(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220510BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021091428
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2021-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】新川 麻里
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-041737(JP,A)
【文献】特開2020-067963(JP,A)
【文献】国際公開第2014/069384(WO,A1)
【文献】特開2006-072771(JP,A)
【文献】特開2004-152021(JP,A)
【文献】特開2017-134737(JP,A)
【文献】特開2016-170490(JP,A)
【文献】特開2016-071652(JP,A)
【文献】特開2015-114839(JP,A)
【文献】特開2017-220100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報
であって前記ユーザが前記サービスを利用可能な時間を含む契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部と、
前記ユーザの予定を示す予定データを取得する予定データ取得部と、
前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件
であって、前記契約情報が示す前記サービスを利用可能な時間に、前記予定データが示す前記ユーザの空き時間が含まれているという前記条件が満たされている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供する情報提供部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記一以上のサービスそれぞれの利用可能な時間を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、
前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記利用可能な時間に、前記予定データが示す前記ユーザの空き時間が含まれているという前記条件が満たされている場合に、前記サービスの前記利用可能な時間を示す前記案内情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載する情報処理装置。
【請求項3】
前記一以上のサービスそれぞれの提供場所を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、
前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記提供場所と、前記予定データが示す前記ユーザの所在地と、の距離が所定値以内であるという前記条件が満たされている前記サービスの提供場所を示す前記案内情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載する情報処理装置。
【請求項4】
前記一以上のサービスそれぞれの内容を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、
前記記憶部は、前記サービスを前記ユーザに案内する前記条件として、複数の前記サービスそれぞれに関連付けて、前記ユーザの予定の内容を記憶し、
前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記一以上のサービスのうち、前記予定データが示す予定の内容に関連付けて前記記憶部に記憶された前記サービスの内容を示す前記案内情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載する情報処理装置。
【請求項5】
前記リソースデータ取得部が取得する前記リソースデータには前記一以上のサービスそれぞれの利用可能な時間が含まれ、
前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記サービスを利用可能な時間のうち、前記予定データが示す前記ユーザの予定の内容と、前記案内情報を提供する対象となる前記サービスの内容との関係に基づいて決定した時間帯が含まれる前記サービスの前記利用可能な時間を示す前記案内情報を前記ユーザに提供する、
請求項4に記載する情報処理装置。
【請求項6】
前記予定データ取得部は、前記予定データの変更後の予定を示す変更予定データをさらに取得し、
前記変更予定データが示す変更後の予定の属性が前記条件を満たしている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する前記案内情報を前記ユーザに提供する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記ユーザが前記案内情報に基づいて予約したサービスの内容、予約した時間及び提供場所を含む予約情報をさらに記憶し、
前記予定データ取得部は、前記予定データの変更後の予定を示す変更予定データをさらに取得し、
前記情報提供部は、前記記憶部に前記予約情報が記憶された状態で、前記予定データ取得部が前記変更予定データを取得した場合に、前記予約情報に対応する予約をキャンセルするかを前記ユーザに確認する情報を前記ユーザに提供する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は前記ユーザを識別するための第1ユーザ識別情報と、前記ユーザの前記予定データを取得するための前記第1ユーザ識別情報と異なる第2ユーザ識別情報と、を関連付けて記憶し、
前記予定データ取得部は、前記第2ユーザ識別情報を用いて前記予定データを取得する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記予定データ取得部は、前記予定データに関連付けられた一以上の他のユーザを示す関連ユーザデータをさらに取得し、
前記情報提供部は、前記条件が満たされているサービスが複数人で利用可能なサービスである場合に、前記条件が満たされているサービスに関する前記案内情報を前記関連ユーザデータが示す前記一以上の他のユーザに提供する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
ユーザの予定を示す予定データを取得するステップと、
前記ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報
であって前記ユーザが前記サービスを利用可能な時間を含む契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部を参照し、前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件
