッチメント又は最初の取り付け部分は、これらの開口部にそのまま挿入できる。
【0011】
把持装置は、例えば、直径を拡張させることができるピン状要素を具備することができる。このピン状要素は、特に、完全に挿入された状態で、ポリコントロールボアの内部で終わるように、つまりポリコントロールボアを完全に貫通しないように構成することができる。
【0012】
好ましくは、把持装置は、ボルトサークルの領域の開口部の背後に係合するように構成されることが好ましい拡張可能部分を具備し、及び/又は把持装置は、圧縮された状態でボルトの領域の開口部を通して案内され、開口部を通り抜けたとき非圧縮状態にまで拡張するように構成される圧縮可能部分を具備する。拡張可能部分は、例えば、展開要素の導入により展開可能なスリーブとすることができる。そのような把持装置は、アタッチメントの半径方向内側の領域に配置されることが好都合である。
【0013】
次いで、展開可能なスリーブの形態の把持装置は、例えば、アタッチメントの特に最初の取り付け部分の取り付け時に、ポリコントロールボアに導入することができ、次いで展開要素を、ポリコントロールボアの背後にかみ合うように、展開するために展開可能なスリーブに導入することができる。上述のように、把持装置が圧縮可能部分を具備することも考えられる。圧縮可能部分は、ポリコントロールボアへの導入時に圧縮され、ポリコントロールボアを介して案内されたときに独立して拡張し、その背後で係合する。今説明した変形例では、アタッチメントの取り付け、特に最初の取り付け部分の簡単な取り付けを可能にする。アタッチメントの取り付けが容易になる。
【0014】
「ボルトサークルの領域に配置」とは、どの場合でも、開口部がリムのスポーク同士の間のギャップとは別であることを意味する。そのような開口部は、特に、いわゆるポリコントロールボアの場合がある。
【0015】
把持装置は、特に、リムの中央開口部に係合するように構成されている場合、例えば、スロット付きスリーブの形にすることができる。スロット付きスリーブの内側には、半径方向に変化する要素、特に、スロット付きスリーブに対して軸方向に移動可能な円錐状要素を配置することができる。この要素の軸方向の動きにより、スロット付きスリーブを広げることができ、その結果、開口部又は中央開口部に摩擦に基づいた方法で係合する。この要素は、例えばねじを介して、広げられたスリーブについて軸方向に移動可能とすることができる。ここで、スロット付きスリーブは、複数の展開可能なアームを意味する場合もある。
【0016】
任意選択で、把持装置は、アタッチメントの一部、特に最初の取り付け部分の一部として構成される。言い換えれば、把持装置は、最初の取り付け部分に取り外し不可能に接続することができる。
【0017】
把持装置は、フック領域を含むことができる延長部、特にロッド状延長部の形態とすることができ、この延長部は開口部に導入されるように構成される。このフック領域は、例えば、開口部を通るよう導かれたときに、リムの背後で嵌合させて係合できるように、拡張可能又は展開可能に構成することができる。
【0018】
このフック領域は、圧縮可能に構成することもできる。フック領域は、開口部を通るよう導かれると直径が小さくなり、開口部を通るよう導かれたあと独立して拡張するため、リムの背後でほぼ自動的に係合できる。そのために、フック領域は、例えば、可逆的に圧縮可能な、弾力性のある、及び/又はばね取り付け方式で構成することができる。
【0019】
1つの実施形態では、把持装置は、ボルトサークルの領域の開口部の背後に係合するように構成された拡張可能部分を備える。そのような拡張可能部分は、例えば、広げることができるように構成されたフック領域によって形成することができる。例えば、把持装置は、展開要素を例えばねじ等で締め付けることにより、互いから離れるように移動することができ、そして広げることができる2つのフックアームを備えることができる。
【0020】
把持装置は、特に中空ピンのように構成することもでき、内部に軸方向に移動することによって拡張可能部分を広げる展開要素、特に拡張ピンを内部に備えることができる。複数の把持装置は、好ましくは、アタッチメント、特に最初の取り付け部分に配置される。把持装置が、例えば、先に説明したような中空ピンのように構成されている場合、拡張ピン又は展開要素が存在することがあり、これらを結合することができる。好ましくは、これらは、付加的に、拡張可能部分を広げるために、例えば、ねじ形式の作動ユニットによって、軸方向に合同で動くことができるようにすることができる。
【0021】
アタッチメントは、好ましくは、アタッチメントが走行面又はアタッチメントのトレッドボディを具備するトレッド部を有するように構成され、アタッチメントは最初の取り付け部分を具備し、このトレッド部の少なくとも一部は、トレッド部とは別個にかつ取り外し可能に構成される最初の取り付け部分に接続可能であるか、又は最初の取り付け部分に対して移動可能に構成され、この最初の取り付け部分は、アタッチメントが車両のホイールに固定されたときに走行面の半径方向内側に配置される。
【0022】
アタッチメントは、最初の取り付け部分及びトレッド部分、すなわちアタッチメントの走行面を具備するアタッチメント部が、互いに別々にかつ完全に取り外し可能に構成されるように構成されることが好ましい。一方、トレッド部は、互いに取り外し可能であり、円形の走行面を形成するように組み立てることができる少なくとも2つの円周セグメントを具備することが好ましい。
【0023】
固定装置は、リムのリムフランジの背後に係合するように構成されることが好都合である。そのために、固定装置は、リムのリムフランジの背後に係合するように構成された少なくとも1つの固定手段、好ましくは複数の固定手段を有することが好都合である。
【0024】
しかしながら、固定手段は、ベース本体の対応する開口部を通ってリム上の対応するネジ受けに係合することができるねじの形態とすることもできる。この場合、これらのねじを締め付けることは、固定装置を動かすことになる。
【0025】
位置決め装置の使用後、位置決め装置によって達成可能な「緩い状態」で車両ホイールにアタッチメントが配置されると、固定装置を介して車両ホイールへの最終的な固定が行われる。そのために、固定装置は、例えば、リムの背後、特にリムフランジの領域で係合するように構成された爪タイプ又はチャックタイプの固定手段を具備することができる。次いで、これらの固定手段を作動させて、アタッチメントを車両ホイールにしっかりと固定、好ましくはクランプすることができる。
【0026】
