(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】複数の基地局により受信されるアップリンクトラフィックの制御
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20220511BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20220511BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20220511BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20220511BHJP
H04B 17/24 20150101ALI20220511BHJP
H04B 7/022 20170101ALI20220511BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W24/08
H04W28/16
H04W28/14
H04B17/24
H04B7/022
(21)【出願番号】P 2018521980
(86)(22)【出願日】2016-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2016078701
(87)【国際公開番号】W WO2017089473
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2019-11-18
(32)【優先日】2015-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518144182
【氏名又は名称】アイピーコム ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハンス、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ビナス、マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ルフト、アヒム
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-165611(JP,A)
【文献】特開2002-199431(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1301471(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0225013(US,A1)
【文献】国際公開第2013/024522(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0118665(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26、7/022
H04B 17/24
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信ネットワークを制御する方法であって、当該方法は、ユーザ機器デバイス(UE)によるデータの送信に従って、前記移動通信ネットワーク内の複数の受信ポイントにより送信される第1の受信品質測定報告であって、前記データの受信に対応する前記第1の受信品質測定報告に応答して、前記複数の受信ポイントの各々が前記ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の受信品質測定報告及び次のペイロードデータ報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を実装するように構成されるように、前記移動通信ネットワーク内に前記複数の受信ポイントを、アップリンク制御エンティティにより構成することを含み、前記参加動作は、前記第1の受信品質測定報告に依存する、
方法。
【請求項2】
前記
次の受信品質測定報告の参加動作は、条件付きの報告及び無条件の報告のうちの1つであり、前記
次のペイロードデータ報告の参加動作は、データを転送しない又は格納しない、データを格納するが明示的要求なくデータを転送しない、条件付きデータ転送、及びデータ転送のうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
次の受信品質測定報告の条件付き送信の参加動作の構成は、受信品質測定のための少なくとも1つの閾値に基づく少なくとも1つのコンディションを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
条件付きデータ転送の参加動作の構成は、受信品質測定のための閾値と、前記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを復号する試みの結果を示す復号結果とのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つのコンディションを含む、
請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の受信品質測定報告に応答して、前記移動通信ネットワーク内の個別の受信ポイントは、前記参加動作として、次の受信品質測定報告だけを送信するように構成される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の受信ポイントの少なくとも1つは、前記第1の受信品質測定報告に応答して、前記参加動作として、ユーザ機器デバイスから受信されたデータをバッファリングし、前記アップリンク制御エンティティからのコマンドを受け取り次第、前記バッファリングされたデータだけを転送するように構成される、
