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特許7069254少なくとも2つのユニットを備える電気加熱式喫煙システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】少なくとも2つのユニットを備える電気加熱式喫煙システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/90 20200101AFI20220510BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220510BHJP
【FI】
A24F40/90
A24F47/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020118219
(22)【出願日】2020-07-09
(62)【分割の表示】P 2018001376の分割
【原出願日】2011-11-18
(65)【公開番号】P2020178708
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】10251966.7
(32)【優先日】2010-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】シュムラ マーク-ロベール
(72)【発明者】
【氏名】ストール フレードリク
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-526553(JP,A)
【文献】特許第3392138(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3160951(JP,U)
【文献】特表2009-509521(JP,A)
【文献】特許第6275221(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/90
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エーロゾル形成基体を有する喫煙物品を収容可能な二次ユニットを含む電気加熱式喫煙システムであって、前記二次ユニットは、
少なくとも1つの加熱素子と、
一次電源に接続するインタフェースと、
電力を前記少なくとも1つの加熱素子に供給するための二次電源と、
二次回路と、
を備え、前記二次回路は、
前記エーロゾル生成基体の温度が作動温度に上昇される予熱モードにおいて、前記二次電源から前記少なくとも1つの加熱素子への電力を制御し、
前記エーロゾル生成基体の温度が実質的に前記作動温度に維持される喫煙モードにおいて、前記二次電源から前記少なくとも1つの加熱素子への電力を制御し、
充電モードにおいて、前記二次電源が、前記予熱モードにおいて前記エーロゾル生成基体の温度を前記作動温度に上昇させ、前記喫煙モードにおいて前記エーロゾル生成基体の温度を実質的に前記作動温度に維持する十分な充電状態になるように、前記一次電源による前記二次電源の充電を制御し、
電気加熱式喫煙システムは、さらに、前記一次電源及び一次回路を含む一次ユニットを備え、
前記一次ユニットは、複数の接続可能モジュールを備え、複数の接続可能モジュールの各々が、複数の接続可能モジュールのうちのいずれかのモジュールに対して接続可能且つ当該いずれかのモジュールから取り外し可能であり、
複数の接続可能モジュールの各々が、それぞれの二次ユニットに対するドッキングポートを含む、電気加熱式喫煙システム。
【請求項2】
前記二次回路は、前記予熱モード及び前記喫煙モードの両方において必要な電力の推定値の計算に基づいて、前記二次電源が、前記予熱モードにおいて前記エーロゾル生成基体の温度を前記作動温度に上昇させ、前記喫煙モードにおいて前記エーロゾル生成基体の温度を実質的に前記作動温度に維持する十分な充電状態にあるか否かを判定するように構成される、請求項1に記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項3】
前記計算は、前記喫煙モード中にユーザが吸引する予め定められた吸煙回数、前記予熱モードに必要な電力、及び前記喫煙モードに関連する消費者個別情報のうちの1つ又はそれ以上に基づく、請求項2に記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項4】
前記インタフェースは、二次ユニットとインテリジェントデバイスとの間の双方向通信を可能にする、請求項1から3のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項5】
前記一次ユニットの前記モジュールは、モジュールのネスト又はチェーンの形である、請求項1に記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項6】
複数の二次ユニットを備える、請求項1から5のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項7】
前記二次ユニットのそれぞれは、前記一次ユニットの側面に取り外し可能に付けられる、請求項6に記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項8】
前記一次ユニットは、1つ又はそれ以上の二次ユニットのための格納手段を含む、請求項1から7のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項9】
前記一次ユニットは、少なくとも1つの喫煙物品のための格納手段を含む、請求項1から8のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項10】
前記二次ユニットは断熱される、請求項1から9のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システム。
【請求項11】
一次電源及び一次回路を備える、請求項1から10のいずれかに記載の電気加熱式喫煙システムのための一次ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次電源に接続可能な二次電源を含み、喫煙物品を収容するためのユニットを有する電気加熱式喫煙システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの利点を有する電気式喫煙システムは、多数の従来技術に開示されている。1つの利点は、喫煙者が喫煙経験時に喫煙システムを選択的に作動させることを可能にしながら副流煙を著しく低減できる点にある。一般的に、従来の電気式喫煙システムは、喫煙物品を収容するためのハウジング、エーロゾルを発生させる加熱素子、電源及び必須の電子回路を含む。この回路は、手動で又はシガレットをハウジングに挿入することで作動し、加熱素子の作動を所定期間に制限することができる。
【0003】
しかしながら、従来のいくつかの電気式喫煙システムには欠点がある。サイズが着火端式シガレットに近く、デバイスを着火端式シガレットと同じようにユーザの指の間に保持できるように、デバイスを小型化してユーザに使いやすいようにすることは好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第4,714,082号明細書
【文献】米国特許第5,692,525号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、改良された電気加熱式喫煙システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様において、エーロゾル形成基体を有する喫煙物品を収容することができる二次ユニットを含む電気加熱式喫煙システムが提供され、二次ユニットは、少なくとも1つの加熱素子と、一次電源に接続するインタフェースと、電力を少なくとも1つの加熱素子に供給するための二次電源と、二次回路とを備え、該二次回路は、エーロゾル形成基体の温度が作動温度に上昇される予熱モードにおいて二次電源から少なくとも1つの加熱素子への電力を制御し、エーロゾル形成基体の温度が実質的に作動温度に維持される喫煙モードにおいて二次電源から少なくとも1つの加熱素子への電力を制御し、更に、充電モードにおいて、二次電源が、予熱モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために十分な充電状態になるように、一次電源による二次電源の充電を制御するように構成される。
【0007】
二次ユニットは、喫煙物品を収容するように設計され、喫煙経験中にユーザによって保持される。二次ユニット内の電源は、喫煙が始まる前にエーロゾル形成基体の温度を作動温度まで加熱する。また、二次ユニット内の電源は、喫煙経験中にエーロゾル形成基体の温度を維持する。二次ユニットは、一次電源に接続する。一次電源は、二次ユニットが使用中でない場合、充電モード中に二次電源を充電するために使用される。一次電源は、二次ユニットから分離された一次ユニットの一部を形成することができる。
【0008】
