(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】トイレ用音声案内装置
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
A47K17/00
(21)【出願番号】P 2018066917
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐史
(72)【発明者】
【氏名】辻田 正実
(72)【発明者】
【氏名】森岡 聡子
(72)【発明者】
【氏名】井上 昭司
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 嘉連
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-116092(JP,A)
【文献】特開2007-304932(JP,A)
【文献】特開2007-136019(JP,A)
【文献】米国特許第06417773(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 17/00
E03D 9/00
A61F 9/08
G10L 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、
音声を出力する音声出力部と、
前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記音声出力部とは別の機能部の動作に関する制御を実行可能であり、
前記機能部は、
大便器のボウル部に洗浄水を供給することにより、前記ボウル部を洗浄する洗浄機能部と、
空気を吸引し、吸引した空気に含まれる悪臭成分を低減させて排出する脱臭機能部と、
前記ボウル部内に進出するノズルを洗浄するノズル洗浄ユニットと、
前記ボウル部にミストを噴霧する噴霧ユニットと、
の少なくともいずれかを有し、
前記制御部は、前記機能部の動作に関連して出力される出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせ
、
前記制御部は、
前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記案内用音声の音量を上げる、
もしくは、
前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記案内用音声を出力した後に、前記出力音を出力し、前記出力音を出力中の場合は、前記出力音の出力を一時停止し、前記案内用音声の出力が完了した後に、前記出力音の出力を再開する
の一方を実行することを特徴とするトイレ用音声案内装置。
【請求項2】
トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、
音声を出力する音声出力部と、
前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記音声出力部から出力される前記案内用音声とは別の出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせ
、
前記出力音は、洗浄音を模したトイレ用擬音であり、
前記制御部は、
前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記案内用音声の音量を上げる、
もしくは、
前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記案内用音声を出力した後に、前記出力音を出力し、前記出力音を出力中の場合は、前記出力音の出力を一時停止し、前記案内用音声の出力が完了した後に、前記出力音の出力を再開する
の一方を実行することを特徴とするトイレ用音声案内装置。
【請求項3】
トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、
音声を出力する音声出力部と、
前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記音声出力部とは別の機能部の動作に関する制御を実行可能であり、前記機能部の動作に関連して出力される出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせ
、前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記出力音を出力する動作を実行させた後に、前記案内用音声を出力することを特徴とするトイレ用音声案内装置。
【請求項4】
トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、
音声を出力する音声出力部と、
前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記音声出力部から出力される前記案内用音声とは別の出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせ
、前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記出力音を出力する動作を実行させた後に、前記案内用音声を出力することを特徴とするトイレ用音声案内装置。
【請求項5】
