(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】ファンブレード軸およびそれとファンブレードの組立構造、並びに軸受スリーブ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/34 20060101AFI20220510BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
F04D29/34 N
F04D25/08 305H
(21)【出願番号】P 2020569162
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2018121135
(87)【国際公開番号】W WO2020042440
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】201810995815.6
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516256766
【氏名又は名称】珠海格力電器股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Gree Electric Appliances, Inc. of Zhuhai
【住所又は居所原語表記】West Jinji Road, Qianshan, Zhuhai, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王孝忱
(72)【発明者】
【氏名】▲やん▼魯華
(72)【発明者】
【氏名】柳洲
(72)【発明者】
【氏名】梁浩
(72)【発明者】
【氏名】陳宇強
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】実公昭34-017515(JP,Y1)
【文献】実開昭59-168597(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105386994(CN,A)
【文献】特開2000-171050(JP,A)
【文献】実開昭56-133997(JP,U)
【文献】実開昭62-082302(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンブレード軸
とファンブレードとの組立構造であって、
前記ファンブレードは、軸受スリーブを備えており、
前記ファンブレード軸は、前記軸受スリーブの内側孔に挿入され、
前記ファンブレード軸は、駆動端と自由端とを含み、
前記駆動端は、前記ファンブレード軸を回転駆動するための駆動装置に接続され、
前記ファンブレードは、前記駆動端と前記自由端との間に設けられ、
前記ファンブレード軸と前記ブレードとの嵌合部分は、前記駆動端に近い第1の嵌合部と、前記自由端に近い第2の嵌合部とを含み、
前記第1の嵌合部の直径は、前記第2の嵌合部の直径よりも大き
く、
前記第1の嵌合部の前記自由端から遠い側には、ファンブレードの前記駆動装置への軸方向の位置を規定するための第1のストッパ構造が設けられ、
前記内側孔は、前記第1の嵌合部と嵌合する第1の孔部と、前記第2の嵌合部と嵌合する第2の孔部とを含み、
前記第1の孔部の直径は、前記第2の孔部の直径よりも大きくなり、
前記第1の嵌合部と第1の孔部とが締まり嵌めとなり、前記第2の嵌合部と第2の孔部とが締まり嵌めとなり、
前記ファンブレード軸と前記軸受スリーブとの嵌合構造は、前記ファンブレード軸の軸方向において前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間における嵌合のうちの少なくとも一部が隙間嵌めとなっており、
前記第1の孔部と前記第2の孔部との間における内側孔の孔径が前記第1の孔部の直径と同じであり、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間におけるファンブレード軸直径が前記第2の嵌合部の直径と同じであり、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間には、軸段差部が設けられ、
前記第1の嵌合部は、前記軸段差部よりも大径側に設けられ、
前記第2の嵌合部は、前記軸段差部よりも小径側に設けられ、
前記軸段差部には、面取り構造が形成されている、
ことを特徴とする
、ファンブレード軸
とファンブレードとの組立構造。
【請求項2】
前記第1の孔部と前記第2の孔部との間には、面取り構造が形成された孔段差部が設けられている、
ことを特徴とする
、請求項