請求項1又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の受信ポイントの少なくとも1つが、次のペイロードデータ報告に関するユーザ機器デバイスから受信されたデータを復号しない参加動作であって、前記ユーザ機器デバイスからの送信に関して次のペイロードデータ報告に関する参加動作を実装するように構成される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記移動通信ネットワークは、少なくとも1つのユーザ機器デバイスに同期して同一データを送信する複数の送信ポイントを有し、それにより単一周波数ネットワークを形成する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の受信ポイントの少なくとも1つは、データの転送を含むペイロードデータ報告の参加動作によって、ユーザ機器デバイスにより送信された共通信号から、前記ユーザ機器デバイスから受信された前記データを受信するように構成される、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
移動通信ネットワークにおけるアップリンクトラフィックを制御するためのネットワーク機器エンティティであって、前記ネットワーク機器エンティティは、ユーザ機器デバイス(UE)によるデータの送信に従って、前記移動通信ネットワークの複数の受信ポイントから第1の受信品質測定報告を受信することに応答して、前記複数の受信ポイントを、前記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを転送し、かつ次の受信品質測定報告を送信するように構成するように配置され、前記複数の受信ポイントの各々は、前記ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の受信品質測定報告及びペイロードデータ報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を実装するように構成され、前記参加動作は、前記第1の受信品質測定報告に依存し、前記複数の受信ポイントの少なくとも1つは、前記参加動作として、前記ユーザ機器デバイスから受信したデータを転送するが、前記複数の受信ポイントの他の少なくとも1つは、前記参加動作として、次の受信品質報告だけを送信するように異なって構成される、
ネットワーク機器エンティティ。
【請求項11】
前記ネットワーク機器エンティティは、前記第1の受信品質測定報告に基づいて受信ポイントを選択し、前記参加動作として、前記選択された受信ポイントが前記ユーザ機器デバイスから受信されたデータをバッファリングして、コマンドを受け取り次第、前記バッファリングされたデータだけを転送するように指示するように配置される、
請求項10に記載のネットワーク機器エンティティ。
【請求項12】
前記ネットワーク機器エンティティは、前記ユーザ機器デバイスからの送信に関して次のペイロードデータ報告に関する参加動作によって構成される前記複数の受信ポイントから複数の受信ポイントを前記第1の受信品質測定報告に基づいて選択し、前記選択された複数の受信ポイントが前記次のペイロードデータ報告に関する前記ユーザ機器デバイスから受信されたペイロードデータ信号を復号しないように命令するように、配置される、
請求項10又は請求項11に記載のネットワーク機器エンティティ。
【請求項13】
ユーザ機器(UE)からデータ信号を受信し、受信された前記データ信号の受信品質を測定するように配置される移動通信ネットワークの受信ポイントであって、前記受信ポイントは、アップリンク制御エンティティに第1の受信品質測定報告を送信し、前記ユーザ機器からの送信に関して次の受信品質測定報告及びペイロードデータ報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を実装すべく、前記アップリンク制御エンティティから構成メッセージを受信するようにさらに配置され、前記参加動作は、前記第1の受信品質測定報告に依存し、前記構成メッセージは、前記参加動作として、前記ユーザ機器から次に受信されたデータの受信品質測定報告を、前記データを除いて送信するように前記受信ポイントに命令し得る、
移動通信ネットワークの受信ポイント。
【請求項14】
前記受信ポイントは、前記ユーザ機器により送信される共通信号から前記データ信号を受信する、
請求項13に記載の移動通信ネットワークの受信ポイント。
【請求項15】
前記受信ポイントは、前記ユーザ機器から受信されたペイロードデータをバッファリングし、前記アップリンク制御エンティティから転送コマンドを受け取り次第、前記ペイロードデータだけを転送する参加動作であって、前記ユーザ機器からの送信に関してペイロードデータ報告に関する参加動作を実装するように構成される、
請求項13又は請求項14に記載の移動通信ネットワークの受信ポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークにおいて送信及び受信ポイントの制御に関する。
【0002】
例えば、UMTSのノードB、LTEのevolved NodeB(eNB)、WiFiのアクセスポイント(AP)などの異なる規格に従って動作する移動通信ネットワークの基地局のために、異なる名称が使用されている。また、異なる名称は、基地局が通常の基地局と比較して異なる機能セットを有する場合に使用され、例えば、「リモート無線ヘッド」、「リピータ」、「ホーム(e)NB」又は「スモールセル」等がある。本発明の文脈において、これらの異なるタイプの基地局は一般に、ダウンリンク(タワーからハンドセット)が関係する場合に「送信ポイント」と呼ばれ、アップリンク(ハンドセットからタワー)が関係する場合に「受信ポイント」と呼ばれる。
【0003】
これらの送信ポイントは、単一周波数ネットワーク(SFN)を構築すべく配置され得、従って、モバイルデバイスに対して1つの単一セルとして現れ得る。また、送信ポイントは、UEが次に移動するように予想されるエリアを包含すべく、UEの移動に従って、特定のモバイルデバイス(ユーザ機器、UE)に現在データを送信している送信ポイントのセットに追加され、それから除去され、すなわち、特定のUEへの送信に関して、UEの移動に従って、一部の送信ポイントはスイッチがオンにされ、一部の送信ポイントはスイッチがオフにされる。いかなるUEにも送信する送信ポイントの必要がない場合、それはまた、全体にスイッチがオフにされ(パワーダウンされ、スタンバイとなり)得る。
【0004】
本発明の文脈において、用語SFNは、より大きい拡張エリアを通常包含する同期して動作する送信/受信ポイントのセットとして理解され得るが、このより大きいセット(いわゆるSFNクラスタ)からの送信/受信ポイントのサブセットとしても理解され得る。
【0005】
