(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】車両用ステップ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 3/02 20060101AFI20220511BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20220511BHJP
B60J 5/06 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B60R3/02
B62D25/20 F
B60J5/06 G
(21)【出願番号】P 2018213692
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】P 2018022150
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日比 和宏
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 孝典
(72)【発明者】
【氏名】奥田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】池田 和弘
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-269083(JP,A)
【文献】特開昭64-085848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 3/00 - 3/04
B62D 25/20
B60J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ボディのドア開口部の位置に設置される可動式の車両用ステップ装置であって、
ステップ板と、
前記ステップ板を格納位置と使用位置間で移動可能に支持する支持機構とを備え、
前記ステップ板と支持機構とは、前記車両ボディのドア開口部の下縁部を形成する筒状のロッカーの閉空間よりも下側で、前記ロッカーの長さ方向に延びるロッカーフランジ部の車幅方向外側に格納される構成であり、
前記ステップ板と支持機構との下端位置が前記ロッカーフランジ部の下端位置とおよそ等しい高さ、あるいは前記ロッカーフランジ部の下端位置より高い位置に設定されている車両用ステップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車両用ステップ装置であって、
前記ステップ板は、連結機構を介してスライドドアに連結されており、
前記スライドドアが開方向に移動するときの車幅方向外側に向かう力を受けて格納位置から使用位置まで移動する構成である車両用ステップ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両用ステップ装置であって、
前記ステップ板の支持機構は、四節リンク機構である車両用ステップ装置。
【請求項4】
請求項2に記載された車両用ステップ装置であって、
前記連結機構には、前記スライドドアが全閉位置から開方向に一定範囲移動する際の前記スライドドアの車幅方向外側の動きが前記ステップ板に伝わらないようにするステップ板静止領域がある車両用ステップ装置。
【請求項5】
請求項4に記載された車両用ステップ装置であって、
前記連結機構は、前記スライドドアに連結されたブラケットと、前記ブラケットに回転自在に取付けられたローラと、前記ステップ板に設けられて、前記ローラが転動可能な状態で係合するレール部とを備えており、
前記レール部の前端部を前記スライドドアが全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡に沿うように形成することで前記ステップ板静止領域を設けている車両用ステップ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された車両用ステップ装置であって、
前記ステップ板が使用位置にあるときの前記ステップ板の車幅方向における外側端は、全開位置にある前記スライドドアの車幅方向における外側端よりも内側に配置されている車両用ステップ装置。
【請求項7】
請求項1に記載された車両用ステップ装置であって、
前記ステップ板は、ドアヒンジ回りに回動可能な構成のスイングドアに連結機構を介して連結されており、
前記ステップ板は、前記スイングドアが前記ドアヒンジ回りに開方向に回動するときの車幅方向外側に向かう力を受けて格納位置から使用位置まで移動する構成である車両用ステップ装置。
【請求項8】
請求項7に記載された車両用ステップ装置であって、
前記連結機構は、リンクである車両用ステップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ボディのドア開口部の位置に設置される可動式の車両用ステップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用ステップ装置に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1の車両用ステップ装置100は、
