(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/17 20200101AFI20220511BHJP
【FI】
H05B47/17
(21)【出願番号】P 2018074106
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】大澤 祐也
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 幸喜
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-157337(JP,A)
【文献】特開2007-087803(JP,A)
【文献】特表2019-531578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0273307(US,A1)
【文献】特開2012-59580(JP,A)
【文献】特開昭63-182996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具と、
ボタンを備え、通常状態のとき前記ボタンの操作により前記照明器具の点灯状態を制御し、前記ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに前記ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、
前記ロック通知信号を受信すると、前記スイッチが前記ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、
を備え
、
前記通常状態のときに前記ボタンの操作に応じて前記スイッチが前記コントローラに送信する信号と、前記ロック通知信号とは異なることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記スイッチが前記通常状態のとき前記ボタンの操作に応じて前記照明器具に点灯状態を制御する命令信号を送信し、前記スイッチが前記ロック状態のとき前記ボタンの操作によって前記命令信号を送信しないことを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記スイッチは、前記通常状態から前記ロック状態に切り替わるときに、前記ロック通知信号を前記コントローラに送信することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記スイッチの状態を、前記通常状態から前記ロック状態へ、または、前記ロック状態から前記通常状態へ切り替える切り替え部を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記切り替え部は前記ボタンを備え、
前記ボタンで切り替え操作が実施されると、前記スイッチの状態が切り替わることを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記スイッチは、前記ボタンを複数備え、
前記複数のボタンが同時に操作されると、前記スイッチの状態が切り替わることを特徴とする請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記複数のボタンが同時に押された状態が一定時間維持されることで、前記スイッチの状態が切り替わることを特徴とする請求項6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
照明器具と、
ボタンを備え、通常状態のとき前記ボタンの操作により前記照明器具の点灯状態を制御し、前記ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに前記ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、
前記ロック通知信号を受信すると、前記スイッチが前記ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、
前記スイッチの状態を、前記通常状態から前記ロック状態へ、または、前記ロック状態から前記通常状態へ切り替える切り替え部と、
設定器と、
を備え、
前記切り替え部は前記ボタンを備え、
前記ボタンで切り替え操作が実施されると、前記スイッチの状態が切り替わり、
前記スイッチは前記ボタンを複数備え、
前記複数のボタンのうち1つのボタンで前記切り替え操作が実施された場合に、前記複数のボタンについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わるか、または、前記1つのボタンについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わるかが、前記設定器により設定されることを特徴とす
る照明制御システム。
【請求項9】
前記スイッチは不揮発性記憶部を備え、
前記不揮発性記憶部には前記切り替え操作が記憶されることを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記切り替え部は、前記スイッチの状態を遠隔操作により切り替える設定器を備えることを特徴とする請求項5から9の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
照明器具と、
ボタンを備え、通常状態のとき前記ボタンの操作により前記照明器具の点灯状態を制御し、前記ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに前記ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、
前記ロック通知信号を受信すると、前記スイッチが前記ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、