前記制御部は、大便器のボウル部に洗浄水を供給することにより、前記ボウル部を洗浄する洗浄機能部の動作に関する制御を実行可能であり、前記案内用音声の出力と前記洗浄機能部の動作にともなう前記大便器の洗浄音の出力とが重なる場合に、前記洗浄音を出力する動作を前記洗浄機能部に実行させた後に、前記案内用音声を出力することを特徴とする
請求項3又は4に記載のトイレ用音声案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ用音声案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公共施設などのトイレ室に設置され、外国人や目の不自由な方などに対してトイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置が知られている(例えば、特許文献1)。トイレ用音声案内装置は、例えば、トイレ室内における大便器の位置や大便器の洗浄方法などを音声で案内する。これにより、トイレ室の使用方法の分からない使用者に、トイレ室を使用し易くさせることができる。
【0003】
しかしながら、トイレ室では、例えば、大便器の洗浄の音や、この洗浄の音を疑似的に発生させる擬音など、比較的大きな音が発生する可能性がある。そして、こうした音が案内用の音声(以下、案内用音声と称す)に重なってしまうと、案内用音声が聞き取り難くなってしまう。このため、トイレ用音声案内装置では、案内用音声をより聞き取り易くすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、係る課題の認識に基づいてなされたものであり、案内用音声を聞き取り易くしたトイレ用音声案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、音声を出力する音声出力部と、前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記音声出力部とは別の機能部の動作に関する制御を実行可能であり、前記機能部の動作に関連して出力される出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせることを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0007】
このトイレ用音声案内装置によれば、機能部の動作に関連して出力される出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせることにより、案内用音声が出力音に重なり、聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。従って、案内用音声を聞き取り易くしたトイレ用音声案内装置を提供することができる。
【0008】
第2の発明は、トイレ室に設置され、前記トイレ室に関する情報を音声で案内するトイレ用音声案内装置であって、音声を出力する音声出力部と、前記トイレ室への使用者の入室を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を前記音声出力部から出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記音声出力部から出力される前記案内用音声とは別の出力音と前記案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、前記出力音と前記案内用音声との他方と異ならせることを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0009】
このトイレ用音声案内装置によれば、音声出力部から出力される案内用音声とは別の出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせることにより、案内用音声が出力音に重なり、聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。従って、案内用音声を聞き取り易くしたトイレ用音声案内装置を提供することができる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記制御部は、前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記出力音の出力を抑制させることを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0011】
このトイレ用音声案内装置によれば、出力音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記出力音は、トイレ用擬音を含むことを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0013】
このトイレ用音声案内装置によれば、トイレ用擬音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記制御部は、前記案内用音声の出力と前記トイレ用擬音の出力とが重なる場合に、前記案内用音声を出力した後に、前記トイレ用擬音を出力させることを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0015】
