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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220511BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G06F3/12 310
G06F3/12 334
G06F3/12 355
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018018074
(22)【出願日】2018-02-05
(65)【公開番号】P2019135803
(43)【公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242897(JP,A)
【文献】特開2009-172805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、
前記機器の機能の実行の実績に関する情報を取得する取得手段と、
を有し、
前記通知手段は、実行要求時に設定された実行条件では前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、前記取得手段が取得した情報に基づき策定した前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込める実行条件を推奨設定として提示する情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置において、
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、
前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を、前記情報処理装置が有する他の送信手段であって前記送信手段より処理負荷が軽減される他の通信手段に変更する変更手段と、
を有し、
前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置において、
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、
前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を現状より通信能力の高い通信方式に変更する変更手段と、
を有し、
前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記機器は、ネットワークに接続されている機器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機能は、ネットワークに接続されている複数の機器が提供する機能を連携させて実現する連携機能であることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記機能は、ネットワークに接続されている機器といずれかの情報処理装置が提供する機能との連携機能であることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、
前記機器の機能の実行の実績に関する情報を取得する取得手段、
として機能させ
前記通知手段は、実行要求時に設定された実行条件では前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、前記取得手段が取得した情報に基づき策定した前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込める実行条件を推奨設定として提示する、
プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、
前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を、前記コンピュータが有する他の送信手段であって前記送信手段より処理負荷が軽減される他の通信手段に変更する変更手段、
として機能させ、
前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、
前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、
前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を現状より通信能力の高い通信方式に変更する変更手段、
として機能させ、
前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あらゆるデバイスがインターネットに接続されて情報のやり取りを行うモノのインターネット(IoT:Internet of Things)の発展がめざましい。PC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン等の情報端末に所定のアプリケーションをインストールすれば、情報端末からIoT機器が利用可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-514398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただ、IoT機器からしてみると、複数の情報端末からの利用が集中すると過大な負荷がかかる可能性が生じてくる。
【0005】