二次ユニット内に二次電源と、別個の外部の一次電源とを供給することにより(すなわち、喫煙システムのための電源を二次ユニット内で一次電源と二次電源の間で分割することにより)、二次ユニットのサイズを低減することができる。二次ユニットは、好ましくは、喫煙物品よりもごく僅かに大きい。二次ユニットは、好ましくは、着火端式シガレットのサイズとほぼ同様か又はそれよりもごく僅かに大きい。従って、二次ユニットは、着火端式シガレットと同様にユーザの指の間に保持することができる。
【0009】
好ましくは、二次回路は、予熱モード及び喫煙モードの両方において必要な電力の推定値の計算に基づいて、二次電源が、予熱モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために十分な充電状態にあるか否かを判定するように構成される。
【0010】
計算は、喫煙モード中にユーザが吸引する予め定められた吸煙回数、予熱モードに必要な電力、及び喫煙モードに関連する消費者個別情報のうちの1つ又はそれ以上に基づくことができる。
【0011】
計算は、二次回路によって行うことができる。予め定められた吸煙回数は、着火端式シガレットを喫煙するユーザが吸引する一般的な吸煙回数にほぼ等しいものとすることができる。消費者個別情報は、収集及び蓄積した電力消費情報を含むことができる。電力消費情報は、予め定められた吸煙回数を可能にするために、例えば、消費者の吸煙強度及び期間である実際の消費によって決まる。電力消費情報は、好ましくは二次ユニットに格納される。このことは、二次回路が充電モード中に電力供給を制御するように構成されるので好都合である。電力消費情報は、代替的に一次ユニットに格納することができる。電力消費情報は、二次ユニットから一次ユニットへ転送することができる。一次電源に接続するためのインタフェースにより、充電モード中に一次電源から二次ユニットまで電力が供給されるようになる。また、インタフェースにより、二次回路は充電モード中に電力供給を制御できる。その目的のために、その接続は、「ユニバーサルシリアルバス(USB)」接続又は同軸ケーブルのような有線接続とすることができる。USB接続は、USB通信リンクが双方向通信及び同様に電力リンク(通常、5V)を供給するので好都合である。
【0012】
インタフェースは、代替的に又は追加的に、喫煙システムの他の機能性及び特徴を助長することができる。その目的のために、その接続は、有線接続(USB接続のような)又は無線接続(B1uetooth接続のような)とすることができる。好ましくは、インタフェースは、二次ユニットと、それ自体のコンピュータ性能を有し、一次電源として作用することができるインテリジェント装置又はホストとの間の双方向通信を容易にする。それによってインテリジェント装置又はホストから二次ユニットのデータのダウンロードが可能になり、また二次ユニットからインテリジェント装置又はホストまでデータがアップロードされるようになる。
【0013】
好ましくは、この接続は、インタフェース規格の下で作動する。インタフェース規格は、2つ又はそれ以上のシステム又は機器の部品間の情報交換を可能にする必要があるコード変換、回線割り当て、プロトコルコンプライアンスのような1つ又はそれ以上の機能的特性、又は電気的、機械的、又は光学特性のような物理特性を説明する規格である。通信リンクの適切なインタフェース規格の例は、限定されるものではないが、「推奨規格232(RS-232)」規格群、USB、B1uetooth、FireWire(IEEE 1394インタフェースのためのアップル・インコーポレーテッドの商標)、IrDA(赤外線通信協会-赤外線光線によるデータの短距離交換のための通信規格)、Zigbee(登録商標)(無線個人領域ネットワークのためのIEEE 802.15.4規格に基づく規格)、及び他のWi-Fi規格を含む。
【0014】
好ましくは、二次回路は、プログラム可能である。二次回路は、二次ユニットが個々のユーザの喫煙挙動に対して個人専用にされるようにプログラム可能にすることができる。例えば、二次回路は、二次ユニットを使用している特定ユーザ、又は二次ユニット内に収容された特定の喫煙物品、又はその両方に基づいて、喫煙モード中に少なくとも1つの加熱要素に供給される電力を調節するためにプログラム可能にすることができる。
【0015】
一次電源は、コンピュータのような外部インテリジェント装置又はホスト内に配置することができる。ホストは、パーソナルコンピュータとすることができる。パーソナルコンピュータは、デスクトップコンピュータとすることができる。パーソナルコンピュータは、ラップトップコンピュータ又はノートブックコンピュータとすることができる。パーソナルコンピュータは、携帯情報端末(PDA)、個人用情報機器(PID)、携帯型メディアプレーヤ(アップル社のiPod(登録商標)のようなPMP)、又は携帯用ビデオプレーヤ(PVP)のようなタブレットコンピュータとすることができる。ホストは、携帯セルラー電話とすることができる。
【0016】
一次電源は単に、商用電源(主電源、家庭用電源、国内電源、壁面電源、又はグリッド電源としても公知のもの)のような外部電源とすることができる。すなわち、二次ユニットのインタフェースは、壁面ソケットに接続することができる。一次電源は、例えば、自動車内のような車両内電源とすることができる。すなわち、二次ユニットのインタフェースは、車両内の充電ソケットに接続することができる。
【0017】
好ましい実施形態では、電気加熱式喫煙システムは、一次電源と一次回路とを含む一次ユニットを更に含む。その実施形態では、一次ユニット内に一次電源を及び二次ユニット内に二次電源を提供することにより(すなわち、電源を一次及び二次ユニットの間で分割することにより)、二次ユニットのサイズを減少することができる。更に、いくつかの実施形態において、喫煙経験に必要とされる全ての構成要素は、着火端式シガレットのパックと同じサイズ及び形状の1つのユニット内に収容することができる。
【0018】
一次ユニットを含む実施形態において、予熱モード及び喫煙モードの両モードに必要な電力の推定値の計算は、一次回路によって行うことができる。一次ユニットを含む実施形態において、二次ユニットのインタフェースは、一次ユニットだけに、又は一次ユニット及び他の外部ユニットに接続することができる。
【0019】
一次ユニットを含んでいる実施形態において、予熱モード中に二次電源から少なくとも1つの加熱要素への電力の供給は、二次ユニット内の二次回路に加えて、一次ユニット内の一次回路によって部分的に制御することができる。
【0020】
1つの実施形態において、一次ユニットは、一次電源に電力を供給するための外部電源に接続するためのインタフェースを含む。一次ユニット内のインタフェースは、喫煙システムが使用されていない時の予熱モード中、充電モード中、喫煙モード中、又はそれらの任意の組合せにおいて外部電源から一次電源に電力供給することができる。その目的のために、その接続は、USB接続又は同軸ケーブルのような有線接続とすることができる。外部電源は、単純に商用電源のような電源とすることができる。
【0021】
好ましくは、一次回路は、プログラム可能である。一次電源が外部電源によって充電可能な場合、好ましくは、一次回路は、一次電源の充電を制御する。一次ユニットが外部ホストに接続するためのインタフェースを含む場合、好ましくは、一次電源は、一次ユニットと外部ホストとの間の通信を制御する。
【0022】
一次ユニットを含む実施形態では、電気加熱式喫煙システムは、1つの、つまり唯一の二次ユニットを含む。そのような実施形態は、ただ1人のユーザのために設計されているので有利である。好ましい実施形態において、一次ユニットは、1つの小型ユニットを形成するために1つの二次ユニットのための格納手段を含む。好ましくは、1つの小型ユニットは、ユーザによって携帯することができるものである。
【0023】
一次ユニットを含む代替的な実施形態では、電気加熱式喫煙システムは、2つの、つまりただ2つの二次ユニットを含む。好ましい実施形態において、一次ユニットは、1つの小型ユニットを形成するために2つの二次ユニットのための格納手段を含む。好ましい実施形態では、一次ユニットは、第1の二次ユニットを収容するための第1のモジュールと、第2の二次ユニットを収容するための第2のモジュールとを含む。各モジュールは、一次ユニットの一部の又は全ての機能性を含むことができる。
【0024】
一次ユニットを含む代替的な実施形態では、電気加熱式喫煙システムは、2つ以上の二次ユニットを含む。そのような実施形態は、複数のユーザによって共有するように設計されているので有利である。1つの実施形態において、一次ユニットは、複数の二次ユニットのための格納手段を含む。別の実施形態では、一次ユニットは、充電モード中に及び任意的に予熱モード中に接続のための各二次ユニットを収容するための複数のドッキングポートを含んでいる。
【0025】
電気加熱式喫煙システムが2つ又はそれ以上の二次ユニットを含む場合、一次ユニットは、各モジュールが各二次ユニットのためのドッキングポートを含んでいる、複数の結合可能なモジュールを含むことができる。それによって2人又はそれ以上のユーザが、モジュールのネスト又はチェーンを含む1つの一次ユニットを形づくることが可能になる。
【0026】