本発明は、送信ポイントがSFNを構築すべく、セットアップされる送信及び受信ポイントのネットワークにおいて、特に有用であり得る。しかしながら、本発明は、送信ポイントが通常、個別のセルとして送信ポイントが非同期で送信する、又はモバイルデバイスに対して個別のセルとして現れるネットワークにおいても有益である。
【0006】
本発明は、UE特定のULルーティングに参加すべく、複数の受信ポイント及び動的に制御する受信ポイントからネットワークのアップリンク(UL)トラフィックを効率よく収集するネットワークノードの相互作用に関する。
【0007】
既知のモバイルネットワークにおいて、UEの通信リンクの効率又はデータ速度を向上すべく、ネットワークにおける複数の送信及び/又は受信ポイントを使用する技術が配備されている。
【0008】
UMTS(3G、CDMAベース)において、ソフトハンドオーバー(SHO)が特定され、そこで、単一のUEは、異なる基地局に対する複数のリンクを維持し、ULにおいてこれらの基地局に個別にデータを送信する。当該リンクは、ネットワークにより明示的に確立され、UEは、リンクごとに個別にデータを符号化し、参加している全ての基地局は、データの単一のULデータストリームへの組み合わせのために無線ネットワークコントローラに受信データを転送する。
【0009】
LTEにおいて、単一のUEが、複数の基地局に同時にデータを配信する(及び、複数の基地局からデータを受信する)のを可能にする二重接続性の概念がある。UEは、セルの各々が基地局に異なるデータを送信するように構成される別個の無線リソースを使用する。関与するあらゆる基地局は、ネットワークに対してさらに受信データを転送するが、受信する基地局のグループから機能を転送する動的な選択は、既知ではない。
【0010】
LTEの他の概念は、単一のUEが異なるキャリア(すなわち、異なる周波数)で並列に、又は異なるセルに対してデータを送信するキャリアアグリゲーション及び多地点協調(CoMP)であるが、両方の場合において、受信ポイントは共同設置されており(同じeNodeBに)、その結果、いかなる種類のバックホール調整も陳腐化している。
【0011】
米国特許出願公開第2013/0089034A1号明細書は、ULのUEにサービス提供すべく複数の基地局から1つを選択する方法及び基地局を説明する。DLのUEに既にサービス提供している単一の基地局が当該方法を制御し、当該方法は、UEがULの基準信号を複数の基地局に送信することにより関係する。基地局は、信号を受信及び解読(復号)し、ULのUEにサービス提供すべく、1つの基地局の選択のために制御する基地局に受信信号強度を送信する。当該選択が固定され、選択された基地局がUEにサービス提供する。
【0012】
当該出願は、現在最善の基地局の動的な(繰り返し)選択、並びにUEにサービス提供すべき複数の基地局の選択を説明していない。また、選択された基地局は、もっぱらULデータの転送を担当し、従って当該基地局がUL送信に対して有し得る異なる関与についての言及はない。
【0013】
国際公開第2012/095759号は、協調基地局及びサービング基地局により受信されたULデータトラフィックを軟出力値及び確信度値の復号処理を考慮して組み合わせるための協調基地局及びサービング基地局の方法を説明する。協調基地局は、軟出力値及び確信度値として受信されたULデータをサービング基地局に送信し、サービング基地局は、それ自身が受信したULデータを対応する値と組み合わせる。
【0014】
当該出願は、動的な構成技術を説明していない。異なる基地局からのデータ組み合わせが、説明されている。当該原理は、ソフトハンドオーバーのためのUMTSにおいて同様に既に使用されている。
【0015】
米国特許出願公開第2006/0286996号明細書は、基地局の候補セットからULのためにUEをサービス提供する基地局を選択するための方法を提案する。選択は、基地局のUL受信に基づきUEにより行われ、UL受信は、基地局から受信された電力制御コマンド、基地局から受信されたHARQフィードバック又はDLの送信電力からUEにより推定され得る。UEは、(候補基地局ごとに1つ)専用制御チャネル上に信号を送信する、又はUEは、1つの共通制御チャネル上へと専用信号を多重化する。とにかく、基地局特定の信号が送信され、UEが基地局に明示的にアドレスするように構成される。
【0016】
当該出願は、同じ(基地局特定ではない)信号を受信し、測定する(データ転送基地局である)複数の「サービング」基地局の選択のためにネットワークの中央装置にそれらの測定を提供する複数の基地局を説明していない。
【0017】
米国特許出願公開第2002/0118665号明細書は、UEにおける電力調整の組み合わせ及び必要の決定のために、ULのUEから送信される信号が複数の基地局(1つの対象及び複数の非対象)により受信され、複数の非対象基地局から対象基地局に転送されるシステム及び方法を説明する。非対象基地局は、UEにより送信されたUL信号を復号すべく、UE特定のコードパターンを受信している。当該出願は、データ転送する基地局の関与レベルを超えて様々な関与レベルを可能にする参加する(非対象)基地局のための異なる役割を説明しておらず、そのことは、当該特許に説明される非対象基地局の動作だけである。基地局は、チャネルコンディションが変化する場合に、データを転送、格納若しくは転送しないように動的に構成されておらず、及び/又は潜在的なより高い関与を用意すべく、UL信号に関する測定に参加するように動的に構成されていない。基地局に格納された特定データの後の転送要求は、言及されていない。ダウンリンク(DL)データ伝送のために使用されるSFNは、周知である。そのようなSFNは、DLだけの、例えば、DVB-T放送技術であり、いかなるアップリンク(UL)伝送機能も提供しない。UEからULトラフィックを受信し、ちょうど十分な平行ULデータが受信成功を保証すべく協調エンティティに提供されるように協調される複数の受信ポイントを有するシステムは、目下のところ知られていない。3G及びLTEシステムのマルチポイント受信概念は、基地局がUEのULトラフィックを受信するように構成されるものであり、(適用された場合)そのような全ての基地局は、受信データをデータ組み合わせのために転送することが予想される。UL信号の基地局特定の適応なく共通のUL信号を使用するUEから複数の受信ポイントへのUL送信は、既知の従来技術には開示されておらず、特に、UEのUL信号を測定し、及び/又はそれぞれのデータを転送する受信ポイントの効率のよい選択と組み合わせては開示されていない。そのようなUL信号を受信する全ての受信ポイントによるULトラフィックの協調エンティティに対する永続的な転送は、最善の受信ポイントが動的に変化しているシステムにおいて、特に非効率的であろう。
