(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】拡張可能導入器シース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220510BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M25/00 600
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020038658
(22)【出願日】2020-03-06
(62)【分割の表示】P 2019007577の分割
【原出願日】2014-05-13
【審査請求日】2020-03-06
(32)【優先日】2013-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エス. ジン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ティー. カーリー
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0024202(US,A1)
【文献】特開2013-34867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能な導入器シースであって、
管腔を含む拡張可能および収縮可能な
導入器シースチューブ部材であって、前記管腔は、
前記管腔を通って
容器を横断して遠位場所に展開されるデバイスを受け取るための大きさを有し、かつ、拡張可能であり、
前記導入器シースチューブ部材は、メッシュパターンに配列されている複数の編組繊維を含
み、前記デバイスは、介入ツール、診断ツール、および/または、プロテーゼを含む、導入器シースチューブ部材と、
前記導入器シースチューブ部材の近位部分に結合されている非多孔性の拡張可能層であって、
前記非多孔性の拡張可能層は、
前記導入器シースチューブ部材の前記近位部分に沿って位置決めされて
いる、非多孔性の拡張可能層と、
前記導入器シースチューブ部材の近位端
に結合されている
ハブと
を備える、拡張可能な導入器シース。
【請求項2】
前記導入器シースチューブ部材は、
前記デバイスが
前記導入器シースチューブ部材を通って進むにつれて
前記デバイスの周りに局所的に拡張し、その後、
前記デバイスが
前記導入器シースチューブ部材の隣接部分まで進むと局所的に再収縮するように構成されている、請求項1に記載の拡張可能な導入器シース。
【請求項3】
前記導入器シースチューブ部材は、
前記デバイスが除去されると非拡張状態まで収縮可能であるようにさらに構成されている、請求項1に記載の拡張可能な導入器シース。
【請求項4】
前記導入器シースチューブ部材は、
前記デバイスが除去されると非拡張状態まで自己収縮可能であるようにさらに構成されている、請求項3に記載の拡張可能な導入器シース。
【請求項5】
前記導入器シースチューブ部材の遠位部分は、
前記非多孔性の拡張可能層で被覆されていない、請求項1に記載の拡張可能な導入器シース。
【請求項6】
拡張可能な導入器シースであって、
管腔を含む拡張可能および収縮可能な
導入器シースチューブ部材であって、前記管腔は、
前記管腔を通って
容器を横断して遠位位置まで展開されるデバイスを受け取るための大きさを有し、かつ、拡張可能であり、
前記導入器シースチューブ部材は、メッシュパターンに配列されている複数の編組繊維を含み、
前記導入器シースチューブ部材は、第1の縮小構成を有し、かつ、
前記デバイスが前記管腔を通過する間に受動的に、
前記デバイスによって占有された場所において、局所的かつ一時的に第2の拡張構成に遷移することが可能であり、
前記導入器シースチューブ部材は、
前記デバイスが前記場所を超えて遠位に移動
した後の場所において、前記第1の縮小構成に再縮小する、
導入器シースチューブ部材と、
前記導入器シースチューブ部材の近位部分に結合されている非多孔性の拡張可能層であって、
前記非多孔性の拡張可能層は、
前記導入器シースチューブ部材の前記近位部分に沿って位置決めされて
いる、非多孔性の拡張可能層と、
前記導入器シースチューブ部材の近位端
に結合されている
ハブと
を備える、拡張可能な導入器シース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国特許法§119に基づき、米国仮出願第61/824,471号(2013年5月17日出願)の利益を主張する。上記出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、主幹動脈等の脈管を通して行われる医療的介入に関し、より具体的には、経皮的弁置換術等の経皮的手技を行うためのアクセスおよび展開構成に関し、導入器シースが、器具、プロテーゼ、および他の構造物を通すための低侵襲的血管アクセスを提供するために利用され得る。
【背景技術】
【0003】
心臓および心臓血管の解剖学的構造の他の部分へのアクセスを得ることは、心臓血管の医療における継続的課題である。例えば、弁置換術等のタスクを達成するための従来の観血外科手技は、概して、開胸術および/または心臓自体の壁を横断した1つ以上のアクセスポートの生成を伴い、比較的に高侵襲的であり、したがって、望ましくない。近年、カテーテルベースの経皮的介入の分野において進歩がなされ、カテーテル、ガイドワイヤ、およびプロテーゼ等の器具類は、心臓血管系に関連付けられた心臓、脳、または他の組織構造へそのような構造に接続された脈管を通して運ばれる。これらの血管経路は、かなり蛇行し、幾何学的に小さい場合があり、したがって、経皮的手技に関する課題の1つは、血管系または関連付けられた解剖学的構造を損傷させることなく、アクセスを得ることと、所望の介入および/または診断手技を行うことと、付随器具類を除去することとにある。従来、経皮的手技に関して、
