(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】化粧シート及び化粧部材
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20220511BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B32B27/00 E
B32B27/30 A
(21)【出願番号】P 2018047221
(22)【出願日】2018-03-14
【審査請求日】2021-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】折原 隆史
(72)【発明者】
【氏名】冨永 孝史
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-069850(JP,A)
【文献】特開2004-225456(JP,A)
【文献】特開2002-225163(JP,A)
【文献】特開2006-123536(JP,A)
【文献】特開2004-017617(JP,A)
【文献】特開2004-155883(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0208275(US,A1)
【文献】特開2007-055222(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0196065(US,A1)
【文献】国際公開第01/53387(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の表面側に設けられた透明熱可塑性樹脂層と、
前記透明熱可塑性樹脂層の表面側に設けられた表面保護層と
、
最表面に設けられた凹凸模様と、を備えた化粧シートであって、
前記表面保護層は、第1表面保護層、及び前記第1表面保護層の表面側に設けられた第2表面保護層の少なくとも2層を有し、
前記第1表面保護層は、粒径が2μm以上10μm以下のフィラーを含み、
前記第2表面保護層は、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を含
み、
前記フィラーは、前記第1表面保護層及び前記第2表面保護層のうち、前記第1表面保護層にのみ含まれ、
前記第1表面保護層における前記フィラーの添加量は、前記第1表面保護層に含まれる有機固形分100重量部に対して5重量部以上30重量部以下であり、
前記凹凸模様は、凹凸の深さが10μm以下であることを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
室温25℃、湿度53%の環境下で、株式会社トリニティラボ製の静動摩擦測定器TL201Tsを用いて、前記表面保護層の表面に触覚接触子で荷重30gを与えつつ、前記触覚接触子を前記表面保護層の表面上を測定速度10mm/sで移動させて前記表面保護層の表面上の動摩擦係数を測定した場合に、前記動摩擦係数の測定結果が、0.24以上0.28以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
前記動摩擦係数の測定を複数回行った場合に、前記動摩擦係数の測定結果の分布の標準偏差が、0.2以上0.5以下となることを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
【請求項4】
木質系材料または金属系材料により形成された基板と、
前記基板の表面側に設けられた請求項1から
3の何れか1項に記載の化粧シートと、を備えることを特徴とする化粧部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧シート及び化粧部材に関する。
【背景技術】
【0002】
雨水や土埃等の自然の作用や使用者の不注意により化粧シートの表面に汚染物が付着することがある。そのため、化粧シートには、汚染物を容易に拭き取れて美観を維持できるように、汚染物が強固に付着し難い耐汚染性能が要求されてきた(特許文献1等参照。)。
しかし、近年、化粧シートには、耐汚染性能に優れることは勿論のこと、手等が触れたときに触り心地がよい触感性能に優れることも重要視されるようになってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、耐汚染性能及び触感性能に優れた化粧シート及び化粧部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)基材と、(b)基材の表面側に設けられた透明熱可塑性樹脂層と、(c)透明熱可塑性樹脂層の表面側に設けられた表面保護層と、(d)最表面に設けられた凹凸模様と、を備えた化粧シートであって、(d)表面保護層は、第1表面保護層、及び第1表面保護層の表面側に設けられた第2表面保護層の少なくとも2層を有し、(e)第1表面保護層は、粒径が2μm以上10μm以下のフィラーを含み、(f)第2表面保護層は、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を含み、(g)フィラーは、第1表面保