【0018】
米国特許出願公開第2015/049649A1明細書は、オフ状態のノードが発見目的で特定の信号を引き続き送信又は受信し得る干渉を減少すべく、ノードはスイッチがオフにされ得るスモールセルネットワークを説明する。UEは、特定のスモールセルノードをオンするように決定し得る協調ネットワークノードに検出された発見信号を報告する。
【0019】
米国特許出願公開第2014/0204871A1号明細書は、プライマリ基地局、他の基地局及び移動局が、プライマリ基地局に送信されるパイロット信号の測定結果に関する情報と協調して通信するネットワークを説明する。米国特許出願公開第2014/0133415A1明細書は、ノード及びUEが複数のセルから受信する、又はそれらに送信するアップリンクのマルチフロー動作を説明する。
【0020】
本発明は、移動通信ネットワークを制御する方法を提供し、当該方法は、アップリンク制御エンティティを備え、ユーザ機器デバイスによるデータ送信に従って、移動通信ネットワーク内の複数の受信ポイントにより送信される受信品質測定報告に応答して、受信品質測定報告はデータ送信の受信に対応し、複数の受信ポイントの各々が、ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する、受信品質測定報告に依存する参加動作を示すように移動通信ネットワーク内に複数の受信ポイントを構成する。
【0021】
更なる態様において、本発明は、移動通信ネットワークにおけるアップリンクトラフィックを制御するためのネットワーク機器エンティティを提供し、エンティティは、ユーザ機器デバイスによるデータ送信に従って、移動通信ネットワークの複数の受信ポイントから受信品質測定報告を受信し、応答して、ユーザ機器デバイスから受信されたデータを転送し、受信品質測定報告を送信すべく複数の受信ポイントを構成するように配置され、複数の受信ポイントの各々は、ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する、受信品質測定報告に依存する参加動作を示すように構成され、異なる受信ポイントは、ユーザ機器デバイスからのデータ信号を受信する選択された受信ポイントだけがデータを転送するが、他の受信ポイントは、受信品質報告だけを送信するように異なって構成される。
【0022】
更に別の態様において、本発明は、ユーザ機器からデータ信号を受信し、受信信号の受信品質を測定するように配置される移動通信ネットワーク受信ポイントを提供し、受信ポイントは、アップリンク制御エンティティに受信品質測定報告を送信し、ユーザ機器デバイスからの送信に関して次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関して、受信品質測定報告に依存する参加動作を実装すべく、アップリンク制御エンティティから構成メッセージを受信するようにさらに配置され、構成メッセージは、ユーザ機器デバイスから受信されたデータの受信品質測定報告を、データを除いて送信するように受信ポイントに命令し得る。
【0023】
更に別の態様において、本発明は、複数の送信ポイント及び複数の受信ポイントと、アップリンク制御エンティティを有するネットワーク機器とを備える移動通信ネットワークを提供し、複数の受信ポイントはそれぞれ、ユーザ機器デバイスから受信されたデータに応答してアップリンク制御エンティティに受信品質測定報告を送信するように配置され、アップリンク制御エンティティは、ユーザ機器デバイスからの送信に関する次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関して参加動作を示すべく当該受信ポイントから受信された受信品質測定報告に応答して各々の受信ポイントを構成するように配置され、参加動作は、複数の受信ポイントのうち選択されたものがユーザ機器デバイスから受信されたデータを転送し、他の受信ポイントがさらなる受信品質測定報告だけを送信するように、受信品質測定報告に依存する。
【0024】
本発明の好ましい態様は、従属請求項により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで、本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して例としてだけ説明される。
【
図3】
図1のネットワークにおいて交換されたメッセージのメッセージシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、UEからの様々な距離で5つの基地局又は5つの受信ポイントRP1~RP5と共にUEの概略図が示される。2つの受信ポイント、RP2及びRP3は、内側区域20内のUEに最も近くに配置される。RP1は、隣接区域、区域22に配置され、RP4及びRP5はそれぞれ、より遠い区域、区域24及び区域26に配置される。
【0027】
本発明において、様々な受信ポイントRP1~RP5は、UEから受信されたデータに応答して様々な機能を提供すべく、コントローラ(図示せず)により構成される。
【0028】
概して、受信ポイントのグループは、UEの位置周辺のUEの受信及び制御にアクティブに関与するものと定義される。その結果として、他の受信ポイント、例えば、受信ポイントRP6及びRP7は、たとえそれらが無線範囲内にあってUEのネットワーク性能を低下する可能性がないとしても、UEとの通信に関与しないような態様で制御される。
【0029】
本発明を使用すれば、UE移動に追従する、又はチャネルコンディションの変化に適応すべく、受信ポイントのグループを動的に再定義することが可能である。本発明は、UEの受信及び制御において受信ポイントの様々な関与レベルを定義し、その結果、受信ポイントの内側コア、区域20は、UL信号の定期的な測定から条件付きの測定にわたって、関与がバッファリングから低下するグループの端部の方に、実際にデータを受信及び転送する。定義されたグループの端部30(中心としての特定のUEから見た)は、UEと共に移動するためのグループを用意すべく定義される。これは、