1に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【請求項3】
前記ファンブレードは、ファンブレード本体を備えており、
前記ファンブレード本体の径方向の中心位置には、ファンブレード孔が設けられ、
前記軸受スリーブは、前記ファンブレード孔に接着されている、
ことを特徴とする
、請求項
1に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【請求項4】
前記自由端には、前記ファンブレードの前記自由端への軸方向の位置を規定するための嵌合構造と接続するための接続部が設けられている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【請求項5】
前記ファンブレード軸は、軸本体を備えており、
前記第1のストッパ構造は、前記軸本体に設けられた径方向突起構造を含み、
前記接続部は、前記軸本体に設けられたねじ構造を含む、
ことを特徴とする、請求項4に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【請求項6】
前記接続部の直径は、前記第2の嵌合部の直径よりも小さく、
前記接続部と前記第2の嵌合部との間には、環状溝が設けられている、
ことを特徴とする、請求項4に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【請求項7】
前記ファンブレード軸は、モータ軸である、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機装置の技術分野に関し、特に、ファンブレード軸およびそれとファンブレードの組立構造、並びに軸受スリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扇風機の業界では、ファンヘッドに左右の揺れや上下の振れが発生し、運転の安定性に大きな影響を与えることがある。例えば、一般的な床置き扇風機、貫流扇風機、卓上・床置き扇風機、角型扇風機等の異なる機種の扇風機のいずれにも、運転中に上記のような状況が発生したことがある。そして、従来の製品は、振れの区間にギヤ段を設けないという方法で左右の揺れと上下の振れを回避することが多いが、このようにすると、ギヤ段同士の回転数のスパンの均一性に大きな影響を与え、ユーザの体験を悪くさせ、製品の市場競争力を低下させ、ブランドの影響力を弱くしてしまう。
【0003】
現在、ファンブレードとモータ軸との組立構造は、ユーザによるファンブレードの着脱を容易にするために、嵌合隙間を大きくしているが、このようにすると、必ず、組立に偏心が発生してアンバランス質量を増加させ、ファンヘッドの振れを大きくさせるという問題が存在している。
【0004】
現在、ファンブレードの組立に偏心が発生してアンバランス質量が増大することに起因する振れという問題に対して、加工精度を向上させ、組立隙間を小さくする方法を採用すると、生産加工のコストを増加させるだけでなく、ユーザによる着脱も困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の1つとして、従来の全体的な嵌合に代えて、ファンブレード軸を段差軸とすることによって、軸受スリーブとファンブレード軸の両端の局所的な締まり嵌めを実現し、扇風機の軸孔嵌合による装着に偏心が発生するという問題を解決できるファンブレード軸およびそれとファンブレードの組立構造、並びに軸受スリーブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明は、ファンブレードと嵌合するためのファンブレード軸であって、駆動端と自由端とを含み、前記駆動端は、前記ファンブレード軸を回転駆動するための駆動装置に接続され、前記ファンブレードは、前記駆動端と自由端との間に設けられ、前記ファンブレード軸と前記ブレードとの嵌合部分は、前記駆動端に近い第1の嵌合部と、前記自由端に近い第2の嵌合部とを含み、前記第1の嵌合部の直径は、前記第2の嵌合部の直径よりも大きいファンブレード軸を提供する。
【0007】
また、前記第1の嵌合部の前記自由端から遠い側には、ファンブレードの前記駆動装置への軸方向の位置を規定するための第1のストッパ構造が設けられ、および/または、
前記自由端には、前記ファンブレードの前記自由端への軸方向の位置を規定するための嵌合構造と接続するための接続部が設けられていることが好ましい。
【0008】
また、前記ファンブレード軸は、軸本体を備えており、
前記第1のストッパ構造は、前記軸本体に設けられた径方向突起構造を含み、
前記接続部は、前記軸本体に設けられたねじ構造を含むことが好ましい。