図13に示すように、スライドドア110が車両ボディのドア開口部(図示省略)を開放する際に、ステップ板102をレール部材103の働きにより格納位置から使用位置まで移動させられるように構成されている。レール部材103は、車両ボディのドア開口部の下縁部を形成するロッカー105上にそのロッカー105と交差するように設置されている。ここで、ロッカー105は、車両前後方向に延びる筒状に形成されており、ロッカー105の上側と下側とには、そのロッカーを筒形に成形する際に必要となるロッカーフランジ部105u,105dが形成されている。そして、ステップ板102は、ロッカー105のロッカーフランジ部105uの上側でそのロッカーフランジ部105uと交差するように格納位置と使用位置間で移動するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車両用ステップ装置100では、ロッカー105のロッカーフランジ部105u上にステップ板102の移動スペースが設けられている。ここで、ステップ板の地上高が高すぎるのは好ましくない。一方、ロッカー105の地上高は、路面上の障害物等を考慮するとある程度高い方が好ましい。このため、ステップ板102の移動範囲では、前記ロッカー105の上端位置をそのロッカー105の他の部分の上端位置よりも低くすることが行われている。ここで、ロッカー105の下端位置は車両前後方向において一定高さであるため、ステップ板102の移動範囲におけるロッカー105の上下寸法はそのロッカー105の他の部分の上下寸法よりも小さくなる。これにより、ロッカー105の地上高を確保しつつステップ板102の地上高を適正値に設定している。しかし、ロッカー105の製造容易性を考慮すると、前記ロッカー105の上下寸法を部分的に小さくするのは好ましくない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ロッカーの地上高とロッカーの製造容易性とを確保しつつ、ステップ板の地上高を適正値に設定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、車両ボディのドア開口部の位置に設置される可動式の車両用ステップ装置であって、ステップ板と、前記ステップ板を格納位置と使用位置間で移動可能に支持する支持機構とを備え、前記ステップ板と支持機構とは、前記車両ボディのドア開口部の下縁部を形成する筒状のロッカーの閉空間よりも下側で、前記ロッカーの長さ方向に延びるロッカーフランジ部の車幅方向外側に格納される構成であり、前記ステップ板と支持機構との下端位置が前記ロッカーフランジ部の下端位置とおよそ等しい高さ、あるいは前記ロッカーフランジ部の下端位置より高い位置に設定されている。
【0007】
本発明によると、ステップ板と支持機構とは、車両ボディのドア開口部の下縁部を形成するロッカーの閉空間よりも下側で、前記ロッカーの長さ方向に延びるロッカーフランジ部の車幅方向外側に格納されている。このため、ステップ板は、ロッカーフランジ部の車幅方向外側で格納位置と使用位置間で移動するようになる。また、車両用ステップ装置の下端位置が前記ロッカーフランジ部の下端位置とおよそ等しい高さ、あるいは前記ロッカーフランジ部の下端位置より高い位置に設定されている。このため、ロッカーの地上高を確保した状態で、ステップ板の地上高が高くなりすぎることがなく、ステップ板の地上高を適正値に設定できる。また、従来のように、ステップ板の移動範囲で、ロッカーの上下寸法をそのロッカーの他の部分の上下寸法よりも小さくする必要がなくなるため、ロッカーの製造容易性を確保できる。
【0008】
第2の発明によると、ステップ板は、連結機構を介してスライドドアに連結されており、前記スライドドアが開方向に移動するときの車幅方向外側に向かう力を受けて格納位置から使用位置まで移動する構成である。このため、ステップ板を移動させるための専用の駆動源が不要になる。また、前記駆動源をロッカーフランジ部の車幅方向内側に設ける必要がなくなるため、前記駆動源の可動部がロッカーフランジ部を車幅方向に跨ぐことがない。
【0009】
第3の発明によると、ステップ板の支持機構は、四節リンク機構である。このため、簡単な機構でステップ板を車幅方向に移動させることができる。
【0010】
第4の発明によると、連結機構には、スライドドアが全閉位置から開方向に一定範囲移動する際の前記スライドドアの車幅方向外側の動きが前記ステップ板に伝わらないようにするステップ板静止領域がある。ここで、スライドドアの開方向の移動開始時には、ウエザストリップの張り付き等に抗する力が必要となるため比較的大きな駆動力を必要とする。このため、スライドドアの移動開始時にステップ板を移動させないようにするステップ板静止領域を設けることで、スライドドアの駆動装置のモータ等の負荷を低減させることができる。
【0011】
第5の発明によると、連結機構は、スライドドアに連結されたブラケットと、前記ブラケットに回転自在に取付けられたローラと、前記ステップ板に設けられて、前記ローラが転動可能な状態で係合するレール部とを備えており、前記レール部の前端部を前記スライドドアが全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡に沿うように形成することでステップ板静止領域を設けている。
