(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】箱搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
B65G47/52 E
(21)【出願番号】P 2018028756
(22)【出願日】2018-02-21
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 勝
(72)【発明者】
【氏名】河邉 聡
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-136715(JP,A)
【文献】特開2015-171939(JP,A)
【文献】特開2014-201426(JP,A)
【文献】米国特許第05513936(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52
B65G 47/56-47/62
B65G 47/66
B66F 19/00-19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下り勾配の搬入コンベヤにより搬入された空箱を受け取る受け取り位置と、前記空箱に物品が箱詰めされた実箱を、下り勾配の搬出コンベヤに送り出す送り出し位置との間で昇降可能に設けられた箱載置台と、
液体が貯留されたシリンダ内に上下方向へ摺動可能に配置され、前記箱載置台の下降に際し上方へ摺動し、かつ前記箱載置台の上昇に際し下方へ摺動するように、ケーブル及び滑車を介して前記箱載置台に接続された錘と
を備え
、
前記搬出コンベヤは、前記空箱及び前記実箱の幅よりも狭い幅を有しており、
前記送り出し位置で前記箱載置台から前記搬出コンベヤに送り出された前記実箱は、同実箱の幅方向における両側部を前記搬出コンベヤから突出させた状態で搬送されるものであり、
前記搬出コンベヤ上の前記実箱を運び出すための台車がさらに設けられており、
前記台車は、前記搬出コンベヤの幅方向に互いに離間した状態で、前記搬出コンベヤによる物品の搬送方向に沿って延びる一対の荷台部を備えており、
前記荷台部は、前記搬出コンベヤの幅方向における両側部に形成された収容部に収容されることにより、前記搬出コンベヤ上の前記実箱の前記幅方向における両側部の下方に位置する箱搬送装置。
【請求項2】
前記箱載置台の上昇に際し前記錘が下方へ摺動するときには、前記箱載置台の下降に際し前記錘が上方へ摺動するときよりも前記錘が前記液体から受ける抵抗を小さくする抵抗可変機構をさらに備える請求項1に記載の箱搬送装置。
【請求項3】
前記抵抗可変機構は、
前記錘から垂下するシャフトと、
前記シャフトに固定され、かつ上下方向に貫通する連通孔を有する弁座部材と、
前記錘と前記弁座部材との間に上下方向へ移動可能に配置された弁体と
を備える請求項2に記載の箱搬送装置。
【請求項4】
前記液体として水及び油が用いられている請求項1~3のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【請求項5】
前記ケーブルを第1ケーブルとし、前記滑車を第1滑車とした場合、
前記箱載置台に設けられ、かつ前記箱載置台とともに昇降する被受け止め部と、
軸により支持され、かつ操作されることにより前記軸を支点として傾動する起動レバーと、
前記起動レバーに対し、第2ケーブル及び第2滑車を介して接続され、自身の一部が前記被受け止め部の昇降経路に位置して前記被受け止め部を下側から受け止めることにより前記箱載置台を前記受け取り位置に保持する保持姿勢と、前記一部が前記昇降経路から後退することにより前記保持を解除する保持解除姿勢との間で少なくとも傾動するストッパと
を備え、
前記ストッパは、前記起動レバーの非操作時には保持姿勢を採り、前記起動レバーの操作時には、前記起動レバーの傾動が前記第2ケーブル及び前記第2滑車を介して伝達されることにより、前記保持姿勢から前記保持解除姿勢に姿勢を切り替えられる請求項1~4のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【請求項6】
前記搬入コンベヤにより搬送される前記空箱は、前記箱載置台に載せられた前記実箱の上に積み重ね可能に構成されており、
前記受け取り位置に対し前記空箱の高さ分低い箇所には上段箱詰め位置が設定され、
前記被受け止め部を第1被受け止め部とした場合、前記箱載置台において、前記第1被受け止め部に対し前記空箱の高さ分高い箇所には第2被受け止め部が設けられており、
前記ストッパは、前記保持姿勢を採ることで、前記一部が前記昇降経路に位置して前記第2被受け止め部を下側から受け止め、前記実箱の上に前記空箱が積み重ねられた状態の前記箱載置台を前記上段箱詰め位置に保持し、前記保持解除姿勢を採ることで、前記一部が前記昇降経路から後退して前記保持を解除する請求項5に記載の箱搬送装置。
【請求項7】
前記ケーブルを第1ケーブルとし、前記滑車を第1滑車とした場合、
軸により支持され、かつ自身の一部が、前記搬入コンベヤによる前記空箱の搬入経路に位置して前記搬入コンベヤから前記箱載置台への空箱の移動を規制する移動規制姿勢と、前記一部が前記搬入経路から後退することにより前記規制を解除する移動規制解除姿勢との間で揺動する移動規制部材と、
一端が移動不能に固定され、かつ他端が前記移動規制部材に接続された第3ケーブルと、
前記箱載置台に取付けられ、かつ前記箱載置台とともに昇降することで、前記第3ケーブルに接近及び離間する従動部材と
をさらに備え、
前記移動規制部材は、前記軸の周りの重量バランスにより、前記移動規制姿勢を採る側へ付勢されており、
前記従動部材は、前記箱載置台の上昇に伴い前記第3ケーブルを押圧し、前記受け取り位置で前記移動規制部材を前記移動規制解除姿勢にする請求項1~6のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【請求項8】
軸により前記搬出コンベヤに支持され、かつ自身の一部が、前記搬出コンベヤによる前記実箱の搬出経路に位置して前記搬出コンベヤからの搬出を規制する搬出規制姿勢と、前記一部が前記搬出経路から後退することにより前記規制を解除する搬出規制解除姿勢との間で揺動する搬出規制部材をさらに備え、
前記搬出規制部材は、前記軸の周りの重量バランスにより、前記搬出規制姿勢を採る側へ付勢されており、
前記搬出コンベヤと前記台車との間には、前記荷台部が前記収容部へ押込まれる際の前記荷台部の動きを前記搬出規制部材に伝達して、同搬出規制部材を前記搬出規制解除姿勢にする伝達機構が設けられている請求項
1~7のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【請求項9】
各荷台部の前記収容部に対する押し込み方向における前方の端部には、棒状をなす可倒部材が軸により傾動可能に支持されており、
前記可倒部材は、前記軸の周りの重量バランスにより、鉛直方向に延びる起立姿勢を採る側へ付勢されており、
前記可倒部材が前記起立姿勢を採ったとき、同可倒部材の少なくとも上端部は、前記搬出コンベヤによる前記実箱の搬出経路に突出し、
前記可倒部材は、起立姿勢の前記可倒部材において前記軸よりも上側部分が、前記押し込み方向における後方へ傾動することを許容され、かつ前方へ傾動することを規制されている請求項