前記スイッチの状態を、前記通常状態から前記ロック状態へ、または、前記ロック状態から前記通常状態へ切り替える切り替え部と、
を備え、
前記切り替え部は前記ボタンと、前記スイッチの状態を遠隔操作により切り替える設定器と、を備え、
前記ボタンで切り替え操作が実施されると、前記スイッチの状態が切り替わり、
前記設定器による状態の切り替えと、前記ボタンによる状態の切り替えのうち、一方を有効にすること、両方を有効にすること、または両方を無効にすることが、前記設定器により設定されることを特徴とす
る照明制御システム。
【請求項12】
前記スイッチは表示部を備え、
前記表示部は、前記ロック状態での前記ボタンの操作、前記通常状態から前記ロック状態への切り替え、または、前記ロック状態から前記通常状態への切り替えを使用者に通知することを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記スイッチは表示部を備え、
前記コントローラは、前記ロック状態で前記ボタンが操作されたことを前記表示部により使用者に通知することを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、制御信号の出力をロックする設定およびロックの解除をスイッチ部の操作により行う壁スイッチ装置が開示されている。この壁スイッチ装置では、操作手順に従いスイッチ部の手動操作が行われると、スイッチ部のオンオフの手動操作に応じた制御信号が伝送線に出力されることが停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、一定時間内に壁スイッチを連続操作することで操作ロック状態に移行する。しかし、通常の使用状態においてユーザーが連続して照明器具のオンオフ操作を行い、意図せず操作ロック状態に移行する可能性がある。さらに、ユーザーが解除方法を認識していない場合は、操作ロックを解除することができず、トラブルとなることが考えられる。
【0005】
また、特許文献1では、操作ロック状態において信号が伝送線に出力されない。このため、壁スイッチが操作ロック状態であるという情報は壁スイッチが保持し、照明制御システムのコントローラには伝えられない。従って、壁スイッチが操作ロック状態であることを管理者が把握できない。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、使用者がスイッチのロック状態を把握できる照明制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示に係る照明制御システムは、照明器具と、ボタンを備え、通常状態のとき該ボタンの操作により該照明器具の点灯状態を制御し、該ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに該ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、該ロック通知信号を受信すると、該スイッチが該ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、を備え、該通常状態のときに該ボタンの操作に応じて該スイッチが該コントローラに送信する信号と、該ロック通知信号とは異なる。
第2の開示に係る照明制御システムは、照明器具と、ボタンを備え、通常状態のとき該ボタンの操作により該照明器具の点灯状態を制御し、該ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに該ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、該ロック通知信号を受信すると、該スイッチが該ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、該スイッチの状態を、該通常状態から該ロック状態へ、または、該ロック状態から該通常状態へ切り替える切り替え部と、設定器と、を備え、該切り替え部は該ボタンを備え、該ボタンで切り替え操作が実施されると、該スイッチの状態が切り替わり、該スイッチは該ボタンを複数備え、該複数のボタンのうち1つのボタンで該切り替え操作が実施された場合に、該複数のボタンについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わるか、または、該1つのボタンについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わるかが、該設定器により設定される。
第3の開示に係る照明制御システムは、照明器具と、ボタンを備え、通常状態のとき該ボタンの操作により該照明器具の点灯状態を制御し、該ボタンの操作による点灯状態の制御が無効となるロック状態のときに該ボタンが操作されると、ロック通知信号を送信するスイッチと、該ロック通知信号を受信すると、該スイッチが該ロック状態であることを使用者に通知するコントローラと、該スイッチの状態を、該通常状態から該ロック状態へ、または、該ロック状態から該通常状態へ切り替える切り替え部と、を備え、該切り替え部は該ボタンと、該スイッチの状態を遠隔操作により切り替える設定器と、を備え、該ボタンで切り替え操作が実施されると、該スイッチの状態が切り替わり、該設定器による状態の切り替えと、該ボタンによる状態の切り替えのうち、一方を有効にすること、両方を有効にすること、または両方を無効にすることが、該設定器により設定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る照明制御システムでは、ロック状態のときにボタンが操作されると、スイッチからコントローラにロック通知信号が送信され、コントローラはスイッチがロック状態であることを使用者に通知する。従って、使用者がスイッチのロック状態を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具を説明する図である。