本発明は、機器を利用する機能の実行時に発生しうる事態を事前に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、前記機器の機能の実行の実績に関する情報を取得する取得手段と、を有し、前記通知手段は、実行要求時に設定された実行条件では前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、前記取得手段が取得した情報に基づき策定した前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込める実行条件を推奨設定として提示する
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置において、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を、前記情報処理装置が有する他の送信手段であって前記送信手段より処理負荷が軽減される他の通信手段に変更する変更手段と、を有し、前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しないことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置において、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段と、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段と、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を現状より通信能力の高い通信方式に変更する変更手段と、を有し、前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しないことを特徴とする。
【0015】
また、前記機器は、ネットワークに接続されている機器であることを特徴とする。
【0016】
また、前記機能は、ネットワークに接続されている複数の機器が提供する機能を連携させて実現する連携機能であることを特徴とする。
【0017】
また、前記機能は、ネットワークに接続されている機器といずれかの情報処理装置が提供する機能との連携機能であることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、前記機器の機能の実行の実績に関する情報を取得する取得手段、として機能させ、前記通知手段は、実行要求時に設定された実行条件では前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、前記取得手段が取得した情報に基づき策定した前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込める実行条件を推奨設定として提示する、プログラム。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を、前記コンピュータが有する他の送信手段であって前記送信手段より処理負荷が軽減される他の通信手段に変更する変更手段、として機能させ、前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記情報処理装置が前記機器へのデータの送信に利用する送信手段を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、要求により指定された機能を実行する機器への前記機能の実行要求を受け付ける受付手段、前記機器が前記実行要求に応じて前記機能を実行すると、前記機器の取り扱うデータの量の増加に伴う前記機器にかかる負荷の増大により、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めない場合、警告を通知する通知手段、前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を現状より通信能力の高い通信方式に変更する変更手段、として機能させ、前記通知手段は、前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めないと判断される場合でも、前記変更手段が、前記コンピュータが前記機器へのデータの送信に利用する送信手段の通信方式を変更することにより前記機器が前記機能を正常に実行できることが見込めるようになる場合には、警告を通知しない。
【発明の効果】
【0019】
請求項1,7に記載の発明によれば、機器を利用する機能の実行時に発生しうる事態を事前に通知することができる。また、機能を正常に実行させるための条件をユーザに提示することができる。また、機器の処理の実績に基づき推奨設定をユーザに提示することができる。
【0024】
請求項2,8に記載の発明によれば、処理負荷が軽減される他の通信手段を利用することによって機能の正常な実行ができるように対応することができる。
【0025】
請求項3,9に記載の発明によれば、データ送信能力の高い通信方式を利用することによって機能の正常な実行ができるように対応することができる。
【0028】
請求項に記載の発明によれば、ネットワークに接続されている機器を利用する機能の実行時に発生しうる事態を事前に通知することができる。
【0029】
請求項に記載の発明によれば、複数の機器を利用する連携機能の実行時に発生しうる不具合を事前に通知することができる。
【0030】
請求項に記載の発明によれば、機器と機能との連携機能の実行時に発生しうる不具合を事前に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施の形態における機器ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
図2】本実施の形態におけるハブのブロック構成図である。
図3】本実施の形態における機器のブロック構成図である。
図4】本実施の形態における端末のブロック構成図である。
図5】本実施の形態におけるハブの処理を示すフローチャートである。
