(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ITシステム検証方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/36 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
G06F11/36 164
(21)【出願番号】P 2020054223
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2020-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】520104503
【氏名又は名称】エルジー シーエヌエス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン シク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン ホ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ミン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ ホイル
(72)【発明者】
【氏名】チャン、クァン オク
(72)【発明者】
【氏名】チョン、キ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、カン ヒ
【審査官】多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072531(JP,A)
【文献】特開2013-125478(JP,A)
【文献】特開2006-115317(JP,A)
【文献】特開2014-167720(JP,A)
【文献】特開2014-026480(JP,A)
【文献】特開2014-115898(JP,A)
【文献】特開2012-088883(JP,A)
【文献】特表2014-523671(JP,A)
【文献】特開2014-038578(JP,A)
【文献】特開2015-102951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検証システムが、検証対象システムを自動で検証(Testing)する方法において、
(a)前記検証システムが、取引(Transaction)システムと業務(Processing)システム間に
実取引過程で送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして
リアルタイムで利用される取引メッセージを得る段階であって、前記取引メッセージは、受信されたネットワークパケットに含まれる要請データと、前記要請データに対応する応答データとを一つのメッセージに併合して生成される、段階と、
(b)前記検証システムが、前記取引メッセージに含まれた要請データを
抽出および変換して検証対象システムに伝送する段階と、
(c)前記検証システムが、前記検証対象システムから応答データを受信する段階と、
(d)前記検証システムが、前記検証対象システムから受信された応答データと前記取引メッセージに含まれた応答データを対比判定する段階と、
を含
み、
前記検証対象システムから受信された応答データは検証のための応答データを含み、前記取引メッセージに含まれた応答データは実取引による応答データを含む、
実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項2】
前記(a)段階は、
前記検証システムが、前記ネットワークパケットが暗号化されている場合、復号化するための情報を可変データとして含んで前記取引メッセージを得る段階を含む、請求項1に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項3】
前記(a)段階は、
前記検証システムが、追跡の便宜性が確保されるようにするために、前記取引メッセージに固有識別子であるUUIDを付与する段階を含む、請求項1または請求項2に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項4】
前記(b)段階は、
前記検証システムが、前記取引メッセージに含まれた要請データを前記検証システムの変換規則に沿って、前記検証対象システムに定義された構造または形式に変換して前記検証対象システムに伝送する段階を含む、請求項1または請求項2に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項5】
前記(d)段階は、
対比判定結果および前記検証対象システムから受信された応答データを前記取引メッセージとマッピングして保存する段階を含む、請求項1または請求項2に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項6】
前記(d)段階は、
前記検証システムが、前記対比判定した結果、失敗結果のものと判定された場合、エラーの原因分析を実施して、分析されたエラー情報を前記取引メッセージとマッピングして保存する段階を含む、請求項5に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項7】
前記(d)段階は、
