(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】支援プログラム及び支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20220511BHJP
A01M 23/00 20060101ALI20220511BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01M23/00 Z
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2017216625
(22)【出願日】2017-11-09
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢也
(72)【発明者】
【氏名】緒方 博之
(72)【発明者】
【氏名】岩田 勇
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晋司
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特許第5999671(JP,B1)
【文献】特開2015-159747(JP,A)
【文献】特開2017-085915(JP,A)
【文献】特開2017-146778(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0262355(US,A1)
【文献】特開2019-074961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01M 23/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に、
前記端末の現在の位置を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手順と;
動物の存在を感知する所定のセンサシステムから提供されるセンサ情報又は前記センサ情報から推定した捕獲対象となる動物の位置情報を取得するセンサ情報取得手順と;
前記現在地情報に示される前記端末の現在の位置と、前記センサ情報取得手順によって取得された動物の位置を示すアイコンであって、
センサによって感知された後の経過時間に応じて表示態様が変化するアイコンと、を表示部に表示させる表示制御手順と;
を実行させることを特徴とする支援プログラム。
【請求項2】
前記現在地情報取得手順は、
他の端末によって通知された前記他の端末の現在の位置を示す他端末現在地情報をさらに取得し、
前記表示制御手順は、
前記他端末現在地情報に示される前記他の端末の現在の位置をさらに表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項3】
他の端末との間でメッセージの送受信を行うメッセージ送受信手順;
をさらに実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の支援プログラム。
【請求項4】
端末と;
管理サーバと;
を具備する支援システムであって、
動物の存在を感知する所定のセンサシステムから提供されるセンサ情報を取得するセンサ情報管理部と;
前記センサ情報から、捕獲の対象となる動物の位置を推定する推定部と;
前記端末の現在の位置を示す現在地情報を取得する現在地情報取得部と;
前記現在地情報に示される前記端末の現在の位置と、前記センサ情報又は前記推定部によって推定された動物の位置を示すアイコンであって、
センサによって感知された後の経過時間に応じて表示態様が変化するアイコンと、を表示部に表示させる表示制御部と;
を具備する
ことを特徴とする支援システム。
【請求項5】
前記端末は、
捕獲された動物に関する情報である獲物情報を送信する獲物情報送信部;
をさらに具備し、
前記管理サーバは、
前記獲物情報送信部によって送信された前記獲物情報を取得し、取得した前記獲物情報を他の端末に提供する獲物情報管理部;
をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、支援プログラム及び支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物に被害を及ぼすイノシシやシカ等の害獣を捕獲するための技術が知られている。例えば、害獣を捕獲するための罠にカメラやセンサを設置し、捕獲されたことをメールで通知する技術が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社パルソフトウェアサービス、HUNTINGMASTER ハンティングマスター、[online]、[平成29年11月6日検索]、インターネット(http://www.palsoft.co.jp/product/beagleone_trap.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術には、害獣を捕獲するための罠を仕掛ける場所が一定範囲に限られ、害獣の駆除を効率化することが困難な場合があるという問題がある。また、猟銃を持ったハンターが山に入り、害獣を探し出して撃つことによって害獣の駆除を行う場合がある。このような場合、害獣を探し出すことが困難な場合があり、例えば経験の浅いハンターや、その土地に詳しくないハンターにとっては、効率良く害獣の駆除を行うことができない場合がある。