好ましくは、一次ユニットは、1つ又はそれ以上の二次ユニットのための格納手段を含んでいる。これは、一次ユニット及び二次ユニットが使用されていない時にユーザが容易に携帯できる1つの小型システムを形成することができるので有利である。1つの小型システムは、着火端式シガレットのパックと同じサイズ及び形状とすることができる。1つの実施形態において、二次ユニットの各々は、一次ユニットの側面に取り外し可能に取り付けることができる。別の実施形態において、二次ユニットの各々は、一次ユニット内の各ドッキング空洞内に収容可能である。二次ユニットは、喫煙物品が二次ユニット内に収容された時には格納手段内に格納することができる。もしくは、二次ユニットは、喫煙物品が二次ユニット内に収容されていない時には格納手段内に格納することができる。また、格納手段は、二次電力を充電するために一次ユニットと二次ユニットとを接続するための手段を備えることができる。
【0027】
好ましくは、一次ユニットは、少なくとも1つの喫煙物品のための格納手段を含んでいる。格納手段は、使用された喫煙物品、使用されていない喫煙物品、又はその両方のための格納部を含むことができる。これは、一次ユニット及び二次ユニットが協働して喫煙モードに必要な全ての構成要素を提供するので有利である。1つ又はそれ以上の二次ユニットが格納手段内に格納可能であり、一次ユニットが少なくとも1つの喫煙物品のための格納部を含む実施形態では、喫煙経験に必要とされる全ての構成要素は、1つの小型システム内に収容することができる。1つの小型システムは、着火端式シガレットのパックと同じサイズ及び形状とすることができる。追加的に又は代替的に、二次ユニットは、使用していない時には喫煙物品を格納可能にすることができる。誤解を避けるために、用語「格納手段」は、ここでは1つ又はそれ以上の二次ユニットの格納部、1つ又はそれ以上の喫煙物品の格納部、又は二次任意ユニット及び喫煙物品の両方の格納部を表すために使用される。
【0028】
好ましい実施形態では、一次ユニットは、基部部分と該基部部分に結合された蓋部分とを含み、蓋部分は閉じると基部部分の一部又は全部をカバーすることができる。蓋部分は、任意の適切な結合によって基部部分に結合することができる。例えば、蓋部分は、ヒンジによって基部部分に結合することができる。もしくは、蓋部分は、摺動式の蓋とすることができる。例えば、一次ユニットは、シェル部分と該シェル部分に対して摺動するように構成される摺動部分とを含むことができる。もしくは、蓋部分は、基部部分と摩擦嵌めにすることができる。もしくは、蓋部分は、基部部分にネジ留めすることができる。
【0029】
その実施形態において、好ましくは、一次ユニットの基部部分は、複数の喫煙物品のための格納空間と少なくとも1つの二次ユニットのための格納空間とを含む。その場合、蓋部分は、二次ユニットが基部部分に格納された時に基部部分上で閉じることができる。より好ましくは、蓋部分は、二次ユニットが基部部分に格納されて喫煙物品が二次ユニット内に収容された時に、基部部分上で閉じることができる。好ましい実施形態では、喫煙物品及び二次ユニットが基部部分に格納されて蓋部分が閉じている時に、喫煙システムは、着火端式シガレットのパックと類似したサイズ及び形状を有する。
【0030】
一次ユニットは、ユーザに情報を表示するディスプレイ(例えば、デジタルディスプレイ)を含むことができる。例えば、ディスプレイは、喫煙物品使用量、エネルギ使用量、又は他の情報を表示することができる。ディスプレイは、二次電源が十分な充電状態にある場合を表示することもできる。
【0031】
喫煙モード中に、二次電源から少なくとも1つの加熱要素への電力の供給は、二次回路によって制御される。喫煙モード中に、二次回路は、喫煙モードの経過時間をモニタすることができる。二次ユニットは、ユーザに情報を表示するディスプレイ(例えば、デジタルディスプレイ)を含むことができる。例えば、ディスプレイは、経過時間、吸引された吸煙の回数、まだ残っている吸煙の回数、又は他の情報を表示することができる。二次回路は、好ましくは、経過時間が所定の期間に等しい間に出力信号を供給するように配置される。代替的に又は追加的に、二次回路は、喫煙モード中の吸煙と吸煙の間の経過時間をモニタすることができ、経過時間が、喫煙モードのための所定の期間よりも短い所定の期間に等しい時に出力信号を供給する。更に、喫煙モード中に、二次回路は、ユーザが吸引した吸煙回数をモニタすることができる。二次回路は、好ましくは、吸引された吸煙回数が所定の吸煙回数に等しい時に出力信号を供給するように構成される。従って、3つの可能な作動のモードがある。第1のモードでは、喫煙モードが所定の最大期間を有する。第2のモードでは、喫煙モードが所定の最大喫煙回数を有する。第3のモードでは、喫煙モードが所定の各吸煙の間の最大期間を有する。
【0032】
前述のように、二次ユニットは、好ましくは、喫煙物品の直径よりもごく僅かに大きい直径を有する。更に、二次ユニットの長さは、着火端部シガレット(例えば、約30mmと約150mmの間、好ましくは約70mmと約128mmの間の長さを有するシガレット)の長さと同様とするか、又は二次ユニットは、それよりも長く又は短くすることができる。1つの実施形態において、使用される喫煙物品は、標準的な着火端式シガレットの長さよりも小さい直径と長さ(例えば、直径が約7.9mmで長さが約85mm)を有し、それによって二次ユニットを着火端式シガレットと同様サイズとすることが可能になる。それによって着火端式シガレットと同様の方法で、ユーザがユーザの指の間に二次ユニットを保持することができる。
【0033】
好ましくは、二次ユニットは断熱される。それによって二次ユニットからの熱損失が低減され、エーロゾル形成基体が望ましい期間にわたって実質的に作動温度に維持される。二次ユニットは、喫煙物品を収容することが可能な基部部分と、喫煙物品を封入するか又は基部部分を閉じるためのキャップ部分とを含むことができる。
【0034】
エーロゾル形成基体は、好ましくは、加熱中に基体から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含む。代替的に、エーロゾル形成基体は、非タバコ材料を含むことができる。好ましくは、エーロゾル形成基体は、エーロゾル形成剤を更に含む。適切なエーロゾル形成剤の例は、グリセリンとプロピレングリコールである。エーロゾル形成基体は、固形基体とすることができる。固形基体は、例えば、ハーブの葉、タバコの葉、タバコの葉脈の破片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、及び発泡タバコのうちの1つ又はそれ以上を含有する粉末、顆粒、ペレット、細片、スパゲッティ、ストリップ、又はシートのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。任意的に、固形基体は、基体の加熱中に放出される付加的なタバコ又は非タバコ揮発性タバコ香味化合物を含有することができる。任意的に、固形基体は、熱安定性担体上に提供するか又はそこに埋め込むことができる。担体は、粉末、顆粒、ペレット、細片、スパゲッティ、ストリップ、又はシートの形態を取ることができる。もしくは、担体は、その内面に又はその外面又はその内面及び外面の両方に堆積させた固形基体の薄い層を有する管状担体とすることができる。そのような管状担体は、例えば、紙、紙状材料、不織カーボンファイバマット、低質量開放メッシュ金属スクリーン、又は穿孔された金属箔、又は任意の他の熱安定性ポリマー母材に形成することができる。固形基体は、例えば、シート、フォーム、ゲル、又はスラリの形態をした担体の表面上に堆積させることができる。固形基体は、担体の表面全体に堆積させることができ、又は代替的に使用中に不均一香味送出を提供するためのパターンで堆積させることができる。もしくは、担体は、内部にタバコ成分が組み込まれた不織布又は繊維の束とすることができる。不織布又は繊維の束は、例えば、カーボン繊維、天然セルロース繊維、又はセルロース誘導体繊維を含むことができる。
【0035】
エーロゾル形成基体は、液体基体とすることができ、喫煙物品は、液体基体を保持するための手段を含むことができる。もしくは、エーロゾル形成基体は、任意の他の種類の基体とすることができ、例えば、気体基体、又は様々な形式の基体の任意の組合せとすることができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様の電気加熱式喫煙システムのための一次ユニットが提供され、一次ユニットは、一次電源と一次回路とを含む。
【0037】
本発明の別の態様により、エーロゾル形成基体を有する喫煙物品を収容することができる二次ユニットを含み、二次ユニットが、少なくとも1つの加熱要素と、一次電源に接続するためのインタフェースと、二次電源と、二次回路とを含む電気加熱式喫煙システムを作動させる方法が提供され、本方法は、予熱モード中にエーロゾル形成基体の温度を作動温度まで上昇させるように、二次電源が少なくとも1つの加熱要素に電力を供給するように少なくとも1つの加熱要素を二次電源に接続する段階と、喫煙モード中にエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために、二次電源が少なくとも1つの加熱要素に電力を供給するように少なくとも1つの加熱要素を二次電源に接続する段階と、充電モード中に、二次電源が、予熱モード中にエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モード中にエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために十分な充電状態になるように、二次電源を一次電源で充電する段階と、を含む。本方法は、充電モード中に、予熱モード及び喫煙モードの両モードに必要な電力の推定値の計算に基づいて、二次電源が、予熱モード中にエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モード中にエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために十分な充電状態であるか否かを判定する段階を更に含む。
