(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】蓄電素子及び蓄電素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/15 20210101AFI20220511BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20220511BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20220511BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20220511BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20220511BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20220511BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20220511BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/188
H01M50/531
H01M50/567
H01G11/80
H01G11/78
(21)【出願番号】P 2017166293
(22)【出願日】2017-08-31
【審査請求日】2020-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】團野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】中西 順
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130386(JP,A)
【文献】特開2016-173902(JP,A)
【文献】国際公開第2010/074169(WO,A1)
【文献】特開2012-151097(JP,A)
【文献】特開2012-248451(JP,A)
【文献】特開2015-213043(JP,A)
【文献】特開2010-157415(JP,A)
【文献】特開2016-207433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0186269(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0268582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00-50/198
H01M 50/50-50/598
H01G 11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、前記容器の壁部に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、
前記電極端子には前記壁部を貫通する軸部が接続されており、
前記壁部には、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の側方に形成された薄肉部とが設けられており、
前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記電極端子の外周よりも内側に位置する溝であって、閉じるように変形可能な空間を内部に有する溝によって形成されている、
蓄電素子。
【請求項2】
前記軸部は、他の部分よりも外径が大きな径大部を有し、
前記壁部は、前記電極端子と前記径大部との間に位置し、
前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記径大部の外側に位置する
請求項1記載の蓄電素子。
【請求項3】
さらに、前記壁部と前記径大部との間に配置された部分を有するガスケットであって、前記貫通孔における気密を維持するためのガスケットを備える
請求項2記載の蓄電素子。
【請求項4】
容器と、前記容器の壁部に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、
前記電極端子には前記壁部を貫通する軸部が接続されており、
前記壁部には、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の側方に形成された薄肉部とが設けられており、
前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記電極端子の外周よりも内側に位置
する溝であって、前記壁部以外の部材で埋められていない溝によって形成されており、
前記軸部は、他の部分よりも外径が大きな径大部を有し、
さらに、前記容器の内部に配置された集電体を備え、
前記軸部は、前記集電体に接続されており、
前記径大部は、前記電極端子の、前記壁部とは反対側に配置されている
蓄電素子。
【請求項5】
容器と、前記容器の壁部に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、
前記電極端子には前記壁部を貫通する軸部が接続されており、
前記壁部には、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の側方に形成された薄肉部とが設けられており、
