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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】クッションフレーム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/16 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
B60N2/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018096467
(22)【出願日】2018-05-18
(65)【公開番号】P2019199239
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 勇志
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205836584(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102013112462(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297493(US,A1)
【文献】特開2008-260324(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011122275(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの骨格を構成するクッションフレームにおいて、
シート幅方向一端側においてシート前後方向に延びるサイドフレームと、
シート幅方向に延びる連結体であって、中心軸線を回転軸線として前記サイドフレームに対して回転可能に連結された連結体と、
前記連結体に固定されて当該連結体と一体的に回転するリフターリンクであって、前記中心軸線と直交する方向に延びるリフターリンクと、
前記中心軸線を回転軸線として回転可能な歯車であって、前記サイドフレームと前記リフターリンクとの間に配置された歯車と、
前記リフターリンク及び前記歯車のうち少なくとも一方に設けられ、当該一方から他方に向けて延出したオフセット部であって、前記一方と前記他方との間で回転力を伝達可能とするオフセット部と
を備えるクッションフレーム。
【請求項2】
前記オフセット部は、前記リフターリンクに設けられ、かつ、当該リフターリンクから前記歯車に向けて延出している請求項1に記載のクッションフレーム。
【請求項3】
前記歯車は、前記オフセット部に連結されている請求項1又は2に記載のクッションフレーム。
【請求項4】
前記オフセット部は、
前記中心軸線と平行な方向に延びる第1部位、及び
前記中心軸線と直交する方向に延びるとともに前記歯車が連結された第2部位
を有して構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【請求項5】
前記リフターリンクは、180度以上の範囲で前記連結体の外周に接合されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【請求項6】
前記リフターリンクと前記オフセット部とは、金属板製の一体成形品である請求項1ないしのいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【請求項7】
前記リフターリンクは、前記連結体の外周面に溶接接合されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【請求項8】
前記歯車は、前記オフセット部に溶接接合されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【請求項9】
前記歯車は、扇状のセクターギヤである請求項1ないしのいずれか1項に記載のクッションフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートクッションの骨格を構成するクッションフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、当該特許文献1の図3に示されるように、リンクに設けられた屈曲部にパイプ状のロッドが接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4978282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クッションフレームを昇降変位させる昇降機構は、リフターリンク、及び当該リフターリンクに回転力を伝達するセクターギヤ等の歯車を少なくとも有して構成される。リフターリンクの下端側は、フロアパネル等の床部材に対して回転可能に連結される。
【0005】
ところで、歯車の位置がリフターリンクの下端位置に対してシート幅方向にずれた位置にならざるを得ない場合、通常、歯車とリフターリンクとは、連結パイプを介して連結される。このため、歯車又はリフターリンクに大きな荷重が入力されると、連結パイプが大きく捻れ変形してクッションフレームが大きく後傾してしまう可能性がある。
【0006】
連結パイプに大きな捻れ変形が発生することを抑制する対策として、肉厚寸法又は直径寸法が十分に大きい連結パイプを採用するといった対策がある。しかし、当該対策では、連結パイプが大型化するとともに、連結パイプの質量が増加してしまう。
【0007】
本開示は、上記点に鑑み、連結パイプ等の連結体が大型化及び質量増加を抑制しながら、連結体に大きな捻れ変形が発生することを抑制可能なクッションフレームの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