【0012】
このように、レール部の前端部がスライドドアの全閉位置からの移動開始時の移動軌跡に沿うように形成されているため、スライドドアの全閉位置からの移動開始時には、スライドドアに連結されたローラはステップ板のレール部の前端部に倣って転動し、前記レール部を車幅方向外側に押圧しない。即ち、スライドドアの全閉位置からの移動開始時には、ステップ板は車幅方向外側には移動せず、格納位置に保持される。そして、スライドドアに連結されたローラがステップ板のレール部の他の部位(前端部以外)に到達したときに、ステップ板のレール部がローラに押されて車幅方向外側の移動を開始する。
【0013】
第6の発明によると、ステップ板が使用位置にあるときの前記ステップ板の車幅方向における外側端は、全開位置にある前記スライドドアの車幅方向における外側端よりも内側に配置されている。即ち、ステップ板がスライドドアよりも車幅方向外側に突出しないため、ステップ板を格納位置から使用位置まで移動させる際に、ステップ板と他の部材との干渉を避けることができる。
【0014】
第7の発明によると、ステップ板は、ドアヒンジ回りに回動可能な構成のスイングドアに連結機構を介して連結されており、前記ステップ板は、前記スイングドアが前記ドアヒンジ回りに開方向に回動するときの車幅方向外側に向かう力を受けて格納位置から使用位置まで移動する構成である。
【0015】
第8の発明によると、連結機構は、リンクである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ロッカーの地上高とロッカーの製造容易性とを確保しつつ、ステップ板の地上高を適正値に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態1に係る車両用ステップ装置を備える車両の模式斜視図である。
【
図2】スライドドアが閉じられた状態における前記スライドドアと車両用ステップ装置とロッカーとの関係を表す縦断面図である。
【
図3】スライドドアが開かれた状態における前記スライドドアと車両用ステップ装置とロッカーとの関係を表す縦断面図(
図1のIII-III矢視断面図である。
【
図4】ステップ板が使用位置にあるときの車両用ステップ装置とロッカーとを下方から見た斜視図(
図3のIV矢視図)である。
【
図5】ステップ板が使用位置にあるときの車両用ステップ装置の平面図(
図3のV-V矢視図)である。
【
図6】ステップ板が格納位置にあるときの車両用ステップ装置を表す平面図である。
【
図7】スライドドアの移動軌跡とステップ板の移動軌跡とを表す模式平面図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る車両用ステップ装置とスイングドアとロッカーとの関係を表す縦断面図である。
【
図9】前記車両用ステップ装置のステップ板が格納位置にあるときの車両用ステップ装置を表す平面図である。
【
図10】前記車両用ステップ装置の動作を表す平面図である。
【
図11】前記車両用ステップ装置の動作を表す平面図である。
【
図12】前記車両用ステップ装置の動作を表す平面図である。
【
図13】従来の車両用ステップ装置を表す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔実施形態1〕
以下、
図1~
図7に基づいて本発明の実施形態1に係る車両用ステップ装置について説明する。本実施形態に係る車両用ステップ装置はスライドドアが開く際にステップ板が格納位置から使用位置まで移動する可動式のステップ装置である。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、本実施形態に係る車両用ステップ装置を備える車両の前後左右、及び上下に対応している。
【0019】
<車両ボディ10の概要について>
本実施形態に係る車両用ステップ装置40(以下、ステップ装置40という)について説明する前に車両ボディ10の概要について説明する。車両ボディ10には、
図1に示すように、運転席や助手席等の前部座席に対応するフロントドア開口部11と、後部座席に対応するリヤドア開口部12とが形成されている。そして、両ドア開口部11,12の下縁部には、車両前後方向に延びる筒状のフレームであるロッカー30が設けられている。前記フロントドア開口部11は、ドアヒンジ(図示省略)を中心に回動可能なフロントドア15により開閉可能に構成されている。また、前記リヤドア開口部12が車両前後方向にスライドするスライドドア20により開閉可能に構成されている。
【0020】
<車両ボディ10のロッカー30について>
リヤドア開口部12の下縁部にあるロッカー30は、
図2、
図3の縦断面図に示すように、車両前後方向に延びるロッカーインナー31と、ロッカーアウター330と、そのロッカーアウター330の上部外側を覆うサイドアウター35とから構成されている。ロッカーインナー31は、断面略横向きU字形に形成されており、上端位置と下端位置とにフランジ部31u,31dが形成されている。また、ロッカーインナー31の上端角部には、フロアパネル16が上から重ねられた状態で溶接等により固定されている。ロッカーアウター330は、断面略L字形の上部パネル331と、天井パネル332と、断面略横向きU字形に形成された下部パネル333とから構成されている。