車両ホイールへのアタッチメントの固定は、固定装置の作動時にアタッチメントがリムに向かって軸方向に移動するように行われることが好ましい。したがって、固定装置の作動時に、アタッチメントはある程度リムに向かって付勢される。したがって、固定装置を介した固定は、半径方向のクランプだけでなく、リムに向かう軸方向のアタッチメントの変位も伴うことが好都合である。アタッチメントは、軸方向に見て、リムに向かってある程度圧力をかける。アタッチメントの固定におけるこの任意的かつ好都合な態様については、以下で詳細に説明する。
【0027】
アタッチメントの表面は、リムとの接触のために設けられた領域に、例えばゴムコーティングによって形成された弾力性のある表面を有することが好都合である。
【0028】
ベースボディは、鋼鉄を使用して製造されることが好ましい。ただし、他の素材も、同様に、考慮することができる。ベースボディの形状(軸方向に見たとき、ベースボディは円形又はほぼ環状の形状)に関する記述は、アタッチメントが運転操作を目的とした構成で車両のホイールに取り付けられたときの状態に関するものである。例えば、ベースボディは、それぞれがもはや円形又は環状ではない複数の個々の部品を含むことができ、ベースボディはこれらの個々の部品に分解することができ、及び/又はこれらの個々の部品は互いに旋回可能に接続することができる。これについては、以下で詳しく説明する。
【0029】
本発明によるアタッチメントは、スペアホイールのコンパクトな代替物を表す。
【0030】
位置決め装置は、標準化されたリムフランジの直径を持つ対応するリムの中央にアタッチメントを配置するために、好ましくはベースボディ上の円周方向に均等に分配され、それぞれ少なくとも1つの特定の固定位置、好ましくは標準化されたリムフランジの直径に対応する複数の特定の固定位置に固定することができる、少なくとも2つの接触要素を具備することが好ましい。
【0031】
例えば、位置決め装置は、18、19及び20インチ(45.7、48.3、及び50.8センチメートル)のリムの標準化されたリムフランジ径でのそれぞれの固定位置間で変位可能な少なくとも2つの接触要素を具備することができる。位置決め装置の接触要素は、対応するリムフランジ径に関連付けられた固定位置のそれぞれでロックできるため、アタッチメントは、対応する径のリムに簡単な方法で取り付け又はクリップすることができる。
【0032】
例えば、接触要素は、個々の固定位置に移動可能とするために、半径方向に変位可能であり、固定位置に対応するロッキングスロットに円周方向に押し込むことができる。コンタクトエレメントがロッキングスロットに押し込まれると、変位に抗して半径方向に固定される。しかし、アタッチメントを車両のホイールに簡単に取り付けたりクリップしたりできるようにするために、接触要素は、それぞれのロッキングスロットに押し込まれた状態で半径方向に旋回可能にすることができる。
【0033】
接触要素が半径方向内側にばねで付勢されている場合、車両ホイールのリムをほぼ単独にグリップし、ばねの力でリムに対してアタッチメントを中心に持ってゆくことができれば好都合である。
【0034】
固定装置が、リム、好ましくはリムフランジに固定装置をクランプしたことを検出するように構成された少なくとも1つの圧力測定装置を具備することが好ましい。例えば、固定装置は、固定装置がアタッチメントをリムにクランプする圧力を測定することができる圧力センサーを具備することができる。
【0035】
固定装置は、圧力センサーを有する固定手段を具備することができる。そのような圧力センサーは、それぞれの固定手段がリム又はリムフランジに加える圧力を検出するように構成される。圧力センサー又は圧力センサーの信号により、固定装置をリムにクランプする力を測定することができる。
【0036】
好ましい実施形態では、アタッチメントは、圧力測定装置に加えて、リムに対するアタッチメントのクランプが十分であるときに信号を送信するように構成され及び適応させた信号装置も具備する。信号装置は、十分なクランピングにより又は十分堅固にアタッチメントがリムに固定されたときに信号を送信するように構成されている。
【0037】
信号装置は、付加的又は代替的に、位置決め装置を介してアタッチメントが正しく又は誤って位置決めされたときに信号を送信するように適応させ及び構成することもできる。
【0038】
固定装置が、少なくとも1つの取り外し可能な固定手段、任意的に複数の取り外し可能な固定手段、及び/又は少なくとも1つの固定手段、任意的に複数の固定手段を具備し、これらが、半径方向に移動可能、特に変位可能に取り付けるか又は取り付けることができることが好ましい。固定手段は、位置決め装置の接触要素の異なる固定位置に関連付けられた異なる位置で、すなわち異なるリムの直径に適応することができる位置で、例えば保持ラグを用いて、アタッチメントに取り外し可能に取り付けることができる。固定手段の滑らかで変位可能な取り付けも考えられ、固定手段は、特定の位置にロックでき、リムに対してそれらの位置で別々にクランプできることが好ましい。例えば、固定手段は、ガイドに沿って手動で変位可能であり、したがって、リムの直径となるように大まかに調整可能とすることができる。それにより、固定手段を指定された位置にロックすることができることが好ましい。このようなロック状態において、対応するツール、たとえば六角ソケットを使用して、又はツールを使用せずに、たとえば半径方向に短くピボット又は変位させることにより、固定手段をリムに短い距離でクランプすることができる。
【0039】
固定装置が、半径方向及び/又は軸方向に固定装置をクランプする際に、少なくとも2つの可動固定手段、好ましくは複数の、とりわけすべての、可動固定手段の動きを連結する連結機構を備えることも好ましく、連結機構は、連結された可動固定手段の動きが均一及び/又は同じ方向になるように構成されることが好ましい。そのために、例えば、複数の固定手段は、クランプリングを介して内側にクランプすることができる。クランプリングは、例えば、縮小可能な直径を有することができ、クランプリングは、クランプリングの直径が縮小すると、連結された固定手段が半径方向内側に旋回可能であり、リムに対してクランプできるように配置し構成される。
【0040】
あるいは、クランプリングは、円周方向に回転可能に構成することができる。クランプリングの回転により、例えばねじに沿って軸方向に移動可能となる。リムに向けられたそのようなクランプリングの動きの場合、固定手段は、例えば、リムに向かって軸方向に動くとき、クランプリングが固定手段の傾斜面に接触できるように構成し配置することができ、それにより、固定手段を、半径方向内側に旋回可能及び/又は変位可能とすることができる。したがって、このようなクランプリングを円周方向に回転させることにより、固定装置を作動させることができる。固定装置の固定手段は、この作動中に、例えば半径方向内側に旋回することにより、リムに同時にかつ均一にクランプされる。