図1に描写される(2)等の導入器および拡張器セットが、動脈切開または他の血管系への外科的アクセスを通して、使用可能なアクセス導管を提供するために利用されている。大きく、比較的直線状で、かつ比較的非罹患の脈管上の手技に対して、そのような構成は、適切であり得るが、多くの場合、心臓血管の診断および/または介入手技は、罹患心臓血管系上かつ蛇行性解剖学的構造内で行われる。比較的効率的な幾何学的パッケージで(すなわち、縮小状態における)血管アクセスを確立するために利用され、必要に応じて、器具類、プロテーゼ、または他の構造物(例えば、Medtronic,Incから利用可能であるCoreValve(RTM)大動脈弁プロテーゼの非拡張送達サイズは、約18フレンチであり、Edwards Lifesciences,Inc.から利用可能であるSapien(RTM)弁の非拡張送達サイズは、どのサイズが利用されるかに応じて、18~24フレンチである)を通すために原位置で拡張され、関連付けられた解剖学的構造が、望ましくなく、引き出しの間、負荷を受け、または損傷されないように、引き出しの前または間に再縮小され得る、より良好なアクセスツールおよび手技の必要がある。本発明の種々の実施形態は、拡張可能導入器シース構成に関するこれらの課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態は、脈管を横断して、遠位場所にデバイスを展開するためのシステムであって、それを通して管腔を画定する、開放セル繊維壁材料を備えている細長い導入器シースチューブ部材であって、縮小構成において、シースは、第1の断面外径および第1の管腔内径を有し、拡張構成において、シースは、第2の断面外径および第2の管腔内径を有する、細長い導入器シースチューブ部材と、シースの近位部分に結合され、管腔内に存在する流体が繊維壁材料を横切ることを防止するように構成されている実質的に非多孔性の拡張可能層とを備えている、システムを対象とする。縮小構成において、シースは、シースの第1の断面外径と脈管の管腔の内径プロファイルとの間に実質的サイズ干渉を伴わずに、脈管の少なくとも一部を横断して、遠位場所に隣接する位置まで前進させられるように構成され得る。縮小構成を遠位場所に対する所望の位置に位置付けると、シースは、第1の断面外径より大きい直径である、管腔を通した1つ以上の比較的大きい直径の構造物の通過を促進するために拡張構成に拡張されるように構成され得る。1つ以上の比較的大きい直径の構造物の通過が完了すると、シースは、縮小構成に戻るように縮小されるように構成され得る。第1の管腔内径は、約0mm~約4mmに等しくあり得る。第2の管腔内径は、約4mm~約7mmに等しくあり得る。本システムはさらに、シースに結合され、蛍光透視下で観察しているオペレータが、シースを脈管に対して位置付けることを補助するように構成される、1つ以上の放射線不透過性マーカーを備え得る。開放セル繊維壁材料は、繊維のマトリクスを備え得る。繊維のマトリクスは、編組パターンで配列され得る。繊維は、ポリマー材料を備え得る。ポリマー材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、およびそれらのコポリマーから成る群から選択され得る。繊維は、各々、約0.003インチ~約0.015インチの直径を有し得る。繊維のマトリクスは、第2の断面外径を越えるシースの拡張を防止するように機能するように構成され得る。繊維のマトリクスは、管腔を通る構造物の通過によって拡張構成にさせられるまで、シースを付勢し縮小構成のままであるように構成され得る。繊維のマトリクスは、管腔に通される構造物の周囲に局所的に拡張し、次いで、構造物が管腔の隣接部分へ通過するにつれて、局所的に再縮小するように構成され得る。実質的に非多孔性の拡張可能層は、シリコーンゴム、オレフィンブロックコポリマー、およびそれらのコポリマーから成る群から選択される可撓性ポリマー材料を備え得る。繊維のマトリクスは、約0.002インチ~約0.20インチの直径を有する、壁材料を横断する細孔を画定し得る。本システムはさらに、内側作業管腔を画定するために、細長い導入器シースチューブ部材の管腔を通して動作可能に結合されている内側ライナ部材を備え得、内側ライナ部材は、チューブ部材を構造的に補強し、内側作業管腔に通され得る構造物の間の相対運動を促進するように構成される。実質的に非多孔性の拡張可能層は、遠位に、約10センチメートルの長さにわたって、細長い導入器シースチューブ部材の近位端から延びるように構成され得る。本デバイスは、脈管を横断して遠位場所まで、拡張可能なシースに通されるように選択される、埋込型プロテーゼを備え得る。埋込型プロテーゼは、心臓弁プロテーゼを備え得る。繊維のマトリクスは、メッシュパターンを備え得る。本システムはさらに、繊維のマトリクスの少なくとも一部に動作可能に結合され、そのような部分を弛緩構成に維持するように構成される、張力部材を備え得、張力部材は、オペレータによって手動で引っ張られるか、または緩められるように構成される、近位部分を備えている。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
