IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図1
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図2
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図3
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図4
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図5
  • 特許-媒体搬送ガイド及び画像形成装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】媒体搬送ガイド及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/58 20060101AFI20220511BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220511BHJP
   B65H 29/70 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B65H29/58 A
G03G15/00 461
B65H29/70
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018221257
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020083553
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕二
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-240053(JP,A)
【文献】特開平09-044001(JP,A)
【文献】特開2018-100147(JP,A)
【文献】特開平07-206275(JP,A)
【文献】特開2009-202953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/52-29/70
G03G 15/00
B65H 5/36-5/38
G03G 13/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)媒体の幅方向に延在させて形成されたプレート部と、
(b)該プレート部の幅方向における複数箇所に形成されたガイドリブとを有するとともに、
(c)前記プレート部の幅方向における中央部に、媒体搬送路に搬送される媒体のうちの、幅が最小の媒体に対応するガイドリブによって中央案内部が形成され、
(d)該中央案内部の両側に、媒体の両側縁を誘導して媒体を平坦にする媒体誘導部が形成され
(e)該媒体誘導部は、前記中央案内部の両側に形成された第1の誘導部、及び該第1の誘導部の両側に形成された第2の誘導部から成り、
(f)前記第1の誘導部は、中央案内部に近づくほど低く、中央案内部から離れるほど高くなるように形成されることを特徴とする媒体搬送ガイド。
【請求項2】
前記第1の誘導部は、前記媒体搬送路の幅方向において傾斜させて形成される請求項1に記載の媒体搬送ガイド。
【請求項3】
前記媒体誘導部は、二つのガイドリブ間に形成される請求項1又は2に記載の媒体搬送ガイド。
【請求項4】
前記幅が最小の媒体の両側縁と、該両側縁に最も近接するガイドリブとの距離は、媒体搬送路に搬送される媒体のうちの、幅が最大の媒体の両側縁と、該両側縁に最も近接するガイドリブとの距離より長くされる請求項1~3のいずれか1項に記載の媒体搬送ガイド。
【請求項5】
媒体の搬送方向における媒体搬送ガイドより下流側に配設され、媒体を搬送するための搬送ローラ対の二つのローラ間に形成されるニップ領域と、前記媒体誘導部とが、媒体の幅方向においてオーバラップさせられる請求項1~のいずれか1項に記載の媒体搬送ガイド。
【請求項6】
前記媒体誘導部は、媒体の搬送方向における上流側の縁に近づくほど低く、上流側の縁から離れるほど高くなるように形成される請求項1~のいずれか1項に記載の媒体搬送ガイド
【請求項7】
記請求項1~6のいずれか1項に記載の媒体搬送ガイドが配設された画像形成装置。
【請求項8】
媒体の搬送方向における媒体搬送ガイドより上流側に定着装置が配設される請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
(a)媒体を搬送するための第1の媒体搬送路と、
