(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】画像形成システム及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20220511BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220511BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220511BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220511BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20220511BHJP
B65H 29/60 20060101ALI20220511BHJP
B65H 29/62 20060101ALI20220511BHJP
B65H 31/24 20060101ALI20220511BHJP
B65H 33/04 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B41J29/393 105
H04N1/00 C
G03G21/00 370
B41J29/00 Z
B41J25/20
B65H29/60 B
B65H29/62 Z
B65H31/24
B65H33/04
(21)【出願番号】P 2017213839
(22)【出願日】2017-11-06
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 允宣
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137512(JP,A)
【文献】特開平11-321037(JP,A)
【文献】特開2015-206944(JP,A)
【文献】特開2013-146898(JP,A)
【文献】特開2011-145569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0138268(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B65H 29/54 - 29/70
B65H 31/00 - 31/40
B65H 33/00 - 33/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され、前記用紙に形成された画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取られた画像の検査を行う画像検査部と、
前記画像読取部の後段に配置された複数の排紙部と、
前記画像検査部での検査の結果に基づいて、用紙を前記複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御すると共に、特定の用紙についての前記画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、前記特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる搬送制御部と、を備
え、
前記特定の排紙部は、良品が出力される排紙部及び不良品が出力される排紙部とは別の排紙部であり、
前記特定の排紙部に出力された用紙を、前記画像読取部に搬送して、前記画像検査部が検査を行うようにした
画像形成システム。
【請求項2】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され、前記用紙に形成された画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取られた画像の検査を行う画像検査部と、
前記画像読取部の後段に配置された複数の排紙部と、
前記画像検査部での検査の結果に基づいて、用紙を前記複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御すると共に、特定の用紙についての前記画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、前記特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる搬送制御部と、を備
え、
前記特定の排紙部は、不良品が出力される排紙部とした
画像形成システム。
【請求項3】
前記搬送制御部は、前記画像読取部で画像を読み取る位置から、前記複数の排紙部を切り替える切り替え起点までの用紙の搬送距離と、用紙の搬送速度とから算出された時間に基づいて、排紙先を決定するタイミングに間に合うか否かを判断する
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成部は用紙の表面及び裏面に画像を形成し、前記画像検査部は用紙のそれぞれの面に形成された画像を検査する場合に、前記搬送制御部は、用紙の少なくとも一方の面の画像の検査が、排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、
前記特定の排紙部に出力させる
請求項
3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記搬送制御部は、前記特定の排紙部への出力を開始した後、
前記画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合うようになってから、前記画像検査部での検査で
一旦良品と判断された時点より後に搬送
された以降に良品と判断された用紙を、良品を排紙する排紙部に出力させる
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
さらに、前記複数の排紙部を切り替える切り替え起点の近傍に、搬送された用紙を検出する用紙検知センサを備え、
前記搬送制御部は、前記用紙検知センサが用紙を検知したタイミングで、前記画像検査部での検査が完了していないとき前記特定の排紙部に出力させる
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記搬送制御部は、不良品と未検査用紙とが区別できる態様で前記特定の排紙部に出力させる
請求項
2に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記搬送制御部は、前記特定の排紙部に出力された用紙を、前記画像読取部に搬送して、前記画像検査部が前記未検査用紙の検査を行い、その検査で良品と判定された用紙を、
良品の排紙部に出力させる
請求項
2に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像検査部は、前記特定の排紙部に未検査用紙として出力させた後に、未検査用紙の検査についての解析処理を行い、解析結果を出力するようにした
請求項