脈管を横断して遠位場所にデバイスを展開するためのシステムであって、
a.開放セル繊維壁材料を備えている細長い導入器シースチューブ部材であって、前記開放セル繊維壁材料は、前記細長い導入器シースチューブ部材を通る管腔を画定し、縮小構成において、前記シースは、第1の断面外径および第1の管腔内径を有し、拡張構成において、前記シースは、第2の断面外径および第2の管腔内径を有する、細長い導入器シースチューブ部材と、
b.シースの近位部分に結合され、前記管腔内に存在する流体が前記繊維壁材料を横切ることを防止するように構成されている実質的に非多孔性の拡張可能層と
を備えている、システム。
(項目2)
前記縮小構成において、前記シースは、前記シースの第1の断面外径と前記脈管の管腔の内径プロファイルとの間の実質的サイズ干渉を伴わずに、前記脈管の少なくとも一部を横断して、前記遠位場所に隣接する位置まで前進させられるように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記縮小構成を前記遠位場所に対する所望の位置に位置付けると、前記シースは、前記管腔を通した1つ以上の比較的大きい直径の構造物の通過を促進するために前記拡張構成に拡張されることが可能であり、前記管腔は、直径において前記第1の断面外径より大きい、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記1つ以上の比較的大きい直径の構造物の通過が完了すると、前記シースは、前記縮小構成に戻るように縮小されることが可能である、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記第1の管腔内径は、約0mm~約4mmに等しい、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記第2の管腔内径は、約4mm~約7mmに等しい、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記シースに結合されている1つ以上の放射線不透過性マーカーをさらに備え、前記1つ以上の放射線不透過性マーカーは、蛍光透視下で観察しているオペレータが前記シースを前記脈管に対して位置付けることを補助するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記開放セル繊維壁材料は、繊維のマトリクスを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記繊維のマトリクスは、編組パターンで配列されている、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記繊維は、ポリマー材料を備えている、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記ポリマー材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、およびそれらのコポリマーから成る群から選択される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記繊維は、各々、約0.003インチ~約0.015インチの直径を有する、項目8に記載のシステム。
(項目13)
前記繊維のマトリクスは、前記第2の断面外径を越える前記シースの拡張を防止するように機能する、項目8に記載のシステム。
(項目14)
前記繊維のマトリクスは、前記シースが前記管腔を通る構造物の通過によって前記拡張構成にさせられるまで、前記シースを前記縮小構成のままであるように付勢するように構成されている、項目8に記載のシステム。
(項目15)
前記繊維のマトリクスは、前記管腔に通される前記構造物の周囲に局所的に拡張し、次いで、前記構造物が前記管腔の隣接部分へ通過するにつれて、局所的に再縮小するように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記実質的に非多孔性の拡張可能層は、シリコーンゴム、オレフィンブロックコポリマー、およびそれらのコポリマーから成る群から選択される可撓性ポリマー材料を備えている、項目1に記載のシステム。
(項目17)
前記繊維のマトリクスは、約0.002インチ~約0.20インチの直径を有する、前記壁材料を横断する細孔を画定する、項目8に記載のシステム。
(項目18)
内側作業管腔を画定するために、前記細長い導入器シースチューブ部材の管腔を通して動作可能に結合されている内側ライナ部材をさらに備え、前記内側ライナ部材は、前記チューブ部材を構造的に補強し、前記内側作業管腔に通され得る構造物の間の相対運動を促進するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記実質的に非多孔性の拡張可能層は、約10センチメートルの長さにわたって、前記細長い導入器シースチューブ部材の近位端から遠位に延びている、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記デバイスは、前記脈管を横断して前記遠位場所まで、前記拡張可能シースに通されるように選択される埋込型プロテーゼを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目21)
前記埋込型プロテーゼは、心臓弁プロテーゼを備えている、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記繊維のマトリクスは、メッシュパターンを備えている、項目8に記載のシステム。
