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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】旋回式作業機械の旋回制御装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20220511BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20220511BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20220511BHJP
   B66C 13/22 20060101ALI20220511BHJP
   B66C 13/40 20060101ALI20220511BHJP
   B66C 23/86 20060101ALI20220511BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/26 A
E02F9/22 C
B66C13/22 V
B66C13/40 D
B66C23/86 A
H04N7/18 J
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018085195
(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2019190163
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100109058
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 誠司
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-014554(JP,A)
【文献】特開2017-066860(JP,A)
【文献】特開2018-039477(JP,A)
【文献】特開2017-046277(JP,A)
【文献】特開2007-147588(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155464(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/037950(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
E02F 9/22
B66C 13/22
B66C 13/40
B66C 23/86
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回体と、前記旋回体を旋回可能に支持する支持本体と、前記旋回体を旋回させる旋回駆動装置と、を備えた作業機械における前記旋回体の駆動を制御する旋回制御装置であって、
前記旋回体の旋回を停止させるべき位置である目標停止位置を設定する目標停止位置設定部と、
前記旋回体を前記目標停止位置で自動的に停止させるような自動停止指令を前記旋回駆動装置に与える旋回指令部と、を備え、
前記目標停止位置設定部は、前記作業機械に搭載されて当該作業機械及びその周囲の映像を撮影する撮影装置と、前記撮影装置により撮影された映像に基づいて前記作業機械及びその周囲に位置する周囲物体の俯瞰画像を形成する画像処理装置と、前記俯瞰画像を表示することが可能な表示画面を有する画像表示装置と、前記表示画面に前記俯瞰画像を含む目標停止位置設定画像を表示させる画像表示指令部と、前記俯瞰画像に含まれる前記作業機械及び周囲物体の画像の位置を基準に前記目標停止位置を設定する位置設定操作を受ける設定操作部材と、前記位置設定操作に基づいて前記目標停止位置を決定する目標停止位置決定部と、を有する、旋回制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の旋回制御装置であって、前記画像表示指令部は、前記目標停止位置設定画像として、前記俯瞰画像上で前記旋回体を模擬して旋回する旋回虚像をさらに含む画像を前記表示画面に表示させ、前記目標停止位置決定部は、前記旋回虚像の旋回中に前記設定操作部材に前記位置設定操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置を決定する、旋回制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の旋回制御装置であって、前記旋回体を旋回させるための旋回操作を受ける旋回操作部材をさらに備え、前記旋回指令部は、前記目標停止位置が設定されていないときは前記旋回操作部材に与えられる前記旋回操作に対応した旋回動作を前記旋回体に行わせるような旋回駆動指令を前記旋回駆動装置に与え、前記目標停止位置が設定されているときは前記旋回体が前記目標停止位置に自動的に停止する自動停止動作を前記旋回操作に優先して行わせるような前記自動停止指令を前記旋回駆動装置に与える、旋回制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の旋回制御装置であって、前記旋回操作部材は前記設定操作部材を兼ねるものであり、前記旋回制御装置は、前記旋回操作部材に与えられる操作を前記位置設定操作として前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置の決定を行わせる目標停止位置設定モードと前記旋回操作部材に与えられる操作を前記旋回操作として前記旋回指令部に前記旋回駆動指令の出力を行わせる旋回操作モードとに切換わることが可能な指令切換部をさらに備える、旋回制御装置。
【請求項5】
請求項4記載の旋回制御装置であって、前記画像表示指令部は、前記目標停止位置設定画像として、前記俯瞰画像上で前記旋回体を模擬して旋回する旋回虚像をさらに含む画像を前記表示画面に表示させ、前記目標停止位置決定部は、前記旋回虚像の旋回中に前記設定操作部材に前記位置設定操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置を決定するものであり、前記指令切換部は、前記目標停止位置設定モードにおいて前記旋回操作部材に当該旋回操作部材が中立位置から離れる向きの旋回開始操作が与えられたときに前記俯瞰画像における前記旋回虚像の旋回を開始するように前記画像表示指令部に画像表示指令を行わせ、前記旋回虚像の旋回中に前記旋回操作部材に当該旋回操作部材を前記中立位置に復帰させる中立位置復帰操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置を決定させるように構成されている、旋回制御装置。
【請求項6】
請求項3記載の旋回制御装置であって、前記旋回操作部材は、前記作業機械から離れた遠隔操縦所で遠隔旋回操作を受ける遠隔操作部材であり、前記旋回制御装置は、前記遠隔操作部材に与えられる前記遠隔旋回操作に対応した遠隔旋回操作指令を発信する遠隔操作指令部をさらに備え、前記旋回指令部は前記遠隔旋回操作指令を受信して当該遠隔旋回操作指令に対応した前記旋回駆動指令を前記旋回駆動装置に入力するように構成される、旋回制御装置。