2に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記搬送制御部は、
前記特定の排紙部への出力を開始した後、前記画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合うように復帰したとき、前記画像検査部での検査結果に基づいて、前記複数の排紙部を切り替えるようにした
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記搬送制御部は、
排紙先を決定するタイミングに間に合わないために、前記特定の用紙を、前記特定の排紙部に未検査用紙として出力させた後、それ以降に搬送される
用紙をすべて、前記特定の排紙部に出力させる
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記画像形成部は、前記特定の排紙部に出力させたとき、その特定の排紙部に出力させた用紙
に形成された画像に対応したページ以降を、別の用紙に再印刷する
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記再印刷を行う際には、前記画像形成部は、印刷速度を低下した状態又は印刷間隔を開けた状態で画像形成を行うようにした
請求項
12に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記印刷速度を低下した状態又は印刷間隔を開けた状態で再印刷を行った状態で、前記画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合う状態が一定枚数以上継続したとき、前記画像形成部での印刷速度又は印刷間隔を元に復帰させるようにした
請求項
13に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記特定の排紙部に出力させた未検査用紙については、再印刷を行わない場合は課金用にカウントし、再印刷を行う場合は課金用にカウントしない
請求項
12に記載の画像形成システム。
【請求項16】
再印刷を行う際に、ナンバリングを行う場合には、再印刷である旨がわかる印字を行う
請求項
12に記載の画像形成システム。
【請求項17】
さらに、未検査用紙が出力された特定の排紙部の位置を表示する表示部を備える
請求項1
又は2に記載の画像形成システム。
【請求項18】
画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され、前記用紙に形成された画像を読み取る画像読取処理と、
前記画像読取処理により読み取られた画像の検査を行う画像検査処理と、
前記画像検査処理による検査の結果に基づいて、用紙を複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御する搬送制御処理と、
特定の用紙についての前記画像検査処理での検査の完了が、前記搬送制御処理で排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、前記特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる未検査用紙出力処理と、を含
み、
前記特定の排紙部は、良品が出力される排紙部及び不良品が出力される排紙部とは別の排紙部であり、
前記搬送制御処理は、前記未検査用紙出力処理で前記特定の排紙部に出力された用紙を、前記画像読取処理により再度読み取らせるように搬送させて、前記画像検査処理を再度実行させる
画像形成方法。
【請求項19】
画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され、前記用紙に形成された画像を読み取る画像読取処理と、
前記画像読取処理により読み取られた画像の検査を行う画像検査処理と、
前記画像検査処理による検査の結果に基づいて、用紙を複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御する搬送制御処理と、
特定の用紙についての前記画像検査処理での検査の完了が、前記搬送制御処理で排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、前記特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる未検査用紙出力処理と、を含
み、
前記特定の排紙部は、不良品が出力される排紙部である
画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成システム及び画像形成方法に関し、特に形成された画像の検査を行う検査装置を備えたシステムに適用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で用紙に画像を形成する際には、プロセス要因や用紙の不良などの様々な要因で、不良が発生することがある。生成物(印刷物)に不良品があることは好ましくないため、画像形成装置に検査装置を接続して、不良の有無を検査することが重要である。
【0003】
検査装置は、例えば画像形成装置で画像が形成された用紙の搬送経路の途中に配置されて、搬送された用紙に形成された画像をセンサで読み取るようにしている。そして、検査装置は、センサで読み取った画像データと元の画像データとを比較して、良否を判断する処理を行う。判断結果で不良有りと判断された用紙については、良品が出力される排紙トレイとは別の排紙トレイに出力させる。
【0004】
特許文献1には、シートから画像データを読み取り印刷状態を検査する検品部を有する印刷装置において、設定された検査項目に応じてシート搬送速度を変更する構成が記載されている。この特許文献1では、シート搬送速度を変更する検査項目として、検品モードやカラーモードが記載され、それらのモードに適したシート1枚ごとの検品処理時間(検査処理時間)を計算して、搬送速度を設定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、印刷された用紙(シート)を検査する際に、その検査に要する時間により、用紙の搬送速度を(用紙)の搬送速度を変更することで、用紙の検査と画像形成動作を同期させることができる。例えば、カラー画像が形成された用紙を検査する場合には、単色画像が形成された用紙を検査する場合よりも検査処理に時間がかかるため、用紙の搬送速度を遅くすることが考えられる。
【0007】
ところが、検査モードに応じて用紙の搬送速度を変更すると、印刷速度そのものが遅くなる。このため、検査のために画像形成装置の印刷処理能力に制限が加わることになり、好ましくない。
特に、複数ページで構成される冊子の印刷を行う際に、特定の1ページだけ検査に時間を必要とする画像が配置されていた場合には、該当するページがあるために、冊子の全てのページの用紙の搬送速度を遅くして対処する必要がある。この結果、非常に好ましくない印刷状態になってしまうことがある。
【0008】