であって、前記契約情報が示す前記サービスを利用可能な時間に、前記予定データが示す前記ユーザの空き時間が含まれているという前記条件が満たされている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザの予定を示す予定データを取得するステップと、
前記ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報
であって前記ユーザが前記サービスを利用可能な時間を含む契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部を参照し、前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件
であって、前記契約情報が示す前記サービスを利用可能な時間に、前記予定データが示す前記ユーザの空き時間が含まれているという前記条件が満たされている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフラインで商品またはサービスを提供する提供者が定額制サービスを提供するためのシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ユーザは自身の端末からサービスの申込み画面にアクセスし、サービスの予約を行うことができる。しかしながら、ユーザはリソースの空き状況とユーザの予定とを調整してサービスを予約する必要があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの予定に応じてサービスの利用を提案できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部と、前記ユーザの予定を示す予定データを取得する予定データ取得部と、前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件を、前記予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供する情報提供部と、を有する。
【0007】
前記一以上のサービスそれぞれの利用可能な時間を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記利用可能な時間に、前記予定データが示す前記ユーザの空き時間が含まれているという前記条件が満たされている場合に、前記サービスの前記利用可能な時間を示す前記案内情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0008】
前記一以上のサービスそれぞれの提供場所を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記提供場所と、前記予定データが示す前記ユーザの所在地と、の距離が所定値以内であるという前記条件が満たされている前記サービスの提供場所を示す前記案内情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0009】
前記一以上のサービスそれぞれの内容を示すリソースデータを取得するリソースデータ取得部をさらに有し、前記記憶部は、前記サービスを前記ユーザに案内する前記条件として、複数の前記サービスそれぞれに関連付けて、前記ユーザの予定の内容を記憶し、前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記一以上のサービスのうち、前記予定データが示す予定の内容に関連付けて前記記憶部に記憶された前記サービスの内容を示す前記案内情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0010】
前記リソースデータ取得部が取得する前記リソースデータには前記一以上のサービスそれぞれの利用可能な時間が含まれ、前記情報提供部は、前記リソースデータが示す前記サービスを利用可能な時間のうち、前記予定データが示す前記ユーザの予定の内容と、前記案内情報を提供する対象となる前記サービスの内容との関係に基づいて決定した時間帯が含まれる前記サービスの前記利用可能な時間を示す前記案内情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0011】
前記予定データ取得部は、前記予定データの変更後の予定を示す変更予定データをさらに取得し、前記変更予定データが示す変更後の予定の属性が前記条件を満たしている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する前記案内情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記ユーザが前記案内情報に基づいて予約したサービスの内容、予約した時間及び提供場所を含む予約情報をさらに記憶し、前記予定データ取得部は、前記予定データの変更後の予定を示す変更予定データをさらに取得し、前記情報提供部は、前記記憶部に前記予約情報が記憶された状態で、前記予定データ取得部が前記変更予定データを取得した場合に、前記予約情報に対応する予約をキャンセルするかを前記ユーザに確認する情報を前記ユーザに提供してもよい。
【0013】
前記記憶部は前記ユーザを識別するための第1ユーザ識別情報と、前記ユーザの前記予定データを取得するための前記第1ユーザ識別情報と異なる第2ユーザ識別情報と、を関連付けて記憶し、前記予定データ取得部は、前記第2ユーザ識別情報を用いて前記予定データを取得してもよい。
【0014】
前記予定データ取得部は、前記予定データに関連付けられた一以上の他のユーザを示す関連ユーザデータをさらに取得し、前記情報提供部は、前記条件が満たされているサービスが複数人で利用可能なサービスである場合に、前記条件が満たされているサービスに関する前記案内情報を前記関連ユーザデータが示す前記一以上の他のユーザに提供してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ユーザの予定を示す予定データを取得するステップと、前記ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部を参照し、前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件を、前記予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供するステップと、を有する。
【0016】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ユーザの予定を示す予定データを取得するステップと、前記ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報と、前記一以上のサービスそれぞれを前記ユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部を参照し、前記契約情報が示す前記一以上のサービスのうちいずれかのサービスを前記ユーザに案内する前記条件を、前記予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、前記条件が満たされているサービスに関する案内情報を前記ユーザに提供するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの予定に応じてサービスの利用を提案できる装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施形態の情報処理システムSの概要を示す図である。