【0041】
連結機構が、少なくとも2つの固定手段を一緒に結合するか、少なくとも2つの固定手段を一緒に結合することができるクランプ要素を含む場合も好ましく、ここで、クランプ要素は、半径方向を短くすることができるように構成される。例えば、そのようなクランプ要素は、棒状又は十字状の形とすることもできる。クランプ要素は、2つの端部により、固定装置の2つの対向する固定手段に結合、例えば引っ掛けることができる場合がある。
【0042】
クランプ要素は、例えば、対向するねじ山を備えた中間部分を有することができる。固定手段に固定できる端部は、対向するねじ山にねじ込むことができる。端部に相対的に中間部を回転させることにより、端部は中間部にねじで入り込むか、中間部から外れてゆき、これにより、クランプ要素は半径方向に増大又は縮小される。固定手段は、締付要素の縮小により互いに相手方向に移動可能とすることができ、それにより、固定装置の作動又は固定手段のリムへのクランプを行うことができる。固定手段はまた、クランプ要素を長くすることにより半径方向内側に旋回可能とすることができ、それにより、リムに対する固定装置の作動又は固定手段のクランプを行うことができる。
【0043】
固定手段が、ベースボディ、例えば、保持ラグ又は固定手段を固定するための他のデバイスに、ばねで取り付けられるか、取り付け可能である場合も好都合である。同様に、又は代替的に、固定手段を固定するための保持ラグ又は他のデバイスは、ベースボディにばねで取り付けることができる。
【0044】
連結機構を製造するために、個々の固定手段が、例えば、一種の剛性張力ベルトシステムを介して互いに結合させることも考えられ、それにより、張力ベルトの円周方向の長さを短くすることができる。
【0045】
また、例えば、固定装置の空気圧又は油圧作動による連結機構も考えられる。例えば、固定手段は圧力を受け、それにより共通線を介して作動可能である。
【0046】
有利な変形例では、固定装置と位置決め装置の両方が、例えばそれぞれの作動装置を介して空気圧又は油圧で作動可能である。好ましくは、固定装置及び位置決め装置は、そのために、対応する接続部を介して圧力媒体源に接続されるか、又は圧力媒体源を有することができる。圧力媒体源は、例えば、車両内又は車両上に配置されたタイヤ又はコンプレッサー又は別の蓄圧器又は圧力発生器であってもよい。
【0047】
固定手段は、例えば、上述の連結機構を作るために、ある種の歯車システムを介して互いに接続することもできる。
【0048】
一般に、すなわち、連結機構のすべての実施形態において、個々の固定手段の半径方向の動きが連結機構を介して連結されるだけでなく、代替的に又は付加的に、固定手段の軸方向の動きも、例えば上述の方法のいずれかで、連結機構を介して連結されることが好ましい。
【0049】
固定装置、好ましくは固定手段の少なくとも1つ、好ましくは複数、とりわけすべての固定手段が、車両ホイールのリムの、特にリムフランジの背後に係合するように構成されたフック部を具備することも好都合である。そのようなフック部を介して、アタッチメントを車両ホイールのリムにしっかりと取り付けることができることが好都合である。フック部とは、リムの部分、好ましくはリムのリムフランジの背後で嵌合させて係合できるように構成された部分を意味する。好ましい実施形態では、周囲に分布する複数の固定手段上にあることが好ましい固定装置が、周囲に分布する複数のこのようなフック部を有し、それぞれがリムのリムフランジの背後で嵌合させて係合できることを特徴とする。
【0050】
固定装置が、好ましくはフック部に配置される接触部を具備することも好都合であり、接触部は、特にリムフランジのリム部分への損傷を防止するために、例えばコーティングによって形成される弾力性のある弾性表面を含む。接触部は、アタッチメントが車両ホイール又は車両ホイールのリムに意図した通りに取り付けられたときに、リム、特にリムフランジに接触する固定装置の部分を意味する。例えば、ゴムコーティングによって実現できる、説明したような弾力性のある弾性コーティング又は弾力性のある弾性表面によって、リム又はリムフランジの損傷が確実に回避される。
【0051】
接触部分、特にフック部が、リムフランジに合致するように円周方向に湾曲していれば好都合である。そのために、例えば、固定装置のフック部又は接触部は、リムフランジの円周曲線に従って、円周方向に細長く、湾曲させることができる。特に弾力性のある弾性コーティングが存在する場合、接触部分の曲線は、実質的にリムの曲線に一致させるだけでよい。
【0052】
固定装置が、アタッチメントが車両ホイールに取り付けられたときに、その円周方向の長さの少なくとも6分の1、好ましくは4分の1、好ましくは3分の1、好ましくは半分にわたって、リム、特にリムフランジに接触するように構成されていれば好都合である。これは、例えば、上述のフック部又は接触部が円周方向に湾曲している結果として可能である。例えば、この実施形態では、接触部及び/又はフック部は、その円周方向の長さの6分の1にわたってリムフランジに載せることができる。
【0053】
固定装置、好ましくは接触部、好ましくは固定手段、とりわけそのフック部が、車両ホイールのリムへの固定時に軸方向にリムに向かって付勢されるように構成されていれば好都合である。したがって、アタッチメントは、車両ホイールに固定すると、リムの方向に引っ張られる。これは、例えば、固定手段に軸方向への可動性を持たせることにより達成することができる。例えば、固定手段の半径方向内向きの動きを、軸方向の動きと強制的に連結させることができる。
【0054】
固定装置、特に接触部又はフック部が、軸方向に見たときに、半径方向内側に、好ましくは線形又は弓状に傾斜するクランプ面を具備していれば好都合であり、固定装置は、車両ホイールのリムへのアタッチメントの固定時にクランプ面が移動、特に半径方向内側に変位するように構成され、クランプ面は、車両ホイールのリムへの固定時にアタッチメントが軸方向にリムに向かって付勢されるように構成される。上述のように構成されたクランプ面によって、例えば固定手段の動きに伴うクランプ面の動きにより、同時に半径方向内側に動き、車両ホイールのリムの方向にアタッチメントを動かす。したがって、このような形態では、固定時にアタッチメントが車両ホイールに向かって付勢され、確実にしっかりと強固に保持される。
【0055】
ベースボディが、リム側部分と、リム側部分から取り外し可能なリムの外側を向く部分とを具備していれば好都合である。これにより、例えば、軸方向に直交する平面に沿って、ベースボディを上記の2つの部分に分離することができる。したがって、一方では、アタッチメントをより自由に扱うことができ、他方では、アタッチメントの取り付けの観点から好都合となる。