また、印刷する画像の内容によっては、特定の用紙だけ局所的に検査時間が増加するケースが想定される。このように検査時間が増加した場合には、用紙を搬送している間には不良が検知されず、良品の排紙トレイに不良品が混在してしまう可能性がある。仮に、検査結果に基づいて用紙を良品と不良品とで別の排紙トレイに振り分けるようしても、良品の排紙トレイに不用品が混じる問題は解決しない。このように検査装置で検査を行う構成であっても、従来の方法では、検査内容によって確実に不良品を振り分けることができないケースが発生してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、画像形成装置で画像が形成された用紙の検査を行う場合に、用紙の検査が適正に行える画像形成システム及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像処理装置は、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され用紙に形成された画像を読み取る画像読取部と、画像読取部で読み取られた画像の検査を行う画像検査部と、画像読取部の後段に配置された複数の排紙部と、画像検査部での検査の結果に基づいて、用紙を複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御すると共に、特定の用紙についての画像検査部での検査の完了が、排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、その特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる搬送制御部と、を備える。
ここで、特定の排紙部は、良品が出力される排紙部及び不良品が出力される排紙部とは別の排紙部であり、特定の排紙部に出力された用紙を、画像読取部に搬送して、画像検査部が検査を行うようにした。あるいは、特定の排紙部は、不良品が出力される排紙部とした。
【0011】
また、本発明の画像形成方法は、画像形成部で画像が形成された用紙が搬送され、用紙に形成された画像を読み取る画像読取処理と、画像読取処理により読み取られた画像の検査を行う画像検査処理と、画像検査処理による検査の結果に基づいて、用紙を複数の排紙部のいずれに出力させるかを制御する搬送制御処理と、特定の用紙についての画像検査処理での検査の完了が、搬送制御処理で排紙先を決定するタイミングに間に合わない場合に、その特定の用紙を、良品が出力される排紙部とは別の特定の排紙部に未検査用紙として出力させる未検査用紙出力処理とを含む。
ここで、特定の排紙部は、良品が出力される排紙部及び不良品が出力される排紙部とは別の排紙部であり、搬送制御処理は、未検査用紙出力処理で特定の排紙部に出力された用紙を、画像読取処理により再度読み取らせるように搬送させて、画像検査処理を再度実行させるようにした。あるいは、特定の排紙部は、不良品が出力される排紙部とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成後の検査に通常よりも長い時間がかかることがあった場合でも、該当する用紙が未検査用紙として排紙されるので、良品と区別することができ、不良品の可能性がある未検査用紙が良品と混在して出力されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態例による画像形成システムの例を示す構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態例による画像形成システムの制御構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図8】本発明の第3の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【
図9】本発明の第4の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図10】本発明の第4の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【
図11】本発明の第5の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図12】本発明の第5の実施の形態例による画像形成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1.第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例を説明する。
[1-1.システム構成例]
図1は、画像形成システム100の全体の構成例を示す。
画像形成システム100は、画像形成部110を備え、給紙トレイ108から搬送路109により搬送された用紙の表面又は裏面に画像を形成する画像形成処理を行う。
図1の例では、画像形成部110として、原色(例えばシアンC、マゼンタM、イエローY、黒K)ごとの感光体111と、それぞれの感光体111で形成された画像が転写される転写ベルト112とを備える。そして、転写ベルト112に転写された画像を、転写部113で搬送された用紙に転写する。その後、定着部114で用紙を加熱して、転写した画像を用紙上に定着する。
【0015】
搬送路109は、用紙反転部109aを備える。用紙反転部109aは、画像形成部110で表面に画像が形成された用紙を反転し、その用紙の裏面に対して画像形成部110で画像を形成することができる。
なお、画像形成部110として、感光体111、転写ベルト112、転写部113、及び定着部114を備える構成としたのは一例であり、画像形成部110がその他の方式で画像形成を行うようにしてもよい。
【0016】
画像形成部110で画像が形成された用紙は、搬送路109で画像読取部120に搬送される。画像読取部120は、用紙の表面を読み取るラインセンサ121と、用紙の裏面を読み取るラインセンサ122を備え、それぞれの面の画像読取処理を行う。それぞれのラインセンサ121,122で読み取られた画像データは、画像検査部104(
図2)に送られる。
なお、画像形成部110と画像読取部120との間の搬送路109には、挿入トレイ151にセットされた用紙を挿入することができる。すなわち、画像読取部120は、挿入トレイ151にセットされた用紙を読み取ることもできる。
【0017】
画像読取部120で読み取られた用紙は、搬送路109の排紙切替部131,132,133による切り替えで、4つの排紙トレイ141,142,143,144のいずれかから出力される。排紙切替部131,132,133での切り替えは、後述する搬送制御部103(
図2)により制御される。
【0018】
4つの排紙トレイ141,142,143,144は、画像検査部104(
図2)での検査結果に応じて出力トレイが切り替えられる。例えば、排紙トレイ144を良品の排紙トレイとし、排紙トレイ141を不良品の排紙トレイとし、排紙トレイ143を未検査用紙の排紙トレイとする。排紙トレイ142は予備の排紙トレイとして使用する。以下の説明では、排紙トレイ141、排紙トレイ143、及び排紙トレイ144を、それぞれ不良品排紙トレイ、未検査紙排紙トレイ、及び良品排紙トレイと称する場合がある。