【
図2】情報処理装置1がユーザ端末2に送信する案内情報の例を示す図である。
【
図3】情報処理装置1の装置構成を示すブロック図である。
【
図4】記憶部12が記憶する契約情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】リソースデータ取得部132が取得するリソースデータのデータ構造の一例を示す図である
【
図6】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態の情報処理装置1が含まれる情報処理システムSの動作の概要について説明するための図である。情報処理システムSは、店舗において提供されるサービスの利用を促すためのメッセージをユーザに送信するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、店舗端末3と、予定管理サーバ4と、を備える。店舗は、例えばレストラン、美容室、理髪店、マッサージ店、エステサロン、クリーニング店又はレンタカー店のようにサービスを提供する店舗である。ユーザは、店舗に定額料金を支払い、所定のサービスを利用できるサブスクリプション方式のサービスを契約している。
【0020】
なお、店舗が提供するサービスは、移動する車両を時間貸しで占有できるサービスであってもよい。例えば、カーシェアリング、タクシー、シェアバイク等である。また、ユーザが契約するサービスは会員向けの固定制又は従量制の有料サービスであってもよい。サービスは端末向けのサービスの契約者のみが利用できるサービスであってもよい。
【0021】
情報処理装置1は、ユーザの予定に適したサービスをユーザに案内するための案内情報を送信し、サービスの利用を促す。案内情報は例えば、電子メール又はアプリケーションソフトウェアの通知機能によってユーザ端末2に送信される情報である。情報処理装置1がこのような案内情報をユーザに提供することで、ユーザにとっては、サービスを利用しやすくなるというメリットがある。また、店舗にとっては、ユーザがサービスを利用する頻度が高まるので、サービスを契約しているメリットをユーザに実感させ、サービスの解約を防止することができるというメリットがある。
【0022】
以下では、美容室である店舗が、結婚式に参列する予定のあるユーザに案内情報を送信する場合を例にとり、情報処理システムSの動作の概要を説明する。情報処理装置1は、店舗からの指示を受けて、ユーザが利用可能なサービスを示す契約情報と、ユーザの予定の内容、場所又は時間を示す予定データと、店舗における人員又は設備の稼働状況を示すリソースデータと、が所定の条件を満たす場合にサービスの案内情報をユーザ端末2に提供する装置である。情報処理装置1は、例えばサーバである。
【0023】
ユーザ端末2は、ユーザが受信した案内情報を閲覧し、サービスの予約操作を行うための端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等のコンピュータである。店舗端末3は、店舗の従業員が操作する、情報処理装置1に対して案内情報の送信を指示するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等のコンピュータである。予定管理サーバ4は、予定管理サービスを提供するサーバである。
【0024】
情報処理装置1は、案内情報の送信対象の店舗において提供されるサービスの内容、提供可能な時間及び提供場所を示すリソースデータを、例えば店舗端末3から予め取得している。また、情報処理装置1は、ユーザが利用可能なサービスを示す契約情報と、店舗のサービスを利用可能なユーザを示す情報と、を例えば店舗端末3から予め取得している。
【0025】
情報処理装置1は、美容室の店舗端末3から案内情報の送信指示を受信する(
図1における(1))。情報処理装置1は、予定管理サーバ4からユーザの予定データを取得する(
図1における(2))。情報処理装置1は、ユーザの予定データ、リソースデータ及びユーザの契約情報を参照し、予定データが示す予定があるユーザに適したサービスの利用を促す案内情報をユーザ端末2に送信する(
図1における(3))。
【0026】
一例として、ユーザが結婚式に参列する予定があることを予定データが示している場合、情報処理装置1は、予定データが示す予定の当日までのユーザの空き時間と、店舗のリソースデータが示す髪のカット又はスタイリング等のサービスを利用可能な時間と、が一致するサービスを利用可能な時間があるかどうかを判定する。情報処理装置1は、一致したサービスを利用可能な時間を含む、サービスの利用を促す案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0027】
図2は、情報処理装置1がユーザ端末2に送信する案内情報の例を示す図である。案内情報は、ユーザの予定に応じて店舗が提供するユーザが利用可能なサービスの利用を促すメッセージである。
図2に示す例では、ユーザ端末2は、ユーザの結婚式へ参列する予定に基づき選択された、複数のサービスを利用可能な時間の候補を含む、カットのサービスを案内する案内情報を表示している。
【0028】
メッセージを受信したユーザは、案内情報が表示された画面を操作することで、提案されたサービスを予約することが可能である。サービスを利用可能な時間の隣には予約ボタンが表示されている。ユーザが予約ボタンを押すと、ユーザ端末2は、ユーザがサービスの利用を申し込んだことを示す申込メッセージを情報処理装置1に送信する(
図1における(4))。また、
図2に例示する案内情報では、提案された日時以外の日時を指定してサービスを予約するためのボタンが配置されている。ユーザが指定ボタンをクリックすると、ユーザ端末2には、日時を指定してサービスを予約するためのWebサイトの画面が表示される。ユーザが予約するための操作を行うと、情報処理装置1は、サービスを予約するための処理をする。
【0029】
図1に戻り、情報処理装置1は、ユーザ端末2から申込メッセージを受信すると、店舗のリソースを管理している店舗端末3に予約情報を送信する(
図1における(5))。予約が成立すると、情報処理装置1は、ユーザ端末2に予約が成立したことを示す予約完了メッセージをユーザ端末2に送信する(
図1における(6))。そして、情報処理装置1は、店舗でのサービスを利用する予定を示す予定情報を生成し、ユーザの予定データを管理する予定管理サーバ4に送信する(
図1における(7))。
【0030】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の装置構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、予定データ取得部131と、リソースデータ取得部132と、情報提供部133と、を有する。通信部11は、ユーザ端末2、店舗端末3及び予定管理サーバ4と通信するための通信インターフェースである。
