(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20220511BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20220511BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220511BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20220511BHJP
H01R 12/51 20110101ALI20220511BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 610B
H05K5/02 L
H01R13/52 B
H01R12/51
H01R13/639
(21)【出願番号】P 2020525350
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2019019049
(87)【国際公開番号】W WO2019244511
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2018115945
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 達哉
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-104580(JP,U)
【文献】特開2017-162854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H05K 5/02
H01R 13/52
H01R 12/51
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、前記回路基板に固定されて相手コネクタと嵌合されるコネクタとを備えるコネクタ付き基板と、前記コネクタ付き基板に組み付けられた防水部材と、前記コネクタ付き基板を内部に収容するケースとを備え、
前記ケースが、前記回路基板を囲むと共に、前記コネクタを外部に臨ませるための開口部を有するケース側壁を備えており、
前記防水部材が、前記コネクタにおいて前記相手コネクタを向く嵌合面の周囲を覆う防水部を備えており、前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの周囲を覆う防水壁を備えており、
前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの下方に、前記防水壁が配置されない非遮蔽部分を有している、電気接続箱。
【請求項2】
回路基板と、前記回路基板に固定されて相手コネクタと嵌合されるコネクタとを備えるコネクタ付き基板と、前記コネクタ付き基板に組み付けられた防水部材と、前記コネクタ付き基板を内部に収容するケースとを備え、
前記ケースが、前記回路基板を囲むと共に、前記コネクタを外部に臨ませるための開口部を有するケース側壁を備えており、
前記防水部材が、前記コネクタにおいて前記相手コネクタを向く嵌合面の周囲を覆う防水部を備えており、前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの周囲を覆う防水壁を備えており、
前記防水部材が、前記防水部の外面に、前記ケース側壁における前記開口部の開口縁の周縁部が嵌まり込む溝を有しており、
前記溝のうち、前記防水部の上面に配されている部分が、前記上面から内側に向かって延びる一対の溝側面と、前記溝側面同士をつなぐ溝底面とによって区画された上溝部であり、
前記溝底面が、前記上面の両端間の中央位置から両端のそれぞれに向かうにつれて下るように傾斜する山形をなしている、電気接続箱。
【請求項3】
前記溝のうち、前記防水部の側面に配されている部分が側溝部となっており、前記側溝部の下端が、前記回路基板よりも下方に配置されている、請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
回路基板と、前記回路基板に固定されて相手コネクタと嵌合されるコネクタとを備えるコネクタ付き基板と、前記コネクタ付き基板に組み付けられた防水部材と、前記コネクタ付き基板を内部に収容するケースとを備え、
前記ケースが、前記回路基板を囲むと共に、前記コネクタを外部に臨ませるための開口部を有するケース側壁を備えており、
前記防水部材が、前記コネクタにおいて前記相手コネクタを向く嵌合面の周囲を覆う防水部を備えており、前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの周囲を覆う防水壁を備えており、
前記コネクタ付き基板が、前記回路基板に組み付けられるフレームを備えており、
前記防水部材が係止部を備えており、
前記フレームが、前記係止部に係合する係止受部を備えている、電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、各種車載電装品への電力の供給及び供給電力の制御を行う電気接続箱は、回路基板と、回路基板に接続されたコネクタと、回路基板を内部に収容し、コネクタを外部に臨ませる開口を有するケースとを備えている(特許文献1参照)。このような電気接続箱のうち、車室内に設置して使用される電気接続箱は、エンジンルームに配される電気接続箱のような高度な防水構造を必要とせず、コップ一杯程度の水がかかっても内部に浸水しにくい程度の防水構造を有していれば足りる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、簡易な防水構造で足りる用途に対して、防水構造を有する専用のコネクタを開発することはコスト高であり、安価かつ簡易な防水構造が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される電気接続箱は、回路基板と、前記回路基板に固定されて相手コネクタと嵌合されるコネクタとを備えるコネクタ付き基板と、前記コネクタ付き基板に組み付けられた防水部材と、前記コネクタ付き基板を内部に収容するケースとを備え、前記ケースが、前記回路基板を囲むと共に、前記コネクタを外部に臨ませるための開口部を有するケース側壁を備えており、前記防水部材が、前記コネクタにおいて前記相手コネクタを向く嵌合面の周囲を覆う防水部を備えており、前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの周囲を覆う防水壁を備えている。
【0006】
上記の構成によれば、別体に形成された防水部材をコネクタに取り付けているので、防水構造を有する専用のコネクタを開発する必要がなく、安価かつ簡易に防水することができる。
【0007】
上記の構成において、前記防水壁が、前記開口部から前記ケースの外部に突出していても構わない。
【0008】
このような構成によれば、水がケースおよびコネクタの内部に進入することを確実に回避することができる。
【0009】
上記の構成において、前記防水壁が、前記コネクタまたは前記コネクタと嵌合される相手コネクタの上方を覆う防水上壁と、前記防水上壁から下方に延び、前記コネクタまたは前記相手コネクタの側方を覆う防水側壁とを備えていても構わない。
【0010】
このような構成によれば、少なくとも、防水壁が防水上壁と防水側壁とを備えていることにより、上方や側方からの水を防ぐことができる。
【0011】
上記の構成において、前記防水部が、前記コネクタまたは前記相手コネクタの下方に、前記防水壁が配置されない非遮蔽部分を有していても構わない。
【0012】
このような構成によれば、非遮蔽部分が、相手コネクタのコネクタに対する嵌合操作の際の手指の逃がしとなるため、嵌合操作を容易に行うことができる。このような構成は、例えば電気接続箱が車両の車室内に設置して使用される場合のように、下方から跳ね上げられる水に対応する必要がなく、上方や側方からの水を防ぐことができればよい場合に好適である。