(項目23)
前記繊維のマトリクスの少なくとも一部に動作可能に結合されている張力部材をさらに備え、前記張力部材は、そのような部分を弛緩構成に維持するように構成され、前記張力部材は、オペレータによって手動で引っ張られるか、または緩められるように構成されている近位部分を備えている、項目1に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、心臓血管の介入のための従来の導入器および拡張器キットの種々の側面を例証する。
【
図2A】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2B】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2C】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2D】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2E】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2F】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2G】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2H】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2I】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2J】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2K】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2L】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2M】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2N】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図2O】
図2A-2Oは、種々の心臓血管の手技を行う際、使用され得る、発明に関する拡張可能な導入器シースの種々の側面を例証する。
【
図5】
図5は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図6】
図6は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図7】
図7は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図8】
図8は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図9】
図9は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図10】
図10は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図11】
図11は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【
図12】
図12は、本発明による、低侵襲的外科的アクセス技術の種々の側面を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
再度、
図1を参照すると、近位ルアーアセンブリ(6)を伴う細長い拡張器(4)を備えている従来の導入器シースおよび拡張器キット(2)が、描写され、拡張器は、ハブ(12)構造に結合される近位密封を通して導入器シースの作業管腔(56)の中に挿入されるように構成され、ハブ(12)は、栓(8)を伴う延長管にも結合され、栓(8)は、例えば、導入器管腔(56)の中への流体の注入のために利用され得る。従来の導入器シースは、ハブ(12)の近位に結合される細長い管状部材(10)を備え、細長い管状部材(10)は、その既製作業管腔(56)直径(すなわち、それらは、概して、拡張可能直径寸法を有すると見なされない)のために選択される導入器シースをもたらす比較的非拡張可能ポリマー材料またはポリマー材料の組み合わせから作製されるであろう。あるトローカルおよび導入器カテーテルが、拡張可能直径幾何学形状で作られるが、フープ応力および摩擦の制約に起因して、その拡張能力が限定される(すなわち、比較的低弾性率の場合、またはゴム状材料の場合でさえ、直径拡張は、拡張シース材料のフープ応力に少なくとも線形比例し、フープ応力は、摩擦荷重に比例し、摩擦荷重は、概して、有用な拡張能力制限をもたらすであろう。(有用な拡張能力制限を越えたあまりにも大きい荷重が、作業管腔に通される構造物と、作業管腔を画定するシースとの間の相対運動を発達させるために必要とされる))