護層及び第2表面保護層のうち、第1表面保護層にのみ含まれ、(h)第1表面保護層におけるフィラーの添加量は、第1表面保護層に含まれる有機固形分100重量部に対して5重量部以上30重量部以下であり、(i)凹凸模様は、凹凸の深さが10μm以下である化粧シートであることを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、(a)木質系材料又は金属系材料により形成された基板と、(b)基板の表面側に設けられた上記した化粧シートと、を備える化粧部材であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1表面保護層に含まれるフィラーによって、表面保護層の表面に凹凸を形成でき、化粧シートの触感性能を向上することができる。また第2表面保護層に含まれるシリコーン変性アクリルウレタン樹脂によって、表面保護層の表面に汚染物が強固に付着し難くすることができ、化粧シートの耐汚染性能を向上することができる。そのため、耐汚染性能及び触感性能に優れた化粧シート及び化粧部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
【0009】
(構成)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る化粧部材10は、基板11と、基板11の表面11a側に設けられた化粧シート13と、を備えている。
(基板)
基板11の材料としては、例えば、木質系材料、金属系材料を用いることができる。木質系材料としては、例えば、木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板を採用することができる。また、金属系材料としては、例えば、鋼板、真鍮板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス板を採用することができる。基板11と化粧シート13との間には、必要に応じて、例えば、接着剤層を設けてもよい。
【0010】
(化粧シート)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る化粧シート13は、基材136と、基材136の表面136a側に設けられた透明熱可塑性樹脂層132と、透明熱可塑性樹脂層132の表面132a側に設けられた表面保護層131と、を有する複層構成の化粧シートを形成している。化粧シート13の厚さは、40μm以上300μm以下が好ましい。
【0011】
(基材、透明熱可塑性樹脂層)
基材136、及び透明熱可塑性樹脂層132の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで基材に使用されている熱可塑性樹脂と同様のものを使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、6-ナイロン、6,6-ナイロン、6,10-ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン-テトラフロロエチレン共重合体、エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等、或いはこれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用することができる。
【0012】
また、基材136や透明熱可塑性樹脂層132に使用可能な熱可塑性樹脂として、多数の熱可塑性樹脂を挙げたが、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩素(ハロゲン)を含有する熱可塑性樹脂を使用することは望ましくなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。特に、各種物性や加工性、汎用性、経済性等の面からは、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂(非晶質又は二軸延伸)を使用することが最も望ましい。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂としては、既に列挙した多くの種類から、化粧シート13の使用目的等に応じて適宜選択して使用すればよい。特に、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を単独又は適宜配合したり、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。また、プロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2~20のα-オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1又はオクテン-1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン-α-オレフィン共重合体等を例示できる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加できる。