前記検証システムが、前記検証システムにあらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいてマッピング保存を実施することを特徴とする、請求項5に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項8】
前記(d)段階は、
前記検証システムが、事前に定義された規則に沿って、前記検証対象システムから受信された応答データからセッションIDおよび業務IDの情報を抽出して登録を遂行することによって、以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにする段階を含む、請求項1または請求項2に記載の実取引データ基盤のITシステム検証方法。
【請求項9】
取引(Transaction)システムと業務(Processing)システム間に
実取引過程で送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして
リアルタイムで利用される取引メッセージを得るキャプチャー遂行部であって、前記取引メッセージは、受信されたネットワークパケットに含まれる要請データと、前記要請データに対応する応答データとを一つのメッセージに併合して生成される、キャプチャー遂行部と、
前記取引メッセージに含まれた要請データを
抽出および変換して検証対象システムに伝送する変換部と、
前記検証対象システムから受信された応答データと前記取引メッセージに含まれた応答データを対比判定する結果処理部と、を含
み、
前記検証対象システムから受信された応答データは検証のための応答データを含み、前記取引メッセージに含まれた応答データは実取引による応答データを含む、
検証システム。
【請求項10】
前記キャプチャー遂行部は、
前記ネットワークパケットが暗号化されている場合、復号化するための情報を可変データとして含んで前記取引メッセージを得る、請求項9に記載の検証システム。
【請求項11】
前記キャプチャー遂行部は、
追跡の便宜性が確保されるようにするために、前記取引メッセージに固有識別子であるUUIDを付与する、請求項9または請求項10に記載の検証システム。
【請求項12】
前記変換部は、
前記取引メッセージに含まれた要請データを前記検証システムの変換規則に沿って、前記検証対象システムに定義された構造または形式に変換して前記検証対象システムに伝送することを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の検証システム。
【請求項13】
前記結果処理部は、
対比判定結果および前記検証対象システムから受信された応答データを前記取引メッセージとマッピングして保存する、請求項9または請求項10に記載の検証システム。
【請求項14】
前記結果処理部は、
前記対比判定した結果、失敗結果のものと判定された場合、エラーの原因分析を実施して、分析されたエラー情報を前記取引メッセージとマッピングして保存する、請求項13に記載の検証システム。
【請求項15】
前記結果処理部は、
前記検証システムにあらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいてマッピング保存を実施することを特徴とする、請求項9に記載の検証システム。
【請求項16】
前記結果処理部は、
事前に定義された規則に沿って、前記検証対象システムから受信された応答データからセッションIDおよび業務IDの情報を抽出して登録を遂行することによって、以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにする、請求項9または請求項10に記載の検証システム。
【請求項17】
前記取引メッセージを保存する保存部と、
前記保存部に保存された取引メッセージをエンコーディングして変換部に伝送する再現部と、
前記キャプチャー遂行部、保存部、再現部、変換部および結果処理部の動作状態を管理する管理部と、
をさらに含む、請求項9または請求項10に記載の検証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はITシステム検証方法およびシステムに関し、さらに詳細には、開発システムに対する検証において、事前に定義されたシナリオまたはケースではなく、実環境で実際に発生するシナリオまたはケースを活用して検証を実施することによって、次世代システムの構築、高度化および機能改善システム、老朽化が進んだ装備の取り換えシステム、運営およびメンテナンスシステムの検証ソリューションとして活用され得るようにする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、特定システムを開発する場合、開発したシステムに対して欠陥または障害があるかどうかを確認するために、別途の検証手続きを遂行する。
【0003】
しかし、従来の開発システム検証技術では、開発者または設計者が任意の仮想データまたは少量の実データを使用して手作業で検証ケースを生成することにより、制限された検証を遂行するか、大量の実データを使用する場合にも、追加的な業務別切り換えプログラムの開発が要求されるという短所がある。
【0004】
また、従来技術の場合、統合検証の遂行時、相互間の検証のために多数の管理者が集まって手作業で検証を遂行するところ、検証を通じて開発システムの品質を確保するためには相対的に多くの時間と費用を必要とせざるを得ず、これと同時に検証を遂行できる人員も制限的であるという短所がある。
【0005】