図6】本実施の形態において機能の実行を要求する端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態における機器ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。図1には、インターネット等のネットワークに接続される複数種類のIoT機器が示されている。例えば、図1には、複合機1,2、ロボット1,2、種々の機器1~3、端末1~4、PC1,2が示されており、これらの機器は、ハブを介して通信を行うことが可能である。ハブを介さずに他の機器と直接通信を行うことが可能な機器も存在する。また、ハブ間でもデータ通信可能である。本実施の形態では、PC類(情報端末)を含め、インターネットに接続可能な機器を「IoT機器」と総称する。また、IoT機器を単に「機器」とも称する。
【0035】
複合機は、画像形成機能(スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能)を備えた画像形成装置である。ロボットは、図1に図示したように人型ロボットでよいが、人以外の動物型ロボットあるいはそれ以外のロボットでもよい。機器1~3は、例えば、プロジェクタ、液晶ディスプレイ等の表示装置、記録装置、再生装置、カメラ等の撮像装置、時計、監視カメラ、自動車、二輪車、航空機(例えば無人航空機(いわゆるドローン))、ゲーム機、各種のセンシング機器(例えば温度センサ、湿度センサ、電圧センサ、電流センサ等)等の装置である。また、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、コーヒーメーカー、掃除機、洗濯機、空調機、照明機器等の家電でもよい。端末1~4は、本実施の形態ではユーザが携行可能なスマートフォン、タブレットPC、携帯電話等の情報端末を想定している、PC1,2は、端末と同様に情報端末である。据え置き型、携帯型のどちらでもよい。端末1~4及びPC1,2には、IoT機器を利用するために必要なアプリケーション(IoTアプリ)がインストールされている。
【0036】
ハブは、上記例示したIoT機器を無線又は有線によりネットワーク接続し、データ通信を中継する装置である。ハブには、通信インターフェース、CPU等の1又は複数のプロセッサ、ROM、RAM、記憶手段等を有する情報処理装置が搭載されており、プロセッサが、記憶手段に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。本実施の形態では、ハブを情報処理装置として後述する機能を発揮させる場合を例にして説明するが、端末やPC、あるいは負荷監視対象となる機器等他の機器を情報処理装置として後述する機能を発揮させるようにしてもよい。あるいは、本実施の形態における機器ネットワークシステム全体を管理するサーバ等を設け、そのサーバ等に後述する機能を発揮させるようにしてもよい。
【0037】
図2は、本実施の形態におけるハブ10のブロック構成図である。ハブ10は、受付処理部11、機器情報取得部12、通信部13、制御部14及び記憶部15を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図2から省略している。
【0038】
受付処理部11は、いずれかの機器から他の機器が提供する機能の実行要求を受け付ける。また、実行要求を受け付ける過程において警告画面等の各種画面を実行要求元の機器に提示する。機器情報取得部12は、機器に関する情報を取得する。取得した情報は、必要に応じて記憶部15に保存する。
【0039】
通信部13は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する送信手段として機能し、また、他の装置からデータを受信する受信手段として機能する。通信部13は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。通信部13は、例えば、1又は複数の種類の通信方式に対応しており、通信相手に適した通信方式(つまり、通信相手が対応している通信方式)に従って通信相手と通信してもよい。通信方式は、例えば、赤外線通信、可視光通信、Wi-Fi(登録商標)通信、近接無線通信(例えばNFC(Near Field Communication)等)、等である。近接無線通信としては、Felica(登録商標)、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等が用いられる。もちろん、別の方式の無線通信が近接無線通信として用いられてもよい。通信部13は、例えば、通信相手に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたり、周囲の環境に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたりしてもよい。制御部14は、ハブ10の各部の動作を制御する。記憶部15は、ハードディスクドライブ(HDD)やメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置であり、種々の情報を記憶する記憶手段である。
【0040】
ハブ10における各構成要素11~14は、ハブ10に搭載されたコンピュータとCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、記録媒体に格納して提供することも可能である。また、記憶部15は、ハブ10に搭載されたHDDあるいはRAM等の記憶手段にて実現される、
【0041】