1~8のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【請求項10】
前記箱載置台において、前記空箱又は前記実箱が載せられる箇所は、軸により揺動可能に支持された載置部により構成されており、
前記受け取り位置では、前記載置部を前記搬入コンベヤから遠ざかるに従い低くなるように傾斜する空箱受け取り姿勢にし、かつ前記送り出し位置では、前記載置部を前記搬出コンベヤから遠ざかるに従い高くなるように傾斜する実箱送り出し姿勢にする姿勢切り替え機構がさらに設けられている請求項1~
9のいずれか1項に記載の箱搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の箱詰め作業に用いられる箱搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の箱詰め作業に際し、動力手段を用いずに空箱を搬入し、箱詰めされた実箱を、動力手段を用いずに搬出するようにした箱搬送装置が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
この箱搬送装置は、箱載置台及び錘を備えている。箱載置台は、下り勾配の搬入コンベヤにより搬入された空箱を受け取る受け取り位置と、空箱に物品が箱詰めされた実箱を、下り勾配の搬出コンベヤに送り出す送り出し位置との間に昇降可能に設けられている。錘は、箱載置台の下降に際し上方へ移動し、かつ箱載置台の上昇に際し下方へ移動するように、ケーブル及び滑車を介して箱載置台に接続されている。
【0004】
上記箱搬送装置によれば、箱載置台を錘、ケーブル及び滑車によって昇降させるので、動力手段を使用しない安価な機構により、箱詰め作業を行なうことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に記載された従来の箱搬送装置では、空箱に詰められる物品が、それまでよりも重い物品に切り替えられた場合、箱載置台が速く下降し、箱詰めされた物品の品質に影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、箱詰めの対象となる物品が重い物品に切り替えられた場合であっても、箱載置台をゆっくり下降させることのできる箱搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する箱搬送装置は、下り勾配の搬入コンベヤにより搬入された空箱を受け取る受け取り位置と、前記空箱に物品が箱詰めされた実箱を、下り勾配の搬出コンベヤに送り出す送り出し位置との間で昇降可能に設けられた箱載置台と、液体が貯留されたシリンダ内に上下方向へ摺動可能に配置され、前記箱載置台の下降に際し上方へ摺動し、かつ前記箱載置台の上昇に際し下方へ摺動するように、ケーブル及び滑車を介して前記箱載置台に接続された錘とを備える。
【0009】
上記の構成によれば、箱載置台は、下り勾配の搬入コンベヤにより搬入された空箱を受け取り位置で受け取る。作業者は、箱載置台上の空箱に物品を箱詰めする。箱載置台は、物品が箱詰めされた実箱が載せられた状態となる。
【0010】
上記箱載置台に対しては、ケーブル及び滑車を介して接続された錘の重量により上方へ向かう力が作用する。また、箱載置台に対しては、箱載置台自体の重量と、その箱載置台上の実箱の重量とにより下方へ向かう力が作用する。後者の力が前者の力に打ち勝つことにより、実箱が載せられた箱載置台は、錘を上方へ摺動させながら下降する。シリンダ内の液体は、錘が上方へ摺動して箱載置台が下降する際の抵抗となる。そのため、箱詰めの対象となる物品が重い物品に切り替えられた場合であっても、単に錘がケーブル及び滑車を介して箱載置台に接続された従来の箱搬送装置よりも、箱載置台をゆっくり下降させることが可能となる。
【0011】
箱載置台は、送り出し位置まで下降すると、実箱を下り勾配の搬出コンベヤに送り出す。送り出された実箱は搬出コンベヤによって搬出される。
実箱が送り出された箱載置台に対しては、実箱の重量により下方へ向かう力が作用しなくなる。錘がシリンダ内を下方へ摺動することで、ケーブル及び滑車を介して接続された箱載置台を上昇させる。箱載置台は、受け取り位置まで上昇すると、搬入コンベヤにより搬入された新たな空箱を受け取る。
【発明の効果】
【0012】
上記箱搬送装置によれば、箱詰めの対象となる物品が重い物品に切り替えられた場合であっても、箱載置台をゆっくり下降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態における箱搬送装置の概略側面図。
【
図2】一実施形態における箱載置台と、その周辺に配置された部材との関係を示す概略平面図。
【
図3】一実施形態における第1被受け止め部、第2被受け止め部及びストッパの位置関係を示す概略側面図。
【
図4】(a),(b)は、一実施形態における箱載置台の上昇に連動して移動規制部材が揺動させられる様子を説明する概略側面図。
【
図5】(a)は、一実施形態におけるシリンダ内部の構造を示す断面図、(b)は、
図5(a)の一部を拡大して示す部分断面図。
【
図6】一実施形態における抵抗可変機構の部分斜視図。
【
図7】一実施形態において、台車の荷台部が収容部に収容された状態を示す部分側面図。
【
図8】(a)は、一実施形態における台車の荷台部が収容部に収容された状態を示す概略平面図、(b)は台車の部分概略側面図。
【
図9】一実施形態において、搬出コンベヤと、荷台部が収容部から抜き出された台車との関係を示す概略平面図。
【
図10】一実施形態において、受け取り位置の箱載置台に実箱が載せられた状態を示す部分概略側面図。
【
図11】一実施形態において、実箱及び空箱が積み重ねられた箱載置台が上段箱詰め位置まで下降された状態を示す部分概略側面図。
【
図12】
図11の箱載置台が送り出し位置まで下降された状態を示す概略側面図。
【
図13】
図12の箱載置台における載置部が傾動されて実箱送り出し姿勢にされた状態を示す部分概略側面図。
【
図14】
図13において、2段に積み重ねられた実箱が載置部から搬出コンベヤに送り出される状態を示す部分概略側面図。
【
図15】
図14の実箱が搬出コンベヤへ送り出された箱載置台が上昇する途中の状態を示す部分概略側面図。
【
図16】
図15の箱載置台が受け取り位置まで上昇した状態を示す部分概略側面図。
【
図17】一実施形態において、実箱が貯められた搬出コンベヤと、収容部に荷台部が押込まれる前の台車との関係を示す概略側面図。
【
図18】
図17における荷台部が収容部へ押込まれるときの可倒部材及び搬出規制部材の状態を示す部分概略側面図。
【
図19】
図18における荷台部が収容部へさらに押込まれたときの可倒部材及び搬出規制部材の状態を示す部分概略側面図。
【
図20】一実施形態において、荷台部の収容部からの引き出しに伴い、搬出コンベヤから実箱が台車に移載される様子を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、箱搬送装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、箱搬送装置の各部の位置関係を特定するために、箱詰め作業をする作業者を基準とし、箱詰めの際に作業者が向く方向を前とする。また、作業者から見た場合の上下左右を、箱搬送装置の上下左右とする。