【請求項7】
請求項6記載の旋回制御装置であって、前記設定操作部材は前記遠隔操縦所におけるオペレータによって操作されることが可能な位置に設けられ、前記画像表示装置はその画面に表示される前記目標停止位置設定画像が前記遠隔操縦所におけるオペレータによって視認されることが可能な位置に設けられる、旋回制御装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の旋回制御装置であって、前記旋回駆動装置は、前記作業機械において実操作を受けることが可能な実機操作部材と、前記実機操作部材に与えられる前記実操作に対応して前記旋回体を旋回させるように作動させる旋回油圧回路と、を有し、前記旋回指令部は、前記実機操作部材に前記旋回駆動指令として前記実操作を与えることが可能となるように前記作業機械に搭載される実操作付与機構と、前記遠隔操作指令部から発信された前記遠隔旋回操作指令を受信し、前記実操作付与機構が前記遠隔旋回操作指令に対応した前記実操作を前記実機操作部材に与えるように当該実操作付与機構に実旋回操作指令を入力する実旋回操作指令部と、を有する、旋回制御装置。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の旋回制御装置であって、前記遠隔操作部材は、前記設定操作部材を兼ねるものであり、前記遠隔操作指令部は、前記遠隔操作部材に与えられる前記遠隔旋回操作に対応した前記遠隔旋回操作指令を発信して前記旋回指令部に入力する遠隔操作モードと、前記遠隔操作部材に与えられる操作を前記位置設定操作として前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置の決定を行わせる目標停止位置設定モードと、に切換わることが可能となるように構成されている、旋回制御装置。
【請求項10】
請求項9記載の旋回制御装置であって、前記画像表示指令部は、前記目標停止位置設定画像として、前記俯瞰画像上で前記旋回体を模擬して旋回する旋回虚像をさらに含む画像を前記表示画面に表示させ、前記目標停止位置決定部は、前記旋回虚像の旋回中に前記設定操作部材に前記位置設定操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置を決定するものであり、前記遠隔操作指令部は、前記目標停止位置設定モードにおいて前記遠隔操作部材に当該遠隔操作部材が中立位置から離れる向きの旋回開始操作が与えられたときに前記目標停止位置設定画像における前記旋回虚像の旋回を開始するように前記画像表示指令部に前記画像表示装置での画像表示を行わせ、かつ、前記旋回虚像の旋回中に前記遠隔操作部材に当該旋回操作部材を前記中立位置に復帰させる中立位置復帰操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置を決定させるように構成されている、旋回制御装置。
【請求項11】
旋回式作業機械であって、
旋回体と、
前記旋回体を旋回可能に支持する支持本体と、
前記旋回体を旋回させる旋回駆動装置と、
前記旋回駆動装置による前記旋回体の駆動を制御する、請求項1~10のいずれかに記載の旋回制御装置と、を備えた旋回式作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回式作業機械の旋回体の旋回動作を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルや旋回式クレーンといった旋回式作業機械は、旋回体(例えば上部旋回体)と、当該旋回体を旋回可能に支持する支持本体(例えば下部走行体)と、前記旋回体を旋回させる旋回駆動装置と、を備える。当該旋回式作業機械では、一般に、オペレータが旋回操作レバーに与える旋回操作に応じて前記旋回体が旋回動作をするように前記旋回駆動装置が作動する。
【0003】
さらに、特許文献1には、オペレータの負担の軽減を目的に、旋回式作業機械における旋回体を予め設定された目標停止位置に自動的に停止させる制御を行う装置が開示されている。具体的に、当該特許文献1には、ブーム、アーム及びバケットを有する掘削作業用アームを備えた旋回式の掘削作業車において、予めティーチングモードにおいて設定された第1設定位置から第2設定位置まで前記掘削作業用アームを自動的に移動させる制御装置が記載されている。前記ティーチングモードでは、前記掘削作業用アームが近くの構造物等に衝突しないように当該掘削作業用アームを手動で実際に移動させる人為移動操作が行われる。前記制御装置は、前記人為移動操作による前記掘削作業用アームの移動開始位置及び移動終了位置をそれぞれ前記第1及び第2設定位置として記憶し、当該人為移動操作を再現するような制御を実行する。当該制御には、前記掘削作業用アームの旋回を前記第2設定位置で自動的に停止させるような旋回自動停止制御が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-37339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載される装置では、目標停止位置(同文献では第2設定位置)を設定するためにオペレータはティーチングモードにおいて実際に旋回体を動かしかつ前記目標停止位置に対応した位置に正確に停止させる人為移動操作を行わなければならない。このような操作は容易でなく、熟練を要する。また、旋回体の大きな慣性モーメントにかかわらず前記目標停止位置に正確に停止させるには当該旋回体をきわめて低速で動かす必要があり、このことは作業効率の著しい低下を招く。さらに近年は、オペレータが実際に作業機械に搭乗することなく、当該作業機械に搭載されたカメラの撮影映像を見ながら当該作業機械から離れた操縦席で当該作業機械の旋回を遠隔操縦するシステムの開発が進められているが、このようなシステムにおいて前記カメラの映像を見ながら正確に目標停止位置を設定することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、旋回式作業機械における旋回体を目標停止位置に自動的に停止させることが可能な旋回制御装置であって、当該目標停止位置を正確かつ容易に設定することが可能なものを提供することを目的とする。
【0007】
提供されるのは、旋回体と、前記旋回体を旋回可能に支持する支持本体と、前記旋回体を旋回させる旋回駆動装置と、を備えた作業機械における前記旋回体の駆動を制御する旋回制御装置であって、前記旋回体の旋回を停止させるべき位置である目標停止位置を設定する目標停止位置設定部と、前記旋回体を前記目標停止位置で自動的に停止させるような自動停止指令を前記旋回駆動装置に与える旋回指令部と、を備える。前記目標停止位置設定部は、前記作業機械に搭載されて当該作業機械及びその周囲の映像を撮影する撮影装置と、前記撮影装置により撮影された映像に基づいて前記作業機械及びその周囲に位置する周囲物体の俯瞰画像を形成する画像処理装置と、前記俯瞰画像を表示することが可能な表示画面を有する画像表示装置と、前記表示画面に前記俯瞰画像を含む目標停止位置設定画像を表示させる画像表示指令部と、前記俯瞰画像に含まれる前記作業機械及び周囲物体の画像の位置を基準に前記目標停止位置を設定する位置設定操作を受ける設定操作部材と、前記位置設定操作に基づいて前記目標停止位置を決定する目標停止位置決定部と、を有する。