図2Aを参照すると、これらの課題に対処する拡張可能導入器シースの一実施形態が、描写され、導入器シースチューブ材またはアセンブリ(14)は、編組またはメッシュパターンに配列される複数の編組繊維を備え、複数の編組繊維は、導入器作業管腔(56)を画定するシースチューブ材を構成する開放セル繊維壁材料を形成する。一実施形態では、導入器シースチューブ材(14)の遠位部分(88)は、非多孔性コーティングを伴わないその多孔性形態の開放セル繊維壁材料を備えているが、導入器シースチューブ材(14)の約近位10センチメートル等の近位部分(86)の一部は、患者内に据え付けられるときの出血を防止することを補助するために、実質的に非多孔性の拡張可能層でコーティングされる。(近位部分は、外科的に生成された創傷(動脈切開等)から外へ経皮的に延びる)。
【0007】
図2Bを参照すると、編組構成(16)が描写され、繊維性材料の単一のストランド(20)が、
図2D、2E、または2F(それぞれ、36、38、または40)の描写パターンの1つにおけるように、互に編まれ、開放セル編組構成における繊維の間で利用可能な相対運動に起因して、全体的繊維/メッシュアセンブリの有意な直径拡張能力および収縮能力を可能にする。言い換えれば、それは、全体的構造体の比較的低荷重拡張能力および収縮能力を可能にする、互に対する編組パターンの繊維の利用可能な微動である。この相対運動は、繊維アセンブリが、非多孔性コーティング等の他の構造と組み合わせられるとき、若干減少され得、これは、最大の拡張能力および収縮能力が好ましい一実施形態では、非多孔性コーティングが近位側面上にのみ特徴とされ、または別の実施形態では、全く特徴とされない(すなわち、そのような実施形態では、非多孔性コーティングが存在せず、経皮的アクセス部位における近位滲み出しは、ガーゼ圧縮または非常に薄くかつ高拡張可能潤滑性スリーブ等の編組アセンブリの表面の各部分に直接に結合されないが、わずかなフープ応力のみ伴ってバルク構造物の周囲に本質的に輪状にされる、別の手段によって軽減され得る)理由である。織物、編組、またはメッシュパターン内で交差する繊維の交差角度(24)は、全体的構造の縮小(collapse)または拡張に伴って変化し、縮小直径の下界ならびに拡張直径の上界を確実に制限するように選択され得る。
【0008】
図2Cは、別の編組アセンブリ(18)を描写し、編組繊維の各々は、実際、一緒にグループ化される複数の平行繊維(22)を備え、
図2Cのパターンは、織物、編組、またはメッシュパターンを一緒に進行させる約3つの小さな繊維のグループを有する。
【0009】
一実施形態では、繊維は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、またはそれらのコポリマー等のポリマー材料を備え得る。一実施形態では、繊維は、各々、約0.003インチ~約0.015インチの断面直径を有し得る。一実施形態では、編組、メッシュ、または織物パターンは、約0.002インチ~約0.20インチの直径を有する細孔を拡張可能シース壁材料内に生成し得る。一実施形態では、拡張可能シースアセンブリの近位部分上の非多孔性コーティング層は、シリコーンゴム、オレフィンブロックコポリマー、および/またはそれらのコポリマー等の可撓性ポリマー材料を備え得る。
【0010】
編組繊維アセンブリ(16、18)のいずれかが(すなわち、いずれかの端部から)張力を加えられると、そのようなアセンブリを備えている繊維が互に対して移動するにつれて、全体的幾何学形状が減少し、同様に、そのようなアセンブリが圧縮されると、全体的幾何学形状が増加するであろう。この要因は、対象の細長い器具の送達および使用を補助するために制御可能に利用され得る。例えば、
図2Gを参照すると、一実施形態では、プルワイヤまたはプシュワイヤ(また、プッシュロッドとも呼ばれ得る)等の細長い荷重部材(46)が、(導入器シースチューブ材(14)の遠位先端(42)に結合される遠位リング部材(44)に対する直接機械的結合部によるもの等)導入器シースチューブ材(14)の遠位端(42)と、プッシュまたはプルハンドル等の近位制御インターフェース(48)に対する近位結合部との間に動作可能に結合され得、プッシュまたはプルハンドルは、オペレータが張力または圧縮荷重(50)を細長い荷重部材(46)に手動で加えることを可能にするように構成される。そのような結合構成は、近位場所からの導入器シースチューブ材(14)の手動作動および制御拡張または収縮を可能にする。先に
図2Nを参照すると、拡張器アセンブリまたはその一部、および/あるいは一時係止部材(80)等の他の関連付けられた構造が、関連付けられた解剖学的構造に対する導入器シースチューブ材(14)の挿入または除去を補助するために、導入器シースチューブ材(14)を持続引っ張り荷重構成に置くために利用され得る(
図2Nは、拡張器アセンブリの2つの部分(内側拡張器部材64および外側拡張器部材66)を互に対して荷重構成に係止するために、係止部材80を利用する実施形態を例証し、内側拡張器部材は、張力状態にあり、外側拡張器部材は、圧縮状態にあり、シースチューブ材14の遠位部分がそのような拡張器部材64と拡張器部材66との間に相互結合されたままであり、導入器シースチューブ材14は、係止部材80が除去されるまで、断面直径の減少を保持するために、張力がかけられた状態に能動的かつ持続的に引っ張られ得る。)。
【0011】