したがって、実使用者の取引データを検証データとして活用する一方、大規模の実使用者を開発システムのテスターとして活用することによって、実環境で発生可能な膨大なケースに対する事前対応を可能にする開発システム検証技術の開発に対する要求が次第に増大しており、前述した問題点を解決するための解決策が急を要しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、開発システムに対する検証時、実環境で実際に発生するシナリオまたはケースを活用して、一定期間の間大量の自動化された検証が実施されるようにすることによって、検証のために要求される人員動員問題の解決および所要時間の短縮を可能とすることをその目的とする。
【0007】
本発明の目的は以上で言及した目的に制限されず、言及されていないさらに他の目的は下記の記載から明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の一実施例によると、検証システムが、検証対象システムを自動で検証(Testing)する方法において、(a)取引(Transaction)システムと業務(Processing)システム間に送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを得る段階;(b)前記取引メッセージに含まれた要請データを検証対象システムに伝送する段階;(c)前記検証対象システムから応答データを受信する段階;および(d)前記検証対象システムから受信された応答データと前記取引メッセージに含まれた応答データを対比判定する段階を含む、実取引データ基盤のITシステム検証方法が提供される。
【0009】
前記(a)段階は、前記ネットワークパケットが暗号化されている場合、復号化するための情報を可変データとして含んで前記取引メッセージを得る段階を含むことができる。
【0010】
前記取引メッセージは、要請データと前記要請データに対応する応答データで構成され、フロー(Flow)単位で生成されたものであることを特徴とすることができる。
【0011】
前記(a)段階は、追跡の便宜性が確保されるようにするために、前記取引メッセージに固有識別子であるUUIDを付与する段階を含むことができる。
【0012】
前記(b)段階は、前記取引メッセージに含まれた要請データを前記検証システムの変換規則に沿って、前記検証対象システムに定義された構造または形式に変換して前記検証対象システムに伝送する段階を含むことができる。
【0013】
前記(d)段階は、対比判定結果および前記検証対象システムから受信された応答データを前記取引メッセージとマッピングして保存する段階を含むことができる。
【0014】
前記(d)段階は、前記対比判定した結果、失敗結果のものと判定された場合、エラーの原因分析を実施して、分析されたエラー情報を前記取引メッセージと追加でマッピングして保存する段階を含むことができる。
【0015】
前記(d)段階は、前記検証システムにあらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいてマッピング保存を実施することを特徴とすることができる。
【0016】
前記(d)段階は、事前に定義された規則に沿って、前記検証対象システムから受信された応答データからセッションIDおよび業務IDの情報を抽出して登録を遂行することによって、以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにする段階をさらに含むことができる。
【0017】
一方、本発明の他の実施例によると、取引(Transaction)システムと業務(Processing)システム間に送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを得るキャプチャー遂行部;前記取引メッセージに含まれた要請データを検証対象システムに伝送する変換部;前記検証対象システムから受信された応答データと前記取引メッセージに含まれた応答データを対比判定する結果処理部を含む、検証システムが提供される。
【0018】
前記キャプチャー遂行部は、前記ネットワークパケットが暗号化されている場合、復号化するための情報を可変データとして含んで前記取引メッセージを得ることができる。
【0019】
前記取引メッセージは、要請データと前記要請データに対応する応答データで構成され、フロー(Flow)単位で生成されたものであることを特徴とすることができる。
【0020】
前記キャプチャー遂行部は、追跡の便宜性が確保されるようにするために、前記取引メッセージに固有識別子であるUUIDを付与することができる。
【0021】
前記変換部は、前記取引メッセージに含まれた要請データを前記検証システムの変換規則に沿って、前記検証対象システムに定義された構造または形式に変換して前記検証対象システムに伝送することを特徴とすることができる。
【0022】
前記結果処理部は、対比判定結果および前記検証対象システムから受信された応答データを前記取引メッセージとマッピングして保存することができる。
【0023】
前記結果処理部は、前記対比判定した結果、失敗結果のものと判定された場合、エラーの原因分析を実施して、分析されたエラー情報を前記取引メッセージと追加でマッピングして保存することができる。
【0024】
前記結果処理部は、前記検証システムにあらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいてマッピング保存を実施することを特徴とすることができる。
【0025】
