(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/01 20060101AFI20220510BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A01K1/01 801Z
A01K29/00 Z
(21)【出願番号】P 2022010320
(22)【出願日】2022-01-26
【審査請求日】2022-01-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517088399
【氏名又は名称】株式会社トレッタキャッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増山 義人
(72)【発明者】
【氏名】平畑 輝樹
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-208483(JP,A)
【文献】特開2021-26389(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096749(WO,A1)
【文献】特開2019-170180(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0092381(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K1/01
A01K29/00
A01K11/00
G06Q50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のペットが使用するペット用トイレ及び管理装置を備える管理システムにおいて、
前記ペット用トイレは、
前記複数のペットの各々が排泄するスペースを形成するトイレ容器と、
前記トイレ容器を支持する複数の位置に配置され、前記複数のペットの各々による前記ペット用トイレの使用に応じて当該トイレ容器にかかる重量を計測する複数のセンサと、
前記複数のセンサの各々によって計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報を前記管理装置に送信する送信手段と
を含み、
前記管理装置は、前記送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される第1行動パターンに基づいて、前記複数のペットのうち、前記ペット用トイレを使用したペットを判別する判別手段を含む
管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記センサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて前記ペットに関するペット情報を生成し、当該生成されたペット情報を前記判別されたペットを識別するための識別情報に対応づけて管理する管理手段を更に含む請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理手段は、前記送信されたセンサ情報を画像化し、当該画像化されたセンサ情報を学習済モデルに入力することによって、前記ペット用トイレの使用種別を推定し、当該推定された使用種別に基づいて、前記ペット情報を生成する請求項2記載の管理システム。
【請求項4】
前記複数のセンサは、平面視における前記トイレ容器の形状が略矩形形状である場合に、当該略矩形形状の4つの角部に配置される請求項1~3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記判別手段は、前記複数のペットの各々の過去の第2行動パターンを当該ペット毎に予め保持し、前記第1行動パターンと前記保持されている第2行動パターンとの一致率を前記ペット毎に算出し、当該算出された一致率が最も高いペットを、前記ペット用トイレを使用したペットとして判別する請求項1~4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記第1及び第2行動パターンは、前記ペット用トイレの使用を開始する際の行動パターン、前記ペット用トイレで排泄する際の行動パターン及び前記ペット用トイレの使用を終了する際の行動パターンのうちの少なくとも1つを含む請求項5記載の管理システム。
【請求項7】
前記判別手段は、
前記送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて前記ペット用トイレを使用したペットの体重を取得し、
前記複数のペットの各々の過去の体重及び前記取得された体重に基づいて前記ペット用トイレを使用したペットを判別することができるかを判定し、
前記ペット用トイレを使用したペットを判別することができないと判定された場合に、前記第1行動パターンに基づいて当該ペットを判別する
請求項1~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の管理システムに用いられる管理装置。
【請求項9】
ペット用トイレ及び管理装置を備える管理システムが実行する方法であって、
前記ペット用トイレを使用する複数のペットの各々が排泄するスペースを形成するトイレ容器を支持する複数の位置に配置された複数のセンサを用いて、前記複数のペットの各々による前記ペット用トイレの使用に応じて当該トイレ容器にかかる重量を計測するステップと、
前記複数のセンサの各々を用いて計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報を前記管理装置に送信するステップと、
前記送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンに基づいて、前記複数のペットのうち、前記ペット用トイレを使用したペットを判別するステップと
を具備する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、家庭内で例えば猫等のペットを飼うことが広く知られており、当該ペットの排泄物を適切に処理するためのペット専用のトイレ(以下、ペット用トイレと表記)が普及している。
【0003】
また、上記したペット用トイレにおいては、各種センサを組み込むことによって当該ペット用トイレを使用するペット(の健康状態等)を管理することが考えられている。
【0004】
しかしながら、ペット用トイレは複数のペットによって使用される場合があり、当該複数のペットを適切に管理するためには、当該ペット用トイレを使用したペットを判別(識別)することが有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、ペット用トイレを使用するペットを管理するために有用な管理システム、管理装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、複数のペットが使用するペット用トイレ及び管理装置を備える管理システムが提供される。前記ペット用トイレは、前記複数のペットの各々が排泄するスペースを形成するトイレ容器と、前記トイレ容器を支持する複数の位置に配置され、前記複数のペットの各々による前記ペット用トイレの使用に応じて当該トイレ容器にかかる重量を計測する複数のセンサと、前記複数のセンサの各々によって計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報を前記管理装置に送信する送信手段とを含む。前記管理装置は、前記送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される第1行動パターンに基づいて、前記複数のペットのうち、前記ペット用トイレを使用したペットを判別する判別手段を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ペット用トイレを使用するペットを管理するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】猫が罹る腎不全のIRISステージ分類を示す図。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る管理システムの構成の一例を示す図。
【
図4】ペットが入室する側から見たペット用トイレの断面を概略的に示す図。
【
図5】ペットがペット用トイレで排尿する場合に重量センサによって計測される重量の遷移を示す図。
【
図6】ペットが排尿せずに退室する場合に重量センサによって計測される重量の遷移を示す図。
【
図7】ペットがペット用トイレで排便する場合に重量センサによって計測される重量の遷移を示す図。
【
図8】管理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図10】ペット用トイレを使用したペットを判別する処理の概要について説明するための図。
【
図11】ペット用トイレを使用したペットを判別する処理の概要について説明するための図。
【
図12】ペット用トイレを使用したペットを判別する処理の概要について説明するための図。
【
図13】管理装置の処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図15】ペット情報のデータ構造の他の例を示す図。
【
図16】本発明の第2実施形態における学習済モデルの生成処理の概要を示す図。
【
図17】管理装置の処理手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。一般に、猫は、泌尿器系の病気に罹ることが非常に多く、半数近くが泌尿器系疾患を経験すると言われている。また、猫の泌尿器系疾患の中で重病化しやすいものの1つが腎不全である。
【0011】
図1は、猫が罹る腎不全のIRISステージ分類を示す。