【0038】
この計算は、喫煙モード中にユーザが吸引する予め定められた吸煙回数、予熱モードに必要な電力、及び喫煙モードに関連する消費者個別情報のうちの1つ又はそれ以上に基づくことができる。この計算は、二次回路によって行うことができる。
【0039】
本方法は、充電モード中に、予熱モード及び喫煙モードの両モードに必要な電力の推定値の計算に基づいて、二次電源が、予熱モード中にエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モード中にエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために十分な充電状態であることを知らせる段階を更に含む。
【0040】
添付図面を参照して本発明を単に例示的に以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1a】本発明の第1の実施形態の4つのバージョンのうちの1つを示す。
図1b】本発明の第1の実施形態の4つのバージョンのうちの1つを示す。
図1c】本発明の第1の実施形態の4つのバージョンのうちの1つを示す。
図1d】本発明の第1の実施形態の4つのバージョンのうちの1つを示す。
図2a】本発明の第2の実施形態の2つの代替図を示す。
図2b】本発明の第2の実施形態の2つの代替図で示す。
図3a】本発明の第3の実施形態の1つの形態を示す。
図3b】本発明の第3の実施形態の1つの形態を示す。
図4a】着火端式シガレットのパックを示す。
図4b】本発明の喫煙システムの1つの実施形態を示す。
図4c】本発明の喫煙システムの1つの実施形態を示す。
図5】好適な実施形態による喫煙システムの作動時の電力-時間のグラフである。
図6】本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
一般に、本発明は、一次ユニットを必要とせず、その場合、二次ユニットは、既存の外部電源に接続可能な独立型ユニットとすることができる。しかしながら、前述のように、1つの実施形態において、本発明の電気加熱式喫煙システムは、一次ユニットと、喫煙物品を収容可能な1つ又はそれ以上の二次ユニットを備える。一次ユニットは、一次電源及び電子回路を含む。二次ユニットは、二次電源、電子回路、及び少なくとも1つの加熱素子を含む。充電モードにおいて、一次ユニットの一次電源は、二次ユニットの二次電源を充電するために使用する。二次ユニットの二次電源は、予熱モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を作動温度まで上昇させるために使用し、喫煙モードにおいて喫煙経験時の基体の温度を維持するために使用する。所要の作動温度は、喫煙物品の特定のエーロゾル形成基体に左右される。作動温度は、二次電源、加熱素子の数及び種類、並びに二次ユニットの構造によって制御される。一次ユニットと二次ユニットとの間に電源を分けることで、電源は喫煙物品より僅かに大きい程度なので二次ユニットのサイズを低減することができる。更に、いくつかの実施形態において、喫煙経験に必要な全ての構成要素は、着火端式シガレットのパックとサイズ及び形状が同じ単一ユニットに収容することができる。以下に種々の実施形態に説明するが、何らかの実施形態に関連して説明する特徴は、同様に他の何らかの実施形態に適用できる。
【0043】
図1a、1b、1c、及び1dの各々は、本発明の第1の実施形態のバージョンを示している。図1a及び1bでは、一次ユニットは、サイズ及び形状が着火端式シガレットのパックに類似したフリップトップ式の箱の形態である。他のパックの構成は、図4aに関連して説明する。特に示していないが、一次ユニットは、別の適切なサイズとすることができる。
【0044】
図1aにおいて、喫煙システム101は、一次ユニット103及びホルダの形態の二次ユニット105を含む。一次ユニット103は、ヒンジ103cによって分離された基部部分103a及び蓋部分103bを含むフリップトップ式の箱の形態を有する。蓋部分103bは、図1aでは開いた状態で示されている。ヒンジ103cは、基部部分103aの上部側面の長い縁部に沿って延びている。ホルダ105は、ドッキングポート内に挿入することによって一次ユニット103の基部部分103a内に格納することができる(図1aに示すように)。図1aでは、ホルダ105のドッキングポートが基部部分103aの1つの側面に提供されているが、ドッキングポートは、反対側の側面上に又は基部部分103aの中央に同様に提供することができると考えられる。図1aの実施形態では、ホルダ105が一次ユニット103に格納される場合、ホルダ105の上部は、基部部分103aの上部側面の上に突出する。蓋部分103bは、それにもかかわらず、喫煙物品がホルダ105内に収容される場合を含む、ホルダ105が一次ユニット103内に格納される場合に、基部部分103aの上で閉じることができる。もしくは、ホルダ105の上部ユニットは、基部部分103aの上部側面と実質的に同一平面にすることができる。また、一次ユニット103は、この場合にホルダドッキングポートの1つの側面上に喫煙物品107のための格納部を有する。勿論、別の喫煙物品をホルダ105内に格納することができる。明示されていないが、ホルダ105のドッキングポートは、基部部分103aの任意の側面に配置することができ、喫煙物品107の格納部は、ホルダ105の反対側の側面に配置することができる。ホルダ105のドッキングポートが基部部分103aの中心に向けて配置される場合、喫煙物品107の格納部は、ドッキングポートの一方又は両方の側面上に配置することができる。
【0045】
更に、図1aの一次ユニット103の基部部分103aには、USBプラグ(図示せず)を受け入れるためのインタフェース109がある。USB接続は、機能性を検査するために又はコンピュータに接続を必要とする場合の他の目的で一次ユニット内の電源を充電するために使用することができる。このようなUSBインタフェース又は実際に任意の他の適切なインタフェースは、説明した実施形態の何れかに含むことができる。追加的に又は代替的に、USBインタフェース又は任意の他の適切なインタフェースは、図1aには示されていないが、ホルダ上に含むことができる。USB接続は、以下で更に説明する。
【0046】
図1bでは、喫煙システム101’は、一次ユニット103’とホルダ105’の形態の二次ユニットとを含む。図1aのように、一次ユニット103’は、ヒンジ103c’によって分離された基部部分103a’及び蓋部分103b’を含むフリップトップ式の箱の形態を有する。しかしながら、図1bでは、ヒンジは、基部部分103a’の上部側面の短い縁部に沿って延びている。蓋部分103b’は、図1bでは開いた状態で示されている。ホルダ105’は、ドッキングポート内に挿入されることで、一次ユニット103’の基部部分103a’内に格納することができる(図1bに示すように)。図1bでは、ホルダ105’のドッキングポートは、基部部分103a’の前方に、換言すれば、ヒンジ103c’から最も遠くに提供されるが、ドッキングポートは同様に、基部部分103a’の後部に、換言すれば、ヒンジ103c’から最も近くに、又は基部部分103a’の中心に提供することができると考えられる。図1bの実施形態では、ホルダ105’が一次ユニット103’内に格納される場合、ホルダ105’の上部は、基部部分103a’の上部側面と実質的に同一平面とすることができる。蓋部分103b’は、喫煙物品がホルダ105内に収容される場合を含み、基部部分103a’上で閉じることができる。もしくは、ホルダ105’の上部は、基部部分103a’の上部側面の上方に突出することができる。また、一次ユニット103’は、この場合、基部部分103a’の後方に、換言すれば、ヒンジ103c’の最も近くに喫煙物品107の格納部を有する。勿論、更に別の喫煙物品をホルダ内に格納することができる。ドッキングポート105’が基部部分103a’の後方に設けられる場合、喫煙物品107’の格納部は、ホルダ105’の反対端に、換言すれば、基部部分103a’の前方に配置することができる。ホルダ105’のドッキングポートが基部部分103a’の中心に設けられる場合、喫煙物品107’の格納部は、基部部分103a’の一方又は両方の端部に配置することができる。
【0047】