【0008】
この旋回制御装置によれば、オペレータは、実際に撮影装置が撮影した映像に基づいて作成された前記俯瞰画像に含まれる作業機械及び周囲物体の画像の位置を基準に前記旋回体の目標停止位置を設定する位置設定操作を行うことにより、大きな慣性モーメントを有する旋回体を実際に動かすことなく、しかも、実際の作業機械及びその周囲物体を含む目標停止位置設定画像に基づいて、適正な目標停止位置を容易にかつ正確に設定することができる。
【0009】
前記旋回制御装置において、前記画像表示指令部は、前記目標停止位置設定画像として、前記俯瞰画像上で前記旋回体を模擬して旋回する旋回虚像をさらに含む画像を前記表示画面に表示させ、前記目標停止位置決定部は、前記旋回虚像の旋回中に前記設定操作部材に前記位置設定操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置を決定することが、好ましい。前記俯瞰画像と前記旋回虚像の組合せは、当該俯瞰画像に表示された周囲物体と旋回表示される前記旋回虚像の相対位置関係を確認しながらオペレータが適当なタイミングで前記設定操作部材に前記位置設定操作を与えるだけの簡単な作業で前記目標停止位置を設定することを可能にする。しかも、当該目標停止位置の設定のためには前記俯瞰画像上で前記旋回虚像を表示すれば足り、実際に旋回体を動かす必要はない。このことは、オペレータが実際の旋回体を旋回させる場合と同様の感覚でしかも安全に目標停止位置を設定することを可能にする。
【0010】
前記旋回制御装置は、前記旋回体を旋回させるための旋回操作を受ける旋回操作部材をさらに備え、前記旋回指令部は、前記目標停止位置が設定されていないときは前記旋回操作部材に与えられる前記旋回操作に対応した旋回動作を前記旋回体に行わせるような旋回駆動指令を前記旋回駆動装置に与え、前記目標停止位置が設定されているときは前記旋回体が前記目標停止位置に自動的に停止する自動停止動作を前記旋回操作に優先して行わせるような自動停止指令を前記旋回駆動装置に与えることが、好ましい。このように構成された前記旋回指令部は、前記旋回操作部材に前記旋回操作を与えるオペレータの意思を反映した動きを旋回体に行わせる制御と、当該旋回操作にかかわらず前記旋回体を前記目標停止位置に安全に停止させる制御と、の両立を可能にする。
【0011】
例えば、前記旋回制御装置は、前記旋回体の慣性モーメント及び旋回動作に関する旋回体情報を検出する旋回体情報検出装置と、当該旋回体情報検出装置により検出された情報に基づき前記旋回体の制動を開始してから停止させるまでに必要な制動必要角度を演算する制動必要角度演算部と、を備え、前記旋回指令部は、前記旋回体の現在位置から前記目標停止位置までの残り角度が前記制動必要角度よりも大きいときは前記旋回駆動指令を前記旋回駆動装置に与え、前記残り角度が前記制動必要角度以下のときは前記自動停止指令を前記旋回駆動装置に与えるように構成されているものが、好適である。前記のような制動必要角度を考慮した制御は、前記旋回体が大きな慣性モーメントを有する場合でも当該慣性体が無理のない減速度で自動的に停止することを可能にする。
【0012】
前記旋回操作部材は、前記設定操作部材と別の部材でもよいが、当該設定操作部材を兼ねることも可能である。この場合、前記旋回制御装置は、前記旋回操作部材に与えられる操作を前記位置設定操作として前記目標停止位置決定部に目標停止位置の決定を行わせる目標停止位置設定モードと前記旋回操作部材に与えられる操作を前記旋回操作として前記旋回指令部に前記旋回駆動指令の出力を行わせる旋回操作モードとに切換わることが可能な指令切換部をさらに備えるのが、よい。当該操作切換部は、同じ旋回操作部材に与えられる操作が前記位置設定操作及び前記旋回操作のいずれとしても旋回制御装置の動作に反映されることを可能にする。
【0013】
前記旋回操作部材は、前記画像表示指令部が前記目標停止位置設定画像として前記俯瞰画像及び前記旋回虚像を含む画像を画像表示装置に表示させる態様においても、前記と同様に設定操作部材を兼ねることが可能である。この場合、前記指令切換部は、前記目標停止位置設定モードにおいて前記旋回操作部材に当該旋回操作部材が前記中立位置から離れる向きの旋回開始操作が与えられたときに前記目標設定位置設定画像における前記旋回虚像の旋回を開始するように前記画像表示指令部に画像表示指令を行わせ、前記旋回虚像の旋回中に前記旋回操作部材に当該旋回操作部材を前記中立位置に復帰させる中立位置復帰操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置を決定させるように構成されていることが、好ましい。このように、旋回操作部材に与えられる旋回開始操作と中立位置復帰操作と前記旋回虚像の旋回開始と目標停止位置の決定とを対応づけることは、実際に旋回操作部材を操作して旋回体の旋回の開始及び停止を行わせる感覚と同様の感覚でオペレータが旋回虚像の旋回の開始及び目標停止位置の設定を行うことを可能にする。
【0014】
前記旋回操作部材は、前記作業機械に搭載されたものでもよいが、当該作業機械から離れた遠隔操縦所で遠隔旋回操作を受ける遠隔操作部材であってもよい。具体的には、前記旋回制御装置が、前記遠隔操作部材に与えられる前記遠隔旋回操作に対応した遠隔旋回操作指令を発信する遠隔操作指令部をさらに備え、前記旋回指令部は前記遠隔旋回操作指令を受信して当該遠隔旋回操作指令に対応した旋回駆動指令を前記旋回駆動装置に入力するように構成されるのが、好ましい。このような遠隔操作では、実際に作業機械に搭乗して実操作を行う場合に比べてオペレータが旋回体を正確に所望の位置に停止させることはより難しくなるので、前記目標停止位置設定画像を用いた目標停止位置の設定の実効性はさらに高い。
【0015】
この場合、前記設定操作部材は前記遠隔操縦所におけるオペレータによって操作されることが可能な位置に設けられ、前記画像表示装置はその画面に表示される前記目標停止位置設定画像が遠隔操縦所におけるオペレータによって視認されることが可能な位置に設けられるのが、好ましい。これらのことは、オペレータが前記遠隔操作を行うための遠隔操縦所で前記設定操作部材及び前記画像表示装置を用いて前記目標停止位置の設定を行うことを可能にする。
【0016】