【
図3】実施の形態1に係るスイッチの正面図である。
【
図4】実施の形態3に係る表示部の設定パラメータの一例を示す表である。
【
図6】実施の形態6に係るスイッチのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム100のブロック図である。照明制御システム100は、コントローラ1、複数の照明器具2、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5、スイッチ6等の照明システムを構成する機器と、端末装置8と、データ設定器10とを備える。
【0012】
コントローラ1は、スイッチ6の操作、人感センサによる人の検出情報または照度センサによる照度値の検出等に応じて、複数の照明器具2に命令信号を送信し点灯状態を制御する。
【0013】
各々の照明器具2は、光源と光源の点灯回路を有する。光源は、例えばLEDである。光源は蛍光ランプ、白熱電球、有機EL(Electro-Luminescence)等でもよい。照明器具2は、コントローラ1から受信する命令信号に応じて点灯、消灯、調光または調色を行う。
【0014】
リレー端末3は、コントローラ1から受信する命令信号に応じて、複数の照明器具2の電源をオンオフする。人感センサ4は、エリア内の人の存在または不在を検出し、検出した情報をコントローラ1へ送信する。照度センサ5はエリア内の照度を検知し、照度情報をコントローラ1へ送信する。
【0015】
スイッチ6はボタンを備える。スイッチ6はコントローラ1と制御通信線7で接続され、ボタンを押下すると押下情報をコントローラ1へ送信する。ボタンの操作により、照明器具2の点灯状態が制御され、または、リレー端末3がオンオフされる。スイッチ6は例えば壁スイッチである。
【0016】
端末装置8は、コントローラ1とLAN(Local Area Network)通信線9で接続される。端末装置8は入力部を有する。使用者は入力部からスイッチ6等の機能設定、照明器具2またはリレー端末3等の機器の制御および状態のモニタを行う。端末装置8は例えばパーソナルコンピュータである。端末装置8の入力部は、例えばパーソナルコンピュータの画面である。
【0017】
複数の照明器具2、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5およびスイッチ6は、コントローラ1と制御通信線7を介して接続される。複数の照明器具2、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5およびスイッチ6は、コントローラ1と2線式シリアル通信で双方向通信を行う。
【0018】
データ設定器10は例えばリモコンである。また、スイッチ6は赤外線の送信部および受信部を備える。データ設定器10は、スイッチ6との間で赤外線通信によるデータの送受信を行う。データ設定器10はスイッチ6と制御通信線7を介して、コントローラ1と通信する。これにより、データ設定器10は端末装置8と同等の機能設定、照明器具2またはリレー端末3等の機器の制御および状態のモニタが可能になる。
【0019】
また、LAN通信線9、制御通信線7、赤外線等の通信媒体、および、これらを用いた通信方式は上述したものに限定されず、有線通信または無線通信でデータを伝送できれば良い。
【0020】
照明器具2、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5およびスイッチ6は1台のコントローラ1にそれぞれ1台が接続されても良く、1台のコントローラ1に複数台が接続されても良い。照明システムの態様に応じて、照明制御システム100の全体構成が決められる。
【0021】
図2は、実施の形態1に係る照明器具2を説明する図である。照明器具2は光源13と、光源13を点灯させる電源装置12を備える。電源装置12は上述の点灯回路を備える。また、照明器具2は、後述する制御ユニット11を搭載してもよい。
【0022】
コントローラ1は照明器具2に点灯状態を制御する命令信号を送信する。制御ユニット11は命令信号を受け、命令信号を調光信号80に変換する。調光信号80は電源装置12を制御する信号であり、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号またはデジタル信号である。調光信号80を電源装置12が受信することで、光源13は調光制御される。
【0023】
通信機能を持たない照明器具に制御ユニット11を搭載することで、通信機能を有する照明器具2を構成できる。制御ユニット11が命令信号を調光信号80に変換することで、コントローラ1から調光制御ができる。例えば、人感センサ4または照度センサ5が検出した情報に応じて、コントローラ1は命令信号を送信し、照明器具2を制御しても良い。また、照明器具2の状態を制御ユニット11がコントローラ1に送信することで、端末装置8またはデータ設定器10から照明器具2の状態をモニタできる。
【0024】
図3は、実施の形態1に係るスイッチ6の正面図である。
図3を用いてスイッチ6について説明する。スイッチ6は押下用の複数のボタン14~21を備える。スイッチ6に搭載されるボタン14~21の数は1個以上であれば良く、例えば1個、2個、3個、4個または8個であっても良い。
【0025】
複数の照明器具2、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5およびスイッチ6には、固有のアドレスまたはグループ番号が割り当てられている。グループ番号は、複数の照明器具2等の複数のアドレスを一括指定して命令信号を送信する際に用いる番号である。データ設定器10または端末装置8によって、複数のボタン14~21の各々には、複数の照明器具2等の機器のアドレスがそれぞれ割り付けられる。また、複数のボタン14~21の各々に、グループ番号が割り付けられても良い。これらの複数のボタン14~21へのアドレスまたはグループ番号の割付データは、コントローラ1およびスイッチ6に設定され、記憶される。