図1に示されている。UEの受信及び制御に関与されるべく定義される受信ポイントのグループは、以下に受信クラスタと表される。
【0030】
上記は、本発明の簡略化した考えを提供する。UEは、UEの実際の地理的位置を報告してこの情報を使用し得、又は、受信ポイントは、UEの実際の地理的位置を検出してこの情報を使用し得、受信ポイントの既知の位置と共に、UEのUL受信に関与される受信ポイントを構成し得る。
【0031】
図1に示される配置は、
図2とは異なる形態で再生される。
図2は、5つの受信ポイントRP1~RP5と通信するコントローラ32を示す(受信ポイントRP6及びRP7は、明瞭化のため
図2に示されていない)。UEは、UEから受信ポイントの各々に至るそれぞれの点線に隣接する値により示されるように、様々な信号強度で受信ポイントにより受信されるデータを送信する。UEに最も近い受信ポイントで受信された信号強度は、より距離のある受信ポイントにより受信される信号強度より高い。
【0032】
コントローラ32は、指定された態様で特定のUEのアップリンクに対して動作すべく、受信ポイントを選択及び構成するように配置されるリソース制御装置(RCU)機能エンティティである。
【0033】
この受信ポイントの動的な選択及び構成は、それぞれの受信クラスタにおける全ての受信ポイントの受信品質に関連したそれぞれの受信ポイントの受信品質(平均/統計)、すなわち、ある受信ポイントがUEの信号のUL受信に寄与できる効率に依存する。
【0034】
当該構成は、UL制御エンティティが、複数の異なる「参加動作」(又は、役割)を動的に構成するのを可能にする。例として、測定報告及びペイロード転送操作に関して異なる動作で、4つの異なる役割が定義される。各々の特定の受信ポイントは、以下の表に要約されるように(「比較的低いRx品質」から「比較的高いRx品質」に順序付けられ)UL制御エンティティによりこれらの役割の1つに動的に割り当てられる。
【表1】
【0035】
さらに、本発明の方法は、UL制御エンティティによる受信クラスタの動作中の特定の受信ポイントの再構成を可能にする。
【0036】
図2に示されるように、5つの受信ポイントは、異なる受信(rx)品質でUEのULトラフィックを受信する。受信ポイントは、それらのrx品質を報告し、一部はまた、データを転送する。次に、受信ポイントは、報告を送信すべくUL制御エンティティにより構成される。(i)閾値(RP5、例えば、表1からの役割1)に基づく、(ii)報告を定期的に送信する(RP4、必ずしもパケットごとではなく、例えば、役割2)、(iii)受信されたデータをバッファリングするが、転送しない(RP1、例えば、役割3、他の受信ポイントにおけるrx品質の低下に起因して受信されなかったデータを転送するように後に明示的に要求される)、又は(iv)データを転送する(RP2及びRP3、役割4)。
【0037】
図3は、
図2に示されるエンティティに関連するメッセージシーケンスチャートである。両図において、コントローラエンティティは、「UL制御エンティティ」を表す。1つの実施形態において、それは、SFNリソース制御装置(RCU)に割り当てられ得、その一部であり得る。
【0038】
図2に示されるように、UEは、初期のデータパケットを送信した後、受信ポイントRP1~RP5の各々が受信信号強度値を含む受信品質報告をコントローラに送信する。また、RPS、RP2及びRP3は転送データを含む。品質報告に応答して、コントローラはそれぞれの受信ポイントに個別の制御メッセージを送信する。
【0039】
RP5は、5dBの閾値を示すメッセージで条件付き報告を実行するように要求される。従って、RP5は、受信信号がこの閾値を超えた場合に品質報告を送信するだけとなる。
【0040】
RP4は、定期的な報告を実行するように要求されるが、RP3及びRP2は、定期的なデータ報告を実行するように要求される。RP1は、データバッファリングを実行するように要求される。
【0041】
図3に示されるように、UEによる次のデータパケットの送信後に、RP5は、受信信号強度が低すぎるので品質報告を送信しない。RP4は、受信信号強度の度合いを送信する。RP2及びRP3の両方が、信号強度の度合いを送信するが、受信データの破損に起因して、両方がデータを転送することができず、メッセージ中のデータをSFNコントローラに示すことができない。RP1は、受信信号強度の度合いと共に品質報告を送信する。
【0042】
RP2及びRP3からのデータ破損インジケーションに応答して、SFNコントローラは、データ識別子(
図3に「2」、すなわち第2データパケットとして示される)でRP1に明示的なデータ転送要求を送信する。RP1は、RP1で成功裏に復号されたバッファデータを送信することにより応答する。
【0043】
本発明は、単一のUEに関して異なる動作を実行すべく、受信ポイントを指図/構成し得るネットワーク機能を提供する。言い換えれば、UL制御エンティティは、受信クラスタの各受信ポイントに、複数の受信ポイントへの複数の経路を経由する個別のUEのアップリンクデータ伝送の統合に寄与すべく完全に適合される「参加動作」(又は、役割、例えば、上記リストからの1つ)を割り当て得る。
【0044】
本発明は、UL制御エンティティにおいて、品質報告(例えば、上記のような受信信号品質報告)、及び/又は復号結果(例えば、上記のような成功/不成功の形式で)、及び/又はデータ組み合わせの成功(ULデータ統合プロセスに関する)に基づき、rx品質報告モード(オン/オフ/条件付き)とペイロード転送モード(オン/オフ/条件付き)との間の変更を提供する。1つの受信ポイントの「参加動作」(又は、役割)の変更は、複数の他の受信ポイントに依存する。1つの受信ポイントのrx品質が良好である場合、他の全てのポイントは受信を停止し(エネルギーを節約すべく)、単に品質を測定し得る。多くの受信ポイントがrx品質を制限している場合、UL制御エンティティは、データ組み合わせの成功の可能性を高め、ジャンプインに対するバックアップとして十分な他の受信ポイントを確保すべく、十分な受信ポイントのセットを選択することができる。十分な報告は、「参加動作」の再構成により関与される受信ポイントが適時に適応することを可能にする。
【0045】