さらに、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間には、軸段差部が設けられ、前記第1の嵌合部は、前記軸段差部よりも大径側に設けられ、前記第2の嵌合部は、前記軸段差部よりも小径側に設けられ、前記軸段差部には、面取り構造が形成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記接続部の直径は、前記第2の嵌合部の直径よりも小さく、前記接続部と前記第2の嵌合部との間には、環状溝が設けられていることが好ましい。
また、前記ファンブレード軸は、モータ軸であることが好ましい。
また、本発明は、以下の手段を採用する。
【0010】
本発明は、上記のファンブレード軸とファンブレードとの組立構造であって、前記ファンブレードは、軸受スリーブを備えており、前記ファンブレード軸は、前記軸受スリーブの内側孔に挿入され、前記内側孔は、前記第1の嵌合部と嵌合する第1の孔部と、前記第2の嵌合部と嵌合する第2の孔部とを含み、前記第1の孔部の直径は、前記第2の孔部の直径よりも大きくなる組立構造を提供する。
【0011】
また、前記第1の嵌合部と第1の孔部とが締まり嵌めとなり、および/または、前記第2の嵌合部と第2の孔部とが締まり嵌めとなることが好ましい。
また、前記ファンブレード軸と前記軸受スリーブとの嵌合構造は、前記ファンブレード軸の軸方向において前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間における嵌合のうちの少なくとも一部が隙間嵌めとなっていることが好ましい。
【0012】
また、前記第1の孔部と前記第2の孔部との間における内側孔の孔径が前記第1の孔部の直径と同じであり、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間におけるファンブレード軸の直径が前記第2の嵌合部の直径と同じであることが好ましい。
また、前記第1の孔部と前記第2の孔部との間には、面取り構造が形成された孔段差部が設けられていることが好ましい。
また、前記ファンブレードは、ファンブレード本体を備えており、前記ファンブレード本体の径方向の中心位置には、ファンブレード孔が設けられ、前記軸受スリーブは、前記ファンブレード孔に接着されていることが好ましい。
また、本発明は、以下の手段を採用する。
【0013】
本発明は、上記の組立構造に用いられるファンブレードの軸受スリーブであって、第1の孔部と第2の孔部とを含む内側孔を備えており、前記第1の孔部の直径は、前記第2の孔部の直径よりも大きくなる軸受スリーブを提供する。
【0014】
また、前記第1の孔部と前記第2の孔部との間における内側孔の孔径は、前記第1の孔部の直径と同じであり、第1の孔部 と第2の孔部との間には、孔段差部が設けられ、前記孔段差部には、面取り構造が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るファンブレード軸およびそれとファンブレードの組立構造、並びに軸受スリーブによれば、従来の全体的な嵌合に代えてファンブレード軸を段差軸とすることにより、軸受スリーブとファンブレード軸の両端との局所的な締まり嵌めを実現し、扇風機の軸孔嵌合による実装に偏心が発生するという問題を解決し、ファンブレードの組立におけるずれによって軸受スリーブとファンブレード軸との同軸度が悪くなることに起因するファンヘッドの振れという問題を効果的に回避することができる。また、両端の嵌合部分を締まり嵌めとし、中間部分を隙間嵌めとすることにより、ユーザによるファンブレードの着脱がより便利となる。また、軸受スリーブを射出加工する過程において、軸受スリーブがより加工しやすくなり、生産効率が向上され、コストが節約される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明することにより、本発明の上記および他の目的、特徴ならびに利点はより明らかとなろう。
【
図1】本発明が提供するファンブレード軸の構造を示すものである。
【
図2】本発明が提供するファンブレード軸とファンブレードとの組立構造を示す分解図である。
【
図3】本発明が提供するファンブレード軸とファンブレードとの組立構造を示す組立図である。
【
図4】本発明が提供するファンブレード軸とファンブレードとの組立構造を示す部分拡大図である。
【
図5】本発明が提供する軸受スリーブを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に対して実施例を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の詳細な説明において、本発明の実質と混同させないように、幾つかの特定の細部について詳細に説明したが、公知の方法、手順、フロー、部品について詳細な説明を省略している。