【0021】
ロッカーアウター330の上部パネル331は、上端位置に縦向きフランジ部331uが形成されており、下端位置に横向きフランジ部331yが形成されている。そして、上部パネル331の縦向きフランジ部331uがロッカーインナー31のフランジ部31uとサイドアウター35のフランジ部35uとに挟まれた状態で溶接等により接合されている。そして、接合されたそれらのフランジ部35u,331u,31uにスライドドア20と車両ボディ10のリヤドア開口部12間をシールするボディ側ウエザストリップ17が外側から嵌め込まれている。また、ボディ側ウエザストリップ17の嵌合部からロッカーインナー31、フロアパネル16を覆って固定ステップ12sが設けられている。
【0022】
ロッカーアウター330の上部パネル331の下端位置に形成された横向きフランジ部331yには、天井パネル332の外側フランジ部332wが下側から重ねられた状態で溶接等により接合されている。ロッカーアウター330の天井パネル332は、スライドドア20の駆動装置(図示省略)、及び下部ガイドレール19等を収納する空間S3の天井部分を構成するパネルであり、前記天井パネル332の下面に下部ガイドレール19が取付けられている。天井パネル332は、奥端側(右端側)に縦壁部332tが設けられており、その縦壁部332tがロッカーインナー31の縦壁部に溶接等により接合されている。これにより、ロッカーアウター330の上部パネル331、天井パネル332とロッカーインナー31とにより、ロッカー30の上部には閉空間S1が形成される。
【0023】
ロッカーアウター330の下部パネル333は断面略横向きU字形に形成されており、その下部パネル333の上端位置に縦壁状の上端フランジ部333uが形成されている。また、下部パネル333の下端位置には、同じく縦壁状の下端フランジ部333fが形成されている。そして、下部パネル333の上端フランジ部333uが天井パネル332の縦壁部332tに重ねられた状態でロッカーインナー31の縦壁部に溶接等により接合されている。
【0024】
また、下部パネル333の下端フランジ部333fがロッカーインナー31の下端位置に形成されたフランジ部31dに重ねられて溶接等により接合されている。これにより、ロッカーアウター330の下部パネル333とロッカーインナー31とにより、ロッカー30の下部に閉空間S2が形成される。即ち、ロッカーアウター330の下部パネル333の下端フランジ部333fとロッカーインナー31の下端位置のフランジ部31dとが本発明のロッカーの下側で前記ロッカーの長さ方向に延びるロッカーフランジ部に相当する。以後、下部パネル333の下端フランジ部333fとロッカーインナー31のフランジ部31dとをロッカー30の下端フランジ部333f,31dと呼ぶことにする。
【0025】
<スライドドア20の概要について>
スライドドア20は、
図2、
図3等に示すように、ドアアウタパネル22とドアインナパネル23とが互いの周縁部分で接合されることにより、中空閉断面状に形成される。また、スライドドア20のドアアウタパネル22の外側下部には、外装材24が車両前後方向に延びるように設けられている。そして、ドアインナパネル23の周縁近傍には、車両ボディ10のリヤドア開口部12の周縁に当接可能なドア側ウエザストリップ23wが設けられている。また、ドアインナパネル23の下部には、
図2に示すように、ドア側ウエザストリップ23wよりも高い位置に下部ガイドローラーユニット25が設けられている。そして、下部ガイドローラーユニット25のローラが下部ガイドレール19に転動可能な状態で嵌め込まれている。なお、
図3では、下部ガイドローラーユニット25は省略されている。
【0026】
また、スライドドア20のドアインナパネル23には、上部位置と高さ方向中央位置とにガイドローラーユニット(図示省略)が設けられている。そして、それらのガイドローラーユニットのローラが車両ボディ10の上部ガイドレール(図示省略)と中央部ガイドレール(図示省略)とに転動可能な状態で嵌め込まれている。ここで、上部ガイドレール、中央部ガイドレール、及び下部ガイドレール19は、スライドドア20が
図7に示す移動軌跡D0,Dsに沿って移動できるように平面形状が設定されている。このため、スライドドア20が全閉位置から半開位置まで移動する際には、スライドドア20は移動軌跡D0に沿って車幅方向外側に移動しつつ車両後方に移動するようになる。そして、スライドドア20が半開位置から全開位置まで移動する際は、スライドドア20は移動軌跡Dsに沿って車両後方に移動するようになる。
【0027】
<ステップ支持ブラケット37について>
車両ボディ10のリヤドア開口部12におけるロッカー30の下側には、
図2、
図3に示すように、可動式のステップ装置40が設けられている。ステップ装置40は、ロッカー30の下側に固定されたステップ支持ブラケット37により下方から支持されている。ステップ支持ブラケット37は、
図4に示すように、二個一組で使用される。ステップ支持ブラケット37は、
図3等に示すように、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dを跨いでロッカー30の下端フランジ部333f,31dの外側と内側とでロッカー30に固定されている。