クッションフレームは、例えば、以下のいずれかの構成要件を備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、シート幅方向一端側においてシート前後方向に延びるサイドフレーム(3)と、シート幅方向に延びる連結体(5)であって、中心軸線(Lo)を回転軸線としてサイドフレーム(3)に対して回転可能に連結された連結体(5)と、連結体(5)に固定されて当該連結体(5)と一体的に回転するリフターリンク(7)であって、中心軸線(Lo)と直交する方向に延びるリフターリンク(7)と、中心軸線(Lo)を回転軸線として回転可能な歯車(9)であって、リフターリンク(7)に対してシート幅方向にずれた位置に設けられた歯車(9)と、リフターリンク(7)及び歯車(9)のうち少なくとも一方(7)に設けられ、当該一方(7)から他方(9)に向けて延出したオフセット部(7A)であって、前記一方(7)と前記他方(9)との間で回転力を伝達可能とするオフセット部(7A)とのうちいずれかである。
【0009】
これにより、当該クッションフレームでは、例えば、歯車(9)に入力された力の多くは、連結体(5)を経由することなく、リフターリンク(7)に伝達される。したがって、当該クッションフレームでは、連結体(5)に大きな捻れ変形が発生することを抑制でき得る。つまり、当該クッションフレームは、連結体(5)の大型化及び質量増加が抑制されながら、当該連結体(5)に大きな捻れ変形が発生することが抑制され得る。
【0010】
なお、当該クッションフレームは、以下の構成であってもよい。
すなわち、オフセット部(7A)は、リフターリンク(7)に設けられ、かつ、当該リフターリンク(7)から歯車(9)に向けて延出していることが望ましい。これにり、リフターリンク(7)と歯車(9)との間で回転力が伝達される。
【0011】
オフセット部(7A)は、中心軸線(Lo)と平行な方向に延びる第1部位(7B)、及び中心軸線(Lo)と直交する方向に延びるとともに歯車(9)が連結された第2部位(7C)を有して構成されていることが望ましい。これにより、オフセット部(7A)の構成が簡素となり得る。
【0012】
リフターリンク(7)は、少なくとも180度の範囲内で連結体(5)の外周に接合されていることが望ましい。これにより、リフターリンク(7)が連結体(5)に確実に固定され得る。
【0013】
リフターリンク(7)とオフセット部(7A)とは、金属板製の一体成形品であることが望ましい。これにより、リフターリンク(7)と連結体(5)との接合強度が確保された状態で、リフターリンク(7)と歯車(9)とが連結される。
【0014】
リフターリンク(7)は、連結体(5)の外周面に溶接接合されていることが望ましい。これにより、リフターリンク(7)との連結体(5)とが確実に接合され得る。
歯車(9)は、オフセット部(7A)に溶接接合されていることが望ましい。これにより、歯車(9)とオフセット部(7A)とが強固に接合され得る。
【0015】
歯車(9)は、扇状のセクターギヤであることが望ましい。これにより、全周に歯部が設けられた歯車に比べて歯車(9)が小型になり得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係るクッションフレームを示す図である。
図2】第1実施形態に係るクッションフレームを示す図である。
図3】第1実施形態に係るセクターギヤ、連結パイプ及びリフターリンクを示す図である。
図4】第1実施形態に係るリフターリンクを示す図である。
図5】その他の実施形態に係るセクターギヤ、連結パイプ及びリフターリンクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
【0018】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。
【0019】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係るクッションフレームが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。
【0020】
したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。
【0021】
(第1実施形態)
1.乗物用シートの概要
クッションフレームは、シートクッションの骨格を構成する部材である。乗物用シートの構成部品のうち、シートクッションは着席者の臀部を支持するための部位である。なお、本実施形態に係るクッションフレームは、車両の右側前席用の乗物用シートに用いられる。
【0022】
図1及び図2に示されるクッションフレーム1は、当該クッションフレーム1のシート幅方向一端側後端部分である。当該シート幅方向一端側は、乗物用シートの右端側に相当する。
【0023】
クッションフレーム1は、サイドフレーム3、連結パイプ5及びリフターリンク7等を少なくとも備える。サイドフレーム3は、シート幅方向一端側においてシート前後方向に延びる部材である。
【0024】
なお、シート幅方向他端側には、第2のサイドフレーム(図示せず。)が配置されている。第2のサイドフレームは、サイドフレーム3と略左右対称構造の部材であって、シート前後方向に延びる部材である。
【0025】
連結パイプ5は、シート幅方向に延びる連結体の一例である。当該連結パイプ5は、サイドフレーム3と第2のサイドフレームとを連結する。そして、連結パイプ5は、中心軸線Loを回転軸線としてサイドフレーム3及び第2のサイドフレームに対して回転可能に連結されている。
【0026】
リフターリンク7は、シートクッションを上下方向に変位させるための部材である。当該リフターリンク7は、図3に示されるように、中心軸線Loと略直交する方向に延びるとともに、連結パイプ5に固定されて当該連結パイプ5と一体的に回転する。
【0027】