【0005】
本発明は、害獣の駆除を効率化するための支援プログラム及び支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の支援プログラムは、端末に、現在地情報取得手順と、センサ情報取得手順と、表示制御手順と、を実行させる。現在地情報取得手順は、端末の現在の位置を示す現在地情報を取得する。センサ情報取得手順は、動物の存在を感知する所定のセンサシステムから提供されるセンサ情報又はセンサ情報から推定した捕獲対象となる動物の位置情報を取得する。表示制御手順は、現在地情報に示される端末の現在の位置と、センサ情報取得手順によって取得された動物の位置とを表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、害獣の駆除を効率化するための支援プログラム及び支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端末の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る支援プログラムは、端末10に、現在地情報取得手順と、センサ情報取得手順と、表示制御手順と、を実行させる。現在地情報取得手順は、端末10の現在の位置を示す現在地情報を取得する。センサ情報取得手順は、動物の存在を感知する所定のセンサシステムから提供されるセンサ情報又はセンサ情報から推定した捕獲対象となる動物の位置情報を取得する。表示制御手順は、現在地情報に示される端末10の現在の位置と、センサ情報取得手順によって取得された動物の位置とを表示部12に表示させる。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る現在地情報取得手順は、他の端末によって通知された他の端末の現在の位置を示す他端末現在地情報をさらに取得する。表示制御手順は、他端末現在地情報に示される他の端末の現在の位置をさらに表示させる。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る支援プログラムは、端末10に、他の端末との間でメッセージの送受信を行うメッセージ送受信手順をさらに実行させる。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る支援システム1は、端末10と管理サーバ20とを具備する。管理サーバ20は、動物の存在を感知する所定のセンサシステムから提供されるセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報を端末10に提供するセンサ情報管理部232を具備する。端末10は、現在地情報取得部141と、センサ情報取得部142と、推定部143と、表示制御部144とを具備する。現在地情報取得部141は、端末10の現在の位置を示す現在地情報を取得する。センサ情報取得部142は、センサ情報管理部232によって提供されるセンサ情報又はセンサ情報から推定した捕獲対象動物の位置情報を取得する。推定部143は、センサ情報から、捕獲の対象となる動物の位置を推定する。表示制御部144は、現在地情報に示される端末10の現在の位置と、センサ情報取得部142によって取得された動物の位置とを表示部12に表示させる。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る端末10は、捕獲された動物に関する情報である獲物情報を送信する獲物情報送信部146をさらに具備する。管理サーバ20は、獲物情報送信部146によって送信された獲物情報を取得し、取得した獲物情報を他の端末に提供する獲物情報管理部234をさらに具備する。
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態に係る支援プログラム及び支援システムを説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
図1~
図5を用いて、実施形態に係る支援システムについて説明する。また、支援プログラムは、支援システムの各装置で実行されるプログラムである。
【0015】
[支援システムの構成例]
図1は、実施形態に係る支援システムの構成例を示す図である。支援システム1は、害獣の駆除及び駆除した害獣をジビエとして提供することを支援するためのシステムである。
図1に示すように支援システム1は、端末10、管理サーバ20、センサシステム30、ジビエ搬送用車両40、処理施設端末50及び飲食店端末60を有する。
【0016】
また、支援システム1の各装置は、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。端末10は、ユーザが所持する端末である。以降の説明で、端末10を所持して猟を行うユーザを、ハンターと呼ぶ場合がある。また、支援システム1は、端末10の認証機能等により、所持しているハンターをID等で識別するものとする。
【0017】
例えば、端末10は、スマートフォン及びタブレット等の携帯型の端末である。管理サーバ20は、支援システム1全体の管理を行うサーバである。例えば、管理サーバ20は、各装置へのアプリケーションの提供、及びアプリケーションで利用される情報の管理を行う。