【0013】
上記の構成において、前記コネクタが、前記回路基板の上面に固定されており、前記防水部材が、前記防水部から前記回路基板よりも下方に延び、前記ケース側壁に沿って配置される傾き防止壁を備えていても構わない。
【0014】
このような構成によれば、防水部の重みで防水部材がコネクタごと傾き、コネクタと回路基板との固定部分が剥がれてしまうことを回避できる。
【0015】
上記の構成において、前記防水部材が、前記傾き防止壁に対して隙間を空けて配置される挟み壁を備えており、前記ケース側壁が、前記隙間に配置されていても構わない。
【0016】
このような構成によれば、傾き防止壁と挟み壁とによって防水部材の傾きが規制されるから、防水部材がコネクタごと傾き、コネクタが回路基板から剥がれてしまうことが、確実に回避される。
【0017】
上記の構成において、前記防水部材が、前記防水部の外面に、前記ケース側壁における前記開口部の開口縁の周縁部が嵌まり込む溝を有していても構わない。
【0018】
このような構成によれば、ケース側壁が溝に噛み込む構造とすることにより、水がいっそうケースの内部に浸入しにくくなる。
【0019】
上記の構成において、前記溝のうち、前記防水部の上面に配されている部分が、前記上面から内側に向かって延びる一対の溝側面と、前記溝側面同士をつなぐ溝底面とによって区画された上溝部であり、前記溝底面が、前記上面の両端間の中央位置から両端のそれぞれに向かうにつれて下るように傾斜する山形をなしていても構わない。
【0020】
このような構成によれば、上溝部の内部に水が侵入したとしても、水が溝底面の傾斜に沿って流れ、両端から排出されるので、ケースの内部に水が侵入することを回避できる。
【0021】
上記の構成において、前記溝において、前記防水部の前記外面のうち側面に配されている部分が側溝部となっており、前記側溝部の下端が、前記回路基板よりも下方に配置されていても構わない。
【0022】
このような構成によれば、溝に侵入した水が、回路基板上に流れ込むことなく、確実に下方に排出される。
【0023】
上記の構成において、前記防水壁が、前記相手コネクタが挿入される挿入口を有しており、前記防水部材が、前記挿入口の開口縁から外側に向かって立ち上がる立設壁を備えていても構わない。
【0024】
このような構成によれば、防水壁に付着した水が、防水壁の内部に進入して、コネクタと相手コネクタとの嵌合部分から内部に入り込むことを回避できる。
【0025】
上記の構成において、前記コネクタ付き基板が、前記回路基板に組み付けられるフレームを備えており、前記防水部材が係止部を備えており、前記フレームが、前記係止部に係合する係止受部を備えていても構わない。
【0026】
このような構成によれば、防水部材がフレームに係合しているので、防水部材がコネクタと係合している場合と比較して、防水部材が組み付けられることによるコネクタへの応力が軽減され、コネクタと回路基板との接合部分が剥がれてしまうことが回避される。
【0027】
上記の構成において、前記コネクタが、相手コネクタに備えられるロック部に係合可能なロック受部を備えており、前記防水壁が、前記コネクタに対して前記ロック受部と同じ側に、前記コネクタが前記相手コネクタに嵌合した状態で前記ロック部の少なくとも一部を外部に露出させる凹部を備えていても構わない。
【0028】
このような構成によれば、コネクタと相手コネクタとが嵌合された状態では、ロック部の少なくとも一部が、凹部から外部に露出している。このため、コネクタから相手コネクタを離脱させる際には、作業者が凹部の内部に手指を入れ、ロック部のロック受部に対する係合を解除する操作を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本明細書によって開示される電気接続箱によれば、安価かつ簡易に防水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】実施形態1におけるコネクタおよび回路基板の部分拡大斜視図
【
図20】実施形態2のアタッチメントを
図19とは異なる方向から見た斜視図
【
図26】実施形態2の電気接続箱を
図25のA-A線で切断して示す部分拡大断面図
【
図27】実施形態2の電気接続箱を
図26のB-B線で切断して示す部分拡大断面図
【
図28】コネクタに相手コネクタが嵌合された実施形態2の電気接続箱を、
図25のA-A線と同一位置で切断して示す部分拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施形態1>
実施形態1を、
図1から
図12を参照しつつ説明する。本実施形態の電気接続箱1は、車両の電源から各種車載電装品への電力の供給、及び供給電力の制御を行う電子制御ユニット(ECU)であって、車室内に設置して使用される。この電気接続箱1は、コネクタ付き基板10と、コネクタ付き基板10に組み付けられるアタッチメント40(防水部材に該当)と、コネクタ付き基板10を内部に収容するシールドケース50(ケースに該当)とを備えている。
【0032】
コネクタ付き基板10は、
図3に示すように、回路基板20と、この回路基板20に固定されるコネクタ30とを備える。
【0033】
回路基板20は、絶縁材料からなる長方形の絶縁板の上面(実装面21)に、プリント配線技術により導電路(図示せず)が形成されるとともに、電子部品(図示せず)が実装された周知の構成の部材である。
【0034】
コネクタ30は、コネクタハウジング31と、このコネクタハウジング31を回路基板20に固定するための2つの固定金具35と、コネクタハウジング31に組み付けられて回路基板20上の導電路と接続される複数の端子金具36とを備えている。
【0035】
コネクタハウジング31は、合成樹脂製であって、
図5および
図7に示すように、端子保持壁32と、この端子保持壁32から連なるフード部33とを備える。
【0036】
端子保持壁32は、
図5および
図7に示すように、端子金具36を保持する厚みのある板状の部分である。フード部33は、
図4、
図5および
図7に示すように、端子保持壁32から延びる角筒状の部分であって、回路基板20に沿って配置されるフード底壁33Aと、このフード底壁33Aと平行なフード天壁33Bと、フード底壁33Aおよびフード天壁33Bに対して垂直に配置される2つのフード側壁33Cとで構成されており、端子保持壁32とは反対側に開口部(嵌合口33D)を有している。端子保持壁32とフード部33とで囲まれるコネクタハウジング31の内部空間には、
図5および
図7に示すように、相手コネクタCを受け入れ可能となっている。フード部33の嵌合口33D側の端面は、相手コネクタCとの嵌合の際に、相手コネクタCを向く嵌合面33DFとなっている。
【0037】
2つのフード側壁33Cのそれぞれは、
図4および
図8に示すように、装着凹部34を有している。装着凹部34は、フード側壁33Cの外面から内側に向かって延び、互いに対向して配される一対の側面34Bと、一対の側面34B間を繋ぐ奥面34Aとで区画される凹部である。
【0038】
2つの固定金具35のそれぞれは、金属板をプレス加工して形成された部材であり、
図4に示すように、略矩形の本体部35Aと、本体部35Aの一辺から垂直に延びる板片状の取付片35Bとを備えて、全体としてL字状をなしている。本体部35Aの2つの側縁(取付片35Bと垂直な2辺)のそれぞれには、詳細には図示しないが、複数の係止片が配置されており、一対の側面34Bのそれぞれには、これら複数の係止片が係合する係合受部が配置されている。
【0039】
一方の固定金具35は、一方のフード側壁33Cに配された装着凹部34に収容され、他方の固定金具35は、他方のフード側壁33Cに配された装着凹部34に収容されている。各固定金具35は、