3つの排紙切替部131,132,133の内で、搬送路109の最も上流側の排紙切替部131の前には、用紙検知センサ134が取り付けられている。用紙検知センサ134は、排紙切替部131に用紙の先端が接近していることを検知する。この用紙検知センサ134の検知データは、搬送制御部103(
図2)に送られる。
【0019】
また、不良品の排紙トレイである排紙トレイ141の近傍には、挿入トレイ152が配置される。挿入トレイ152に装着された用紙は、排紙トレイ141に排紙される。
なお、
図1の例では、排紙トレイ141,142,143,144を備える構成としたが、排紙トレイとは異なる形態の排紙部を備える構成としてもよい。また、4つの排紙トレイ141,142,143,144を備える構成とした点についても一例であり、画像形成システム100が2つあるいは3つの排紙トレイを備える構成であってもよい。
【0020】
また、画像形成システム100は、表示部160を備える。表示部160には、印刷時の設定や動作状態が表示される。また、表示部160はタッチパネルとして構成され、表示部160に操作ボタンなどを表示することで、操作部161が形成される。
【0021】
図2は、画像形成システム100の制御構成例を示す。
画像形成システム100は、状態管理部101を備える。状態管理部101は、画像形成部110での画像形成動作を制御する。
また、画像形成システム100は、画像読取部120と画像検査部104を備える。そして、画像検査部104は、状態管理部101の制御に基づいて、画像読取部120で読み取られた画像の検査を実行する。
画像検査部104での画像検査処理としては、例えば画像形成部110で用紙に画像を形成させる際の元画像データと、画像読取部120で読み取った画像データとを比較して、汚れや画像不良などを検知する。画像検査部104での検査結果は、状態管理部101に伝送される。また、画像検査部104での検査が、予め設定された時間以内できないときにも、画像検査の時間切れを示すデータが画像検査部104から状態管理部101に伝送される。
【0022】
また、画像形成システム100は、搬送制御部103を備える。搬送制御部103は、状態管理部101の制御に基づいて、画像形成部110での画像形成や、画像検査部104での画像検査に連動した搬送路109(
図1)での用紙の搬送制御処理を行う。また、排紙切替部131,132,133での排紙トレイ141~144の切り替え処理についても、搬送制御部103が制御する。
【0023】
状態管理部101は、操作部161での操作を判断して、画像形成動作を制御する。そして、状態管理部101は、実行中の制御状態を表示部160に表示する。
また、状態管理部101には、画像形成状態が記憶される記憶部102が接続されている。画像検査部104での検査結果も、記憶部102に記憶される。
【0024】
[1-2.画像形成時の検査の流れ]
図3及び
図4は、画像形成システム100で画像形成及び検査を行う際の流れを示すフローチャートである。
図3のフローチャートのA,B,Cで示す箇所が、
図4のフローチャートのA,B,Cで示す箇所にそれぞれ接続される。
【0025】
まず、ステップS1010において、状態管理部101は、ジョブ設定を参照し、良品排紙トレイと不良品排紙トレイと未検査紙排紙トレイを設定し、その排紙トレイの設定状態を表示部160に表示する。ここでは、状態管理部101の制御で、排紙トレイ144を良品排紙トレイとし、排紙トレイ141を不良品排紙トレイとし、排紙トレイ143を未検査紙排紙トレイに設定する。なお、良品排紙トレイが不良品排紙トレイより後段の場合はジョブを停止し、表示部160にジョブを実行できない旨を表示する。未検査紙排紙トレイが不良品排紙トレイより後段の場合はジョブを停止し、表示部160にジョブを実行できない旨を表示する。
排紙トレイ設定に問題がない場合は、良品排紙トレイと不良品排紙トレイと未検査紙排紙トレイの位置を表示部160に表示する。ここでは、既に説明したように、各トレイとして、不良品排紙トレイ141、未検査紙排紙トレイ143、良品排紙トレイ144に設定した例とする。
【0026】
次に、ステップS1020で、状態管理部101は、画像形成部110で画像を形成させたページが最終ページか否かを判定する。ここで、最終ページでない場合(ステップS1020のNo)には、ステップS1030に遷移し、最終ページの場合(ステップS1020のYes)はジョブを終了する(
図4参照)。
ステップS1030では、状態管理部101は、現在のページが再印刷かつナンバリング有りであるか否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS1030のYes)はステップS1190に遷移し、条件を満たさない場合(ステップS1030のNo)はステップS1040に遷移する。
【0027】
ステップS1040では、状態管理部101は、印刷速度を通常設定から変更中であるか否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS1040のYes)はステップS1200に遷移し、満たさない場合(ステップS1040のNo)はステップS1050に遷移する。
ステップS1050では、状態管理部101は、搬送制御部103に用紙の給紙を指示し、画像形成部110に用紙への画像形成を指示する。その後、ステップS1060で、状態管理部101は、片面印刷の場合は、画像読取部120に画像形成された用紙の表面読み取りを指示する。両面印刷の場合は、画像読取部120に画像形成された用紙の表面と裏面読み取りを指示し、ステップS1070に遷移する。
【0028】
ステップS1070では、状態管理部101は、表面の画像検査時間閾値T1を設定し、設定後ステップS1080に移行する。この画像検査時間閾値T1は、例えば片面印刷時と両面印刷時とのそれぞれで、それぞれ以下のように設定する。
・片面印刷時
T1=MIN(ラインセンサ121から排紙切替部131までの距離,用紙副走査長+紙間)÷読取線速
・両面印刷時
T1=MIN(ラインセンサ122から排紙切替部131までの距離,用紙副走査長+紙間)÷読取線速÷2
【0029】
ステップS1080では、状態管理部101は、未検査紙排紙トレイ143への排紙経路にするために、排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示し、指示後にステップS1090に遷移する。
ステップS1090では、状態管理部101は、画像検査部104にS1060で読み取った表面画像の検査を指示し、指示後に
図4のステップS1100に移行する。
【0030】
ステップS1100では、状態管理部101は、画像検査部104の表面画像検査が完了したかを確認する。ここで、完了した場合(ステップS1100のYes)はステップS1110に遷移し、未完了の場合(ステップS1100のNo)はステップS1220に遷移する。