前記結果処理部は、事前に定義された規則に沿って、前記検証対象システムから受信された応答データからセッションIDおよび業務IDの情報を抽出して登録を遂行することによって、以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにすることができる。
【0026】
前記取引メッセージを保存する保存部;前記保存部に保存された取引メッセージをエンコーディングして変換部に伝送する再現部;および前記キャプチャー遂行部、保存部、再現部、変換部および結果処理部の動作状態を管理する管理部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施例によると、開発者によって定義された制限的検証ではなく、実際の運営環境の取引データを通じて、持続的かつ繰り返して回帰検証を遂行することにより、実際の使用者は認識していない状態で開発システムをあらかじめ開通する効果を得ることができ、これを通じて実際の開通時点の開発システムの品質を向上させることができる効果がある。
【0028】
本発明の他の実施例によると、実環境で発生する多様なケースの大量の取引データを利用して自動化された検証を遂行するところ、システム開発後に相互間に検証を遂行する従来技術に比べて、検証時に要求される時間、費用および人員を減縮させることができる。
【0029】
本発明の効果は前記した効果に限定されず、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムの構成を概略的に図示した図面。
【
図2】本発明の一実施例に係る検証システムの構成を図示したブロック図。
【
図3】本発明の一実施例により実取り引きデータに基づいてITシステムに対する検証自動化が遂行される過程を図示したフローチャート。
【
図4】本発明の他の実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムの構成を概略的に図示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付した図面を参照して本発明を説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現され得、したがってここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略したし、明細書全体を通じて類似する部分については類似する図面符号を付した。
【0032】
明細書全体で、ある部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0033】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムの構成を概略的に図示した図面である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムは、取引システム100、業務システム200、検証システム300および検証対象システム400で構成され得る。
【0036】
取引システム100、業務システム200、検証システム300および検証対象システム400のそれぞれは通信網を通じて連結されていてもよい。ここで、通信網は有線および無線などのようなその通信様態にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN:Local Area Network)、都市圏通信網(MAN:Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)等の多様な通信網で構成され得る。
【0037】
取引システム100は使用者によって特定業務に対する処理が要請されると、該当業務処理に対応する業務システム200に第1要請データを伝送することができる。第1要請データは、URLまたは電文の形態で伝送されるものであり得る。
【0038】
業務システム200は前記受信された第1要請データに対する第1応答データを取引システム100に伝送することができ、これにより、第1要請データおよび第1応答データをシステム内に保存することができる。
【0039】
検証システム300は、前記取引システム100と業務システム200間に送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを得ることができる。
【0040】
具体的には、検証システム300は、前記取引システム100と業務システム200間に送受信される第1要請データおよび第1応答データを含むネットワークパケットをキャプチャーして取引データを取得することができる。
【0041】
検証システム300は、前記受信されたネットワークパケットに含まれた第1要請データおよび第1応答データを一つのメッセージに併合して取引メッセージを生成することができ、生成した取引メッセージには今後追跡の便宜性確保のために固有識別子であるUUID(Universally Unique Identifier、汎用固有識別子)を付与することができる。
【0042】
すなわち、取引メッセージは、基本的に第1要請データと第1要請データに対応する第1応答データで構成され得、フロー(Flow)単位で生成されるものであり得る。本発明の一実施例によると、取引メッセージには、前記第1要請データおよび第1応答データだけでなく、発信/着信IPアドレス、TCPポート、メッセージプロトコル、データの長さなどの共通ヘッダ情報をさらに含むことができる。また、取引メッセージ内で、データの長さにより要請データと応答データが区分され得る。