【0056】
また、ベースボディ、又は任意的に、リム側部分およびリムの外側を向く部分のそれぞれが、少なくとも2つの円周部を具備していれば好都合である。したがって、この実施形態では、ベースボディ、又はそれぞれの部品は、円周方向に個々のセグメントに分割される。これにより、アタッチメントの取り付けと取り扱いが改善される。
【0057】
円周セグメント同士が、特に、好ましくは取り外し可能な折り畳み機構又は嵌合構造を介して、好ましくは取り外し可能に円周方向に結合されれば好都合である。例えば、折り畳み機構を介して、アタッチメントが必要でない場合は、折り畳んで保管することができる。個々のセグメントが互いに分離できるように構成されている場合、アタッチメントを個々の部品に分解し、スペースを節約して保管できる。互いに取り外し可能に接続できるセグメントを備えた実施形態の変形例では、最初に個々のセグメントを一緒に結合し、次にそれらの結合されたセグメントを車両ホイールに取り付ける可能性がもたらされる。これらの結合されたセグメントを取り付けた後、車両ホイールを回して、車両ホイールへの取り付けを完了するために、1つの又は複数のさらなるセグメントを挿入又は枢着することができる。したがって、例えば、車両ホイールを車両から取り外すことなく、アタッチメントを取り付けることが可能となる。
【0058】
好ましい実施形態では、円周セグメントはそれぞれ、隣接する円周セグメントの対応する受け部に押し込むことができる拡張可能な要素を有し、それにより2つの円周セグメントは互いに確実に結合することができる。
【0059】
また、リム側部分及びリムから離れた部分、又はリム側部分及びリムの外側を向く部分のそれぞれのセグメントが、組み立てられた状態とするために、トレッドボディ、又はトレッドボディのセグメントに、組み立てるための受け入れ部分を形成し、嵌合させた状態で、具体的には嵌合により噛み合った状態で保持されるように、挿入することができれば好都合である。トレッドボディとは、アタッチメントの走行面、つまり道路との接触面を形成するように構成された要素を意味する。
【0060】
好ましくは、トレッドボディは、弾性ゴム材料又はポリマー材料で形成される。トレッドボディの嵌合させた状態での保持、又は嵌合させた状態での係合は、2つの部品の間に形成されたダブテール形状の溝によって実現でき、トレッドボディは、チャンネル内で嵌合させた状態で溝に受け入れるような、この溝に対応し共に補い合う部分を有する。そのようなチャネルは、受け入れ部分の1つの形態である。
【0061】
トレッドボディが衝撃吸収形状であれば好都合であり、好ましくは、トレッドボディが弾力性のある弾性材料で形成され、及び/又は弾力性のある弾性構造、具体的には複数のボイド及び/又は穴を具備する構造を有することが好ましい。したがって、トレッドボディは、走行面の凹凸を緩和することができる。ただし、タイヤに似た空気入りトレッドボディも考えられる。トレッドボディの弾性減衰特性をもたらす、実質的に軸方向に動く開口部を有するポリマー材料のトレッドボディが考えられる。しかしながら、この目的で、トレッドボディに弾性特性をもたらすような他の構造、特にトレッドボディ内で、閉じたり開いたりできる複数のボイドも考えられる。
【0062】
トレッドボディは、例えば、別個のバルブ又はアタッチメントに存在する別個の供給ラインを介して、それぞれに圧縮空気又は圧力媒体を個別に送り込むことができるできるボイドを具備することができる。ボイドに圧力媒体を送り込むことにより、トレッドボディのクッション性は、必要に応じて、又は所望のクッション性に応じて個別に調整することができる。
【0063】
ベースボディに開口部があれば好都合である。これらの開口部は、一方ではベースボディの重量を軽減するのに役立ち、したがってアタッチメントの重量を軽減するのに役立つ。他方、これらの開口部は、アタッチメントを容易に折り畳むこと又は押しつぶすことを可能にするために役立たせることができる。折り畳まれた状態又は押しつぶした状態では、例えば固定装置又は固定装置の一部などの、ベースボディの表面から突き出た少なくとも1つの要素が、このような開口部の中に入ることができることが好ましい。
【0064】
トレッドボディは、ベースボディの少なくとも軸方向の範囲に対応するが、具体的にはその範囲を超える軸方向の範囲を有するような構成とすることができれば好都合である。換言すれば、トレッドボディは、軸方向に見たとき、ベースボディよりも厚いか、又は少なくともベースボディと同じ厚さとすることができる。
【0065】
また、アタッチメントが車両ホイールのリムに固定されているときに、アタッチメントの半径方向外側の走行面が、車両ホイールの方向に、軸方向に見たときにリムの口内に延びると好都合である。さらに、アタッチメント又はその半径方向外側の走行面が、軸方向に見たときに車両ホイールの方向にリムの中央まで延びていると好都合である。したがって、これらの実施形態では、アタッチメントの走行面がタイヤを部分的に覆う。例えば、アタッチメントはスノーチェーンの代替品として機能する。相応して広い走行面を備えたこのような形状のアタッチメントは、多数のカーブを走行するときのグリップ力も向上させる。
【0066】
また、アタッチメントが、特に、リム及び/又はリムのスポークのボルトサークル及び/又は中央開口部で、アタッチメントをボルトサークルの領域のリムに固定するように構成された付加的な固定要素を具備すれば好都合である。そのような付加的な固定要素は、例えば、ボルトサークルに向かって広がるアーム状の形状とすることができる。これにより、アタッチメントを固定することの確実性が向上する。
【0067】
付加的な固定要素がアタッチメントに取り外し可能又は取り外し不可能に固定されると好都合であり、付加的な固定要素の固定は、付加的な固定要素がアタッチメントに対して移動可能、好ましくは、変位可能及び/又は旋回可能なものであることが好ましい。取り外し可能な付加的な固定要素の場合、付加的な固定要素は、例えば組み立て開始時に取り付けることができ、その後、固定装置をしっかりとクランプして、付加的な固定要素を取り外すことができる。変位可能な付加的な固定要素の場合、例えば、突き出してアタッチメントの取り付けに使用し、取り付けが完了したときに押し込むことができる。
【0068】
本出願はまた、車両の車両ホイールの緊急時の運転を可能にする装置を提供し、この装置は、車両側の車両の車両ホイールに取り付けられるように構成された第1の支持要素と、車両の外側を向く側で車両ホイールに取り付けられるように構成された第2の支持要素とを具備することを特徴とし、支持要素は、車両ホイールの所望の取り付け位置で、タイヤの走行面が半径方向外向きに付勢されるような方法で、車両ホイールのタイヤの側面に圧力をかけるように構成される。したがって、支持要素は、空気圧が不十分であるにもかかわらず、車両ホイールのトレッドボディを形成し、十分な走行面を提供できるように、タイヤを側面で支持する。