前記旋回駆動装置は、例えば、前記作業機械において実操作を受けることが可能な実機操作部材と、前記実機操作部材に与えられる前記実操作に対応して前記旋回体を旋回させるように作動させる旋回油圧回路と、を有するものであってもよい。この場合、前記旋回指令部は、前記実機操作部材に前記旋回駆動指令として前記実操作を与えることが可能となるように前記作業機械に搭載される実操作付与機構と、前記遠隔操作指令部から発信された前記遠隔旋回操作指令を受信し、前記実操作付与機構が前記遠隔旋回操作指令に対応した前記実操作を前記実機操作部材に与えるように当該実操作付与機構に実旋回操作指令を入力する実旋回操作指令部と、を有することにより、前記遠隔操作部材を用いた遠隔操作が可能になる。
【0017】
前記遠隔操作部材も、前記設定操作部材を兼ねることが可能である。具体的には、前記遠隔操作指令部が、前記遠隔操作部材に与えられる前記遠隔旋回操作に対応した遠隔旋回操作指令を発信して前記旋回指令部に入力する遠隔操作モードと、前記遠隔操作部材に与えられる操作を前記位置設定操作として前記目標停止位置決定部に目標停止位置の決定を行わせる目標停止位置設定モードと、に切換わることが可能となるように構成されているのが、よい(つまり前記指令切換部として構成されるのがよい。)。
【0018】
前記遠隔操作部材は、前記画像表示指令部が前記旋回虚像を含む目標停止位置設定画像を画像表示装置に表示させる態様においても、前記と同様に設定操作部材を兼ねることが可能である。具体的には、前記遠隔操作指令部が、前記目標停止位置設定モードにおいて前記遠隔操作部材に当該遠隔操作部材が前記中立位置から離れる向きの旋回開始操作が与えられたときに前記目標設定位置設定画像における前記旋回虚像の旋回を開始するように前記画像表示指令部に前記画像表示装置での画像表示を行わせ、かつ、前記旋回虚像の旋回中に前記遠隔操作部材に当該旋回操作部材を前記中立位置に復帰させる中立位置復帰操作が与えられた時点での当該旋回虚像の旋回方向の位置に基づいて前記目標停止位置決定部に前記目標停止位置を決定させるように構成されているのが、よい。
【0019】
また、本発明によれば、旋回体と、前記旋回体を旋回可能に支持する支持本体と、前記旋回体を旋回させる旋回駆動装置と、前記旋回駆動装置による前記旋回体の駆動を制御する装置であって上述の旋回制御装置のいずれかにより構成されるものと、を備えた旋回式作業機械が提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、旋回式作業機械において旋回体を目標停止位置に自動的に停止させることが可能な旋回制御装置であって、当該目標停止位置を正確かつ容易に設定することが可能なものが、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る旋回制御装置が適用される旋回式作業機械の一例である油圧ショベルを示す側面図である。
図2】前記油圧ショベルに搭載される実機旋回操作器及び旋回油圧回路を示す図である。
図3】前記油圧ショベルに搭載される旋回制御装置の主要な構成要素を示すブロック図である。
図4】前記旋回制御装置が行う演算制御動作であって主として目標停止位置設定モードにおける演算制御動作を示すフローチャートである。
図5】前記目標停止位置設定モードにおいて表示される目標停止位置設定画像を示す図である。
図6】前記旋回制御装置が遠隔操作モードにおいて行う演算制御動作を示すフローチャートである。
図7】前記遠隔操作モードにおいて演算される制動必要角度と残り角度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る旋回制御装置が適用される旋回式作業機械の一例である油圧ショベル10を示す。なお、本発明が適用される旋回式作業機械は油圧ショベルに限定されない。本発明は、旋回体、これを支持する支持本体、及び前記旋回体を旋回させる旋回体駆動装置を備える旋回式作業機械に広く適用され得る。当該旋回式作業機械は、例えば、移動式の解体機や、移動式または固定式のクレーンであってもよい。
【0024】
図1に示される前記油圧ショベル10は、下部走行体11と、当該下部走行体11に縦軸X回りに矢印A0のように旋回可能に支持される上部旋回体12と、上部旋回体12に搭載される作業装置14と、油圧駆動装置と、を備える。前記上部旋回体12及び作業装置14は旋回体を構成し、前記下部走行体11は当該旋回体を旋回可能に支持する支持本体を構成する。
【0025】
前記下部走行体11は、地面Gの上を走行可能である。前記上部旋回体12は、旋回フレーム16と、その上に搭載される複数の旋回体要素と、を有する。当該複数の旋回体要素は、エンジンを収容するエンジンルーム17や運転室を画定するキャブ18を含む。
【0026】
前記作業装置14は、掘削作業その他の必要な作業のための動作を行うことが可能であり、ブーム21、アーム22、バケット24及び複数の作業用油圧シリンダを含む。前記ブーム21は、前記旋回フレーム16の前端に起伏可能すなわち矢印A1に示されるように水平軸回りに回動可能に支持される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記アーム22は、前記ブーム21の先端部に矢印A2に示されるように水平軸回りに回動可能に取付けられる基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記バケット24は、先端アタッチメントに相当するものであり、前記アーム22の先端部に回動可能に取付けられる。前記複数の作業用油圧シリンダは、前記ブーム21を起伏させるブームシリンダ26と、当該ブーム21に対してアーム22を回動させるアームシリンダ27と、当該アーム22に対して前記バケット24を回動させるバケットシリンダ28と、を含む。
【0027】
前記油圧駆動装置は、前記上部旋回体12を油圧により旋回させる部分と、前記作業装置14を油圧により動かして作業動作を行わせる部分と、を含む。そのうち前者が図2に示される旋回駆動装置30を構成する。当該旋回駆動装置30は、油圧ポンプ31と、旋回モータ32と、旋回コントロールバルブ34と、旋回操作器36と、パイロット油圧源38と、を有する。
【0028】
前記油圧ポンプ31は、エンジン等の駆動源により駆動されることにより、前記旋回モータ32に供給されるための作動油を吐出する。前記旋回モータ32は、この実施の形態では、前記作動油の供給を受けることにより前記上部旋回体12を両方向に旋回させるように作動することが可能な油圧モータである。
【0029】
前記旋回コントロールバルブ34は、前記油圧ポンプ31から前記旋回モータ32に作動油が供給される方向及び当該作動油の流量を変化させるように開閉作動することが可能なパイロット操作式の方向切換弁である。具体的に、当該旋回コントロールバルブ34は、左旋回パイロットポート34aと右旋回パイロットポート34bとを有し、当該パイロットポート34a,34bのいずれかにパイロット圧が供給されたときはそのパイロット圧が供給されたパイロットポートに対応する向きに当該パイロット圧の大きさに対応した流量で前記油圧ポンプ31から前記旋回モータ32に作動油が供給されるのを許容するように開弁する。
【0030】