図3は、本実施の形態における機器20のブロック構成図である。機器20は、通信部21、制御部22及び記憶部23を有している。通信部21は通信インターフェースであり、ハブ10や他の機器との間で通信を行う機能を有する。通信部21は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。基本的には、機器20の仕様に従った通信インターフェースを有している。記憶部23には、情報端末から要求された機能の実行に関する機器実行情報が登録されているが、制御部22は、機器実行情報の設定内容に従って機器20が有する機能の実行制御を行う。記憶部23は、HDDやメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置であり、各種のアプリケーションプログラム、各種のデータ等を記憶する。本実施の形態では、前述したように機器実行情報を記憶する。機器実行情報には、機器20が提供する機能を利用したいユーザによって指定された実行条件、少なくとも当該機器20が実行する機能に関する実行条件が登録される。「実行条件」として、機能の実行に関する条件がユーザによって指定される。具体的には、ユーザが実行したい機能及び当該機能の実行期間、実行タイミングとの実行スケジュール情報が含まれる。更に、機器実行情報には、当該機能において処理対象となるデータが含まれる。記憶部23には、現在有効な機器実行情報のみならず、過去に機能を実行したときの機器実行情報を削除せずに実績情報として保存されていてもよい。
【0042】
図4は、本実施の形態における端末30のブロック構成図である。図4における端末30は、図1における端末1~4に相当する。端末30も図2に示す機器20に属しているが、機器20を利用する機能の実行をハブ10に要求することが可能であるため、機能を単に提供する機器20とは別に図示する。端末30は、通信部31、ユーザインターフェース(UI)部32、制御部33及び記憶部34を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図4から省略している。
【0043】
通信部31は、通信インターフェースであり、ハブ10や他の機器との間で通信を行う機能を有する。通信部31は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。通信部31は、例えば、1又は複数の種類の通信方式に対応しており、通信相手に適した通信方式(つまり、通信相手が対応している通信方式)に従って通信相手と通信してもよい。通信方式は、例えば、赤外線通信、可視光通信、Wi-Fi通信、近接無線通信等である。通信部21は、例えば、通信相手に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたり、周囲の環境に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたりしてもよい。UI部32はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。もちろん、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイや、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。制御部33は、端末30の各部の動作を制御する。記憶部34は、HDDやメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置であり、各種のアプリケーションプログラム、各種のデータ等を記憶する。
【0044】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
【0045】
本実施の形態では、ハブ10と機器とが連携して、機器(例えば、端末30)が機能の実行を要求した場合に、ハブ10がその要求を受け付け、その要求により指定された機能を実行する機器20に当該機能の実行を要求する。ハブ10は、このようにして機能の実行を制御する。図5には、機器(端末30)からの機能の実行要求に応じて動作するハブ10の処理を示すフローチャートが、図6には、その動作時に端末30の表示部に表示される画面の一例が、それぞれ示されている。以下、ユーザ1が端末1を用いて機能の実行を要求する場合を例にして本実施の形態の動作について説明する。
【0046】
ユーザ1は、所定のアプリケーションを起動することによって設定画面41を端末1に表示させ、その設定画面41から所望の機能を実行させるための設定を行う。ユーザ1は、設定が完了すると所定の決定ボタンを操作する。端末30は、そのユーザ操作に応じてユーザ1による設定内容を含む機能の実行要求をハブ10へ送信する。
【0047】
ハブ10における受付処理部11は、端末30からの実行要求を受け付けると(ステップ101)、内容確認のために確認画面42を端末30に表示させる。なお、ここでいう「受付」というのは、実行要求に指定された実行条件で処理するために受け入れるという意味ではなく、実行要求を受信(取得)するという意味である。
【0048】
ユーザは、単一の機器のみ利用する機能を設定してもよいが、図6に例示するように、「PC2で受信した領収書のメールを印刷して、ロボット1でキャビネットに保管する。」という、メールを受信しているPC2、印刷を行う複合機1及び印刷物の保管に利用するロボット1それぞれが提供するメール機能、印刷機能及び保管機能(運搬機能)を連携させて一連の機能を実現する連携機能を設定してもよい。また、実行期間には、「毎週金曜日 13:00」と設定された例が示されているが、定周期的でなく1回のみの機能の実行でもよい。また、何時から何時までというように範囲を指定して、機能の実行開始時間に幅を持たせてもよい。
【0049】