図1cにおいて、喫煙システム101’’は一次ユニット103’’及びホルダ105’’の形態の二次ユニットを備える。ホルダ105’’は、ドッキングポートに挿入することで一次ユニット103’’に格納することができる(図1cに示すように)。一次ユニット103’’は、ヒンジ103c’’によって分離された基部部分103a’’及び蓋部分103b’’を備える。図1bに示すように、ヒンジは、基部部分103a’’の上部側面の短い縁部に沿って延びるが、ヒンジは、基部部分103a’’の上部側面の長い縁部に沿って延びることができる。しかしながら、図1cにおいて、蓋部分103b’’は閉じた場合に基部部分103a’’の上面を完全にカバーしない。蓋部分103b’’は、閉じた場合にホルダ105’’のためのドッキングポートを収容するベースユニットの一部だけをカバーする。図1cでは蓋部分103b’’は、開いた状態で示されている。図1cの実施形態において、ホルダ105’’が一次ユニット103’’に格納される場合、ホルダ105’’の上部は基部部分103a’’の上部側面と実質的に同一平面とすることができる。もしくは、ホルダ105’’の上部は、基部部分103a’’の上部側面から上方に突出することができる。蓋部分103b’’は、ホルダがドッキングポートに格納される場合、又はホルダがドッキングポートに格納され、喫煙物品(図1cには示されていない)がホルダ105’’に収容される場合、基部部分103a’’上で閉じることができる。また、一次ユニット103’’は喫煙物品の格納部を有することができるが、図1cには示されていない。
【0048】
図1dにおいて、喫煙システム101’’’は、一次ユニット103’’’及びホルダ105’’’の形態の二次ユニットを含む。ホルダ105’’’は、ドッキングポート内に挿入することによって一次ユニット103’’’内に格納することができる(図1dに示すように)。図1dでは、ホルダ105’’’のドッキングポートは、基部部分103a’’’の1つの側面に提供されるが、ドッキングポートは同様に、基部部分103a’’’の反対側の側面に、又は基部部分103a’’’の中心に提供することができると考えられる。一次ユニット103’’’及びホルダ105’’’は、1つの小型ユニットを互いに形成する。図1dの実施形態では、ホルダ105’’’が一次ユニット103’’’内に格納される場合、ホルダ105’’’の上部が一次ユニット103’’’の上部側面の上方に突出する。もしくは、ホルダ105’’’の上部ユニットは、一次ユニット103’’’の上部側面と実質的に同一平面にすることができる。図1dの実施形態では、一次ユニット103’’’は、喫煙物品の格納部を持たないが、1つの喫煙物品をホルダ105’’’内に格納することができる。しかしながら、喫煙物品の付加的な格納部を提供することができると考えられる。更に、図1aのように、USBプラグ(図示せず)を受け入れるために一次ユニット103’’’内にインタフェース109’’’を備える。
【0049】
図1a、1b、1c、及び1d示す実施形態では、喫煙システムは、一次ユニットと1つの個別のホルダとを含む。喫煙システムは、ただ1人のユーザのために設計される。ホルダは、一次ユニット内に格納することができる。喫煙物品は、ホルダが一次ユニットに格納される場合に又はホルダが一次ユニットから分離される場合に、ホルダに収容することができる。更に、一次ユニットは、喫煙物品の格納部を提供することができる。喫煙物品の格納部は、何らかの適切な構成で1と20の間の喫煙物品を収容するように寸法設定することができる。ホルダ及び一次ユニットは、一緒になってユーザが容易に持ち運びすることができる小型の喫煙システムを形成する。図1a、1b、1c、及び1dの様々な特徴は互換性がある。
【0050】
図2a及び2bは、本発明の喫煙物品の第2の実施形態の代替図である。図2a及び2bでは、喫煙物品201は、主要部203a及び分離可能なドッキングポート203bを含む一次ユニット203と、ホルダ205a及び205bの形態の2つの二次ユニットとを含む。各ホルダ205a及び205bは、一次ユニット203内に収容することができる。図2a及び2bの実施形態では、第1のホルダ205aは、一次ユニット203の主要部203aと一体のドッキングポート内に収容することができる。第2のホルダ205bは、一次ユニット203の主要部203aから分離しているドッキングポート203b内に収容することができるが、インタフェース209を介して主要部203aの1つの側面に取り付けることもできる。勿論、ドッキングポート203bと主要部203aとの間に別の接続が実現可能である。主要部203a上のドッキングポートは、ホルダ205aをドッキングポート203内に固定するために、ホルダ205a上の突起213aと協働するように設計された凹部211aを含む。同様に、ホルダ205bは、一次ユニット203の主要部203aから分離されたドッキングポート203b内の凹部211bと協働するための突起213bを含む。更に、喫煙物品をホルダ内に固定するための機構を備えることができる。
【0051】
図2aにおいて、ホルダ205a及び205bは、それらの各ドッキングポート203b内に収容された状態で示されており、ドッキングポート203bは、一次ユニット203の主要部203aから分離された状態で示されている。図2bでは、ホルダ205a及び205bは、それらの各ドッキングポートから分離されて使用中の喫煙物品207と共に示されている。
【0052】
図2a及び2bに示す実施形態では、喫煙物品は、一次ユニットと2つの別々のホルダとを含む。喫煙物品は、2人のユーザによって共有されるように設計される。もしくは、喫煙物品は、ただ1人のユーザによって使用することができ、その場合、ホルダの1つは予備として機能する。ホルダ205aは、一次ユニットの主要部203a内に直接格納することができる。ホルダ205bは、一次ユニット203の主要部203aに取り付け可能なドッキングポート203b内に格納することができる。ホルダ及び一次ユニットは、一緒になって小型の喫煙システムを形成する。喫煙物品は、そのホルダが一次ユニットに接続された場合又はホルダが一次ユニットから分離された場合に各ホルダ内に収容することができる。更に、一次ユニットは、喫煙物品のための格納部を備えることができるが、これは、図2a又は2bには示されていない。
【0053】
図3a及び3bの各々は、本発明の第3の実施形態のバージョンを示している。図3aでは、喫煙物品301は、一次ユニット303とホルダ305の形態の複数の二次ユニットとを含む。図3aでは、3つのホルダ305i、305ii、及び305iiiが一次ユニット303に結合された状態で示されており、1つのホルダ305ivが一次ユニット303から分離された状態で示されている。図3aでは、一次ユニット303は、4つのホルダ305のドッキングポートを備えるが、任意の数のドッキングポートを備えることができる。例えば、同数の又は40又は50のドッキングポートを備えることができる。他の実施形態では、充電のために一次ユニット303内に2と10の間のホルダをドッキングすることができる。一次ユニット303は、喫煙物品(使用済み及び未使用)又はホルダのいずれか、又は喫煙物品及びホルダの両方を格納するために使用できる第1の格納部311を備える。また、一次ユニット303は喫煙物品又はホルダのいずれか、又は喫煙物品及びホルダの両方を格納するために使用できる第2の格納部313を備える。
【0054】
図3aにおいて、一次ユニット303内にドッキングしたホルダ305i及び305iiが示されている。それらは、それぞれ、喫煙物品307と共に使用されており、一次ユニット内の電源は、ホルダ内の電源の再充電のために(充電モード)使用されている。また、ホルダ305iiiは、喫煙物品なしで一次ユニット303内にドッキングされている状態で示されている。ホルダ305iii内の電源は、一次ユニット303内の電源から再充電されている(充電モード)。ホルダ305ivは、一次ユニット303から分離されて、使用時の喫煙物品307と共に示されている。ホルダ305内の電源は、喫煙物品基体を予熱するために(予熱モード中)、又は喫煙物品基体の作動温度を維持するのに使用されている(喫煙モード中)。
【0055】
図3aにおいて、一次ユニット303は、接続部315を介して外部電源(図示せず)に接続される。外部電源は、一次ユニット内の電源を再充電するために、ホルダを充電するために、又はそれらの何らかの組合せで使用することができる。
【0056】
図3aにおいて、一次ユニット303内の各ドッキングポートは、それ自体のインタフェース309を含む。これは、ディスプレイと、ドッキングポート内にドッキングされたホルダ内に喫煙物品が収容された場合に予熱モードを開始するスイッチとを含むことができる。
【0057】
図3bにおいて、喫煙物品301’は、モジュール式の一次ユニット303’と、ホルダ305’の形態の複数の二次ユニットとを含む。いくつかの構成が図3bに示されている。
【0058】
第1の構成Aにおいて、一次ユニット303’は、1つのモジュール304を含む。モジュール304は、1つのホルダ305’のためのドッキングポートを提供する。第1の構成Aでは、ホルダ305’は、一次ユニット303’のモジュール304から分離された状態で、かつ喫煙物品307と共に使用される状態で示されている。ホルダ305’内の電源は、予熱モード中に喫煙物品基体を予熱するために、又は喫煙モード中に喫煙物品基体の作動温度を維持するために使用される。モジュール304は、そのドッキングポートのためのそれ自体のインタフェース309’を含み、また格納部(図示せず)を含むことができる。一次ユニット303’は、接続部315’を介して外部電源(図示せず)に接続される。
【0059】