【0026】
スイッチ6のボタン14~21の何れかが押下された場合は、押下されたボタンに割り付けられた割付データがコントローラ1に送信される。コントローラ1は、割付データに対応するアドレスまたはグループ番号と命令信号とからなる伝送信号を発信する。ここで、命令信号は、コントローラ1に接続される機器のオンオフ指令または照明器具2の点灯状態を制御する調光制御指令等を含む。
【0027】
伝送信号を受けた照明器具2およびリレー端末3等の機器は、伝送信号の割付データに対応するアドレスまたはグループ番号と、固有のアドレスが一致した場合、命令信号に応じた制御を実施する。例えば、照明器具2では光源13の点灯、消灯または調光制御が実施され、リレー端末3ではオンオフ制御が実施される。
【0028】
スイッチ6がスイッチ6自身のアドレスを保持しても良い。この場合、ボタン14~21の何れかが押下されると、スイッチ6はコントローラ1へ、スイッチ6のアドレスと、押下されたボタンのアドレスであるチャンネル情報とを送信する。コントローラ1には、スイッチ6のアドレスおよびボタン14~21のチャンネル番号と、コントローラ1に接続された機器との割付情報が予め設定されている。コントローラ1は割付情報に基づき、受信したアドレスおよびチャンネル番号に対応する機器のアドレスを、命令信号とともに発信する。
【0029】
次に、スイッチ6の通常状態とロック状態の切替えについて説明する。スイッチ6が通常状態のとき、ボタン14~21の押下操作により、コントローラ1に接続された機器の制御が実施される。押下されたボタンに割付けられた機器が照明器具2の場合、スイッチ6は照明器具2の点灯状態を制御する。
【0030】
また、スイッチ6がロック状態のとき、ボタン14~21の操作によるコントローラ1に接続された機器の制御が無効になる。押下されたボタンに割付けられた機器が照明器具2の場合、ロック状態では、ボタン14~21の操作による点灯状態の制御が無効となる。
【0031】
照明制御システム100は、スイッチ6の状態を、通常状態からロック状態へ、または、ロック状態から通常状態へ切り替える切り替え部を備える。本実施の形態では、切り替え部はボタン14~21である。ボタン14~21で切り替え操作が実施されると、スイッチ6の状態が切り替わる。切り替え操作は、例えば、ボタン14~21の何れかを一定時間押し続ける操作である。一定時間は例えば5秒である。
【0032】
これに対し、照明器具2の電源のオンオフ等の制御は、ボタン14~21の通常押下で実施される。ここで、通常押下は、短時間の押下であり、例えば押下された状態を維持する時間が0.5秒未満である場合を示す。このため、通常時はボタン14~21が長押しされることは無い。切り替え操作を、ボタン14~21の長押しとすることで、スイッチ6が誤ってロック状態に切り替わることを防止できる。
【0033】
スイッチ6は、切り替え操作前に通常状態であった場合には、切り替え操作によりロック状態に移行する。これにより、ボタン14~21に割り付けられた機器に対するスイッチ6による通常押下操作による制御は無効になる。また、スイッチ6は、切り替え操作前にロック状態であった場合には、切り替え操作によりロック状態が解除され通常状態に移行する。なお、ロック状態と通常状態の切替え回数に制限はなく、何度でも切替え操作ができるものとする。
【0034】
ロック状態のときにボタン14~21が操作されると、スイッチ6はロック通知信号をコントローラ1に送信する。通常状態のときにボタン14~21の操作に応じてスイッチ6が送信する信号と、ロック通知信号とは異なる。ロック通知信号は、ロック中にボタン14~21が操作されたことをコントローラ1に通知する信号である。
【0035】
スイッチ6が通常状態のとき、コントローラ1は、ボタン14~21の操作に応じて照明器具2、リレー端末3等の機器に命令信号を送信する。これに対し、コントローラ1はロック通知信号を受信しても命令信号を送信しない。つまり、コントローラ1は、スイッチ6がロック状態のときにボタン14~21の操作があった場合には、命令信号を送信しない。さらに、後述するようにコントローラ1は、ロック通知信号を受信すると、スイッチ6がロック状態であることを使用者に通知することができる。
【0036】
一般に、スイッチ6にロック機能を設けることは、一時的にスイッチ6の機能を無効にしたい場合、または、スイッチ6の誤操作による不要な照明制御を防止したい場合に有効である。一般に、ロック状態はスイッチ6により設定される。本実施の形態では、コントローラ1がスイッチ6から送信されたロック通知信号を受信することで、スイッチ6がロック状態であることをコントローラ1が把握できる。従って、照明制御システム100の管理がし易くなる。
【0037】
ロック通知信号は、ボタン14~21による制御がロックされた照明器具2等の機器を特定する情報を含んでも良い。つまり、ロック通知信号は押下されたボタンに割り付けられたアドレスまたはグループ番号を含んでも良い。これにより、コントローラ1は、ボタン14~21による制御がロックされた機器のアドレスまたはグループ番号を把握することができる。
【0038】
また、コントローラ1は、ロック通知信号を受信した日時等の受信履歴を残しても良い。これにより、例えば使用者からの動作不具合クレームがあった場合に、管理者が不具合情報とスイッチ6の状態を照合できる。また、ロック通知信号の受信回数を確認することで、ロック状態におけるスイッチ6の誤操作の回数を確認できる。これにより、誤操作防止機能の有効性を確認できる。
【0039】
また、スイッチ6がアドレスを保持する場合、ロック通知信号は、ロック状態であるスイッチ6を特定する情報を含んでも良い。スイッチ6を特定する情報は、スイッチ6のアドレスである。ロック通知信号にスイッチ6のアドレスが付加されることで、コントローラ1はロック状態であるスイッチ6を特定できる。