【0018】
なお、当業者であれば、ここで提供される図面はいずれも説明の便宜上のものであり、そして、図面は必ずしも比例的に描かれているとは限らないことを理解すべきである。
【0019】
また、文脈上明らかな要求がない限り、明細書および特許請求の範囲における「含む」、「包含」等の類似する用語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包含する意味、すなわち「含むがこれらに限定されるものではない」という意味で解釈されるべきである。
【0020】
なお、本発明の説明において、「第1」、「第2」等の用語は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を示しまたは示唆するものではない。また、本発明の説明において、特に断りのない限り、「複数」は、2つまたはそれ以上であることを意味する。
【0021】
本発明は、例えば扇風機におけるファンブレード軸などのファンブレード軸1を提供する。前記ファンブレード軸1は、
図1~
図5に示すように、前記ファンブレード軸1を回転駆動するための駆動装置2に接続される駆動端と、前記駆動装置2から離れる自由端とを含み、前記ファンブレード4は、前記駆動端と自由端との間に設置されることにより、前記ファンブレード軸1によって前記ファンブレード4を回転させることができ、前記ファンブレード軸1と前記ファンブレード4との嵌合部分は、前記駆動端に近い第1の嵌合部11と、前記自由端に近い第2の嵌合部12とを含み、前記第1の嵌合部11の直径は、前記第2の嵌合部12の直径よりも大きくなっている。ファンブレード軸1を段差軸として構成することによって、ファンブレード軸1とファンブレードの軸受スリーブの両端との嵌合を局所的に締まり嵌めとし、中間の嵌合を隙間嵌めとすることができ、扇風機の軸孔嵌合による組立における偏心を効果的に解決することができる。
【0022】
また、前記ファンブレード軸1は、軸本体13を備えており、前記第1の嵌合部11の前記自由端から遠い側には、前記軸本体13に設けられた径方向突起構造15(例えば、止め輪)を備えるとともに、ファンブレード4の前記駆動装置2への軸方向の位置を規定するための第1のストッパ構造14が設けられており、および/または、前記自由端には、前記軸本体13に設けられたねじ構造を備えるとともに、嵌合構造と接続するための接続部16が設けられている。また、前記嵌合構造は、前記ねじ構造に回転して締付けされ、前記ファンブレード4の前記自由端への軸方向の位置を規定するためのファンブレードノブ3である。このように、前記第1のストッパ構造14および嵌合構造を設置することにより、ファンブレード4が前記駆動端と前記自由端との間に規制され、ファンブレード4の軸方向における移動が防止され、取付信頼性および安定性を保証することができる。
【0023】
さらに、前記第1の嵌合部11と第2の嵌合部12との間には、その大径側が前記第1の嵌合部11を備えるとともに、小径側が前記第2の嵌合部12を備え、かつ面取り構造が形成される軸段差部17が設けられる。このような面取り構造とすることにより、ユーザがファンブレード4を実装する際に引っ掛かりにくくなり、取付作業をより容易にすることができる。
【0024】
また、前記接続部16の直径は、前記第2の嵌合部12の直径よりも小さく、前記接続部16と第2の嵌合部12との間には、前記第2の嵌合部12から接続部16への移行のための環状溝18が設けられる。これにより、加工がより便利となり、生産効率が向上される。
【0025】
さらに、前記ファンブレード軸1は、モータ軸であり、前記ファンブレード軸1を回転駆動するための駆動装置2は、モータである。
【0026】
また、本発明は、ファンブレード軸1とファンブレード4との組立構造をさらに提供する。
図1~
図5に示すように、前記ファンブレード4は、ファンブレード本体41と、軸受スリーブ42とを備えており、前記ファンブレード本体41の径方向の中心位置にファンブレード孔411が設けられ、前記軸受スリーブ42が前記ファンブレード孔411に接着されるとともに内側孔421を備え、前記ファンブレード軸1を前記軸受スリーブ42の内側孔421に挿入することにより、前記ファンブレード軸1により前記ファンブレード4を回動させることができる。また、前記内側孔421は、前記第1の嵌合部11と嵌合する第1の孔部4211と、前記第2の嵌合部12と嵌合する第2の孔部4212とを含み、前記第1の孔部4211の直径が前記第2の孔部4212の直径よりも大きくなっている。また、前記第1の嵌合部11と第1の孔部4211とが締まり嵌めとなり、および/または、前記第2の嵌合部12と第2の孔部4212とが締まり嵌めとなる。このように、両端がいずれも締まり嵌めとなるので、組立隙間が小さくなり、軸孔嵌合による組立における偏心が少なくなり、これによりアンバランス質量が小さくなり、ファンブレード4の振動の大きさを効果的に小さくして、振れを軽減させることができる。