【0014】
さらに、基材136や、透明熱可塑性樹脂層132には、必要に応じて、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を添加してもよい。なお、透明熱可塑性樹脂層132は、例えば、透明熱可塑性樹脂層132の裏面132b側に配置されているシート等を透視可能な程度の透明性を有するものとするのが好ましい。例えば、無色透明、有色透明、半透明とする。また、基材136は、基板11の表面11aの色のばらつきや欠陥等を隠蔽する場合には、隠蔽性の不透明に着色されたものとするのが好ましい。また、基板11の表面11aの質感を活かす場合には、基材136の表面11aを透視可能な程度の透明性を有するものが好ましい。
【0015】
また、透明熱可塑性樹脂層132には、耐候性の処方を行うため、トリアジン系紫外線吸収剤を添加するようにしてもよい。さらに、透明熱可塑性樹脂層132には、光エネルギー起因で誘起されるラジカルや、紫外線吸収剤によって光エネルギーから変換された熱エネルギーが誘起するラジカルを補足し、樹脂自体の劣化を防止するため、ヒンダードアミン系光ラジカル捕捉剤(ヒンダードアミン系光安定剤)を添加するようにしてもよい。
【0016】
(表面保護層)
表面保護層131は、第1表面保護層140と、第1表面保護層140の表面140a側に設けられた第2表面保護層141とを備えている。
第1表面保護層140の材料としては、例えば、アクリルウレタン系樹脂、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。アクリルウレタン系樹脂としては、例えば、アクリルポリオール化合物を主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤としてなる反応生成物を用いることができる。アクリルポリオール化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル等の通常のアクリル系モノマーに、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等の水酸基を含有するモノマーと、必要に応じてスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、バーサチック酸ビニル、エチルビニルエーテル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の共重合可能な重合性モノマーとを配合して共重合させて得られる、側鎖に水酸基を有するアクリル系の高分子化合物を採用できる。
【0017】
イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を使用することができる。特に、化粧部材10をエクステリアの外装部材として用いる場合、第1表面保護層140に耐候性が必要となるが、耐候性を考慮すると、芳香環を有しない無黄変型イソシアネート化合物、すなわち、脂肪族又は脂環式のイソシアネート化合物が好適である。
【0018】
また、電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋反応する性質を有する(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの少なくとも何れかを主成分とする組成物を用いることができる。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂には、例えば、必要に応じて、重合開始剤や増感剤等の添加剤を添加してもよい。
【0019】
重合性不飽和結合を有するプレポリマーやオリゴマーとしては、例えば、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等を用いることができる。また、モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマー等を用いることができる。
【0020】
また、第1表面保護層140を構成するアクリルウレタン系樹脂や電離放射線硬化性樹脂には、粒径が2μm以上10μm以下のフィラーが含まれている。すなわち、最小のフィラーの粒径が2μm以上となっており、最大のフィラーの粒径が10μm以下となっている。フィラーとしては、例えば、無機フィラー、有機フィラーを用いることができる。フィラーの粒子としては、例えば、球状粒子、不定形粒子、板状粒子、針状粒子、繊維状粒子を用いることができる。不定形粒子、板状粒子、針状粒子、繊維状粒子等、球状粒子以外を用いる場合、円相当径をフィラーの粒径として採用できる。フィラーを含むことにより、第1表面保護層140の表面140aに凹凸が形成され、この凹凸によって第2表面保護層141の表面、つまり、表面保護層131の表面131aに凹凸が形成されている。なお、第2表面保護層141を構成する樹脂はこのようなフィラーを含んでいない。
【0021】
フィラーの添加量は、第1表面保護層140に含まれる有機固形分に対して、1重量部以上40質量部以下が好ましい。特に、5重量部以上30重量部以下が最も好ましい。また、第1表面保護層140の厚さは、1.0μm以上15.0μm以下が好ましい。特に、2.5μm以上6.5μm以下が最も好ましい。