【0069】
好都合なことに、そのような装置では、第1の支持要素及び第2の支持要素はそれぞれ、車両ホイールのリムにこの支持要素を固定するためのクランプアームを有し、クランプアームは、リムウェルからタイヤのビードを持ち上げるように、タイヤのタイヤビードとリムのリムウェルとの間に係合するよう構成され、所望の取り付け位置に配置される。したがって、タイヤは、タイヤ内の空気圧が不十分であっても、トレッドボディとして非常に効率的に使用される。
【0070】
好都合なことに、上述の装置は、固定機構により車両ホイールへこの装置を固定するときに、第1の支持要素及び第2の支持要素を、リムと接触するまでリムに向かって移動するような方法で、リムにクランプすることができるように構成された固定機構を具備する。そのために、この装置は、上述のアタッチメントの固定装置に相当する固定機構を具備することができる。
【0071】
本出願はまた、欠陥のある車両ホイールの代わりにホイールハブのボルトサークルに固定することができ、軸方向に見たときに円形又はほぼ環状の形状のベースボディを有する緊急ホイールを提供し、この緊急ホイールは、ベースボディが少なくとも2つの円周セグメントを具備することを特徴としてる。
【0072】
好都合なことに、円周セグメントは取り外し可能に互いに接続される。この取り外し可能な接続は、折り畳み機構又は嵌合構造を介して実現することができる。
【0073】
折り畳み機構は、取り外し不可能にすることもできる。
【0074】
円周セグメントの取り外し可能な接続のための嵌合構造は、セグメントの1つにダブテール形状の延長部と、さらに、セグメントに対応する凹部とを具備することができ、ダブテール形状の延長部がこのセグメントの対応する凹部に挿入され、2つの円周セグメントは、例えば、円周セグメント同士を確実に接続するために互いにねじ止めされる。
【0075】
本発明のさらなる特徴、適用可能な用途および利点は、以下の、図面を参照して説明する本発明の例示的な実施形態の記載から明らかとなり、本発明の特徴は、さらに明示的な言及がなくても、単独および異なる組み合わせの両方で本発明の基本となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】本発明によるアタッチメントの第1の実施形態を示す。
【
図3】アタッチメントの代替的実施形態の円周セグメントを示す。
【
図5】代替的アタッチメントの取り付けプロセスを示す。
【
図6】代替的アタッチメントのさらなる取り付けプロセスを示す。
【
図23】車両ホイールの緊急時の運転を可能にする装置を示す。
【0077】
以下の図では、対応するコンポーネントと要素には同じ参照番号が付いている。明確にするために、すべての図においてすべての参照番号を同じ番号で使用するわけではない。
【0078】
図1は、パンクしたタイヤ14での運転操作を可能にするために、
図1には示されていない車両ホイール12のアタッチメント10を概略図で示している。
【0079】
アタッチメント10は、トレッドボディ18、ベースボディ20、位置決め装置22及び固定装置24を具備する。
【0080】
トレッドボディ18は、アタッチメント10が車両ホイール12に固定されたときに、アタッチメント10を道路と接触させる役割を果たす。
【0081】
位置決め装置22は、アタッチメント10を車両ホイール12のリム26に位置決めする役割を果たす。
【0082】
固定装置24は、アタッチメント10を車両ホイール12のリム26に固定するのに役立ち、固定装置24は、位置決め装置22とは独立して作動させることができる。
【0083】
図1による実施形態では、位置決め装置22は、少なくとも2つの接触要素32を具備する。接触要素32は、円周方向30でベースボディ20上に均一に配分されることが好ましい。
【0084】
図1に示すように、標準化されたリムフランジの直径に適合する複数の特定の固定位置FP1、FP2、及びFP3で、接触要素32を半径方向34に固定できると好都合である。したがって、アタッチメント10は、位置決め装置22又はその接触要素32を介して、標準化されたリムフランジ直径を備えた対応するリム26の中央に配置することができる。
【0085】
位置決め装置22は、例えば、旋回可能なバネ付勢爪タイプ接触要素32(例えば、
図12から
図18を参照)を有することができ、それを介して、特に、リムフランジ13、車両ホイール12の領域において、アタッチメント10をある程度リム26に留めることができる。しかしながら、全体として接触要素32又は位置決め装置22の他の形態も同様に考えられる。位置決め装置22は自動的に中心に寄せられるように構成され、これは、アタッチメント10が車両ホイール12の中心に位置決めされていなくても、位置決め装置22が車両ホイール12の中心位置にアタッチメント10を移動させることを意味する。これは、例えば、接触要素32をばね付勢することにより達成することができる。
【0086】
位置決め装置22の接触要素32は、固定装置24の固定手段38の中又は上に配置することもできる。
【0087】
本発明の技術的範囲内の固定装置24は、位置決め装置22とは独立して作動させることができる。作動とは、アタッチメント10が固定装置を介して車両ホイール12にしっかりと接続されるよう固定装置24が動くことを意味する。そのために、固定装置24は、例えば、爪タイプ又はチャックタイプの固定手段38を具備することができる。固定手段38は、一般に、リム26の背後、特にリムフランジ13の領域で係合するように構成される。
【0088】
固定装置24の作動時に、固定手段38は、リムフランジ13の背後に係合し、アタッチメント10をリム26にクランプする。これは、例えば、固定手段38を半径方向34に変位させることにより、又は旋回させることにより達成することができる。
【0089】
固定装置24の作動は、対応するツールを介して可能であり、又はツールなしでも可能である。例えば、固定手段38は、六角形のソケットにより可動とするように構成することができる。固定手段38を可動にするハンドルも考えられる。この運動には、並進運動又は旋回運動を含むことができる。
【0090】
そのような爪タイプ固定手段38は、例えば、
図2に、線II-IIに沿った異なる位置の断面を示す図に概略的に示されている。
図2は、固定手段38の形態を示し、固定手段38は、半径方向34及び軸方向48の両方に変位可能である。
【0091】