図4に示すように、本体部35Aが奥面34Aに沿い、取付片35Bが回路基板20に沿うように配され、係止片が係合受部に係合することで、位置決め状態で保持されている。
【0040】
複数の端子金具36のそれぞれは、金属製の細長い板材が屈曲された部材であって、
図5および
図7に示すように、一端部が、端子保持壁32を貫通するタブ部36Aとなっており、他端部が、回路基板20上の導電路に対しリフローはんだ付けにより電気的に接続される基板接続部36Bとなっている。
【0041】
コネクタ30は、
図4および
図5に示すように、フード底壁33Aが回路基板20と対向する向きで、実装面21上に載置されており、取付片35Bが回路基板20に対しリフローはんだ付けされることで、回路基板20に固定されている。コネクタ30が回路基板20に固定された状態では、フード部33において嵌合口33Dに隣接する一部が、回路基板20の一対の短辺のうち一方の短辺から外側に突出されている。
【0042】
アタッチメント40は、コネクタ30に組み付けられる防水部材であって、
図9に示すように、コネクタ保持壁42と防水壁44とを備える防水部41と、傾き防止壁47と、第1係止部48と、2つの第2係止部49とを備えている。
【0043】
コネクタ保持壁42は、厚みのある板状の部分であって、
図5、
図7、
図9および
図11に示すように、板厚方向に貫通し、コネクタ30のフード部33を内部に挿通可能な貫通孔(コネクタ保持孔43)を有している。
【0044】
防水壁44は、
図9および
図11に示すように、コネクタ保持壁42の周縁から延びる角筒状の部分であって、防水上壁44Aと、この防水上壁44Aと平行な防水下壁44Bと、防水上壁44Aおよび防水下壁44Bに対して垂直に配置される2つの防水側壁44Cとで構成されており、一端に相手コネクタCを挿入可能な開口部(挿入口44D)を有している。防水下壁44Bは、挿入口44Dの開口縁からコネクタ保持壁42に向かって凹む逃がし凹部45(非遮蔽部分に該当)を有している。この逃がし凹部45は、コネクタ30に相手コネクタCを嵌合させる際に、作業者の手指を逃がすための凹部である。
【0045】
防水部41は、
図5、
図7および
図9に示すように、防水壁44の外周面のうち上面(防水上面41A)および一対の側面(防水側面41B)に、周方向に沿って延びる嵌合溝46を有している。この嵌合溝46は、
図10および
図12に示すように、防水部41の外周面から内側に向かって延びる一対の溝側面46Sと、溝側面46S同士をつなぐ溝底面46Uとによって区画された溝である。嵌合溝46のうち、防水上面41Aに配置された部分は上溝部46Aであり、2つの防水側面41Bのそれぞれに配置された部分は側溝部46Bである。上溝部46Aの溝底面46Uは、
図6に示すように、両端間(2つの防水側面41B間)の中央位置が最も高くなっており、中央位置から2つの防水側面41Bのそれぞれに向かうにつれて下るように傾斜している。各側溝部46Bの下端は、
図12に示すように、各防水側面41Bの下端(下面との角部)に至っている。
【0046】
傾き防止壁47は、
図9および
図11に示すように、コネクタ保持壁42から下方に向かって延びる壁であって、コネクタ保持壁42の下面において両端付近の一部分を除くほぼ全幅にわたって配置されている。
【0047】
第1係止部48は、
図9および
図11に示すように、コネクタ保持壁42から、防水壁44と反対側に突出する、幅広の板状の部分であって、防水上壁44Aと平行に配置されている。第1係止部48の先端部は、
図9および
図10に示すように、2本のスリットSL1によって3つに分割されており、そのうち真ん中の分割部分は、上下方向に撓み可能な第1撓み片48Aとなっている。第1撓み片48Aの先端には、
図12に示すように、下方に突出し、端子保持壁32に係止される第1係止爪48Bが配置されている。
【0048】
2つの第2係止部49のそれぞれは、
図10に示すように、コネクタ保持壁42から、防水壁44と反対側に突出する棒状の第2撓み片49Aと、第2撓み片49Aの先端から突出し、装着凹部34の側面34Bに係止する第2係止爪49Bとを備えている。
【0049】
シールドケース50は、金属製であって、
図1に示すように、回路基板20を内部に収容する下ケース51と、下ケース51に組み付けられる上ケース61とにより構成されている。
【0050】
下ケース51は、ダイキャストにより製造され、上側に開口するトレイ状の部材であって、
図2および
図5に示すように、長方形の板状のケース底壁52と、ケース底壁52の周縁から上方に立ち上がる下周壁部53と、下周壁部53の上端縁に設けられる基板保持部54と、下周壁部53から突出する一対のフランジ部56および複数の台座部57を備えている。
【0051】
下周壁部53は、
図2に示すように、ケース底壁52の一対の長辺から立ち上がる一対の下長壁部53Aと、ケース底壁52の一対の短辺から上方に立ち上がる一対の下短壁部53B、53Cとで構成されている。
【0052】
基板保持部54は、
図2に示すように、下周壁部53の上縁から外側に延出され、さらにその延出端が上側に延出された形状を有しており、内側に、回路基板20を支持する上向きの段差面54Aを有する段差部を備えている。基板保持部54は、一方の下短壁部53B(ケース側壁に該当)の中央位置(後述するコネクタ口67が配置される位置)を除くほぼ全周にわたって設けられている。また、下ケース51の内部において四隅には、
図2に示すように、ねじ穴を有し、回路基板20を固定するためのねじ受け部55が配置されている。
【0053】
一対のフランジ部56のそれぞれは、
図2に示すように、下周壁部53から外側に突出し、上ケース61を支持する鍔状の部分であって、下長壁部53Aと、下長壁部53Aの両端の角部において、基板保持部54の下方に、基板保持部54に対して隙間を空けて配置されている。台座部57は、
図2に示すように、上ケース61をねじ止めするためのねじScがねじ付けられる部分であって、各下長壁部53Aにおいて、フランジ部56の下方に2つずつが配置されている。各台座部57は、下長壁部53Aから外側に突出する矩形の台座上の部分であり、ねじ穴58を有している。
【0054】
上ケース61は、例えば絞り加工によって形成され、下ケース51の開口部を塞ぐ部材であって、
図2に示すように、ケース底壁52よりも一回り大きな長方形の板状のケース天壁62と、ケース天壁62の周縁から下方に垂直に延びる上周壁部63と、上周壁部63から延びる複数の固定片64とを備えている。
【0055】
上周壁部63は、ケース天壁62の一対の長辺から延びる一対の上長壁部63Aと、ケース天壁62の一対の短辺から延びる一対の上短壁部63B、63Cとで構成されている。この上周壁部63は、基板保持部54よりも一回り大きく、下周壁部53のフランジ部56よりも上側の部分と基板保持部54とを内部に収容可能となっている。
【0056】
一対の上短壁部63B、63Cのうち一方の上短壁部63B(ケース側壁に該当)は、
図2に示すように、切欠き部66を有している。切欠き部66は、上短壁部63Bの下端縁から上方に切り欠かれたような形状を有しており、上短壁部63Bの下端縁から上方に(ケース天壁62に向かって)延びる一対の側縁66Bと、一対の側縁66B間を繋ぐ奥縁66Aとで区画される凹部である。下ケース51と上ケース61とが組み付けられた状態では、
図6に示すように、切欠き部66の切欠き縁(奥縁66Aと一対の側縁66B)と、下ケース51の上縁において基板保持部54が配置されていない一部分とで区画された開口部が、コネクタ口67を形成する。
【0057】
複数の固定片64のそれぞれは、
図2に示すように、一対の上長壁部63Aのそれぞれの下端から延びる板片状の部分であり、ねじ挿通孔65を有している。各固定片64は、下ケース51の各台座部57と対応する位置に配置されている。