ところで、図6では、ユーザ1が機能を毎週金曜日の13時に実行開始するよう要求した場合の例を示しているが、他のユーザも同じ時間(実行時間が重複する時間)にPC2、複合機1又はロボット1の少なくとも1つの機器を利用した機能の実行をすでに要求しており、各機器は、その要求を受け入れているかもしれない。また、ユーザ1自身も端末1から、あるいはユーザ1が使用可能な端末1以外のPC等の情報端末からPC2、複合機1又はロボット1の少なくとも1つの機器を利用した機能の実行を要求しているかもしれない。複数のユーザ(同一ユーザが複数の機能の実行を要求する場合を含む)による実行要求に応じることで、機器が機能を同時並行して実行する場合、ただ1つの実行要求に応じて機能を実行する場合に比してより多くのデータ量を取り扱うことになり、この結果、機器にかかる負荷は増大する。例えば、機器が複数の他の機器からデータを同時並行して受信する場合、機器にかかる通信負荷は増大する。仮に過負荷な状態になると、その機器は、機能を正常に実行できないおそれが生じてくる。
【0050】
そこで、本実施の形態においては、ユーザが確認画面42にて要求した機能の内容を確認した後、OKボタンを選択すると、ハブ10における制御部14は、要求された機能(この例では連携機能)を提供する各機器の負荷の状態を確認する(ステップ102)。
【0051】
例えば、機器情報取得部12は、ユーザにより指定された機能を実行する予定の機器の機器実行情報を当該機器から取得する。そして、実行要求に指定された実行条件、この例の場合は毎週金曜日の13時において、その機器がどれだけの実行要求に対応するのか、その時間に対応する実行要求の数を調べる。その数が多いほど負荷が高くなるといえる。より正確には、実行要求の数の代わりに、その実行要求において処理されるデータ量を調べるようにしてもよい。取り扱うデータ量が多いほど負荷が高くなるといえる。なお、機器情報取得部12が取得する機器実行情報から負荷の状態を得ることができるので、機器実行情報は、負荷に関する情報に相当するといえる。なお、機器から取得した機器実行情報を記憶部15に所定期間保存するようにしてもよい。当該機器から同じ機器実行情報を再度取得しないようにすることで、ネットワーク負荷の増大を回避できる。
【0052】
このように、制御部14は、機能を実行する機器にかかる負荷を確認する。機器の取り扱うデータ量が増加することで機器が機能の正常な実行が見込めないと判断した場合(ステップ103でN)、制御部14は、ユーザにより要求された機能(連携機能の場合は、一連の機能全体として)の提供は困難であると判断する。これにより、受付処理部11は、制御部14による制御のもと警告画面43を端末1に表示させることで警告を通知する(ステップ104)。例えば、機器実行情報機器から求めた機器の取り扱うデータ量が所定値を超える場合に機器が機能の正常な実行が見込めないと判断する。所定量は、機器の仕様や機器が通信に用いる通信手段や通信方式等から導出してよい。
【0053】
ユーザ1は、端末1に表示された警告画面43を見ることで設定画面41から設定した実行条件では実行が遅延するか、あるいは正常に実行できない可能性があることを知る。ユーザ1は、遅延や正常に実行できない可能性があることを知った上で、設定画面41から設定した実行条件で機能を実行させたい場合には「はい」のボタンを選択する。警告したにもかかわらず設定された機能の実行要求が維持された場合(ステップ105でY)、受付処理部11は、受付完了画面44を端末1に表示させ、設定画面41から設定された実行条件を受け付けたことをユーザ1に通知する。そして、制御部14は、設定画面41から設定された実行条件にて、該当する機器に機能の実行を指示する(ステップ109)。上記設定された機能の例に従うと、制御部14は、PC2には、メール機能を実行して、領収書を複合機1宛にメール送信するよう指示する。また、複合機1には、印刷機能を実行して、PC2からメールを受信したら、そのメールに添付されている領収書を印刷するよう指示する。また、ロボット1には、保管機能(運搬機能)を実行して、複合機1が印刷した領収書をキャビネットまで運んで保管するよう指示する。そして、以上の機能を、毎週金曜日の13時に実行するように指示する。もちろん、複合機1及びロボット1は、上流の機能の実行が完了するまで待機する必要があるので、実行を開始する時間にある程度の余裕を持たせる必要はある。
【0054】
機能を提供する機器のかかる負荷が過負荷でなく機能の正常な実行が見込める場合(ステップ103でY)、受付処理部11は、受付完了画面44を端末1に表示させ、設定画面41から設定された実行条件を受け付けたことをユーザ1に通知する。そして、制御部14は、設定画面41から設定された実行条件に従って、該当する機器に機能の実行を指示する(ステップ109)。
【0055】
一方、ユーザ1は、遅延や正常に実行できないことを回避するためには「いいえ」のボタンを選択することになるが、この場合(ステップ105でN)、制御部14は、機能の正常な実行が見込める実行条件を推奨設定として提示する。例えば、制御部14は、機器の負荷の状態を確認したときと同様に、機器情報取得部12に、ユーザにより指定された機能を実行する予定の機器の機器実行情報を取得させる。記憶部15に保持されている場合にはその情報を利用する。そして、実行要求に指定された実行条件以外の実行期間、この例の場合は毎週金曜日の13時以外の実行期間において実行要求の数が所定数以下となる実行期間、あるいは処理されるデータ量が所定量以下となる実行期間を探し出す。ここでいう所定数及び所定量というのは、機能の正常な実行が見込めると判断するための閾値であり、機器の仕様や機器が通信に用いる通信手段や通信方式等から導出してよい。あるいは、過去の機器実行情報(実績情報)を参照して機能の正常な実行が見込める実行時間を探し出すようにしてもよい。
【0056】