【0028】
ステップ支持ブラケット37は、
図3、
図4に示すように、下端フランジ部333f,31dの外側に配置されるステップ支持部37sと、そのステップ支持部37sの前後両側に設けられた外側フランジ部37fとを備えている。また、ステップ支持ブラケット37は、下端フランジ部333f,31dを跨ぐ跨ぎ部37mと、跨ぎ部37mの内側に設けられた内側フランジ部37eとを備えている。そして、ステップ支持ブラケット37の外側フランジ部37fが、
図4に示すように、ロッカーアウター330の下部パネル333に対して下側からボルト止めされる。また、ステップ支持ブラケット37の内側フランジ部37eが、
図3に示すように、ロッカーインナー31に対して下側からボルト止めされる。
【0029】
<ステップ装置40について>
ステップ装置40は、ロッカー30の下端で一対のステップ支持ブラケット37に支持されて、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dの車幅方向外側に配置されている。そして、ステップ装置40は、ステップ支持ブラケット37に支持された状態で、
図2、
図3に示すように、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dの下端位置よりも高い位置に配置されている。ステップ装置40は、ステップ板41と、前記ステップ板41を格納位置と使用位置間で移動可能に支持する四節リンク機構43と、前記ステップ板41とスライドドア20とを連結する連結機構45とを備えている。ステップ板41は、
図4~
図6等に示すように、前後に長い帯板状に形成されており、水平な状態で平面視においてロッカー30と平行に保持されている。
【0030】
<四節リンク機構43について>
四節リンク機構43は、等しい寸法で形成された前リンク43fと後リンク43bとを備えている。前リンク43fの基端部は、前側のステップ支持ブラケット37のステップ支持部37sに上から重ねられた状態で、回転中心軸43cによりそのステップ支持部37sに水平回動可能な状態で連結されている。また、前リンク43fの先端部は、ステップ板41の前部下面に先端連結軸43xによって水平回動可能な状態で連結されている。後リンク43bの基端部は、後側のステップ支持ブラケット37のステップ支持部37sに上から重ねられた状態で、回転中心軸43eによりそのステップ支持部37sに水平回動可能な状態で連結されている。また、後リンク43bの先端部は、ステップ板41の後部下面に先端連結軸43yによって水平回動可能な状態で連結されている。
【0031】
ここで、ステップ板41の下面に連結された前後の先端連結軸43x,43y間の距離は、前後のステップ支持ブラケット37のステップ支持部37sに連結された回転中心軸43c,43e間の距離と等しい値に設定されている。また、上記したように、前リンク43fと後リンク43bとは等しい寸法で形成されている。このため、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが水平回動することで、
図7に示すように、ステップ板41は平面視においてロッカー30と平行に保持された状態で、円弧軌跡Sに沿って移動するようになる。
【0032】
このため、
図6に示すように、前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心にロッカー30とほぼ平行な位置(右回動限位置)まで水平回動した状態で、ステップ板41はロッカー30の下側の格納位置に保持される(
図2参照)。また、
図5に示すように、前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心にロッカー30とほぼ直角な位置(左回動限位置)まで水平回動した状態で、ステップ板41はロッカー30の下側から外方向に突出して使用位置に保持される(
図3参照)。即ち、四節リンク機構43が本発明におけるステップ板を格納位置と使用位置間で移動可能に支持する支持機構に相当する。
【0033】
<連結機構45について>
前記ステップ板41とスライドドア20とを連結する連結機構45は、
図2~
図4に示すように、スライドドア20の前端位置でドアアウタパネル22とドアインナパネル23との下部に固定されたブラケット45bを備えている。ブラケット45bは、
図4に示すように、上下に長い帯板状に形成されており、そのブラケット45bの下部がステップ板41の車幅方向外側端(左端)からステップ板41の下側に直角に折り曲げられてほぼ水平に保持されている。そして、直角に折り曲げられて水平に保持されたブラケット45bの下端部に転動ローラ45rが水平に設けられている。そして、転動ローラ45rがステップ板41の下面に形成されたレール部410に転動可能な状態で嵌合している。即ち、ステップ板41とスライドドア20とは、連結機構45のブラケット45b、転動ローラ45r及びレール部410を介して連結されている。そして、ステップ板41の車幅方向外側端(左端)は、
図2、
図3に示すように、スライドドア20の外装材24の車幅方向内側に配置される。
【0034】
レール部410は、