このトイレ用音声案内装置によれば、トイレ用擬音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0016】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、前記制御部は、前記案内用音声の出力と前記出力音の出力とが重なる場合に、前記出力音を出力する動作を実行させた後に、前記案内用音声を出力することを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0017】
このトイレ用音声案内装置によれば、出力音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記制御部は、大便器のボウル部に洗浄水を供給することにより、前記ボウル部を洗浄する洗浄機能部の動作に関する制御を実行可能であり、前記案内用音声の出力と前記洗浄機能部の動作にともなう前記大便器の洗浄音の出力とが重なる場合に、前記洗浄音を出力する動作を前記洗浄機能部に実行させた後に、前記案内用音声を出力することを特徴とするトイレ用音声案内装置である。
【0019】
このトイレ用音声案内装置によれば、洗浄音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、案内用音声を聞き取り易くしたトイレ用音声案内装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係るトイレ用音声案内システムを模式的に表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るトイレ用音声案内システムを模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトイレ用音声案内システムの動作の一例を模式的に表す説明図である。
【
図4】実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ用音声案内システムを模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ用音声案内システム2は、トイレ用音声案内装置10と、便座装置100(別の機器)と、を備える。
【0023】
トイレ用音声案内システム2は、トイレ室TRに設置される。トイレ用音声案内装置10は、便座装置100などの別の機器とともに、トイレ室TRに設置される。トイレ用音声案内装置10は、トイレ室TRに関する情報を音声で案内する。トイレ用音声案内装置10は、例えば、便座装置100などの使用方法を音声で案内する。これにより、外国人や目の不自由な方など、トイレ室TRの使い方が分からずに不安な方にも、安心してトイレ室TRを使用させることができる。
【0024】
トイレ室TRは、例えば、公共施設のトイレ室である。トイレ室TRは、パーティションなどで仕切られた状態で1つの部屋に並べて設けられる、いわゆるトイレブースでもよいし、多目的トイレや多機能トイレなどの独立した1つの部屋でもよい。
【0025】
便座装置100は、本体部102と、便座104と、便蓋106と、を有する。便座装置100は、大便器4の上に取り付けられる。便座装置100は、大便器4に対して一体的に取り付けてもよいし、大便器4に対して着脱可能に取り付けてもよい。
【0026】
大便器4は、下方に向けて窪んだボウル部4aを有する。大便器4は、ボウル部4aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。大便器4は、より詳しくは、洋式腰掛大便器である。便座装置100の本体部102は、大便器4のボウル部4aよりも後方の上部に設けられる。本体部102は、便座104及び便蓋106を開閉可能に軸支している。
【0027】
便座104は、開口部104aを有する。便座104は、ボウル部4aの外縁を囲むように大便器4の上に設けられ、開口部104aを介してボウル部4aが露呈される。これにより、使用者は、便座104に座った状態でボウル部4aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部104aが形成された、いわゆるO型の便座104を示している。便座104は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。便座104の内部には、着座部(使用者の臀部が接する部分)を温めるヒータ等が適宜設けられる。
【0028】
便座装置100は、例えば、操作部108とノズル110とを有する。また、便座装置100は、便座104に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などを本体部102の内部に内蔵している。便座装置100は、換言すれば、衛生洗浄装置である。
【0029】
操作部108は、有線通信又は無線通信を介して本体部102と接続される。操作部108は、例えば、複数のボタンなどの操作部材を有し、使用者の操作指示を受けつける。そして、操作部108は、入力された操作指示を本体部102に送信する。操作部108は、いわゆるリモコンである。
【0030】
便座装置100は、使用者の操作部108の操作に応じて、ノズル110を大便器4のボウル部4a内に進出させた位置と、ノズル110を本体部102内に収納した位置と、に進退移動させることができる。なお、