前記軸部は、他の部分よりも外径が大きな径大部を有し、
前記壁部は、前記電極端子と前記径大部との間に位置し、
前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記電極端子の外周よりも内側に位置し、かつ、前記壁部の、前記径大部が設けられた側の面に
、前記壁部以外の部材で埋められていない陥凹状
の部分として設けられている、
蓄電素子。
【請求項6】
容器と、前記容器の壁部に配置された電極端子とを備える蓄電素子の製造方法であって、
前記電極端子に接続された軸部を、前記壁部に設けられた貫通孔であって、閉じるように変形可能な空間を内部に有する溝によって形成された薄肉部の側方に設けられた貫通孔に挿入する工程と、
前記貫通孔に挿入された状態の前記軸部を、前記軸部の軸方向にかしめる工程と、を含み、
前記溝は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記電極端子の外周よりも内側に位置している、
蓄電素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器と容器に配置された電極端子とを備える蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの動力源として、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子が用いられている。このような蓄電素子は、一般的に、電極体を収容する容器と、容器に配置された電極端子等を備えている。
【0003】
特許文献1には、電極端子を絶縁部材を介して蓋部の貫通孔に挿入するとともに、貫通孔におけるバーリング部をケースの外方からプレスすることにより、電極端子と蓋部とが結合される電池の製造装置が開示されている。この製造装置が備えるダイには、バーリング部形成部分に相当する箇所に、パンチによるバーリング部のプレスにより生じる余肉を収納可能な余肉収納手段が設けられている。特許文献1には、この構成により、バーリング部に余肉が生じた場合などでも、蓋部などのケースに歪を生じさせないことができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているように、電極端子の固定等を目的として金属部材に対して加圧変形を行う場合、蓋板等の他の部材に歪みを生じさせないことが求められる。例えば、蓋板の貫通孔を貫通した状態の軸部をかしめる場合、蓋板がかしめによる押圧力を受けることで変形する可能性がある。蓋板の周縁部に変形が生じた場合、例えば、蓋板と容器本体との溶接を行う際に、蓋板の周縁部と容器本体の開口との間に隙間が生じ、その結果、溶接不良が発生する可能性がある。
【0006】
そこで、例えば蓋板の貫通孔の近傍に、変形しやすい部分(変形部)を設け、変形部にかしめにより生じる応力を吸収させることが考えられる。本願発明者らは、この構造について検討した結果、貫通孔の近くに変形部が存在することで、蓋板の周縁部における変形が抑制される一方で、変形部が他の部分よりも弱い部分として残存する等の問題が生じ得ることを見出した。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、容器と容器に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、容器と、容器の壁部に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、前記電極端子には前記壁部を貫通する軸部が接続されており、前記壁部には、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の側方に形成された薄肉部とが設けられており、前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記電極端子の外周よりも内側に位置する。
【0009】
この構成によれば、例えば、電極端子に接続された軸部が容器の内側または外側でかしめられた場合に、かしめによって貫通孔の周辺に生じる応力が、薄肉部により吸収または緩和される。これにより、例えば、電極端子が配置される壁部の周縁部における変形が抑制されるため、例えば壁部を形成する蓋板と容器本体との接合が精度よく行われる。
【0010】
ここで、かしめによる押圧力が大きい場合において、壁部の周縁部の変形を極力減らすためには、貫通孔の側方に配置された変形しやすい部分(変形部)の変形量は、比較的に大きいことが望ましい。しかしながら、例えば、変形部の変形時における、壁部の厚み方向への突出量が大きい場合、例えば、変形部が、壁部近傍の他の部材(ガスケット等)を不要に圧迫する可能性がある。また、変形部の変形前の形状についても、壁部に沿ってガスケット等の他の部材を配置することを考慮すると、壁部の厚み方向に突出していないことが望ましい。
【0011】
従って、これらの観点からは、変形部を、例えば他の部分よりも肉厚が小さな部分(薄肉部)によって実現することが好ましい。つまり、薄肉部は、例えば、壁部の両面のうちの少なくとも一方の面を凹ませることで形成することができるため、変形前の時点において、壁部の厚み方向に突出しない態様で壁部に設けることができる。また、薄肉部が変形する場合、薄肉ではない部分が変形するよりも、壁部の厚みを増加させる可能性が低い。そのため、例えば、かしめにより生じる応力を吸収または緩和するように薄肉部が変形した場合において、その変形した部分が、壁部近傍の他の要素(ガスケット等)を不要に圧迫する可能性が低い。