第2表面保護層141の材料としては、例えば、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を用いることができる。シリコーン変性アクリルウレタン樹脂は、アクリルポリオール化合物と反応性シリコーンオイルとにイソシアネート化合物を添加して硬化させた樹脂である。シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を用いることにより、耐汚染性を向上することができ、また、マット意匠とすることができる。反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリシロキサン樹脂の末端アルキル基に一級の水酸基を導入して得られるものを採用できる。また、第2表面保護層141の厚さは、1.0μm以上5.0μ以下が好ましい。特に、1.5μm以上3.5μm以下が最も好ましい。
【0022】
表面保護層131の厚さは、特に限定されるものではないが、厚すぎたり薄すぎると効果に乏しく、また、厚すぎると可撓性が低下して割れ易くなる。そのため、例えば、2μm以上20μm以下が好ましく、特に、4μm以上10.0μm以下が最も好ましい。なお、表面保護層131には、耐候性の処方を行うため、トリアジン系紫外線吸収剤を添加するようにしてもよい。さらに、表面保護層131には、有害なラジカルを補足し、樹脂自体の光・熱・水等による劣化を防止するため、ヒンダードアミン系光ラジカル捕捉剤(ヒンダードアミン系光安定剤)を添加するようにしてもよい。また、表面保護層131は、例えば、表面保護層131の裏面131b側に配置されているシート等を透視可能な程度の透明性を有するものとするのが好ましい。例えば、無色透明、有色透明、半透明とする。
【0023】
また、表面保護層131は、触感性能の面から、動摩擦係数の数値範囲を制限するのが好ましい。例えば、室温25℃、湿度53%の環境下で、株式会社トリニティラボ製の静動摩擦測定器TL201Tsを用いて、表面保護層131の表面131aに触覚接触子で荷重30gを与えつつ、触覚接触子を表面保護層131の表面131a上を測定速度10mm/sで移動させて表面保護層131の表面131a上の動摩擦係数を測定した場合に、動摩擦係数の測定結果が、0.24以上0.28以下となるようにする。この場合、動摩擦係数の測定結果の精度の面から、動摩擦係数の測定を複数回行った場合に、動摩擦係数の測定結果の分布の標準偏差が0.2以上0.5以下となるようにする。動摩擦係数の測定結果としては、測定を複数回行い、動摩擦係数の測定結果の平均値を用いてもよい。
【0024】
なお、本発明の実施形態に係る化粧シート13では、表面保護層131が第1表面保護層140及び第2表面保護層141の2層を備える例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、第1表面保護層140と第2表面保護層141との層間に、他の層を備えるようにしてもよい。また、第1表面保護層140の透明熱可塑性樹脂層132側の面に、他の層を備えるようにしてもよい。すなわち、表面保護層131は、第1表面保護層140及び第2表面保護層141の少なくとも2層を備える構成であればよい。
【0025】
(その他の層)
また、化粧シート13は、従来の複層構成の化粧シートと同様に、基材136及び表面保護層131以外にも、例えば、絵柄層135、透明接着性樹脂層133、透明熱可塑性樹脂層132及びプライマー層137等を適宜備えるようにしてもよい。
図1では、絵柄層135及び透明接着性樹脂層133は、基材136と透明熱可塑性樹脂層132との層間に積層されて配置されている。より具体的には、絵柄層135が基材136側に設けられ、透明接着性樹脂層133を透明熱可塑性樹脂層132側に設けられている。さらに、プライマー層137は、基材136の裏面136bに設けられている。すなわち、基材136の表面136aに、絵柄層135、透明接着性樹脂層133、透明熱可塑性樹脂層132及び表面保護層131がこの順に積層されて設けられ、基材136の裏面136bにプライマー層137が設けられた構成となっている。
【0026】
なお、本発明の実施形態に係る化粧シート13では、絵柄層135を基材136側に設け、透明接着性樹脂層133を透明熱可塑性樹脂層132側に設ける例を示したが、他の構成を採用することもできる。絵柄層135及び透明接着性樹脂層133は、製造手順等に応じて任意の配列とすることができる。例えば、基材136の表面136aに絵柄層135を設けた後、透明接着性樹脂層133を介して絵柄層135と透明熱可塑性樹脂層132の裏面132bとを接着してなる配列としてもよい。また、例えば、透明熱可塑性樹脂層132の裏面132bに絵柄層135を設けた後、透明接着性樹脂層133を介して絵柄層135と基材136の裏面132bとを接着してなる配列としてもよい。また、絵柄層135と透明接着性樹脂層133との層間に、アンカー剤層134を設けてもよい。