前記旋回操作器36は、前記油圧ショベル10において実旋回操作を受け、かつ、当該実旋回操作に対応した上部旋回体12の旋回駆動が行われるように前記旋回コントロールバルブ34を作動させる。具体的に当該旋回操作器36は、実機旋回操作レバー36aと、当該実機旋回操作レバー36aに連結される旋回パイロット弁36bと、を有する。前記実機旋回操作レバー36aは、前記キャブ18が画定する運転室内に設けられる複数の実機操作レバーの中に含まれ、当該実機旋回操作レバー36aをその中立位置から左方向または右方向に回動させる実旋回操作を受ける実機操作部材である。前記旋回パイロット弁36bは、前記旋回コントロールバルブ34の左旋回及び右旋回パイロットポート34a,34bのうち前記実旋回操作の方向に対応した旋回パイロットポートに対して前記パイロット油圧源38から当該実旋回操作の大きさに対応した大きさのパイロット圧が供給されるのを許容するように開弁する。
【0031】
図3は、この実施の形態に係る前記旋回制御装置の構成要素を示すブロック図である。この実施の形態に係る前記油圧ショベル10の操縦は、遠隔操縦システムによって行われる。当該遠隔操縦システムでは、実機である当該油圧ショベル10から離れた遠隔操縦所でのオペレータの遠隔操作によって前記油圧ショベル10が動かされる。
【0032】
前記旋回制御装置の構成要素は、前記遠隔操縦所に設けられる複数の遠隔操作側要素と、前記実機に搭載される複数の実機側要素と、に分けられる。この実施の形態において、前記複数の遠隔操作側要素は、遠隔操作盤40に含まれる遠隔旋回操作レバー44と、画像表示装置46と、モード選択スイッチ48と、遠隔操作コントローラ50と、を含み、前記複数の実機側要素は、旋回体情報検出装置60と、実操作付与機構70と、撮影装置72と、画像処理装置74と、実機コントローラ80と、を含む。
【0033】
前記遠隔操作盤40は、オペレータが前記下部走行体11の走行、上部旋回体12の旋回、及び作業装置14の作動について遠隔操縦を行うために操作を与える複数の遠隔操作レバーと、当該複数の遠隔操作レバーのそれぞれに与えられる操作に対応した遠隔操作信号を出力する操作信号出力部と、を有する。前記遠隔旋回操作レバー44は前記複数の遠隔操作レバーの中に含まれる。当該遠隔旋回操作レバー44は、前記上部旋回体12を旋回させるための遠隔旋回操作を受ける遠隔操作部材である。
【0034】
前記画像表示装置46は、所定の画像を表示することが可能な表示画面を有する。当該画像表示装置46は、前記遠隔操作盤40の近傍の位置、具体的には、前記遠隔操縦所において前記遠隔操作盤40に含まれる遠隔操作レバーを操作するオペレータが前記表示画面を視認することが可能な位置、に設けられる。
【0035】
前記モード選択スイッチ48は、オペレータが前記遠隔操作コントローラ50のモードを選択するためのモード選択操作(この実施の形態ではオンオフ操作)を受け、当該モード選択操作に対応したモード指定信号を前記遠隔操作コントローラ50に入力する。当該遠隔操作コントローラ50のモードには、遠隔操作モードと目標停止位置設定モードとがある。
【0036】
前記遠隔操作コントローラ50は、マイクロコンピュータ等からなり、前記遠隔操作盤40、画像表示装置46及び前記モード選択スイッチ48に電気的に接続される。当該遠隔操作コントローラ50は、前記旋回制御装置を構成するための機能として、遠隔操作通信部52、遠隔操作指令部54、画像表示指令部56及び目標停止位置決定部58を有する。
【0037】
前記遠隔操作通信部52は、前記実機コントローラ80との間で所定の通信路100を介して必要な信号の送受信を行う機能を有する。当該通信路100は、例えば、特定省電力無線、ブルーツース(登録商標)、携帯電話通信網、インターネット通信網を含む公衆通信回線、といった無線通信路であってもよいし、長尺のケーブルを媒介とする有線通信路であってもよい。
【0038】
前記遠隔操作指令部54は、前記遠隔操作盤40からの遠隔操作信号(遠隔旋回操作信号を含む)の入力を受けるとともに、前記モード選択スイッチ48から入力されるモード指令信号によって前記遠隔操作モードと前記目標停止位置設定モードとに切換えられる。
【0039】
前記遠隔操作指令部54は、前記遠隔操作モードでは、前記遠隔操作盤40から入力される各操作信号を遠隔操作(遠隔旋回操作を含む)に対応した信号であるとみなして当該操作信号に対応した遠隔操作指令(前記旋回操作信号に対応する遠隔旋回操作指令を含む。)を前記遠隔操作通信部52及び前記通信路100を経由して前記実機コントローラ80に入力する。従って、当該遠隔操作指令部54は、前記遠隔旋回操作レバー44に与えられる操作を遠隔旋回操作とみなしてこれに対応する遠隔旋回操作指令を出力する。
【0040】
一方、前記遠隔操作指令部54は、前記目標停止位置設定モードでは、前記画像表示指令部56が所定の目標停止位置設定画像を前記画像表示装置46に表示させるように、当該画像表示指令部56に画像表示指令を入力するとともに、前記遠隔操作盤40の前記遠隔旋回操作レバー44に与えられる操作を目標停止位置の設定のための位置設定操作であるとみなし、当該操作に対応して前記遠隔操作盤40から入力される操作信号を(遠隔操作に対応する信号ではなく)前記位置設定操作に対応する信号として目標停止位置決定部58に入力する。従って、当該遠隔操作通信部52は、前記目標停止位置設定モードでは前記実機コントローラ80に遠隔操作指令を送信しない。
【0041】
前記目標停止位置決定部58は、前記目標停止位置決定モードにおいて前記遠隔操作指令部54から入力される信号(位置設定操作に対応する信号)に基づいて目標停止位置を決定し、当該目標停止位置を指定する目標停止位置指令を前記遠隔操作通信部52を通じて前記実機コントローラ80に送信する。当該目標停止位置は、前記上部旋回体12を自動的に停止させるべき位置であって当該上部旋回体12の旋回方向についての位置である。この目標停止位置の設定の目的は限定されない。例えば、前記油圧ショベル10の周囲に存在する障害物と上部旋回体12または作業装置14との干渉の防止のために当該障害物の手前に前記目標停止位置が設定されてもよい。あるいは、ダンプトラック等の運搬車への土砂の積込みのために当該運搬車の上方に前記目標停止位置が設定されてもよい。
【0042】
前記画像表示指令部56は、前記実機コントローラ80から前記遠隔操作通信部52を通じて画像データを受信し、当該画像データを用いて前記画像表示装置46に目標停止位置設定画像を表示させる。当該目標停止位置設定画像は、オペレータが当該目標停止位置設定画像を見ながら前記位置設定操作を前記遠隔旋回操作レバー44に与えることにより前記目標停止位置を設定するための画像であり、その詳細は後述する。また、この実施の形態に係る画像表示指令部56は、オペレータが遠隔操作を行うために必要な遠隔操作用画像のデータも受信して当該遠隔操作用画像も画像表示装置46に表示させる。
【0043】