【0031】
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行する各種のプログラムを記憶する。
【0032】
記憶部12は、ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報を記憶する。
図4は、記憶部12が記憶する契約情報のデータ構造の例を示す図である。
図4に示す例では、契約情報においては、複数のユーザそれぞれが利用可能なサービスの内容を示す契約サービス情報、サービスを利用可能な場所を示す場所情報及びサービスを利用可能な時間を示す時間帯情報が関連付けられている。
【0033】
契約サービス情報は、各ユーザが、それぞれのサービスを利用可能であるか否かを示す情報である。
図4の例では、ユーザが利用可能なサービスに〇が付されている。
図4に示す契約サービス情報の例では、店舗は「前髪カット」、「全体カット」、「セット」、「髪染め」のサービスを提供しており、ユーザの契約内容に応じてそれぞれのサービスの利用可否が設定されている。
【0034】
なお、サービスは、家族、会社又はサークル等のグループ単位で契約することで、グループに所属するメンバがサービスを利用できる性質のサービスであってもよい。この場合、契約サービス情報においてはグループ単位でサービスの利用可否が設定されてもよい。
【0035】
場所情報は、複数の店舗が同一のサービスを提供するグループに所属している場合において、ユーザが利用することを契約している店舗を示す。場所情報は、ユーザが利用可能な複数の店舗の情報を含んでいてもよい。
【0036】
時間帯情報は、ユーザの契約内容に応じてサービスを利用可能な時間帯を示している。利用可能な時間帯は、例えば、平日であればどの時間でも利用可能な「平日」、休日の夜の時間帯のみ利用可能な「休日夜」又は時間帯を問わず利用可能な「終日」等が設定される。時間帯情報は、契約の内容に従って種々の方法で定義されてよい。
【0037】
なお、時間帯情報又は場所情報は、ユーザが利用可能なサービスごとに異なる時間帯又は場所が設定されるように構成されてもよい。一例として、サービス提供に時間を要する「全体カット」にはリソースが比較的空いている「店舗A」で「平日」を設定し、サービス提供に時間を要しない「セット」には「店舗A及び店舗B」で「終日」を設定される。情報処理装置1がこのように構成されることで、サービス及びリソースの性質に応じてユーザに提案する時間及び場所を柔軟に制御することができる。また、店舗においては、リソースを有効に活用することができる。
【0038】
記憶部12は、一以上のサービスそれぞれをユーザに案内する条件を記憶する。すなわち記憶部12は、ユーザの予定の内容、予定の時間又は予定の場所に基づいて、ユーザ端末2に案内情報を送信する対象となるサービスがあるかどうかを判定するための条件が設定された条件テーブルを記憶する。条件テーブルに設定されている条件は、例えば、ユーザが結婚式に参列する予定がある場合、結婚式に関連付けられたサービスである「全体カット」のサービスを利用可能な時間に、ユーザの予定データが示すユーザの空き時間が含まれているという条件である。条件は、リソースデータが示すサービスの提供場所と、予定データが示すユーザの所在地と、の距離が所定値以内であるという条件であってもよい。距離が所定値以内とは、例えば店舗とユーザの所在地が1km以内であることである。
【0039】
また、記憶部12は、ユーザにサービスを案内する条件として、予定の時間及び場所を組み合わせた条件を記憶してもよい。このような条件は、例えば、ユーザが結婚式に参列する予定があり、かつユーザの自宅から所定の距離内の店舗のリソースデータが示すサービスを利用可能な時間に、ユーザの予定データが示すユーザの空き時間が含まれている場合に「全体カット」の利用を案内するという条件である。
【0040】
記憶部12は、サービスをユーザに案内する条件として、複数のサービスそれぞれに関連付けて、ユーザの予定の内容を記憶してもよい。例えば、店舗が美容室である場合、記憶部12は、「全体カット」を案内する条件として、予定の内容が「入学式」、「パーティ」又は「コンパ」を示す予定データがあることを記憶する。また、記憶部12は、「セット」を案内する条件として、「入学式」、「卒業式」又は「結婚式」を示す予定データがあることを記憶する。また、記憶部12は、「髪染め」を案内する条件として、「卒業式」又は「夏休み」を示す予定データがあることを記憶する。
【0041】
記憶部12は、予定データが示すユーザの予定の内容と、案内情報を提供する対象となるサービスの内容と、リソースデータが示す空き時間のうちサービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯と、の関係を示す情報を記憶してもよい。例えば、記憶部12は、予定の内容が「結婚式」で、サービスの内容が「セット」である場合、サービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯は「当日のうち、予定の開始時間まで」であるという条件を示すデータを記憶する。また、記憶部12は、予定の内容が「卒業式」で、サービスの内容が「髪染め」である場合、サービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯は「予定の終了時間よりも前の7日間」であるという条件を示すデータを記憶する。
【0042】
記憶部12は、ユーザが案内情報に基づいて予約したサービスの内容、予約した時間及び提供場所を含む予約情報をさらに記憶してもよい。すなわち、記憶部12は、案内情報を送信したユーザが案内情報に基づいてサービスを予約した場合、ユーザと、当該案内情報を送信するための条件を満たした予定情報を識別するための情報である予定識別情報と、予約されたサービスの内容、予約された時間及び予約されたサービスの提供場所を含む予約情報と、を関連付けて記憶する。
【0043】
情報処理装置1は、情報処理装置1とは異なるユーザアカウントによりユーザを管理している予定管理サーバ4と連携してもよい。この場合、記憶部12はユーザを識別するための第1ユーザ識別情報と、ユーザの予定データを取得するための第1ユーザ識別情報と異なる第2ユーザ識別情報と、を関連付けて記憶する。第1ユーザ識別情報は、情報処理装置1においてユーザを一意に識別するための識別子であり、例えば、情報処理装置1が発行するユーザIDである。第2ユーザ識別情報は、予定管理サービスを提供する予定管理サーバ4においてユーザを一意に識別するための識別子である。記憶部12は、予定管理サーバ4における予定管理サービスの認証に必要な認証情報又は認可情報を第2ユーザ識別情報と関連付けて記憶してもよい。
【0044】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、予定データ取得部131、リソースデータ取得部132及び情報提供部133として機能する。