【0058】
電気接続箱1を製造する手順の一例を以下に説明する。
【0059】
まず、リフローはんだ付けにより、コネクタ30を回路基板20に固定する。回路基板20の実装面21においてはんだ付けが予定されている各部位に予めはんだHを塗布する。続いて、コネクタ30を、回路基板20の実装面21上に載置する。このとき、各端子金具36の基板接続部36BがはんだH上に載せられ、各固定金具35の取付片35Bも同じくはんだH上に載せられる。次に、コネクタ30を載せた回路基板20を図示しないリフロー炉内に走行させ、はんだHを溶融させる。その後、はんだHが冷却固化されると、各端子金具36の基板接続部36Bが対応する導電路に固着されて導通がとられるとともに、各固定金具35の取付片35Bが回路基板20に対して固着される。これにより、コネクタ30が回路基板20に対して固定される(
図3参照)。コネクタ30が回路基板20に対して固定された状態では、フード部33の嵌合口33Dに隣接する一部(
図5の右端部)が、概ね下短壁部53Bと上短壁部63Bとの厚みを足した分だけ、回路基板20の端縁から突出された形態となっている。このようにして、コネクタ30が回路基板20に固定され、コネクタ付き基板10が得られる。
【0060】
次に、コネクタ30にアタッチメント40を組み付ける。第1係止部48をフード天壁33Bに、2つの第2係止部49のそれぞれを2つのフード側壁33Cのそれぞれに沿わせるようにしながら、フード部33の先端部をコネクタ保持孔43に挿入する。第1係止爪48Bがフード天壁33Bに乗り上げることによって第1撓み片48Aが外側に撓み、第1係止爪48Bがフード天壁33Bを乗り越えると第1撓み片48Aが弾性復帰して、第1係止部48が端子保持壁32に係止される(
図5参照)。同様に、2つの第2係止爪49Bのそれぞれが、2つのフード側壁33Cのそれぞれに乗り上げることによって各第2撓み片49Aが外側に撓み、各第2係止爪49Bが装着凹部34に入り込むと各第2撓み片49Aが弾性復帰して、各第2係止部49がフード側壁33Cに係止される(
図7、
図8参照)。これにより、アタッチメント40がコネクタ30に組み付けられる。
【0061】
アタッチメント40がコネクタ30に組み付けられた状態では、
図5に示すように、コネクタ30において、内部への水の進入の入口となりうる嵌合口33Dが開口している嵌合面33DFが、防水部41におけるコネクタ保持孔43の内部に位置している。言い換えると、コネクタ30の嵌合面33DFの周囲が、防水部41によって覆われている。これにより、水が嵌合口33Dからコネクタ30の内部に入り込むことを回避できるようになっている。
【0062】
次に、コネクタ付き基板10を下ケース51に組み付ける。回路基板20を段差面54A上に載置し、ねじ受け部55に対してねじScにより固定する。回路基板20は、上面(実装面21)が基板保持部54の上端にほぼ揃うようにして収容される(
図2参照)。回路基板20は、基板保持部54よりも一回り小さく、回路基板20と基板保持部54の内周面との間には、隙間がある。また、防水壁44は、下短壁部53Bにおいて基板保持部54が配置されていない部分に配置されており、傾き防止壁47が、下短壁部53Bの外面に当接して配置されている(
図5参照)。これにより、アタッチメント40が、防水壁44側が下がるように傾くことが回避され、コネクタ30が、アタッチメント40の重みによって回路基板20から剥がれてしまうことが回避される。
【0063】
次に、上ケース61を下ケース51に組み付ける。上ケース61を、上周壁部63がフランジ部56上に載るようにして、下ケース51に上方から被せ付ける(
図1参照)。下周壁部53の上端部(フランジ部56より上の部分)と基板保持部54とが、上周壁部63の内部に収容される。また、上ケース61において、切欠き部66の切り欠き縁(奥縁66Aと一対の側縁66B)の周辺部分が、嵌合溝46の内部に嵌まり込む(
図5、
図7参照)。この状態で、複数の固定片64のそれぞれを複数の台座部57のそれぞれにねじScにより固定する。固定片64と台座部57とは、回路基板20よりも下方に位置しており(
図6参照)、ねじ穴58から水がシールドケース50の内部に侵入したとしても、回路基板20に付着することが避けられるようになっている。
【0064】
下ケース51と上ケース61とが固定された状態では、奥縁66Aおよび一対の側縁66Bと、下周壁部53の上端縁とで規定される開口部が、コネクタ口67となっており、このコネクタ口67から、防水部41が外方に突出するとともに、フード部33が臨んでいる。コネクタ30は、嵌合口33Dの開口縁が、上短壁部63Bと揃う位置か、またはそれよりも僅かに内側位置となるように配されている(
図5、
図7参照)。アタッチメント40は、端子保持壁32の一部と防水壁44とが、コネクタ口67からシールドケース50の外側に(より具体的には、上短壁部63Bよりも外側に)突出するように配されている(
図5、
図6および
図7参照)。
【0065】
フランジ部56と基板保持部54との間には、隙間があるため、水がフランジ部56と上周壁部63との間から内部に侵入したとしても、侵入した水はフランジ部56と基板保持部54との隙間を流れ、フランジ部56の両端から下方へ零れ落ちる。これにより、侵入した水が基板保持部54を乗り越えてシールドケース50の内部に入り込むことが回避される(
図2参照)。
【0066】
コネクタ30と嵌合される相手コネクタCは、防水壁44の内部に進入して、フード部33の内部に嵌合される。防水壁44が、相手コネクタCの上方および両側方を覆っているため、上方や側方からの水がコネクタ30と相手コネクタCとの嵌合部分から内部に入り込むことを回避できる(
図5、
図7参照)。
【0067】
以上のように本実施形態によれば、電気接続箱1は、コネクタ付き基板10と、コネクタ付き基板10に組み付けられるアタッチメント40と、コネクタ付き基板10を内部に収容するシールドケース50とを備える。コネクタ付き基板10は、回路基板20と、回路基板20に固定されて相手コネクタCと嵌合されるコネクタ30とを備える。シールドケース50が、回路基板20を囲むと共に、コネクタ30を外部に臨ませるためのコネクタ口67を有する上短壁部63Bおよび下短壁部53Bを備えている。アタッチメント40が、コネクタ30において相手コネクタCを向く嵌合面33DFの周囲を覆う防水部41を備えており、防水部41が、コネクタ30または相手コネクタCの周囲を覆う防水壁44を備えている。
【0068】
上記の構成によれば、別体に形成されたアタッチメント40をコネクタ付き基板10に取り付けているので、防水構造を有する専用のコネクタを開発する必要がなく、安価かつ簡易に防水することができる。
【0069】
また、防水壁44が、コネクタ口67からシールドケース50の外部に突出している。このような構成によれば、水がシールドケース50およびコネクタ30の内部に進入することを確実に回避することができる。
【0070】
また、防水壁44が、コネクタ30と嵌合される相手コネクタCの上方を覆う防水上壁44Aと、防水上壁44Aから下方に延び、相手コネクタCの側方を覆う防水側壁44Cとを備えている。
【0071】
このような構成によれば、上方や側方からの水を防ぐことができる。本実施形態では、電気接続箱1が車両の車室内に配置される電子制御ユニット(ECU)であり、下方から跳ね上げられる水に対応する必要がなく、例えばこぼれた飲料や、車内に持ち込んだ傘から滴る雨水、車室内の結露による水滴などの、上方や側方からの水を防ぐことができればよいため、アタッチメント40が防水上壁44Aと防水側壁44Cとを備えていれば充分である。
【0072】