(b)該第1の媒体搬送路から分岐させて形成された第2の媒体搬送路とを有するとともに、
(c)前記媒体搬送ガイドは、揺動自在に配設され、定着装置から送られた媒体を第1の媒体搬送路又は第2の媒体搬送路に送る請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送ガイド及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタは、画像形成ユニットを備え、該画像形成ユニットにおいて、感光体ドラムの表面にトナー像が形成され、該トナー像が転写ローラによって媒体としての用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられ、用紙に画像が形成されるようになっている。
【0003】
ところで、用紙カセットから給紙された用紙は、プリンタの本体内、すなわち、装置本体内に配設された用紙搬送路を搬送され、画像が形成された後、装置本体外に排出される。そして、前記用紙搬送路には、用紙を所定の搬送方向に案内するために媒体搬送ガイドとしてのセパレータが配設される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-160706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のセパレータにおいては、用紙の幅によっては、用紙を安定させて案内することができない。
【0006】
本発明は、前記従来のセパレータの問題点を解決して、媒体の幅に関係なく、媒体を安定させて搬送することができる媒体搬送ガイド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の媒体搬送ガイドにおいては、媒体の幅方向に延在させて形成されたプレート部と、該プレート部の幅方向における複数箇所に形成されたガイドリブとを有する。
【0008】
そして、前記プレート部の幅方向における中央部に、媒体搬送路に搬送される媒体のうちの、幅が最小の媒体に対応するガイドリブによって中央案内部が形成される。
【0009】
また、該中央案内部の両側に、媒体の両側縁を誘導して媒体を平坦にする媒体誘導部が形成される。
そして、該媒体誘導部は、前記中央案内部の両側に形成された第1の誘導部、及び該第1の誘導部の両側に形成された第2の誘導部から成る。
また、前記第1の誘導部は、中央案内部に近づくほど低く、中央案内部から離れるほど高くなるように形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、媒体搬送ガイドにおいては、媒体の幅方向に延在させて形成されたプレート部と、該プレート部の幅方向における複数箇所に形成されたガイドリブとを有する。
【0011】
そして、前記プレート部の幅方向における中央部に、媒体搬送路に搬送される媒体のうちの、幅が最小の媒体に対応するガイドリブによって中央案内部が形成される。
【0012】
また、該中央案内部の両側に、媒体の両側縁を誘導して媒体を平坦にする媒体誘導部が形成される。
そして、該媒体誘導部は、前記中央案内部の両側に形成された第1の誘導部、及び該第1の誘導部の両側に形成された第2の誘導部から成る。
また、前記第1の誘導部は、中央案内部に近づくほど低く、中央案内部から離れるほど高くなるように形成される。
【0013】
この場合、媒体の両側縁がカールしていても、媒体誘導部によって媒体の両側縁が平坦にされるので、媒体の両側縁とガイドリブとが干渉することがない。
【0014】
したがって、媒体の幅に関係なく、媒体を安定させて搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における搬送路切替機構の要部斜視図である。
図2】本発明の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
図3】セパレータによって案内される用紙の状態を示す参考図である。
図4】本発明の実施の形態における搬送路切替機構の周辺を示す断面図である。
図5】本発明の実施の形態における搬送路切替機構の平面図である。
図6】本発明の実施の形態における搬送路切替機構の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【0018】
図において、10はプリンタ、Csは該プリンタ10の筐体である。該筐体Csは、プリンタ10の本体、すなわち、装置本体Bdに対して開閉自在に配設され、カバーを構成する頂壁Wt、及び第1、第2の側壁を備え、頂壁Wtに、カラー画像が形成された面を下にして媒体としての図示されない用紙を積載するためのスタッカSkが形成される。なお、前記第1、第2の側壁のうちの一方に、カラー画像が形成された面を上にして用紙を積載するための図示されない補助スタッカが形成される。