ステップS1110では、状態管理部101は、表面画像検査時間を画像検査部104から取得する。取得後、ステップS1120に遷移する。
ステップS1120では、状態管理部101は、検査時間が表面画像検査時の閾値を超えているか否か、すなわち表面画像検査時間>画像検査時間閾値T1であるか否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS1120のYes)はステップS1130に遷移し、満たさない場合(ステップS1120のNo)はステップS1240に遷移する。
【0031】
ステップS1130では、状態管理部101は、搬送制御部103に給紙停止を指示し、画像形成部110に画像形成停止を指示し、ステップS1140に遷移する。
ステップS1140では、搬送制御部103は、未検査用紙を未検査紙排紙トレイ143に排紙し、ステップS1150に遷移する。
ステップS1150では、状態管理部101は、不良品排紙トレイ141への排紙経路にするために、排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示する。搬送制御部103は、未検査用紙の後続紙を不良品排紙トレイ141に排紙し、ステップS1160に遷移する。
【0032】
ステップS1160では、ユーザからの再印刷の指示があったか否かを判断する。そのため、状態管理部101は、表示部160に再印刷受付画面を表示する。操作部161はユーザからの再印刷要否を受け付ける。再印刷する場合はステップS1170に遷移し、再印刷しない場合はステップS1230に遷移する。
ステップS1170では、状態管理部101は、画像検査時間を画像検査部104から取得し、画像検査時間を確保できるように搬送制御部103に対して印刷速度(用紙の搬送速度である線速あるいは用紙間隔である線間)の変更を指示する。そして、変更を指示した後、ステップS1180に遷移する。
ステップS1180では、状態管理部101は、未検査用紙あるいは不良品となったページから再印刷を開始し、
図3のステップS1020に戻る。
【0033】
ステップS1030で条件を満した場合に遷移するステップS1190では、状態管理部101は、画像形成部110での画像形成時に、再印刷回数の用紙への印字を指示する。再印刷回数の印字の代わりに、再印刷であることがわかる旨の印字(なんらかの印の印字など)を行うようにしてもよい。印字を指示した後、ステップS1040に遷移する。
【0034】
ステップS1040で印刷速度が通常設定から変更中であると判定した場合に遷移するステップS1200では、状態管理部101は、画像検査時間が閾値以内となった枚数が所定枚数以上であるか判定する。ここで、所定枚数以上である場合(ステップS1200のYes)はステップS1210に遷移し、所定枚数未満である場合(ステップS1200のNo)はステップS1050に遷移する。
ステップS1210では、状態管理部101は、搬送制御部103に対して印刷速度用紙の搬送速度である線速あるいは用紙間隔である線間)を初期値に戻すように指示し、ステップS1210に遷移する。
【0035】
ステップS1100で表面画像検査が完了したと判定したとき遷移するステップS1220では、状態管理部101は、搬送制御部103から用紙検知センサ134の検知状態を取得する。ここで、検知有りの場合(ステップS1220のYes)はステップS1130に遷移し、検知なしの場合(ステップS1220のNo)はステップS1100に遷移する。
【0036】
ステップS1160で再印刷指示がない場合に遷移するステップS1230では、状態管理部101は、再印刷しない未検査用紙に対して課金カウントして、ジョブを終了する。
【0037】
ステップS1120で検査時間が表面画像検査時の閾値を超えていない場合に遷移すステップS1240では、状態管理部101は、両面印刷であるか否かを判定する。ここで、両面印刷の場合(ステップS1240のYes)はステップS1260に遷移し、片面印刷の場合(ステップS1240のNo)はステップS1320に遷移する。
ステップS1260では、状態管理部101は、裏面の画像検査時間閾値T2を以下のように設定し、ステップS1270に遷移する。
T2=MIN(ラインセンサ121から排紙切替部131までの距離,用紙副走査長+紙間)÷読取線速÷2
【0038】
ステップS1270では、状態管理部101は、画像検査部104にステップS1250で読み取った裏面画像の検査を指示し、ステップS1280に遷移する。
ステップS1280では、状態管理部101は、画像検査部104の裏面画像検査が完了したか否かを判定する。ここで、裏面画像検査が完了した場合(ステップS1280のYes)はステップS1290に遷移し、未完了の場合(ステップS1280のNo)はステップS1310に遷移する。
【0039】
ステップS1290では、状態管理部101は、裏面画像検査時間を画像検査部104から取得し、ステップS1300に遷移する。
ステップS1300では、状態管理部101は、裏面画像検査時間>画像検査時間閾値T2の条件を満たすか否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS1300のYes)はステップS1130に遷移し、満たさない場合(ステップS1300のNo)はステップS1320に遷移する。
【0040】
ステップS1280で未完了の場合に遷移するステップS1310では、状態管理部101は、搬送制御部103からのデータにより、用紙検知センサ134での用紙検知の有無を判定する。ここで、用紙検知有りの場合(ステップS1310のYes)はステップS1130に遷移し、用紙検知なしの場合(ステップS1310のNo)はステップS1280に遷移する。
【0041】
ステップS1240で両面印刷でないと判定した場合と、ステップS1300で閾値を超過していないと判定した場合に遷移するステップS1320では、状態管理部101は、画像検査部104から画像検査結果を取得し、結果が良品か不良品かを判定する。ここで、検査結果が良品の場合(ステップS1320のYes)はステップS1330に遷移し、不良品の場合(ステップS1320のNo)はステップS1350に遷移する。
ステップS1330では、状態管理部101は、良品排紙トレイ144への排紙経路にするために排紙切替部131~133の切替を搬送制御部103に指示し、ステップS1340に遷移する。この指示を受信した搬送制御部103は、良品用紙を良品排紙トレイ144に排紙する。
ステップS1340では、状態管理部101は、良品用紙に対して課金用のカウントを実行する。
【0042】
ステップS1320で検査結果が不良品の場合に遷移するステップS1350では、状態管理部101は、不良品排紙トレイ141への排紙経路にするために排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示し、ステップS1150に遷移する。この指示で搬送制御部103は、不良品を不良品排紙トレイ141に排紙する。