【0043】
本発明の一実施例によると、前記ネットワークパケットが暗号化された情報を含む場合、検証システム300は該当情報を復号化するための情報を可変データとしてさらに含んで取引メッセージを生成することができる。
【0044】
検証システム300は生成した取引メッセージを取引単位でデコーディングしてシステム内に保存することができる。
【0045】
検証システム300は、前記取引メッセージに基づいてあらかじめ定義された規則に沿って、第1要請データに対する変換を実施することができる。ここで、あらかじめ定義された規則は、業務システム200と検証対象システム400間の呼び出し方式差による変換方法を定義した規則であり得る。
【0046】
具体的には、検証システム300は、前記取引メッセージから第1要請データを抽出して、第1要請データに対するデコーディングを遂行した後、前記あらかじめ定義された規則に沿って、第1要請データを第2要請データに変換することができる。変換が完了すると、検証システム300は変換された第2要請データをエンコーディング処理して検証対象システム400に伝送することができ、該当第2要請データに対して検証対象システム400から受信される第2応答データを前記取引メッセージに含まれた第1応答データとマッピングしてその結果を保存することができる。
【0047】
すなわち、第2要請データは、検証システム300の変換規則に沿って、第1要請データが変換されたものとし、検証対象システム400に定義された構造または形式に変換されたものであり得る。第2要請データは、第1要請データと同様にURLまたは電文の形態で伝送されるものであり得る。
【0048】
また、前記マッピング保存は、検証システム300にあらかじめ定義されている規則に基づいて実施されるものであり得る。
【0049】
検証システム300は検証対象システム400から受信される第2要請データに対する第2応答データを分析し、前記あらかじめ受信された第1応答データとの比較を遂行することによって、対比判定を通じて検証の成功または失敗の有無を判定することができる。
【0050】
本発明の一実施例によると、検証システム300は第2応答データを分析して第1応答データと比較した結果、失敗であると判定した場合、エラー情報を保存することができる。この時、検証システム300は失敗結果とエラー情報を前記取引メッセージとマッピングして保存することができ、あらかじめ定義されている所定の対比判定規則に基づいてマッピング保存することができる。
【0051】
また、検証システム300は事前に定義された規則に沿って、前記第2応答データからセッションID、業務IDなどの特定情報を抽出して登録を遂行することによって、以降の取引メッセージで該当情報がマッピング情報として使用されるようにすることができる。
【0052】
検証対象システム400は検証システム300から前記あらかじめ定義された規則に沿って、変換された第2要請データを受信することができ、受信された第2要請データに対する第2応答データを伝送することができる。
【0053】
図2は、本発明の一実施例に係る検証システム300の構成を図示したブロック図である。
【0054】
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る検証システム300は、キャプチャー遂行部310、保存部320、再現部330、変換部340、結果処理部350および管理部360を含むことができる。
【0055】
キャプチャー遂行部310は取引システム100と業務システム200間に送受信されるネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを得ることができる。ここで、取引メッセージは第1要請データと第1要請データに対応する第1応答データで構成され、フロー(Flow)単位で生成されたものであり得る。
【0056】
具体的には、キャプチャー遂行部310は取引システム100と業務システム200間に送受信される第1要請データおよび第1応答データを含むネットワークパケットをキャプチャーして取引データを取得することができる。したがって、取引データには第1要請データおよび第1応答データが含まれていてもよい。
【0057】
キャプチャー遂行部310は前記取引データに含まれた第1要請データおよび第1応答データを併合して一つの取引メッセージとして生成することができ、生成された取引メッセージには固有識別子であるUUIDを付与することができる。
【0058】
本発明の一実施例によると、キャプチャーしたネットワークパケットが暗号化されている場合、キャプチャー遂行部310は該当情報を復号化するための情報を可変データとしてさらに含んで取引メッセージを生成することができる。
【0059】
換言すると、キャプチャー遂行部310は、取引システム100と業務システム200間に送受信される第1要請データおよび第1応答データをネットワークパケットのキャプチャーを通じて取得することができ、取得した第1要請データと第1応答データを併合して一つの取引メッセージとして生成することができるが、この時、取引メッセージには前記第1要請データおよび第1応答データだけでなく、発信/着信IPアドレス、TCPポート、メッセージプロトコル、メッセージの長さなどが含まれた共通ヘッダ情報と復号化のための情報が含まれた可変データをさらに含んで取引メッセージとして生成することができる
【0060】