第2の構成Bにおいて、一次ユニット303’は、4つのモジュール304を含む。勿論、あらゆる数のモジュールを備えることができる。ここでもまた、各モジュール304は、1つのホルダ305’のためのドッキングポートを備える。第2の構成Bでは、4つのモジュールは、「ネスト」構成で互いに結合された状態で示されている。ネスト構成では、各モジュールが1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの他のモジュールに結合することができる。モジュール304間の結合は、磁石式結合又は任意の他の形式の適切な結合とすることができる。第2の構成Bでは、喫煙物品307と共に3つのホルダ305’が各モジュール304内にドッキングされた状態で示されており、一次ユニット303’は、各ホルダ内の電源の再充電のために使用されている。構成Aと同様に、各モジュール304は、そのドッキングポートのためのそれ自体のインタフェース309’を含み、また格納部(図示せず)を含むことができる。一次ユニット303’は、接続部315’を介して外部電源(図示せず)に接続される。全てのモジュール304に電力を供給するために、一次ユニット303’に対して1つの電力接続部しか必要でないことに留意されたい。
【0060】
第3の構成Cにおいて、一次ユニット303’は、4つのモジュール304を含む。勿論、任意の数のモジュールを備えることができる。ここでもまた、各モジュール304は、1つのホルダ305’のためのドッキングポートを備える。第3の構成Cでは、4つのモジュールは、「チェーン」構成で互いに結合された状態で示されている。チェーン構成では、各モジュールが1つ又は2つだけの他のモジュールに結合することができる。モジュール304間の結合は、磁石式結合又は任意の他の形式の適切な結合とすることができる。第3の構成Cでは、喫煙物品307と共に3つのホルダ305’が各モジュール304内にドッキングされた状態で示されており、一次ユニット303’は、各ホルダ内の電源の再充電のために使用されている。構成A及びBと同様に、各モジュール304は、そのドッキングポートのためのそれ自体のインタフェース309’を含み、また格納部(図示せず)を含むことができる。一次ユニット303’は、接続部315’を通じて外部電源(図示せず)に接続される。全てのモジュール304に電力を供給するために、一次ユニット303’に対して1つの電力接続部しか必要でないことに留意されたい。
【0061】
図3bの実施形態において、各ユーザは、自分自身のホルダ305’及びモジュール304を有することができる。ユーザがそのグループに加わる時に、その構成に新しいモジュールが追加される。ユーザがそのグループから去る時に、その構成からモジュールが取りは外される。
【0062】
図3a及び3bに示す実施形態において、喫煙システムは、少なくとも1つの一次ユニットと複数のホルダとを含む。喫煙システムは、多くのユーザによって使用されるように設計される。図1及び2の実施形態とは異なり、図3aに示す喫煙システムは、必ずしも携帯型である必要はなく、複数のユーザがアクセス可能な位置に恒久的に配置することができる。
【0063】
図1から3に示す実施形態の各々は、少なくとも1つの一次ユニットと1つ又はそれ以上の二次ユニットとを含んでいる。しかしながら、一次ユニットは、喫煙システム内に組み込まれる必要がない。その場合、ホルダは、主電源又はホストコンピュータのような外部電源に直接に接続可能とすることができる。これは、USB接続のような有線接続を経由したものとすることができる。車両内充電ポートに対する接続も利用可能である。その場合、ホルダは、充電モードで充電を制御すると共に予熱モードで喫煙物品基体の加熱を制御するのに必要な電子回路を含むことになる。以下に全ての図示の実施形態に共通した特徴を説明する。
【0064】
一次ユニット内の電源は、任意の適切な電源とすることができる。一次電源は、外部電源によって充電可能とすることができる。例えば、一次電源は、リチウムイオン、リン酸鉄リチウム、リチウムマンガン、ニッケルカドミウム、又はニッケル金属水素化物バッテリのようなバッテリとすることができる。外部電源は、例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)接続のような接続を介して一次ユニットに接続可能な外部コンピュータとすることができる。外部電源は、プラグ及びソケットを介して一次ユニットに接続可能な主電源とすることができる。一次ユニットの電源の電力能力は、好ましくは、3から6ワットである。一次ユニットの電源の最小サイズを制限する要件は、エネルギ及び充電時間である。
【0065】
一次ユニット内の電子回路は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、又はあらゆる他のプログラマブルデジタル又はアナログ回路を含むことができる。一次ユニット内の電子回路は、外部電源から一次ユニットの電源を充電することを含むいくつかの機能を有する。電子回路はまた、ホストと一次及び二次ユニットとの間でのデータの双方向伝達を提供するために、例えば、USBのような有線接続を通じて、又は例えばB1uetoothのような無線接続を通じてホストと通信するように配置することができる。二次ユニットと一次ユニットの間の通信は、二次ユニットが一次ユニット上のドッキングポートに存在する時に、又は二次ユニットが一次ユニット内の格納手段に格納されている時に容易にすることができる。
【0066】
前述のように、一次ユニットは、外部接続のためのインタフェースを含むことができる。好ましくは、インタフェースは、インタフェース標準に従って作動する。その接続は、USBリンクのような有線接続、又はB1uetoothのような無線接続とすることができる。有線接続は、レセプタクルケーブルを含むことができる。これは、一次電源を充電するのに使用することができる。その接続は、代替的に又は追加的に、特別な機能性のために使用することができる。例えば、一次ユニットが外部コンピュータに接続された場合、システムの作動が検査され、かつ例えば一次又は二次ユニットの電源を交換する必要があるなどの保守が必要な時にユーザがアドバイスを受けることができる。更に、コンピュータとの接続により、ユーザは、より多くの喫煙物品を注文し、何らかのソフトウエアの更新をダウンロードし、個々ユーザに対して個人の消費目標を設定し、かつ情報を共有することができるようになる。上に列挙したものに限定せずに、更に広範な性能を提供することもできる。一次及び二次ユニットの一方又は両方は、デジタルディスプレイを含むことができる。
【0067】
二次ユニット内の電源は、エーロゾル形成基体の温度を上昇させるために、又は所定期間にわたって又は喫煙モード中に行われる所定回数の吸煙にわたって喫煙物品のエーロゾル形成基体を作動温度に維持するための十分なエネルギを加熱要素に供給する。二次ユニット内の電源は、バッテリ、スーパーキャパシタ、燃料電池、又は所定の期間にわたって又は喫煙モード中に行われる所定の回数の吸煙にわたって基体を使用温度に維持するために十分なエネルギを供給する他の適切な電源とすることができる。1つの実施形態では、二次ユニットの電源は、複数のリン酸鉄リチウム電池を含む。別の実施形態では、二次ユニットの電源は、リチウムポリマーバッテリを含む。所定の期間は、5分と20分の間とすることができる。所定の回数の吸煙は、5回と20回の間の吸煙とすることができる。二次ユニットの電源能力は、好ましくは、1から3ワットである。二次ユニットの電源の最小サイズを制限する要件は、喫煙経験当たりに提供されるエネルギ、充電時間、及びサイクル寿命(すなわち、電源をどれ位の頻度で交換する必要があるか)である。
【0068】
前述のように、二次ユニットは、外部電源に直接に接続するためのインタフェースを含むことができる。好ましくは、インタフェースは、インタフェース標準に従って作動する。接続は、USBリンクのような有線接続、又はB1uetoothのような無線接続とすることができる。有線接続は、レセプタクルケーブルを含むことができる。これは、二次電源を充電するのに使用することができる。その接続は、代替的に又は追加的に、追加の機能性のために使用することができる。好ましくは、この接続は、データの双方向フローを可能にする。例えば、二次ユニットが外部コンピュータに接続された場合、システムの作動が検査され、かつ例えば二次ユニットの電源を交換するか又は二次ユニットを清浄化する必要があるなどの保守が必要な時にユーザがアドバイスを受けることができる。前記したものに限定せずに、更に広範な性能を提供することもできる。
【0069】
二次ユニット内の電子回路は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、又は任意の他のプログラマブルデジタル又はアナログ回路を含むことができる。二次ユニットの電子回路は、一次ユニットの電子回路と連動して作動する。予熱モードは、喫煙物品が二次ユニット内で検出された場合に始動させることができる。これは、二次ユニットが一次ユニットと関連する場合に二次回路又は一次回路によって検出することができる。もしくは、例えば、二次ユニット上のスイッチを作動状態にすることにより、ユーザが手動で予熱を始動させることができる。喫煙モード中に、ユーザは、喫煙経験を始めて吸煙毎に喫煙経験を続けることができる。二次ユニットの電子回路は、基体を作動温度に維持するように又はできるだけ作動温度に近づけるように加熱要素を制御する。二次ユニット内の電子回路は、ユーザによって行われた吸煙の回数、吸煙間の期間、及び加熱要素が活性化された期間を記録するように構成することができる。吸煙の回数が喫煙物品に対する最大数に到達したか(喫煙物品が使い尽くされるような)、ユーザが所定の期間の前に吸煙しなかったか、又は所定の期間が切れたが、残っている吸煙がある時に、電子回路からの信号は、ユーザに二次ユニットから一次ユニットまで戻るように通告する。次に、適切な場合、二次ユニット内の電源を再充電して基体を作動温度まで戻すことができる。このように、ユーザは、喫煙経験の中断と開始を繰り返すことができ、喫煙物品が使い尽くされるまで喫煙経験を再開始することができる。