なお、ここでは、推奨設定を策定する際に実行時間に着目して説明したが、機能を実行する機器を変更するようにしてもよい。例えば、複合機1の代わりに複合機2に機能を実行させる推奨設定を策定してもよい。この実行期間と機器の変更に優先順位を付けてもよい。例えば、機能の正常な実行が見込めない機器に対して、機能の正常な実行が見込める実行期間を探し出し、その結果、実行期間が見つけられない場合に機器の変更を検討してもよい。機器が機能の正常な実行が見込めなければ、同種の他の機器に変更することを優先的に検討するようにしてもよい。
【0057】
このようにして、制御部14は、機能の正常な実行が見込める実行条件を策定し、その実行条件を推奨設定として提示する(ステップ106)。すなわち、受付処理部11は、推奨設定を含む推奨画面45を端末1に表示させる。
【0058】
ユーザ1は、この推奨画面45を見ることでシステムが提示する推奨設定を知る。ユーザ1は、推奨設定での機能の実行に同意する場合は「OK」ボタンを選択する。これにより、受付処理部11は、ユーザ1が推奨設定に同意したことを知ると(ステップ107でY)、受付完了画面44を端末1に表示させ、推奨設定での機能の実行要求を受け付けたことをユーザ1に通知する。そして、制御部14は、推奨画面45にて提示した実行条件にて、該当する機器に機能の実行を指示する(ステップ108)。
【0059】
一方、ユーザ1が推奨設定に同意しない場合には、「再設定」ボタンを選択して、設定画面41を端末1に表示させ、機能の実行条件を再設定する。
【0060】
本実施の形態では、以上説明したように、遅延や正常に実行できないことを回避したいために警告画面43で「いいえ」を選択した場合、推奨設定をユーザ1に提示するようにしたが、推奨設定を提示せずに設定画面41に移行するよう処理してもよい。
【0061】
上記説明では、機器の負荷の状態を確認する際、現在有効な又は過去の機器実行情報を参照するようにした。但し、機器の負荷の状態を判断する指標としてこれに限る必要はない。例えば、機器のCPU使用率やメモリ使用率、記憶手段の空き容量等機器のハードウェア資源の状態を考慮するようにしてもよい。
【0062】
また、多大な通信データ量を取り扱うことから機器の通信負荷が過負荷となる場合、機能の正常な実行が見込めないと直ちに判断するのではなく、次のような操作を行うようにしてもよい。
【0063】
例えば、ハブから機器へ送信されるデータ量が膨大で機器にかかる通信負荷が過大となる場合、制御部14は、機器へ送信するデータの量又は機器へのデータの送信に利用する送信手段の少なくとも一方を変更するよう制御する。
【0064】
データの量を変更(調整)方法としては、データの種類にも依存するが、送信するデータを間引いたり、圧縮したりする。例えば送信対象のデータが動画像の場合、全フレームを送信対象とするのではなくいくつかのフレームを間引いて送信する。例えば、n(n≧2)枚おきに間引く。また、圧縮していなければ圧縮してから送信してもよい。このように、送信対象のデータの量を削減することで通信負荷の軽減を図る。
【0065】
また、ハブと機器との間の通信手段が複数ある場合、通信規格に依存するであろうが、例えば、無線LANと有線LANの双方で接続可能な場合であって現在無線LANが利用されている場合、無線LANから相対的に通信速度の速い有線LANに通信手段(送信手段)を切り替える。あるいは、双方の通信手段を併用することで一度に送信可能なデータ通信量を増加させてもよい。複数の通信手段を併用する場合、併用する必要がなくなったときには使用しなくなる通信手段の電源をオフするなどして省電力化を図るようにしてもよい。また、品質重視で時間当たりのデータ通信量の少ない通信手段から相対的に品質は劣化するものの時間当たりのデータ通信量が大きくなる通信手段に変更する。また、通信方式としてWi-Fiで現在IEEE802,3aを使用しているのなら、現状より相対的に通信能力の高いIEEE802,3acに変更する。
【0066】
ステップ102において、機器実行情報に基づき機器にかかる負荷が過大で機能の正常な実行が見込めないといったん判断した場合でも、上記のように送信手段や通信方式を変更するなど対応することで機能の正常な実行が見込めるようになる場合には、機器における負荷の状態は問題なしとしてステップ109に移行できるようにする。また、実行要求を受け付けた後に、実際に実行するときには通信負荷が高くなっていて、受け付けた実行要求が正常に実行できないような場合にも、上記のように通信手段や通信方式に変更して対応するようにしてもよい。
【0067】
図6に例示したように、本実施の形態では、1台の機器が提供する機能を実行させることに留まらず、複数の機器が提供する機能を連携させて実行される連携機能の実行要求を指定することができる。連携機能は、例えば、1つの機器(例えば複合機1)が有する複数の機能を連携させることによって実行されてもよいし、上記のように複数の機器(例えばPC2と複合機1)が有する複数の機能を連携させることによって実行されてもよい。また、操作指示を出している端末装置(本実施の形態では、端末1)が有する機能を連携機能の一部として利用するようにしてもよい。
【0068】
連携機能は、ハードウェアとしての機器を利用せずに実行される機能であってもよい。例えば、連携機能は、いずれかの機器にインストールされている複数のソフトウェアを連携させることによって実行される機能であってもよい。もちろん、連携機能は、ハードウェアとしての機器が有する機能と、ソフトウェアによって実現される機能と、を連携させることによって実行される機能であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 ハブ、11 受付処理部、12 機器情報取得部、13,21,31 通信部、14,22,33 制御部、15,23,34 記憶部、20 機器、30 端末、32 ユーザインターフェース(UI)部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6