【0012】
さらに、本態様に係る蓄電素子では、容器における脆弱部ともなり得る薄肉部を補強する構造が採用されている。具体的には、平面視(軸部の軸方向から見た場合)において、薄肉部を覆うように電極端子が配置される。そのため、例えば、電極端子が、壁部における薄肉部及びその周囲の部分を補強する部材として機能する。つまり、壁部における薄肉部の存在領域の機械的な強度の低下が抑制される。また、当該強度の低下の抑制のための専用部材を別途用いる必要はない。従って、本態様の蓄電素子は、信頼性の高い蓄電素子である。
【0013】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記軸部は、他の部分よりも外径が大きな径大部を有し、前記壁部は、前記電極端子と前記径大部との間に位置し、前記薄肉部は、前記軸部の軸方向から見た場合において、前記径大部の外側に位置する、としてもよい。
【0014】
この構成によれば、例えば、電極端子と径大部とで壁部を挟み込んだ状態で電極端子が壁部に固定されるため、電極端子による壁部の補強の実効性が向上する。また、平面視(軸部の軸方向から見た場合)において薄肉部が径大部の外側に位置することで、例えば、かしめによる押圧力によって薄肉部が厚み方向につぶされることを抑制しながら、薄肉部を、厚み方向と直交する方向に縮めるように変形させることができる。これにより、薄肉部による応力の吸収または緩和の実効性がさらに向上する。
【0015】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子はさらに、前記壁部と前記径大部との間に配置された部分を有するガスケットであって、前記貫通孔における気密を維持するためのガスケットを備える、としてもよい。
【0016】
この構成によれば、平面視において径大部の外側に薄肉部があるため、壁部と径大部とでガスケットが挟み込まれた場合であっても、ガスケットの肉によって薄肉部が埋められ難い。これにより、ガスケットによる気密の実効性と、薄肉部による応力の吸収または緩和の実効性の両立が図られる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子はさらに、前記容器の内部に配置された集電体を備え、前記軸部は、前記集電体に設けられており、前記径大部は、前記電極端子の、前記壁部とは反対側に配置されている、としてもよい。
【0018】
この構成によれば、集電体に一体に設けられた軸部が容器の外でかしめられる構造が採用された蓄電素子において、上述の、壁部の変形の抑制等の効果が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容器と容器に配置された電極端子とを備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電素子の容器内に配置されている構成要素を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る電極端子の蓋板への取り付け構造を示す分解斜視図である。
【
図4A】実施の形態に係る蓋板の貫通孔及びその周辺を示す斜視図である。
【
図4B】実施の形態に係る蓋板の貫通孔及びその周辺の構造を示す部分断面図である。
【
図5】実施の形態に係る蓄電素子の電極端子及びその周辺の構造を示す部分断面図である。
【
図6】実施の形態の変形例に係る蓄電素子の電極端子及びその周辺の構造を示す部分断面図である。
【
図7】断面形状が半円である溝によって形成される薄肉部を有する蓋板の部分断面図である。
【
図8】断面形状が矩形である溝によって形成される薄肉部を有する蓋板の部分断面図である。
【
図9】薄肉部の形状及び配置についての第1の別例を示す平面図である。
【
図10】薄肉部の形状及び配置についての第2の別例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
【0022】
また、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0023】
また、以下実施の形態での説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、電極体の両端部(一対の合材層非形成部)の並び方向、電極体の巻回軸方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、または、容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。また、蓄電素子の容器本体と蓋板との並び方向、容器の短側面の長手方向、集電体の脚部の延設方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0024】
(実施の形態)
[1.蓄電素子の全般的な説明]
まず、
図1及び
図2を用いて、実施の形態に係る蓄電素子10の全般的な説明を行う。
図1は、実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電素子10の容器100内に配置されている構成要素を示す斜視図である。具体的には、