【0045】
予定データ取得部131は、ユーザの予定を示す予定データを取得する。予定データ取得部131は、予定管理サーバ4から所定期間のユーザの予定データを取得し、情報提供部133に出力する。所定期間としては、任意の期間が設定されてよいが、例えばユーザにより設定された期間である。所定期間は例えば、予定データを取得する日から将来に向かって1週間、2週間、1か月である。予定データ取得部131は、記憶部12に記憶された契約情報を参照し、店舗が提供する1以上のサービスを契約しているユーザの予定データを取得する。
【0046】
予定データは、予定データを識別する予定識別情報、予定の開始時間、予定の終了時間、件名、予定の場所、予定データの作成日時並びに予定データの更新日時又は更新回数の少なくともいずれかを示す情報を含むファイルである。予定の場所は、場所を表す単語又は文若しくは緯度及び経度を示す位置情報である。予定データには予定の内容を示すタグデータが付与されていてもよい。タグデータは例えば、「結婚式」、「入学式」又は「卒業式」である。予定データは、例えば、iCalendar形式又はvCalendar形式のファイルである。
【0047】
ところで、スケジュール管理サービスとして種々のものが存在するが、普段ユーザが利用しているスケジュール管理サービスと連携させて案内情報を受け取ることができるとユーザの利便性が高い。そこで、予定データ取得部131は、第2ユーザ識別情報を用いて予定データを取得してもよい。具体的には、予定データ取得部131は、記憶部12において第1ユーザ識別情報に関連付けて記憶されている第2ユーザ識別情報を取得する。そして、予定データ取得部131は、取得した第2ユーザ識別情報を用いて予定管理サーバ4にアクセスし、第2ユーザ識別情報に関連付けられて予定管理サーバ4に記憶されているユーザの予定データを取得する。
【0048】
予定が変更となった場合、案内情報に基づいたサービスの予約を変更又はキャンセルできるとユーザにとって利便性が高い。そこで、予定データ取得部131は、情報提供部133が案内情報を送信した後に、予定データの変更後の予定を示す変更予定データをさらに取得してもよい。予定データ取得部131は、変更予定データに含まれる予定識別情報を参照し、変更予定データに対応する変更前の予約情報を特定する。予定データ取得部131は、変更前の予定データと変更予定データそれぞれの更新日時又は更新回数を比較することで予定データが更新されているかどうかを判断してもよい。予定データ取得部131は、変更予定データと、変更前の予定データと、を情報提供部133に出力する。
【0049】
予定データが変更後の予定データであることを示す情報を含まない場合、予定データ取得部131は、取得した予定データに含まれる予定識別情報と同一の予定識別情報を含む予定データが記憶部12に記憶されているかを判定してもよい。取得した予定データに含まれる予定識別情報と同一の予定識別情報を含む予定データが記憶されている場合、予定データ取得部131は、取得した予定データが変更予定データであると判定し、変更前の予定データを特定する。
【0050】
予定データ取得部131は、予定データに関連付けられた一以上の他のユーザを示す関連ユーザデータをさらに取得してもよい。例えば、関連ユーザデータは、取得されたユーザの予定データに関連付けられた他のユーザのユーザ識別情報又はメールアドレスを示すデータである。予定データ取得部131は、取得した関連ユーザデータを情報提供部133に出力する。
【0051】
リソースデータ取得部132は、一以上のサービスそれぞれの内容、利用可能な時間又は提供場所を示すリソースデータを取得する。リソースデータ取得部132は、店舗端末3からリソースデータを取得し、情報提供部133に出力する。
【0052】
図5はリソースデータ取得部132が取得するリソースデータのデータ構造の一例を示す図である。リソースデータは、サービスの提供場所である店舗における、日時ごとに、店舗で提供しているサービスの空リソースの数を示すデータである。リソースデータはリソースの空席の数を示すデータに代えて、空リソースの有無を示す情報を有していてもよい。なお、リソースデータ取得部132は、リソースが複数人で利用可能であることを示す情報又は同時に利用可能な人数を示す情報を、リソースを識別する情報に関連付けて取得してもよい。また、店舗が提供するサービスが、移動する車両を時間貸しで占有できるサービスである場合、リソースデータ取得部132は、サービスの提供場所として、車両の現在位置を示す位置情報を、リソースを識別する情報に関連付けて取得してもよい。
【0053】
図3に戻り、情報提供部133は、契約情報が示す一以上のサービスのうちいずれかのサービスをユーザに案内する条件を、予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、条件が満たされているサービスに関する案内情報をユーザに提供する。予定の属性とは、予定データが示す予定の内容、時間又は場所である。情報提供部133は、記憶部12に記憶されているサービスをユーザに案内する条件を示す条件テーブルを参照することにより、予定の属性が条件テーブル内の条件を満たすサービスがあると判定した場合に、案内情報をユーザに提供する。
【0054】
情報提供部133は、条件テーブルが示すサービスをユーザに案内する条件と、取得されたユーザの予定データが示す予定の内容、時間又は場所と、を比較し、予定データがサービスを案内する条件を満たすユーザに対して、条件を満たすサービスの利用を促す案内情報を提供する。例えば、取得した条件テーブルに「セット」のサービスを案内する条件として、ユーザの予定データに「入学式」、「卒業式」、「結婚式」を示す予定データがあることが設定されている場合において、取得したユーザの予定データに「入学式」を示す情報が含まれている場合、情報提供部133は、「セット」の利用をユーザに促す案内情報をユーザ端末2に送信する。一例として、情報提供部133は、予定の内容として予定データに付与されたタグデータが示す内容を用いる。情報提供部133は、予定データに含まれる「件名」又は「予定の詳細」を入力として自然言語処理による方法で推定された予定の内容を用いてもよい。
【0055】
予定データ取得部131がユーザの複数の予定それぞれを示す予定アイテムの集合として予定データを取得する場合、情報提供部133は、それぞれの予定アイテムについて、サービスをユーザに案内する条件と一致しているかどうかを判定してもよい。
【0056】
情報提供部133は、リソースデータが示す利用可能な時間に、予定データが示すユーザの空き時間が含まれているという条件が満たされている場合に、サービスの利用可能な時間を示す案内情報をユーザに提供する。情報提供部133は、取得されたリソースデータが示す店舗が提供するサービスを利用可能な時間と、取得されたユーザの予定データが示す予定の時間と、を比較する。情報提供部133は、比較した結果リソースデータが示すサービスを利用可能な時間に、予定データが示す空き時間が含まれている場合、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、予定データが示すユーザの空き時間と、が一致する時間から選択された時間を含む案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0057】