また、化粧シート13の最表面、つまり表面保護層131の表面131aには、エンボス加工により形成された凹凸模様139が設けられている。凹凸模様139としては、例えば、絵柄層135の絵柄と同調した模様、非同調の模様を用いることができる。凹凸模様139の凹凸の深さは、耐汚染性能や触感性能等の面から、10μm以下が好ましい。
【0027】
(絵柄層)
絵柄層135は、化粧シート13に絵柄による意匠性を付与するために、必要に応じて設けられるものである。絵柄層135は、基材136の着色で代用できる場合には、省略も可能である。絵柄層135は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等によって塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、或いはそれらの混合物等を用いることができるが、勿論これらに限定されるものではない。また、絵柄としては、任意の絵柄を用いることができ、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、記号、単色無地等、或いはこれらの2種類以上の組み合わせ等を用いることできる。また、化粧シート13の隠蔽性を向上するために、絵柄層135と基材136との層間に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキや塗料による隠蔽層を設けてもよい。
【0028】
(透明接着性樹脂層)
透明接着性樹脂層133は、基材136と透明熱可塑性樹脂層132とを接着させるために、必要に応じて設けられるものである。透明接着性樹脂層133は、他の層が有する接着性を利用可能な場合には省略も可能である。透明接着性樹脂層133は、接着剤を用いて形成される。接着剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤を使用する2液硬化型ウレタン系接着剤を採用できる。2液硬化型ウレタン系接着剤の主剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等、硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
(プライマー層)
プライマー層137は、基板11との接着に用いられる接着剤138との密着性を向上させるために、必要に応じて設けられるものである。例えば、基板11が木質系材料からなる場合には、接着剤として、酢酸ビニルエマルジョン系、2液硬化型ウレタン系等の接着剤が使用されるため、プライマー層137は、これらの接着剤に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を採用できる。特に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系のプライマー剤等が好ましい。また、シリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加すると、巻取保存時のブロッキングの防止や投錨効果による接着力の向上に有効である。
【0030】
(凹凸模様)
凹凸模様139は、化粧シート13の表面に立体的な意匠感を付与するために、必要に応じて設けられるものである。凹凸模様139としては、任意の凹凸形状を用いることができ、例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、平行直線群、或いはこれらの組み合わせ等を用いることができる。また凹凸模様139の形成方法としては、例えば、基材136の表面136aに対する透明熱可塑性樹脂層132の積層前、積層後又は積層と同時に行われる、ダブリングエンボス法、押出ラミネート同時エンボス法等を採用できる。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る化粧シート13は、基材136と、基材136の表面136a側に設けた透明熱可塑性樹脂層132と、透明熱可塑性樹脂層132の表面132a側に設けた表面保護層131とを備えるようにした。また、表面保護層131は、第1表面保護層140、及び第1表面保護層140の表面側に設けられた第2表面保護141層の少なくとも2層を有するようにした。そして、第1表面保護層140が、粒径が2μm以上10μm以下のフィラーを含むようにした。また、第2表面保護層141が、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を含むようにした。それゆえ、第1表面保護層140に含まれるフィラーによって、表面保護層131の表面131aに凹凸を形成でき、化粧シート13の触感性能を向上できる。また、第2表面保護層141に含まれるシリコーン変性アクリルウレタン樹脂によって、表面保護層131の表面131aに汚染物が強固に付着し難くすることができ、化粧シート13の耐汚染性能を向上できる。そのため、耐汚染性能及び触感性能に優れた化粧シート13を提供できる。また、表面保護層131の表面131aに形成した凹凸により、マット調の質感を表現できる。
【0032】