【0015】
図1に示すように、箱搬送装置10は、部品、材料、製品等の各種の物品11を箱12に詰める箱詰め作業を行なう際に用いられるものである。箱12は、箱本体13及び蓋14を備えており、積み重ねることができる形状に形成されている。本実施形態では、物品11が詰められる前の空の状態の箱を「空箱15」といい、物品11が詰められた状態の箱を「実箱16」というものとする。
【0016】
箱搬送装置10は、コンベヤ等を配置するためのフレーム17を備えている。フレーム17には、下り勾配の一対の搬入コンベヤ18,21と、下り勾配の搬出コンベヤ22とが取付けられている。いずれの搬入コンベヤ18,21もローラコンベヤによって構成されており、後側(
図1の右側)ほど低くなるように傾斜している。
【0017】
空箱15は、上側の搬入コンベヤ18に投入されると、自重により後方へ向けて移動する。上側の搬入コンベヤ18の後端部には、二点鎖線で示す係止片19が設けられている。係止片19は、後方へ向けて移動する空箱15を受け止める機能を有している。この係止片19により、上側の搬入コンベヤ18上に複数の空箱15を貯めることが可能である。また、これらの空箱15は、フレーム17の後方から順に作業者P1(
図2参照)が把持して取り出すことが可能である。
【0018】
下側の搬入コンベヤ21は、上側の搬入コンベヤ18の下方に配置されている。両搬入コンベヤ18,21の間隔は、箱12の上下方向の寸法よりも大きく設定されている。空箱15は、下側の搬入コンベヤ21に投入されると、自重により後方へ向けて移動する。
【0019】
図1及び
図9に示すように、搬出コンベヤ22は、下側の搬入コンベヤ21の下方に配置されている。搬出コンベヤ22は、互いに左右方向に離間した状態で前後方向へ延びる一対のローラコンベヤ20を備えており、前側ほど低くなるように傾斜している。下側の搬入コンベヤ21と搬出コンベヤ22との間隔は、最も狭いところでも2段に積み重ねられた実箱16の上下方向の寸法よりも大きく設定されている。両実箱16は、搬出コンベヤ22に投入されると、自重により前方へ向けて移動する。
【0020】
ここで、左右方向の寸法を幅とすると、搬出コンベヤ22は、
図9において二点鎖線で示す実箱16の幅W2よりも狭い幅W1を有している。搬出コンベヤ22の幅W1は、左側のローラコンベヤ20の左側面と、右側のローラコンベヤ20の右側面との間の寸法である。搬出コンベヤ22は、箱搬送装置10の幅方向については、次の条件を満たす箇所に配置されている。その条件とは、後述する箱載置台27から送り出された実箱16の幅方向における中間部分でその実箱16を受けることのできる位置である。そのため、箱載置台27から実箱16が搬出コンベヤ22に送り出されると、その実箱16は、同実箱16の幅方向における両側部を搬出コンベヤ22から突出させた状態で、同搬出コンベヤ22上を移動することとなる。
【0021】
搬出コンベヤ22には、前後方向に延びる搬出規制部材23が軸24により支持されている。搬出規制部材23において、軸24よりも前側部分、本実施形態では前端部からは、一対の係止ピン25が上方へ向けて突出している。
【0022】
搬出規制部材23は、
図1に示す搬出規制姿勢と、
図7に示す搬出規制解除姿勢との間で揺動する。搬出規制姿勢は、両係止ピン25が搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に位置して、実箱16の搬出コンベヤ22からの搬出を規制する姿勢である。また、搬出規制解除姿勢は、両係止ピン25が上記搬出経路から下方へ後退することにより、上記規制を解除する姿勢である。軸24は、搬出規制部材23の重心よりも前方へずれた箇所において同搬出規制部材23を支持している。搬出規制部材23は、軸24の周りの重量バランスにより、搬出規制姿勢を採る側へ付勢されている。
【0023】
図9に示すように、箱搬送装置10において、搬出コンベヤ22の幅方向における両側部は空間となっており、この空間は、後述する台車75の荷台部77を収容するための収容部26を構成している。
【0024】
図1及び
図2に示すように、フレーム17の後方には、受け取り位置と送り出し位置との間で昇降する箱載置台27が配置されている。
図1及び
図10に示す受け取り位置は、下側の搬入コンベヤ21により搬入された空箱15を受け取る位置であり、同搬入コンベヤ21の後方に設定されている。受け取り位置の高さは、箱載置台27上の空箱15が、作業者P1の腕の高さと同程度となる高さに設定されている。
図13に示す送り出し位置は、実箱16を搬出コンベヤ22に送り出す位置であり、同搬出コンベヤ22の後方に設定されている。
【0025】
受け取り位置と送り出し位置との間には、
図11に示す上段箱詰め位置が設定されている。上段箱詰め位置は、上記受け取り位置に対し空箱15の高さ分低い箇所に設定されている。
【0026】
箱詰め作業は、箱載置台27が受け取り位置にあるときに、その箱載置台27上の空箱15に対し行なわれる。また、箱詰め作業は、箱載置台27が上段箱詰め位置にあるときに、その箱載置台27上の上段の空箱15に対し行なわれる。
【0027】
図1及び
図2に示すように、箱載置台27は、フレーム28と、軸29によりフレーム28に揺動可能に支持された載置部31とを備えている。載置部31は、互いに左右方向に離間した状態で前後方向に延びる一対のローラコンベヤ32を備えている。
【0028】
載置部31を傾動させて、その載置部31の姿勢を切り替える姿勢切り替え機構33が設けられている。姿勢切り替え機構33は、箱載置台27の受け取り位置(
図1参照)では載置部31を空箱受け取り姿勢にし、箱載置台27の送り出し位置(
図13参照)では載置部31を実箱送り出し姿勢にする。
【0029】
図1に示す空箱受け取り姿勢は、載置部31が、後側ほど低くなるように、表現を変えると、下側の搬入コンベヤ21から遠ざかるに従い低くなるように傾斜する姿勢である。
図13に示す実箱送り出し姿勢は、載置部31が前側ほど低くなるように、表現を変えると、搬出コンベヤ22から遠ざかるに従い高くなるように傾斜する姿勢である。
【0030】
図1に示すように、姿勢切り替え機構33の一部はケーブル34によって構成されている。ケーブル34の一方の端部は、上記フレーム17の後下端部に繋がれている。ケーブル34の他方の端部は、上記載置部31の軸29よりも後方部分、例えば載置部31の後端部に繋がれている。ケーブル34としては、箱載置台27が受け取り位置(
図1参照)で空箱受け取り姿勢となるときに緊張状態となる長さを有するものが用いられている。従って、箱載置台27が受け取り位置まで上昇すると、ケーブル34が緊張することで、載置部31の後端部に対しケーブル34の張力が作用する。載置部31の後端部がケーブル34によって斜め前下方へ引っ張られ、同載置部31が後側ほど低くなるように傾動させられて、空箱受け取り姿勢にされる。また、緊張状態のケーブル34により、載置部31の上昇が規制される。
【0031】
姿勢切り替え機構33の一部は、載置部31の後端部から垂下する脚部35と、脚部35の下端部に支持されたローラ36とによって構成されている。脚部35は、箱載置台27が