【0040】
コントローラ1は、スイッチ6がロック状態のときにボタン14~21が操作されたことを端末装置8に表示させ、管理者に通知しても良い。使用者のロック操作によりスイッチ6の操作を禁止している場合などには、コントローラ1から端末装置8にロック通知信号を瞬時に送信し、端末装置8は監視画面に警報表示を出しても良い。また、端末装置8の画面にポップアップ画面を出現させることによって、禁止操作が行われたことを管理者に通報しても良い。これにより、禁止操作されたスイッチ6の設置箇所等を管理者が直ちに特定できる。
【0041】
スイッチのみが通常状態またはロック状態のモードを保持し、ロック状態のときスイッチが通信コマンド自体を発信しない従来の構成の場合、ロック状態においても上位のコントローラの認識は、スイッチが押されていない状態と同様である。このため、コントローラは現在のスイッチのモードを把握できない。これに対し本実施の形態では、コントローラ1がロック通知信号を受信することで、スイッチ6のモードを把握できる。また、スイッチ6のモードを端末装置8に表示させることで使用者がモードを管理できる。
【0042】
本実施の形態の変形例として、スイッチ6は、ロック状態でボタン14~21が操作されたときに限らず、通常状態からロック状態に切り替わるときに、ロック通知信号をコントローラ1に送信しても良い。この場合、ロック状態に移行した時点でコントローラ1はロック状態を把握できる。
【0043】
また、ロック状態に移行した時点でコントローラ1がロック状態を把握していれば、ロック通知信号は、通常状態においてボタン14~21の操作によりスイッチ6から送信される信号と同じスイッチ6の押下信号であっても良い。この場合、コントローラ1は、ボタン14~21の操作による信号を受信すると、スイッチ6の状態に応じて命令信号を送信するかどうか判断する。コントローラ1は、ボタン14~21の操作による信号を受信すると、通常状態では命令信号を送信し、ロック状態では命令信号を送信しない。
【0044】
また、本実施の形態では切り替え操作があったことをスイッチ6が判断する。これに限らず、切り替え操作があったことをコントローラ1が判断しても良い。この場合、ボタン14~21の操作によりスイッチ6からコントローラ1に、ボタン14~21の押し時間を含む信号が送信されると、コントローラ1はボタン14~21の操作が切り替え操作であるかを判断する。コントローラ1が、切り替え操作があったと判断した場合、コントローラ1はスイッチ6の状態を通常状態からロック状態へ、または、ロック状態から通常状態へ移行させる信号を送信する。この場合も、ロック状態に移行した時点でコントローラ1がスイッチ6のロック状態を把握できる。
【0045】
また、照明制御システム100は
図1に示されるものに限らず、少なくとも照明器具2とスイッチ6とコントローラ1を備えれば良い。例えば、照明制御システム100は照明器具2を1つ以上備えれば良く、リレー端末3、人感センサ4、照度センサ5等の機器は用途に応じて削除または追加しても良い。
【0046】
また、スイッチ6は
図3に示されるものに限らない。スイッチ6は、照明器具2の電源のオンオフ等を指令する情報を入力できれば良い。例えば、スイッチ6のボタン14~21はタッチパネル式であっても良い。
【0047】
これらの変形は以下の実施の形態に係る照明制御システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明制御システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0048】
実施の形態2.
スイッチ6のボタン14~21には、アドレスまたはグループ番号が割り付けられた機器のオンオフ機能の他に、調光率または色温度のアップ、ダウン操作の機能が割り当てられても良い。本実施の形態では、複数のボタン14~21は、照明器具2の調光率または色温度を上昇させるボタンと、下降させるボタンとを含む。
【0049】
スイッチ6では、ボタン14~21が通常押下されると、予め定められた調光率単位または色温度単位で調光率または色温度が上昇または下降する。調光率単位は例えば5%であり、色温度単位は例えば50ケルビンである。
【0050】
この場合、実施の形態1と同様に、ボタン14~21の何れかを一定時間押し続ける切り替え操作により、スイッチ6の状態を切り替えることができる。つまり、調光率または色温度を変更するための通常押下と、切り替え操作が異なるため、スイッチ6は通常押下と切り替え操作を判別できる。
【0051】
また、スイッチ6は、照明器具2の調光率または色温度を上昇させるボタンまたは下降させるボタンの連続押下により、調光率または色温度を変化させても良い。連続押下は、ボタンを一定時間押し続ける操作である。つまり、連続押下はボタンの長押しである。一定時間は例えば2秒である。この場合、ボタンの押下中は単位時間あたりに予め定められた値だけ、調光率または色温度が上昇または下降する。例えば、ボタンの押下中は250ms毎に調光率が10%変化する。これにより、調光率または色温度が連続的に変化する。
【0052】
この場合、複数のボタン14~21が同時に押された状態が一定時間維持されることで、スイッチ6の状態が切り替わる。例えば、照明器具2の調光率または色温度を上昇させるボタンと、下降させるボタンを同時に一定時間押し続けることで、スイッチ6は、通常状態からロック状態へ、または、ロック状態から通常状態へ移行する。一定時間は、例えば5秒である。
【0053】
これにより、スイッチ6は、長押しによる調光率または色温度の連続的な変更操作と、スイッチ6の状態の切り替え操作とを判別できる。ボタン14~21の長押しに限らず、複数のボタン14~21が同時に操作されることで、スイッチ6の状態が切り替わっても良い。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態3について、