具体的には、リフターリンク7の延び方向一端側(本実施形態では、上端側)は、連結パイプ5のシート幅方向一端側に溶接等の固定手法により固定されている。リフターリンク7の延び方向他端側(本実施形態では、下端側)は、乗物に対して回転可能に連結されている。
【0028】
本実施形態では、図1に示されるように、リフターリンク7の延び方向他端側は、スライド装置20を介して乗物のフロアに連結されている。スライド装置20は、乗物用シートをスライド可能に支持する装置である。
【0029】
なお、サイドフレーム3の前端側と第2のサイドフレームの前端側とは、第2の連結パイプ(図示せず。)により連結されている。第2の連結パイプも連結パイプ5と同様に、シート幅方向に延びてサイドフレーム3及び第2のサイドフレームに対して回転可能に連結されている。
【0030】
そして、連結パイプ5のシート幅方向他端側、並び第2の連結パイプのシート幅方向一端側及び他端側にもリフターリンク(図示せず。)が固定されている。つまり、乗物用シートは、少なくとも4つのリフターリンクにより、昇降可能に支持される。
【0031】
図1に示されるように、連結パイプ5のシート幅方向一端側には、セクターギヤ9が設けられている。セクターギヤ9は、中心軸線Loを回転軸線として回転可能な歯車の一例である。当該セクターギヤ9は、リフターリンク7に対してシート幅方向にずれた位置に設けられている(図3参照)。
【0032】
なお、セクターギヤ9は、歯部が一部のみに設けられた扇状の歯車である。当該セクターギヤ9は、サイドフレーム3とリフターリンク7との間に配置されている(図1参照)。当該セクターギヤ9の歯部には、ピニオン(図示せず。)が噛み合っている。
【0033】
ピニオンは、電動モータ(図示せず。)により回転駆動される歯車である。ブラケット11は、当該ピニオンの軸部を支持する部材である。当該ブラケット11は、サイドフレーム3に固定されている。
【0034】
2.セクターギヤとリフターリンク7との連結構造
図3に示されるように、セクターギヤ9は、オフセット部7Aを介してリフターリンク7に連結されている。オフセット部7Aは、リフターリンク7に設けられた部位であって、当該リフターリンク7からセクターギヤ9に向けて延出した部位である。
【0035】
オフセット部7Aとセクターギヤ9とは、セクターギヤ9とリフターリンク7との間で回転力を伝達することが可能な状態で連結されている。具体的には、本実施形態に係るセクターギヤ9は、オフセット部7Aに溶接接合されている。
【0036】
オフセット部7Aは、第1部位7B及び第2部位7Cを有して構成されている。第1部位7Bは、中心軸線Loと略平行な方向に延びる部位である。第2部位7Cは、中心軸線Loと略直交する方向に延びるとともにセクターギヤ9が連結された部位である。
【0037】
第1部位7B及び第2部位7C、つまりオフセット部7Aは、リフターリンク7との一体成形品である。換言すれは、オフセット部7Aは、金属板からリフターリンク7と共に一体成形された略L字状の部位である。
【0038】
リフターリンク7は、図2に示されるように、少なくとも180度の範囲内(×印が付された部位)で連結パイプ5の外周に接合されている。セクターギヤ9は、少なくとも第2部位7Cに接合されている。
【0039】
具体的には、第1部位7Bは、中心軸線Loを含む仮想平面上に位置している。そして、図4において、リンク本体部7Dの円弧状外縁部7E、及び第2部位7Cの円弧状外縁部7Fが溶接にて連結パイプ5に接合されている。
【0040】
円弧状外縁部7Eは、中心軸線Loを中心とする円周角が略180度の円弧状である。円弧状外縁部7Fは、中心軸線Loを中心とする円周角が略180度の円弧状である。円弧状外縁部7Eと円弧状外縁部7Fとは、互いに中心軸線Loにずれている。
【0041】
セクターギヤ9は、第2部位7Cと接触した部位にて溶接されている。リンク本体部7Dは、リフターリンク7のうち中心軸線Loと略直交する方向に延びる部位であって、乗物(本実施形態では、スライド装置20)に対して連結される部位7Gを含む部位である。
【0042】
3.本実施形態に係るクッションフレームの特徴
本実施形態に係るクッションフレーム1では、リフターリンク7からセクターギヤ9に向けて延出したオフセット部7Aに、セクターギヤ9が回転力を伝達可能な状態で連結されている。
【0043】
これにより、当該クッションフレーム1では、セクターギヤ9に入力された力の多くは、連結パイプ5を経由することなく、リフターリンク7に伝達される。したがって、当該クッションフレームでは、連結パイプ5に大きな捻れ変形が発生することを抑制でき得る。
【0044】
リフターリンク7は、少なくとも180度の範囲内で連結パイプ5の外周に接合されている。これにより、リフターリンク7が連結パイプ5に確実に固定され得る。
オフセット部7Aは、中心軸線Loと平行な方向に延びる第1部位7B、及び中心軸線Loと直交する方向に延びるとともにセクターギヤ9が連結された第2部位7Cを有して構成されている。これにより、オフセット部7Aの構成が簡素となり得る。
【0045】
リフターリンク7とオフセット部7Aとは、金属板製の一体成形品である。これにより、リフターリンク7と連結パイプ5との接合強度が確保された状態で、リフターリンク7とセクターギヤ9とが連結される。
【0046】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、オフセット部7Aとセクターギヤ9とが溶接にて接合されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、オフセット部7Aとセクターギヤ9とは回転力が伝達可能な状態で連結されていれば十分である。
【0047】
したがって、当該発明は、例えば、オフセット部7Aとセクターギヤ9とがネジやピン等の機械的締結具にて連結された構成、又はオフセット部7A及びセクターギヤ9に設けられた係合部にて連結された構成等であってもよい。