説明された方法はまた、受信ポイントの受信クラスタへの包含及びそれからの削除を引き起こし得る。特定のUEに関して、又はUEの大多数に関して、受信クラスタの端部に向かう移動が、測定報告から検出され得る。これにより、当該端部付近の受信ポイントを受信クラスタに包含することになり得る。同じ測定により、他の受信ポイントを受信クラスタから除去することになり得る。新たな受信ポイントは、受信クラスタの他の受信ポイントに対して本明細書に説明されるように構成され得る。受信ポイントからUL制御エンティティに送信された測定報告は、UEからUL制御エンティティに送信された測定報告、すなわち、UEによりDL信号に対して実行される既知の測定と組み合わせて使用され得、UL方向に報告され得る。
【0046】
同様に、受信クラスタの内部又は外部の受信ポイントからのrx品質報告と併用したレガシー測定報告(すなわち、UEによりDL信号に対して実行される測定)は、例えば、UEが現在それの一部ではない受信クラスタにより非常にうまくサービス提供され得ることが検出された場合、UEが、受信クラスタによりサービス提供されるべきか、又は提供されるべきでないかを決定するために使用され得る。その一方で、受信クラスタによるUEのサービス提供は、非効率的となり得、別の受信クラスタ又は単一受信ポイント(BS)は、UEにより効率よくサービス提供し得、それにより、UEは、現在の受信クラスタによるサービス提供から除去される。
【0047】
副作用として、一部の受信ポイントは、エネルギーを節約すべくフルデータを受信する必要なく、UE信号だけを検出してrx品質を測定することが可能である。当該目的で、リソースグリッド(周波数/時間)におけるUL基準信号の位置は、例えば、UL制御エンティティにより、例えば、ネットワーク放送モードにおいて、全ての受信ポイントに送信され得る。そのような基準信号は周知であり、LTEのようなシステムにおいて、DMRS(復調基準信号)及びLTE-ULのSRS(サウンディング基準信号)から成り得る。特定のUEのrx品質を測定しさえすればよい受信ポイントは、アップリンク方向において予想される基準信号を受信するようにその受信手段を構成し、実データ搬送リソースのためにその受信手段をパワーダウンするであろう。同様に、UEのUL信号を受信も測定もしないように現在構成されている受信ポイントは、構成された完全なUEのULリソース(データ及び基準信号)のためのその受信手段の電源を切ることによりエネルギーを節約するであろう。
【0048】
結果として、UL制御エンティティにより収集された情報はまた、受信クラスタにおいて少なくとも有意数のUEの受信における受信ポイントの重要性に基づき、受信ポイントをまとめてスイッチをオフにする決定に至るであろう。
【0049】
さらに、本発明の方法は、UL制御エンティティによる受信クラスタの動作中に特定の受信ポイントの再構成を可能にする。
【0050】
本発明において、UL制御エンティティは、特定UEの受信ポイントの「参加動作」のタイプ(又は、役割、例えば、上記のリストの1つ)を動的に選択する。同じ受信ポイントによりサービス提供される他のUEに対して、「参加動作」(又は役割)は異なるように構成され得る。この決定は、全ての受信ポイントからの個別のrx品質測定に基づきUL制御エンティティによりなされる。UL制御エンティティにおいて、受信クラスタの動作中の特定のUEの「参加動作」(又は、役割)の動的な再構成は、例えば、様々な受信ポイントから受信されたrx品質報告に基づき実行される。
【0051】
UL制御エンティティは、転送中の受信ポイントからデータパケットを受信し、データと共に報告されるrx品質を考慮する成功裏に受信した単一のULデータストリームを保証すべくデータを統合する。必要ならば、UL制御エンティティは、受信ポイントからのバッファデータパケットの転送を要求し、必要ならば、受信ポイントにより格納データパケットの削除を開始する。
【0052】
受信ポイントは、特定のUEのデータ受信のために構成(及び動作中の再構成)を受信する。そのように構成された場合、受信ポイントは、UEのULリソース(時間周波数グリッド)にデータを受信しないので、エネルギーを節約する。
【0053】
そのように構成された場合、受信ポイントは、UEのUL信号を測定及び報告し、報告のために構成されたコンディションを検証する。そのように構成された場合、受信ポイントは、データを受信し、データを符号化し、データを転送又は格納し、復号結果を報告する。要求された場合、受信ポイントは、格納されたデータを転送及び/又は削除する。
【0054】
異なる受信ポイントで同じ(変更がない)データストリームを受信する複数の基地局で説明されるシステムは、その段階が知られていない。
【0055】
上記において、UL制御エンティティは、受信ポイントからの測定報告の単一受信ポイント、及び実際に転送されたデータ(ペイロード)として言及されている。ネットワーク機能を制御プレーン(c-プレーン)により実行される制御機能及びユーザデータプレーン(u-プレーン)による実データ経路内の機能に分割することは、LTEのような最新のモバイルネットワークにおいては普通である。ネットワークエンティティは通常、プレーンの両方ではないが、いずれかの機能を有する。リアルライブの配備において、ネットワークオペレータは次に、単一のハードウェア(サーバ)に両方のエンティティを配備するように決定し得、又はそれらはc-/u-プレーンモデルのように距離を保持する。
【0056】
本発明にマッピングされているが、通常のモデルは、言及された全ての制御機能(受信ポイントの構成、・・・)のためのUL制御エンティティと、転送されたデータトラフィックを受信及び組み合わせた別個のULユーザプレーンエンティティとを有するように要求するであろう。本発明では何らそのような機能分割を拒むはずはなく、そのことは、システムにとって有益でさえあり得る。単に説明のしやすさ及び読みやすさのために、当方では、c-及びu-プレーン機能の両方のために用語「UL制御エンティティ」を使用する。
【0057】