また、防水部41が、相手コネクタCの下方に、防水壁44が配置されない逃がし凹部45を有している。このような構成によれば、逃がし凹部45が、相手コネクタCのコネクタ30に対する嵌合操作の際の手指の逃がしとなるため、嵌合操作を容易に行うことができる。本実施形態の電気接続箱1においては、上記したように、上方や側方からの水を防ぐことができればよいため、このように、下方に逃がし凹部45を設けて嵌合操作を行いやすくすることができる。
【0073】
また、コネクタ30が、回路基板20の実装面21に固定されており、アタッチメント40が、防水部41から回路基板20よりも下方に延び、下短壁部53Bに沿って配置される傾き防止壁47を備えている。このような構成によれば、防水部41の重みでアタッチメント40がコネクタ30ごと傾き、コネクタ30と回路基板20との固定部分が剥がれてしまうことを回避できる。このような構成は、コネクタ30が回路基板20にはんだ付けにより固定されている場合に好適である。
【0074】
また、防水部41の外面に、シールドケース50におけるコネクタ口67の開口縁、すなわち切欠き部66の切欠き縁(奥縁66Aと一対の側縁66B)の周縁部が嵌まり込む嵌合溝46を有している。このような構成によれば、上ケース61が嵌合溝46に噛み込む構造とすることにより、水がいっそうシールドケース50の内部に浸入しにくくなる。
【0075】
嵌合溝46のうち、防水部41の上面(防水上面41A)に配されている部分が、防水上面41Aから内側に向かって延びる一対の溝側面46Sと、溝側面46S同士をつなぐ溝底面46Uとによって区画された上溝部46Aであり、溝底面46Uが、防水上面41Aの両端間の中央位置から両端のそれぞれに向かうにつれて下るように傾斜する山形をなしている。このような構成によれば、上溝部46Aの内部に水が侵入したとしても、水が、
図6に矢印で示すように、溝底面46Uの傾斜に沿って流れ、両端から排出されるので、シールドケース50の内部に水が侵入することを回避できる。
【0076】
嵌合溝46のうち、防水部41の側面(防水側面41B)に配されている部分が側溝部46Bとなっており、側溝部46Bの下端が、回路基板20よりも下方に配置されている。このような構成によれば、嵌合溝46に侵入した水が、
図6に矢印で示すように、回路基板20上に流れ込むことなく、確実に下方に排出される。
【0077】
<変形例1>
変形例1を、
図13から
図14を参照しつつ説明する。本変形例の電気接続箱100は、シールドケース130における下ケース131の形状、および、コネクタ付き基板110が、回路基板20に取り付けられたスペーサ120を備えている点で、実施形態1と異なる。本変形例において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
下ケース131は、例えば絞り加工によって形成され、上側に開口するトレイ状の部材であって、
図14に示すように、長方形の板状のケース底壁132と、ケース底壁132の周縁から上方に立ち上がる下周壁部133とを備えている。
【0079】
下周壁部133は、ケース底壁132の一対の長辺から立ち上がる一対の下長壁部133Aと、ケース底壁132の一対の短辺から立ち上がる一対の下短壁部133Bとで構成されている。一対の下長壁部133Aのそれぞれは、上ケース61の複数の固定片64のそれぞれに対応する位置に、ねじ挿通孔134を有している。
【0080】
スペーサ120は、下ケース131に収容されて回路基板20を支持する部材であって、
図14に示すように、枠部121と、基板保持部123とを備えている。
【0081】
枠部121は、下周壁部133よりも一回り小さな長方形の枠状の部分であって、一対の下長壁部133Aに対向する一対の長枠部121Aと、一対の下短壁部133Bに対向する一対の短枠部121B、121Cとを備えている。各長枠部121Aは、下長壁部133Aの複数のねじ挿通孔134のそれぞれに対応する位置に、ねじ穴122を有している。
【0082】
基板保持部123は、実施形態1における下ケース51の基板保持部54と同様の形状を有しており、詳細には図示しないが、内側に、回路基板20を支持する上向きの段差面を有する段差部を備えている。この基板保持部123は、枠部121の上端縁において、一方の短枠部121Bの中央位置を除くほぼ全周にわたって設けられている。また、枠部121の内部において四隅には、詳細には図示しないが、ねじ穴を有し、回路基板20を固定するためのねじ受け部が配置されている。回路基板20は、基板保持部123の内部に収容され、段差面上に載置されて、ねじ受け部に対してねじ止めにより固定される。
【0083】
枠部121が下ケース131の内部に収容され、基板保持部123が下周壁部133上に載せられる。上ケース61は、下ケース131およびスペーサ120に上方から被せ付けられ、複数のねじScのそれぞれが、対応するねじ挿通孔65、134に挿通されてねじ穴122にねじ込まれることによって、上ケース61、下ケース131とスペーサ120とが固定されている。
【0084】
その他の詳細な構成は、実施形態1と同様であり、本変形例においても、実施形態1と同様の作用効果が奏される。
【0085】
<変形例2>
変形例2を、
図15から
図16を参照しつつ説明する。本変形例の電気接続箱200は、金属製のシールドケース50の代わりに、合成樹脂製のケーシング210を備えている点で、実施形態1と異なる。合成樹脂製のケーシング210は、回路基板20回りのシールドが必要でない場合に使用される。その他の構成は、実施形態と同様であるので、実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
ケーシング210は、コネクタ付き基板10を内部に収容する下ケース211と、下ケース211に組み付けられる上ケース221とにより構成されている。
【0087】
下ケース211は、
図16に示すように、上側に開口するトレイ状の部材であって、長方形の板状のケース底壁212と、ケース底壁212の周縁から上方に立ち上がる下周壁部213と、下周壁部213の上端縁に設けられる基板保持部54と、下周壁部213から突出する一対のフランジ部56および複数の係止突部214を備えている。
【0088】
下周壁部213は、実施形態1と同様に、ケース底壁212の一対の長辺から立ち上がる一対の下長壁部213Aと、ケース底壁212の一対の短辺から立ち上がる一対の下短壁部213B、213Cとで構成されている。基板保持部54およびフランジ部56の構成は、実施形態1と同様である。複数の係止突部214のそれぞれは、下周壁部213から外側に突出し、上ケース221を下ケース211に固定するための突起である。また、下ケース211の内部には、詳細には図示しないが、ねじ穴を有し、回路基板20を固定するためのねじScがねじつけられる複数のねじ受け部が配置されている。
【0089】
上ケース221は、実施形態1と同様に、下ケース211の開口部を塞ぐ部材であって、ケース底壁212よりも一回り大きな長方形の板状のケース天壁222と、ケース天壁222の周縁から下方に垂直に延びる上周壁部223と、上周壁部223から延びる複数の固定片224とを備えている。
【0090】
上周壁部223は、ケース天壁222の一対の長辺から延びる一対の上長壁部223Aと、ケース天壁222の一対の短辺から延びる一対の上短壁部223B、223Cとで構成されている。一対の上短壁部223B、223Cのうち一方の上短壁部223Bは、実施形態1と同様に切欠き部66を有している。
【0091】
複数の固定片224のそれぞれは、上周壁部223の下端から延びる板片状の部分であって、下ケース211の複数の係止突部214のそれぞれと対応する位置に配置され、係止突部214を受け入れ可能な係止孔225を有している。
【0092】