図2Hを参照すると、別の実施形態では、導入器シースチューブ材(14)を通して構造物の挿入および/または引き出しを補助するために、それを通して管状ライナ部材管腔を画定する、ポリマー管状部材等の管状ライナ部材(52)を挿入することが望ましくあり得る。管状ライナ部材は、ある程度の剛性およびキンク抵抗を全体的アセンブリに効果的に提供するために、導入器シースチューブ材(14)のものを上回る構造上の引張応力を有するように選択され得る。管状ライナ部材(52)の内径は、好ましくは、管状ライナ部材(52)の実質的拡張を伴わずに、選択される器具類を収容するであろう、それを通した作業管腔を画定するようにサイズ決定され、管状ライナ部材(52)の挿入は、概して、関連付けられた導入器シースチューブ材(14)を比較的縮小構成(collapsed configulation)から比較的拡張構成にさせ、管状ライナ部材の除去は、導入器シースチューブ材(14)が、比較的縮小構成に復帰することを可能にし、これは、定位置における導入器シースチューブ材(14)が、管状ライナ部材(52)をより拡張構成にさせる、
図2Hと、管状ライナ部材が除去され、導入器シースチューブ材(14)が、比較的縮小構成に復帰することを可能にする、
図2Iに描写された導入器シースチューブ材(14)の外径(60、62)の差異で実証される。
【0012】
図2Jを参照すると、心臓血管アクセス構成において、他の構造とともに導入器シースチューブ材(14)を利用するアセンブリが示される。この実施形態では、
図2Nを参照して上記に説明されるように、2つの部分から成る拡張器アセンブリが、使用される。アセンブリは、外側の細長い拡張器部材(66)に移動可能に結合される、内側の拡張器アセンブリ(テーパ状遠位部分72を有する遠位拡張器先端68に固定的に結合される内側細長い拡張器部材64から構成され、内側細長い拡張器部材の近位部分は、ハブ12の密封部を通して嵌められ、ルアーアセンブリ6に近位結合される)を備えている。この拡張器アセンブリは、わずかに圧縮様式で拡張器先端部材(68)の近位側面のテーパ状陥凹内側幾何学形状(70)の中に結合される、導入器シースチューブ材(14)のテーパ状遠位部分(74)を除いて、ハブ(12)を通して、かつ導入器シースチューブ材(14)を通して、嵌合される。上記およびさらに
図2Nを参照して下記に説明されるように、シースチューブ材(14)の遠位部分が、拡張器先端部材(68)の逆テーパ状部(70)と外側拡張器部材(66)のテーパ状遠位部分(78)との間に相互結合された状態で、シースチューブ材(14)の遠位部分がピンチされたままであり、したがって、拡張器先端部材(68)と外側拡張器部材(66)のテーパ状終了部分(78)との間に結合される間、シースチューブ材(14)は、外側拡張器部材(66)をさらに挿入することによって、断面幾何学形状を低減させるために、張力をかけられ得、この挟圧制約を伴わない場合、シースチューブ材(14)の遠位部分は、拡張器先端部材(68)から自由に逃げることを可能にされ得る。
【0013】
図2Kは、拡張器先端部材(68)に結合される内側細長い拡張器部材(64)を備えている内側拡張器アセンブリを例証し、拡張器先端部材(68)は、テーパ状遠位部分(72)およびテーパ状近位内部表面(70)を有し、テーパ状近位内部表面(70)は、
図2Lの遠位テーパ状(78)外側拡張器部材(66)または
図2Mの遠位テーパ状(74)導入器シースチューブ材(14)等の、その中に挿入され得る別のテーパ状部材と保持可能に結合する。
図2Mはまた、
図2Nを参照して説明されるように、外側拡張器部材(66、破線で示される)が、外側拡張器部材(66)と、内側拡張器部材(64、同様に破線)に結合される拡張器先端部材(68)との間においてピンチ結合様式で、導入器シースチューブ材(14)の遠位部分を捕捉するために、導入器シースチューブ材(14)の管腔を通して、挿入され得ることを例証する。
【0014】
上記に説明されるように、
図2Nは、係止部材(80)が、挿入/引き出し性能の改善のために、導入器シースチューブ材(14)の全体的断面幾何学形状を低減させるように、ハブ(12)と拡張器先端(68)との間に導入器シースチューブ材(14)を張力状態に置くために、ハブ(12)と拡張器部材(64)の近位部分との間に一時的に位置付けられ得ることを例証する。
【0015】
図2Oを参照すると、参照することによって、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第61/822,204号に説明される変形例等の介入アセンブリ(84)、すなわち、細長い管状部材(82)を備えているアセンブリ(84)は、本明細書に説明されるように、導入器シースチューブ材(14)を用いて利用され得る。
【0016】
図3-12を参照すると、上記に説明されるもの等の拡張可能導入器シースを利用する手技のための種々の構成が、例証される。
【0017】
図3を参照すると、術前診断および患者準備(202)の後に、外科的に生成された動脈切開カットダウンによるもの等の血管アクセスが、確立され得、0.035インチ直径ガイドワイヤ等のガイドワイヤが、挿入され得る(204)。開放セル編組繊維管または管状のアセンブリを備えている拡張可能導入器アセンブリの縮小形態(すなわち、約0mm~約4mmの第1の内側管腔直径を伴う)が、挿入され得る(206)。一実施形態では、拡張可能繊維アセンブリは、例えば、約4mm~約7mmの内側作業管腔直径を提供するために拡張され得る。管状の導入器シースアセンブリが定位置にある状態で、関連付けられた拡張器アセンブリは、除去され得る(208)。一実施形態では、これは、拡張器遠位部分とハブ(