【0043】
この
図3及び
図4のフローチャートに示すように、画像検査部104での検査が、搬送中の用紙が排紙切替部131に到達するまでに完了しない場合に、該当する用紙を未検査紙排紙トレイ143に出力させることで、良品が出力される排紙トレイ144に不良品が混在することがなくなる。この場合、印刷速度の制御で検査時間を確保する処理が行われないので、画像形成システム100が持つ高速性を維持した高速での印刷ができるようになる。また、未検査用紙を再印刷する際には、未検査用紙に対する課金が行われず、適正の課金処理ができるようになる。
【0044】
<2.第2の実施の形態例>
以下、本発明の第2の実施の形態例を説明する。
本発明の第2の実施の形態例においては、第1の実施の形態例で説明した検査処理で未検査用紙となった用紙を、再度、画像形成システム100に給紙して、再検査を行う例である。第2の実施の形態例において、画像形成システム100の構成については、第1の実施の形態例で説明した
図1及び
図2の構成を適用する。
【0045】
再検査を行う際には、未検査紙排紙トレイ143に出力された用紙を、挿入トレイ151に装着する。この挿入トレイ151への未検査用紙の装着は、印刷作業者が手動で行ってもよいが、未検査紙排紙トレイ143から自動的に挿入トレイ151に用紙が搬送されるようにしてもよい。
【0046】
図5及び
図6は、第2の実施形態における、再検査を行う処理の流れを示すフローチャートである。
図5のフローチャートのD,Eで示す箇所が、
図6のフローチャートのD,Eで示す箇所にそれぞれ接続される。
【0047】
まず、ステップS2010において、状態管理部101は、ジョブ設定を参照し、良品排紙トレイと不良品排紙トレイと未検査紙排紙トレイを設定し、その排紙トレイの設定状態を表示部160に表示させる。ここでは、状態管理部101の制御で、排紙トレイ144を良品排紙トレイとし、排紙トレイ143を未検査紙排紙トレイとし、排紙トレイ144を不良品排紙トレイに設定する。
【0048】
次に、ステップS2020で、状態管理部101は、画像形成部110で画像を形成させたページが最終ページか否かを判定する。ここで、最終ページでない場合(ステップS2020のNo)には、ステップS2030に遷移し、最終ページの場合(ステップS2020のYes)は再検査のジョブを終了する。
ステップS2030では、状態管理部101は、搬送制御部103に対して挿入トレイ206からの給紙を指示する。このときには、1枚の検査完了毎に順に給紙するか、あるいは検査に要する時間に基づいて給紙間隔を設定してもよい。ステップS2030での指示の後、ステップS2040に遷移する。
【0049】
ステップS2040では、状態管理部101は、片面印刷の場合は、画像読取部120に画像形成された用紙の表面読み取りを指示する。両面印刷の場合は、画像読取部120に画像形成された用紙の表面と裏面読み取りを指示し、ステップS2050に遷移する。
【0050】
ステップS2050では、状態管理部101は、画像検査時間閾値T1を設定し、設定後ステップS2060に移行する。ここでの画像検査時間閾値T1は、
図3のフローチャートのステップS1070で設定した閾値T1と同じように設定する。
【0051】
ステップS2060では、状態管理部101は、未検査紙排紙トレイ143への排紙経路にするために、排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示し、指示後にステップS2070に遷移する。
ステップS2070では、状態管理部101は、画像検査部104にS1060で読み取った表面画像の検査を指示し、指示後にステップS2080に移行する。
【0052】
ステップS2080では、状態管理部101は、画像検査部104の表面画像検査が完了したか確認する。ここで、完了した場合(ステップS2080のYes)はステップS2090に遷移し、未完了の場合(ステップS2080のNo)はステップS2060に遷移する。
ステップS2090では、状態管理部101は、表面画像検査時間を画像検査部104から取得する。取得後、ステップS2100に遷移する。
ステップS2100では、状態管理部101は、検査時間が表面画像検査時の閾値T1を超えているか否か否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS2100のYes)はステップS2010に遷移し、満たさない場合(ステップS2100のNo)はステップS2070に遷移する。
【0053】
ステップS2010では、状態管理部101は、搬送制御部103に給紙停止を指示し、画像形成部110に画像形成停止を指示し、ステップS2020に遷移する。
ステップS2020では、搬送制御部103は、未検査用紙を未検査紙排紙トレイ143に排紙し、ステップS2030に遷移する。
ステップS2030では、状態管理部101は、不良品排紙トレイ141への排紙経路にするために、排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示する。搬送制御部103は、未検査用紙の後続紙を不良品排紙トレイ141に排紙し、ステップS2040に遷移する。
【0054】
ステップS2040では、状態管理部101は、画像検査時間を画像検査部104から取得し、画像検査時間を確保できるように搬送制御部103に対して印刷速度(用紙の搬送速度である線速あるいは用紙間隔である線間)の変更を指示する。変更を指示した後、ステップS2050に遷移する。
ステップS2050では、状態管理部101は、未検査用紙あるいは不良品となったページから再印刷を開始し、ステップS2020に戻る。
【0055】
ステップS2100で検査時間が表面画像検査時の閾値を超えていない場合に遷移すステップS2070では、状態管理部101は、両面印刷であるか否かを判定する。ここで、両面印刷の場合(ステップS2070のYes)はステップS2090に遷移し、片面印刷の場合(ステップS2070のNo)はステップS2150に遷移する。
ステップS2090では、状態管理部101は、裏面の画像検査時間閾値T2を設定し、ステップS2100に遷移する。ここでの裏面の画像検査時間閾値T2は、
図4のフローチャートのステップS1260で設定した閾値T2と同じように設定する。
【0056】
ステップS2100では、状態管理部101は、画像検査部104にステップS1250で読み取った裏面画像の検査を指示し、ステップS2110に遷移する。
ステップS2110では、状態管理部101は、画像検査部104の裏面画像検査が完了したか否かを判定する。ここで、裏面画像検査が完了した場合(ステップS2110のYes)はステップS2120に遷移し、未完了の場合(ステップS2110のNo)はステップS2140に遷移する。
【0057】
ステップS2120では、状態管理部101は、裏面画像検査時間を画像検査部104から取得し、ステップS2130に遷移する。