例えば、リソースデータが2021年6月1日の10時~20時までの時間帯で「セット」のサービスを利用可能であることを示しており、予定データが示すユーザの空き時間が2021年6月1日の10時~12時の時間である場合、情報提供部133は、2021年6月1日の10時~12時の時間帯で「セット」のサービスが利用可能であることを示す案内情報を送信する。
【0058】
予定データが示すユーザの空き時間と、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、が一致する時間が複数ある場合、情報提供部133は、複数のサービスを利用可能な時間を提示するメッセージをユーザ端末2に送信する。情報提供部133は、ユーザに提示する時間に複数の候補が存在する場合、例えば、最も空きリソースが多い時間、又は案内情報の送信日に近い日の予定を優先的に提示してもよい。
【0059】
情報提供部133は、リソースデータが示す提供場所と、予定データが示すユーザの所在地と、の距離が所定値以内であるという条件が満たされているサービスの提供場所を示す案内情報をユーザに提供してもよい。情報提供部133は、取得されたリソースデータが示すサービスが提供される場所と、取得されたユーザの予定データが示す予定の場所と、を比較する。情報提供部133は、例えば、リソースデータが示すサービスが提供される場所と、ユーザの予定データが示す予定の場所と、の距離をユーザが移動するために要する時間が、所定値以内である場合、情報提供部133は、サービスの提供場所を含む案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0060】
サービスが、移動する車両を時間貸しで占有できるサービスである場合、情報提供部133は、リソースデータが示す車両の位置情報が示す車両の位置と、予定データが示すユーザの所在地と、の距離が所定値以内である場合、ユーザに案内情報を送信する。このように、情報提供部133は、MaaS(Mobility as a Service)のように、サービスの提供場所が移動する場合においても、車両の周辺に存在するユーザに案内情報を送信することができる。
【0061】
情報提供部133は、予定データが場所を示す情報を含まない場合、例えば、ユーザ端末2から取得された位置情報、記憶部12に記憶されたユーザの住所情報又は勤務先情報をユーザの所在地とする。情報提供部133は、例えば、記憶部12に記憶された店舗の情報を示す店舗テーブルを参照することでサービスが提供される店舗の所在地を特定する。
【0062】
店舗が種々のサービスを提供している場合、予定の内容ごとに適したサービスを案内したい場合がある。そこで、情報提供部133は、リソースデータが示す一以上のサービスのうち、予定データが示す予定の内容に関連付けて記憶部12に記憶されたサービスの内容を示す案内情報をユーザに提供してもよい。情報提供部133は、取得されたリソースデータが示す店舗が提供する複数のサービスの内容と、取得されたユーザの予定データが示す予定の内容と、を比較する。情報提供部133は、記憶部12に記憶されている条件テーブルを参照し、サービスをユーザに案内する条件と一致するサービスがある場合、予定の内容と、サービスの内容と、が示された案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0063】
例えば、店舗が「前髪カット」、「全体カット」、「セット」、「髪染め」を提供していることをリソースデータが示す場合において、ユーザに入学式の予定があることを予定データが示す場合、情報提供部133は、記憶部12に記憶された条件テーブルを参照し、入学式の予定がある場合に案内するサービスが「全体カット」又は「セット」であることを特定する。情報提供部133は、特定した「全体カット」又は「セット」を案内する案内情報をユーザ端末2に送信する。案内するサービスが複数ある場合は、情報提供部133は、全ての情報をユーザに提示してもよいし、最も空いているリソースが多いサービス又は最も単価が高いサービスを選択して案内情報を提供してもよい。このように情報提供部133が構成されることで、予定の内容に応じて、店舗が提供するサービスのなかから適したサービスを案内することができる。
【0064】
美容室が提供するカットのような、ユーザが周期的に利用するサービスの場合、ユーザの利用履歴を考慮し、前回の利用日から一定の期間を経過する日の前後でのサービスの利用を案内すると、ユーザの利便性が高い。この場合、記憶部12は、ユーザと、ユーザがサービスを利用した日時と、利用したサービスの内容と、を関連付けた利用履歴情報を記憶する。そして、情報提供部133は、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、予定データが示すユーザの空き時間と、が一致する時間のうち、利用履歴情報が示すユーザが最後にサービスを利用した日から所定期間から経過した日の前後でサービスを利用可能な時間を含む案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0065】
所定期間は、ユーザ又は店舗により設定される、サービスの内容に応じて決定される期間(例えば1か月等)である。また、前後何日の期間を案内の対象とするかは任意であるが、一例としては前後3日又は前後1週間である。
【0066】
ユーザが利用したい時間をあらかじめ設定しておき、設定に合うように店舗の空き時間でのサービスの利用をユーザに案内すると、ユーザの利便性が高い。この場合、記憶部12は、ユーザと、サービスと、ユーザがサービスの利用を希望する時間帯とを関連付けて記憶する。情報提供部133は、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、予定データが示すユーザの空き時間と、ユーザがサービスの利用を希望する時間帯と、が一致する時間を含む案内情報をユーザ端末2に送信する。ユーザがサービスの利用を希望する時間帯は例えば、「平日の午前中」、「金曜日の夕方」等と設定される。
【0067】
内容が同じサービスであってもサービスの性質と予定の性質に応じて案内すべき時間帯が異なる場合がある。情報提供部133は、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間のうち、予定データが示すユーザの予定の内容と、案内情報を提供する対象となるサービスの内容との関係に基づいて決定した時間帯が含まれるサービスの利用可能な時間を示す案内情報をユーザに提供してもよい。情報提供部133は、記憶部12に記憶された予定データが示すユーザの予定の内容と、案内情報を提供する対象となるサービスの内容と、リソースデータが示す空き時間のうちサービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯と、の関係を参照し、ユーザの予定と、サービスの内容と、に対応する時間帯を、ユーザに案内する時間帯として特定する。
【0068】