【0018】
センサシステム30は、動物の感知を行うための複数のセンサで構成されたネットワークシステムである。センサシステム30で用いられるセンサは、例えばカメラ、熱センサ等である。また、センサは、カメラ付き防犯灯のような定点設置のものであってもよいし、カメラ付きドローンのような移動体であってもよい。
【0019】
また、本実施形態におけるセンサシステム30は、自治体等で運用可能な既存のシステムであってよい(参考文献1:経済産業省、「ドローン及び無人車両による獣害対策等の技術開発の概要と福島県・浜通り地域に期待すること」(URL:http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/committee/innovation/coast/2017/pdf/170211_01i.pdf)、イノベーション・コースト構想推進会議(第8回)配布資料)。
【0020】
ジビエ搬送用車両40は、捕獲された害獣を処理施設等の所定の場所に運搬するための車両である。ジビエ搬送用車両40は、通信機能及び管理サーバ20から提供されるアプリケーションを実行する機能を有するコンピュータが組み込まれた車両であってもよいし、端末10と同様の端末を持ったユーザが使用する車両であってもよい。
【0021】
また、処理施設端末50は、捕獲された害獣の処理及び加工を行い、ジビエとして提供可能にするための処理施設で使用される端末である。また、飲食店端末60は、ジビエ料理を提供する飲食店で使用される端末である。処理施設端末50及び飲食店端末60は、端末10と同様の端末であってもよい。なお、本稿では、処理及び加工が行われた害獣の食肉をジビエと呼ぶこととする。
【0022】
図2は、実施形態に係る端末の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、端末10は、通信部11、表示部12、記憶部13及び制御部14を有する。
【0023】
通信部11は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部11は、ネットワーク2を介して管理サーバ20との間で各種情報を送受信する。表示部12は、画面を表示する表示装置である。例えば、表示部12はタッチパネルディスプレイである。
【0024】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部13は、端末10で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。
【0025】
制御部14は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部14は、現在地情報取得部141、センサ情報取得部142、推定部143、表示制御部144、メッセージ送受信部145及び獲物情報送信部146を有する。
【0026】
現在地情報取得部141は、端末10の現在の位置を示す現在地情報を取得する。現在地情報取得部141は、GPS(Global Positioning System)を使った現在地の測位を行う。そして、現在地情報取得部141は、測位した現在地データを管理サーバ20に送信し、管理サーバ20から現在地周辺のマップ及びマップ上の現在地を取得する。
【0027】
センサ情報取得部142は、センサシステム30から提供されるセンサ情報を取得する。センサ情報取得部142は、管理サーバ20を介してセンサ情報を取得する。例えば、センサ情報には、各センサの位置情報、感知した動物の大きさ、形、種類等が含まれる。
【0028】
推定部143は、センサ情報から、捕獲の対象となる動物の位置を推定する。センサによって動物が感知された場合、感知後に経過した時間が短いほど、当該センサの近くに動物が存在する可能性は高くなることが考えられる。そのため、例えば、推定部143は、動物を感知してから経過した時間が所定時間より短いセンサの位置を、動物の位置として推定する。
【0029】
ここで、センサ情報取得部142は、推定部143によって推定された捕獲の対象となる動物の位置をさらに取得する。また、捕獲の対象となる動物の位置の推定は、管理サーバ20で行われてもよい。その場合、センサ情報取得部142は、管理サーバ20によって推定された捕獲の対象となる動物の位置を取得する。
【0030】
表示制御部144は、現在地情報に示される端末10の現在の位置と、センサ情報取得部142によって取得された動物の位置とを表示部12に表示させる。ここで、表示制御部144が表示させる画面の一例を
図3に示す。
図3は、実施形態に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、表示制御部144の制御により、表示部12は、動物の位置を示すアイコンをレーダ上に表示する。
図3のレーダの中心は、端末10の現在地を示している。アイコン12aは、センサ情報取得部142によって取得された動物の位置を示している。
【0032】
表示制御部144は、センサ情報及び動物の位置の推定結果を基に、動物の大きさ、形、種類ごとに、表示部12に表示されるアイコンの形、大きさ、パターン等を変化させてもよい。
【0033】
