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特許7070687ステアリングホイールの電動位置調節装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ステアリングホイールの電動位置調節装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/184 20060101AFI20220511BHJP
   B62D 1/181 20060101ALI20220511BHJP
   B62D 1/185 20060101ALI20220511BHJP
   B62D 1/187 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B62D1/184
B62D1/181
B62D1/185
B62D1/187
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020535849
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 JP2019031207
(87)【国際公開番号】W WO2020032130
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2018151497
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒川 祥史
(72)【発明者】
【氏名】田口 雄一郎
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2009-0124780(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0266195(US,A1)
【文献】特開平11-129914(JP,A)
【文献】特開2000-344112(JP,A)
【文献】特開2002-160645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/184
B62D 1/181
B62D 1/185
B62D 1/187
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径側に、ステアリングシャフトが回転可能に支持されるコラム装置と、
テレスコピック用電動モータを駆動源として、前記ステアリングシャフトの後端部に支持されるステアリングホイールの前後位置を調節するための、テレスコピック用調節機構と、
チルト用電動モータを駆動源として、前記ステアリングホイールの上下位置を調節するための、チルト用調節機構と、
前記コラム装置を構成するテレスコピック用第1部材に、幅方向に配置されたテレスコピックロック用揺動軸を中心とする揺動を可能に支持されたテレスコピックロック用揺動部材と、該テレスコピックロック用揺動部材に配置されたテレスコピックロック用第1係合部と、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前記テレスコピック用第1部材に対し相対変位するテレスコピック用第2部材に配置されたテレスコピックロック用第2係合部と、前記テレスコピックロック用揺動部材を、前記テレスコピックロック用揺動軸を中心に揺動変位させるためのテレスコピックロック用変位手段とを含み、前記ステアリングホイールの前後位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの前後位置を調節可能とする、テレスコピック用ロック機構と、
前記コラム装置を構成するチルト用第1部材に、幅方向に配置されたチルトロック用揺動軸を中心とする揺動を可能に支持されたチルトロック用揺動部材と、該チルトロック用揺動部材に配置されたチルトロック用第1係合部と、前記ステアリングホイールの上下位置を調節する際に、前記チルト用第1部材に対し相対変位するチルト用第2部材に配置されたチルトロック用第2係合部と、前記チルトロック用揺動部材を、前記チルトロック用揺動軸を中心に揺動変位させるためのチルトロック用変位手段とを含み、前記ステアリングホイールの上下位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能とする、チルト用ロック機構と、
1個のロック用モータと、
を備え、
前記1個のロック用モータにより、前記テレスコピックロック用変位手段および前記チルトロック用変位手段を同時に変位させて、
前記テレスコピックロック用変位手段および前記チルトロック用変位手段により前記テレスコピックロック用揺動部材および前記チルトロック用揺動部材を所定方向に揺動変位させて、前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部とを係合させ、かつ、前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部とを係合させて、前記ステアリングホイールの前後位置および上下位置を調節後の位置に保持するロックモードとし、あるいは、
前記テレスコピックロック用変位手段および前記チルトロック用変位手段により前記テレスコピックロック用揺動部材および前記チルトロック用揺動部材を前記所定方向と逆方向に揺動変位させて、前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合を解除し、かつ、前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合を解除して、前記ステアリングホイールの前後位置および上下位置を調節可能なアンロックモードとする、
ステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項2】
前記テレスコピックロック用第1係合部および前記チルトロック用第1係合部のそれぞれが、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部により構成され、かつ、前記テレスコピックロック用第2係合部および前記チルトロック用第2係合部のそれぞれが、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部により構成されている、請求項1に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項3】
前記テレスコピックロック用揺動部材および前記チルトロック用揺動部材のそれぞれが、前記テレスコピックロック用第1係合部および前記チルトロック用第1係合部が存在する面と反対側の面に、被押圧面を有しており、
前記テレスコピックロック用変位手段および前記チルトロック用変位手段のそれぞれが、前記被押圧面を押圧する押圧面を有し、かつ、軸方向に関する変位を可能に配置されたくさび部を備える、請求項1または2に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項4】
前記テレスコピック用ロック機構および前記チルトロック機構は、前記1個のロック用モータの出力軸の回転を、前記テレスコピック用ロック機構の前記くさび部および前記チルト用ロック機構の前記くさび部の直線運動に変換するロック用変換機構を備える、請求項3に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項5】
前記コラム装置の軸方向に関して、前記テレスコピック用ロック機構の前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合部の位置と、前記チルト用ロック機構の前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合部の位置とが、ほぼ同じである、請求項4に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項6】
上下方向に関して、前記テレスコピック用ロック機構の前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合部の位置と、前記チルト用ロック機構の前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合部の位置とが、ほぼ同じであり、かつ、
前記テレスコピック用ロック機構の前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合部と、前記チルト用ロック機構の前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合部とが、幅方向に並んで配置されている、請求項5に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項7】