前記旋回体情報検出装置60は、前記目標停止位置に前記上部旋回体12を自動的に停止させるために必要な情報であって旋回体の慣性モーメント及び旋回動作に関する旋回体情報を検出する。この実施の形態に係る旋回体情報には、前記作業装置14の姿勢、前記上部旋回体12の旋回角度及び旋回角速度、並びにバケット24に積載される土砂の重量が含まれる。具体的に、当該旋回体情報検出装置60は、図1に示されるような複数のセンサ、すなわち、前記ブーム21の起伏角度を検出するブーム角センサ61、前記ブーム21に対する前記アーム22の角度を検出するアーム角センサ62、前記アーム22に対する前記バケット24の角度を検出するバケット角センサ64、前記上部旋回体12の前記下部走行体11に対する旋回角度を検出する旋回角度センサ66、及び前記バケット24内の土砂の重量に対応して増減する前記ブームシリンダ26のへッド圧を検出するブーム圧センサ68を含む。前記旋回角速度は、前記旋回角度センサ66により検出される旋回角度の時間微分演算によって得られることが可能である。当該演算は旋回角度センサ66で行われてもよいし、実機コントローラ80で行われてもよい。あるいは、旋回角度センサ66とは別に前記旋回角速度を検出する旋回速度センサが配備されてもよい。
【0044】
前記実操作付与機構70は、オペレータに代わって前記実機旋回操作レバー36aに前記実旋回操作を与えるように前記キャブ18内の操縦席に搭載される。当該実操作付与機構70は、前記実機旋回操作レバー36aに前記実旋回操作を与える(つまり当該実機旋回操作レバー36aを左右いずれかの方向に回動させる)ことができるように、前記実機旋回操作レバー36aに機械的に連結される。
【0045】
前記撮影装置72は、前記油圧ショベル10及びその周囲の映像を撮影する。当該撮影装置72は、例えば、前記上部旋回体12または前記下部走行体11の複数の箇所にそれぞれ取付けられた複数のカメラにより構成され、当該複数のカメラは、互いに異なる角度から前記油圧ショベル10及びその周囲の映像を撮影する。
【0046】
前記画像処理装置74は、前記撮影装置72が撮影した映像に基づいて前記油圧ショベル10及びその周囲の物体を上方から俯瞰する俯瞰画像を作成する。この俯瞰画像は後述のように前記目標停止位置設定画像の基本となる画像である。また、この実施の形態に係る画像処理装置74は、前記遠隔操縦所においてオペレータが前記油圧ショベル10の遠隔操縦を行うために必要な映像、すなわち、前記キャブ18内の運転席から見た遠隔操縦用画像も作成する。当該遠隔操縦用画像は、前記撮影装置72の撮影画像を利用して作成されてもよいし、専用のカメラを用いて作成されてもよい。前記画像処理装置74は、作成した画像のデータを前記実機コントローラ80に入力する。
【0047】
前記実機コントローラ80は、前記遠隔操作コントローラ50と同様にマイクロコンピュータ等からなり、前記旋回体情報検出装置60、前記実操作付与機構70及び前記画像処理装置74に電気的に接続される。当該実機コントローラ80は、前記旋回制御装置を構成するための機能として実機通信部82、実操作指令部84、及び制動必要角度演算部88を有する。
【0048】
前記実機通信部82は、前記遠隔操作コントローラ50の前記遠隔操作通信部52との間で前記通信路100を介して必要な信号の送受信を行う機能を有する。具体的に、当該実機通信部82は、前記画像処理装置74から入力される画像データを前記遠隔操作通信部52を経由して前記画像表示指令部56に送信する一方、前記遠隔操作指令部54及び前記目標停止位置決定部58からそれぞれ前記遠隔操作通信部52を通じて送信された遠隔指令及び目標停止位置指令を受信して実操作指令部84及び制動必要角度演算部88に入力する。
【0049】
前記実操作指令部84は、原則として遠隔操作制御を実行する。具体的には、前記遠隔操作指令部54から前記遠隔操作通信部52及び前記実機通信部82を経由して送られてきた前記遠隔指令(前記遠隔操作盤40の各遠隔操作レバーに与えられた遠隔操作に対応する指令)に基づき、前記実操作付与機構70が前記遠隔指令に対応した実操作を各実機操作レバーに与えるように当該実操作付与機構70に実操作指令を入力する。当該実操作指令には、前記遠隔旋回操作レバー44に与えられた遠隔旋回操作に対応する実旋回操作指令のほか、作業装置14の作業動作や下部走行体11の走行動作を行わせるための実操作指令が含まれる。
【0050】
前記制動必要角度演算部88は、前記実機通信部82から前記目標停止位置指令が入力された場合に、前記上部旋回体12及び前記作業装置14を含む旋回体の制動必要角度θbを演算する。当該制動必要角度θbは、現在旋回している上部旋回体12及び作業装置14を無理のない減速度で停止状態に至らせるまでに必要とされる旋回角度である。当該制動必要角度θbは、前記旋回体情報、すなわち、旋回体の慣性モーメント及び旋回状態(旋回角度及び旋回角速度)に関する情報に基づいてリアルタイムで算定されることが可能である。
【0051】
前記実操作指令部84は、当該実操作指令部84に前記目標停止位置指令が入力されている場合、すなわち前記目標停止位置が決定されている場合には、前記遠隔操作制御に優先して前記目標停止位置に基づく自動停止制御を実行する。具体的には、現在の前記目標停止位置から前記目標停止位置に至るまでの旋回角度である残り角度θrを演算し、当該残り角度θrが前記制動必要角度θb以下である場合には、前記遠隔操作指令部54から送られてくる遠隔旋回操作指令の有無にかかわらず、旋回している前記上部旋回体12及び前記作業装置14を前記目標停止位置に停止させるための自動停止用の実旋回操作指令を入力する。
【0052】
次に、前記旋回制御装置により行われる具体的な演算制御動作を、図4図7を併せて参照しながら説明する。図4は前記演算制御動作のうち前記目標停止位置設定モードにおいて行われる演算制御動作を主として示すフローチャートであり、図6は前記遠隔操作モードにおいて行われる演算制御動作を示すフローチャートである。
【0053】
この実施の形態に係る前記遠隔操作コントローラ50の遠隔操作指令部54は、前記モード選択スイッチ48のオンオフによって遠隔操作モードと目標停止位置設定モードとに切換えられる。具体的に、当該遠隔操作指令部54は、前記モード選択スイッチ48がオフの場合(ステップS01でNO)には前記遠隔操作モードを維持し(ステップS02)、当該モード選択スイッチ48がオンに切換えられると(ステップS01でYES)目標停止位置設定モードに切換えられる。
【0054】
当該目標停止位置設定モードにおいて、前記遠隔操作指令部54は、画像表示指令部56に画像表示指令を入力する。これにより、当該画像表示指令部56は、実機(この実施の形態では油圧ショベル10)に搭載された画像処理装置74から実機通信部82、遠隔操作通信部52及び遠隔操作指令部54を経由して送信された画像データ、すなわち、俯瞰画像についてのデータ、に基づいて目標停止位置設定画像を画像表示装置46に表示させる(ステップS11)。
【0055】
図5は、前記目標停止位置設定画像の例を示す。当該目標停止位置設定画像は、前記俯瞰映像、具体的には、前記油圧ショベル10の真上の位置から当該油圧ショベル10を俯瞰した実機映像90及びその周囲に存在する物体を俯瞰した周囲物体映像92を基本とし、さらに、旋回虚像94を含む。前記旋回虚像94は、前記旋回体の全体またはその一部(図5では作業装置14)を模擬して当該旋回体の旋回動作と同様の旋回動作をするように表示されるものである。