図1に示すIRISステージ分類によれば、腎不全の重症度は、血液中のクレアチニン濃度によって分類される。すなわち、腎不全の重症度(ステージ)は、血液検査を実施することによって判別可能である。
【0012】
ところで、腎不全を適切に治療するためには当該腎不全を早期に発見することが望ましいが、猫の場合、例えば犬等と比較して病院(動物病院)に行く機会が少ないため、腎不全を早期に発見することが困難である。ステージ4の段階になると「全身症状が強く出る」ため、飼い主も異常を察知しやすいが、この段階で医師による診察を受けたとしても、治療が難しい場合が多い。
【0013】
ここで、ステージ2の症状として「多飲・多尿が見られる」があり、猫をペットとして飼う場合、当該猫に多飲・多尿の症状が表れているか否かをチェックすることによって、飼い主は腎不全を早期に発見することができる可能性がある。
【0014】
また、猫が慢性腎疾患と診断される前から体重の減少という兆候が表れるという調査結果があり、猫の体重をチェックすることも腎不全の早期発見に有用である。
【0015】
しかしながら、猫に多飲・多尿の症状や体重の減少という兆候が表れているか否かを飼い主が日常の中でチェックすることは困難である。
【0016】
そこで、本実施形態に係る管理システムは、上記した猫のようなペットの飼い主が当該ペット(の健康状態等)を管理するために用いられる。
【0017】
以下、本実施形態に係る管理システムについて詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る管理システムの構成の一例を示す。
【0018】
図2に示す管理システムは、主として、センサ装置10、管理装置20及びユーザ端末30を備える。なお、センサ装置10及びユーザ端末30は、例えばインターネットのようなネットワーク40を介して管理装置20と通信可能に接続されている。また、
図2においては、便宜的にセンサ装置10及びユーザ端末30が1つずつ示されているが、管理システムは、当該センサ装置10及びユーザ端末30を複数備えていても構わない。
【0019】
センサ装置10は、ペットが使用するペット用トイレに組み込まれている。センサ装置10は、上記したペット(例えば、猫)の排尿量や体重を取得するために用いられる。
【0020】
管理装置20は、サーバ装置として動作する電子機器(情報処理装置)であって、センサ装置10を用いて当該センサ装置10が組み込まれているペット用トイレを使用するペットに関する情報(以下、ペット情報と表記)を生成し、当該ペット情報を管理する機能を有する。なお、管理装置20は、例えばクラウドコンピューティングサービスを提供するサーバ装置等であってもよい。
【0021】
ユーザ端末30は、上記したセンサ装置10が組み込まれているペット用トイレを使用するペットの飼い主(以下、ユーザと表記)によって使用される電子機器である。ユーザ端末30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレットコンピュータ等を含む。
【0022】
ここで、
図3は、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向によって規定されている3次元空間に配置されたペット用トイレの外観の一例を示す。
図3においては、ペット用トイレ100が例えば猫用に開発された多層式全自動トイレである例を示している。
【0023】
図3に示すように、ペット用トイレ100は、上層トイレ容器101、下層トイレ容器102及び尿回収トレイ103を備える。
【0024】
上層トイレ容器101は、ペットが排尿するスペースを形成するものであり、底面に例えばすのこが配置されている。ここでは、上層トイレ容器101の底面にすのこが配置されているものとして説明したが、当該上層トイレ容器101の底面は、ペットが排泄した尿が通過するように形成されていればよい。ペット用トイレ100を使用するペットが猫である場合には、上層トイレ容器101の底面(すのこ)の上には例えばねこ砂が敷き詰められる。
【0025】
下層トイレ容器102は、上層トイレ容器101の下方に配置され、当該上層トイレ容器101を支持するように構成されている。
【0026】
尿回収トレイ103は、上層トイレ容器101と重畳する位置に配置される。また、下層トイレ容器102の下部には切り欠き加工が施されており、尿回収トレイ103は、当該切り欠き部から引き出すことが可能である。この尿回収トレイ103には、例えば吸水及び防臭効果のあるペット用シート等を敷くことができる。
【0027】
図3に示すペット用トイレ100は、上記した上層トイレ容器101、下層トイレ容器102及び尿回収トレイ103を重ねた状態で使用される。このようなペット用トイレ100においてペットが排尿した場合、当該ペットの尿は、上層トイレ容器101の底面(すのこ)を通過し、尿回収トレイ103で回収される。これによれば、ペットの飼い主(ユーザ)は、尿回収トレイ103を下層トイレ容器102の切り欠き部から引き出すことによってペットの尿を容易に清掃することが可能である。
【0028】
なお、上層トイレ容器101には、
図3に示すように更にカバー部材104が取り付けられてもよい。
【0029】
更に、本実施形態において、ペット用トイレ100は、下層トイレ容器102及び尿回収トレイ103の下部にセンサプレート105を備える。センサプレート105には、重量センサ11が設けられている。本実施形態において、重量センサ11は、例えば下層トイレ容器102等を支持する複数の異なる位置に配置され、複数のペットの各々によるペット用トイレ100の使用に応じて当該下層トイレ容器102にかかる重量を計測することができる複数のセンサ(重量センサ)11a~11dを含む。
【0030】
図3に示す例では、センサプレート105は下層トイレ容器102の形状に合わせて略矩形形状を有している(つまり、平面視における下層トイレ容器102の形状が略矩形形状である)が、センサ11a~11dは、当該センサプレート105の四隅(つまり、略矩形形状の4つの角部)に配置されている。なお、本実施形態において平面視とは、ペット用トイレ100が載置される床面に対して垂直な方向から当該ペット用トイレ100(下層トイレ容器102)を見ることをいう。
【0031】
本実施形態においては、このような重量センサ11(センサ11a~11d)を用いて、上記したペットの排尿量及び体重を取得(算出)する。
【0032】
なお、上記した重量センサ11は、ペット用トイレ100に組み込まれるセンサ装置10を構成する。また、
図3においては省略されているが、センサ装置10(ペット用トイレ100)は、重量センサ11以外に、例えばCPU、メモリ及び無線通信デバイス等を備えているものとする。
【0033】
以下、
図4及び
図5を参照して、
図3に示すペット用トイレ100を使用するペットの排尿量及び体重を取得する原理を説明する。なお、本実施形態においては、ペットがペット用トイレ100の使用を開始する(つまり、ペット用トイレ100に入る)ことをペットが入室すると称し、当該ペットがペット用トイレ100の使用を終了する(つまり、ペット用トイレ100から出る)ことをペットが退室すると称する。
【0034】
図4は、ペットが入室する側から見たペット用トイレ100の断面を概略的に示している。なお、
図4においては、上記した上層トイレ容器101及びカバー部材104については省略されている。
【0035】
図4に示すように、重量センサ11は、トイレ本体の重量を計測することができるように構成されている。なお、トイレ本体とは、上層トイレ容器101、下層トイレ容器102及びカバー部材104等を含み、尿回収トレイ103は含まれないものとする。すなわち、本実施形態において、重量センサ11は、尿回収トレイ103の重量を計測しないように構成されている。なお、重量センサ11は、上記したトイレ本体の重量を常時監視(計測)するように動作するものとする。
【0036】
ここで、
図5は、ペットがペット用トイレ100で排尿する場合に重量センサ11によって計測される重量の遷移(変化)を示している。なお、以下の説明における重量センサ11によって計測される重量は、当該重量センサ11に含まれる複数のセンサ11a~11dの各々によって計測された重量の合計値であるものとする。
【0037】
図5においては、重量センサ11によって計測される重量と基準値との差分が示されている。基準値とは、ペットが入室していないときに重量センサ11によって計測される重量(つまり、トイレ本体の重量)をいう。以下の
図6及び
図7においても同様である。
【0038】
図5に示すように、ペットが入室した場合には、重量センサ11によって計測される重量は当該ペットの体重に応じて増加する。
【0039】
入室したペットが排尿した場合、当該ペットの尿は上記したように尿回収トレイ103において回収される。本実施形態において、重量センサ11は尿回収トレイ103(及び当該尿回収トレイ103において回収された尿)の重量を計測しないため、当該重量センサ11によって計測される重量は、ペットの体内から排泄された尿の量(つまり、排尿量)に応じて減少する。すなわち、本実施形態においては、このような重量センサ11によって計測される重量の減少量を監視することによって、ペットの排尿量を得ることができる。
【0040】
また、上記したペットの排尿後に重量センサ11によって計測される重量(基準値との差分)は、当該ペットの体重として得ることができる。
【0041】
なお、ペットは入室した場合であっても排尿せずに退室する場合がある。
図6は、このような場合に重量センサ11によって計測される重量の遷移(変化)を示している。この場合には、ペットが入室した後に重量センサ11によって計測される重量(基準値との差分)をペットの体重として得ることができる。すなわち、ペットが入室してから退室するまでの期間において重量センサ11によって計測される重量に変化がない場合には、当該ペットが排尿せずに退室したと判別することができる。