図2は、蓄電素子10を、容器100の蓋板110と容器本体101とを分離して示す斜視図である。
【0025】
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。例えば、蓄電素子10は、EV、HEV、またはPHEV等の各種自動車に適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子10は、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0026】
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、電極端子200及び300とを備えている。また、
図2に示すように、容器100の内部には、負極側の集電体120と、正極側の集電体130と、電極体400とが収容されている。
【0027】
なお、蓄電素子10は、上記の構成要素の他、集電体120及び130の側方に配置されるスペーサ、または、電極体400等を包み込む絶縁フィルムなどを備えてもよい。また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。
【0028】
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体101と、容器本体101の開口を閉塞する板状部材である蓋板110とで構成されている。蓋板110は、電極端子が配置される壁部の一例である。また、容器100は、電極体400等を内部に収容後、蓋板110と容器本体101とが溶接等されることにより、内部を密封する構造を有している。なお、蓋板110及び容器本体101の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、またはアルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0029】
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質を含む合材層が形成された極板である。負極板は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質を含む合材層が形成された極板である。セパレータは、樹脂等からなる微多孔性のシートである。そして、電極体400は、正極板と負極板との間にセパレータが配置され巻回されて形成されている。
【0030】
電極体400の巻回軸方向(本実施の形態ではX軸方向)の両端のそれぞれには、基材層である金属箔が積層されて形成された、集電体120または130と接合される端部が存在する。具体的には、電極体400は、巻回軸方向の一端(
図2ではX軸方向マイナス側の端部)に、正極板の基材層が積層されて形成された正極側端部411aを有する。また、電極体400は、巻回軸方向の他端(
図2ではX軸方向プラス側の端部)に、負極板の基材層が積層されて形成された負極側端部421aを有する。
【0031】
なお、本実施の形態では、電極体400の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、円形状、多角形状などでもよい。また、電極体400の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した積層型であってもよい。
【0032】
電極端子200は、集電体120を介して電極体400の負極と電気的に接続された電極端子である。電極端子300は、集電体130を介して電極体400の正極と電気的に接続された電極端子である。電極端子200及び300は、電極体400の上方に配置された蓋板110に、絶縁性を有する上ガスケット250及び350を介して取り付けられている。
【0033】
集電体120及び130は、電極体400と容器100の壁面との間に配置され、電極端子200及び300と、電極体400の負極板及び正極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、集電体130の材質は限定されないが、例えば、電極体400の正極基材層と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、集電体120についても、材質は限定されないが、例えば、電極体400の負極基材層と同様に、銅または銅合金などで形成されている。
【0034】
本実施の形態では、集電体120及び130のそれぞれは、電極体400と、超音波接合によって接合されている。つまり、集電体120は、電極体400の負極側端部421aと、超音波接合によって接合されている。また、集電体130は、電極体400の正極側端部411aと、超音波接合によって接合されている。
【0035】
[2.電極端子の容器への取り付け構造]
次に、本実施の形態に係る蓄電素子10における、電極端子の蓋板110への取り付け構造について、
図3~
図5を用いて説明する。なお、本実施の形態では、電極端子200及び300それぞれの蓋板110への取り付け構造は共通している。そのため、以下では、負極側の電極端子200の蓋板110への取り付け構造について説明し、正極側の電極端子300の蓋板110への取り付け構造についての図示及び説明は省略する。