図4に示すように、断面形状が逆U字形に形成されており、転動ローラ45rが下方から嵌合する構成である。レール部410は、
図4~
図6に示すように、前端折曲部411と直線部413とから構成されており、前記直線部413がステップ板41の下面の車幅方向外側端に沿って前後方向に延びるように形成されている。レール部410の前端折曲部411は、直線部413に対して車幅方向内側(右側)に所定角度で折り曲げられている。そして、レール部410の前端折曲部411は、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡D0に沿うように形成されている。また、レール部410の直線部413は前記移動軌跡D0とは交差し、スライドドア20の半開位置から全開位置までの移動軌跡Dsとは平行になる。
【0035】
<ステップ装置40の動作について>
スライドドア20が全閉位置にある状態では、
図2、及び
図6に示すように、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心にロッカー30とほぼ平行な位置(右回動限位置)まで水平回動しており、ステップ板41はロッカー30の下側の格納位置に保持されている。そして、ブラケット45bを介してスライドドア20に連結された転動ローラ45rは、
図6に示すように、ステップ板41のレール部410の前端折曲部411の前端部に位置している。
【0036】
この状態で、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始すると、転動ローラ45rはステップ板41のレール部410の前端折曲部411に沿って左後方向に移動する。ここで、ステップ板41のレール部410の前端折曲部411は、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡D0に沿うように形成されている。このため、転動ローラ45rがレール部410の前端折曲部411を転動しても、スライドドア20の移動力が転動ローラ45rを介してステップ板41のレール部410に加わらない。即ち、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動する際には、ステップ板41は移動することがなく、格納位置に保持されている。このため、連結機構45の転動ローラ45rがステップ板41のレール部410の前端折曲部411に沿って移動する範囲が本発明の連結機構におけるステップ板静止領域となる。
【0037】
そして、スライドドア20の開方向の移動が継続されると、スライドドア20側の転動ローラ45rがステップ板41のレール部410の直線部413に到達する。レール部410の直線部413は、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡D0とは交差している。このため、スライドドア20側の転動ローラ45rがレール部410の直線部413に到達すると、スライドドア20の車幅方向外側向きの移動力が転動ローラ45rを介してレール部410の直線部413に加わり、ステップ板41が車幅方向外側に押圧される。
【0038】
これにより、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心に
図6に示す状態から左回動し、ステップ板41がロッカー30と平行な状態で車幅方向外側に水平移動する。そして、転動ローラ45rは、スライドドア20の開方向(後方向)の移動に合わせてレール部410の直線部413内を後方に移動する。
【0039】
そして、スライドドア20が半開位置まで移動する過程で、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが、
図5に示すように、回転中心軸43c,43eを中心に左回動限位置まで回動して、ステップ板41が使用位置まで水平移動する。そして、スライドドア20が半開位置から全開位置まで移動する際には、スライドドア20の移動軌跡Dsがレール部410の直線部413と平行になるため、転動ローラ45rがレール部410の直線部413内を後方に移動しても、ステップ板41は使用位置に保持される(
図1参照)。また、スライドドア20が全開位置から全閉位置まで閉じられる際には、上記した動作と反対の動作で、ステップ板41は格納位置まで戻される。
【0040】
<本実施形態に係るステップ装置40の長所について>
本実施形態に係るステップ装置40によると、ステップ板41と四節リンク機構43(支持機構)とは、車両ボディ10のリヤドア開口部12の下縁部を形成するロッカー30の下側で、ロッカー30の下端フランジ部333f,31d(ロッカーフランジ部)の車幅方向外側に格納されている。このため、ステップ板41は、下端フランジ部333f,31dの車幅方向外側で格納位置と使用位置間で移動するようになる。そして、ステップ装置40の下端位置がロッカー30の下端フランジ部333f,31dより高い位置に設定されている。このため、ロッカー30の地上高を確保した状態で、ステップ板41の地上高が高くなりすぎることがなく、ステップ板41の地上高を適正値に設定できる。また、従来のように、ステップ板41の移動範囲で、ロッカー30の上下寸法をそのロッカー30の他の部分の上下寸法よりも小さくする必要がなくなるため、ロッカー30の製造容易性を確保できる。