【0056】
前記遠隔操縦所において、オペレータは、前記旋回虚像94の旋回開始及び当該旋回虚像94を参照しながら、当該遠隔操縦所に設置された前記遠隔操作盤40の遠隔旋回操作レバー44に操作を与えることにより、目標停止位置を容易に設定することが可能である。
【0057】
まず、前記遠隔旋回操作レバー44をその中立位置から左右のいずれかに傾倒させる操作、つまり旋回開始操作、がオペレータによって前記遠隔旋回操作レバー44に与えられると(ステップS12でYES)、前記遠隔操作指令部54は目標停止位置設定画像上での前記旋回虚像94の旋回を開始するように前記画像表示指令部56に指令を送る(ステップS13)。当該旋回虚像94の旋回の方向は前記遠隔旋回操作レバー44に与えられる操作の方向と合致していることが好ましい。このことは、オペレータの操作感覚に適合した目標停止位置画像の提供を可能にする。
【0058】
前記旋回虚像94の旋回が開始された後、前記遠隔旋回操作レバー44を再び中立位置に復帰させる中立位置復帰操作が当該遠隔旋回操作レバー44に与えられると(ステップS14でYES)、前記遠隔操作コントローラ50の目標停止位置決定部58は、当該中立位置復帰操作が与えられた時点における旋回虚像94の旋回方向の位置に基づいて目標停止位置を決定する(ステップS15)。従って、前記オペレータは、前記旋回虚像94と周囲物体映像92との相対位置関係を確認しながら適当なタイミングで前記中立位置復帰操作を前記遠隔旋回操作レバー44に与えることにより、容易かつ正確に、しかも実機の旋回体を旋回させることなく安全に、前記目標停止位置を設定することができる。
【0059】
前記目標停止位置決定部58は、決定した前記目標停止位置についての指令である目標停止位置指令を前記遠隔操作通信部52及び前記通信路100を経由して前記実機コントローラ80の実機通信部82に送信する。これにより、目標停止位置設定モードは終了して前記遠隔操作指令部54のモードは自動的に遠隔操作モードに切換えられる(ステップS02)。
【0060】
前記遠隔操作モードでは、前記遠隔操作指令部54は、前記遠隔旋回操作レバー44に与えられる操作を遠隔旋回操作とみなし、当該遠隔旋回操作に対応する遠隔旋回操作指令を前記遠隔操作通信部52、前記通信路100及び前記実機通信部82を通じて前記実操作指令部84に送信する(図6のステップS21)。
【0061】
前記実操作指令部84は、前記目標停止位置が設定されているか否かを判定する(ステップS22)。当該目標停止位置が設定されていない場合(ステップS22でNO)、前記実操作指令部84は、通常の遠隔操作を実現するための実旋回操作指令を実操作付与機構70に入力する。つまり、前記遠隔旋回操作指令に対応した実旋回操作指令、を実操作付与機構70に入力する(ステップS23)。当該実旋回操作指令の入力を受けた実操作付与機構70は、上部旋回体12が前記遠隔旋回操作指令に対応した旋回動作を行うように実機である油圧ショベル10の実機旋回操作レバー36aに実操作を与える。つまり、当該実機旋回操作レバー36aを実際に回動させる。また、実操作付与機構70は、実旋回操作指令以外の実操作指令(例えばブーム上げ指令)が入力された場合には他の実機操作レバー(例えばブームレバー)にも当該実操作指令に対応した実操作を与える。
【0062】
一方、前記目標停止位置が設定されている場合(ステップS22でYES)、前記実操作指令部84は所定の制御周期ごとに旋回自動停止制御のための検出信号、具体的には旋回体情報検出装置60から実機コントローラ80に入力される旋回体情報についての検出信号の取込みを行う(ステップS24)。さらに、当該実操作指令部84及び制動必要角度演算部88は、それぞれ、残り角度θr及び制動必要角度θbの演算をリアルタイムで行う(ステップS25)。
【0063】
図7は、前記残り角度θr及び前記制動必要角度θbの関係を示す図である。図7において、旋回中心Osから旋回半径方向に延びる複数の直線のうち、一点鎖線Lsが現在の旋回位置を示し、太い実線Ltが目標停止位置を示し、細い実線Lbが前記目標停止位置に上部旋回体12を安全に停止させるために制動を開始すべき制動開始位置を示している。前記残り角度θrは、前記一点鎖線Lsと前記実線Ltとの間に形成される角度、つまり、現在の旋回位置から前記目標停止位置に至るまでの旋回角度、である。前記制動必要角度θbは、前記実線Lbと前記一点鎖線Lsの間に形成される角度、つまり、前記制動開始位置から前記目標停止位置に至るまでの角度である。
【0064】
図7に示すように前記残り角度θrが前記制動必要角度θbよりも大きいうちは(ステップS26でNO)、前記目標停止位置が設定されていない場合と同様、前記実操作指令部84は、通常の遠隔操作を実現するための実旋回操作指令、つまり、前記遠隔操作指令部54から送られてくる遠隔旋回操作指令に対応した実旋回操作指令、を実操作付与機構70に入力する(ステップS27)。しかし、前記残り角度θrが前記制動必要角度θb以下となった時点(ステップS26でYES)、換言すれば現在の旋回体の旋回位置が制動開始位置に到達した時点、からは、前記実操作指令部84は、前記遠隔旋回操作指令にかかわらず、前記上部旋回体12を所定の減速度で安全にかつ正確に前記目標停止位置に停止させるような制動用実旋回操作指令を前記実操作付与機構70に入力する(ステップS28)。つまり、前記目標停止位置に基づく自動停止制御を通常の遠隔操作制御よりも優先して実行する。そして、前記残り角度θrが0になった時点、すなわち前記上部旋回体12が前記目標停止位置に到達して停止した時点で(ステップS29でYES)自動停止制御を終了する(ステップS30)。
【0065】
以上のようにして、旋回体の目標停止位置が容易かつ正確に、また実際の旋回体の旋回動作を要することなく安全に設定されるとともに、当該目標停止位置に基づく自動停止制御が実行される。
【0066】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を包含する。
【0067】
(A)旋回駆動装置について
本発明に係る装置の制御の対象となる旋回駆動装置は、前記のような油圧式の物に限定されない。当該旋回駆動装置は、電動式の旋回モータを具備するものでもよい。例えば、前記実施の形態に係る実機コントローラ80から前記旋回モータに直接旋回駆動指令信号が入力されてもよい。あるいは、当該旋回駆動装置が図2に示される旋回操作器36に代えて旋回コントロールバルブ34の両パイロットポート34a,34bとパイロット油圧源38との間にそれぞれ介在する電磁弁を具備し、旋回指令部が当該電磁弁に旋回駆動指令を入力して当該電磁弁からこれに対応するパイロットポートに入力されるパイロット圧を制御するように構成されてもよい。
【0068】
(B)各要素の位置について