図3を用いて説明する。スイッチ6は表示部22~37を備える。表示部22~37はLED表示である。表示部22~29は緑色LEDであり、表示部30~37は赤色LEDである。ボタン14~21には、表示部22~29と表示部30~37がそれぞれ設けられる。
【0055】
ボタン14~21は、チャンネル番号を保持する。ボタン14~21のチャンネル番号は、それぞれCH1~CH8である。スイッチ6が通常状態のときボタン14を押下すると、スイッチ6からコントローラ1へボタン14に対応するCH1の押下情報が送信される。コントローラ1は押下されたボタン14に割り付けられた照明器具2またはリレー端末3等のアドレスまたはグループ番号と、命令信号を送信する。これにより、照明器具2またはリレー端末3が命令信号に従いオンオフ動作する。
【0056】
この時、CH1の押下情報を受信したコントローラ1は、CH1の表示指令をスイッチ6へ送信する。この結果、CH1に搭載された表示部22、30が変化する。コントローラ1は、例えば、CH1がオン状態の場合は赤色LEDである表示部30を点灯させ、オフ状態の場合は緑色LEDである表示部22を点灯させる。
【0057】
つまり、コントローラ1は、CH1を押下してCH1に対応する機器をオン操作した場合には、表示部22を消灯し、表示部30を点灯する。また、コントローラ1は、CH1に対応する機器をオフ操作した場合には、点灯状態を反転させる。つまり、表示部22が点灯し、表示部30が消灯する。
【0058】
これらの動作はCH2~CH8についても同様である。オン状態、オフ状態と赤、緑の対応は変更しても良い。つまり、オン状態を緑、オフ状態を赤に点灯させても良い。
【0059】
また実施の形態2で示した調光率または色温度を上昇させるボタンと下降させるボタンの機能を、CH1~CH8の何れかに設定しても良い。例えば、調光率を上昇させるボタンをCH1に、調光率を下降させるボタンをCH2に設定したとする。このとき、CH1を押下する毎に調光率が5%増加し、CH2を押下する毎に調光率が5%減少するものとする。
【0060】
スイッチ6がアドレスを持たない場合には、スイッチ6から調光率の上昇または下降の操作情報と、CH1に割り付けられた機器のアドレスが送信される。スイッチ6がアドレスを持つ場合には、調光率の上昇または下降の操作情報のみがコントローラ1へ送信される。コントローラ1はあらかじめ設定された割り付け情報に合わせて、CH1に対応する機器を操作情報に応じて制御する。
【0061】
また、CH1を押下した場合、コントローラ1は表示部22と表示部30の点灯状態を変化させる。また、CH2を押下した場合、コントローラ1は表示部23と表示部31の点灯状態を変化させる。これにより、調光率の上昇または下降の操作によってボタン14、15が正常に押されたことを使用者に通知できる。1回のボタン押下によって変化する調光率または色温度の単位は、端末装置8により設定できる。
【0062】
また、表示部22~37は通常状態からロック状態への切り替え、または、ロック状態から通常状態への切り替えを使用者に通知する。
図4は、実施の形態3に係る表示部22~37の設定パラメータの一例を示す表である。例えば、通常状態においてCH1を一定時間押し続けている間は、ロック状態への移行中であることを使用者へ知らせるため、赤色の表示部30を点滅させる。ロック状態への移行中であることを示す点滅動作では、例えば0.5秒点灯と0.5秒消灯を2回繰り返す。その後、ロック状態の間は、ロック状態になったことを利用者へ知らせるため、表示部22と表示部30を消灯させる。
【0063】
また、ロック状態中においてCH1を一定時間押し続けている間は、ロック状態の解除中であることを使用者へ知らせるため、緑色の表示部22と赤色の表示部30を点滅させる。解除中であることを示す点滅動作では、例えば1.0秒点灯と1.0秒消灯を1回繰り返す。ロック時と解除時において異なる表示パターンを設定することで、使用者が容易に状態を把握できる。
【0064】
また、ロック状態で通常押下がなされた場合には、スイッチ6からコントローラ1にロック通知信号が送信される。このとき、表示部22~37は、ロック状態でのボタン14~21の操作を使用者に通知する。例えば、ロック状態においてCH1が通常押下された場合、コントローラ1は、ロック状態であることを利用者へ知らせるため、表示部22、30を点滅させる。なお、ここではCH1が押下された場合について説明したが、CH2~CH8が押下された場合も、対応する表示部において同様の表示動作が行われる。
【0065】
図4に示される点灯パターンは一例であって、点灯時間、消灯時間、繰り返し回数および点滅させる表示部22~37の組合せは変更しても良い。例えば、緑色のみ点滅、赤色のみ点滅、または両方を点滅させてもよい。また、点灯時間、消灯時間、繰り返し回数および点滅させる表示部22~37の組合せは、あらかじめ使用者が設定できるものとする。これらの設定は、端末装置8またはデータ設定器10からスイッチ6に設定データを送信することで、スイッチ6に設定される。
【0066】
また、状態を移行するためのボタン14~21の押下時間についても、使用者が設定できる。ロックための押下時間と、ロック解除のための押下時間は異なっても良い。ロック解除のための押下時間は、ロックのための押下時間よりも短く、例えば3秒であっても良い。
【0067】
押下時間、点滅する時間、点滅の色等を使用者が指定できることで、使用者の希望通りの動作設定を実現できる。
【0068】
本実施の形態では、コントローラ1の指令により表示部22~37が点灯、消灯または点滅する。これに限らず、スイッチ6の指令で表示部22~37が点灯、消灯または点滅しても良い。また、表示部22~37として、
図3に示すものに限らず、使用者にスイッチ6の状態を通知できるあらゆる構成を採用できる。例えば、ボタン14~21の各々が有する表示部は2つではなくても良い。
【0069】
実施の形態4.