【0042】
ここではペット用トイレ100(重量センサ11)を用いてペットの排尿量及び体重を取得する場合について説明したが、当該ペットの健康状態を把握するためには、当該ペットの排便量を取得することも有用である。
【0043】
以下、
図7を参照して、ペットの排便量を取得する原理を説明する。
図7は、ペットがペット用トイレ100で排便する場合に重量センサ11によって計測される重量の遷移(変化)を示している。
【0044】
例えば
図3及び
図4において説明したペット用トイレ100においてペットが排便した場合、当該ペットによって排泄された便は、尿とは異なり、上層トイレ容器101上に残ることになる。このため、ペットが退室していない状態において重量センサ11によって計測される重量は、排便前と排便後とで変化しない。しかしながら、ペットが退室した場合には、上層トイレ容器101上にペットが排泄した便のみが残っている状態となるため、この時点で重量センサ11によって計測される重量(と基準値との差分)を排便量として得ることができる。なお、この場合におけるペットの体重は、ペットが入室している間に重量センサ11によって計測された重量から上記したように得られる排便量を減算した値に相当する。
【0045】
上記したペット用トイレ100によれば、重量センサ11を用いることによって、当該ペット用トイレ100を使用するペットの排泄量(排尿量及び排便量)及び体重を取得することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、上記したように重量センサ11を用いてペットの排泄量及び体重を取得するものとして説明するが、センサ装置10が他のセンサを備え、当該他のセンサを用いてペットの排泄量及び体重や当該ペットを管理するためのその他の情報を取得するようにしてもよい。
【0047】
図8は、管理装置20のハードウェア構成の一例を示す。
図8に示すように、管理装置20は、バス21に接続された、不揮発性メモリ22、CPU23、メインメモリ24及び無線通信デバイス25等を備える。
【0048】
不揮発性メモリ22は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ22に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及び上記したペット(ペット情報)を管理する機能を実現するためのプログラム(以下、管理プログラムと表記)等が含まれる。
【0049】
CPU23は、例えば不揮発性メモリ22に格納されている各種プログラムを実行する。なお、CPU23は、管理装置20全体の制御を司るものである。
【0050】
メインメモリ24は、例えばCPU23が各種プログラムを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
【0051】
無線通信デバイス25は、上記したセンサ装置10及びユーザ端末30との無線通信を実行する機能を有する。
【0052】
なお、
図8においては、不揮発性メモリ22及びメインメモリ24のみが示されているが、管理装置20は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を備えていてもよい。
【0053】
図9は、管理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、管理装置20は、受信部201、管理部202、ペット情報格納部203、判別部204及び送信部205を含む。
【0054】
本実施形態において、受信部201、管理部202、判別部204及び送信部205の一部または全ては、例えば
図8に示すCPU23(つまり、管理装置20のコンピュータ)が不揮発性メモリ22に格納されている管理プログラムを実行すること、すなわち、ソフトウェアによって実現されるものとする。なお、この管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布可能である。また、この管理プログラムは、例えばネットワーク40を介して管理装置20にダウンロードされても構わない。
【0055】
ここでは、各部201、202、204及び205がソフトウェアによって実現されるものとして説明したが、当該各部201、202、204及び205は、例えばハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0056】
また、本実施形態において、ペット情報格納部203は、例えば
図8に示す不揮発性メモリ22または他の記憶装置等によって実現される。
【0057】
上記したセンサ装置10(ペット用トイレ100)は、ペットがペット用トイレ100を使用している間に重量センサ11に含まれるセンサ11a~11dの各々によって計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報を継続的に管理装置20に送信する。受信部201は、上記したようにセンサ装置10から送信されたセンサ情報を受信する。
【0058】
管理部202は、受信部201によって受信されたセンサ情報に基づいて、ペット用トイレ100を使用したペットの排泄量及び体重を取得(算出)し、当該排泄量及び体重を含むペット情報を生成する。このように管理部202によって生成されたペット情報はペット情報格納部203に格納され、当該管理部202によって管理される。
【0059】
ここで、ユーザが複数のペットを飼っているものとすると、1つのペット用トイレ100を当該複数のペットで共有する場合がある。このような場合において複数のペットに関するペット情報を適切に管理するためには、ペット用トイレ100の使用(つまり、センサ装置10から送信されるセンサ情報)毎に、当該複数のペットのうちの当該ペット用トイレ100を使用したペットを判別(識別)する(つまり、ペット毎にペット情報を管理する)必要がある。この場合、ペット用トイレ100(例えば、カバー部材104等)にカメラを取り付け、当該カメラによって撮像されたペットを含む画像に基づいてペット用トイレ100を使用したペットを判別することが考えられる。
【0060】
しかしながら、ペット用トイレ100にカメラを取り付けることは、当該ペット用トイレ100のコストを増加させる要因となる。また、ペットが黒色の猫等である場合には、カメラによって撮像された画像から当該ペットを判別することが困難な場合がある。
【0061】
更に、ペット用トイレ100を使用したペットを判別するために当該ペットにRFタグ(が内蔵された首輪)等を装着することが考えられるが、当該RFタグをペットに装着することは当該ペットにストレスを与えることになり、好ましくない。
【0062】
そこで、本実施形態において、判別部204は、上記した受信部201によって受信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量に基づいて、当該重量が計測された際にペット用トイレ100を使用したペットを判別する。
【0063】
なお、判別部204によって実行される処理の詳細については後述するが、当該判別部204によってペット用トイレ100を使用したペットが判別された場合には、上記したペット情報を当該判別されたペットを識別するための識別情報(以下、ペットIDと表記)に対応づけて管理する(つまり、ペット情報格納部203に格納する)ことができる。
【0064】
送信部205は、管理部202によって管理されているペット情報を例えばユーザ端末30に送信する。このように送信部205によって送信されたペット情報は、ユーザが確認可能な態様でユーザ端末30に表示される。
【0065】
ここで、
図10~
図12を参照して、ペット用トイレ100を使用したペットを判別する処理の概要について説明する。
【0066】
図10は、例えば複数のペットのうちの第1ペットがペット用トイレ100を使用した際にセンサ11a~11dの各々によって計測された重量(センサ毎の重量)の遷移をグラフ形式で表している。
【0067】
なお、グラフ111aは、センサ11aによって計測された重量の遷移(経時的変化)を表している。グラフ111bは、センサ11bによって計測された重量の遷移(経時的変化)を表している。グラフ111cは、センサ11cによって計測された重量の遷移(経時的変化)を表している。グラフ111dは、センサ11dによって計測された重量の遷移(経時的変化)を表している。グラフ111eは、センサ11a~11dの各々によって計測された重量の合計値の遷移(経時的変化)を表している。なお、上記した
図5~
図7は説明のために簡易的に重量センサ11によって計測された重量の遷移を示しているが、グラフ111eは、当該
図5~
図7よりも、実際に計測された重量の遷移に近い例を表している。
【0068】
ここで、
図10に示すグラフ111a~111dは、時刻t1に入室し、時刻t1~t2の間にペット用トイレ100内を移動し、時刻t2~t3の間に排尿し、時刻t3~t4の間に砂かきを行い、時刻t4に退室したという第1ペットの行動(パターン)に応じてセンサ11a~11dの各々によって計測された重量の遷移を表している。なお、
図10においては視認しづらいが、時刻t2~t3の間においてグラフ111eによって表される重量(つまり、重量センサ11によって計測された重量)は、上記した
図5と同様に減少しているものとする。
【0069】
以下、センサ11a~11dの各々によって計測された重量の遷移(つまり、グラフ111a~111d)と第1ペットの行動パターンとの関係性について具体的に説明する。
【0070】
まず、