図1に表した便座装置100では、ノズル110がボウル部4a内に進出した状態を表している。
【0031】
ノズル110は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル110の先端部には、ビデ洗浄吐水口110a及びおしり洗浄吐水口110bが設けられている。ノズル110は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口110aから水を噴射して、便座104に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル110は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口110bから水を噴射して、便座104に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0032】
図2は、実施形態に係るトイレ用音声案内システムを模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、トイレ用音声案内装置10は、音声出力部12と、検知部14と、制御部16と、通信部18と、を有する。音声出力部12は、音声を出力する。音声出力部12は、例えば、スピーカである。音声出力部12は、トイレ用音声案内装置10のケーシング内に一体的に設けてもよいし、トイレ用音声案内装置10のケーシングとは別に設け、有線通信又は無線通信を介して制御部16と接続してもよい。
【0033】
検知部14は、トイレ室TRへの使用者の入室を検知する。検知部14は、制御部16と接続され、使用者の検知結果を制御部16に入力する。検知部14は、トイレ用音声案内装置10のケーシング内に一体的に設けてもよいし、トイレ用音声案内装置10のケーシングとは別に設け、有線通信又は無線通信を介して制御部16と接続してもよい。検知部14には、例えば、赤外線投受光式の測距センサ、焦電センサ、又はマイクロ波センサなどを用いることができる。
【0034】
制御部16は、検知部14の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を音声出力部12から出力する。これにより、トイレ室TRに入室した使用者に対して自動的に案内を行うことができる。
【0035】
また、制御部16は、例えば、検知部14の検知結果を基に、トイレ室TR内における使用者の位置を判別し、使用者の位置に応じた案内を行う。これにより、より適切な案内を使用者に対して行うことができる。
【0036】
通信部18は、別の機器である便座装置100と通信を行う。通信部18は、制御部16と接続されている。通信部18は、制御部16から入力された制御信号を便座装置100に送信するとともに、便座装置100から受信した制御信号を制御部16に入力する。通信部18と便座装置100との間の通信は、有線でもよいし無線でもよい。
【0037】
便座装置100は、制御部120と、通信部122と、着座検知センサ124と、音声出力部126と、脱臭機能部128と、洗浄機能部130と、を有する。制御部120は、便座装置100の各部を統括的に制御する。制御部120は、操作部108と接続されており、操作部108から入力された操作指示に基づいて各部の動作を制御する。
【0038】
通信部122は、トイレ用音声案内装置10の通信部18と通信する。通信部122は、制御部120と接続され、制御部120から入力された制御信号をトイレ用音声案内装置10に送信するとともに、トイレ用音声案内装置10から受信した制御信号を制御部120に入力する。なお、通信部18、122は、双方向の通信を行うものに限らない。通信部18、122は、トイレ用音声案内装置10から便座装置100、又は便座装置100からトイレ用音声案内装置10への片方向の通信のみを行えるものでもよい。また、トイレ用音声案内装置10と便座装置100との間の通信が必要ない場合には、通信部18、122は、省略してもよい。通信部18、122は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0039】
着座検知センサ124は、使用者が便座104に着座する直前において便座104の上方に存在する人体や、便座104に着座した使用者を検知することができる。着座検知センサ124は、便座104に着座した使用者だけではなく、便座104の上方に存在する使用者を検知してもよい。このような着座検知センサ124としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。着座検知センサ124は、使用者が着座した際の荷重によってON/OFFが行われるスイッチでもよい。着座検知センサ124は、使用者の着座の検知に応答して、着座の検知を表す信号を制御部120に出力する。
【0040】
音声出力部126は、音声を出力する。音声出力部126は、例えば、スピーカである。制御部120は、例えば、操作部108からの操作指示の入力又は着座検知センサ124による使用者の着座の検知に応じて、音声出力部126からトイレ用擬音を出力する。トイレ用擬音は、例えば、ボウル部4aの洗浄音を模した音などである。このように、トイレ用擬音を出力することにより、例えば、排泄などにともなう音が外部に漏れ聞こえてしまうことを抑制することができる。