【0070】
更に、電子回路は、二次ユニット内の喫煙物品を識別し、喫煙物品の種類に基づいて加熱プロフィールを調節し、ホルダが何時保守を必要とするか、例えば、加熱要素を何時清浄にする必要があるかを判定することができる。また、二次ユニット内の電子回路は、二次ユニットが個々の喫煙挙動に対して個人専用にすることができる。例えば、喫煙経験の持続時間、各吸煙の時間、各吸煙の間の時間、各吸煙の強度が記録され、個人の消費パターンを追跡して、個人の好みの喫煙物品をモニタすることができる。これは、特定ユーザだけが二次ユニットを使用することを可能にする二次ユニットに対するロックと連動して作動することができる。
【0071】
二次ユニットの電子回路が行われた吸煙の回数を数えるために、電子回路は、吸煙を示す空気流を感知するための吸煙センサを含むことができる。センサは、例えば、サーミスタ、光学式装置、光学機械式装置、電気機械式装置、又は微小電気機械システム(MEMS)のような任意の適切なセンサとすることができる。
【0072】
二次ユニットの形状及びサイズは、ある程度まで二次ユニットの電源のサイズ及び形状に依存する。しかしながら、原理的には、二次ユニットは、任意の適切な形状とすることができる。典型的には、二次ユニットは、単に喫煙物品よりもごく僅かに大きいサイズを有する細長い円筒形ユニットである。二次ユニットの断面形状は、円形、矩形、又は長円形とすることができる。二次ユニットは、喫煙物品を保護するための又は匂いを制限するために、二次ユニット内に収容された際に喫煙物品をカバーするためのキャップを含むことができる。二次ユニットは、二次ユニットの開放端を覆うためのキャップを含むことができる。典型的には、喫煙物品は二次ユニット内に収容されると、喫煙物品の長さの約半分が二次ユニットから突出する。他の実施形態では、喫煙物品の長さの半分未満が二次ユニットから突出する。
【0073】
二次ユニット内の加熱要素は、内部又は外部加熱要素とすることができ、エーロゾル基体を最も有効に加熱するような形状にされる。1つの加熱要素又は複数の加熱要素が存在することができる。加熱要素は、限定されるものではないが、金属、金属合金、セラミック、又は半導体材料を含む電気抵抗性材料から作ることができる。加熱要素の最も適切な形態は、喫煙物品内の特定のエーロゾル形成基体に依存することになる。エーロゾル形成基体は、好ましくは、固形基体であるが、代替的に、液体又は気体基体とすることができる。
【0074】
好ましくは、二次ユニットは、喫煙モード中の熱損失を最小にするために断熱される。二次ユニットの断熱が優れていればいるほど、基体がより長く作動温度に維持され、それによって喫煙モードに関する所定期間を延ばすことができる。
【0075】
図4aは、着火端式シガレットのパックを示している。図4bは、ホルダの形態の二次ユニットを一次ユニット内に格納することができる本発明の喫煙物品の1つの実施形態を示している。図4cは、喫煙物品がホルダ内に収容された場合でもホルダを一次ユニット内に格納することができる本発明の喫煙物品の1つの実施形態を示している。図4a、4b、及び4cは、本発明の喫煙システムの実施形態と着火端式シガレットのパックとの相対的なサイズを示すために提示される。
【0076】
図4aは、着火端式シガレット403のパック401を示している。図4aの下の図は、側部断面図である。図4aの上の図は、上部断面図である。このパックは、55mmの幅、90mmの高さ、及び24mmの深さを有する。図4aは、着火端式シガレットのパックの1つの実施例を示している。一般的に、着火端式のパックは、約60mmと約150mmの間の高さ、より典型的には、約70mmと約125mmの間の高さを有する。一般的に、着火端式のパックは、約12mmと約150mmの間の幅、より好ましくは、約70mmと約125mmの間の幅を有する。一般的に、着火端式のパックは、約6mmと約100mmの間の深さ、より好ましくは、約12mmと約25mmの間の深さを有する。好ましくは、パックの寸法は、シガレットの長さとシガレットの丁合に適応される。
【0077】
着火端式シガレットのパックは、直角の縦方向縁部及び直角の横方向縁部を有する直方体形状とすることができる。もしくは、パックは、1つ又はそれ以上の丸形縦方向縁部、丸形横方向縁部、傾斜付き縦方向縁部、又は傾斜付き横方向縁部、又はその組合せを含むことができる。もしくは、パックは、例えば、三角形又は六角形のような多角形、又は長円形、半長円形、円形又は半円形の非矩形横方向断面を有することができる。パックは、限定されるものではないが、従来の着火端式シガレット、シガー又はシガリロ、可燃性熱源又は燃料要素、及びエーロゾル発生基体を含む加熱式喫煙物品(例えば、米国特許第4,714,082号に開示する種類のシガレット)、電気式喫煙システムと共に使用するための喫煙物品(例えば、米国特許第5,692,525号に開示する種類のシガレット)を含む喫煙物品を包装するために使用することができる。
【0078】
パックは、寸法の適切な選択により、異なる総数の喫煙物品又は異なる構成の喫煙物品を保持するように設計することができる。パックは、同じ種類又は銘柄、又は異なる種類又は銘柄の喫煙物品を保持することができる。更に、異なる長さ及び直径の喫煙物品と同様に、フィルタなし喫煙物品及び様々なフィルタチップを含む喫煙物品の両方を収容することができる。更に、喫煙物品は、風味の強度、吸引抵抗、及び総粒子状物質送出量を違えることができる。パックは、前述の異なる種類の喫煙物品の1つよりも多くを含むことができる。
【0079】
図4bは、本発明による喫煙システムの第1の実施形態を示している。図4bの下の図は、側部断面図である。図4bの上の図は、上部断面図である。システムは、一次ユニット405とホルダ407とを含む。一次ユニットは、バッテリ409の形態の一次電源と、喫煙物品411のための格納部と、ホルダを収容するためのドッキングポート413とを含んでいる。ホルダは、図式的に415と表示された加熱要素を含んでいる。本実施形態において、ホルダが一次ユニットのドッキングポート内に格納される場合、蓋部分(図示せず)は、閉じることができる。しかしながら、喫煙物品がホルダ内に収容された状態で(図4bに示すように)ホルダが一次ユニットのドッキングポートに格納される場合、蓋部分は、閉じることができない。喫煙システムは、56mmの幅、95mmの高さ、及び25mmの深さを有する。
【0080】
図4cは、本発明による喫煙システムの第2の実施形態を示している。図4cの下の図は、側部断面図である。図4cの上の図は、上部断面図である。システムは、一次ユニット405’とホルダ407’とを含む。一次ユニットは、バッテリ409’と、喫煙物品411’のための格納部と、ホルダを収容するためのドッキングポート413’とを含んでいる。ホルダ407’は、図式的に415’と表示された加熱要素を含んでいる。この実施形態では、ホルダが、例えホルダ内に収容された喫煙物品と共に(図4cに示すように)一次ユニットのドッキングポート内に格納された場合でも、蓋部分(図示せず)は閉じることができる。これは、ホルダ407’がホルダ407とは異なる構成を有し、特に、加熱要素が異なって位置決めされているためである。喫煙物品は、56mmの幅、95mmの高さ、及び25mmの深さを有する。
【0081】
図4a、4b、及び4cから本発明の喫煙システムの少なくとも2つの実施形態が着火端式シガレットのパックと同様のサイズ及び形状を有することが分かる。喫煙システムの他の実施形態は、前述のように、他のパックのサイズ及び形状と同様のサイズ及び形状とすることができる。喫煙経験に必要とされる全ての構成要素は、1つの小型ユニット内に収容される。
【0082】
本発明の実施形態による電気加熱式喫煙システムの作動を、以下に図5を参照して説明する。図5は、使用された電力W及び温度T対予熱及び喫煙モードにわたる時間tのグラフである。
【0083】
第1に、ユーザが喫煙物品を二次ユニット内に挿入する。この時に、二次ユニットは、一次ユニットに対して接続又は分離することができる。
【0084】
第2に、二次ユニットが、一次ユニット(まだ接続されていない場合)(又は代替電力源)に接続され、一次ユニット内の一次電源が、二次ユニット内の二次電源を充電し始める。充電時間は、喫煙システムの詳細次第であるが、好ましい実施形態では約5分を超えることはない。最初の2つの段階の順番は、反対にすることができる。例えば、二次ユニットは、二次電源が完全に充電され、ユーザがいつでも喫煙経験を開始するために二次ユニットの準備が整うように、一次ユニット内又は上に格納することができる。その場合、二次ユニット内の二次電源は、喫煙物品を携帯型二次ユニット内に挿入される前に充電される。
【0085】