情報提供部133は、例えば、予定の内容が「卒業式」で、サービスの内容が「髪染め」である場合のように、ユーザが予定の行動をした後にサービスを利用する蓋然性が高い予定である場合、サービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯として、予定の後の所定の期間(例えば「当日の予定の後7日間」)であることを特定する。情報提供部133は、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、予定データが示す当日の予定の後の所定の期間のユーザの空き時間と、に一致する時間から選択された時間を示す案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0069】
他方、予定の内容が「同窓会」で、サービスの内容が「髪染め」である場合のように、ユーザが予定の行動をする前にサービスを利用する蓋然性が高い予定である場合、情報提供部133は、サービスを利用可能な時間として案内情報に含める範囲を示す時間帯として、予定の前の所定の期間(例えば「予定の前日までの7日間」)であることを特定する。情報提供部133は、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、予定データが示す予定の前日までのユーザの空き時間と、に一致する時間から選択された時間を示す案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0070】
情報処理装置1がこのように構成されることで、予定とサービスの性質に合った利用時間をユーザに案内することができ、ユーザの利便性を高めることができる。例えば、「結婚式」に向けた「エステ」のように、予定の数日前にサービスを受けることで、サービスの効果を最も発揮できる場合がある。このような、サービスの効果を発揮するための間隔を考慮した時間帯(例えば「1週間前から予定の3日前)等)を設定しておくことで、予定とサービスの性質に応じてサービスの効果を高めるようにサービス利用を促すことが可能となる。
【0071】
ここで、予定が変更されたことを示す変更予定データを受信した場合について説明する。変更予定データを受信した場合、情報提供部133は、変更後の予定に基づいて利用可能なサービスを案内する案内情報を送信してもよい。この場合、情報提供部133は、変更予定データが示す変更後の予定の属性が条件を満たしている場合に、条件が満たされているサービスに関する案内情報をユーザに提供する。情報提供部133は、記憶部12に記憶されている条件テーブルが示す条件と、取得されたユーザの変更予定データが示す予定の内容、時間又は場所と、を比較し、変更予定データがサービスを案内する条件を満たすユーザに対して、条件を満たすサービスの利用を促す案内情報を提供する。
【0072】
また、情報提供部133は、予約をキャンセルするかをユーザに選択させてもよい。情報提供部133は、記憶部12に予約情報が記憶された状態で、予定データ取得部131が変更予定データを取得した場合に、予約情報に対応する予約をキャンセルするかをユーザに確認する情報をユーザに提供する。情報提供部133は、変更予定データを取得した場合、変更予定データに対応する変更前の予定データを取得する。そして、情報提供部133は、取得した変更前の予定データに関連付けられた予約情報を取得する。情報提供部133は、予約情報が示す予約されたサービスの内容、予約された時間及び予約されたサービスの提供場所を表示して予約をキャンセルするかユーザに確認するメッセージを含む案内情報をユーザ端末2に送信する。
【0073】
なお、情報提供部133は、変更後の予定に基づいて予約可能なサービスの案内情報を提示したうえで予約を変更するか、予約をキャンセルするかをユーザに選択させる案内情報をユーザ端末2に送信してもよい。
【0074】
ところで、レストランやゴルフ場のように、店舗が複数のユーザで利用できるサービスを提供している場合、複数のユーザに対して案内情報を送信できるとユーザの利便性が高い。そこで、情報提供部133は、条件が満たされているサービスが複数人で利用可能なサービスである場合に、条件が満たされているサービスに関する案内情報を関連ユーザデータが示す一以上の他のユーザに提供してもよい。リソースデータ取得部132が、リソースが複数人で利用可能であることを示す情報又は同時に利用可能な人数を示す情報を、リソースデータに関連付けて取得した場合、情報提供部133は、案内情報を送信する条件を満たした予定データに、関連ユーザデータが関連付けられているかを判定する。予定データに関連ユーザデータが関連付けられている場合、情報提供部133は、関連ユーザデータが示すユーザにサービスの案内情報を送信する。
【0075】
予定データに関連付けられたユーザがサービスを契約していな場合、情報提供部133は、サービスへの加入を促す案内情報を関連ユーザに送信する。具体的には、情報提供部133は、店舗が提供するサブスクリプションサービスを契約するためのWebページへのリンクを含む、サービスの契約を関連ユーザに勧奨するメッセージを送信する。情報提供部133がこのように構成されることで、関連ユーザに対してもサービスの利用を訴求でき、ユーザの利便性が向上するとともに、店舗にとってはサブスクリプションサービスの加入者を拡大させ、売り上げを向上させることができる。
【0076】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6及び
図7は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、情報処理装置1(例えばリソースデータ取得部132)が店舗端末3から案内情報の送信指示を受信した時点から開始している。
図7に示すフローチャートは、
図6における「A」、「B」及び「C」から続いており、
図6における「D」は
図7における「D」から続いている。
【0077】
リソースデータ取得部132は、店舗端末3からリソースデータを取得する(S01)。予定データ取得部131は、記憶部12から契約情報を取得する。予定データ取得部131は、記憶部12から取得した契約情報を参照することにより、サービスの契約があるユーザを抽出する(S02)。予定データ取得部131は、店舗から提案対象のサービスを指定するデータを含む送信指示を受信している場合、指定されたサービスを契約しているユーザのみを抽出する。予定データ取得部131は、抽出したユーザの一覧からサービスの提案を行う対象のユーザを特定する(S03)。具体的には、予定データ取得部131は、抽出したユーザ一覧の最初のユーザを、サービスを提案する対象のユーザとして特定する。予定データ取得部131は、予定管理サーバ4から特定したユーザの予定データを取得する(S04)。
【0078】