【0041】
脱臭機能部128は、本体部102内に設けられる。脱臭機能部128は、大便器4のボウル部4a内の空気を吸引し、吸引した空気に含まれる悪臭成分を低減させた後、本体部102の外に排出することにより、ボウル部4a内の空気を脱臭する。脱臭機能部128は、制御部120に接続され、制御部120の制御に基づいて、ボウル部4a内の空気の脱臭を行う。
【0042】
脱臭機能部128は、例えば、弱運転モードと、弱運転モードよりも吸引量の多い強運転モードと、を有する。制御部120は、例えば、使用者が便座104に着座したことを着座検知センサ124が検知した際に、脱臭機能部128を弱運転モードで動作させる。そして、制御部120は、例えば、使用者が便座104から離れたことを着座検知センサ124が検知した際に、脱臭機能部128を強運転モードで所定時間動作させる。
【0043】
脱臭機能部128は、例えば、大便器4の外部のトイレ室TRの空気(ボウル部4a内以外の空気)を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる悪臭成分を捕集又は分解した後、本体部102の外部に吐き出すことにより、トイレ室TR内の空気を脱臭する構成でもよい。
【0044】
洗浄機能部130は、大便器4のボウル部4aに洗浄水を供給することにより、ボウル部4aを洗浄する。洗浄機能部130は、例えば、タンク内に設けられたモータやポンプ、あるいは給水管に接続された電磁弁などを駆動するための駆動回路である。洗浄機能部130は、制御部120と接続されている。洗浄機能部130は、制御部120の制御に基づいてモータなどを駆動することにより、ボウル部4aの洗浄を行う。制御部120は、例えば、操作部108からの操作指示、又は使用者が便座104から離れたことを着座検知センサ124が検知したことに応じて、洗浄機能部130を動作させ、ボウル部4aの洗浄を行う。
【0045】
トイレ用音声案内装置10の制御部16は、通信部18を介して便座装置100と通信することにより、便座装置100に設けられた音声出力部126、脱臭機能部128、及び洗浄機能部130などの音声出力部12とは別の機能部FUの動作に関する制御を実行可能である。そして、制御部16は、機能部FUの動作に関連して出力される出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせる。
【0046】
制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の音声出力部126からのトイレ用擬音の出力と、が重なる場合に、便座装置100の音声出力部126にトイレ用擬音の出力を抑制させる。
【0047】
制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の音声出力部126からのトイレ用擬音の出力と、が重なる場合に、案内用音声を出力した後に、便座装置100の音声出力部126にトイレ用擬音を出力させる。
【0048】
制御部16は、例えば、案内用音声の出力の際に、通信部18、122を介して便座装置100の制御部120に案内用音声の出力を通知する。便座装置100の制御部120は、案内用音声の出力の通知を受けると、案内用音声の出力が完了するまで、トイレ用擬音の出力を停止する。また、便座装置100の制御部120は、案内用音声の出力の通知を受けた際に、トイレ用擬音を出力中であった場合には、トイレ用擬音の出力を一度停止し、案内用音声の出力が完了した後に、トイレ用擬音の出力を再開する。
【0049】
このように、トイレ用擬音の出力のタイミングを案内用音声の出力のタイミングと異ならせることにより、トイレ用擬音が案内用音声に重なり、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0050】
制御部16は、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の音声出力部126からのトイレ用擬音の出力と、が重なる場合に、便座装置100の音声出力部126にトイレ用擬音の音量を下げさせるようにしてもよい。すなわち、トイレ用擬音の出力の抑制は、トイレ用擬音の出力の停止でもよいし、トイレ用擬音の音量の低下でもよい。
【0051】
また、制御部16は、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の音声出力部126からのトイレ用擬音の出力と、が重なる場合に、案内用音声の音量を上げるようにしてもよい。この場合、制御部16は、例えば、案内用音声の出力の際に、制御部120と通信することにより、トイレ用擬音が出力中か否かを確認し、出力中である場合に、案内用音声の音量を上げる。制御部16は、例えば、案内用音声がトイレ用擬音と重なる場合に、重ならない場合よりも案内用音声の音量を上げる。例えば、案内用音声がトイレ用擬音と重なる場合に、案内用音声の音量をトイレ用擬音の音量よりも高くなるようにしてもよい。このように、案内用音声の音量を上げることによっても、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0052】