固定装置24は、圧力測定装置40を具備することができる。このような圧力測定装置40は、1つ以上の固定手段38に配置されることが好ましい。このような圧力測定装置40は、固定装置24のリム26又はリムフランジ13へのクランプを検出するように構成される。すなわち、例えば、固定手段38がリムフランジ13を押す力であり、又はリムフランジ13と接触する力である。
【0092】
好ましい実施形態では、アタッチメント10は、リム26へのアタッチメント10のクランプが安全な運転操作のために十分であるときに信号を送信するように構成された信号装置44を具備する。すなわち、アタッチメント10がリム26に十分にしっかりと固定されているときである。好都合なことに、信号装置44は、この目的のために圧力測定装置40と連結されている。信号装置44は、視覚信号、音響信号、又は触覚信号を送信するように構成することができる。
【0093】
固定手段38は、ベースボディ20の対応する開口部を通ってリム26の対応するねじ受けに噛み合わせることができる、ねじの形式とすることもできる。そのような実施形態は、
図19から
図22に示される。
【0094】
しかしながら、固定手段38がリム26のリムフランジ13の背後に係合するように構成されることが好ましい。
【0095】
ベースボディ20は、軸方向48に見た場合、円形又はほぼ環状の形状である(例えば、
図1を参照)。これは、例えば
図1に示されるように、組み立てられた状態のベースボディ20は、運転中に車両ホイール12に取り付けられているが、上述の形状を有することを意味する。
【0096】
固定装置24の作動時のアタッチメント10の車両ホイール12への固定は、固定装置24の作動時に、アタッチメント10がリム26に向かって軸方向48に移動するように行われることが好ましい。したがって、アタッチメント10は、固定装置24の作動時に、ある程度リム26に押し付けられる。好都合なことに、固定装置24を介した固定は、半径方向へのクランプだけでなく、アタッチメント10のリム26に向かって軸方向の変位も伴う。したがって、アタッチメント10は、軸方向48に見たときに、リム26にある程度押し付けられる。アタッチメント10の固定のこの任意的な有益な態様については、以下で詳細に説明する。
【0097】
好都合なことに、アタッチメント10の表面は、リム26と接触する領域に、例えばゴムコーティングによって実施される弾力性のある表面を有する。
【0098】
アタッチメント10を車両ホイール12に取り付けるために、アタッチメント10は、まず、位置決め装置22を介して所望の位置で車両ホイール12に位置決めされる。
図1に示されるアタッチメント10の例では、この位置決めは、例えば、対応する位置FP2にロックすることにより、車両ホイール12の適切なリム直径に予め調整された接触要素32を介して行われる。本例では、アタッチメント10は、いわば、接触要素32を介してリム26にクリップされる。接触要素32は、その目的のために、旋回可能でばね付勢する方法で取り付けられている。アタッチメント10をリム26上に配置すると、アタッチメント10は、いわば、リム26上に置かれるか、リム26上に保持され、リム26に押し付けられ、接触要素32は、ばね付勢に抗して広がり、リムフランジ13の背後にはめ込まれる。その結果、アタッチメント10は、リム26の中心に配置される。しかし、アタッチメント10のこの位置決めによって、運転操作のために十分な保持が行われるわけではない。
【0099】
位置決め装置22による車両ホイール12上へのアタッチメント10の位置決めに続いて、アタッチメント10は、固定装置24を介して車両ホイール12に固定される。そのために、固定装置24を作動させる。
図1に示す例では、固定手段38は、リムフランジ13に向かって変位し、その背後で係合する。次に、固定手段38は、リムフランジ13に対してクランプされ、その結果、アタッチメント10は、リムフランジ13又はリムにしっかりと固定される。
【0100】
言い換えると、位置決め装置22を介した位置決めは、確実に運転操作を行うのに十分ではなく、単にアタッチメント10を車両ホイール12に正しく配置するのに役立つのみである。
【0101】
アタッチメント10が位置決め装置22を介して所望の位置で車両ホイール12に位置決めされると、次に、アタッチメント10は固定装置24を介して車両ホイール12にしっかりと結合され、好ましくはクランプされる。
【0102】
好都合なことに、位置決め装置22は、アタッチメント10が最終的に車両ホイール12に固定されている場合でも、車両ホイール12のリム26にクランプされないままである。
【0103】
好都合なことに、アタッチメント10のベースボディ20は、複数の円周セグメント50で構成される。
図1の例では、2つの円周セグメント50が、折り畳み機構を形成するヒンジ54を介して互いに接続される。ヒンジ54は、取り外し可能又は取り外し不可能とすることができる。
【0104】
ヒンジ54の代わりに、又はヒンジ54に加えて、円周セグメント50を結合するための嵌合構造58を設けることもできる。
【0105】
そのような嵌合構造58を介してさらに類似の円周セグメント50に結合できる円周セグメント50が、例えば
図3に示されている。嵌合構造58は、対応する凹部62に挿入可能なダブテール形状の延長部60を具備する。
【0106】
接続ねじは、ねじ穴64を介してダブテール形状の延長部60に挿入され、凹部62の領域のねじ受け66にねじ込むことができる。次いで、嵌合構造58を介して互いに結合された円周セグメントが互いにしっかりと結合される。
【0107】
図3に示されている円周セグメント50では、リム側部分70と、リムの外側を向く部分72とを備えていることが明確に分かる。2つの部分70、72は、互いに取り外し可能であり、ねじ結合74により互いにしっかりと結合することができる。
【0108】
2つの部分70、72が互いに分離されると、トレッドボディ18を、2つの部分70、72の間の対応するチャネル76に挿入することができる。2つの部分70、72がねじ結合74を介して互いにしっかりと結合されると、トレッドボディ18は、嵌合により、損失のない方法でチャネル76に保持される。チャネル76は、受け入れ部の一例である。
【0109】
図3に示されている円周セグメント50では、示されている固定手段38は、保持ラグ78に変位可能に取り付けられている。
【0110】
図4に示されるアタッチメント10は、
図1のアタッチメントと構造が類似している。しかしながら、
図4のアタッチメントはロック装置80を有し、それを介して、ロック装置80が解放されるまで折り畳むことができないように、円周セグメント50を折り畳み状態で一緒にロックすることができる。
【0111】