【0036】
図3は、実施の形態に係る電極端子200の蓋板110への取り付け構造を示す分解斜視図である。なお、
図3において、軸部210は、かしめられる前の状態が図示されている。
【0037】
図4Aは、実施の形態に係る蓋板110の貫通孔112及びその周辺を示す斜視図である。
図4Bは、実施の形態に係る蓋板110の貫通孔112及びその周辺の構造を示す部分断面図である。なお、
図4Bでは、蓋板110の幅方向(Y軸方向)の中心を通るXZ平面における蓋板110の部分断面が図示されている。このことは、後述する
図7及び8にも適用される。
【0038】
図5は、実施の形態に係る蓄電素子10の電極端子200及びその周辺の構造を示す部分断面図である。なお、
図5では、
図1におけるV-V線を通るXZ平面における断面の一部が図示されており、容器本体101及び電極体400の図示は省略されている。
【0039】
図3に示すように、本実施の形態において、電極端子200は、蓋板110に、ガスケット240を介して配置され、軸部210を介して、容器100内の集電体120と電気的に接続されている。なお、本実施の形態において、ガスケット240は、蓋板110と電極端子200との間に配置される上ガスケット250と、蓋板110と集電体120との間に配置される下ガスケット260とで構成されている。上ガスケット250及び下ガスケット260のそれぞれは、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の絶縁性を有する素材で形成されている。
【0040】
本実施の形態において、電極端子200には軸部210が接続されている。軸部210は、上ガスケット250の開口部252、蓋板110の貫通孔112、下ガスケット260の開口部262、及び、集電体120の開口部123に挿入されて先端部がかしめられる。これにより、電極端子200は、上ガスケット250、下ガスケット260、及び集電体120とともに蓋板110に固定される。
【0041】
集電体120は、開口部123が形成された端子接続部121と、端子接続部121から延設された一対の脚部122とを有しており、一対の脚部122は、上述のように、電極体400の負極側端部421aと接合される。
【0042】
軸部210は、集電体120と同じく銅または銅合金を素材とする棒状部材であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金を素材とする電極端子200とは、例えばかしめによって接続されている。なお、電極端子200と軸部210との接続の手法に特に限定はなく、例えば、溶接、螺合、または圧入等の他の手法が用いられてもよい。また、1つの金属体にプレス加工等を行うことで、軸部210を一体に備える電極端子200が作製されてもよい。
【0043】
このように、本実施の形態では、電極端子200に接続された軸部210の先端部がかしめられることで、電極端子200及び集電体120の電気的及び機械的な接続と、これら部材及びガスケット240の容器100(蓋板110)への固定とが行われる。また、これら接続及び固定の信頼性の向上、並びにガスケット240による気密性維持の観点からは、比較的に大きな力でかしめることが必要である。
【0044】
そのため、蓋板110の貫通孔112の周辺には、軸部210のかしめのための比較的に大きな押圧力がかかり、その結果、蓋板110の周縁部に変形が生じる可能性がある。蓋板110の周縁部が変形した場合、容器本体101の開口を形成する端縁との間に隙間が生じ、これにより、蓋板110と容器本体101との接合箇所に不良が生じる可能性がある。
【0045】
そこで、本実施の形態に係る蓄電素子10では、蓋板110の貫通孔112の側方に薄肉部114を設けており、かしめによって貫通孔112の周辺に生じる応力を、薄肉部114に吸収または緩和させる役割を担わせている。
【0046】
具体的には、本実施の形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、貫通孔112を囲む環状の溝によって薄肉部114が形成されている。より詳細には、薄肉部114を形成する溝は、
図4Bに示すように断面がV字状であり、このV字状の溝が閉じるように変形することで、かしめより生じる応力の少なくとも一部が吸収される。つまり、貫通孔112から見て薄肉部114よりも遠い位置への応力の伝搬が、薄肉部114によって抑制され、これにより、蓋板110の周縁部の変形が抑制される。
【0047】
また、薄肉部114は、V字状の溝が閉じるように変形するため、例えば、蓋板110の内面110b(
図4B参照)に接して配置される下ガスケット260(
図5参照)が、薄肉部114から受ける押圧力で損傷するような事態が生じ難い。また、蓋板110の外面110a(
図4B参照)に接して配置される上ガスケット250(
図5参照)についても同様に、薄肉部114から受ける押圧力で損傷するような事態が生じ難い。
【0048】
なお、薄肉部114を形成する溝の深さDは、例えば蓋板110の板厚Tの30%以上である。また、薄肉部114の幅(
図4BにおけるX軸方向の開口幅)は、0.5mm~1mm程度である。
【0049】