また、本発明の実施形態に係る化粧シート13は、室温25℃、湿度53%の環境下で、株式会社トリニティラボ製の静動摩擦測定器TL201Tsを用いて、表面保護層131の表面131aに触覚接触子で荷重30gを与えつつ、触覚接触子を表面保護層131の表面131a上を測定速度10mm/sで移動させて表面保護層131の表面131a上の動摩擦係数を測定した場合に、動摩擦係数の測定結果が、0.24以上0.28以下となるようにした。それゆえ、化粧シート13の表面上で手を滑らせた場合に、指等に適度な触感を付与することができ、化粧シート13の触感性能を向上することができる。
【0033】
さらに、本発明の実施形態に係る化粧シート13は、動摩擦係数の測定を複数回行った場合に、動摩擦係数の測定結果の分布の標準偏差が、0.2以上0.5以下となるようにした。それゆえ、精度が高い測定結果が用いられ、触感性能をより確実に向上できる。
また、本発明の実施形態に係る化粧シート13は、最表面に設けられた凹凸模様139を有するようにし、凹凸模様139を、凹凸の深さが10μm以下とした。それゆえ、凹凸模様139による耐汚染性能や触感性能の低下を抑制しつつ、凹凸模様139による立体的な意匠を付与することができ、化粧シート13の意匠性を向上することができる。
さらに、本発明の実施形態に係る化粧部材10は、木質系材料または金属系材料により形成された基板11と、基板11の表面11a側に設けられた化粧シート13と、を備える。それゆえ、耐汚染性能及び触感性能に優れた化粧部材10を提供することができる。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明の実施形態に係る化粧部材10の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、
図1に示すように、基材136として、顔料配合ポリエチレン樹脂のシート(リケンテクノス(株)製)を用意した。基材136の厚さは、55μmとした。続いて、基材136の一方の面(表面136a)に、グラビア印刷法で、印刷インキを塗布して絵柄層135を形成した。印刷インキとしては、ウレタンインキ(東洋インキ(株)製)を用いた。続いて、絵柄層135の表面135aに、グラビアコート法で、アンカー剤を塗布してアンカー剤層134を形成した。アンカー剤層134の厚さは、1μmとした。
【0035】
続いて、透明熱可塑性樹脂層132用の樹脂と、透明接着性樹脂層133用の樹脂とを、共押出しラミネーション法で、アンカー剤層134上にラミネートして、透明熱可塑性樹脂層132及び透明接着性樹脂層133を形成した。透明熱可塑性樹脂層132の厚さは、60μmとした。また、透明接着性樹脂層133の厚さは、10μmとした。
続いて、透明熱可塑性樹脂層132の表面132aに、第1表面保護層140用の樹脂を塗布して第1表面保護層140を形成した。第1表面保護層140用の樹脂としては、フィラーを含有するアクリルウレタン系樹脂(DIC(株)製)を用いた。フィラーとしては、粒径が3μm以上6μm以下のシリカ、つまり、無機フィラーを用いた。第1表面保護層140の厚さは、4.5μmとした。続いて、第1表面保護層140の表面140aに、第2表面保護層141用の樹脂を塗布した後、塗布した樹脂を40℃で硬化させて、第2表面保護層141を形成した。第2表面保護層141用の樹脂としては、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂(東洋インキ(株)製)を用いた。第2表面保護層141の厚さは2.5μmとした。以上の手順により、第1実施例の化粧シート13を作製した。
【0036】
続いて、基板11の表面11aに接着剤138を塗工した。基板11としては、厚さ3mmのMDF(広葉樹)を用いた。また、接着剤138としては、2液水性エマルジョン接着剤(8)(中央理化工業(株)製「リカボンド」(重量比BA-10L/BA-11B=100:2.5))をウェット状態で100g/m2を用いた。続いて、化粧シート13のプライマー層137に、塗工した接着剤138を介して基板11の表面11aを貼り合わせた後、24時間養生して、第1実施例の化粧部材10を作製した。
【0037】
(実施例2)
実施例2では、第1表面保護層140のフィラーとして、有機フィラーを用いた。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で化粧部材10を作成した。
【0038】
(比較例1)
比較例1では、第2表面保護層141を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で化粧部材10を作成した。
(比較例2)
比較例2では、第1表面保護層140を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で化粧部材10を作成した。
【0039】
(比較例3)
比較例3では、第1表面保護層140のフィラーの粒径を2μm未満にした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧部材10を作成した。
(比較例4)
比較例4では、化粧シート13の最表面に凹凸の深さが15μmの梨地調の凹凸模様139を形成した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧部材10を作成した。