ステップS2130では、状態管理部101は、裏面画像検査時間>画像検査時間閾値T2の条件を満たすか否かを判定する。ここで、条件を満たす場合(ステップS2130のYes)はステップS2010に遷移し、満たさない場合(ステップS2130のNo)はステップS2150に遷移する。
ステップS2110で未完了の場合に遷移するステップS2140では、状態管理部101は、搬送制御部103からのデータにより、用紙検知センサ134での用紙検知の有無を判定する。ここで、用紙検知有りの場合(ステップS2140のYes)はステップS2010に遷移し、用紙検知なしの場合(ステップS2140のNo)はステップS2110に遷移する。
【0058】
ステップS2070で両面印刷でないと判定した場合と、ステップS2130で閾値を超過していないと判定した場合に遷移するステップS2150では、状態管理部101は、画像検査部104から画像検査結果を取得し、結果が良品か不良品かを判定する。ここで、検査結果が良品の場合(ステップS2150のYes)はステップS2160に遷移し、不良品の場合(ステップS2150のNo)はステップS2180に遷移する。
ステップS2160では、状態管理部101は、良品排紙トレイ144への排紙経路にするために排紙切替部131~133の切替を搬送制御部103に指示し、ステップS2170に遷移する。この指示を受信した搬送制御部103は、良品用紙を良品排紙トレイ144に排紙する。
ステップS2170では、状態管理部101は、良品用紙に対して課金用のカウントを実行し、ステップS2020に遷移する。なお、このステップS2170での課金時には、最初の検査時のステップS1230(
図4)で既に課金済みの場合には課金せず、未課金の場合に課金処理を行う。
【0059】
ステップS2150で検査結果が不良品の場合に遷移するステップS2180では、状態管理部101は、不良品排紙トレイ141への排紙経路にするために排紙切替部131の切替を搬送制御部103に指示し、ステップS2190に遷移する。この指示で搬送制御部103は、不良品を不良品排紙トレイ141に排紙する。
ステップS2190では、状態管理部101は、ステップS1230(
図4)で課金済みである用紙である場合に、課金を取り消す処理を行い、その後、ステップS2030に遷移する。
【0060】
この
図5及び
図6のフローチャートに示すように未検査用紙に対して再検査処理を行うことで、良品と不良品を判別することができるようになる。
【0061】
<3.第3の実施の形態例>
以下、本発明の第3の実施の形態例を説明する。
本発明の第3の実施の形態例においては、第1の実施の形態例で説明した検査処理を行う際に、未検査用紙を不良品の用紙と同一のトレイに出力させるようにした例である。第3の実施の形態例において、画像形成システム100の構成については、第1の実施の形態例で説明した
図1及び
図2の構成を適用する。
【0062】
図7及び
図8は、画像形成システム100で画像形成及び検査を行う際の流れを示すフローチャートである。
図7のフローチャートのF,G,Hで示す箇所が、
図8のフローチャートのF,G,Hで示す箇所にそれぞれ接続される。なお、
図7及び
図8のフローチャートにおいて、第1の実施の形態例で説明した
図3及び
図4と同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して、重複説明を省略する。
【0063】
第3の実施の形態での排紙トレイ141~144の設定について説明すると、状態管理部101の制御で、排紙トレイ141を不良品排紙トレイに設定し、排紙トレイ144を良品排紙トレイに設定する。但し、排紙トレイ141は、未検査紙排紙トレイとしても使用する。ステップS1010では、状態管理部101は、この排紙トレイの設定を表示する。
【0064】
そして、ステップS1020で、状態管理部101は、最終ページか否かを判定し、最終ページでない場合(ステップS1020のNo)には、ステップS1040に遷移する。
以下、
図3及び
図4のフローチャートと同様の検査処理が行われるが、ステップS1080では、状態管理部101は、排紙トレイ141を未検査用紙の排紙経路とするための指示を行う。
【0065】
そして、ステップS1140では、状態管理部101は、未検査用紙を不良品排紙トレイ141に排出し、ステップS1142に遷移する。
また、ステップS1350で、状態管理部101は、該当する用紙を不良品排紙トレイ141に排出し、ステップS1142に遷移する。
【0066】
ステップS1142では、状態管理部101は、不良品排紙トレイ141に仕切り紙挿入機能があるか確認する。仕切り紙の挿入は、挿入トレイ152(
図1)に装着された用紙を、不良品排紙トレイ141に搬送することで行われる。仕切り紙は、白紙又は特定の色の用紙とする。
ステップS1142で挿入可の場合(ステップS1142のYes)は、ステップS1144に遷移し、挿入不可の場合(ステップS1142のYes)はS1146に遷移する。
【0067】
ステップS1144では、状態管理部101は、搬送制御部103に仕切り紙を挿入するように指示し、ステップS1150に遷移する。
ステップS1146では、状態管理部101は、搬送制御部103に前用紙(不良品の用紙)と位置をずらして排紙するように指示し、ステップS1150に遷移する。
図7及び
図8のフローチャートに示すその他の処理については、
図3及び
図4のフローチャートと同様である。
【0068】
この
図7及び
図8のフローチャートに示す処理を行うことで、排紙トレイ141を不良品排紙トレイとして使用すると共に、未検査紙排紙トレイとしても使用するため、画像形成システム100として必要な排紙トレイが最低2組用意されたシステムに適用できるようになる。この場合、同一トレイ内での不良品の用紙と未検査用紙との間は、仕切り紙の挿入又は排紙位置のシフトを行うようにしたので、ユーザは簡単に不良品の用紙と未検査用紙を分けることができるようになる。
【0069】
なお、
図8のフローチャートでは、ステップS1142で仕切り紙の挿入が可能な構成である場合に、仕切り紙の挿入処理を行い、仕切り紙の挿入ができない構成である場合に、排紙位置をシフトするようにした。これに対して、仕切り紙の挿入が可能な構成であっても、ユーザ操作で、仕切り紙の挿入を行う場合と、シフト処理を行う場合を選択できるようにしてもよい。また、仕切り紙の挿入とシフト処理を同時に実行するようにしてもよい。
【0070】
<4.第4の実施の形態例>
以下、本発明の第4の実施の形態例を説明する。
本発明の第4の実施の形態例においては、第3の実施の形態例で説明した検査処理で不良品排紙トレイである排紙トレイ141に出力された用紙を、再度、画像形成システム100に給紙して、再検査を行う例である。第4の実施の形態例において、画像形成システム100の構成については、第1の実施の形態例で説明した
図1及び
図2の構成を適用する。
【0071】
図9及び
図10は、画像形成システム100で画像形成及び検査を行う際の流れを示すフローチャートである。
図9のフローチャートのI,J,K,L,Mで示す箇所が、