保存部320はキャプチャー遂行部310で生成された取引メッセージを取引単位でデコーディングして保存することができ、保存された取引メッセージのそれぞれの位置情報をインデックス情報として別途に保存することができる。
【0061】
前記取引メッセージの保存時、保存部320は一時的な保存ではなく永久的な保存を遂行することによって、今後保存された取引メッセージに基づいてリアルタイム方式またはバッチ方式で取り引きが再現されるようにすることができる。
【0062】
再現部330は前記保存部320に保存された取引メッセージをエンコーディングして変換部340に伝送することができ、伝送された取引メッセージの位置情報を別途に保存することができる。
【0063】
本発明の一実施例によると、変換部340に伝送する取引メッセージに対応する開始インデックス情報と終了インデックス情報が存在する場合、再現部330は取引メッセージの一部に対してのみエンコーディングして変換部340に伝送することができ、前記取引メッセージの一部は、全体の取引メッセージのうち前記取引メッセージに含まれた開始インデックス情報と終了インデックス情報内の区間に該当する取引メッセージを意味するものであり得る。
【0064】
変換部340は取引メッセージに含まれた第1要請データを第2要請データに変換して検証対象システム400に伝送することができ、第2要請データは検証システム300の変換規則に沿って、検証対象システム400に定義された構造または形式に変換されて検証対象システム400に伝送されるものであり得る。
【0065】
具体的に説明すると、変換部340は業務システム200と検証対象システム400が使用するプロトコル(例えば、HTML、XML、JSON、TCP電文など)に応じて変換処理をするための前処理作業を遂行することができるが、前処理作業は圧縮解除、キャラクターセットの変換および前記取引メッセージの第1応答データからセッション情報およびクッキー情報などを抽出することを含むことができる。
【0066】
本発明の一実施例によると、前記第1要請データが暗号化されている場合、変換部340は暗号化方式による復号化処理をさらに遂行できる。
【0067】
前記第1要請データに対する前処理作業が完了すると、変換部340はあらかじめ定義された規則に沿って、第1要請データを第2要請データに変換することができる。
【0068】
前記あらかじめ定義された規則は、管理部360を通じて業務システム200と検証対象システム400間の呼び出し規則が定義されたものであって、これにより、前記変換された第2要請データは検証対象システム400のプロトコルに相応するように変換されたデータであり得る。
【0069】
また、変換部340は変換された第2要請データの一部をマスキングまたはエンコーディング処理して検証対象システム400に伝送することができる。
【0070】
結果処理部350は検証対象システム400から前記第2要請データに対する第2応答データを受信することができ、受信された第2応答データを分析することができる。
【0071】
結果処理部350は前記分析を通じて、第2応答データとあらかじめ受信されて保存された第1応答データを比較して対比判定することができ、これにより、検証に対する成功または失敗を判定することができる。
【0072】
また、結果処理部350は対比判定結果および前記第2応答データをあらかじめ受信されている取引メッセージとマッピングして保存することができ、対比判定結果、検証失敗と判定された場合、失敗に対するエラー情報を追加分析して該当エラー情報と取引メッセージを追加でマッピングして保存することができる。
【0073】
ここで、前記マッピング保存は、あらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいて実施され得る。
【0074】
また、結果処理部350は事前に定義された規則に沿って、前記第2応答データを分析してセッションIDおよび業務IDなどの特定情報を抽出して保存することによって、以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにすることができる。
【0075】
本発明の一実施例によると、結果処理部350は業務システム200および検証対象システム400のセッションが維持されるように、各システムのセッション情報をマッピングして保存し、これに基づいてアップデートを遂行できる。換言すると、結果処理部350は業務システム200で遂行された第1要請データを含む取引メッセージのセッション情報と検証対象システム400で第2要請データに基づいて遂行された取り引きのセッション情報をマッピングして保存することができる。ちなみに、セッション情報マッピング保存過程も管理部360を通じてあらかじめ定義されているマッピング規則に沿ってマッピングされて保存されるものであり得る。
【0076】
また、本発明の一実施例によると、結果処理部350は検証対象システム400から受信される前記第2応答データを分析して、新規に生成された業務のキー値が存在する場合、該当キー値を前記取引メッセージに含まれて保存された業務システム200の取引データに対するキー値、すなわち、可変データとマッピングして保存することができる。換言すると、結果処理部350は業務システム200から受信された第1要請データを含む取引データに対するキー値と検証対象システム400から受信された第2要請データを含む取引データに対するキー値をマッピングして保存することができる。同様に、可変データマッピング保存過程も管理部360を通じてあらかじめ定義されているマッピング規則に沿ってマッピングされて保存されるものであり得る。