情報提供部133は、取得されたユーザの予定データが示す予定の内容が記憶部12に記憶された条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たすかどうかを判定する(S05)。ユーザの予定を示す予定データとして複数のアイテムが存在する場合、情報提供部133は、それぞれのアイテムについて、条件と一致しているかどうかを判定する。予定データが示す予定の内容が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S05におけるYES)、情報提供部133はS06に処理を進め、予定データが示す予定の内容が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしていない場合(S05におけるNO)、情報提供部133はS12に処理を進める。
【0079】
予定データが示す予定の内容が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S05におけるYES)、情報提供部133は、ユーザの予定データが示す予定の場所が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしているかどうかを判定する(S06)。ユーザの予定データが示す予定の場所が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S06におけるYES)、情報提供部133はS07に処理を進め、満たしていない場合はS09に処理を進める。
【0080】
ユーザの予定データが示す予定の場所が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S06におけるYES)、情報提供部133は、ユーザの予定データが示す予定の時間が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしているかどうかを判定する(S07)。ユーザの予定データが示す予定の時間が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S07におけるYES)、情報提供部133はS08に処理を進め、満たしていない場合(S07におけるNO)はS10に処理を進める。
【0081】
ユーザの予定データが示す予定の時間が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしている場合(S07におけるYES)、情報提供部133は、ユーザ端末2に送信する案内情報に含める利用可能な時間を決定する(S08)。具体的には、情報提供部133は、予定データが示すユーザの空き時間と、リソースデータが示すサービスを利用可能な時間と、が一致する時間のうち一部又は全部の時間を、利用可能な時間として決定する。
【0082】
情報提供部133は、ユーザの予定データが示す予定の場所が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしていない場合(S06におけるNO)、条件テーブルを参照し、予定の場所が条件を満たす他の店舗を選択する(S09)。リソースデータ取得部132は、選択した店舗のリソースデータを取得する。そして、情報提供部133はS07に処理を進める。
【0083】
ユーザの予定データが示す予定の時間が、条件テーブルが示すサービスの利用を案内する条件を満たしていない場合(S07におけるNO)、情報提供部133は、条件を満たさないリソースデータが示す空き時間のうち、ユーザに利用を提案する時間を決定する(S10)。提案する時間は例えば、リソースデータが示す空き時間のうちもっとも早い時間又は空きリソースの数が最も多い時間である。
【0084】
情報提供部133は、サービスの内容と、決定されたサービスを利用可能な時間と、サービスの提供場所と、を含む案内情報をユーザ端末2に送信する(S11)。そして、予定データ取得部131は、抽出したユーザの一覧に、処理が未完了の他のユーザが存在するかどうかを判定する(S12)。抽出したユーザの一覧に、処理が未完了のユーザが存在する場合(S12におけるYES)、予定データ取得部131は、抽出したユーザの一覧から処理の対象となる次のユーザを特定する(S13)。その後、情報処理装置1は、特定した次のユーザに対して処理を行う。以下同様の処理を繰り返し、抽出したユーザの一覧に、処理が未完了のユーザが存在しない場合(S12におけるNO)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0085】
なお、情報処理装置1は、ユーザ端末2からの案内情報の送信依頼を受信したことを契機に処理を開始してもよい。この場合、ユーザ端末2は、ユーザの操作を受け付けると、ユーザの第1ユーザ識別情報を含む案内情報送信依頼を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、案内情報送信依頼の受信を契機に処理を開始する。この場合、S02において、予定データ取得部131は、記憶部12に記憶された契約情報のうち、受信した第1ユーザ識別情報に関連付けられた情報のみを取得する。そして、予定データ取得部131は、記憶部12から取得した契約情報を参照することにより、ユーザが契約しているサービスを取得する。
【0086】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、情報処理装置1においては、予定データ取得部131が、ユーザの予定を示す予定データを取得し、ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報と、一以上のサービスそれぞれをユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部12を参照し、情報提供部133が、契約情報が示す一以上のサービスのうちいずれかのサービスをユーザに案内する条件を、予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、条件が満たされているサービスに関する案内情報をユーザに提供する。情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザの予定に応じてサービスの利用を提案できる装置を提供する。
【0087】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0089】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
3 店舗端末
4 予定管理サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 予定データ取得部
132 リソースデータ取得部
133 情報提供部
【要約】
【課題】ユーザの予定に応じてサービスの利用を提案できるようにすること。
【解決手段】情報処理装置1においては、予定データ取得部131が、ユーザの予定を示す予定データを取得し、ユーザが利用することを契約している一以上のサービスを示す契約情報と、一以上のサービスそれぞれをユーザに案内する条件と、を記憶する記憶部12を参照し、情報提供部133が、契約情報が示す一以上のサービスのうちいずれかのサービスをユーザに案内する条件を、予定データが示す予定の属性が満たしている場合に、条件が満たされているサービスに関する案内情報をユーザに提供する。
【選択図】
図3