本発明に係る旋回制御装置を構成する要素の位置は特に限定されない。例えば、前記実施の形態に係る遠隔操作システムの画像表示指令部56や目標停止位置決定部58は前記遠隔操作コントローラ50ではなく前記実機コントローラ80に含まれてもよい。この場合、前記旋回体情報検出装置60を構成する各センサが前記通信路100を介さずに直接前記画像表示指令部56や前記目標停止位置決定部58に検出信号を無線で送信してもよい。逆に前記制動必要角度演算部88は前記遠隔操作コントローラ50に含まれてもよい。また、撮影装置72が送信機能を有する場合には、前記画像処理装置74が遠隔操縦所に配置されて当該撮影装置72から送信されるデータに基づいて目標停止位置設定画像を形成することも可能である。
【0069】
(C)遠隔操作について
本発明に係る旋回制御装置は、前記油圧ショベル10のように遠隔操作システムにより遠隔操作されるものに限定されず、キャブ内に搭乗するオペレータによって直接操作を受ける旋回式作業機械にも適用されることが可能である。このような直接操作態様では、位置設定部材、画像表示装置、画像表示指令部、目標停止位置決定部等は旋回駆動装置とともに前記作業機械に搭載されればよい。また、当該直接操作態様でも、作業機械の運転席近傍に配置される旋回操作部材が位置設定部材として兼用されることが可能である。この場合は、前記実施の形態に係る遠隔操作指令部54に代えて、目標停止位置設定モードと(前記遠隔操作モードに対応する)旋回操作モードに切換わることが可能な指令切換部が作業機械に搭載され、当該指令切換部は、前記目標停止位置設定モードでは前記旋回操作部材に与えられる操作を前記位置設定操作として前記目標停止位置決定部に目標停止位置の決定を行わせ、前記旋回操作モードでは前記旋回操作部材に与えられる操作を前記旋回操作として前記旋回指令部に前記旋回駆動指令の出力を行わせるように構成されるのが、よい。
【0070】
(D)位置設定部材、位置設定操作について
本発明に係る位置設定部材は、旋回操作部材とは別の部材であってもよい。例えば、前記遠隔操作盤40に前記遠隔旋回操作レバー44とは別に位置設定レバーが設けられてもよい。また遠隔操作システムではなく直接操縦システムでは作業機械の運転室に旋回操作部材とは別の位置設定部材が設けられてもよい。
【0071】
また、前記目標停止位置を設定するための位置設定操作は、実際の旋回操作と近似する操作に限定されない。例えば、前記位置設定部材が押圧スイッチの押しボタンを構成するものであって、当該押しボタンに押圧操作が与えられることにより旋回虚像の旋回が開始され、さらに2回目の押圧操作が与えられた時点で目標停止位置が決定されてもよい。あるいは、旋回操作レバーの取手部分に目標停止位置を設定するためのボタンスイッチが設けられてもよい。あるいは、オペレータが位置設定スイッチを押しながら旋回操作レバーを操作することを条件に目標停止位置の決定が行われてもよい。
【0072】
目標停止位置の設定の解除についても種々の態様が考えられる。例えば、設定操作部材またはこれとは別の部材に設定解除用の操作が与えられるまで目標停止位置が維持されてもよいし、下部走行体が走行した時点で目標停止位置が解除されてもよい。あるいは、周囲物体の位置が変動した時点で目標停止位置が解除されて新しい目標停止位置の設定を促す画像が画像表示装置に表示されてもよい。
【0073】
(E)モード切換について
本発明において指令切換部(前記実施の形態では遠隔操作指令部54)について目標停止位置設定モード及び旋回操作モード(前記実施の形態では遠隔操作モード)が設定されている場合、そのモードの切換の態様は自由に設定されることが可能である。例えば、目標停止位置設定モードにおいて目標停止位置の設定が終了してもさらにモード切換スイッチが操作されるまでは当該目標停止位置設定モードが維持されてもよい。あるいは、目標設定位置が設定されていない状態で旋回操作部材に所定の操作が与えられたときに自動的に旋回操作モードから目標停止位置設定モードに切換えられてもよい。
【0074】
(F)自動停止制御について
前記目標停止位置に基づく自動停止制御については、様々な態様が存在する。例えば、当該目標停止位置が設定されている場合、通常の旋回操作レバーの操作ではなく、オペレータが所定の旋回開始スイッチを押すことにより旋回の開始から目標停止位置での停止間で自動的に旋回体の駆動を制御するように旋回指令部が構成されてもよい。さらには、第1の目標停止位置及び第2の目標停止位置が設定されて当該第1及び第2の目標停止位置間で自動的に旋回体を所定の時間間隔で往復させるような制御が行われてもよい。また、旋回開始時における旋回体の位置が既に制動開始位置よりも目標停止位置に近い場合には、任意に旋回体を停止させる制御が行われてもよい。
【0075】
(G)目標停止位置設定画像について
本発明に係る目標停止位置設定画像に含まれる旋回虚像は、図5に示される旋回虚像94のように作業装置14の形状と同一の形状を有するものでなくてもよい。当該旋回虚像は、実際の旋回体と同様に目標停止位置設定画像上で旋回して目標停止位置の設定を可能にする像であればよく、例えば図7に示される一点鎖線Lsのように旋回中心Osから旋回半径方向に延びる直線であってもよい。
【0076】
さらに、目標停止位置設定画像は旋回虚像を必ずしも含まなくてもよい。例えば、目標停止位置設定画像が俯瞰画像のみで構成され、当該俯瞰画像を表示する表示画面上において所望の目標停止位置に対応する箇所をオペレータが押圧操作することにより目標停止位置の設定が行われてもよい。あるいは前記俯瞰画像に重ねて多数の旋回角度を表示する旋回角度目盛が表示され、当該旋回角度目盛によって表示される旋回角度のうちオペレータが所望の目標停止位置に対応する旋回角度を選択するための操作が設定操作部材に与えられてもよい。
【0077】
本発明に係る目標停止位置設定画像を構成する俯瞰画像は、図5に示されるもののように作業機械及びその周囲の物体を当該作業機械の真上から俯瞰するものに限定されない。当該俯瞰画像は、例えば作業機械の斜め上方から俯瞰した画像であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
10 油圧ショベル(旋回式作業機械)
11 下部走行体(支持本体)
12 上部旋回体(旋回体)
14 作業装置(旋回体)
30 旋回駆動装置
32 旋回モータ
34 旋回コントロールバルブ
36 旋回操作器
36a 実機旋回操作レバー(実機操作部材)
40 遠隔操作盤
44 遠隔旋回操作レバー(遠隔旋回操作部材)
46 画像表示装置
48 モード選択スイッチ
50 遠隔操作コントローラ
52 遠隔操作通信部
54 遠隔操作指令部
56 画像表示指令部
58 目標停止位置決定部
60 旋回体情報検出装置
70 実操作付与機構
72 撮影装置
74 画像処理装置
80 実機コントローラ
82 実機通信部
84 実旋回操作指令部
88 制動必要角度演算部
90 実機映像
92 周囲物体映像
94 旋回虚像
100 通信路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7