【0077】
この時、結果処理部350は前記キー値マッピングのために、検証対象システム400から受信される第2応答データからキー値を探すための多様な検索方法(例えば、LEFT BOUND/RIGHT BOUND、JSON PATH、XPATHなど)を提供することができる。
【0078】
また、結果処理部350は検証対象システム400のログ情報およびローデータ情報を別途に保存することができる。
【0079】
その結果、結果処理部350は総合的な遂行結果および統計と個別取引メッセージに対する詳細情報およびエラー情報を保存して管理することができ、管理者によって該当情報の提供が要請されると、該当情報を提供することができる。
【0080】
管理部360は所定のマッピング規則または変換規則を定義することができ、前記キャプチャー遂行部310、保存部320、再現部330、変換部340および結果処理部350に対する動作状態の管理、制御および環境構成の変更などを遂行できる。
【0081】
図3は、本発明の一実施例により実取り引きデータに基づいてITシステムに対する検証自動化が遂行される過程を図示したフローチャートである。
【0082】
まず、業務システム200は取引システム100から第1業務に対する第1要請データが受信されると(S301)、第1要請データに対する第1応答データを取引システム100に伝送することができる(S302)。このような第1要請データおよび第1応答データの送受信は一つの取り引きを意味し得る。
【0083】
検証システム300は取り引きが発生することによって、取引システム100と業務システム200間に送受信される取引データである前記第1要請データと第1応答データのネットワークパケットをキャプチャーして保存することによって、取引メッセージを得ることができる(S303)。すなわち、取引メッセージは、第1要請データと第1要請データに対応する第1応答データで構成され、フロー(Flow)単位で生成されたものを意味し得る。
【0084】
具体的には、検証システム300は、前記第1要請データと第1応答データを併合して一つの取引メッセージとして生成することによって取引単位で保存を遂行することができるが、該当取引メッセージに固有識別子であるUUIDを付与することによって、今後UUIDを通じてのデータの追跡を可能にして追跡に対する便宜性を提供することができる。
【0085】
本発明の一実施例によると、前記キャプチャーしたネットワークパケットが暗号化されている場合、検証システム300は該当ネットワークパケット復号化のためにキー値を可変データとして含んで取引メッセージを生成することができる。
【0086】
また、検証システム300は、前記生成した取引メッセージに対してシステム内に永久的に保存することができる。
【0087】
検証システム300は、前記生成した取引メッセージの第1要請データをデコーディングしてあらかじめ定義されている変換規則に沿って、第2要請データへの変換を遂行できる(S304)。
【0088】
換言すると、前記変換は、前記あらかじめ定義されている変換規則が業務システム200と検証対象システム400間の呼び出し規則を定義した規則であることにより、業務システム200で使用するプロトコルに対する第1要請データを検証対象システム400で使用するプロトコルに合わせて第2要請データとして変換することを意味し、これにより、第2要請データは検証対象システム400に定義された構造または形式に変換されることを意味し得る。
【0089】
本発明の一実施例によると、前記取引メッセージの第1要請データが暗号化されている場合、検証システム300は暗号化方式による復号化処理を遂行した後、前記あらかじめ定義されている規則に沿って変換を遂行できる。
【0090】
検証システム300は変換が完了すると、変換された第2要請データを検証対象システム400に伝送することができ(S305)、第2要請データに対する第2応答データを検証対象システム400から受信することができる(S306)。
【0091】
この後、検証システム300は受信された第2応答データを保存および分析することができる(S307)。
【0092】
具体的には、検証システム300は検証対象システム400から第2応答データが受信されると、第2応答データを前記業務システム200から受信した取引メッセージに含まれた第1応答データとマッピングして保存するが、この時、あらかじめ定義されたマッピング規則に基づいてマッピングを実施することができる。
【0093】
また、検証システム300は、前記第2応答データに対するマッピング保存時に分析結果に対する情報もマッピングして保存することができる。
【0094】
検証システム300は、前記第2応答データに対する分析結果に基づいてマッピング保存された第1応答データと対比判定して検証成功または失敗の結果を判定することができる(S308)。
【0095】
前記結果判定を通じて検証失敗と判定された場合、検証システム300は失敗の原因情報に該当するエラー情報を追加分析して保存することができ、エラー情報もあらかじめ定義されている所定のマッピング規則に基づいて取引メッセージとマッピングされて保存され得る。
【0096】
検証システム300は事前に定義された規則に沿って、前記第2応答データからセッションID、業務IDなどの特定情報を抽出して、該当特定情報が以降の取引メッセージにおいてマッピング情報として使用されるようにする過程をさらに遂行できる。
【0097】