図10に示すグラフ111a~111dにおいては、時刻t1においてセンサ11a~11dによって上記した基準値との差分を有する重量が計測されていることから、当該時刻t1に第1ペットが入室したことがわかる。また、時刻t1においてはセンサ11a~11dのうちのセンサ11bによって最も大きい重量が計測されているため、センサ11bが配置されている位置の近傍から第1ペットが入室したことがわかる。
【0071】
また、
図10に示すグラフ111a~111dは、時刻t1~t2の間で交差している。このようなグラフ111a~111dの交差は、第1ペットがペット用トイレ100内を移動していることを表している。なお、第1ペットが特定のセンサの近傍にいる場合には当該センサによって計測される重量は大きくなることから、時刻t0~t1の間においてセンサ11a~11dの各々によって計測された重量により、第1ペットがペット用トイレ100内を移動した経路を特定することも可能である。
図10に示す時刻t2~t3におけるグラフ111a~111dによれば、最も大きい重量を計測したセンサがセンサ11b、11c、11d、11aの順に変化しているため、第1ペットがセンサ11bの近傍の位置からセンサ11cの近傍の位置に移動し、更にセンサ11dの近傍の位置に移動した後に、センサ11aの近傍の位置に移動したことがわかる。
【0072】
また、
図10に示すグラフ111a~111dにおいては、時刻t2~t3の間においてセンサ11a~11dによって計測された重量の変化が少ないため、第1ペットが一定の場所に止まっていることがわかる。また、グラフ111a~111dにおいては、時刻t2~t3の間でセンサ11a~11bによって計測された重量(の合計値)が徐々に減少しているため、第1ペットが排尿したことがわかる。なお、時刻t2~t3の間に最も大きい重量を計測したセンサはセンサ11aであるため、第1ペットが当該センサ11aの近傍の位置で排尿したことがわかる。
【0073】
また、
図10に示すグラフ111a~111dは、時刻t3~t4の間において激しく変動しているが、概ね交差していない。これによれば、時刻t3~t4の間に第1ペットがペット用トイレ100内で砂かきをしたことがわかる。すなわち、グラフ111a~111dが交差するか否かによって、ペット用トイレ100内におけるペットの移動及び砂かきを区別することができる。なお、時刻t3~t4の間に最も大きい重量を計測したセンサはセンサ11a及び11bであるため、第1ペットがセンサ11a及び11bの間の位置付近で砂かきをしたことがわかる。
【0074】
また、
図10に示すグラフ111a~111dによれば、時刻t4においてセンサ11a及び11bによって計測されている重量が同程度であるため、第1ペットがセンサ11a及び11bの間の位置付近から退室したことがわかる。
【0075】
すなわち、センサ11a~11dの各々によって計測されるセンサ毎の重量の遷移を観察することによって、ペット用トイレ100内におけるペットの行動パターンを特定することが可能である。
【0076】
次に、
図11は、上記した
図10に示すグラフによって表される重量(の遷移)が計測された日とは異なる日に第1ペットがペット用トイレ100を使用した際にセンサ11a~11dによって計測された重量(センサ毎の重量)の遷移をグラフ形式で表している。
【0077】
詳しい説明を省略するが、
図11に示すグラフ111a~111dによれば、時刻t11に入室した第1ペットが時刻t11~t12の間に当該ペット用トイレ100内を移動したことがわかる。更に、
図11に示すグラフ111a~111dによれば、時刻t12~t13の間に排尿し、時刻t13~t14の間に砂かきをし、時刻t14に退室したことがわかる。
【0078】
上記した
図10に示すグラフ111a~111dと
図11に示すグラフ111a~111dとを比較すると、多少の差異はあるものの、当該
図10及び
図11に示すグラフ111a~111dによって特定される行動パターンは概ね同様である(類似している)といえる。
【0079】
一方、
図12は、第1ペットとは異なる第2ペットがペット用トイレ100を使用した際にセンサ11a~11dによって計測された重量(センサ毎の重量)の遷移を表している。
【0080】
詳しい説明を省略するが、
図12に示すグラフ111a~111dによれば、時刻t21に入室した第2ペットが時刻t21~t22の間に当該ペット用トイレ100内を移動したことがわかる。更に、
図12に示すグラフ111a~111dによれば、時刻t22~t23の間に排尿し、時刻t23~t24の間に砂かき及び移動をし、時刻t24に退室したことがわかる。
【0081】
上記した
図10(及び
図11)に示すグラフ111a~111dと
図12に示すグラフ111a~111dとを比較すると、類似する点はあるが、例えば入室する位置、排泄前の行動(例えば、当該ペット用トイレ100内の移動経路等)、排泄時の位置、排泄後の行動(例えば、砂かきをする位置等)及び退室する位置等については、第1及び第2ペットの間で明確な差異があるといえる。
【0082】
すなわち、上記したように重量センサ11に含まれるセンサ11a~11dの各々によって計測される当該センサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンは、同一のペットでは概ね同様であり、異なるペットでは差異があるといえる。本実施形態においては、このような点に着目し、センサ11a~11dの各々によって計測される当該センサ毎の重量の遷移に基づくペット用トイレ100内でのペットの行動パターンを、ペット用トイレ100を使用したペットを判別するために用いる。
【0083】
以下、
図13のフローチャートを参照して、管理装置20の処理手順の一例について説明する。
【0084】
まず、上記した複数のペットのうちの1匹のペット(以下、対象ペットと表記)がペット用トイレ100を使用する場合、当該ペット用トイレ100に組み込まれているセンサ装置10(重量センサ11)によって計測される重量は、当該対象ペットの入室に応じて変化する。これによれば、センサ装置10は、重量センサ11によって計測される重量に基づいて対象ペットが入室したこと(つまり、ペット用トイレ100の使用を開始したこと)を検知することができる。
【0085】
同様に、重量センサ11によって計測される重量は、対象ペットの退室に応じて変化する。このため、センサ装置10は、重量センサ11によって計測される重量に基づいて対象ペットが退室したこと(つまり、ペット用トイレ100の使用を終了したこと)を検知することができる。
【0086】
この場合、センサ装置10は、図示しない送信部を介して、対象ペットが入室してから退室するまでの間にセンサ11a~11dによって計測されたセンサ毎の重量を含むセンサ情報を管理装置20に送信する。なお、センサ情報には、対象ペットが入室したことが検知された日時(以下、入室日時と表記)及び当該対象ペットが退室したことが検知された日時(以下、退室日時と表記)が付されているものとする。
【0087】
なお、この時点では上記した複数のペットのうちのいずれかのペットによる入退室が検知されるのみであって、いずれのペットが入室したかは不明であるため、上記したセンサ情報には当該対象ペットを識別するためのペットIDのような情報は付されていない。
【0088】
受信部201は、上記したようにセンサ装置10から送信されたセンサ情報を受信する(ステップS1)。
【0089】
次に、管理部202は、ステップS1において受信されたセンサ情報に基づいて、対象ペットに関するペット情報を生成する(ステップS2)。
【0090】
ステップS2において、管理部202は、ステップS1において受信されたセンサ情報に付加されている入室日時及び退室日時を取得する。また、管理部202は、ステップS1において受信されたセンサ情報に基づいて、ペットの排泄量(排尿量または排便量)及び体重を取得する。具体的には、ステップS1において受信されたセンサ情報にはセンサ毎の重量(複数のセンサ11a~11dの各々によって計測された重量)が含まれているところ、管理部202は、当該センサ毎の重量の合計値(の遷移)に基づいて、上記した
図5~
図7において説明したように対象ペットの排泄量(排尿量または排便量)及び体重を取得することができる。これにより、管理部202は、例えば入室日時、退室日時、排泄量及び体重を含むペット情報を生成する。
【0091】
なお、上記したセンサ毎の重量の合計値は管理部202によって算出されればよいが、当該センサ毎の重量の合計値は、センサ装置10において算出され、センサ装置10から管理装置20に送信されるセンサ情報に含まれていてもよい。
【0092】
次に、判別部204は、ステップS1において受信されたセンサ情報(に含まれるセンサ毎の重量)が計測された際にペット用トイレ100を使用していた対象ペットを判別する処理を実行する。
【0093】
ここで、本実施形態において判別部204は、ペット用トイレ100を使用する可能性があるペット(以下、候補ペットと表記)毎に、当該候補ペットの過去の行動パターンを予め保持しているものとする。
【0094】
なお、各候補ペットの過去の行動パターンは、例えば飼い主によって指定された当該候補ペットにペット用トイレ100を使用させることによって計測されたセンサ毎の重量の遷移に基づいて登録(学習)されるものとする。また、ペット用トイレ100を使用した候補ペットを自動的に判別しながら当該候補ペットの過去の行動パターンを登録する場合には、例えばペット用トイレ100にカメラを取り付け、当該カメラによって撮像された画像に基づいて当該候補ペットを判別してもよい。上記したようにペット用トイレ100にカメラを取り付けた場合には当該ペット用トイレ100のコストが増加するが、候補ペットの過去の行動パターンを登録するための例えば1台のペット用トイレ100にのみカメラを取り付けるのであれば、全てのペット用トイレ100にカメラを取り付ける場合と比べると、コストを抑制することができる。