図10のフローチャートのI,J,K,L,Mで示す箇所にそれぞれ接続される。なお、
図9及び
図10のフローチャートにおいて、第2の実施の形態例で説明した
図5及び
図6と同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して、重複説明を省略する。
【0072】
再検査を行う際には、排紙トレイ141(不良品排紙トレイ及び未検査紙排紙トレイ)に出力された用紙を、挿入トレイ151に装着する。この場合の挿入トレイ151への用紙の装着は、印刷作業者が手動で行ってもよいが、排紙トレイ141から自動的に挿入トレイ151に用紙が搬送されるようにしてもよい。また、
図9及び
図10のフローチャートの処理を行う場合、最初の検査処理(
図7及び
図8のフローチャートに示す処理)では、仕切り紙の挿入やシフト処理を省略してもよい。
【0073】
図9のフローチャートでは、ステップS2030で、状態管理部101が搬送制御部103に対して挿入トレイ206からの給紙を指示した後、ステップS2035に遷移する。
ステップS2035では、状態管理部101は、給紙された用紙が既に不良品と判定された用紙か否かを判定する。ここでの既に不良品と判定された用紙とは、
図7及び
図8の処理で不良品と判定された用紙である。
ステップS2035で不良品と判定された用紙である場合(ステップS2035のYes)には、ステップS2180に遷移する。また、ステップS2035で不良品と判定されていない用紙(未検査用紙)である場合(ステップS2035のNo)には、ステップS2040に遷移する。
【0074】
図9及び
図10のフローチャートに示すその他の処理については、
図5及び
図6のフローチャートと同様である。
【0075】
この
図9及び
図10のフローチャートに示す処理を行うことで、不良品排紙トレイである排紙トレイ141に出力された用紙を再度検査して、良品と不良品に分けることができるようになる。この場合、排紙トレイ141に出力された用紙の内で、1回目の検査で既に不良品と判別された用紙と、未検査用紙とがステップS2035で分類されるため、未検査用紙だけの効率よい再検査が可能になる。
なお、ステップS2035で分類を行うために、画像形成時には、用紙にバーコード等で管理番号を印字しておき、再検査時には、用紙を読み取って管理番号を取得し、検査結果一覧と照らし合わせて、不良品か未検査用紙かを判別するようにしてもよい。このようにすることで、挿入トレイ151にセットする用紙の順序が変わった場合でも、確実に検査結果と照合できるようになる。
【0076】
<5.第5の実施の形態例>
以下、本発明の第5の実施の形態例を説明する。
本発明の第5の実施の形態例においては、第3の実施の形態例で説明した検査処理で未検査用紙となった用紙の検査処理を排紙後に継続して行い、その検査処理を表示するようにしたものである。
第5の実施の形態例において、画像形成システム100の構成については、第1の実施の形態例で説明した
図1及び
図2の構成を適用する。
【0077】
図11及び
図12は、画像形成システム100で画像形成及び検査を行う際の流れを示すフローチャートである。
図11のフローチャートのN,Oで示す箇所が、
図12のフローチャートのN,Oで示す箇所にそれぞれ接続される。なお、
図11及び
図12のフローチャートにおいて、第1の実施の形態例で説明した
図3及び
図4と同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して、重複説明を省略する。
【0078】
図11のフローチャートでは、ステップS1060で読み取った後、ステップS1061に遷移する。
ステップS1061では、状態管理部101は、画像検査スキップ対象の用紙であるか否かを判定する。ここで、スキップ対象である場合(ステップS1061のYes)には、ステップS1063に遷移し、スキップ対象外の場合(ステップS1061のNo)には、S1070に遷移する。
【0079】
ステップS1063では、状態管理部101は、画像検査スキップ対象とする未検査用紙の読取画像を記憶部102に一時保存する。片面印刷の場合は表面の読取画像を保存し、両面印刷の場合は表面と裏面の読取画像を保存する。一時保存した後、ステップS1100に遷移する。
【0080】
また、
図12に示すステップS1140で該当する用紙を未検査紙排紙トレイ143に排出した後、ステップS1141に遷移する。
ステップS1141では、状態管理部101は、未検査用紙の読取画像を記憶部102に一時保存する。ここで、片面印刷の場合は表面の読取画像を保存し、両面印刷の場合は表面と裏面の読取画像を保存する。ステップS1141で一時保存した後、ステップS1143に遷移する。
【0081】
ステップS1143では、状態管理部101は、画像検査部104から取得した画像検査時間と給紙間隔から、何枚後から検査を再開可能か判定し、画像検査スキップ対象の用紙を決定する。画像検査スキップ対象の用紙を決定した後、ステップS1020の判定に戻る。
【0082】
また、ステップS1020で最終ページと判定したとき(ステップS1020のYes)、ステップS1360に遷移する。
ステップS1360では、状態管理部101は、記憶部102に未検査画像が保存されているか否かを判定する。ここで、未検査用紙の読取画像が保存されている場合(ステップS1360のYes)にはS1370に遷移し、未検査用紙の読取画像が保存されていない場合(ステップS1360のNo)には、処理を終了する。
【0083】
ステップS1370では、状態管理部101は、画像検査部104に未検査用紙の読取画像の検査を指示して検査完了を待つ。なお、画像検査中は次のジョブ開始を開始せず、未検査用紙の検査中である旨を表示部160に表示することが望ましい。その後、ステップS1380に遷移する。
【0084】
ステップS1380では、状態管理部101は、画像検査部104から画像検査結果を取得して表示部160に結果を表示し、ステップS1390に遷移する。
ステップS1390では、状態管理部101は、画像検査結果が良品か否か判定し、画像検査結果が良品の場合(ステップS1390のYes)にはステップS1400に遷移し、不良品の場合(ステップS1390のNo)にはステップS1360に遷移する。
【0085】
ステップS1400では、状態管理部101は、良品用紙に対して課金カウントし、ステップS1360に遷移する。
【0086】
このようにして、排紙後に検査結果を表示するようにしたことで、その表示の確認で排紙された未検査用紙の状態(検査結果)が分かるようになる。
【符号の説明】
【0087】
100…画像形成システム、101…状態管理部、102…記憶部、103…搬送制御部、104…画像検査部、108…給紙トレイ、109…搬送路、110…画像形成部、111…感光体、112…転写ベルト、113…転写部、114…定着部、120…画像読取部、121,122…ラインセンサ、131~133…排紙切替部、134…用紙検知センサ、141~144…排紙トレイ、151,152…挿入トレイ、160…表示部、161…操作部