また、前記のすべてのマッピングされた情報が検証システム300にUUIDに区分されて保存されることにより、今後データの追跡または照会が容易であり、検証済みのデータに対する管理が可能となる。
【0098】
図4は、本発明の他の実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムの構成を概略的に図示した図面である。
【0099】
図4を参照すると、本発明の他の実施例に係る実取引データ基盤のITシステム自動検証システムは、取引システム100、業務システム200、第1検証システム301、第2検証システム302、検証対象システム400および機関システム500で構成され得る。
【0100】
取引システム100、業務システム200、第1検証システム301、第2検証システム302、検証対象システム400および機関システム500のそれぞれは通信網を通じて連結されていてもよい。ここで、通信網は有線および無線などのようなその通信様態にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN:Local Area Network)、都市圏通信網(MAN:Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)等の多様な通信網で構成され得る。
【0101】
具体的には、
図4は
図1の実施例で業務システム200が機関システム500との連動が必要な場合の実施例を示した図面であって、取引システム100の要請によって取引システム100と業務システム200間の第1要請データおよび第1応答データの送受信で取り引きが遂行され、第1検証システム301がこのような第1要請データおよび第1応答データを含んだネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを生成することにより、生成した取引メッセージに基づいてあらかじめ定義されている規則で第1要請データに対する変換を実施して、変換された第2要請データを検証対象システム400に伝送して該当要請データに対する第2応答データを受信し、第1応答データと第2応答データを比較することによって検証成功または失敗の有無を判定する
図1に図示されたシステム構成は同じである。
【0102】
ただし、業務システム200が機関システム500と連動されている場合、複数の検証システム301、302が存在して、取引システム100と業務システム200間の取引に対するネットワークパケットは第1検証システム301によりキャプチャーされ、業務システム200と機関システム500間の取り引きに対するネットワークパケットは第2検証システム302によりキャプチャーされ得る。
【0103】
これにより、第2検証システム302は第1検証システム301と同様に業務システム200と機関システム500間に送受信される要請データおよび応答データを含むネットワークパケットをキャプチャーして取引メッセージを生成することができ、生成した取引メッセージに基づいて、あらかじめ定義されている変換規則に基づいて要請データの変換を遂行できる。
【0104】
また、前記変換された要請データは、検証対象システム400に伝送され、これにより、第2検証システム302は検証対象システム400から受信される応答データに基づいてあらかじめ保存された応答データを比較して、その結果により検証成功または失敗の有無が判定され得る。
【0105】
また、検証対象システム400が機関システム500と直接的に連動できない場合には、機関システム500の代わりに第2検証システム302と連動して第2検証システム302に保存された実連動データを取得してもよい。
【0106】
このように、本発明の一実施例によると、開発者によって定義された制限的検証ではなく、実際の運営環境の取引データを通じて、持続的かつ繰り返して回帰検証を遂行することによって、実際の使用者は認識していない状態で開発システムをあらかじめ開通する効果を得ることができ、これを通じて実際の開通時点の開発システムの品質を向上させることができる効果がある。
【0107】
また、本発明の一実施例によると、実環境で発生する多様なケースの大量の取引データを利用して開発システムの自動化された検証を遂行するところ、システム開発後に手作業で相互間に検証を遂行する従来技術に比べて、検証時に要求される時間、費用および人員を減縮させることができる。
【0108】
本発明の効果は前記した効果に限定されず、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【0109】
前述した本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることが理解できるであろう。したがって、前述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。例えば、単一形で説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に分散されたものとして説明されている構成要素も結合された形態で実施され得る。
【0110】
本発明の範囲は後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0111】
100:取引システム
200:業務システム
300:検証システム
310:キャプチャー遂行部
320:保存部
330:再現部
340:変換部
350:結果処理部
360:管理部
400:検証対象システム
500:機関システム