本実施の形態では、端末装置8またはデータ設定器10を使用してスイッチ6の状態を切り替える方法を説明する。本実施の形態では、切り替え部はスイッチ6の状態を遠隔操作により切り替える端末装置8またはデータ設定器10である。
【0070】
図3に示すように、スイッチ6には赤外線送受信部38が搭載されている。赤外線送受信機能を持つデータ設定器10から赤外線信号が赤外線送受信部38に送信されると、スイッチ6はロック状態または通常状態への移行を実行する。また、端末装置8からコントローラ1を介して信号が送信されることで、スイッチ6はロック状態または通常状態への移行を実行する。
【0071】
本実施の形態では、スイッチ6の状態の切り替え方法には、スイッチ6のボタン14~21の押下による方法と、端末装置8またはデータ設定器10による遠隔操作による方法の2通りがある。このため、端末装置8またはデータ設定器10による状態の切り替えと、ボタン14~21による状態の切り替えのうち、一方を有効にすること、両方を有効にすること、または両方を無効にすることが、スイッチ6に設定される。このような操作優先度は、端末装置8またはデータ設定器10により設定される。
【0072】
図5は、操作優先度を説明する表である。端末装置8またはデータ設定器10による遠隔操作が優先される場合、スイッチ6は、端末装置8とデータ設定器10から状態の切り替えの指令を受信した場合のみ、状態の切り替えを実行する。このとき、ボタン14~21の押下による状態の切り替えは実行しない。
【0073】
また、スイッチ操作が優先される場合、スイッチ6は、ボタン14~21を一定時間押し続けた場合のみ、状態の切り替えを実行する。このとき、端末装置8とデータ設定器10から状態の切り替えの指令を受信しても状態の切り替を実行しない。
【0074】
優先度なしに設定された場合には、遠隔操作とスイッチ操作との間に優先度の差は無い。このとき、いずれの操作によっても状態の切り替えが実行される。また、ロック無効に設定された場合には、いずれの操作によっても状態の切り替えが実行不可能となる。
【0075】
実施の形態5.
複数のボタン14~21のうち1つのボタンで切り替え操作が実施された場合、全てのボタン14~21がロック状態または通常状態に切り替わっても良い。または、切り替え操作が実施されたボタンのみがロック状態または通常状態に切り替わっても良い。
【0076】
ここでは、切り替え操作が実施されたときに全てのボタン14~21の状態が切り替わる設定をスイッチ単位設定と呼ぶ。スイッチ単位設定では、切り替え操作の実施により、全てのボタン14~21が同様の状態に変更される。また、切り替え操作が実施されたときに、切り替え操作が実施されたボタンのみの状態が切り替わる設定をボタン単位設定と呼ぶ。ボタン単位設定では、ボタン毎に状態を変更する。
【0077】
スイッチ6で照明器具2を制御する場合において、スイッチ単位設定では、切り替え操作が実施されると、複数のボタン14~21全てについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わる。ボタン単位設定では、1つのボタンで切り替え操作が実施されると、この1つのボタンについて点灯状態の制御の有効、無効が切り替わる。
【0078】
本実施の形態では、スイッチ単位設定またはボタン単位設定を、端末装置8またはデータ設定器10によりスイッチ6に設定する。これにより、使用者はスイッチ単位設定と、ボタン単位設定のいずれかを選択できる。
【0079】
スイッチ6がスイッチ単位設定に設定された場合、ボタン14~21のうち1つを一定時間押し続けることで、ボタン14~21全てがロック状態となる。このとき、ボタン14~21のうち何れのボタンを押下してもスイッチ6はロック通知信号を送信する。
【0080】
スイッチ6がボタン単位設定に設定された場合、ボタン14~21のうち1つを一定時間押し続けると、押し続けたボタンのみがロック状態になり、他の7個のボタンは通常状態を維持する。このとき、他の7個のボタンでは通常操作が可能になる。次に、他の7個のボタンのうち1つロック状態にすると、ロック状態のボタンが2個になる。同様の手順で、ロック状態にするボタンと、通常状態にするボタンを選択できる。
【0081】
端末装置8またはデータ設定器10を使用してロック状態または通常状態に移行する場合、切り替えを指令する信号において、スイッチ単位設定かボタン単位設定かを指定しても良い。これにより、作業前の設定が、スイッチ単位設定とボタン単位設定のいずれであるかに関係なく、使用者の希望通りに状態の移行を実行できる。
【0082】
実施の形態6.