また、表示制御部144は、センサによって感知された後の経過時間に応じて、アイコンの表示態様を変化させてもよい。例えば、表示制御部144は、感知された後の経過時間が10分以内である場合はアイコンの色を黒とし、経過時間が10分から1時間の間である場合はアイコンの色をグレーとすることができる。
【0034】
また、表示制御部144は、アイコンだけでなく、動物の移動範囲として予測される領域、及び領域ごとの動物の存在確率を表示させてもよい。また、センサ情報から動物の個体が特定できる場合、表示制御部144は、動物の過去の移動経路、又は過去の移動経路を基に予測される現在の位置を表示させてもよい。
【0035】
ここで、現在地情報取得部141は、端末10の現在地を管理サーバ20に通知するとともに、他の端末によって通知された他の端末の現在の位置を示す他端末現在地情報をさらに取得することができる。その際、表示制御部144は、他端末現在地情報に示される他の端末の現在の位置をさらに表示させる。
図3のアイコン12bは、他の端末の位置を示している。
【0036】
現在地情報取得部141によって取得された現在地があらかじめ各ハンターに割り当てられた領域外である場合、表示制御部144は、
図3のレーダを非表示にすることができる。さらに、表示制御部144は、領域外であることを警告するメッセージを表示させることができる。これにより、所定の領域外で猟が行われることを防止することができる。
【0037】
また、表示制御部144が個体を識別可能に表示させる場合、端末10と個体を対応付ける情報を管理サーバ20に送信することができる。この場合、当該個体は、端末10を所持するハンターによってロックオンされた状態となり、当該個体のアイコンは、他の端末でロックオンされた状態であることがわかるように表示される。これにより、同じ獲物を複数のハンターが狙うことによる誤射等の危険を防止することができる。
【0038】
メッセージ送受信部145は、他の端末との間でメッセージの送受信を行う。これにより、ハンター同士の情報交換が可能となる。
図3に示すように、表示部12には、チャットボタン12dが表示される。チャットボタン12dが操作されると、表示部12は、他のハンターとチャットが可能なチャット画面を表示する。
【0039】
獲物情報送信部146は、捕獲された動物に関する情報である獲物情報を送信する。獲物情報には、捕獲した獲物の画像、種類、大きさ等が含まれる。
図3に示すように、表示部12には、撮影ボタン12eとアップロードボタン12fが表示される。撮影ボタン12eが操作されると、端末10のカメラ機能が起動し、捕獲した獲物を撮影することが可能となる。また、アップロードボタン12fが操作されると、ファイルアップロード機能が起動し、撮影した画像等を管理サーバ20へ送信することが可能となる。
【0040】
図4は、実施形態に係る管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、管理サーバ20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。
【0041】
通信部21は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部21は、ネットワーク2を介して端末10、センサシステム30、ジビエ搬送用車両40、処理施設端末50及び飲食店端末60との間で各種情報を送受信する。
【0042】
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部22は、管理サーバ20で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。
【0043】
制御部23は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部23は、現在地情報管理部231、センサ情報管理部232、メッセージ管理部233及び獲物情報管理部234を有する。
【0044】
現在地情報管理部231は、各端末の現在地の取得、及び各端末の現在地の提供を行う。例えば、現在地情報管理部231は、端末10からGPSを使って測位された現在地データを取得し、現在地データから現在地を特定し、特定した現在地周辺のマップ、及びマップ上の現在地を示す情報を端末10に提供する。同様に、現在地情報管理部231は、他の端末の現在地を端末10に提供する。
【0045】
また、センサ情報管理部232は、センサシステム30から提供されるセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報を端末10に提供する。センサ情報管理部232は、センサシステム30から提供されるセンサ情報をそのまま提供してもよいし、動物の位置の推定に必要な情報をセンサ情報から抽出し、抽出した情報を提供してもよい。
【0046】
メッセージ管理部233は、端末10からのメッセージの取得及び端末10へのメッセージの提供を行う。また、メッセージ管理部233は、端末10を所持しているハンターごとの属性によって、チャットの可否を制御することができる。
【0047】