【0040】
(性能評価)
実施例1、2、比較例1~4の化粧部材10に対して、以下の性能評価を行った。
(防汚拭き取り性評価)
防汚拭き取り性評価では、化粧部材10の表面に黒マジックインキ(寺西化学工業(株)製)で10mm幅の線を引き、線を引いてから2時間後に、化粧部材10の表面から黒マジックインキを乾いた布で拭き取り、化粧部材10の表面状態を観察した。評価基準は、マジックインキが100%残った場合を「×」、10~50%拭き取れた場合「△」、50~90%拭き取れた場合を「○」、90~100%拭き取れた場合を「◎」とした。
【0041】
(動摩擦力・動摩擦係数評価)
動摩擦力・動摩擦係数評価では、株式会社トリニティラボ製の静動摩擦測定器TL201Tsを用いて、表面保護層131の表面131aに静動摩擦測定器TL201Tsの触覚接触子で荷重30gを与えつつ、触覚接触子を表面保護層131の表面131a上を測定速度10mm/sで移動させて、表面保護層131の表面131a上の動摩擦係数を測定した。動摩擦係数の測定は、室温25℃、湿度53%の環境下で行った。また、動摩擦係数の測定を複数回行って、動摩擦係数の測定結果の分布の標準偏差を算出した。
(官能評価)
官能評価では、化粧部材10の表面に手等で触ってもらい、触り心地が良いと判定した人の数を計数した。評価官の総数は、10人とした。評価基準は、触り心地が良いとした人が0人の場合を「×」、1~6人の場合を「△」、7~10人の場合を「○」とした。
【0042】
(耐傷性評価)
耐傷性評価では、化粧部材10の表面に対して、JIS K 5600に準じた鉛筆硬度試験を行った。評価基準は、硬度2Bの鉛筆で傷が付いた場合を「×」、硬度の2Bの鉛筆で著しい凹みが発生した場合を「△」、硬度2Bの鉛筆で著しい凹みが発生せず、さらに傷が付かない場合を「○」、硬度B以上の鉛筆で傷が付かない場合を「◎」とした。
(評価結果)
これらの評価結果を表1に示す。
【0043】
【0044】
表1に示すように、実施例1、2の化粧部材10は、防汚拭き取り性の評価結果が「○」、表面保護層131の表面上の動摩擦係数が0.24以上0.28以下の範囲内、動摩擦係数の分布の標準偏差が0.2以上0.5以下の範囲内、官能評価及び耐傷性の評価結果が「○」となった。一方、比較例1~4の化粧部材10は、防汚拭き取り性、官能評価及び耐傷性の評価結果の何れか1つ以上が「△」以下となった。また、表面保護層131の表面上の動摩擦係数が、0.24未満または0.28より大きい数値となった。
【0045】
具体的には、比較例1の化粧部材10は、第2表面保護層141を省略したため、第1表面保護層140に含まれるフィラーが表面保護層131の表面131aに現れ、フィラーによって汚染物質を拭き取り難くなり、防汚拭き取り性が「×」となった。また、表面保護層131の表面131aに現れたフィラーにより、動摩擦係数が0.28より大きくなり、さらに、官能評価が「×」となった。また、表面保護層131の表面131aにシリコーン変性アクリルウレタン樹脂が含まれていないため、耐傷性が「△」となった。
【0046】
また、比較例2の化粧部材10は、第1表面保護層140を省略したため、フィラーによる表面保護層131の表面131aの凹凸が形成されず、動摩擦係数が0.24未満になり、さらに、官能評価が「△」となった。また、第1表面保護層140の分だけ表面保護層131が薄くなり、表面保護層131の硬度が低下し、耐傷性が「△」になった。
さらに、比較例3の化粧部材10は、フィラーの粒径が小さいため、フィラーによる表面保護層131の表面131aの凹凸が小さくなり、動摩擦係数が0.24未満になり、さらに、官能評価が「△」となった。また、比較例4の化粧部材10は、凹凸模様139の凹凸が深すぎるため、汚染物質を拭き取り難くなり、防汚拭き取り性が「×」となった。また、動摩擦係数が0.28よりも大きくなり、さらに、官能評価が「△」となった。
【0047】
これに対し、実施例1、2の化粧部材10は、第1表面保護層140のフィラーの粒径を2μm以上10μm以下として、表面保護層131の表面131aの凹凸の度合いを適切にするとともに、第2表面保護層141に、シリコーン変性アクリルウレタン樹脂を用いて、表面保護層131の表面131aの防汚拭き取り性及び耐傷性を向上させた。そのため、防汚拭き取り性の評価結果が「○」、表面保護層131の表面上の動摩擦係数が0.24以上0.28以下の範囲内、官能評価及び耐傷性の評価結果が「○」となった。
したがって、実施例1、2の化粧部材10は、比較例1~4の化粧部材10よりも、耐汚染性脳及び触感性能が良好であることが確認された。
【符号の説明】
【0048】
10…化粧部材、11…基板、11a…表面、13…化粧シート、131…表面保護層、131a…表面、131b…裏面、132…透明熱可塑性樹脂層、132a…表面、132b…裏面、133…透明接着性樹脂層、134…アンカー剤層、135…絵柄層、135a…表面、136…基材、136a…表面、136b…裏面、137…プライマー層、138…接着剤、139…凹凸模様、140…第1表面保護層、140a…表面、141…第2表面保護層