コネクタ付き基板10は、実施形態1と同様に、基板保持部54の内部に収容され、ねじ受け部に対してねじ止めにより固定される。上ケース221は、上周壁部223がフランジ部56上に載るようにして、下ケース211に被せ付けられ、複数の固定片224のそれぞれの係止孔225に、複数の係止突部214のそれぞれが嵌まり込むことによって、下ケース211に固定されている。
【0093】
その他の構成は、実施形態1と同様であり、本変形例においても、実施形態1と同様の作用効果が奏される。
【0094】
<実施形態2>
実施形態2を、
図17から
図28を参照しつつ説明する。本実施形態において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
電気接続箱300は、
図17および
図18に示すように、コネクタ付き基板310と、コネクタ付き基板310に組み付けられるアタッチメント330(防水部材に該当)と、コネクタ付き基板310を内部に収容するシールドケース350(ケースに該当)とを備えている。
【0096】
コネクタ付き基板310は、
図18に示すように、回路基板20と、この回路基板20に固定されるコネクタ30と、回路基板20に組み付けられるフレーム320とを備える。
【0097】
回路基板20は、実施形態1と同様の構成を備えている。コネクタ30は、実施形態1と同様の構成を備えており、コネクタハウジング31は、
図26に示すように、フード天壁33Bからフード部33の内部に突出するロック受部37を備えている。
【0098】
フレーム320は、
図18に示すように、フレーム本体321と、回路基板20への取り付けのための複数の基板取付部322と、アタッチメント330の組み付けのための係止受部323と、シールドケース350への固定のための複数のケース取付片324とを備えている。
【0099】
フレーム本体321は、
図18に示すように、回路基板20よりも一回り小さな長方形の枠状をなしている。このフレーム本体321は、回路基板20において実装面21とは反対側の面に沿って配置されている。
【0100】
複数の基板取付部322のそれぞれは、詳細には図示しないが、回路基板20が有する一のフレーム係止孔に進入して孔縁に係合する基板係合片と、他のフレーム係止孔に圧入される圧入突起と備えている。
【0101】
係止受部323は、
図18および
図26に示すように、フレーム本体321から延びる板片状をなし、回路基板20に平行に配される係止受片323Aと、この係止受片323Aから回路基板20と反対方向(
図26の下方)に延びる第3係止爪323Bとを備えている。
【0102】
複数のケース取付片324のそれぞれは、フレーム本体321から外側に向かって延びている。
【0103】
アタッチメント330は、
図19および
図20に示すように、コネクタ保持壁332と、防水壁334と、立設壁336と、傾き防止壁338と、第3係止部341(係止部に該当)と、2つの第4係止部344とを備えている。
【0104】
コネクタ保持壁332は、厚みのある矩形の板状の部分であって、
図19に示すように、板厚方向に貫通し、コネクタ30のフード部33を内部に挿通可能な貫通孔(コネクタ保持孔333)を有している。
【0105】
防水壁334は、
図19に示すように、コネクタ保持壁332の周縁から垂直に延びるU字状の壁であって、
図19、
図21および
図22に示すように、コネクタ保持壁332の上縁から延びる防水上壁334Aと、コネクタ保持壁332の2つの側縁のそれぞれから延びる2つの防水側壁334Bとで構成されている。2つの防水側壁334Bは、それぞれ、
図19に示すように、コネクタ保持壁332よりも下方(防水上壁334Aから離れる方向)に長く延びている。また、2つの防水側壁334Bは、防水上壁334Aから離れるほど互いに相手側の防水側壁334Bから離れるように傾いている。防水壁334は、
図19に示すように、コネクタ保持壁332と反対側に、相手コネクタ370を挿入可能な開口部(挿入口334C)を有しており、相手コネクタ370が、挿入孔334Cから防水壁334の内部に進入可能となっている。
【0106】
防水上壁334Aは、
図19および
図21に示すように、解除凹部335を有している。解除凹部335は、挿入口334Cの開口縁からコネクタ保持壁332に向かって凹む凹部であって、2つの防水側壁334B間の中央位置に配置されている。
【0107】
立設壁336は、
図19に示すように、挿入口334Cの開口縁、および解除凹部335の内縁から、防水壁334に対して垂直に、外側に向かって延びる壁である。立設壁336は、防水壁334の全長にわたって配置されている。
【0108】
傾き防止壁338は、
図19に示すように、コネクタ保持壁332から下方に向かって延びる壁であって、コネクタ保持壁332の下面において全幅にわたって配置されており、防水側壁334Bに接続されている。
【0109】
コネクタ保持壁332と防水壁334と立設壁336とが、水がシールドケース350およびコネクタ30の内部に進入することを防ぐための防水部331を構成している。コネクタ保持壁332の下方、すなわち、2つの防水側壁334Bと傾き防止壁338とで囲まれた空間は、
図19に示すように、コネクタ30または相手コネクタ370を覆う壁部が配置されない逃がし部342(非遮蔽部分に該当)となっている。この逃がし部342は、コネクタ30に相手コネクタ370を嵌合させる際に、作業者の手指を逃がすための空間である。
【0110】
防水部331は、
図21および
図22に示すように、防水壁334の外周面のうち上面(防水上面331A)および一対の側面(防水側面331B)に、嵌合溝337を有している。嵌合溝337のうち、防水上面331Aに配置された部分は上溝部337Aであり、2つの防水側面331Bのそれぞれに配置された部分は側溝部337Bである。各側溝部337Bの下端は、
図22に示すように、各防水側面331Bの下端付近に至っている。
【0111】
第3係止部341は、
図20に示すように、傾き防止壁338から、防水壁334とは反対方向に延びる角筒状の部分であって、内部に係止受部323を受け入れ可能となっている。この第3係止部341は、係止受部323に平行な第1平行壁341Aと第2平行壁341Bとを備えている。第1平行壁341Aは、延出端から傾き防止壁338に向かって延びる2本のスリットSL2を備えており、2本のスリットSL2の間の部分が、コネクタ保持壁332に接続している部分を基端として撓み可能な第3撓み片343となっている。第3撓み片343は、第3係止爪323Bを受け入れ可能な係止孔343Aを有している。
【0112】
2つの第4係止部344のそれぞれは、
図20および
図22に示すように、L字状をなしており、傾き防止壁338から垂直に延びる基壁344Aと、基壁344Aの延出端から延び、傾き防止壁338に対して平行な挟み壁344Bとを備えている。傾き防止壁338と挟み壁344Bとの間には、隙間がある。
【0113】
シールドケース350は、金属製であって、
図17に示すように、下ケース351と、下ケース351に組み付けられる上ケース361とにより構成されている。
【0114】
下ケース351は、ダイキャストにより製造され、上側に開口するトレイ状の部材であって、
図23に示すように、長方形の板状のケース底壁352と、ケース底壁352の周縁から上方に立ち上がる下周壁部353と、下周壁部353から突出する支持壁354およびフランジ部355と、フランジ部355から延びる複数の台座部356、複数の第1ボス部357および第2ボス部358とを備えている。
【0115】
下周壁部353は、
図23に示すように、ケース底壁352の一対の長辺から立ち上がる一対の下長壁部353Aと、ケース底壁352の一対の短辺から立ち上がる一対の下短壁部353B、353Cとで構成されており、内部にフレーム320を収容可能となっている。
【0116】
支持壁354は、
図26に示すように、一方の下短壁部353Bから外側に突出する横壁部354Aと、横壁部354Aの突出端から下方に延びる縦壁部354Bとを備えるとともに、