制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の脱臭機能部128の動作にともなう動作音(吸排気音)と、が重なる場合に、案内用音声を出力した後に、脱臭機能部128に動作音を出力する脱臭の動作を実行させる。このように、機能部FUの動作に関連して出力される出力音は、スピーカなどから出力される音に限ることなく、機能部FUの動作にともなう動作音を含んでもよい。制御部16は、案内用音声の出力が出力音の出力と重なる場合に、案内用音声を出力した後に、機能部FUに出力音を出力する動作を実行させてもよい。
【0053】
制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、脱臭機能部128の強運転モードの動作にともなう動作音と、が重なる場合に、脱臭機能部128を強運転モードから弱運転モードに切り替えさせることにより、脱臭機能部128に動作音の音量を下げさせるようにしてもよい。このように、出力音の音量の低下は、機能部FUの動作の切り替えなどによる動作音の音量の低下を含んでもよい。制御部16は、案内用音声の出力と出力音の出力とが重なる場合に、出力音の出力を抑制させてもよい。
【0054】
また、制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、脱臭機能部128の動作にともなう動作音と、が重なる場合に、案内用音声の音量を上げるようにしてもよい。
【0055】
制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、便座装置100の洗浄機能部130の動作にともなう動作音(洗浄音)と、が重なる場合に、洗浄機能部130に動作音を出力する動作を実行させた後に、案内用音声を出力する。すなわち、制御部16は、洗浄機能部130にボウル部4aの洗浄を実行させた後に、案内用音声を出力する。これにより、例えば、適切なタイミングでボウル部4aの洗浄が行われず、使用者に違和感を与えてしまうことなどを抑制することができる。
【0056】
このように、制御部16は、案内用音声の出力と出力音の出力とが重なる場合に、機能部FUに出力音を出力する動作を実行させた後に、案内用音声を出力してもよい。この場合にも、出力音が案内用音声に重なり、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0057】
また、制御部16は、例えば、音声出力部12からの案内用音声の出力と、洗浄機能部130の動作にともなう動作音と、が重なる場合に、案内用音声の音量を上げるようにしてもよい。
【0058】
制御部16は、例えば、案内用音声の出力が機能部FUの動作に関連して出力される出力音と重なる場合に、案内用音声の周波数を出力音の周波数と異ならせてもよい。制御部16は、周波数成分の異なる複数の音声データを有し、出力音と重なる場合に、その音の周波数成分と異なる周波数成分の音声データを選択して案内用音声を出力する。あるいは、周波数変換部を制御部16などに設け、出力音と重なる場合に、案内用音声の周波数成分を、出力音の周波数成分と異なる周波数成分に変換して出力してもよい。このように、案内用音声の周波数を出力音の周波数と異ならせた場合にも、同じ周波数成分を含む場合と比べて、案内用音声を聞き取り易くすることができる。
【0059】
なお、案内用音声の周波数は、音声出力部126、脱臭機能部128、洗浄機能部130などのそれぞれの動作に関連する出力音の周波数と、異なる周波数に予め設定しておいてもよい。すなわち、案内用音声の周波数は、出力音の周波数と異なってもよい。より詳しくは、案内用音声の周波数の主成分は、出力音の周波数の主成分と異なってもよい。
【0060】
図3は、実施形態に係るトイレ用音声案内システムの動作の一例を模式的に表す説明図である。
図3に表したように、トイレ用音声案内装置10の制御部16は、検知部14がトイレ室TRへの使用者の入室を検知したことに応じて、音声出力部12を動作させ、案内用音声を出力する。制御部16は、例えば、「音声ガイドです。カギは把手下、斜め左奥に大便器があります。」などといった入室検知用の案内用音声を出力する(
図3の矢線A1)。
【0061】
例えば、使用者が入室し、入室検知用の案内用音声を出力する際に、前の使用者の操作などに応じて、脱臭機能部128が動作している可能性がある。そこで、例えば、入室の検知又は入室検知用の案内用音声の出力を便座装置100に通知し、この通知に応じて脱臭機能部128を停止させるようにしてもよい。すなわち、案内用音声の出力と出力音の出力とが重なる場合に、出力音の出力を停止させてもよい。
【0062】
また、同様に、使用者が入室し、入室検知用の案内用音声を出力する際に、前の使用者の操作などに応じて、洗浄機能部130によるボウル部4aの洗浄が行われている可能性がある。そこで、例えば、入室検知用の案内用音声を出力する前に、ボウル部4aの洗浄が行われているか否かを便座装置100に確認し、ボウル部4aの洗浄が終了するまで入室検知用の案内用音声の出力を待機させてもよい。換言すれば、洗浄機能部130の前回の動作から所定時間経過するまで、入室検知用の案内用音声の出力を待機させてもよい。
【0063】
制御部16は、検知部14の検知結果を基に、使用者の大便器4への接近を検知すると、音声出力部12を動作させ、案内用音声を出力する。制御部16は、例えば、「荷物棚は便器後方にあります。」などといった接近検知用の案内用音声を出力する(