例えば、メッセージ管理部233は、端末10を所持しているハンターが課金サービスに対して課金を行っている場合、当該ハンターが所持している端末10に、あらかじめ登録されたハンターとのメッセージの送受信を許可する。一方、メッセージ管理部233は、端末10を所持しているハンターが課金サービスに対して課金を行っていない場合、当該ハンターが所持している端末10に、あらかじめ登録されたハンターとのメッセージの送受信を許可しない。あらかじめ登録されたハンターには、例えば、経験豊富なベテランハンターや、本の出版やタレント活動を行っている有名ハンター(ジビエガール等)が含まれる。
【0048】
獲物情報管理部234は、獲物情報送信部146によって送信された獲物情報を取得し、取得した獲物情報を他の端末に提供する。前述の通り、獲物情報には、各端末10で撮影された獲物の画像が含まれる。
【0049】
また、獲物情報管理部234は、各ハンターの獲物の捕獲状況を基にしたランキングサービスの提供を行うことができる。獲物情報管理部234は、例えば、ハンターごとの捕獲数のランキングを作成することができる。また、獲物情報管理部234は、捕獲された獲物の種類や状態ごとにあらかじめ設定されたポイントを基に、獲得ポイント数のランキングを作成することができる。例えば、ポイントは、使用した弾数、獲物の大きさ、弾が当たった部位等に応じて設定することができる。例えば、弾が頭等の非可食部に当たっている場合、弾が足等の可食部に当たっている場合に比べてジビエとしての可食部が大きくなるため、ポイントが高くなるように設定することができる。
【0050】
また、
図3に示すように、表示部12には、ランキングボタン12cが表示される。ランキングボタン12cが操作されると、管理サーバ20から提供されたランキングを基に、自身の順位や、ランキング上位者の一覧等が表示される。
【0051】
また、獲物情報管理部234は、獲物情報をジビエ搬送用車両40に提供することができる。これにより、ジビエ搬送用車両40は、獲物情報を基に獲物の位置を特定し、特定した場所に移動し獲物を回収することができる。その際、ハンターは、各ハンターを識別するためのタグが付いたベルト等を獲物に装着しておくことで、ジビエ搬送用車両40を使用する搬送作業者は、獲物が獲物情報を送信したハンターによって捕獲されたものであることを確認することができ、さらに、確認できた旨をジビエ搬送用車両40を使って管理サーバ20に通知することができる。これにより、ジビエごとの捕獲したハンターを管理することが可能になり、不正なハンターによって捕獲されたジビエの流通を防止することができる。
【0052】
また、獲物情報管理部234は、端末10からの依頼に応じて、獲物情報を所定の申請情報とともに行政機関に提供することができる。これにより、支援システム1は、補助金申請等の代行を行うことができる。
【0053】
また、獲物情報管理部234は、獲物情報を処理施設端末50及び飲食店端末60に提供することができる。これにより、処理施設や飲食店では、獲物ごとの弾が当たった部位、ハンターの名称等の識別情報、捕獲地域、獲物の種類、大きさ、性別等を基にジビエの価値評価を行うことができる。
【0054】
また、管理サーバ20は、獲物情報を使ったジビエの入札(オークション)サービスを提供してもよい。また、管理サーバ20は、獲物情報及び処理施設端末50から提供される処理状況等を基に、飲食店端末60にジビエの提供が可能な日時を通知することができる。これにより、飲食店は、ジビエの提供可能な日時を顧客に報知することができる。
【0055】
また、管理サーバ20は、害獣被害を受けた農家等から被害状況を示す画像を取得することができる。これにより、ハンターだけでなく、ハンター及び被害者間での情報の共有が可能になる。
【0056】
[処理のフロー]
次に、支援システム1の処理の流れについて説明する。
図5は、実施形態に係る支援システムの処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
まず、
図5に示すように、現在地情報取得部141は、端末10の現在地情報を取得する(ステップS101)。このとき、端末10は、測位した位置情報を管理サーバ20に送信した上で、現在地情報を周囲のハンターの情報とともに管理サーバ20から取得することができる。
【0058】
次に、センサ情報取得部142は、センサシステム30によって収集されたセンサ情報を取得する(ステップS102)。センサ情報取得部142は、管理サーバ20を介してセンサ情報を取得することができる。
【0059】
推定部143は、センサ情報を基に、動物の位置を推定する(ステップS103)。そして、表示部12は、表示制御部144の制御により、推定した動物の位置及び周囲のハンターの位置をレーダ上に表示する(ステップS104)。
【0060】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 支援システム
2 ネットワーク
10 端末
11、21 通信部
12 表示部
13、22 記憶部
14、23 制御部
20 管理サーバ
30 センサシステム
40 ジビエ搬送用車両
50 処理施設端末
60 飲食店端末
141 現在地情報取得部
142 センサ情報取得部
143 推定部
144 表示制御部
145 メッセージ送受信部
146 獲物情報送信部
231 現在地情報管理部
232 センサ情報管理部
233 メッセージ管理部
234 獲物情報管理部