第3に、二次ユニットが完全に充電された状態で(これは、一次ユニット又は二次ユニット上で信号によって示すことができる)、ユーザは、予熱モードを始めることができる。この段階において、ユーザは、携帯型の二次ユニットを一次ユニットから取り外すか、又は二次ユニットは一次ユニットに接続したままとすることができる。更に、予熱モードは、充電モードが始まる前に又はそれと同時に始動することができる。予熱モードは、ユーザが喫煙経験を始める準備ができた時に、ユーザがボタンを押すか又はスイッチを入れることによって開始することができる。もしくは、ユーザは、予熱段階を始めるために所定回数だけユニットを振ることによって予熱モードを始めることができる。予熱モードの開始時に、図5のグラフの期間0において、二次電源は、次に、一次ユニット、任意的に二次ユニット内の電子回路の制御の下で二次ユニット内の加熱要素に接続される。加熱要素は、喫煙物品内の基体が所望の作動温度T1(例えば、約150℃と250℃の間)に到達するまで活性化される。予熱モード中(図5に陰付きボックスに示した)に、オーバーシュートを避けるためであるが、制御された方式で基体の温度が急速に上昇する。1つの実施形態において、二次ユニット内に温度センサが設けられる。一次ユニットは、温度センサを含むこともできる。別の実施形態では、一次ユニット又は二次ユニットは、活性化している時間t1が経過した後に基体が所望の作動温度T1に到達したことを検出することができる。活性化している期間は、約10秒と約150秒の間とすることができる。図5の予熱時間t1の終了時に、二次ユニット内の電子回路は、予熱期間モードが終了し、ユーザが喫煙経験を始めることができることを示すための信号を発生することができる。
【0086】
第4に、ユーザは、ここで、すでに取り外されていない場合は、喫煙モードを始めるために一次ユニットから携帯型二次ユニットを取り外すことができる(収容した喫煙物品と共に)。これは、図5のグラフの時間t1の位置である。喫煙モード中に、二次ユニット内の二次電源は、基体の温度を作動温度T1又はそれに近い温度に維持するのに使用される。加熱要素は、基体を作動温度に維持するために基体に十分な熱を供給し、それによって二次ユニットを通じて及び各吸煙中に二次ユニットを通して空気が吸引される時の熱損失を補償する。二次ユニット内の電子回路は、携帯型二次ユニットが時間t1において一次ユニットから取り外されてからの経過時間、吸引間の時間、及び/又は行われた吸引の回数を記録する。
【0087】
図5では、喫煙モード中の3つのプロットが示されている。第1の実線は、二次ユニットが断熱された(insulated)時の温度を示す。これは、好ましい実施形態であり、図5から分るように、基体を作動温度T1及び電力W1の非常に近くに維持する。第2の点線は、二次ユニットが断熱されない時の温度を示す。この実施形態では、基体は、依然として作動温度T1の近くに維持されるが、二次ユニットが断熱された時よりも多くの熱損失がある。第3に、破線は、二次ユニット内に何ら二次電源がない状態の温度を示す。この構成では、基体の温度が喫煙モード中に急速に降下する。
【0088】
第5に、二次ユニット内の電子回路は、吸煙の最大回数(例えば、喫煙物品当たり約5と20吸煙の間)が既に達しているか、又は喫煙モードの最大時間量(例えば、ユーザが二次ユニットからホルダを取り除いた後に5から20分)が既に切れているか、又は吸煙間の最大時間量(例えば、5秒から5分)が既に切れているかのいずれかを検出する。これは、図5のグラフでの時間t2である。第1の場合には、二次ユニット内の電子回路が喫煙物品の最大吸煙回数が既に達していることを検出すると、電子回路は、基体を望ましい作動温度に維持するために加熱要素に電圧を印加することを止めることになる。喫煙モード中にユーザにより最大回数の吸煙が既に行われた場合、二次ユニット内の電子回路は、最大回数の吸煙が既に行われたことを示す信号をユーザに発信する。この信号は、吸煙が行われた時にオン又はオフに切り換わるLEDのような1つ又はそれよりも多くの表示光、ブザーのような可聴の通知、振動のような無音の通知、又は携帯型二次ユニット上のあらゆる他の適切な信号を示す(例えば、残っている吸煙の回数を示す)形態とすることができる。第2の場合には、二次ユニット内の電子回路が喫煙モードの最大時間量が既に切れたことを検出すると、電子回路は、基体の作動温度を維持することを止め、かつユーザに喫煙モードのための時間が既に切れたことを示す信号を発信することになる。この信号は、上述のあらゆる適切な信号とすることができる。第3の場合には、ユーザが連続吸煙を行うことができる最大時間量が切れると、電子回路は、許容時間内に吸煙がまだ行われていないことを示す信号をユーザに発信する。この信号は、上述のあらゆる適切な信号とすることができる。信号は、充電のために、二次ユニットが一次ユニットに戻されるべきであることを示すことができる。
【0089】
第6及び最後に、ユーザは、携帯型二次ユニット及び一次電源を再接続することができ、一次ユニットが、携帯型二次ユニット内の二次電源の再充電を再度始める。二次ユニット内の二次電源が完全に充電された状態で、吸煙が残っている場合、ユーザは、第3の段階から喫煙経験を開始することができる。従って、ユーザは、喫煙経験を開始及び中止することができる。
【0090】
前述のように、本発明の実施形態は、いくつかの利点を提供する。第1に、システムを分割することにより、特に、電源を2つの部分に分割することにより、二次ユニットのサイズを低減することができる。第2に、第2のユニットは、オンデマンドの吸煙を容易にし、喫煙経験を開始及び中止することができる。着火端式シガレットのパックと類似のサイズ及び形状を有するただ1人のユーザのための実施形態は、ユーザが製品を使用するためにユーザの喫煙挙動に対して最小限の中断を必要とするのみであるので有利である。更に、ユーザは、喫煙経験に必要な全ての構成要素を備える1つのユニットを所持する必要があるだけである。複数のユーザが使用するための複数の二次ユニットを備える実施形態は、社会的相互作用を容易にするので有利である。二次ユニットが個人専用にされた実施形態は、ユーザが許可なしで使用をすることを防止することを可能にし、かつ性能をユーザに最も適するように適応させることができる。図6は、本発明の方法の実施形態を例示するフローチャートを示す。図6は、充電モードで二次電源を充電するための方法の実施形態を示す。充電モード時に、二次ユニットは、一次ユニット(又は、一次ユニットが無い場合は一次電源)に接続する必要がある。二次電源の充電は、二次ユニット内の二次回路によって制御される。
【0091】
図6の実施形態において、二次電源をいつ十分に充電するかの判定は、予熱モード及び喫煙モードの両モードにおいて二次ユニットを作動させるのに必要な電力の計算による推定値に基づく。図6の実施形態において、この計算は、3つの技術的パラメータ601、602、603に基づく。最初の技術パラメータ601は、喫煙モード中にユーザが吸引する予め設定された吸煙回数である。予め定められた吸煙回数は、着火端式喫煙物品の吸煙回数に近いことが好ましい。例えば、予め設定された吸煙回数は、10と20の間の吸煙とすることができ、15回の吸煙がより好ましい。
【0092】
第2の技術パラメータ602は、予熱モードに必要な電力である。これは、喫煙物品及びエーロゾル形成基体の物理的特性に依存する場合があり、例えば、限定されるものではないが、エーロゾル形成基体の密度及び構造である。また、これは、所望の作動温度に到達するまでの通電時間に依存する場合がある。第2の技術パラメータ602の値は、例えば、異なる基体を使用した実験室試験によって実験的に決定することができる。
【0093】
第3の技術パラメータ603は、喫煙モードに関する消費者個別の情報であり、例えば、限定されるものではないが、吸煙強度及び吸煙期間である。このような消費者個別の情報は、喫煙モードにおける1回の吸煙中に二次ユニットを作動させるのに必要な電力に影響を与える。典型的に、第1の技術パラメータ601及び第2の技術パラメータ602は、二次電源をいつ十分に充電するかの計算による推定に必要である。典型的に、第3の技術パラメータ603は望ましいが必須ではない。充電モード時に電力供給を制御する二次回路の1つの利点は、蓄積した消費者個別情報を有する点にある。従って、消費者個別情報は、一次回路に転送する必要はない。
【0094】
ステップ604において、予熱モード及び喫煙モードの両モードの所要の電力は、3つの技術パラメータ601、602、603の値に基づいて計算する。計算603は、各技術パラメータに関する積分計算又は加算に基づくことができる。好ましくは、この計算は、二次回路によって行うが、この場合、二次電源は一次電源で再充電されるので、ステップ605において所要電力の決定値は、一次ユニットに伝える必要がある。この所要電力は、最小電力と見なすことができる。
【0095】
予熱モードにおいてエーロゾル形成基体の温度を作動温度に上昇させ、喫煙モード中にエーロゾル形成基体の温度を実質的に作動温度に維持するために、二次電源が十分に充電されると、このことはステップ606においてユーザに伝えられる。例えば、一次ユニット又は二次ユニットは、二次ユニットが十分に充電されたことを示すことができる。これは例えば、LEDライト又はLCDディスプレイで行うことができる。
【符号の説明】
【0096】
101 喫煙システム
103 一次ユニット
105 二次ユニット
107 喫煙物品
109 インタフェース
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6