また、本実施の形態では、貫通孔112及び薄肉部114は、蓋板110において箱型に膨らみ出すように形成された突出部111に設けられている。この突出部111は、軸部210がかしめられた場合における蓋板110の変形抑制の機能を有する。つまり、本実施の形態では、薄肉部114に加えて突出部111が、蓋板110の変形を抑制する部位として機能するが、突出部111は必須の要素ではない。つまり、例えば、単純な平板状の蓋板110に、貫通孔112及び薄肉部114が設けられていてもよい。
【0050】
このように、本実施の形態では、軸部210をかしめる際の押圧力に起因する蓋板110の変形を抑制する部位として薄肉部114が設けられている。さらに、
図3~
図5から分かるように、薄肉部114は、軸部210の軸方向(Z軸方向)から見た場合において、電極端子200の外周よりも内側に位置している。すなわち、電極端子200側から見た場合に、薄肉部114は電極端子200に覆われる範囲に存在する。
【0051】
また、本実施の形態では、軸部210は、
図5に示すように、他の部分よりも外径が大きな径大部211を有している。径大部211は、軸部210の先端部がかしめられることで形成された部分である。この径大部211と、蓋板110に設けられた薄肉部114とを、軸部210の軸方向(Z軸方向)から見た場合、薄肉部114は、径大部211の外側に位置している。
【0052】
具体的には、薄肉部114は、
図4A及び
図5から分かるように、軸部210の軸心Jを中心とした略円環状に形成されている。また、径大部211は、軸心Jを中心とした略円形状に形成されている。さらに、略円環状の薄肉部114の直径(内径)をR2とし、径大部211の外径(最大値)をR1とした場合、R2>R1である。つまり、
図5において、径大部211の直上の範囲の外側に薄肉部114が存在する。
【0053】
[3.効果の説明]
以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電素子10は、容器100と、容器100の蓋板110に配置された電極端子200とを備える。電極端子200には蓋板110を貫通する軸部210が接続されている。蓋板110には、軸部210が貫通する貫通孔112と、貫通孔112の側方に形成された薄肉部114とが設けられている。薄肉部114は、軸部210の軸方向から見た場合において、電極端子200の外周よりも内側に位置する。
【0054】
この構成によれば、例えば、軸部210がかしめられた場合に、かしめによって貫通孔112の周辺に生じる応力が、薄肉部114により吸収または緩和される。これにより、例えば、電極端子200が配置される蓋板110の周縁部における変形が抑制されるため、蓋板110と容器本体101との接合が精度よく行われる。
【0055】
また、薄肉部114は、蓋板110の両面のうちの少なくとも一方の面(本実施の形態では内面110b)から陥凹状に形成されるため、変形前の時点において、蓋板110の厚み方向に突出しない態様で壁部に設けることができる。そのため、例えば、変形が容易な部分(変形部)を蓋板110の厚み方向に突出する態様で設けた場合に必要となる、下ガスケット260または上ガスケット250の凹み(変形部を収容するための空間)は不要である。つまり、ガスケット240の形状の複雑化が抑制される。
【0056】
また、薄肉部114が変形する場合、薄肉ではない部分が変形するよりも、蓋板110の厚みを増加させる可能性が低い。具体的には、本実施の形態においてV字状の溝で形成される薄肉部114は、かしめにより生じる応力によりV字状の溝を閉じるように変形する。そのため、例えば、かしめにより生じる応力を吸収または緩和するように薄肉部114が変形した場合において、その変形した部分が、ガスケット240を不要に圧迫する可能性が低い。
【0057】
ここで、薄肉部114は、容器100において他の部分よりも肉厚が小さな部分であり、容器100における脆弱部であるとも考えられる。しかしながら、本実施の形態に係る蓄電素子10では、脆弱部ともなり得る薄肉部114を補強する構造が採用されている。
【0058】
具体的には、平面視(軸部210の軸方向から見た場合)において、薄肉部114を覆うように電極端子200が配置される。そのため、例えば、電極端子200が、蓋板110における薄肉部114及びその周囲の部分を補強する部材として機能する。つまり、蓋板110における薄肉部114の存在領域の機械的な強度の低下が抑制される。また、当該強度の低下の抑制のための専用部材を別途用いる必要はない。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る蓄電素子10は、信頼性の高い蓄電素子である。
【0060】
また、本実施の形態において、軸部210は、他の部分よりも外径が大きな径大部211を有する。蓋板110は、電極端子200と径大部211との間に位置し、薄肉部114は、軸部210の軸方向から見た場合において、径大部211の外側に位置する。
【0061】
このように、本実施の形態では、電極端子200と径大部211とで蓋板110を挟み込んだ状態で電極端子200が蓋板110に固定される。そのため、電極端子200による蓋板110の補強の実効性が向上する。また、平面視(軸部210の軸方向から見た場合)において薄肉部114が径大部211の外側に位置することで、例えば、かしめによる押圧力によって薄肉部114が厚み方向につぶされることを抑制しながら、薄肉部114を、厚み方向と直交する方向に縮めるように変形させることができる。これにより、薄肉部114による応力の吸収または緩和の実効性がさらに向上する。