図13の送り出し位置にあるときにローラ36が、箱搬送装置10の設置された地面G1に接触する長さを有している。こうした下端部にローラ36を有する脚部35は、載置部31の前端部には設けられていない。従って、箱載置台27が送り出し位置まで下降すると、ローラ36が地面G1に接触することで、載置部31の後端部に対し押上げ力が作用し、同載置部31が前側ほど低くなるように傾動させられて、実箱送り出し姿勢にされる。
【0032】
図1に示すように、箱搬送装置10は、2種類の錘37,41と、一方の錘41に付帯された抵抗可変機構46とを備えている。一方の錘37は、箱載置台27の下降に際し上方へ移動し、箱載置台27の上昇に際し下方へ移動するように、ケーブル38及び滑車39を介して箱載置台27に接続されている。錘37により、箱載置台27に対し上方へ向かう力が、ケーブル38及び滑車39を介して作用する。
【0033】
地面G1には、上下方向に延び、かつ上端が開放された有底円筒状のシリンダ44が設置されている。他方の錘41は、シリンダ44内に上下方向へ摺動可能に配置されている。錘41は、上下方向に延びる円柱状をなしており、箱載置台27の下降に際し上方へ摺動し、箱載置台27の上昇に際し下方へ摺動するように、第1ケーブル42及び第1滑車43を介して箱載置台27に接続されている。シリンダ44内には、液体45が貯留されている。液体45の大部分は水によって構成され、残部は油によって構成されている。錘41により、箱載置台27に対し上方へ向かう力が、第1ケーブル42及び第1滑車43を介して作用する。
【0034】
抵抗可変機構46は、箱載置台27の上昇に際し錘41が下方へ摺動するときには、箱載置台27の下降に際し錘41が上方へ摺動するときよりも錘41が液体45から受ける抵抗を小さくするための機構である。
【0035】
図5(a),(b)及び
図6に示すように、抵抗可変機構46は、シャフト47、弁座部材48及び弁体49を備えている。シャフト47は、錘41から垂下している。弁座部材48は円板状をなしており、自身の中心部分においてシャフト47の下端部に固定されている。弁座部材48の複数箇所には、それぞれ上下方向に貫通する連通孔48aがあけられている。弁体49は円板状をなしている。弁体49の中心部分にはシャフト47が挿通されている。弁体49は、錘41と弁座部材48との間に配置されており、シャフト47に沿って上下方向へ移動可能である。
【0036】
なお、錘41、弁座部材48及び弁体49は、いずれもシリンダ44の内径よりも僅かに小径に形成されており、シリンダ44の内壁面との間に液体45の流路を有している。
図1及び
図2に示すように、箱搬送装置10は、第1被受け止め部51、第2被受け止め部52、起動レバー53及びストッパ55を備えている。第1被受け止め部51は、箱載置台27のフレーム28に設けられており、箱載置台27と一緒に昇降する。第2被受け止め部52は、フレーム28において、上記第1被受け止め部51に対し空箱15の高さ分高い箇所に設けられており、箱載置台27と一緒に昇降する。
【0037】
起動レバー53は棒状をなしており、軸54により上記フレーム17に支持されている。起動レバー53は、
図2において実線で示すロック位置と、同
図2において二点鎖線で示すロック解除位置との間で傾動可能である。
【0038】
図1~
図3に示すように、ストッパ55は、フレーム17に対し軸56により支持された支持部材57と、支持部材57に対し軸58により支持され、かつ一部が支持部材57から突出する爪部59とを備えている。
【0039】
支持部材57は起動レバー53に対し、第2ケーブル61及び第2滑車62を介して接続されており、軸56を支点として上下方向へ傾動可能である。支持部材57に対しては、図示しない復帰ばねにより、同支持部材57を上方へ傾動させようとする付勢力が常に加えられている。また、ストッパ55は、支持部材57が、
図3において実線で示す位置よりも上方へ傾動するのを規制する規制機構(図示略)を備えている。
【0040】
爪部59は、支持部材57に対し、軸58を支点として上下方向へ傾動可能である。爪部59に対しては、図示しない復帰ばねにより、同爪部59を下方へ傾動させようとする付勢力が常に加えられている。ストッパ55は、爪部59が、両軸56,58を結ぶ線に沿って延びる姿勢よりも下方へ傾動するのを規制する規制機構(図示略)を備えている。
【0041】
ストッパ55は、3つの姿勢(保持姿勢、保持解除姿勢及び傾倒姿勢)を採る。保持姿勢は、
図3において実線で示すように、両軸56,58及び爪部59が前後方向に並ぶことにより、爪部59が、第1被受け止め部51及び第2被受け止め部52の昇降経路に位置する姿勢である。ストッパ55は、起動レバー53が
図2の実線に示すロック位置にあるときに上記保持姿勢を採る。ストッパ55は保持姿勢を採ることで、第1被受け止め部51を下側から受け止め、箱載置台27を
図1の受け取り位置に保持するとともに、第2被受け止め部52を下側から受け止め、箱載置台27を
図11の上段箱詰め位置に保持する。
【0042】
保持解除姿勢は、
図3において二点鎖線で示すように、軸58が軸56の斜め後下方に位置し、かつ爪部59が軸58の斜め後下方に位置するように並ぶことにより、爪部59が上記昇降経路から斜め前下方へ後退して、上記保持を解除する姿勢である。ストッパ55は、起動レバー53が
図2の二点鎖線に示すロック解除位置にあるときに上記保持解除姿勢を採る。
【0043】
傾倒姿勢は、軸58が軸56の後方に位置し、かつ爪部59が、
図3において太い二点鎖線で示すように、後側ほど高くなるように傾斜する姿勢である。ストッパ55は、起動レバー53が
図2の実線に示すロック位置にあり、かつ第1被受け止め部51又は第2被受け止め部52が上昇過程で爪部59に対し下側から当たったときに傾倒姿勢を採る。
【0044】
図1及び
図4(a),(b)に示すように、箱搬送装置10は、移動規制部材63、第3ケーブル67及び従動部材68を備えている。移動規制部材63は、前後方向に延びており、下側の搬入コンベヤ21の後部に対し、又はフレーム17のうち同後部の近くの箇所に対し、軸64により支持されている。
【0045】
移動規制部材63は、前係止ピン65及び後係止ピン66を備えている。前係止ピン65は、移動規制部材63の軸64よりも前方の箇所から上方へ突出している。後係止ピン66は移動規制部材63の軸64よりも後方の箇所から上方へ突出している。
【0046】
移動規制部材63は、
図4(a)に示す移動規制姿勢と、
図4(b)に示す移動規制解除姿勢との間で揺動する。移動規制姿勢は、後係止ピン66が下側の搬入コンベヤ21による空箱15の搬入経路に位置して、搬入コンベヤ21上の空箱15のうち、最も後ろに位置するものが箱載置台27へ移動するのを規制する姿勢である。従って、移動規制部材63が移動規制姿勢を採ったときには、搬入コンベヤ21上の他の空箱15も後方への移動を規制される。なお、移動規制姿勢では、前係止ピン65は上記搬入経路から下方へ後退する。
【0047】
また、移動規制解除姿勢は、後係止ピン66が上記搬入経路から下方へ後退することにより、上記規制を解除する姿勢である。移動規制解除姿勢では、前係止ピン65は上記搬入経路に位置する。従って、移動規制部材63が移動規制解除姿勢を採ったときには、搬入コンベヤ21上の空箱15のうち、前係止ピン65よりも後方に位置するものが搬入コンベヤ21から箱載置台27へ移動することを許容され、前係止ピン65よりも前方に位置するものが同前係止ピン65によって後方への移動を規制される。