図23および
図24に示すように、下短壁部353Bのほぼ全幅にわたって延びている。支持壁354は、2か所に、ケース底壁352に向かって凸となるU字状の受け凹部354Cを備えている。
【0117】
フランジ部355は、
図23および
図24に示すように、一対の下長壁部353Aおよび他方の下短壁部353Cから外側に突出する鍔状の部分である。
【0118】
台座部356は、上ケース361をねじ止めするためのねじがねじ付けられる部分であって、
図23および
図24に示すように、各下長壁部353Aに沿って、フランジ部355の下方に3つずつが配置されている。第1ボス部357は、回路基板20をねじ止めするための円柱状の突部であって、
図23に示すように、4つが下周壁部353を囲んで配置されている。第2ボス部358は、フレーム320をねじ止めするための円柱状の突部であって、
図23に示すように、2つの下長壁部353Aのそれぞれの外側に1つずつが配置されている。台座部356、第1ボス部357、第2ボス部358は、それぞれ、ねじ穴を有している。
【0119】
上ケース361は、
図17および
図18に示すように、下ケース351の開口部を塞ぐ部材である。上ケース361の構成は、固定片64の数等の細部を除き、実施形態1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
電気接続箱300を製造する手順の一例を以下に説明する。
【0121】
まず、実施形態1と同様にして、コネクタ30が回路基板20に固定される。
【0122】
次に、回路基板20にフレーム320が組み付けられる。フレーム320が、回路基板20の実装面21とは反対側の面に沿うように配置され、基板係合片が対応するフレーム係止孔に進入して孔縁に係合する。また、圧入突起が対応するフレーム係止孔に圧入される。このようにして、回路基板20とフレーム320との組み付けが完了し、コネクタ付き基板310が得られる。
【0123】
次に、コネクタ付き基板310にアタッチメント330が組み付けられる。フード部33の先端部がコネクタ保持孔333に挿入される(
図26参照)。これとともに、第3係止部341の内部に係止受部323が挿入される(
図26参照)。第3撓み片343が第3係止爪323Bに乗り上げて外側に撓み、第3係止爪323Bが係止孔343Aに入り込むと第3撓み片343が弾性復帰して、第3係止爪323Bが係止孔343Aの孔縁に係止される。このようにして、コネクタ付き基板310へのアタッチメント330の組み付けが完了する。
【0124】
アタッチメント330は、コネクタ30ではなく、フレーム320が備える第3撓み片343に係合されているから、アタッチメントがコネクタと係合している場合と比較して、アタッチメント330を組み付けることによるコネクタ30への応力が軽減され、コネクタ30と回路基板20との接合部分が剥がれてしまうことが回避される。アタッチメント330がコネクタ付き基板310に組み付けられた状態では、解除凹部335を有する防水上壁334Aが、コネクタ30に対してロック受部37と同じ側(
図26の上側)に配置されている。
【0125】
次に、アタッチメント330組み付け後のコネクタ付き基板310に、下ケース351が組み付けられる。フレーム320が下ケース351の内部に収容され、回路基板20が4つの第1ボス部357上に載置され、各基板取付部322が対応する第2ボス部358上に載置される。この状態で、回路基板20が第1ボス部357にねじ止めにより固定され、基板取付部322が第2ボス部358にねじ止めにより固定される。このようにして、コネクタ付き基板310への下ケース351の組み付けが完了する。
【0126】
コネクタ付き基板310への下ケース351に組み付けられた状態では、傾き防止壁338と2つの防水側壁334Bのそれぞれの下端部とで構成される角部のそれぞれが、2つの受け凹部354Cの内部に収まる(
図25参照)。また、挟み壁344Bと傾き防止壁338との間には、下短壁部353Bの厚さ分の隙間があり、この隙間に、下短壁部353Bにおいて支持壁354よりも上側の部分が挿入される(
図27参照)。傾き防止壁338は、下短壁部353Bの外面に沿って配置されており、挟み壁344Bが、下短壁部353Bの内面に沿って配置されている。アタッチメント330が自重により回路基板20にして傾こうとすると、傾き防止壁338と挟み壁344Bとが下短壁部353Bに当接することにより、傾きが規制される。これにより、アタッチメント330がコネクタ30ごと傾き、コネクタ30が回路基板20から剥がれてしまうことが、確実に回避される。
【0127】
次に、上ケース361が下ケース351に組み付られける。上ケース361が、下ケース351に上方から被せ付けられる(
図25参照)。下周壁部353の上端部(フランジ部355より上の部分)と、下ケース351に保持されている回路基板20とが、上ケース361の内部に収容される。また、実施形態1と同様に、上ケース361において、切欠き部66の切り欠き縁(奥縁66A、側縁66B)の周辺部分が、嵌合溝337の内部に嵌まり込む(
図26参照)。この状態で、各固定片64が、対応する台座部356にねじ止めにより固定される。このようにして、上ケース361の下ケース351への組み付けが完了する。
【0128】
実施形態1と同様に、下ケース351と上ケース361とが固定された状態では、奥縁66A、側縁66Bと、下周壁部353の上端縁とで規定される開口部が、コネクタ口67となっており、このコネクタ口67から、防水部331(コネクタ保持壁332、防水壁334、および立設壁336)が外方に突出するとともに、フード部33が臨んでいる(
図26および
図27参照)。
【0129】
コネクタ30と嵌合される相手コネクタ370は、
図28に示すように、相手ハウジング371と、この相手ハウジング371の上面に配置されたロックアーム372(ロック部に該当)とを備えている。ロックアーム372は、相手ハウジング371の上面から上方へ立ち上がる脚部372Aと、この脚部372Aの上端から片持ち状に延出する板状のアーム本体372Bと、アーム本体372Bの延出端から延びる解除操作部372Cとを備えている。アーム本体372Bの上面には、上側に突出し、コネクタハウジング31のロック受部37と係合するロック突起372Dが配置されている。ロックアーム372は、脚部372Aを支点として、相手ハウジング371に対して接近又は離間する方向へ弾性撓みすることが可能となっている。
【0130】
コネクタ30と相手コネクタ370とが嵌合する際には、相手コネクタ370が防水壁334の内部に進入して、フード部33の内部に進入する。相手コネクタ370がフード部33内に押し込まれていくと、ロック突起372Dがロック受部37と干渉して、相手ハウジング371に近づく方向に撓む。そして、正規嵌合位置まで相手コネクタ370が押し込まれると、ロック突起372Dがロック受部37を乗り越えてロックアーム372が弾性復帰し、ロック突起372Dがロック受部37に係合する。これにより、相手コネクタ370がコネクタ30に対して抜け止め状態に保持される。
【0131】
コネクタ30と相手コネクタ370とが嵌合された状態では、防水壁334が、相手コネクタ370の上方および両側方を覆っているため、上方や側方からの水がコネクタ30と相手コネクタ370との嵌合部分から内部に入り込むことを回避できる。
【0132】
また、防水壁334から立設壁336が延びているので、防水壁334に付着した水が、挿入口334C側から防水壁334の内部に進入してコネクタ30と相手コネクタ370との嵌合部分から内部に入り込むことを回避できる。
【0133】
相手コネクタ370がコネクタ30から離脱される際には、解除操作部372Cが相手ハウジング371に近づく方向に押し操作される。ここで、