【0095】
この場合、判別部204は、ステップS1において受信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターン(以下、対象ペットの行動パターンと表記)及び上記した各候補ペットの過去の行動パターンの各々から、入室時の行動パターン(ペット用トイレ100の使用を開始する際の行動パターン)を抽出する(ステップS3)。なお、ステップS3において抽出される入室時の行動パターンには、例えば入室する際の位置等の入室時の特徴的な行動が含まれる。
【0096】
ステップS3の処理が実行されると、判別部204は、当該ステップS3において対象ペットの行動パターンから抽出された入室時の行動パターンと、当該ステップS3において各候補ペットの過去の行動パターンから抽出された入室時の行動パターンとを比較し、当該候補ペット毎の第1一致率を算出する(ステップS4)。
【0097】
なお、ステップS4においては、例えば入室する際の位置が対象ペットと特定の候補ペットとで同じ(または近接する)場合には、当該候補ペットの第1一致率は高く算出される。一方、例えば入室する際の位置が対象ペットと特定の候補ペットとで異なる場合には、当該候補ペットの第1一致率は低く算出される。
【0098】
次に、判別部204は、対象ペットの行動パターン及び各候補ペットの過去の行動パターンの各々から、排泄前の行動パターン(ペット用トイレ100において排泄する前の行動パターン)を抽出する(ステップS5)。なお、ステップS5において抽出される排泄前の行動パターンには、例えば入室してから排泄するに至るまでの移動経路や時間等の排泄前の特徴的な行動が含まれる。
【0099】
ステップS5の処理が実行されると、判別部204は、当該ステップS5において対象ペットの行動パターンから抽出された排泄前の行動パターンと、当該ステップS5において各候補ペットの過去の行動パターンから抽出された排泄前の行動パターンとを比較し、当該候補ペット毎の第2一致率を算出する(ステップS6)。
【0100】
なお、ステップS6においては、例えば入室してから排泄するに至るまでの移動経路及び時間が対象ペットと特定の候補ペットとで同じ(または類似する)場合には、当該候補ペットの第2一致率は高く算出される。一方、例えば入室してから排泄するに至るまでの移動経路及び時間が対象ペットと特定の候補ペットとで異なる場合には、当該候補ペットの第2一致率は低く算出される。
【0101】
次に、判別部204は、対象ペットの行動パターン及び各候補ペットの過去の行動パターンの各々から、排泄中の行動パターン(ペット用トイレ100において排泄している間の行動パターン)を抽出する(ステップS7)。なお、ステップS7において抽出される排泄中の行動パターンには、例えばペット用トイレ100において排泄した位置及び当該排泄に要した時間等の排泄中の特徴的な行動が含まれる。
【0102】
ステップS7の処理が実行されると、判別部204は、当該ステップS7において対象ペットの行動パターンから抽出された排泄中の行動パターンと、当該ステップS7において各候補ペットの過去の行動パターンから抽出された排泄中の行動パターンとを比較し、当該候補ペット毎の第3一致率を算出する(ステップS8)。
【0103】
なお、ステップS8においては、例えばペット用トイレ100において排泄した位置及び当該排泄に要した時間が対象ペットと特定の候補ペットとで同じ(または類似する)場合には、当該候補ペットの第3一致率は高く算出される。一方、例えばペット用トイレ100において排泄した位置及び当該排泄に要した時間が対象ペットと特定の候補ペットとで異なる場合には、当該候補ペットの第3一致率は低く算出される。
【0104】
次に、判別部204は、対象ペットの行動パターン及び各候補ペットの過去の行動パターンの各々から、排泄後の行動パターン(ペット用トイレ100において排泄した後の行動パターン)を抽出する(ステップS9)。なお、ステップS9において抽出される排泄後の行動パターンには、例えばペット用トイレ100において排泄してから退室するに至るまでの移動経路及び時間や砂かきをした位置等の排泄後の特徴的な行動が含まれる。
【0105】
ステップS9の処理が実行されると、判別部204は、当該ステップS9において対象ペットの行動パターンから抽出された排泄後の行動パターンと、当該ステップS9において各候補ペットの過去の行動パターンから抽出された排泄後の行動パターンとを比較し、当該候補ペット毎の第4一致率を算出する(ステップS10)。
【0106】
なお、ステップS10においては、例えばペット用トイレ100において排泄してから退室に至るまでの移動経路及び時間や砂かきをした位置が対象ペットと特定の候補ペットとで同じ(または類似する)場合には、当該候補ペットの第4一致率は高く算出される。一方、例えばペット用トイレ100において排泄してから退室に至るまでの移動経路及び時間や砂かきをした位置が対象ペットと特定の候補ペットとで異なる場合には、当該候補ペットの第4一致率は低く算出される。
【0107】
次に、判別部204は、対象ペットの行動パターン及び各候補ペットの過去の行動パターンの各々から、退室時の行動パターン(ペット用トイレ100の使用を終了する際の行動パターン)を抽出する(ステップS11)。なお、ステップS11において抽出される退室時の行動パターンには、例えば退室する際の位置等の退室時の特徴的な行動が含まれる。
【0108】
ステップS11の処理が実行されると、判別部204は、当該ステップS11において対象ペットの行動パターンから抽出された退室時の行動パターンと、当該ステップS11において各候補ペットの過去の行動パターンから抽出された退室時の行動パターンとを比較し、当該候補ペット毎の第5一致率を算出する(ステップS12)。
【0109】
なお、ステップS12においては、例えば退室する際の位置が対象ペットと特定の候補ペットとで同じ(または近接する)場合には、当該候補ペットの第5一致率は高く算出される。一方、例えば退室する際の位置が対象ペットと特定の候補ペットとで異なる場合には、当該候補ペットの第5一致率は低く算出される。
【0110】
次に、判別部204は、上記したように算出された候補ペット毎の第1~第5一致率に基づいて、対象ペット(つまり、ペット用トイレ100を使用したペット)を判別する(ステップS13)。ステップS13においては、例えば第1~第5一致率の平均値を候補ペット毎に算出することによって、当該算出された平均値が最も高い候補ペットが対象ペットであると判別することができる。換言すれば、第1~第5一致率の平均値が最も高い候補ペットが対象ペットとして特定される。
【0111】
ここでは候補ペット毎の第1~第5一致率の平均値に基づいて対象ペットを判別するものとして説明したが、入室または退室する際にペットが通過するペット用トイレ100の幅(
図3に示すX方向の幅)は例えば数十cm程度であるため、入室時の行動パターン(ペット用トイレ100に入室する際の位置)及び退室時の行動パターン(ペット用トイレ100を退室する際の位置)は異なるペットであっても類似する可能性が高い。このため、上記したステップS13においては、例えば第1及び第5一致率よりも第2~第4一致率の重みを高くして対象ペットを判別するようにしてもよいし、第1及び第5一致率を用いずに対象ペットを判別するようにしてもよい。
【0112】
更に、ここでは排泄前の行動パターン、排泄中の行動パターン及び排泄後の行動パターンの各々の一致率(第2~第4一致率)を算出するものとして説明したが、例えば排泄前の行動パターン、排泄中の行動パターン及び排泄後の行動パターンをまとめてペット用トイレ100で排泄する際の行動パターンとし、当該排泄する際の行動パターンの一致率を算出するようにしてもよい。更に、ペット用トイレ100で排泄する際の行動パターンは、例えば排泄前の行動パターン、排泄中の行動パターン及び排泄後の行動パターンのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0113】
また、上記した対象ペットを判別するために用いる第1~第5一致率は一例であり、本実施形態においては、センサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンに基づいて対象ペットを判別(識別)する構成であればよい。具体的には、対象ペットを判別する際に第1~第5一致率(を算出する処理)の少なくとも1つを省略してもよいし、例えば入室してから退室するまでの時間の一致率(類似率)を更に考慮して対象ペットを判別してもよい。
【0114】
また、ここではセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンを比較することによって一致率が算出されるものとして説明したが、当該一致率は当該センサ毎の重量の遷移を表すグラフ自体を比較することによって算出されてもよい(つまり、グラフの一致率を用いて対象ペットを判別してもよい)。
【0115】
ステップS13の処理が実行されると、管理部202は、当該ステップS13において判別された対象ペットを識別するためのペットIDに対応づけてステップS2において生成されたペット情報をペット情報格納部203に格納(登録)する(ステップS14)。
【0116】
具体的には、ペット用トイレ100を使用する複数のペット(候補ペット)が例えば第1~第3ペットである場合において、ステップS13において対象ペットが第1ペットであると判別された場合には、ステップS2において生成されたペット情報は、当該第1ペットを識別するためのペットIDに対応づけてペット情報格納部203に格納される。なお、複数のペットの各々を識別するためのペットIDは、予め管理装置20内において管理されているものとする。換言すれば、ペット用トイレ100を使用する複数のペットの各々には、予めペットIDが割り当てられている(登録されている)ものとする。