本発明は、必要に応じて、データが転送されるだけであるように、複数の受信ポイントとUL制御エンティティとの間のインターフェース上のデータ交換量を減少させるので有益である。さらに、本発明は、信頼性のあるUL動作が他の受信ポイントにより許可された場合、受信ポイントはスイッチがオフにされ得る、又は減少されたタスクセットを実行するように構成され得るので、エネルギー消費量を減少する。本発明に従って、様々な受信ポイントからUL制御エンティティに測定報告(上記に定義されるようなrx品質報告)を定期的に送信する周波数は、特定されるイベント(1つ又は複数のパケットの受信/検出、信号の検出、割り当てられたリソースに有意な信号の検出がないこと)の発生に応じて変わり得、又は固定され得る。それは、受信ポイントが、「パケットごと」、又は「データ量ごと」、又は「複数のパケットごと」のベースで報告するように設定され得る。それは、絶対周波数であり得、例えば、1秒ごとに、100ミリ秒ごとに、又は10秒ごとに1つの報告であり得る。様々な受信ポイントにより収集されたrx品質報告は、設定可能な期間にわたって算出される平均値を含み得る。
【0058】
条件付きのrx品質報告を送信するためのコンディションはまた、上記のような時間態様(最大又は最小周波数)を含み得る。別な方法で、又は加えて、コンディションは、rx品質、測定される干渉レベル、受信ポイントとUEとの間で推定されるチャネルコンディション、及び/又はUEが使用するように構成されるサービスの優先順位に基づき得、これらのパラメータごとに、コンディションは、一度又は特定された期間、予め定義された閾値を超える、それと一致する、又はそれを受ける(undergo)ことを含み得る。
【0059】
rx品質報告は、rx信号強度、rx信号強度の測定された干渉に対する関係(信号対干渉及び雑音比、SINR)、チャネルコンディション(測定及び算出された)、復号結果(成功/不成功、エラー数)、データパケット長又は同様なパラメータを含み得る。1つの実施形態において、受信ポイントは、これらの値の少なくとも1つから、統合された「ULチャネル信頼性インジケータ」(UEごとの)を算出し得る。そうすることで、UL制御エンティティは、ある受信ポイント(構成に応じた)からこの「ULチャネル信頼性インジケータ」のリストを受信し得るだけで、それにより、コアネットワークのトラフィックをさらに一層低減し得る。明示的要求を受信した後に後の送信のためのデータのバッファリングが、受信ポイントのメモリにおいて、又は受信ポイントと関連付けられたメモリにおいて行われる。データの削除は、UL制御エンティティが配信(再送信)を要求するのに十分な時間を有するように受信後の特定の時間に行われ得る。それはまた、ある数のパケット又はデータ量の受信後に行われ得、あるいはUL制御エンティティからのメッセージは、削除を明示的に要求し得る。後者のメッセージは、全ての受信ポイントに対してUL制御エンティティによりネットワーク上にブロードキャストされ得、削除を要求するためにネットワーク上に使用されるデータ負荷を減少すべく、複数のバッファデータユニットの削除を要求し得る。受信ポイントによるデータユニットの受信不成功(復号不成功)の場合、データユニットは、UL制御エンティティにおける復号成功を可能にすべく、要求時にバッファリング及び配信されてよく、又はそれは、バッファリングされなくてもよい。UL制御エンティティがバッファリングされていないデータ配信を要求する場合、当該要求は失敗メッセージで回答されてよく、全く回答されなくてもよく、又は、UL制御エンティティは、データをバッファリングしていない受信ポイントがリスト上の次の受信ポイントに配信要求を転送するように、代わりの受信ポイントのリストを送信してよい。リスト上の受信ポイントの数に基づき、又は時間に基づき、要求の転送は停止してよく、失敗メッセージは、最初のメッセージに対する参照を含む最後に関与された受信ポイントにより送信されてよい。
【0060】
本発明は、異なる性質の様々なネットワーク環境において有益に配備され得るが、単一周波数ネットワーク(SFN)の配備が本発明の最良の形態を明らかにし得る。SFNにおいては、通常、複数の送信ポイントが同期して同一データを送信し、その結果、個別の送信ポイントは、受信UEにより区別され得ない。ネットワークのSFN性は、主としてDLの特性を説明するが、SFNは、UL信号の受信ポイントを区別する必要なく、複数の受信ポイントによるULデータの受信を可能にするULと非常に相性が良い。
【0061】
本発明に説明される受信クラスタは、SFNに配備された場合、説明された受信ポイントに加えて、1又は複数のUEにデータを同期して送信する複数の送信ポイントをも含むSFNクラスタの一部であってよい。これらの送信ポイントは、それぞれの受信ポイントと共同設置されてよく、又は共同設置されなくてもよく、受信ポイントをSFNクラスタに付加する、又はそれから除去する動作は、それぞれの送信ポイントをSFNクラスタに付加する、又はそれから除去する動作を含み得る。
【0062】
SFNに配備された場合、本発明に説明されるコントローラ32は、単一又は複数のUEのULデータの転送における受信ポイントの参加及び関与を制御するSFNコントローラの一部であり得る。また、SFNコントローラは、例えば、SFNによりサービス提供される単一又は複数のUEへのDLデータ伝送における送信ポイントの参加及び関与の制御として他の機能を有する。
[項目1]
移動通信ネットワークを制御する方法であって、当該方法は、アップリンク制御エンティティを備え、ユーザ機器デバイスによるデータの送信に従って、上記移動通信ネットワーク内の複数の受信ポイントにより送信される受信品質測定報告であって、上記送信の受信に対応する受信品質測定報告に応答して、上記複数の受信ポイントの各々が、上記ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を示すべく構成されるように上記移動通信ネットワーク内に上記複数の受信ポイントを構成し、上記参加動作は、上記受信品質測定報告に依存する、方法。
[項目2]
上記測定報告の参加動作は、条件付きの報告及び無条件の報告のうちの1つであり、上記ペイロード報告の参加動作は、データを転送しない又は格納しない、データを格納するが明示的要求なくデータを転送しない、条件付きデータ転送、及びデータ転送のうちの1つである、
項目1に記載の方法。
[項目3]
品質測定報告の条件付き送信の参加動作の構成は、受信品質測定のための少なくとも1つの閾値に基づく少なくとも1つのコンディションを含む、
項目2に記載の方法。
[項目4]
条件付きデータ転送の参加動作の構成は、受信品質測定のための閾値と、上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを復号する試みの結果を示す復号結果とのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つのコンディションを含む、