【0048】
軸64は、移動規制部材63の重心よりも後方へずれた箇所において同移動規制部材63を支持している。こうした支持により、移動規制部材63は、軸64の周りの重量バランスにより、移動規制姿勢を採る側へ付勢されている。
【0049】
第3ケーブル67の一方の端部はフレーム17に繋がれており、移動不能である。第3ケーブル67の他方の端部は、移動規制部材63において軸64よりも後方部分、本実施形態では後端部に繋がれている。
【0050】
従動部材68は滑車によって構成されており、箱載置台27に回転可能に取付けられている。従動部材68は箱載置台27とともに昇降することで、第3ケーブル67に接近及び離間する。そして、従動部材68は、箱載置台27の上昇に伴い第3ケーブル67を下側から押圧し、箱載置台27の受け取り位置で移動規制部材63を移動規制解除姿勢にする。
【0051】
図1に示すように、フレーム17において、搬出コンベヤ22の前端部の上方には、拘束バー69が軸71により上下方向へ傾動可能に支持されている。この拘束バー69は、下方へ傾動されることで、後述する台車75の把持部76に係止されて、同把持部76を拘束するものである。
【0052】
図7~
図9に示すように、箱搬送装置10は、搬出コンベヤ22上の実箱16を運び出すための台車75をさらに備えている。なお、
図7では、搬出コンベヤ22の周辺箇所、例えば、搬入コンベヤ18,21、箱載置台27等の図示が省略されている。この点は、後述する
図17及び
図20についても同様である。
【0053】
台車75は、把持部76、一対の荷台部77及び複数の車輪78を備えている。両荷台部77は、搬出コンベヤ22の幅方向に互いに離間した状態で、前後方向へ延びている。両荷台部77は、上述した搬出コンベヤ22の幅方向両側における、対応する収容部26に収容されることにより、搬出コンベヤ22上の実箱16の幅方向における両側部の下方に位置する。把持部76は、台車75を移動させる際に把持される箇所であり、台車75の前端部に配置されている。車輪78は、台車75の底部に配置されている。
【0054】
図18及び
図19に示すように、搬出コンベヤ22と台車75との間には、両荷台部77が収容部26へ押込まれる際の同荷台部77の動きを、搬出規制部材23に伝達して、同搬出規制部材23を搬出規制解除姿勢にする伝達機構81が設けられている。
【0055】
伝達機構81の一部は、搬出規制部材23において軸24よりも前方、本実施形態では、搬出規制部材23の前端部に取付けられたローラ82によって構成されている。各荷台部77の下面のうち、後端部を除く部分は、水平面83によって構成されている。水平面83の高さは、搬出規制部材23が
図19の搬出規制解除姿勢にされたときのローラ82の最も高い位置と同程度の高さとなるように設定されている。各荷台部77の下面における後端部は、後方ほど高くなるように傾斜する傾斜面84によって構成されている。傾斜面84の前端は、水平面83に繋がっている。これらの水平面83及び傾斜面84は、上記ローラ82とともに伝達機構81を構成している。
【0056】
図7~
図9に示すように、各荷台部77の後端部には、棒状をなす可倒部材85が軸86により傾動可能に支持されている。各可倒部材85が支持された箇所は、各荷台部77を収容部26に収容する際に押込む方向の前方の端部に相当する。可倒部材85毎の軸86は、同可倒部材85の重心よりも上方へずれた箇所において同可倒部材85を支持している。こうした支持により、各可倒部材85は、軸86の周りの重量バランスにより、鉛直方向に延びる起立姿勢を採る側へ付勢されている。各可倒部材85の少なくとも上端部は、同可倒部材85が起立姿勢を採ったとき、搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に突出する。
【0057】
各可倒部材85と、対応する荷台部77との間には、起立姿勢の可倒部材85において軸86よりも上側部分が後方へ倒れるのを規制する規制機構(図示略)が設けられている。
【0058】
次に、上記のように構成された本実施形態の箱搬送装置10の作用及び効果について説明する。
図1は、箱詰め作業を開始するときの箱搬送装置10の基準となる状態を示している。台車75は、両荷台部77が収容部26から引き出された状態となっているものとする。
【0059】
起動レバー53が
図2の実線で示すロック位置にあり、ストッパ55が
図3の実線で示す保持姿勢を採っている。ストッパ55の爪部59は、第1被受け止め部51及び第2被受け止め部52の昇降経路に位置し、第1被受け止め部51を下方から受け止めている。この受け止めにより、箱載置台27が受け取り位置に保持されている。箱載置台27の載置部31上には、下側の搬入コンベヤ21により搬入された空箱15が載せられている。箱載置台27における第2被受け止め部52は、第1被受け止め部51に対し空箱15の高さ分高い箇所に位置している。
【0060】
上記受け取り位置では、
図4(b)に示すように、第3ケーブル67が従動部材68によって上方へ押圧されることで、移動規制部材63が移動規制解除姿勢を採っている。この移動規制解除姿勢では、後係止ピン66が搬入経路から下方へ後退し、前係止ピン65が搬入経路に位置している。下側の搬入コンベヤ21上の前係止ピン65よりも前方に位置している空箱15は、前係止ピン65によって後方への移動を規制されている。
【0061】
図1に示すように、載置部31の後端部が緊張状態のケーブル34によって斜め前下方へ引っ張られ、同載置部31が後側ほど低くなるように傾斜した空箱受け取り姿勢にされている。
【0062】
錘37,41は可動範囲のうち最も低い箇所に位置している。
軸24の周りの重量バランスにより搬出規制姿勢を採る側へ付勢されている搬出規制部材23では、係止ピン25が搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に位置する搬出規制姿勢を採っている。
【0063】
このとき、箱載置台27に対しては、ケーブル38及び滑車39を介して接続された錘37の重量により、上方へ向かう力が作用している。また、箱載置台27に対しては、第1ケーブル42及び第1滑車43を介して接続された錘41の重量と、抵抗可変機構46の重量とにより、上方へ向かう力が作用している。
【0064】
また、箱載置台27に対しては、箱載置台27自体の重量と、その箱載置台27上の空箱15の重量とにより下方へ向かう力が作用している。
前者の力は後者の力に打ち勝っている。ただし、ケーブル34が緊張状態となっているため、箱載置台27は受け取り位置に保持され続ける。
【0065】
図1及び
図2に示すように、作業者P1により、空箱15から蓋14が取り外され、物品11が箱本体13内に詰められる。このとき、箱載置台27上の空箱15が作業者P1の腕の高さと同程度の高さに位置しているため、作業者P1は、楽な姿勢で物品11を空箱15に箱詰めすることができ、箱詰め作業がしやすい。
【0066】
また、このときには、載置部31は、搬入コンベヤ21から遠ざかるに従い、表現を変えると、作業者P1に近付くに従い低くなるように傾斜した空箱受け取り姿勢を採っている。載置部31上の空箱15は、作業者P1側に傾いた状態となっている。そのため、作業者P1は、この点においても箱詰め作業がしやすい。