【0041】
また、ステップ板41は、連結機構45を介してスライドドア20に連結されており、スライドドア20が全閉位置から開方向にスライドするときの車幅方向外側に向かう力を受けて格納位置から使用位置まで移動する構成である。このため、ステップ板41を移動させるための専用の駆動源が不要になる。また、連結機構45を構成するステップ板41のレール部410には、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡D0に沿う前端折曲部411が設けられている。このため、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときには、転動ローラ45r(ローラ)はステップ板41の前端折曲部411に倣って転動し、レール部410を車幅方向外側に押圧しない。
【0042】
即ち、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときには、ステップ板41は格納位置に保持されて車幅方向外側には移動しない。そして、スライドドアに連結された転動ローラ45rがステップ板41のレール部410の直線部413に到達したときに、ステップ板41のレール部410が転動ローラ45rに押されて車幅方向外側の移動を開始する。ここで、スライドドア20の開方向の移動開始時には、ウエザストリップ17,23wの張り付き等に抗する力が必要なため移動中と比較して大きな駆動力を必要とする。このため、スライドドア20の移動開始時にステップ板41を移動させないようにすることで、スライドドア20の駆動装置のモータの負荷を低減させることができる。
【0043】
また、ステップ板41が使用位置にあるときのステップ板41の車幅方向における外側端は、全開位置にあるスライドドア20の車幅方向における外側端(外装材24)よりも内側に配置される。即ち、ステップ板41がスライドドア20よりも車幅方向外側に突出しないため、ステップ板41を格納位置から使用位置まで移動させる際に、ステップ板41と他の部材との干渉を避けることができる。
【0044】
〔実施形態2〕
以下、
図8~
図12に基づいて本発明の実施形態2に係る車両用ステップ装置について説明する。本実施形態に係る車両用ステップ装置は、スイングドア(フロントドア15)がドアヒンジ回りに開方向に回動する際にステップ板が格納位置から使用位置まで移動する可動式のステップ装置である。ここで、
図8~
図12では、右側のフロントドア15を例示している。
【0045】
<フロントドア15(スイングドア)について>
フロントドア15は、
図1等に示すように、車両ボディ10のフロントドア開口部11を開閉するドアである。フロントドア15は、
図9~
図12に示すように、ドアヒンジ15h(
図9等参照)を中心に水平回動可能な状態で車両ボディ10に連結されている。フロントドア15は、
図8に示すように、ドアアウタパネル15rとドアインナパネル15eとが互いの周縁部分で接合されることにより、中空閉断面状に形成されている。そして、フロントドア15の内側下部空間には、ドアアウタパネル15rとドアインナパネル15eとをつなぐ補強板15cが設けられている。また、ドアアウタパネル15rの外側下部には、補強板15cに連結された状態で、ドア下方に突出するドア側ブラケット52が設けられている。そして、ドアアウタパネル15rの外側下部とドア側ブラケット52とが外装材15kによって覆われている。
【0046】
<ステップ装置40について>
ステップ装置40は、
図8に示すように、ロッカーインナー31とロッカーアウター330とから構成されるロッカー30の下側で、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dの車幅方向外側に配置されている。また、ステップ装置40は、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dの下端位置よりも高い位置に配置されている。ステップ装置40は、ステップ板41と、前記ステップ板41を格納位置と使用位置間で移動可能に支持する四節リンク機構43とを備えている。四節リンク機構43は、
図9等に示すように、前リンク43fと後リンク43bとを備えており、前リンク43fと後リンク43bとの基端部側がそれぞれ回転中心軸43c,43eにより、ロッカー30の下面に固定されたステップ支持ブラケット37(
図8参照)に水平回動可能に連結されている。また、前リンク43fと後リンク43bとの回動自由端は、先端連結軸43x,43yによってステップ板41の下面に連結されている。
【0047】
上記構成により、
図9に示すように、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが右回動限位置にある状態でステップ板41がロッカー30の下側の格納位置に保持される。また、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが、
図10~
図12に示すように、右回動限位置から左回動することでステップ板41がロッカー30の下側の格納位置から外方向に突出して使用位置(
図12参照)まで移動するようになる。
【0048】