【0117】
このようにペット情報格納部203に格納されたペット情報は、例えばユーザ端末30(を使用するユーザ)からの要求等に応じて、当該ユーザ端末30に送信することができる。
【0118】
ここで、
図14は、ステップS14においてペット情報格納部203に格納されたペット情報のデータ構造の一例を示す。
【0119】
図14に示す例では、ペット情報は、ペットID「01」に対応づけてペット情報格納部203に格納され、例えば入室日時「2021/12/01 8:10」、退室日時「2021/12/01 8:15」、排泄量「100(g)」及び体重「3.25(kg)」を含む。
【0120】
図14に示すペット情報によれば、ペットID「01」によって識別されるペットが2021年12月1日の8時10分に入室し、2021年12月1日の8時15分に退室したことが示されている。また、
図14に示すペット情報によれば、ペットID「01」によって識別されるペットの排泄量(例えば、排尿量)が100gであり、当該ペットの体重が3.25kgであることが示されている。
【0121】
ここではペット情報が入室日時、退室日時、排泄量及び体重を含むものとして説明したが、当該ペット情報においては、例えばこれらのうちの少なくとも1つが省略されてもよいし、これら以外の情報(例えば、ペット用トイレ100に滞在した時間等)が更に含まれていてもよい。また、ペット情報に含まれる排泄量は、排尿量と排便量とに分けられていてもよい。
【0122】
また、ここでは1つのペット情報がペット情報格納部203に格納される場合について説明したが、上記した
図13に示す処理は複数のペットの各々がペット用トイレ100を使用する度に実行され、当該処理が実行される度にペット情報がペット情報格納部203に蓄積される。
【0123】
また、
図14に示すペット情報はペット用トイレ100の1回の使用に関するペット情報(1回当たりのペット情報)であるが、ペット情報格納部203には、例えばペット用トイレ100の1日の使用に関するペット情報(1日当たりのペット情報)が格納されてもよい。詳しい説明については省略するが、1日当たりのペット情報は、例えば
図15に示すように日付、当該日付に対応する1日の間の合計排泄量(合計排尿量及び合計排便量)、当該1日の間の最新の体重、当該1日の間の排泄回数(排尿回数及び排便回数)、当該1日の間のペット用トイレ100の使用回数(入室回数)、当該1日の間でペット用トイレ100に滞在した時間(滞在時間)の合計値及び当該1日のうちのペット用トイレ100の使用間隔の最大値(経過時間)等を含む。この1日当たりのペット情報は、1日分蓄積されたセンサ情報(センサ毎の重量)に基づいて生成することができる。
【0124】
なお、本実施形態においては、上記した1回当たりのペット情報及び1日当たりのペット情報の両方が管理装置20(管理部202)において管理される構成であってもよい。
【0125】
また、
図14及び
図15においては省略されているが、管理装置20が複数のユーザのペット(に関するペット情報)を管理する場合には、ペット情報は、当該ペットの飼い主であるユーザを識別するためのユーザIDに対応づけて管理されるものとする。
【0126】
上記したように本実施形態において、ペット用トイレ100は、複数のペットの各々が排泄するスペースを形成するトイレ容器(上層トイレ容器101及び下層トイレ容器102)と、当該トイレ容器を支持する複数の位置に配置され、当該ペット用トイレ100に対する複数のペットの各々によるペット用トイレ100の使用に応じて当該トイレ容器にかかる重量を計測する複数のセンサ11a~11d(重量センサ11)とを含み、当該複数のセンサ11a~11dの各々によって計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報は、管理装置20に送信される。また、本実施形態において、管理装置20は、ペット用トイレ100から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターン(第1行動パターン)に基づいて、複数のペットのうち、ペット用トイレ100を使用したペットを判別する。
【0127】
なお、本実施形態においては、例えばペット用トイレ100から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいてペットに関するペット情報が生成され、当該ペット情報は、上記したように判別されたペットを識別するためのペットID(識別情報)に対応づけて管理される。
【0128】
本実施形態においては、上記した構成により、例えばカメラやRFタグ等を用いることなくペット用トイレ100を使用する複数のペットの各々を判別することができるため、ペット用トイレ100を使用する複数のペットを管理するために有用であるといえる。
【0129】
また、本実施形態においては、例えば平面視におけるトイレ容器の形状が略矩形形状である場合に、当該略矩形形状の4つの角部に複数のセンサ11a~11dが配置される構成により、当該センサ毎の重量によって詳細な行動パターンを特定することができるため、ペット用トイレ100を使用したペットの判別精度を向上させることができる。なお、本実施形態においては4つのセンサ11a~11dが用いられるものとして説明したが、複数のセンサの数は例えば2以上であればよい。また、複数のセンサの数及び配置は、上記したトイレ容器の形状等に応じて、適宜、調整されても構わない。
【0130】
更に、本実施形態においては、複数のペットの各々の過去の行動パターン(第2行動パターン)を当該ペット毎に予め保持(学習)しておき、上記したセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンと当該過去の行動パターンとの一致率を当該ペット毎に算出する。本実施形態においては、このように算出された一致率が最も高いペットがペット用トイレ100を使用したペットであると判別する。本実施形態においては、このような構成により、上記した行動パターンに基づいて適切にペット用トイレ100を使用したペットを判別(識別)することが可能となる。
【0131】
なお、上記したペット用トイレ100を使用したペットを判別するために用いられる行動パターン(第1及び第2行動パターン)は例えばペット用トイレ100の使用を開始する(つまり、入室した)際の行動パターン、ペット用トイレ100で排泄する際の行動パターン(例えば、排泄前の行動パターン、排泄中の行動パターン及び排泄後の行動パターンのうちの少なくとも1つ)及びペット用トイレ100の使用を終了する(つまり、退室する)際の行動パターンのうちの少なくとも1つを含むものとする。すなわち、本実施形態においては、ペットが入室してから退室するまでの間の少なくとも一部の行動パターンに基づいて当該ペットを判別する構成であればよい。
【0132】
ところで、本実施形態においてはペット用トイレ100を使用したペットを判別するために
図13に示すステップS3~S13の処理が実行されるものとして説明したが、センサ装置10から送信されたセンサ情報が受信される度に当該処理が実行されることは、管理装置20の処理負荷を増大させる要因となる。
【0133】
そこで、本実施形態における管理装置20は、ステップS3~S13の処理が実行される前に、例えば対象ペットの体重に基づいて当該対象ペットを判別することが可能であるか否かを判定するように動作してもよい。
【0134】
具体的には、判別部204は、センサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて対象ペットの体重を取得し、ペット用トイレ100を使用する複数のペット(当該ペット用トイレ100を使用する可能性がある複数の候補ペット)の各々の過去の体重及び当該取得された体重に基づいてペット用トイレ100を使用したペットを判別することができるか否かを判定する。なお、ペット用トイレ100を使用する複数のペットの各々の過去の体重は、例えばユーザ(当該ペットの飼い主)によって予め登録されていてもよいし、当該ペットを識別するためのペットIDに対応づけてペット情報格納部203に格納されているペット情報(つまり、過去のペット情報)に含まれる体重であってもよい。
【0135】
この場合、例えばペット用トイレ100を使用する複数のペットが第1及び第2ペットであって、当該第1ペットの過去の体重が2kgであり、当該第2ペットの過去の体重が4kgであるものとすると、センサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて取得された体重が概ね2kgであれば、第1ペットが対象ペットであると判別することができる。一方、センサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計に基づいて取得された体重が概ね4kgであれば、第2ペットが対象ペットであると判別することができる。このような場合には、例えば
図13に示すステップS3~S12の処理は実行されず、ステップS13の処理が実行されればよい。
【0136】
なお、例えば第1ペットの過去の体重が2kgであり、当該第2ペットの体重が2.5kgであり、センサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて取得された体重が2kg~2.5kgの間であるものとすると、当該体重からは対象ペットが第1ペットであるか第2ペットであるかを明確に判別(区別)することができない。このような場合には、
図13に示すステップS3~S12の処理が実行されればよい。
【0137】