図5は、車両ホイール12を自動車から取り外すことなく、どのようにアタッチメント10を車両ホイール12に取り付けるかを示す実施形態を示している。
【0112】
まず、アタッチメント10は、位置決め装置22を介して車両ホイール12上に位置決めされる。
図5の対応する参照番号を有する円周セグメント50は、折り畳まれた状態のままである。
【0113】
次いで、アタッチメント10は、固定装置24を介して車両ホイール12にしっかりと固定される。
【0114】
位置決め装置22を介した位置決め及び固定装置24を介した固定が上述のように行われる。
【0115】
アタッチメント10を固定した後、車両のホイールは90°前方に動く。
【0116】
次に、折り畳まれた円周セグメント50は、開かれ、ロック装置80を介してロックされる。
【0117】
最初に折り畳まれていた周方向セグメント50に配置された固定装置24の部品も同様にクランプされ又は作動させられる。
【0118】
次いで、アタッチメント10の固定が完了し、運転操作を再開することができる。
【0119】
図6はさらなる実施形態における取り付けを示し、
図6に示す実施形態では、円周セグメント50の1つは可変長の取り付け補助具84を有する。取り付け補助具84を介して、車両ホイールに最初に固定された円周セグメント50をクランプすることができる。
【0120】
図7は、可動固定手段38を連結する連結機構90を備えたアタッチメント10の実施形態を示している。
【0121】
固定装置24が作動したとき、少なくとも2つの可動固定手段38、好ましくはすべての可動固定手段38の動きを連結する連結機構90を固定装置24が備えることが好ましい。
【0122】
動きを連結することで、半径方向34及び/又は軸方向48の動きを連結することができる。
【0123】
連結機構90は、連結された可動固定手段38の動きが均一になるように、すなわち、同じ速度で、同じ方向に動くように構成されることが好ましい。
【0124】
図7に示される連結機構90の実施形態では、ハンドル94を有するクランプリング92を具備する。クランプリング92は、円周方向に回転可能に構成される。
【0125】
クランプリング92は、回転させることにより、
図7に示すように、対応する固定ラグ97に配置されたねじ山96に沿って軸方向48に移動可能になる。クランプリング92は、クランプ要素106の可能な実施形態である。
図8に示すように、半径方向に動くことができるスライダー98を介して同様の機構を実装することができる。
【0126】
図7のクランプリング92がリム26に向かって移動する場合、固定手段38は、例えば、リム26に向かって軸方向に移動する際に固定手段38の傾斜面100と接触することができるように構成及び配置することができ、これにより、固定手段38は、半径方向内側に旋回可能及び/又は変位可能とすることができる。同様の機能は、スライダー98を介して可能となる。
【0127】
したがって、
図7のそのようなクランプリング92を円周方向30に回転させることにより、固定装置24を作動させることができる。この作動中、固定装置24の固定手段38は、例えば半径方向内側に旋回することにより、リム26に同時にかつ均一にクランプされる。そのためには、固定手段38は、リンク104を介してアタッチメント10に旋回可能に取り付けられることが好ましい。
【0128】
連結機構90が、少なくとも2つの固定手段38を互いに結合するか、それにより少なくとも2つの固定手段38を互いに結合することができるクランプ要素106を具備することが好ましく、クランプ要素106は半径方向34に短くできるように構成される。対応する実施形態が
図9に示されている。
【0129】
例えば、そのようなクランプ要素106は、棒状の形態とすることができる。また、十字のような形も考えられる(
図10)。その2つの端部110により、クランプ要素106は、固定装置24の2つの対向する固定手段38に結合、例えば係合させることができる(
図9を参照)。
【0130】
棒状クランプ要素は、例えば、対向するねじ山114、116を備えた中間部112を有することができる。固定手段38に固定することができる端部110は、対向するねじ山114、116にねじ込むことができる。中間部分112を回転させて、端部110は中間部分112にねじ込んだり中間部分から外したりすることで、棒状クランプ要素106を延長又は短縮する。
【0131】
固定手段38は、クランプ要素106の短縮によりお互いの方向に動くことができ、それにより、固定装置24の作動、又はリム26への固定手段38のクランプを行うことができる。
【0132】
代替的に、締付手段38は、クランプ要素106を長くすることにより半径方向内側に旋回可能であり、それによりクランプ装置24の作動、又はリム26への固定手段38のクランプも同様に達成できる。
【0133】
固定装置24は、
図11に示されるように、圧力媒体を介して作動可能とすることもできる。
【0134】
位置決め装置22も圧力媒体を介して作動可能とすることが好ましい。そのような実施形態では、位置決め装置22及び固定装置24は、それぞれ圧力媒体貯蔵部118に接続することができることが好ましい。対応する圧力媒体ライン120をアタッチメント10自体又はその外側に配置することができる。
【0135】
固定手段及び接触要素は、ばね192で付勢することができる。
【0136】
位置決め装置22及び固定装置24は、逆止弁の形態のリリーフ弁124と、逆止弁の形態の入口弁128とを有することができる。
【0137】
図5の実施形態と同様のアタッチメント10が、
図12から
図18の異なる視点からの図に示されている。
【0138】
図12から
図14では、アタッチメントは折り畳まれた状態で示されているが、
図15から
図18では、広げたた状態で示されています。
図13及び
図17では、アタッチメント10はそれぞれ、車両ホイール12に取り付けられた状態で示されている。
【0139】
しかしながら、固定手段38は、ベースボディ20の対応する開口部130を通してリム26の対応するねじ受け132に噛み合わせることができるような、ねじの形態とすることもできる(
図19から
図22による実施形態を参照)。この場合、ねじのねじ込みは、固定装置38の動作の一部となる。
【0140】
固定装置24は、複数の取り外し可能な固定手段38を具備することができる。これは、標準化されたリムフランジ直径に対応する複数の半径方向にずれた位置に取り付けることができる。固定手段38は、半径方向に移動可能に取り付けられることが好ましい。
【0141】