【0019】
また、11Bk、11C、11M、11Yは、装置本体Bdに対して着脱自在に装着されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色の画像形成ユニット(IDユニット)である。各画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Yは、像担持体としての感光体ドラム13、該感光体ドラム13の周囲に配設され、いずれも図示されない、帯電装置としての帯電ローラ、現像剤担持体としての現像ローラ、クリーニング装置等を備える。
【0020】
そして、前記各画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Yに隣接させて、かつ、前記頂壁Wtから垂下させてアームamが配設され、該各アームamの先端に、感光体ドラム13と対向させて露光装置としてのLEDヘッド12が配設される。
【0021】
また、14は、用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセットであり、該用紙カセット14の先端に、用紙カセット14内の用紙を繰り出すホッピングローラ101、繰り出された用紙を第1の媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1に送る給紙ローラ102、及び該給紙ローラ102と当接させられ、用紙を1枚ずつ分離させる分離ローラ103がいずれも回転自在に配設される。
【0022】
そして、m1、m2は、前記用紙搬送路Rt1に配設され、用紙カセット14から供給された用紙を搬送する搬送ローラ対である。
【0023】
さらに、u1は、前記用紙搬送路Rt1における搬送ローラ対m2より下流側において、各画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Yと対向させて配設された転写ユニットである。
【0024】
該転写ユニットu1は、画像形成ユニット11Bkの下方において回転自在に配設された駆動ローラR1、画像形成ユニット11Yの下方において回転自在に配設された従動ローラR2、前記駆動ローラR1と従動ローラR2との間に走行自在に張設された転写ベルト15、及び該転写ベルト15を介して前記感光体ドラム13と対向させて回転自在に配設された転写部材としての転写ローラ16を備える。
【0025】
また、31は前記用紙搬送路Rt1における画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Y及び転写ユニットu1より下流側に配設された定着装置としての定着器であり、該定着器31は、第1の定着部材としての加熱ローラ32及び第2の定着部材としての加圧ローラ33を備える。
【0026】
そして、35は、前記用紙搬送路Rt1における定着器31より下流側に、揺動自在に配設された媒体搬送ガイドとしてのセパレータであり、該セパレータ35によって、用紙は、用紙搬送路Rt1に沿って装置本体Bd外に排出されるか、又は用紙搬送路Rt1から分岐させて形成された第2の媒体搬送路としての用紙搬送路Rt2に送られる。
【0027】
前記用紙搬送路Rt1におけるセパレータ35より下流側に、セパレータ35と隣接させて搬送ローラ対m3が、該搬送ローラ対m3より下流側に排出ローラ対m4が配設される。また、用紙搬送路Rt2におけるセパレータ35より下流側に搬送ローラ対m5が配設される。前記搬送ローラ対m3は、第1のローラとしての搬送ローラ43、及び該搬送ローラ43と当接させて配設された第2のローラとしてのピンチローラ44から成る。なお、前記セパレータ35、搬送ローラ対m3等によって搬送路切替機構M1が形成される。
【0028】
用紙搬送路Rt2における搬送ローラ対m5より下流側には、用紙に対して両面印刷を行う場合に用紙を一時的に退避させるための用紙退避部Rpが形成され、該用紙退避部Rpに搬送ローラ対m6が配設される。
【0029】
また、用紙退避部Rpに退避させた用紙を反転させるために、前記用紙搬送路Rt2から分岐させて第3の媒体搬送路としての用紙搬送路Rt3が形成され、該用紙搬送路Rt3に搬送ローラ対m7~m9が配設される。
【0030】
次に、前記プリンタ10の動作について説明する。
【0031】