【0027】
さらに、前記ファンブレード軸1と軸受スリーブ42との嵌合構造は、ファンブレード軸1の軸方向において第1の嵌合部11と第2の嵌合部12との間における嵌合のうちの少なくとも一部が隙間嵌めとなっている。このように、隙間嵌めとすることにより、ユーザによる着脱がより容易となる。そして、射出加工において軸受スリーブ42の加工がより容易となるので、生産性が向上され、コストが削減される。
【0028】
また、前記第1の孔部4211と前記第2の孔部4212との間における内側孔421の孔径が前記第1の孔部4211の直径と同じであり、前記第1の嵌合部11と第2の嵌合部12との間におけるファンブレード軸1の直径が前記第2の嵌合部12の直径と同じである。これにより、第1の嵌合部11と第2の嵌合部12との間におけるファンブレード軸1の直径が、前記第1の孔部4211と前記第2の孔部4212との間における内側孔421の孔径よりも小さいので、第1の嵌合部11および第2の嵌合部12との嵌合を隙間嵌めとすることができる。
【0029】
また、第1の孔部4211と第2の孔部4212との間に孔段差部422が設けられ、前記孔段差部422に面取り構造が形成されていることが好ましい。このように、面取り構造が設けられることにより、ファンブレード軸1を実装時に軸受スリーブ42に挿入しやすくなり、実装効率を向上させることができる。
【0030】
さらに、本発明は、ファンブレードの軸受スリーブ42を提供する。前記軸受スリーブ42は、内側孔421を備えており、前記内側孔421は、第1の孔部4211および第2の孔部4212を含み、前記第1の孔部4211の直径が前記第2の孔部4212の直径よりも大きくなっている。また、前記第1の孔部4211と前記第2の孔部4212との間における内側孔421の孔径は、前記第1の孔部4211の直径と同じであり、第1の孔部4211と第2の孔部4212との間には、孔段差部422が設けられ、前記孔段差部422には、面取り構造が形成されている。
【0031】
具体的な実装過程では、まず、軸受スリーブ42をファンブレード孔411に接着し、さらに止め輪をファンブレード軸1に係止させる。また、実装をより安定にさせるように止め輪にガスケット5を取り付けることが好ましい。その後、ファンブレード軸1にファンブレード4を実装し、最後に、ファンブレードノブ3を締めることにより、ファンブレード4をファンブレード軸1に固定させる。
【0032】
本発明では、従来の全体的な嵌合に代えて軸受スリーブ42とファンブレード軸1の上下両端との局所的な締まり嵌めという方式を採用することにより、扇風機の軸孔嵌合による実装に偏心が発生するという問題を解決し、ファンブレード4の組立におけるずれによって軸受スリーブ42とファンブレード軸1との同軸度が悪くなることに起因するファンヘッドの振れという問題を効果的に回避することができる。また、両端の嵌合部分を締まり嵌めとし、中間部分を隙間嵌めとすることにより、ユーザによるファンブレード4の着脱がより便利となる。また、軸受スリーブ42を射出加工する過程において、軸受スリーブ42がより加工しやすくなり、生産効率が向上され、コストが節約される。
【0033】
なお、当業者であれば、互いに衝突しない限り、上記の各々の好適な実施形態を自由に組み合わせたり重畳したりすることが可能であることを容易に理解できるであろう。
【0034】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも例示であって制限的なものではなく、当業者は、本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記した細部に対して種々の明らかまたは等価の変形や置換をすることが可能であり、それらも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1…ファンブレード軸、11…第1の嵌合部、12…第2の嵌合部、13…軸本体、14…第1のストッパ構造、15…径方向突起構造、16…接続部、17…軸段差部、18…環状溝、2…駆動装置、3…ファンブレードノブ、4…ファンブレード、41…ファンブレード本体、411…ファンブレード孔、42…軸受スリーブ、421…内側孔、4211…第1の孔部、4212…第2の孔部、422…孔段差部、5…ガスケット。