図2Nを参照して上記に説明されるような)との間で、拡張可能シースの遠位端を張力から解放するために、相互結合編組拡張可能シースに対して拡張器アセンブリの遠位部分を前進させ、拡張器遠位部分が拡張可能シースの作業管腔/内径を通して近位に引き出されることを可能にするために十分な内径を提供するように拡張することを可能にすることによって、達成され得る。そのような点において、拡張可能シースは、比較的拘束されずに定位置に、ガイドワイヤは、拡張可能シースの作業管腔を通して定位置にあるままである。一実施形態では、1つ以上の放射線不透過性マーカーが、展開場所の撮像確認を補助するために、拡張可能シースアセンブリに結合され得る。再度、
図3を参照すると、介入および/または診断ツールおよび/またはプロテーゼが、拡張可能シースを通して挿入され、それによって、シースをさらに拡張し得る(210)。拡張可能シースの拡張は、比較的大きい部材がシースの所与の一部に通され、かつそれを通り越えた後に、その部分が少なくとも部分的に再縮小するように、局所化され得る。介入および/または診断ツールの利用が完了された後に、それらは、除去されるまで近位に引き出され得、拡張可能シースは、さらに縮小または直径を収縮させることを可能にされ得る(212)。続いて、縮小拡張可能シースおよびガイドワイヤは、近位に引き出され(214)、外科的アクセスは、閉鎖され得る(216)。
【0018】
図4を参照すると、
図3の実施形態のステップ210、および212が、ステップ218、220、222、および224と置換されていることを除いて、
図3のものに類似する実施形態が、描写され、管状のライナが、拡張可能な導入器管腔の少なくとも一部を占有し、新しい作業管腔として利用され得るライナ内の管腔を形成するように、挿入され(218)、介入および/または診断手技ステップのためのツールが、手技が行われる間、ライナ管腔を通して挿入され得(220)、手技が完了された後に、ツールは、ライナ管腔を通して外に引き出され得(222)、続いて、管状のライナ自体は、拡張可能シースが、そのような拡張可能シースの引き出しのためにより縮小幾何学形状を形成する(214)ことを可能にするために引き出され得る(224)。
【0019】
図5は、追加のステップが含まれる(226)ことを除いて、
図3のものに類似する実施形態を例証し、細長い荷重部材が、編組繊維拡張可能シースを圧縮状態に置くために張力がかけられ、それによって、導入器管腔を通して構造物のより容易な通過のために関連付けられ画定された導入器管腔の直径を強制的に増加させ得る。
【0020】
図6は、拡張可能シースアセンブリの挿入が、挿入の間、拡張可能シースの引っ張り荷重を作るためにプシュワイヤを使用して拡張可能シースの直径幾何学形状を強制的に最小化することによって促進される(228、230)ことを除いて、
図3のものに類似する実施形態を例証する。
【0021】
図7は、同一の実施形態/手技の両方において、張力が、挿入の間、拡張可能シース部材の外側幾何学形状を最小化するように制御可能に加えられるように(228、230)、および圧縮がそれを通した器具類の挿入のために拡張可能シース部材の幾何学形状を最大化するように制御可能に加えられるように(226)、
図3のそれに対する
図5および6の実施形態の差異を組み合わせる。
【0022】
図8は、
図4のものに類似する実施形態を例証し、管状部材またはライナが、シース拡張および器具類の挿入能力/後退能力を補助するために、拡張可能シースの中に挿入され得(218、220、222、224)、また、この実施形態に組み合わせられるのは、それを通した器具類の挿入のために、拡張可能シース部材の幾何学形状を最大化するように、拡張可能シース部材の圧縮荷重を作る前述の側面である(226)。
【0023】
図9は、
図4のものに類似する実施形態を例証し、管状部材またはライナが、シース拡張および器具類の挿入能力/後退能力を補助するために、拡張可能シースの中に挿入され得(218、220、222、224)、この実施形態に組み合わせられるのは、血管系からの挿入または引き出しのために、拡張可能シース部材の幾何学形状を最小化するように拡張可能シース部材の引っ張り荷重を作る前述の側面である(228、230)。
【0024】
図10は、
図4のものに類似する実施形態を例証し、管状部材またはライナが、シース拡張および器具類の挿入能力/後退能力を補助するために、拡張可能シースの中に挿入され得(218、220、222、224)、また、この実施形態に組み合わせられるのは、それを通した器具類の挿入のために、拡張可能シース部材の幾何学形状を最大化するように、拡張可能シース部材の圧縮荷重を作る前述の側面(226)、ならびに血管系からの挿入または引き出しのために、拡張可能シース部材の幾何学形状を最小化するように拡張可能シース部材の引っ張り荷重を作る前述の側面である(228、230)。
【0025】
図11は、
図2Jに示されるもののように、
図7のものに類似する実施形態を例証し、追加の重要項目は、2つ以上の部分を備えている拡張器アセンブリを有することである(232)。
【0026】
同様に、
図12は、
図2Jに示されるもののように、
図10のものに類似する実施形態を例証し、追加の重要項目は、2つ以上の部分を備えている拡張器アセンブリを有することである(232)。
【0027】