図3の矢線A2)。
【0064】
便座装置100の制御部120は、着座検知センサ124によって使用者の着座を検知すると、通信部18、122を介してトイレ用音声案内装置10の制御部16に着座の検知を通知する。
【0065】
トイレ用音声案内装置10の制御部16は、便座装置100からの通知によって使用者の着座を検知すると、音声出力部12を動作させ、案内用音声を出力する。制御部16は、例えば、「紙巻器は左壁手摺りの下、流すボタンは紙巻器の上にあります。」などといった着座検知用の案内用音声を出力する(
図3の矢線A3)。また、制御部16は、案内用音声の出力に応じて、案内用音声を出力中であることを便座装置100の制御部120に通知する。
【0066】
便座装置100の制御部120は、使用者の着座の検知に応じて、着座の検知をトイレ用音声案内装置10に通知するとともに、音声出力部126を動作させ、音声出力部126からトイレ用擬音を出力する(
図3の矢線B1)。また、この際、制御部120は、トイレ用音声案内装置10からの案内用音声の出力中の通知に応じて、音声出力部126から出力するトイレ用擬音の音量を下げる。制御部120は、案内用音声がトイレ用擬音と重ならない場合よりも、トイレ用擬音の音量を下げる。これにより、案内用音声とトイレ用擬音とが重なる場合にも、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0067】
トイレ用音声案内装置10の制御部16は、着座検知用の案内用音声を出力した後、続けて、「衛生洗浄装置を備えています。操作部のボタンは、左から「止」、「おしり」、「ビデ」、「乾燥」です。」などといった便座装置100の操作に関する案内用音声を出力する(
図3の矢線A4)。この後、制御部16は、案内用音声の出力の停止を便座装置100の制御部120に通知する。例えば、案内用音声を出力している途中で操作部108が操作(
図3のリモコンSW操作)された場合などには、使用者が既に便座装置100の操作方法を認識していると判断して、案内用音声の出力を停止してもよい。
【0068】
便座装置100の制御部120は、着座検知センサ124で着座が検知されている状態で、案内用音声の出力の停止の通知を受信すると、音声出力部126から出力するトイレ用擬音の音量を上げる(
図3の矢線B2)。換言すれば、制御部120は、案内用音声の出力の停止の通知の受信に応じて、トイレ用擬音の音量を通常時の音量に戻す。
【0069】
また、制御部120は、着座検知センサ124で着座が検知されている状態で、案内用音声の出力の停止の通知を受信すると、脱臭機能部128を弱運転モードで動作させる(
図3の矢線C1)。このように、案内用音声を出力した後に、脱臭機能部128の動作を実行させる。これにより、脱臭機能部128の動作音が案内用音声に重なり、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0070】
制御部120は、着座検知センサ124によって使用者の離座を検知すると、音声出力部126からのトイレ用擬音の出力、及び脱臭機能部128の動作を停止させる。また、制御部120は、着座検知センサ124によって使用者の離座を検知すると、トイレ用音声案内装置10の制御部16に離座の検知を通知する。
【0071】
トイレ用音声案内装置10の制御部16は、離座の検知の通知を受信すると、音声出力部12を動作させ、案内用音声を出力する。制御部16は、例えば、「5秒後に便器洗浄を開始します。手洗い器は左壁前方にあります。手洗い器は自動式です。」などといった離座検知用の案内用音声を出力する(
図3の矢線A5)。この後、制御部16は、案内用音声の出力の停止を便座装置100の制御部120に通知する。
【0072】
便座装置100の制御部120は、案内用音声の出力の停止を受けると、脱臭機能部128を強運転モードで動作させる(
図3の矢線D1)とともに、洗浄機能部130を動作させ、ボウル部4aの洗浄を行う(
図3の矢線E1)。このように、案内用音声を出力した後に、脱臭機能部128及び洗浄機能部130の動作を実行させる。これにより、脱臭機能部128及び洗浄機能部130の動作音が案内用音声に重なり、案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。
【0073】
図4は、実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に表したように、便座装置100aは、トイレ室TRへの使用者の入室を検知する検知部132をさらに備える。検知部132は、上記実施形態の検知部14と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0074】
便座装置100aでは、制御部120aが、検知部132の検知結果に応じて使用者を案内するための案内用音声を音声出力部126aから出力する。すなわち、この例では、便座装置100aが、トイレ用音声案内装置としても機能する。このように、トイレ用音声案内装置は、別の機器と通信する構成に限ることなく、1つの装置として構成してもよい。
【0075】