すなわち、本実施形態においては、ペット用トイレ100を使用する複数のペットの各々の過去の体重に、対象ペットを判別することができる程度の有意な差がある場合には、当該体重に基づいて対象ペットを判別することができると判定し、
図13に示すステップS3~S12の処理を省略する。一方、ペット用トイレ100を使用する複数のペットの各々の過去の体重に、対象ペットを判別することができる程度の有意な差がない場合には、当該体重に基づいてペットを判別することができないと判定し、
図13に示すステップS3~S12の処理が実行される。
【0138】
なお、例えばペット用トイレ100を使用する複数のペットが第1~第3ペットであって、当該第1ペットの過去の体重が2kgであり、当該第2及び第3ペットの体重が概ね4kgであるものとすると、センサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値に基づいて取得された体重が2kgである場合には
図13に示すステップS3~S12の処理は省略されるが、当該取得された体重が4kgである場合には当該ステップS3~S12の処理は実行される。この場合、
図13においては候補ペット毎に一致率が算出されるものとして説明したが、上記したようにセンサ毎の重量の合計値に基づいて取得された体重が4kgである場合には少なくとも第1ペットは対象ペットではないと判別可能であるため、第2及び第3ペットについてのみ一致率を算出して、対象ペットを判別するようにしてもよい。すなわち、上記したようにセンサ装置10から送信されたセンサ毎の重量の合計値に基づいて取得された体重によって対象ペットを判別(特定)することができない場合であっても、当該体重に基づいて
図13に示すステップS3~S12の処理が実行される対象となる候補ペットの数を削減する(当該処理の対象となる候補ペットを絞る)ことによって、管理装置20(による判別処理)の処理負荷を低減するようにしてもよい。
【0139】
また、上記した
図13においてはステップS13における対象ペットの判別結果(ペットID)に対応づけてペット情報を格納(登録)する処理が実行されるものとして説明したが、本実施形態は、ペット用トイレ100を使用したペットを管理するような用途に適用されればよく、例えば当該判別結果(つまり、ペット用トイレ100を使用したペット)をユーザに通知するような構成であってもよい。
【0140】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、前述した第1実施形態と同様の部分についての詳しい説明を省略し、当該第1実施形態と異なる部分について主に説明する。なお、本実施形態に係る管理システムの構成については、前述した第1実施形態と同様であるため、適宜、
図2~
図4及び
図9等を用いて説明する。
【0141】
ここで、前述した第1実施形態においてはペットがペット用トイレ100において排泄したことを前提としてペット情報を生成することについて説明したが、実際にはペット用トイレ100を使用したペットが排泄(排尿または排便)していないような場合があり、このような場合にペット情報を生成するために排泄量を取得する処理を実行することは非効率である。
【0142】
そこで、本実施形態においては、ペット用トイレ100の使用種別(状態)を事前に推定した上で、ペット情報を生成する構成を有する。
【0143】
具体的には、管理部202は、重量センサ11によって計測される重量(つまり、センサ装置10から送信されるセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値)と、ペット用トイレ100使用種別とには一定の関係性がある点に着目して生成された学習済モデルを用いて、当該ペット用トイレ100の使用種別を推定する。なお、学習済モデルは、例えば機械学習または人工知能(AI:Artificial Intelligence)と称される技術に基づくアルゴリズムに基づいて、センサ毎の重量の合計値の遷移及び当該センサ毎の重量が計測された際のペット用トイレ100の使用種別の関係性を学習することによって生成されるものとする。
【0144】
なお、上記した学習済モデルを用いて推定されるペット用トイレ100の使用種別としては、例えば「排泄せず」、「排泄あり(尿)」、「排泄あり(便)」、「排泄あり(尿、便)」及び「メンテナンス」等が考えられる。なお、「排泄せず」とは、ペットが入室したものの排泄せずに退室したことを想定している。「排泄あり(尿)」は、ペットがペット用トイレ100において排尿したことを想定している。「排泄あり(便)」は、ペットがペット用トイレ100において排便したことを想定している。「排泄あり(尿、便)」は、ペットがペット用トイレ100において排尿及び排便したことを想定している。「メンテナンス」は、ペットは入室しておらず、ユーザ(飼い主)がペット用トイレ100のメンテナンス(清掃等)を行ったことを想定している。
【0145】
ところで、上記した学習済モデルは重量センサ11によって計測された重量の遷移及び当該重量が計測された際のペット用トイレ100の使用種別の組み合わせを学習用データ(教師データ)として学習することによって生成されるが、当該重量センサ11はペット用トイレ100の使用に応じて継続的に重量を計測する。すなわち、センサ装置10(ペット用トイレ100)から送信されるセンサ情報(重量センサ11によって計測された重量の遷移)を学習用データとして用いる場合、当該重量センサ11が重量を計測した期間(つまり、ペット用トイレ100が使用された期間)に応じて当該学習用データのデータサイズにはばらつきが生じる。学習済モデルの効率的な学習を実現するためには、学習用データのデータサイズを揃えることが有用であるが、重量センサ11によって継続的に計測された重量を含む学習用データのデータサイズを揃えるためには当該学習用データを圧縮するような処理が必要であり、当該圧縮された学習データを学習させた場合には学習済モデルの精度(推定精度)に影響を与える可能性がある。
【0146】
そこで、本実施形態においては、例えばセンサ装置10から送信されたセンサ情報を画像化し、当該画像化されたセンサ情報(つまり、画像データ)を学習用データとして用いるものとする。これによれば、所定の解像度を有する画像データを学習用データとして用いることが可能であるため、常に当該学習用データのデータサイズを揃えることができるとともに、当該学習用データのデータサイズを抑制することも可能である。
【0147】
なお、ここでは単にセンサ情報を画像化するものとして説明したが、本実施形態において画像化されたセンサ情報とは、当該センサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値の遷移を表すグラフの画像データを想定している。すなわち、例えばペットがペット用トイレ100において排尿した場合には、前述した
図5に示すようなグラフが画像化され、当該画像化によって得られるグラフの画像データ及び使用種別「排泄あり(尿)」を学習用データとすればよい。同様に、ペットが入室したものの排泄せずに退室した場合には、前述した
図6に示すようなグラフが画像化され、当該画像化によって得られるグラフの画像データ及び使用種別「排泄せず」を学習用データとすればよい。更に、ペットがペット用トイレ100において排便した場合には、前述した
図7に示すようなグラフが画像化され、当該画像化によって得られるグラフ及び使用種別「排泄あり(便)」を学習用データとすればよい。なお、図示しないが、ペットがペット用トイレ100において排尿及び排便した場合及びユーザ(飼い主)がペット用トイレ100のメンテナンス(清掃等)を行った場合についても同様である。
【0148】
なお、
図16は、本実施形態における学習済モデルの生成処理の概要(学習フロー)を示している。
図16に示すように、本実施形態においては、センサ装置10から送信されたセンサ情報の各々を画像データに変換(つまり、画像化)し、使用種別毎の画像データ群を学習用データとして用意する。本実施形態においては、このような画像データ群から抽出される使用種別毎の特徴量を学習することによって学習済モデル(学習済データ)が生成される。
【0149】
本実施形態においては、上記した学習済モデルの生成処理が実行されることにより、例えば重量センサ11によって計測された重量の遷移を表すグラフの画像データが入力された場合に当該画像データ(の特徴量)に応じたペット用トイレ100の使用種別を出力(推定)することが可能な学習済モデルを構築することができる。
【0150】
なお、学習済モデルの生成に用いられるセンサ情報は、様々なペットがペット用トイレ100を使用した際にセンサ装置10から送信されたセンサ情報を含む。また、学習済モデルの生成に用いられるセンサ情報は、センサ装置10から送信された多数のセンサ情報の中から所定の条件等に従って選定されたものであってもよい。
【0151】
ここではセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値の遷移を表すグラフの画像データを用いて学習済モデルが生成される(つまり、学習が行われる)ものとして説明したが、当該学習済モデルは、グラフ以外の他の形式で表現されたセンサ情報を画像化した学習用データを用いて生成されてもよい。
【0152】
以下、
図17のフローチャートを参照して、管理装置20の処理手順の一例について説明する。
【0153】
まず、前述した
図13に示すステップS1の処理に相当するステップS21の処理が実行される。
【0154】
次に、管理部202は、上記した学習済モデルを用いて、ペット用トイレ100の使用種別を推定する(ステップS22)。ステップS22において、管理部202は、例えばステップS21において受信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の合計値を表すグラフを作成した後に当該グラフを画像化することによってグラフの画像データを取得する。管理部202は、このように取得されたグラフの画像データ(つまり、画像化されたセンサ情報)を学習済モデルに入力することによって当該学習済モデルから出力される使用種別(の推定結果)を取得することができる。