本発明の種々の例示的実施形態が本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を図示するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が代用され得る。加えて、多くの修正が、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス作用またはステップを、本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように行われてもよい。さらに、当業者によって、本明細書で説明および図示される個々の変形例の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられてもよい、離散構成要素および特徴を有することが理解されるであろう。全てのそのような修正は、本開示に関連付けられる特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0028】
対象診断または介入手技を実行するために説明されるデバイスのうちのいずれかは、そのような介入を実行する際に使用するためのパッケージ化した組み合わせで提供され得る。これらの供給「キット」はさらに、使用説明書を含んでもよく、そのような目的で一般的に採用されるような滅菌トレイまたはコンテナの中でパッケージ化され得る。
【0029】
本発明は、主題デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する作用を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって行われてもよい。言い換えれば、「提供する」作用は、エンドユーザが、主題方法において必要デバイスを提供するように、取得する、アクセスする、接近する、位置付ける、設定する、起動する、電源を入れる、または別様に作用することを要求するにすぎない。本明細書に記載の方法は、論理的に可能である、記載した事象の任意の順序で、ならびに事象の記載した順序で実行され得る。
【0030】
本発明の例示的な側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で説明されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照した特許および出版物との関連で理解され、かつ概して当業者によって知られ、または理解され得る。例えば、当業者であれば、所望の場合、例えば、器具類の他の部分または近くの組織構造に対して、可動連結部品の比較的広い界面等のデバイスの種々の部分の低摩擦操作または前進を促進するために、そのような物体と関連して、1つ以上の潤滑被覆(例えば、ポリビニルピロリドンベースの組成物等の親水性ポリマー、テトラフルオロエチレン等のフッ素重合体、親水性ゲル、またはシリコーン)が使用され得ることを理解するであろう。同じことが、一般的または論理的に採用されるような追加の作用に関して、本発明の方法ベースの側面に関しても当てはまり得る。
【0031】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意的に組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して検討されるように、説明または指示されるものに限定されない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物(本明細書で記載される、またはいくらか簡略にするために含まれない)が代用され得る。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値も、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0032】
また、説明される本発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれかの1つ以上のものと組み合わせて説明され得ることが検討される。単数項目への言及は、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる請求項で使用されるように、「a」、「an」、「said」、および「the」等の単数形は、特に指定がない限り、複数の指示対象を含む。言い換えれば、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示に関連付けられる請求項において、対象項目の「少なくとも1つ(at least one)」を可能にする。さらに、そのような請求項は、いずれの随意的要素も除外するように起草され得ることに留意されたい。そのようなものとして、この記述は、請求項の要素の記載に関連した「単独で(solely)」、「のみ(only)」、および均等物等の排他的用語の使用、または「負の」制限の使用の根拠としての機能を果たすことを目的としている。
【0033】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示に関連付けられる請求項の中の「備えている(comprising)」という用語は、所与の数の要素が、そのような請求項の中で列挙されるか、または特徴の追加を、そのような請求項で説明される要素セットの性質を転換するものと見なすことができるかどうかにかかわらず、任意の追加の要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術的および化学的用語は、請求項の妥当性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味が与えられるものである。
【0034】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または本明細書に限定されず、本開示に関連付けられた特許請求の範囲の用語の範囲によってのみ限定される。