【0062】
また、本実施の形態において、蓄電素子10はさらに、蓋板110と径大部211との間に配置された部分を有するガスケット240であって、貫通孔112における気密を維持するためのガスケット240を備える。
【0063】
ここで、本実施の形態では、上記のように、平面視において径大部211の外側に薄肉部114があるため、蓋板110と径大部211とでガスケット240(本実施の形態では下ガスケット260)が挟み込まれた場合であっても、PC等の樹脂を素材とするガスケット240の肉によって薄肉部114が埋められ難い。つまり、薄肉部114の変形能を阻害することなく、ガスケット240を適切に配置することができる。従って、ガスケット240による気密の実効性と、薄肉部114による応力の吸収または緩和の実効性との両立が図られる。
【0064】
また、本実施の形態では、例えば
図4Aに示すように、薄肉部114は、貫通孔112を囲むように形成されている。
【0065】
これにより、貫通孔112を中心とする各方向に生じる応力を、貫通孔112を囲む薄肉部114でより確実に吸収または緩和することができる。その結果、蓋板110の周縁部における変形をより確実に抑制することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、例えば
図5に示すように、薄肉部114は、蓋板110の、径大部211が存在する側の面(内面110b)に陥凹状に形成されている。
【0067】
つまり、本実施の形態では、蓋板110の、かしめによる押圧力を受ける側の面に開口した凹部として薄肉部114が形成されているため、薄肉部114は、当該開口を縮めるように変形しやすい。従って、かしめにより生じる応力についての、薄肉部114による吸収または緩和の実効性が向上される。
【0068】
なお、薄肉部114は、蓋板110の内面110bに陥凹状に形成されていることは必須ではなく、薄肉部114は、蓋板110の外面110aに陥凹状に形成されていてもよい。または、薄肉部114は、蓋板110の内面110b及び外面110aの両方から陥凹状に形成された部分として設けられてもよい。いずれの場合であっても、薄肉部114は、蓋板110における他の部分(少なくとも薄肉部114に隣接する他の部分)よりも肉厚が小さいことで、貫通孔112の周辺で生じる応力を吸収または緩和することができる。
【0069】
以上、実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、蓄電素子10は、
図3~
図5に示す態様とは異なる態様で、電極端子200及び薄肉部114を備えてもよい。そこで、以下に、蓄電素子10における電極端子200及び薄肉部114に関する構造についての変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
【0070】
(変形例)
図6は、実施の形態の変形例に係る蓄電素子10aの電極端子200及びその周辺の構造を示す部分断面図である。
【0071】
図6に示すように、変形例に係る蓄電素子10aにおいて、集電体120と電極端子200とを接続する軸部220が集電体120に設けられている点で、上記実施の形態に係る蓄電素子10とは異なる。つまり、本変形例に係る蓄電素子10aでは、軸部220は容器100の外側でかしめられており、その結果、径大部221は、電極端子200から露出する位置に存在する。
【0072】
すなわち、本変形例に係る蓄電素子10aは、容器100の内部に配置された集電体120を備え、軸部210は集電体120に設けられており、径大部221は、電極端子200の、蓋板110とは反対側に配置されている。
【0073】
このように、容器100を貫通する軸部220が容器100の外側でかしめられた場合であっても、上記実施の形態と同じく、貫通孔112の側方に薄肉部114が配置されているため、かしめによる生じる応力は薄肉部114によって吸収または緩和される。これにより、蓋板110の周縁部の変形は抑制される。また、平面視において薄肉部114を覆うように電極端子200が配置されているため、電極端子200が、蓋板110における薄肉部114及びその周囲の部分を補強する部材として機能する。
【0074】
さらに、略円環状の薄肉部114の直径(内径)をR2とし、径大部221の外径をR1とした場合、R2>R1である。つまり、
図6において、径大部221の直下の範囲の外側に薄肉部114が存在する。従って、かしめによる押圧力によって薄肉部114が厚み方向につぶされることを抑制しながら、薄肉部114を、厚み方向と直交する方向に縮めるように変形させることができる。また、ガスケット240(本変形例では上ガスケット250)の肉によって薄肉部114が埋められ難いため、ガスケット240による気密の実効性と、薄肉部114による応力の吸収または緩和の実効性の両立が図られる。
【0075】
このように、本変形例に係る蓄電素子10aによれば、集電体120に設けられた軸部220が容器100の外でかしめられる構造を有する蓄電素子10aにおいて、上記実施の形態に係る蓄電素子10と同じく、蓋板110の周縁部の変形の抑制等の効果を得ることができる。
【0076】
なお、