【0067】
空箱15に物品11が詰められていくに従い、箱載置台27に加わる物品11の重量が増加していく。ただし、
図3の実線で示す保持姿勢のストッパ55により、第1被受け止め部51が下側から受け止められるため、箱載置台27は受け取り位置に保持される。
【0068】
空箱15に規定数の物品11が詰められると、作業者P1により、箱本体13に蓋14が被せられる。箱載置台27は、1つの実箱16が載せられた状態となる。
続いて、作業者P1により、
図10において二点鎖線の矢印で示すように、上側の搬入コンベヤ18上の空箱15のうち、最も後方に位置しているものが取り出され、これが箱載置台27上の実箱16の上に積み重ねられる。実箱16の高さの分、空箱15が高所に位置することとなり、この空箱15に対する箱詰め作業がしづらくなる。
【0069】
そこで、空箱15を箱詰め作業に適した高さまで下降させるために、作業者P1により起動レバー53が操作されて、同起動レバー53が
図2の実線で示すロック位置から
図2の二点鎖線で示すロック解除位置側へ傾動される。起動レバー53の傾動は、第2ケーブル61及び第2滑車62を介してストッパ55に伝達される。ストッパ55は、
図3の実線で示す保持姿勢から
図3の二点鎖線で示す保持解除姿勢に姿勢を切り替えられ、爪部59が昇降経路から後退する。
【0070】
ストッパ55による箱載置台27の上記保持が解除されて、第1被受け止め部51を下側から受け止めるものがなくなる。一方で、箱載置台27上に実箱16が載せられているために、箱載置台27に対し作用する力のうち、下方へ向かう力が上方へ向かう力よりも大きい。そのため、
図11に示すように、実箱16及び空箱15が積み重ねられた状態の箱載置台27は、錘37,41を上方へ引上げながら下降する。
【0071】
また、このときには、載置部31は空箱受け取り姿勢を維持しながら下降する。
錘41の上方への摺動は、錘41がシリンダ44内の液体45から抵抗を受けながらなされる。しかも、
図5(a),(b)及び
図6に示すように、抵抗可変機構46では、弁体49が弁座部材48に接近し、液体45が連通孔48aを流れにくくなる。弁体49が弁座部材48に接触すると連通孔48aが塞がれ、液体45が連通孔48aを流れることが規制される。錘41が液体45から受ける抵抗が大きくなる。そのため、箱載置台27をゆっくり下降させることができる。
【0072】
なお、
図11に示すように、搬入コンベヤ18の上側において、空箱15が取り出されることにより生じた空きスペースに対しては、それよりも前方に位置していた別の空箱15が自重により移動してくる。
【0073】
箱載置台27の下降とともに第1被受け止め部51及び第2被受け止め部52が下降する。
箱載置台27の下降に伴いケーブル34が緩む。また、
図4(a)に示すように、従動部材68が下降し、同従動部材68が第3ケーブル67を上方へ押圧する力が弱まり、同第3ケーブル67が緩む。軸64の周りの重量バランスにより付勢された移動規制部材63は、傾動することにより移動規制姿勢に切り替わる。後係止ピン66が搬入コンベヤ21による空箱15の搬入経路に入り込んで、搬入コンベヤ21上の空箱15のうち、最も後ろに位置するものが搬入コンベヤ21から箱載置台27へ移動するのを規制する。これに伴い、搬入コンベヤ21上の他の空箱15も後方への移動を規制される。
【0074】
図11に示すように、箱載置台27の上記下降により第1被受け止め部51はストッパ55よりも低くなるが、第2被受け止め部52はストッパ55よりも高所に位置する。
一方で、起動レバー53から手が離されると、第2ケーブル61及び第2滑車62を介して支持部材57を引っ張る力が消失する。復帰ばねの付勢力により、ストッパ55は
図3の二点鎖線で示す保持解除姿勢から、
図3の実線で示す保持姿勢に復帰される。
図11に示すように、保持姿勢のストッパ55の爪部59は、上記昇降経路に位置し、下降してくる第2被受け止め部52を下側から受け止める。この受け止めにより、箱載置台27が、受け取り位置に対し空箱15の高さ分低い上段箱詰め位置に保持される。実箱16上の空箱15は、第1被受け止め部51がストッパ55により下側から受け止められて、箱載置台27が受け取り位置に保持された場合のその箱載置台27上の実箱16(
図10参照)の高さと同じ高さ、すなわち、箱載置台27上の空箱15が作業者P1の腕の高さと同程度の高さに位置する。そのため、作業者P1は、空箱15から蓋14を取り外し、物品11を箱本体13内に詰め、蓋14を箱本体13に被せる作業を、楽な姿勢で行なうことができる。
【0075】
また、このときには、載置部31は空箱受け取り姿勢を採っており、載置部31上の空箱15は、作業者P1側に傾いた状態となっている。そのため、作業者P1は、空箱15に物品11を箱詰めする作業がしやすい。
【0076】
保持解除姿勢から保持姿勢へのストッパ55の動きは、第2ケーブル61及び第2滑車62を介して起動レバー53に伝達される。起動レバー53は、
図2の二点鎖線で示すロック解除位置から、
図2の実線で示すロック位置へ戻される。
【0077】
空箱15に物品11が詰められていくに従い、箱載置台27に加わる物品11の重量が増加する。ただし、保持姿勢のストッパ55により、第2被受け止め部52が下側から受け止められているため、箱載置台27は上段箱詰め位置に保持され続ける。
【0078】
作業者P1により起動レバー53が操作されて、
図2の実線で示すロック位置から、
図2の二点鎖線で示すロック解除位置側へ傾動されると、ストッパ55の姿勢が、
図3の実線で示す保持姿勢から、
図3の二点鎖線で示す保持解除姿勢に切り替えられて、ストッパ55の爪部59が上記昇降経路から後退する。ストッパ55による箱載置台27の上記保持が解除されて、第2被受け止め部52を下側から受け止めるものがなくなる。一方で、箱載置台27に対し作用する力のうち、下方へ向かう力は、増加した実箱16の重量の分だけ増大している。下方へ向かう力と上方へ向かう力との差が拡大する。そのため、
図12に示すように、実箱16が2段に積み重ねられた状態の箱載置台27は、錘37,41を上方へ引上げながら下降する。
【0079】
このときにも、箱載置台27が受け取り位置から上段箱詰め位置へ下降するときと同様に、シリンダ44内の液体45は、錘41が上方へ摺動して箱載置台27が下降する際の抵抗となる。また、抵抗可変機構46では、弁体49が弁座部材48に接近又は接触し、液体45が連通孔48aを流れることが規制され、錘41が液体45から受ける抵抗が大きくなる。そのため、箱載置台27をゆっくり下降させることができる。
【0080】
箱載置台27の下降に伴い、ローラ36が地面G1に接触すると、載置部31の後端部に対し押上げ力が作用する。
図13に示すように、載置部31が前側ほど低くなるように傾動させられ、載置部31が実箱送り出し姿勢に切り替えられる。表現を変えると、載置部31は、搬出コンベヤ22側に傾いた状態となる。そのため、載置部31上に2段で積み重ねられた実箱16を、
図14に示すように搬出コンベヤ22にスムーズに送り出すことができる。
【0081】
箱載置台27から両実箱16が搬出コンベヤ22に送り出されると、両実箱16は、