<連結機構50について>
前記ステップ板41は、連結機構50によりフロントドア15と連結されている。連結機構50は、連結リンク54と、連結リンクの一端部をステップ板41に連結する第1連結軸55と、連結リンク54の他端部をフロントドア15のドア側ブラケット52に連結する第2連結軸56とを備えている。ここで、フロントドア15のドア側ブラケット52は、
図8に示すように、そのドア側ブラケット52の下部が水平になるように折り曲げられており、ロッカー30の下端フランジ部333f,31dの下端位置よりも高い位置に保持されている。
【0049】
連結リンク54の一端部は、
図9等に示すように、前リンク43fの先端連結軸43xと車両前後方向においてほぼ同位置で、かつその前リンク43fの先端連結軸43xより車幅方向外側の位置で、第1連結軸55によりステップ板41の下面に連結されている。また、連結リンク54の他端部は、
図8、
図9に示すように、一端部よりも前方でフロントドア15のドア側ブラケット52の下部上面に第2連結軸56により連結されている。そして、フロントドア15が、
図9に示すように、ドアヒンジ15hの回りを右回動して閉じられた状態で、連結リンク54はロッカー30とほぼ平行に車両前後方向に延びるように保持されている。
【0050】
<ステップ装置40の動作について>
フロントドア15が全閉位置にある状態では、
図9に示すように、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心に右回動限位置まで水平回動しており、ステップ板41はロッカー30の下側の格納位置に保持されている。そして、上記したように、連結機構50の連結リンク54はロッカー30とほぼ平行に車両前後方向に延びるように保持される。
【0051】
この状態で、フロントドア15がドアヒンジ15hの回りに左回動(開方向に回動)すると、
図10に示すように、ステップ板41が格納位置に保持されている状態で、連結リンク54がフロントドア15に引っ張られ、第1連結軸55を中心に右回動する。即ち、フロントドア15が開方向に回動し始めるときには、フロントドア15の引っ張り力が連結リンク54を介してステップ板41に加わらず、ステップ板41は格納位置に保持されている。そして、フロントドア15がさらに左回動(開方向に回動)すると、
図11に示すように、連結リンク54がフロントドア15に引っ張られて、第1連結軸55を中心に右回動するとともに、ステップ板41を車幅方向外側に引っ張るようになる。これにより、四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとが回転中心軸43c,43eを中心に左回動し、ステップ板41はロッカー30の下側の格納位置から外側に引き出される。
【0052】
そして、フロントドア15が全開位置まで回動した状態で、
図12に示すように、ステップ板41はロッカー30の外側の使用位置まで移動するようになる。また、フロントドア15が全開位置から全閉位置まで閉じられる際には、上記した動作と反対の動作で、ステップ板41は格納位置まで戻される。
【0053】
[変更例]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態に係るステップ装置40ではステップ板41の支持機構として四節リンク機構43を使用し、スライドドア20、あるいはフロントドア15が開方向に移動する力でステップ板41を格納位置から使用位置まで移動させる例を示した。しかし、ステップ板41を手動で格納位置から使用位置まで移動させる構成でも可能である。また、ステップ板41を手動で格納位置から使用位置まで移動させる構成において、四節リンク機構43の代わりにボディ側の支持レールとステップ板41側の摺動子とを使用する構成でも可能である。
【0054】
また、本実施形態では、スライドドア20、あるいはフロントドア15が開方向に移動する力で四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとを水平回動させる例を示した。しかし、例えば、ステップ板41に駆動装置を設け、その駆動装置により四節リンク機構43の前リンク43fと後リンク43bとを水平回動させて、前記ステップ板41を格納位置と使用位置間で移動させる構成でも可能である。
【符号の説明】
【0055】
10・・・・車両ボディ
12・・・・リヤドア開口部(ドア開口部)
15・・・・フロントドア
20・・・・スライドドア
24・・・・外装材(スライドドアの外側端)
30・・・・ロッカー
31・・・・ロッカーインナー
31d・・・フランジ部(ロッカーフランジ部)
330・・・ロッカーアウター
333・・・下部パネル
333f・・下端フランジ部(ロッカーフランジ部)
40・・・・ステップ装置(車両用ステップ装置)
41・・・・ステップ板
410・・・レール部(連結機構)
411・・・前端折曲部(前端部)(ステップ板静止領域)
413・・・直線部(前端部以外)
43・・・・四節リンク機構(支持機構)
43b・・・後リンク
43f・・・前リンク
45・・・・連結機構
45b・・・ブラケット
45r・・・転動ローラ(ローラ)
50・・・・連結機構
54・・・・連結リンク
55・・・・第1連結軸
56・・・・第2連結軸