図28に示すように、コネクタ30と相手コネクタ370とが嵌合された状態では、ロックアーム372が、相手ハウジング371において防水上壁334Aと対向する面に配置されており、解除操作部372Cの先端部が、解除凹部335から外部に露出されている。このように、解除操作部372Cの先端部が防水壁334によって覆われていないので、作業者が解除凹部335の内部に手指を入れ、解除操作部372Cの押し操作を容易に行うことができる。押し操作により、ロックアーム372が弾性撓みされ、ロック突起372Dのロック受部37に対する係合が解除される。この状態で、相手コネクタ370がコネクタ30からの離脱方向(
図28の右方向)に引っ張られることにより、相手コネクタ370がコネクタ30から離脱される。
【0134】
また、アタッチメント330において、相手コネクタ370の下方の空間は、防水壁334が配置されない逃がし部342となっている。この逃がし部342が、相手コネクタ370のコネクタ30に対する嵌合および離脱操作の際の手指の逃がしとなるため、嵌合および離脱操作を容易に行うことができる。
【0135】
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、別体に形成されたアタッチメント330をコネクタ付き基板310に取り付けているので、防水構造を有する専用のコネクタを開発する必要がなく、安価かつ簡易に防水することができる。
【0136】
加えて、アタッチメント330が、傾き防止壁338に対して隙間を空けて配置される挟み壁344Bを備えており、下短壁部353Bが、この隙間に配置されている。
【0137】
このような構成によれば、傾き防止壁338と挟み壁344Bとによってアタッチメント330の傾きが規制されるから、アタッチメント330がコネクタ30ごと傾き、コネクタ30が回路基板20から剥がれてしまうことが、確実に回避される。
【0138】
また、防水壁334が、相手コネクタ370が挿入される挿入口334Cを有しており、アタッチメント330が、挿入口334Cの開口縁から外側に向かって立ち上がる立設壁336を備えている。このような構成によれば、防水壁334に付着した水が、防水壁334の内部に進入して、コネクタ30と相手コネクタ370との嵌合部分から内部に入り込むことを回避できる。
【0139】
また、コネクタ付き基板310が、回路基板20に組み付けられるフレーム320を備えており、アタッチメント330が第3係止部341を備えており、フレーム320が、第3係止部341に係合する係止受部323を備えている。
【0140】
このような構成によれば、アタッチメント330がフレーム320に係合しているので、アタッチメントがコネクタと係合している場合と比較して、アタッチメント330が組み付けられることによるコネクタ30への応力が軽減され、コネクタ30と回路基板20との接合部分が剥がれてしまうことが回避される。
【0141】
また、コネクタ30が、相手コネクタ370に備えられるロックアーム372に係合可能なロック受部37を備えており、防水壁334が、コネクタ30に対してロック受部37と同じ側に、コネクタ30が相手コネクタ370に嵌合した状態でロックアーム372の少なくとも一部を外部に露出させる解除凹部335を備えている。
【0142】
このような構成によれば、コネクタ30から相手コネクタ370を離脱させる際には、作業者が解除凹部335の内部に手指を入れ、ロックアーム372のロック受部37に対する係合を解除する操作を容易に行うことができる。
【0143】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)「前記防水部材が、前記コネクタにおいて前記相手コネクタを向く嵌合面の周囲を覆う防水部を備えており」とは、実施形態1および2のように、嵌合面33DFが、防水部41、331におけるコネクタ保持孔43、333の内部に位置している(嵌合面33DFの周囲がコネクタ保持壁42、332によって覆われている)場合を含むとともに、コネクタの一部が防水壁の内部に臨んでおり、嵌合面の周囲が防水壁によって覆われている場合を含む。後者の場合には、防水壁は、コネクタのうち防水壁の内部に配置されている部分と、相手コネクタとを覆う。
【0144】
(2)実施形態2では、立設壁336が防水壁334の全長にわたって配置されていたが、立設壁は、防水壁の少なくとも一部に配置されていれば、一定の効果が奏される。
【0145】
(3)実施形態2では、係止部が係止孔343Aを有する第3撓み片343であり、係止受部323が係止受片323Aと第3係止爪323Bとを備えていたが、防水部材とフレームとの係合構造は特に限定されず、例えば、係止部が係止爪を備え、係止受部が係止爪を受け入れる係止孔を備えていてもよく、係止部と係止受部とが互いに係合しあう係止爪を備えていても構わない。
【符号の説明】
【0146】
1、100、200、300:電気接続箱
10、110、310:コネクタ付き基板
20:回路基板
21:実装面
30:コネクタ
31:コネクタハウジング
32:端子保持壁
33:フード部
33A:フード底壁
33B:フード天壁
33C:フード側壁
33D:嵌合口
33DF:嵌合面
34:装着凹部
34A:奥面
34B:側面
35:固定金具
35A:本体部
35B:取付片
36:端子金具
36A:タブ部
36B:基板接続部
37:ロック受部
40、330:アタッチメント(防水部材)
41、331:防水部
41A、331A:防水上面(外面、上面)
41B、331B:防水側面(外面、側面)
42、332:コネクタ保持壁
43、333:コネクタ保持孔
44、334:防水壁
44A、334A:防水上壁
44B、334B:防水下壁
44C:防水側壁
44D、334C:挿入口
45:逃がし凹部(非遮蔽部分)
46、337:嵌合溝
46A、337A:上溝部
46B、337B:側溝部
46S:溝側面
46U:溝底面
47、338:傾き防止壁
48:第1係止部
48A:第1撓み片
48B:第1係止爪
49:第2係止部
49A:第2撓み片
49B:第2係止爪
50、130、350:シールドケース(ケース)
51、131、211、351:下ケース
52、132、212、352:ケース底壁
53、133、213、353:下周壁部
53A、213A、353A:下長壁部
53B、53C、213B、213C、353B、353C:下短壁部(ケース側壁)
54:基板保持部
54A:段差面
55:ねじ受け部
56、355:フランジ部
57、356:台座部
58:ねじ穴
61、221、361:上ケース
62、222:ケース天壁
63、223:上周壁部
63A、223A:上長壁部
63B、63C、223B、223C:上短壁部(ケース側壁)
64、224:固定片
65:ねじ挿通孔
66:切欠き部
66A:奥縁
66B:側縁
67:コネクタ口(開口部)
120:スペーサ
121:枠部
121A:長枠部
121B、121C:短枠部
122:ねじ穴
123:基板保持部
210:ケーシング(ケース)
214:係止突部
225:係止孔
320:フレーム
321:フレーム本体
322:基板取付部
323:係止受部
323A:係止受片
323B:第3係止爪
324:ケース取付片
335:解除凹部
336:立設壁
341:第3係止部(係止部)
341A:第1平行壁
341B:第2平行壁
342:逃がし部
343:第3撓み片
343A:係止孔
344:第4係止部
344A:基壁
344B:挟み壁
354:支持壁
354A:横壁部
354B:縦壁部
354C:受け凹部
357:第1ボス部
358:第2ボス部
370:相手コネクタ
371:相手ハウジング
372:ロックアーム(ロック部)
372A:脚部
372B:アーム本体
372C:解除操作部
372D:ロック突起
C:相手コネクタ
SL1:スリット
SL2:スリット
Sc:ねじ