図9において二点鎖線で示すように、幅方向における両側部を搬出コンベヤ22から突出させた状態で、搬出コンベヤ22上を前方へ向けて移動する。この方向は、下側の搬入コンベヤ21による空箱15の搬入方向とは逆方向である。
【0082】
このときには、
図1に示すように、搬出規制部材23が搬出規制姿勢を採っており、両係止ピン25の上端部が搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に位置している。そのため、実箱16が搬出コンベヤ22の前端よりも前方へ移動することが規制される。実箱16は搬出コンベヤ22上に貯められる。
【0083】
搬出コンベヤ22上の実箱16を運び出すときには台車75が用いられる。このとき、拘束バー69は、上方へ傾動されて、
図1に示す傾斜状態にされる。
ここで、
図9に示すように、台車75では、一対の荷台部77が、搬出コンベヤ22の幅方向に互いに離間した状態で前後方向へ延びている。また、
図7に示すように、各荷台部77に対し軸86により傾動可能に支持された可倒部材85は、軸86の周りの重量バランスにより付勢されて、起立姿勢を採っている。各可倒部材85は、起立姿勢の可倒部材85において軸86よりも上側部分が前方へ傾動することを許容され、かつ後方へ傾動することを規制されている。一方、
図9に示すように、搬出コンベヤ22の幅方向における両側部には、荷台部77を収容するための収容部26が形成されている。そのため、台車75の荷台部77が対応する収容部26に収容されることで、各荷台部77が、搬出コンベヤ22上の実箱16の幅方向における両側部の下方に位置する。
【0084】
また、上記収容に際し、台車75における荷台部77が、対応する収容部26に押込まれるときには、その荷台部77の動きが搬出規制部材23に伝達され、同搬出規制部材23が搬出規制解除姿勢にされる。
【0085】
すなわち、
図17及び
図18に示すように、各荷台部77が、対応する収容部26に押込まれるに従い、同荷台部77の下面における傾斜面84及び水平面83によって、搬出規制部材23のローラ82が下方へ押圧される。この押圧により、
図19に示すように、搬出規制部材23が傾動されて搬出規制解除姿勢にされる。搬出規制解除姿勢では、両係止ピン25のうち、実箱16の搬出経路に位置していた部分が同搬出経路から下方へ後退する。そのため、搬出コンベヤ22上の実箱16の台車75への移動が可能となる。
【0086】
また、
図18に示すように、各荷台部77が、対応する収容部26に押込まれる際には、起立姿勢の各可倒部材85において、搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に突出している部分(上部)が実箱16に当たる。可倒部材85は、当たった実箱16から、同可倒部材85を傾動させようとする力を受ける。
図19に示すように、起立姿勢の各可倒部材85において軸86よりも上側部分が前方へ傾動する。この傾動により、各可倒部材85は、実箱16の搬出経路から後退する。そのため、各可倒部材85が各荷台部77の収容部26への押し込みの障害となりにくく、各荷台部77を、対応する収容部26に収容することが可能となる。
【0087】
図20に示すように、各荷台部77の収容部26への押し込みにより、各可倒部材85が搬出コンベヤ22上の最も後方の実箱16よりも後方まで移動すると、可倒部材85は、これを傾動させようとする力を実箱16から受けなくなる。各可倒部材85は、軸86の周りの重量バランスにより起立姿勢になる。上述したように、各可倒部材85は、起立姿勢の可倒部材85において軸86よりも上側部分が後方へ傾動することを規制される。また、起立姿勢では、各可倒部材85の少なくとも上端部が実箱16の搬出経路に突出する。
【0088】
そのため、台車75が前方へ移動されて、各荷台部77が、対応する収容部26から引き出されると、それらの荷台部77と一緒に移動する可倒部材85によって、搬出コンベヤ22上の実箱16が前方へ押される。実箱16は搬出コンベヤ22から台車75の両荷台部77に移載される。各荷台部77の全体が収容部26から引き出されると、搬出コンベヤ22上の全ての実箱16が台車75に移載される。このように、荷台部77を前方へ移動させるだけで、搬出コンベヤ22上に2段で積み重ねられた実箱16を台車75に移し替えることが可能となり、移し替えの作業を効率よく簡単に行なうことができる。
【0089】
実箱16が搬出コンベヤ22へ送り出された箱載置台27に対しては、実箱16の重量により下方へ向かう力が作用しなくなる。錘41が液体45から抵抗を受けながら、自重によりシリンダ44内を下方へ摺動するとともに、錘37が下方へ移動することで、
図15に示すように、箱載置台27を上昇させる。
【0090】
このとき、抵抗可変機構46では、弁体49が弁座部材48から上方へ遠ざかり、液体45が連通孔48aを流れやすくなる。その分、錘41が液体45から受ける抵抗が小さくなる。このようにして、箱載置台27の上昇に際し錘41が下方へ摺動するときに同錘41が液体45から受ける抵抗は、箱載置台27の下降に際し錘41が上方へ摺動するときに同錘41が液体45から受ける抵抗よりも小さくなる。
【0091】
そのため、錘41が上方へ摺動するときと下方へ摺動するときとで液体45から受ける抵抗が同一である場合に比べ、錘41がシリンダ44内を下方へ摺動しやすくなる。従って、ケーブル38及び滑車39を介して錘37に接続されるとともに、第1ケーブル42及び第1滑車43を介して錘41に接続され、かつ実箱16が送り出された箱載置台27を、より速く上昇させることができる。
【0092】
箱載置台27が上昇すると、従動部材68、第1被受け止め部51及び第2被受け止め部52も箱載置台27と一緒に上昇する。第2被受け止め部52及び第1被受け止め部51の上昇は、これらがストッパ55の後方を通過するときに、同ストッパ55を、
図3の実線で示す保持姿勢から、
図3の太い二点鎖線で示す傾倒姿勢に傾動させることにより行なわれる。第2被受け止め部52及び第1被受け止め部51がストッパ55の後方を通過すると、ストッパ55は傾倒姿勢から保持姿勢に復帰させられる。
【0093】
箱載置台27の上記上昇に伴いケーブル34が引っ張られる。そして、
図16に示すように、箱載置台27が受け取り位置まで上昇すると、ケーブル34が緊張状態となる。載置部31の後端部が斜め前下方へ引っ張られ、空箱受け取り姿勢にされる。箱載置台27の上昇が停止されて、同箱載置台27が受け取り位置に保持される。
【0094】
また、従動部材68は、箱載置台27の上昇に伴い第3ケーブル67を押圧し、受け取り位置で移動規制部材63を、
図4(b)に示す移動規制解除姿勢に切り替える。移動規制解除姿勢では、それまで搬入経路に位置していた後係止ピン66が同搬入経路から下方へ後退する。搬入コンベヤ21上の空箱15のうち、それまで後係止ピン66によって移動を規制されていたものが、自重により搬入コンベヤ21から箱載置台27へ移動する。空箱15が載置部31上に載せられた状態になると、箱搬送装置10は、上述した
図1に示す基準の状態に戻る。そのため、作業者P1は、搬入コンベヤ21上の空箱15を把持して載置部31に載せる作業を行なわなくてもすむ。
【0095】
また、このときには、載置部31が後側ほど低くなるように傾斜した空箱受け取り姿勢を採っているため、空箱15が搬入コンベヤ21から載置部31へ移動しやすい。