【0048】
上述の実施形態に係る歯車はセクターギヤ9にて構成されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該歯車はセクターギヤ9以外の歯車にて構成されていてもよい。
【0049】
上述の実施形態に係るオフセット部7Aは、第1部位7B及び第2部位7Cを有して略L字状に一体成形された部位であった。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
すなわち、当該発明は、例えば、(a)オフセット部7Aが略U字状にリンク本体部7Dに一体成形された構成、(b)オフセット部7Aが溶接若しくはネジ結合にてリンク本体部7Dに一体化された構成、又は(c)オフセット部7Aが環状のカラー若しくはスペーサ等にて構成等であってもよい。
【0051】
上述の実施形態では、円弧状外縁部7E及び円弧状外縁部7Fが連結パイプ5に溶接にて接合された構成であった。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
すなわち、当該発明は、例えば、(a)連結パイプ5とリフターリンク7との接合範囲が180度未満である構成、又は(b)リフターリンク7が連結パイプ5に機械的に係合した状態で連結固定された構成等であってもよい。
【0053】
上述の実施形態に係る連結体は、円筒状のパイプ材にて構成されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、例えば、角筒状の角パイプで構成された連結体、又は中実丸棒で構成された連結体であってもよい。
【0054】
上述の実施形態に係るセクターギヤ9は、シート幅方向一端側の後端部であって、サイドフレーム3とリフターリンク7との間に配置されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
【0055】
すなわち、当該発明は、例えば、(a)歯車がシート幅方向一端側の前端部に配置された構成、又は(b)歯車がサイドフレーム3とリフターリンク7との間以外の部位に配置された構成であってもよい。
【0056】
上述の実施形態では、リフターリンク7の上端側に連結パイプ5及びセクターギヤ9が連結された構成であった。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、例えば、リフターリンク7の下端側に連結パイプ5及びセクターギヤ9が連結された構成であってもよい。
【0057】
上述の実施形態に係る連結パイプ5は、サイドフレーム3と第2のサイドフレームとを連結する機能を有していた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
上述の実施形態に係るセクターギヤ9は、オフセット部7A、つまりリフターリンク7のみに連結されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、歯車が、リフターリンク7及び連結体のうち少なくとも一方に連結された構成であってもよい。
【0059】
上述の実施形態に係るオフセット部7Aは、リフターリンク7に設けられ、かつ、当該リフターリンク7からセクターギヤ9に向けて延出していた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではなく、当該発明に係るオフセット部7Aは、例えば以下の構成であってもよい。
【0060】
すなわち、当該構成は、(a)オフセット部7Aが、セクターギヤ9に設けられ、かつ、当該セクターギヤ9からリフターリンク7に向けて延出した構成(図5参照)、又は(b)オフセット部7Aが、セクターギヤ9からリフターリンク7に向けて延出した部位、及びリフターリンク7からセクターギヤ9に向けて延出した部位を有し、それら2つの部位が連結された構成等である。
【0061】
上述の実施形態に係るセクターギヤ9は、オフセット部7Aに連結されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明は、例えば、セクターギヤ9とオフセット部7Aとが一体成形された一体成形品であってもよい。
【0062】
上述の実施形態に係るリフターリンク7は、少なくとも180度の範囲内で連結パイプ5の外周に接合されていた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
上述の実施形態に係る第1部位7Bは、中心軸線Loを含む仮想平面上に位置していた。しかし、本明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該発明に係る第1部位7Bは、(a)中心軸線Loに対して傾斜した構成、又は(b)中心軸線Loを含む仮想平面上からずれた構成等であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されるものではなく、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0065】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態に示された発明の構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。
【符号の説明】
【0066】
1… クッションフレーム 3… サイドフレーム 5… 連結パイプ
7… リフターリンク 7A… オフセット部 7B… 第1部位
7C… 第2部位 7D… リンク本体部 7E… 円弧状外縁部
7F… 円弧状外縁部 9… セクターギヤ 11… ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5