便座装置100aにおいて、制御部120aは、音声出力部126aから出力される案内用音声とは別の出力音、又は脱臭機能部128及び洗浄機能部130などの音声出力部126aとは別の機能部FUの動作に関連して出力される出力音に対して、出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせる。なお、案内用音声を出力する音声出力部(スピーカ)は、トイレ用擬音を出力する音声出力部126aと別に設けてもよい。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態に係るトイレ用音声案内装置10及び便座装置100aでは、機能部FUの動作に関連して出力される出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせることにより、案内用音声が出力音に重なり、聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。従って、案内用音声を聞き取り易くしたトイレ用音声案内装置10、便座装置100aを提供することができる。
【0077】
また、便座装置100aでは、音声出力部126aから出力される案内用音声とは別の出力音と案内用音声との一方の音質又は出力するタイミングを、出力音と案内用音声との他方と異ならせることにより、案内用音声が出力音に重なり、聞き取り難くなってしまうことを抑制することができる。従って、案内用音声を聞き取り易くした便座装置100a(トイレ用音声案内装置)を提供することができる。
【0078】
また、トイレ用音声案内装置10、便座装置100aでは、制御部16、120aが、案内用音声の出力と出力音の出力とが重なる場合に、出力音の出力を抑制させる。これにより、出力音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0079】
また、トイレ用音声案内装置10、便座装置100aでは、出力音がトイレ用擬音を含むことにより、トイレ用擬音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0080】
また、トイレ用音声案内装置10、便座装置100aでは、制御部16、120aが、案内用音声の出力とトイレ用擬音の出力とが重なる場合に、案内用音声を出力した後に、トイレ用擬音を出力させることにより、トイレ用擬音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0081】
また、トイレ用音声案内装置10、便座装置100aでは、制御部16、120aが、案内用音声の出力と出力音の出力とが重なる場合に、出力音を出力する動作を実行させた後に、案内用音声を出力する。これにより、出力音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0082】
また、トイレ用音声案内装置10、便座装置100aでは、制御部16、120aが、案内用音声の出力と洗浄音の出力とが重なる場合に、洗浄音を出力する動作を洗浄機能部130に実行させた後に、案内用音声を出力する。これにより、洗浄音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0083】
上記実施形態では、トイレ用音声案内装置10と通信する別の機器として、便座装置100を例示している。別の機器は、便座装置100に限ることなく、例えば、手洗い器、手乾燥装置(ハンドドライヤ)、又はトイレ室TRの出入口を開閉する自動ドアなどでもよい。
【0084】
例えば、手洗い器の吐水時や手乾燥装置の送風時には、案内用音声が聞き取り難くなってしまう可能性がある。従って、手洗い器や手乾燥装置の動作中には、案内用音声の出力を停止し、手洗い器や手乾燥装置の動作が停止した後に、案内用音声を出力するようにしてもよい。
【0085】
例えば、自動ドアの開閉動作時には、自動ドアの動作音によって案内用音声が聞き取り難くなってしまう可能性がある。また、自動ドアが開いている間は、外部の騒音などによっても案内用音声が聞き取り難くなってしまう可能性がある。従って、自動ドアが開いている間は、案内用音声の出力を停止し、自動ドアが閉じた後に、案内用音声を出力するようにしてもよい。
【0086】
このように、トイレ用音声案内装置10と通信する別の機器は、トイレ室TRに設置され、案内用音声を聞き取りに難くさせてしまう可能性のある任意の機器でよい。
【0087】
また、機能部FUは、音声出力部126、脱臭機能部128、洗浄機能部130に限ることなく、案内用音声を聞き取り難くさせてしまう可能性のある音を生じさせる任意の機能部でよい。例えば、ノズル110を洗浄するノズル洗浄ユニットやボウル部4aにミストを噴霧する噴霧ユニットなどを機能部FUに含めてもよい。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ用音声案内システム2、トイレ用音声案内装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0089】
2 トイレ用音声案内システム、 4 大便器、 10 トイレ用音声案内装置、 12 音声出力部、 14 検知部、 16 制御部、 18 通信部、 100、100a 便座装置、 102 本体部、 104 便座、 106 便蓋、 108 操作部、 110 ノズル、 120、120a 制御部、 122 通信部、 124 着座検知センサ、 126、126a 音声出力部、 128 脱臭機能部、 130 洗浄機能部、 132 検知部