各画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Yにおいて、感光体ドラム13が図示されない駆動部によって回転させられ、帯電ローラが感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる。次に、LEDヘッド12が画像信号に対応した光を感光体ドラム13に照射し、感光体ドラム13上に潜像としての静電潜像を形成する。
【0032】
そして、現像ローラが、前記静電潜像を現像し、感光体ドラム13上に現像剤としての図示されないトナーを付着させ、現像剤像としてのトナー像を形成する。
【0033】
用紙カセット14に収容された用紙は、ホッピングローラ101によって用紙カセット14から繰り出され、給紙ローラ102及び分離ローラ103によって1枚ずつ分離させられて用紙搬送路Rt1に給紙され、搬送ローラ対m1、m2によって搬送され、画像形成ユニット11Bk、11C、11M、11Yと転写ユニットu1との間に送られる。そして、各感光体ドラム13上のトナー像が用紙に順次重ねて転写され、用紙にカラーのトナー像が形成される。
【0034】
トナー像が形成された用紙は、定着器31に送られ、該定着器31において、加熱ローラ32及び加圧ローラ33によって加熱され、加圧され、これにより、カラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラー画像が形成される。
【0035】
そして、片面印刷の場合、カラー画像が形成された用紙は、セパレータ35によって用紙搬送路Rt1に案内され、搬送ローラ対m3によって搬送された後、排出ローラ対m4によって装置本体Bd外に排出され、スタッカSkに積載される。
【0036】
また、両面印刷の場合、カラー画像が形成された用紙は、セパレータ35によって用紙搬送路Rt2に案内され、用紙退避部Rpに退避させられた後、反転させられて用紙搬送路Rt3に送られ、用紙搬送路Rt3において、搬送ローラ対m7~m9によって搬送され、用紙搬送路Rt1に送られる。
【0037】
ところで、用紙は、前記セパレータ35によって用紙搬送路Rt1又は用紙搬送路Rt2に案内されるが、幅の狭い用紙が使用される場合、用紙の媒体角がカールしていると、用紙を安定させて搬送することができない。
【0038】
図3はセパレータによって案内される用紙の状態を示す参考図である。
【0039】
図において、Rt1、Rt2は用紙搬送路、35はセパレータ、51は用紙搬送路Rt1においてセパレータ35と対向させて配設されたガイドである。なお、用紙搬送路Rt2には、後述されるガイド52(図4)がセパレータ35と対向させて配設される。
【0040】
該セパレータ35は、用紙搬送路Rt1において用紙の搬送方向に対して直交する方向、すなわち、用紙の幅方向に延在させて形成されたプレート部53、及び該プレート部53の幅方向(用紙の幅方向)における複数箇所において、上下方向に突出させて形成されたガイドリブ54から成り、各ガイドリブ54の上縁eg1と前記ガイド51との間に、用紙搬送路Rt1において用紙が案内される空間、すなわち、案内空間Sp1が形成され、各ガイドリブ54の下縁eg2と前記ガイド52との間に、用紙搬送路Rt2において用紙が案内される案内空間Sp2が形成される。
【0041】
なお、δ1は用紙搬送路Rt1において用紙を搬送するための搬送路幅である。
【0042】
ところで、定着器31内で加熱され、加圧され、カラーのトナー像が定着させられた用紙は、媒体角が下向きにカールした状態(両側縁が低く、中央部が高くなるように湾曲した状態)でセパレータ35に送られる。
【0043】
この場合、幅の広い用紙、すなわち、幅広紙PMは、カラーのトナー像が定着させられ、媒体角がカールしても、カールによって生じる曲率が小さいので、セパレータ35において幅広紙PMの両側縁egmがガイドリブ54と干渉することはないが、幅の狭い用紙、例えば、プリンタ10で使用される最小幅の用紙、すなわち、幅狭紙PNは、カラーのトナー像が定着させられ、媒体角がカールすると、カールによって生じる曲率が大きいので、セパレータ35において幅狭紙PNの両側縁egnがガイドリブ54と干渉することがあり、その場合、幅狭紙PNを円滑に搬送することができない。
【0044】
そこで、本実施の形態においては、前記セパレータ35における所定の箇所に、用紙に発生したカールを矯正し、用紙を誘導する後述される媒体誘導部としてのスロープ部63(図1)が形成される。
【0045】
次に、搬送路切替機構M1について説明する。
【0046】
図1は本発明の実施の形態における搬送路切替機構の要部斜視図、図4は本発明の実施の形態における搬送路切替機構の周辺を示す断面図、図5は本発明の実施の形態における搬送路切替機構の平面図、図6は本発明の実施の形態における搬送路切替機構の要部平面図である。