図6では、軸部220は、集電体120の一部(端子接続部121と一体の部材)して表されているが、例えば、集電体120とは別体として作製された軸部220が、かしめまたは溶接等の所定の手法により集電体120に固定されてもよい。つまり、「集電体120が軸部220を備える」とは、蓋板110に、電極端子200及び集電体120等を取り付ける作業を行う際に、集電体120が、軸部220を備える一つの部品として扱われることを意味する。
【0077】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電素子について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態または変形例に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0078】
例えば、上記実施の形態において、薄肉部114はV字状の溝により形成されているとしたが、薄肉部114を形成する溝の断面形状に特に限定はない。例えば
図7に示すように、断面形状が半円である溝によって薄肉部114aが形成されてもよい。また、例えば
図8に示すように、断面形状が矩形である溝によって薄肉部114bが形成されてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態において、薄肉部114は、貫通孔112を囲むように形成されているとしたが、薄肉部114は、貫通孔112の外周における一部に配置されていてもよい。
【0080】
例えば、
図9に示すように、貫通孔112の側方であって、長尺状の蓋板110の長辺側のみに薄肉部114cが配置されていてもよい。なお、
図9において、蓋板110に設けられた薄肉部114cは、ドットを付した領域で表されている。また、
図9では、突出部111は表されていない。これらの事項は、
図10における薄肉部114d及び蓋板110についても同じである。
【0081】
つまり、貫通孔112の側方に配置される薄肉部は、貫通孔112を貫通して配置される軸部210がしめられた場合に、蓋板110の周縁部を変形させないために設けられる要素である。従って、少なくとも、蓋板110において貫通孔112に最も近い辺(
図9では上下の辺)と貫通孔112との間に薄肉部114cを配置することで、蓋板110の周縁部の変形の抑制効果を実質的に得ることができる。
【0082】
また、薄肉部の平面視における形状は、曲線により構成される必要はない。例えば、
図10に示すように、直線状の1以上の溝のそれぞれが、薄肉部114dとして蓋板110に設けられてもよい。
【0083】
このように、貫通孔112の側方に設けられる薄肉部は、貫通孔112の周辺に生じる応力を吸収または緩和するために、他の部分よりも変形しやすく、かつ、当該応力によって破壊されない程度の強度を有するよう形成されていれば、形状等に特に限定はない。
【0084】
従って、蓋板110において貫通孔112の側方に設けられる薄肉部の位置、形状、及び寸法等は、例えば実験またはシミュレーション等によって適宜決定されてもよい。いずれの場合であっても、軸部210または220の軸方向から見た場合において、薄肉部が電極端子200の外周よりも内側に位置することで、電極端子200による薄肉部に対する補強効果を得ることができる。
【0085】
また、軸部210が有する径大部211は、軸部210の先端部をかしめることで形成されるとしたが、径大部211は、例えばネジ軸である軸部210に螺合するナットによって実現されてもよい。この場合であっても、径大部211であるナットを締め付けることで貫通孔112の周辺に生じる応力を、貫通孔112の側方の薄肉部114によって吸収または緩和させることができる。上記変形例に係る径大部221についても同じであり、径大部221は、ネジ軸である軸部220に螺合するナットによって実現されてもよい。
【0086】
また、本実施の形態では、蓄電素子10を、電極体400を1つのみ備えているが、蓄電素子10が備える電極体400の数は2以上であってもよい。例えば、蓄電素子10が電極体400を2つ備える場合、集電体120は、2つの電極体400と接合される4つの脚部122を有してもよい。
【0087】
また、集電体120が有する脚部122の数は2には限定されない。集電体120は、電極体400の負極側端部421aと接合される少なくとも1つの脚部122を有すれよい。
【0088】
また、上記実施の形態に記載された構成を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0089】
また、本発明は、上記説明された蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極体400としても実現することができる。また、本発明は、当該蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
10、10a 蓄電素子
100 容器
101 容器本体
110 蓋板
110a 外面
110b 内面
111 突出部
112 貫通孔
114、114a、114b、114c、114d 薄肉部
120、130 集電体
121 端子接続部
122 脚部
123、252、262 開口部
200、300 電極端子
210、220 軸部
211、221 径大部
240 ガスケット
250 上ガスケット
260 下ガスケット
400 電極体
411a 正極側端部
421a 負極側端部