図23は、車両ホイール12の緊急運転を可能にする装置200を示す。装置200は、車両側の車両ホイール12に取り付けられるように構成された第1の支持要素210と、車両の反対側を向く外側230で車両ホイール12に取り付けられるように構成された第2の支持要素220とを具備する。支持要素210、220は、車両ホイール12上の所望の取り付け位置(
図23bを参照)で、タイヤ14の走行面240が半径方向外向きに付勢されるようにして、車両ホイール12のタイヤ14の側壁に横方向に圧力をかけるように構成される。
【0142】
第1の支持要素210及び第2の支持要素220はそれぞれ、支持要素210、220を車両ホイール12のリム26に固定するためのクランプアーム212、222を有する。クランプアーム212、222は、タイヤビード250をリムウェル260から持ち上げるように、タイヤ14のタイヤビード250とリム26のリムウェル260との間に嵌る所望の位置に来るよう、構成され配置される。
【0143】
装置200は、装置200を車両ホイール12に固定する際に、第1の支持要素210及び第2の支持要素220を、リム26に接触するまでリム26に向かって動かすことにより、リム26への固定機構280によってクランプすることができるように構成された固定機構280を具備する。
【0144】
図24は、欠陥のある車両ホイール12の代わりにホイールハブのボルトサークルに固定することができ、軸方向48に見たときに円形又はほぼ環状の形状であるベースボディ320を有する緊急ホイール300を示し、ここで、ベースボディ320は、2つの円周セグメント350を含む。より多くの円周セグメント350への細分化することも考えることができる。
【0145】
エマージェンシーホイール320は、周方向セグメント350が、取り外し可能な折り畳み機構54を介して周方向34に互いに固定されるような形態となる。さらに、又は代替的に、好ましくは一方にダブテール形状の延長部を有し、セグメント50にさらに対応する凹部を有する、嵌合構造を介した固定も、
図3のアタッチメントと同様に、可能である。
【0146】
図25及び
図26は、アタッチメント10の代替的実施形態を示す。各形態でのアタッチメント10は、2つの円周セグメント50を具備するベースボディ20を具備する。アタッチメント10は、ボルトサークルの領域に配置された、リム26中の好ましくは円形の開口部と把持装置312との嵌合により係合させることで車両ホイール12に配置させるため、把持装置312の形態となっている位置決め装置22を具備し、ここで、開口部は、ホイールボルト又はスタッドボルトを受け入れるための、リム26に設けられた穴とは離間させて、リム26に配置され、さらに、この開口部は、リム26の中央の開口部となるか、又はリムの回転軸から離間することが好ましい。特に、ボルトサークルの領域にある開口部が、車軸の位置合わせに使用されるいわゆるポリコントロールボアとすれば好都合である。
【0147】
把持装置312はまた、上述の開口部、特にポリコントロールボアにおいて摩擦に基づく係合により、車両ホイール12上にアタッチメント10を位置決めするように構成することができる。
【0148】
アタッチメント10は、最初の取り付け部分314をさらに具備する。
【0149】
図25及び
図26のアタッチメント10は、アタッチメント10の2つの円周セグメント50を具備する2つの円周セグメント50を具備するトレッド部326をアタッチメント10が有するように構成され、アタッチメント10は、最初の取り付け部分314を具備し、トレッド部326の少なくとも一部は、最初の取り付け部分314とは別個に構成され、着脱可能に結合可能であるか、又は移動可能に構成され、最初の取り付け部分314は、アタッチメント10を車両に固定するとき、走行面の半径方向内側に配置される。
【0150】
最初の取り付け部分314及びトレッド部326が、すなわちアタッチメント10の走行面を具備するアタッチメント10の部品が、互いに完全に分離可能に構成されるように、アタッチメント10が構成されることが好ましい。トレッド部326は、互いに分離可能であり、円形の走行面を形成するように組み立てることができる、2つの正確な円周セグメント50を具備することが好ましい。
【0151】
好ましくは、把持装置312の部品は、いずれの場合でも、アタッチメント10に、好ましくは最初の取り付け部分314に取り外しできないように結合される。したがって、アタッチメント10又は最初の取り付け部分314は、特に簡単に車両ホイール12に固定できる。アタッチメント10、又は対応するように構成されたアタッチメント10の最初の取り付け部分314は、言わば、これらの開口部に挿入することができる。
【0152】
固定装置24の固定手段38は、アタッチメント10にねじ止めされるプレハブ部品316の形態であることが好ましい。これは、
図25及び
図26のアタッチメント10と共に使うの場合である。
【0153】
固定手段38は、ケーシング318を具備することが好ましい。これは、
図25b)の分解図で明確に見ることができる。
【0154】
固定装置24は、ロック機構320も具備することが好ましい。
【0155】
アタッチメントは、リムフランジ13の背後に係合しているときに、固定手段38を、特に固定手段38の旋回可能に取り付けられたフック要素322をロックするように構成及び配置されたロック機構320を具備することが好ましく、ロック機構320は、付勢された、特にばね付勢されたキャッチ要素324を具備することが好ましい。ロック機構320が固定手段38をロックするとき、キャッチ要素324がロックするようにフック要素322に係合するか、又はフック要素322がロックするようにキャッチ要素324に係合するのが好ましい。したがって、アタッチメント10のリム12への固定は特に堅固である。特に、キャッチ要素324は、特にばねを介して付勢されるボルトの形態とすることができ、旋回可能に取り付けられたフック要素322は、例えば、フック要素322がリム12との係合位置まで旋回してきたとき、ばねで付勢されたボルトがフック要素と係合しフック要素をロックする凹部を有することができる。そのために、キャッチ要素324がこの凹部に入ることができるように、係合位置において、キャッチ要素324上で旋回するように凹部が配置されることが好都合である。
【0156】
ロック機構320もケーシング318内に配置されることが好ましい。したがって、ロック機構320及び固定手段38は、いずれの場合でも、部分的に、これらのコンポーネントのハウジングのタイプを形成するケーシング318内に配置することができる。ケーシング318又はハウジングを、その中に配置されたコンポーネントとともに個々に組み立てることができ、その後、完成した事前に組み立てたユニットを、プレハブ部品316としてアタッチメント10に取り付け可能とするか、又は取り付けることが好ましい。