また、移動規制解除姿勢では、前係止ピン65が上記搬入経路に進入する。従って、搬入コンベヤ21上の空箱15のうち、前係止ピン65よりも前方に位置するものは、同前係止ピン65によって後方への移動を規制される。
【0096】
ここで、移動規制部材63の上記揺動に際し、
図4(b)に示すように、従動部材68は第3ケーブル67の長さ方向における中間部分を押圧する。そのため、この際には、第3ケーブル67において従動部材68が接触した箇所を中心として、同第3ケーブル67の長さ方向の両側部分が押圧される。従って、従動部材68の移動量よりも多くの量だけ第3ケーブル67を引っ張って、効率よく移動規制部材63を揺動させることができる。
【0097】
ところで、箱詰めの対象となる物品11が、それまでよりも重い物品11に切り替えられた場合、箱載置台27に加わる物品11の重量が増加する。そのため、単に錘がケーブル及び滑車を介して箱載置台に接続された従来の箱搬送装置では、箱載置台が速く下降し、箱詰めされた物品の品質に影響を及ぼすおそれがある。
【0098】
しかし、液体45の貯留されたシリンダ44内に錘41が摺動可能に収容された本実施形態では、液体45は、錘41が上方へ摺動して載置部31が下降する際の抵抗となる。しかも、このときには、液体45が弁座部材48の連通孔48aを流れるのを弁体49により規制することで、錘41が液体45から受ける抵抗が大きくなる。
【0099】
そのため、箱載置台27が受け取り位置から上段箱詰め位置へ下降する際にも、上段箱詰め位置から送り出し位置へ下降する際にも、従来の箱搬送装置よりも箱載置台27をゆっくり下降させることができる。箱載置台27が速く下降することが原因で、箱詰めされた物品11の品質に影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0100】
本実施形態によると、上記事項以外にも、次の効果が得られる。
・
図1に示すシリンダ44内に液体45(水及び油)が貯留されると、水よりも比重の小さな油が水の上に浮く。この油は、空気が水に触れるのを規制する。そのため、シリンダ44内の水の蒸発を規制し、蒸発により水が減少する現象を抑制することができる。
【0101】
・
図7に示すように、搬出コンベヤ22の幅方向における両側部に形成された収容部26に荷台部77を配置することで、台車75を収容することができる。従って、台車75の置き場を別途設けなくてもすむ。
【0102】
各荷台部77が、対応する収容部26に収容された状態では、把持部76が搬出コンベヤ22の前方近傍に位置する。拘束バー69が
図7において実線で示すように下方へ傾動されることで、把持部76に係止される。この係止により、把持部76を拘束し、台車75の前方への移動を規制することができる。
【0103】
・
図1に示す搬入コンベヤ18,21と搬出コンベヤ22との間に箱載置台27を設け、その箱載置台27を、錘37,41による上方へ向かう力と、箱載置台27自体の重量及び実箱16等の重量による下方へ向かう力とによって昇降させている。そのため、動力手段を使用しない安価な機構により箱搬送装置10を構成することができる。
【0104】
また、実箱16を2段に積み重ねているため、同実箱16を効率よく搬送することができる。
・搬出コンベヤ22を、搬入コンベヤ18,21の下方に配置している。そして、搬出コンベヤ22により実箱16を、搬入コンベヤ18,21による空箱15の搬入方向(前→後)とは逆の方向(後→前)へ搬出している。そのため、箱搬送装置10の前後方向の寸法を小さくし、箱搬送装置10全体の設置スペースを縮小することができる。
【0105】
・搬入コンベヤ18,21、搬出コンベヤ22、及び箱載置台27の載置部31としてそれぞれローラコンベヤを用いているため、空箱15及び実箱16を滞りなくスムーズに移動させることができる。
【0106】
・各荷台部77が、対応する収容部26に収容されないときにも、搬出規制部材23の係止ピン25により実箱16を搬出コンベヤ22上に貯めた状態にしておくことができる。
【0107】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・ライン編成上の必要に応じ、搬出コンベヤ22が搬入コンベヤ21の下方に代えて、搬入コンベヤ21による空箱15の移動方向の前方に設置され、実箱16が空箱15の搬入方向と同じ方向へ搬出されてもよい。
【0108】
・搬入コンベヤ21の下方であることを条件に、搬出コンベヤ22が搬入コンベヤ18,21とは異なる方向へ延びるように設置されてもよい。
・搬入コンベヤ18,21、搬出コンベヤ22及び箱載置台27の載置部31の少なくとも1つとして、ローラコンベヤに代えて滑り板が用いられてもよい。
【0109】
・箱載置台27に対し上方へ向かう力を作用させる手段として、上記錘37、ケーブル38及び滑車39が省略されてもよい。
また、上記手段として、スプリングバランサが追加されてもよい。スプリングバランサは、ケースと、ケース内に回動可能に支持されてワイヤロープが巻回されたドラムと、ワイヤロープを巻取る回動方向へドラムを付勢するスプリングとを備えている。スプリングバランサでは、ワイヤロープに対する引張り力が所定値を超えると、スプリングの付勢力に抗してワイヤロープがケースから引き出され、引張り力が所定値を下回ると、スプリングの付勢力によりワイヤロープがケース内に巻き戻される。
【0110】
上記構成のスプリングバランサは、例えば、箱載置台27の上方に配置される。そして、スプリングバランサにおけるワイヤロープが箱載置台27に連結される。
・箱載置台27の載置部31上に1度に積載される空箱15及び実箱16の数が1又は3以上に変更されてもよい。
【0111】
上記数が1つの場合、第2被受け止め部52が省略されてもよい。
上記数が3つ以上の場合、箱載置台27において第1被受け止め部51と第2被受け止め部52との間に、新たな被受け止め部が設けられる。
【0112】
・液体45として、水のみが用いられてもよい。また、液体45として、水及び油とは異なる種類の液体が用いられてもよい。
・抵抗可変機構46における弁座部材48は、シャフト47の下端部よりも上方で同シャフト47に固定されてもよい。
【0113】
・台車75の不使用時には、箱詰め作業が行なわれる前から、各荷台部77が、対応する収容部26に収容されてもよい。
・可倒部材85が起立姿勢を採ったとき、同可倒部材85は、上端部だけでなく、同上端部を含む部分が、搬出コンベヤ22による実箱16の搬出経路に突出されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10…箱搬送装置、11…物品、15…空箱、16…実箱、18,21…搬入コンベヤ、22…搬出コンベヤ、23…搬出規制部材、24,54,86…軸、26…収容部、27…箱載置台、31…載置部、33…姿勢切り替え機構、41…錘、42…第1ケーブル、43…第1滑車、44…シリンダ、45…液体、46…抵抗可変機構、47…シャフト、48…弁座部材、48a…連通孔、49…弁体、51…第1被受け止め部、52…第2被受け止め部、53…起動レバー、55…ストッパ、61…第2ケーブル、62…第2滑車、63…移動規制部材、67…第3ケーブル、68…従動部材、75…台車、77…荷台部、81…伝達機構、85…可倒部材、W1,W2…幅。