【0155】
ステップS22の処理が実行されると、管理部202は、当該ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別を考慮して、ペット情報を生成する(ステップS23)。
【0156】
具体的には、上記したようにペット用トイレ100の使用種別には例えば「排泄せず」、「排泄あり(尿)」、「排泄あり(便)」、「排泄あり(尿、便)」及び「メンテナンス」が含まれるが、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄せず」である場合には、排泄量を取得(算出)する必要はないため、管理部202は、ステップS21において受信されたセンサ情報に基づいて対象ペットの体重のみを取得して、当該体重を含むペット情報を生成する。すなわち、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄せず」である場合には、ステップS23において、排泄量を取得するための処理を省略することができる(つまり、対象ペットが排泄したことを考慮することなくペット情報を生成することができる)。なお、この場合には、排泄量(排尿量または排便量)を0とするペット情報が生成されてもよい。
【0157】
また、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄あり(尿)」である場合には、排便量を取得(算出)する必要はないため、管理部202は、ステップS21において受信されたセンサ情報に基づいて対象ペットの排尿量及び体重を取得して、当該排尿量及び体重を含むペット情報を生成する。すなわち、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄あり(尿)」である場合には、ステップS23において、排便量を取得するための処理を省略することができる(つまり、対象ペットが排便したことを考慮することなくペット情報を生成することができる)。なお、この場合には、排便量を0とするペット情報が生成されてもよい。
【0158】
更に、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄あり(便)」である場合には、排尿量を取得(算出)する必要はないため、管理部202は、ステップS21において受信されたセンサ情報に基づいて対象ペットの排便量及び体重を取得して、当該排便量及び体重を含むペット情報を生成する。すなわち、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄あり(便)」である場合には、ステップS23において、排尿量を取得するための処理を省略することができる(つまり、対象ペットが排尿したことを考慮することなくペット情報を生成することができる)。なお、この場合には、排尿量を0とするペット情報が生成されてもよい。
【0159】
また、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄あり(尿、便)」である場合には、管理部202は、ステップS21において受信されたセンサ情報に基づいて対象ペットの排尿量、排便量及び体重を取得して、当該排尿量、排便量及び体重を含むペット情報を生成すればよい。
【0160】
更に、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「メンテナンス」である場合には、ペットが入室しておらず、排泄量(排尿量及び排便量)及び体重を取得(算出)する必要はないため、例えばステップS23の処理を省略することができる。なお、この場合には、排泄量(排尿量及び排便量)及び体重を0とするペット情報が生成されてもよい。
【0161】
ステップS23の処理が実行されると、前述した
図13に示すステップS3~S14の処理に相当するステップS24~S35の処理が実行される。
【0162】
上記したように本実施形態においては、センサ装置10から送信されたセンサ情報を画像化し、当該画像化されたセンサ情報を学習済モデルに入力することによって、ペット用トイレ100の使用種別を推定し、当該推定された使用種別に基づいてペット情報を生成する。本実施形態においては、このような構成により、ペット情報を効率的に生成することができ、管理装置20(管理部202)の処理負荷を軽減することができる。
【0163】
なお、上記した
図17においては対象ペットを判別するためにステップS24~S35の処理が実行されるものとして説明したが、当該ステップS24~S35の処理は対象ペットがペット用トイレ100において排泄したことを前提とするものであるため、当該ステップS24~S35の処理のうちの少なくとも一部は、ステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別に応じて省略されてもよい。
【0164】
具体的には、例えばステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「排泄せず」である場合には、ステップS26~S31の処理を省略して、管理装置20(判別部204)の処理負荷を軽減するようにしてもよい。
【0165】
更に、例えばステップS22において推定されたペット用トイレ100の使用種別が「メンテナンス」である場合には、対象ペットを判別する必要がない(つまり、大賞ペットが存在しない)ため、ステップS24~S35の処理が省略されてもよい(つまり、
図17に示す処理を終了してもよい)。
【0166】
また、本実施形態においては候補ペット毎の過去の行動パターンとセンサ装置10から送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される行動パターンとを比較することによって算出された一致率に基づいてペット用トイレ100を使用したペットを判別するが、例えば当該ペットの行動パターンは、ペット用トイレ100の使用種別(例えば、「排泄せず」、「排泄あり(尿)」、「排泄あり(便)」等)によって異なることが考えられる。
【0167】
このため、本実施形態においては上記した過去の行動パターンをペット用トイレ100の使用種別毎に用意しておき、学習済モデルを用いて推定されたペット用トイレ100の使用種別に応じた過去の行動パターンを用いてペット用トイレ100を使用したペットを判別するようにしてもよい。このような構成によれば、ペットの判別精度を向上させることが可能である。
【0168】
なお、本実施形態においてはペット情報を効率的に生成する用途に学習済モデルを用いるものとして説明したが、当該学習済モデルを用いて推定されたペット用トイレ100の使用種別は、例えばペットの健康状態を把握するまたは病気に罹っているか否かを監視するような用途に利用されてもよい。すなわち、本実施形態に係る管理システムは、学習済モデルを用いてペット用トイレ100の使用種別を推定し、当該推定されたペット用トイレ100の使用種別を出力してユーザ端末30に表示するように動作する構成であっても構わない。このような構成であっても、ペット用トイレ100を使用するペットを管理するために有用であるといえる。
【0169】
なお、上記した各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0170】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0171】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0172】
更に、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0173】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であってもよい。
【0174】
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0175】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0176】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0177】
10…センサ装置、11,11a~11d…重量センサ、20…管理装置、21…バス、22…不揮発性メモリ、23…CPU、24…メインメモリ、25…無線通信デバイス、30…ユーザ端末、100…ペット用トイレ、101…上層トイレ容器、102…下層トイレ容器、103…尿回収トレイ、104…カバー部材、105…センサプレート、201…受信部、202…管理部、203…ペット情報格納部、204…判別部、205…送信部。
【要約】
【課題】ペット用トイレを使用する複数のペットを管理するために有用な管理システム及び方法を提供することにある。
【解決手段】管理システムは、複数のペットが使用するペット用トイレ及び管理装置を備える。ペット用トイレは、複数のペットの各々が排泄するスペースを形成するトイレ容器と、トイレ容器を支持する複数の位置に配置され、複数のペットの各々によるペット用トイレの使用に応じて当該トイレ容器にかかる重量を計測する複数のセンサと、前記複数のセンサの各々によって計測された当該センサ毎の重量を含むセンサ情報を管理装置に送信する送信部とを含む。管理装置は、送信されたセンサ情報に含まれるセンサ毎の重量の遷移によって特定される第1行動パターンに基づいて、複数のペットのうち、ペット用トイレを使用したペットを判別する判別部を含む。
【選択図】
図13