【0047】
図において、M1は搬送路切替機構、Rt1、Rt2は用紙搬送路、m3、m5は搬送ローラ対、35はセパレータ、43はピンチローラ44(図2)とともに搬送ローラ対m3を構成する搬送ローラ、52は用紙搬送路Rt2においてセパレータ35と対向させて配設されたガイド、PMは幅広紙、PNは幅狭紙である。
【0048】
セパレータ35は、用紙搬送路Rt1の幅方向(用紙の幅方向)に延在させて形成されたプレート部61、該プレート部61の幅方向(用紙の幅方向)における複数箇所において、上下方向(鉛直方向)に突出させて形成され、用紙を支持するガイドリブ62等を備える。
【0049】
該各ガイドリブ62は、三角形の形状を有し、用紙搬送路Rt1における用紙の搬送方向に沿って延在させられた第1の縁部としての上縁eg11、用紙搬送路Rt2における用紙の搬送方向に沿って延在させられた第2の縁部としての下縁eg12、及び搬送ローラ43に隣接して延在させられ、上縁eg11と下縁eg12とを結ぶ第3の縁部としての側縁eg13を備える。
【0050】
そして、プレート部61の幅方向における中央部に、幅狭紙PNの媒体幅としての紙幅wnに対応する数の、本実施の形態においては、4個のガイドリブ62-1~62-4によって、幅狭紙PNを案内する中央案内部Ar1が形成される。
【0051】
該中央案内部Ar1において、各ガイドリブ62-1~62-4のうちの中央寄りの2個のガイドリブ62-1、62-2は、中央案内部Ar1外の他のガイドリブ62と同じ大きさに形成されるのに対して、各ガイドリブ62-1~62-4のうちの両端側のガイドリブ62-3、62-4はガイドリブ62-1、62-2より小さく形成され、ガイドリブ62-3、62-4の上縁eg11は、ガイドリブ62-1、62-2の上縁eg11と同一面上に形成され、用紙の搬送方向において、ガイドリブ62-3、62-4の側縁eg13は、ガイドリブ62-1、62-2の側縁eg13より上流側に形成される。
【0052】
そして、前記セパレータ35の両端の所定の箇所に、セパレータ35を揺動させるための図示されないアクチュエータが配設される。定着器31から送られた用紙は、前記アクチュエータを駆動して、セパレータ35を下方に引いて第1の切替位置に置くと、用紙搬送路Rt1に送られ、セパレータ35を上方に押して第2の切替位置に置くと、用紙搬送路Rt2に送られる。
【0053】
また、搬送ローラ43は、用紙搬送路Rt1の幅方向に延在させて回転自在に配設されたシャフト部sh1、該シャフト部sh1における複数箇所に取り付けられ、前記ピンチローラ44と当接させられて用紙を挟むローラ部rp、及び中央の一対のローラ部rpより中央側においてシャフト部sh1に取り付けられた用紙送りgr1を備える。
【0054】
該用紙送りgr1は、ゴム材料によって形成され、周囲に複数の歯が形成された回転体から成り、用紙を前記補助スタッカに排出する際に、用紙を案内する。
【0055】
また、前記中央案内部Ar1の両側には、中央案内部Ar1に隣接させて、幅狭紙PNがカールした状態で図6における矢印方向に搬送されたときに、幅狭紙PNの両側縁egnを誘導し、幅狭紙PNを平坦にするための一対のスロープ部63が形成される。該スロープ部63は、二つのガイドリブ間、すなわち、ガイドリブ62-3、62-4と他のガイドリブ62との間に形成され、幅狭紙PNの搬送に伴って両側縁egnが通過する部分にガイドリブ62は形成されない。
【0056】
前記スロープ部63は、ガイドリブ62-3、62-4に隣接させて形成され、台形の形状を有する第1の誘導部65、及び該第1の誘導部65の両側に、第1の誘導部65に隣接させて形成され、矩形の形状を有する第2の誘導部66から成り、前記第1の誘導部65は、搬送ローラ対m3を構成する搬送ローラ43とピンチローラ44とが当接することによって形成されるニップ領域と、用紙の幅方向においてオーバラップさせられる。
【0057】
また、前記第1の誘導部65は、中央案内部Ar1に近づくほど、また、用紙搬送路Rt1における上流側の縁、すなわち、前縁eg21に近づくほど低く、中央案内部Ar1から離れるほど(第2の誘導部66に近づくほど)、また、前縁eg21から離れるほど(用紙搬送路Rt1における下流側の縁、すなわち、後縁eg22に近づくほど)高くなるように傾斜させて形成される。
【0058】
そして、前記第2の誘導部66は、用紙搬送路Rt1の幅方向において傾斜させられず、前縁eg23に近づくほど低く、前縁eg23から離れるほど(後縁eg24に近づくほど)高くなるように傾斜させて形成される。
【0059】