項目2に記載の方法。
[項目5]
上記受信品質測定報告に応答して、上記移動通信ネットワーク内の個別の受信ポイントは、受信品質測定報告だけを送信するように構成される、
項目1に記載の方法。
[項目6]
1又は複数の選択された受信ポイントは、ユーザ機器デバイスから受信されたデータをバッファリングし、上記アップリンク制御エンティティからのコマンドを受け取り次第、バッファデータだけを転送する、
項目1又は項目5に記載の方法。
[項目7]
上記複数の受信ポイントの1又は複数は、ユーザ機器デバイスから受信されたデータを復号しないように構成される、
項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
上記移動通信ネットワークは、少なくとも1つのユーザ機器デバイスに同期して同一データを送信する複数の送信ポイントを有し、それにより単一周波数ネットワークを形成する、
項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
選択された上記複数の受信ポイントは、上記ユーザ機器デバイスにより送信された共通信号から、上記共通信号の受信している受信ポイントの任意の特定の受信ポイントへの適応なく、上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを受信する、
項目1に記載の方法。
[項目10]
移動通信ネットワークにおけるアップリンクトラフィックを制御するためのネットワーク機器エンティティであって、上記エンティティは、ユーザ機器デバイスによるデータの送信に従って、上記移動通信ネットワークの複数の受信ポイントから受信品質測定報告を受信し、応答して、上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを転送し、受信品質測定報告を送信すべく上記複数の受信ポイントを構成するように配置され、上記複数の受信ポイントの各々は、上記ユーザ機器デバイスからの送信に関して、次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を示し、上記参加動作は、上記受信品質測定報告に依存し、異なる受信ポイントは、上記ユーザ機器デバイスからのデータ信号を受信する選択された受信ポイントだけがデータを転送するが、他の受信ポイントは、受信品質報告だけを送信するように異なって構成される、
ネットワーク機器エンティティ。
[項目11]
上記エンティティは、選択された受信ポイントが上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータをバッファリングして、コマンドを受け取り次第、上記データだけを転送するように配置されるように指示する、
項目10に記載のネットワーク機器エンティティ。
[項目12]
上記エンティティは、上記複数の受信ポイントのうち選択されたものが上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータ信号を復号しないように命令するように配置される、
項目10又は項目11に記載のネットワーク機器エンティティ。
[項目13]
ユーザ機器デバイスからデータ信号を受信し、受信された上記データ信号の受信品質を測定するように配置される移動通信ネットワークの受信ポイントであって、上記受信ポイントは、アップリンク制御エンティティに受信品質測定報告を送信し、上記ユーザ機器デバイスからの送信に関して次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を実装すべく、上記アップリンク制御エンティティから構成メッセージを受信するようにさらに配置され、上記参加動作は、上記受信品質測定報告に依存し、上記構成メッセージは、上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータの受信品質測定報告を、上記データを除いて送信するように上記受信ポイントに命令し得る、
移動通信ネットワークの受信ポイント。
[項目14]
上記受信ポイントは、上記データ信号の上記受信ポイントに対する特定の適応なく、上記ユーザ機器デバイスにより送信される共通信号から上記データ信号を受信する、
項目13に記載の移動通信ネットワークの受信ポイント。
[項目15]
上記受信ポイントは、上記アップリンク制御エンティティからコマンドを受け取り次第、上記ユーザ機器デバイスから受信された上記データをバッファリングし、上記アップリンク制御エンティティからさらなるコマンドを受け取り次第、そのようなデータだけを転送するように配置される、
項目13に記載の移動通信ネットワークの受信ポイント。
[項目16]
複数の送信ポイント及び複数の受信ポイントと、アップリンク制御エンティティを有するネットワーク機器とを備える移動通信ネットワークであって、上記複数の受信ポイントはそれぞれ、ユーザ機器デバイスから受信されたデータに応答して上記アップリンク制御エンティティに受信品質測定報告を送信するように配置され、上記アップリンク制御エンティティは、上記ユーザ機器デバイスからの送信に関する次の測定報告及びペイロード報告のうちの少なくとも1つに関する参加動作を示すべくその受信ポイントから受信された上記受信品質測定報告に応答して各々の受信ポイントを構成するように配置され、上記参加動作は、上記複数の受信ポイントのうち選択されたものが上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータを転送し、他の受信ポイントがさらなる受信品質測定報告だけを送信するように、上記受信品質測定報告に依存する、
移動通信ネットワーク。
[項目17]
受信ポイントは、上記アップリンク制御エンティティからの対応する構成メッセージを受け取り次第、上記ユーザ機器デバイスから受信されたデータをバッファリングし、上記アップリンク制御エンティティからの対応するコマンドを受け取り次第、上記データだけを転送するように配置される、
項目16に記載の移動通信ネットワーク。
[項目18]
多様な上記複数の送信ポイントが、上記ユーザ機器デバイスに同期して同一データを送信し、それにより単一周波数ネットワークを形成する、
項目16に記載の移動通信ネットワーク。