図6は、実施の形態6に係るスイッチ6のブロック図である。
図6を用いてスイッチ6の内部動作および照明制御システムの再起動時の動作を説明する。まず、スイッチ6の基本動作を説明する。スイッチ6はスイッチ入力部43を備える。スイッチ入力部43は実施の形態1~5で説明したボタン14~21である。ボタン14~21が押下されることで、押下信号が制御部39に入力される。制御部39は、ボタン14~21の押下情報の送信、表示部42への表示、外部通信等を行う。制御部39は例えばマイコンである。
【0083】
制御部39は、通信部44を介して押下されたボタンに対応するアドレスまたはグループ番号の割付データおよび押下情報をコントローラ1へ送信する。通信部44は、制御通信線7と制御部39との間の信号の送受信を行うI/F部である。コントローラ1は、割付データに対応する照明器具2またはリレー端末3等に命令信号を発信すると同時に、スイッチ6に対して表示指令を送信する。
【0084】
表示指令は、通信部44を介して制御部39へ入力される。制御部39は、表示指令に応じて表示部42の点灯状態を変化させる。表示部42は、実施の形態3で説明した表示部22~37である。制御部39は、表示部22~37のうち表示指令に応じた表示部を点灯、消灯または点滅させる。
【0085】
スイッチ6は、揮発性記憶部41を備える。揮発性記憶部41は、上述のスイッチ6の基本動作を実施するために使用されるメモリである。
【0086】
また、スイッチ6は不揮発性記憶部40を備える。データ設定器10から送信された赤外線通信データは赤外線送受信部38を介して制御部39に入力され、不揮発性記憶部40に保存される。不揮発性記憶部40は例えばフラッシュROM(Read Only Memory)である。また、端末装置8から送信されたデータはコントローラ1を介してスイッチ6に入力される。このデータは、通信部44を介して制御部39に入力され、不揮発性記憶部40に保存される。
【0087】
不揮発性記憶部40には、スイッチ6が通常状態またはロック状態のどちらの状態であるかが記憶される。また、不揮発性記憶部40には切り替え操作が記憶される。つまり、不揮発性記憶部40にはスイッチ6の切り替え操作におけるボタン14~21の押下時間が記憶される。また、不揮発性記憶部40には表示部42への表示パターンが記憶される。表示パターンは、状態移行時に点滅する表示部22~37の組合せ、点灯時間、消灯時間、繰り返し回数を含む。
【0088】
また、不揮発性記憶部40には実施の形態4で説明した操作優先度が記憶される。また、不揮発性記憶部40には、スイッチ6にスイッチ単位設定とボタン単位設定の何れが設定されているかが記憶される。また、不揮発性記憶部40には照明器具2またはリレー端末3のオンオフの情報が記憶されても良い。
【0089】
不揮発性記憶部40に保存されたデータは、スイッチ6の電源オフ後も保持される。このため、照明制御システム100が一旦停止し再起動した後も、照明器具2またはリレー端末3のオンオフ指令をスイッチ6から再送信できる。これにより、照明器具2またはリレー端末3を、電源オフ前と同じ状態で復帰させることができる。また、スイッチ6は電源オフ前と同じパラメータで継続して動作できる。
【0090】
また、不揮発性記憶部40に記憶されたスイッチ6の状態、設定パラメータ等は、端末装置8またはデータ設定器10のモニタ機能により読み出すことができる。これにより、使用者はスイッチ6の状態および設定を把握できる。
【0091】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 コントローラ、2 照明器具、3 リレー端末、4 人感センサ、5 照度センサ、6 スイッチ、7 制御通信線、8 端末装置、9 LAN通信線、10 データ設定器、11 制御ユニット、12 電源装置、13 光源、14~21 ボタン、22~37 表示部、38 赤外線送受信部、39 制御部、40 不揮発性記憶部、41 揮発性記憶部、42 表示部、43 スイッチ入力部、44 通信部、80 調光信号