したがって、幅狭紙PNが用紙搬送部Rt1を搬送されて搬送路切替機構M1に到達したときに、両側縁egnが第1の誘導部65上にある場合、幅狭紙PNの搬送に伴って、カールした両側縁egnは、第1の誘導部65上を移動させられながら徐々に外方に向けて広げられ、平坦にされる。また、幅狭紙PNの両側縁egnが第2の誘導部66上にある場合、幅狭紙PNの搬送に伴って、カールした両側縁egnは、第2の誘導部66上を移動させられながら徐々に外方に向けて広げられ、平坦にされる。
【0060】
前記第1の誘導部65の後縁eg22及び第2の誘導部66の後縁eg24は、幅狭紙PNの両側縁egnを搬送ローラ43のローラ部rpに案内するために、滑らかな曲面を有する。これにより、スロープ部63によって誘導された幅狭紙PNの両側縁egnを円滑にローラ部rpに送ることができる。
【0061】
さらに、用紙の搬送方向と直交する方向に対する前記第1の誘導部65の前縁eg21の角度をθとしたとき、角度θは、搬送路切替機構M1に隣接する部品と干渉しない範囲で大きく設定される。したがって、両側縁egnがカールした幅狭紙PNが搬送路切替機構M1に到達したときに、両側縁egnを第1の誘導部65上に置くことができる。
【0062】
また、前記各第1の誘導部65の外側縁間の距離を誘導幅wgとしたとき、該誘導幅wgを幅狭紙PNの紙幅wnより広くすると、幅狭紙PNの両側縁egnは、第1の誘導部65上を移動させられる間に確実に平坦にされる。
【0063】
そして、例えば、図5に示されるように、幅狭紙PNの両側縁egnと、該両側縁egnに最も近接するガイドリブ62(62-4)との距離をΔwnとし、幅広紙PMの両側縁egmと、該両側縁egmに最も近接するガイドリブ62との距離をΔwmとしたとき、距離Δwn、Δwmは、
Δwn>Δwm
にされる。
【0064】
また、前述されたように、ガイドリブ62-3、62-4の上縁eg11は、ガイドリブ62-1、62-2の上縁eg11と同一面上に形成される。したがって、幅狭紙PNが搬送路切替機構M1に到達したときに、幅狭紙PNの両側縁egnがガイドリブ62-3、62-4上で支持されるので、幅狭紙PNを安定させて誘導することができる。
【0065】
このように、本実施の形態においては、用紙の両側縁egnがカールしていても、スロープ部63によって用紙の両側縁egnが平坦にされるので、用紙の両側縁egnとガイドリブ62とが干渉することがない。
【0066】
したがって、用紙の幅に関係なく、用紙を安定させて搬送することができ、用紙に角折れ、ジャム等が発生するのを抑制することができる。
【0067】
本実施の形態においては、媒体角が下向きにカールした状態で用紙がセパレータ35に送られる場合について説明しているが、定着器31において、加熱ローラ32が下方に、加圧ローラ33が上方に置かれる場合は、媒体角が上向きにカールした状態で用紙がセパレータ35に送られる。
【0068】
その場合、各ガイドリブ62における用紙搬送路Rt2側において、ガイドリブ62-3、62-4と他のガイドリブ62との間にスロープ部を形成するのが好ましい。
【0069】
また、本実施の形態においては、定着器31において、用紙を加熱ローラ32によって加熱し、加圧ローラ33によって加圧するようになっているが、加熱ローラ及び加圧ローラによって用紙を加熱するようにした定着器を配設した場合は、加熱ローラによる用紙の加熱量が加圧ローラによる用紙の加熱量より大きいと、媒体角が下向きにカールし、加熱ローラによる用紙の加熱量が加圧ローラによる用紙の加熱量より小さいと、媒体角が上向きにカールする。
【0070】
したがって、加熱ローラによる用紙の加熱量が加圧ローラによる用紙の加熱量より大きい場合は、各ガイドリブ62における用紙搬送路Rt1側に、加圧ローラによる用紙の加熱量が加熱ローラによる用紙の加熱量より大きい場合は、各ガイドリブ62における用紙搬送路Rt2側にスロープ部を形成するのが好ましい。
【0071】
本実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明をMFP、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に適用することができる。
【0072】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0073】
35 セパレータ
61 プレート部
62、62-1~62-4 ガイドリブ
63 スロープ部
Ar1 中央案内部
egn 両側縁
PN 幅狭紙
wn 紙幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6