前記テレスコピック用ロック機構の前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合部が、上下方向に関して前記コラム装置のほぼ中央位置に位置している、請求項1~6のいずれかに記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項8】
前記チルト用ロック機構の前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合部が、上下方向に関して前記コラム装置のほぼ中央位置に位置している、請求項1~6のいずれかに記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項9】
前記コラム装置が、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前後方向に変位しないコラムホルダと、該コラムホルダに対し軸方向の相対変位を可能に嵌合されたステアリングコラムとを備え、
前記テレスコピック用調節機構が、該テレスコピック用調節機構の前記テレスコピック用電動モータの出力軸の回転を、前記ステアリングコラムの直線運動に変換するテレスコピック用変換機構を備え、
前記テレスコピック用第1部材は、前記コラムホルダにより構成され、かつ、前記テレスコピック用第2部材は、前記ステアリングコラムにより構成される、請求項1~8のいずれかに記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項10】
前記コラムホルダは、内周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長する外径側ボール案内溝を有し、かつ、前記ステアリングコラムは、外周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長する内径側ボール案内溝を有し、
前記コラム装置は、前記外径側ボール案内溝と前記内径側ボール案内溝の間に配置された、複数個のボールを備える、請求項9に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項11】
前記チルト用調節機構が、車体に対し支持固定された車体側ブラケットと、前記チルト用電動モータの出力軸の回転を、直動部材の直線運動に変換するチルト用変換機構と、該車体側ブラケットに枢支された第1枢軸、前記コラム装置に枢支された第2枢軸、および、前記直動部材に枢支された第3枢軸を有する揺動ブラケットとを備え、
前記コラム装置は、前側の端部に、幅方向に突出した第4枢軸を有し、かつ、該第4枢軸は、前記車体側ブラケットに対し、軸方向変位および揺動を可能に係合されており、
前記チルト用第1部材は、前記コラム装置により構成され、かつ、前記チルト用第2部材は、前記揺動ブラケットにより構成される、請求項1~10のいずれかに記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【請求項12】
前記テレスコピック用ロック機構の前記テレスコピックロック用第1係合部と前記テレスコピックロック用第2係合部との係合部、および、前記チルト用ロック機構の前記チルトロック用第1係合部と前記チルトロック用第2係合部との係合部が、前記コラム装置の軸方向に関して、前記第4枢軸と前記ステアリングコラムの後側の端部との間に位置している、請求項9または10を引用する請求項11に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを駆動源として、ステアリングホイールの位置を調節する、ステアリングホイールの電動位置調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、特開平6-286620号公報に記載された、ステアリングホイール1の前後位置を調節するためのテレスコピック機構を備え、ステアリングコラム2と、ステアリングシャフト3と、電動アクチュエータ4とを含む、ステアリングホイールの電動位置調節装置を示している。
【0003】
ステアリングコラム2は、前側に配置され、車体に対する軸方向の変位を阻止されているアウタコラム5と、後側に配置され、前側部分を、アウタコラム5の後側部分の内径側に摺動可能に挿入しているインナコラム6とを備え、全長を伸縮可能に構成されている。
【0004】
ステアリングシャフト3は、前側に配置されたロアシャフト7と、後側には位置され、スプライン係合などにより、ロアシャフト7に対して、トルクの伝達を可能に、かつ、摺動可能に係合するアッパシャフト8とを備え、全長を伸縮可能に構成されている。ロアシャフト7は、アウタコラム5の内径側に図示しない軸受により回転自在に支持されている。アッパシャフト8は、インナコラム6の内径側に図示しない軸受により回転自在に支持されている。このような構成により、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム2の内径側に回転自在に支持され、かつ、インナコラム6およびアッパシャフト8が、アウタコラム5およびロアシャフト7に対して軸方向に相対変位可能となっている。ステアリングホイール1は、アッパシャフト8の後端部に支持固定されている。
【0005】
電動アクチュエータ4は、電動モータ9と、滑りねじ式の送りねじ機構10とを備える。電動モータ9は、アウタコラム5に対し支持固定されている。送りねじ機構10は、送りナット11と送りねじ軸12とを備える。送りナット11は、内周面に、雌ねじ部13を有し、かつ、支持部14を介して、インナコラム6の軸方向中間部外周面に支持固定されている。送りねじ軸12は、後側部分の外周面に、雌ねじ部13と螺合する雄ねじ部15を有する。
【0006】
ステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、電動モータ9により、歯車伝達機構16を介して、送りねじ軸12を回転駆動して、送りナット11を軸方向に変位させる。送りナット11の軸方向変位に伴い、送りナット11に支持部14を介して接続されたインナコラム6、および、インナコラム6の内径側に支持されたアッパシャフト8が、送りナット11と同じ方向に変位して、ステアリングホイール1を前後方向に移動させる。ステアリングホイール1を所望の位置に移動させた後、電動モータ9への通電を停止して、ステアリングホイール1は調節後の位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平6-286620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開平6-286620号公報に記載のステアリングホイールの電動位置調節装置では、送りねじ機構10は、インナコラム6から送りナット11に軸方向の力が加わった場合でも、送りねじ軸12が回転しない、セルフロック機能を有する。これにより、電動モータ9への通電を停止しても、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持することができる。しかしながら、送りねじ機構10に、セルフロック機能を持たせると、逆効率だけでなく、正効率も低くなってしまう。このため、ステアリングホイール1の前後位置の調節速度を向上させる面からは不利になる。また、電動モータ9には大きな出力が必要とされるため、ステアリングホイールの電動位置調節装置の小型化および軽量化を図る面からは不利である。
【0009】
本発明は、上述のような事情に鑑みて、調節速度を速くして、調節量が大きい、すなわち、ストロークが長い場合であっても、適度な時間でステアリングホイールの位置の調節することを可能とし、かつ、装置全体の小型化および軽量化を図ることができる、ステアリングホイールの電動位置調節装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のステアリングホイールの電動位置調節装置は、コラム装置と、位置調節機構と、ロック機構とを備える。
前記コラム装置は、内径側に、ステアリングシャフトが回転可能に支持される。
前記位置調節機構は、電動モータ(テレスコピック用電動モータまたはチルト用電動モータ)を駆動源として、前記ステアリングシャフトの後端部に支持されるステアリングホイールの前後位置と上下位置との少なくとも一方の位置を調節することができる。
前記少なくとも1個のロック機構は、揺動部材と、第1係合部と、第2係合部と、変位手段とを含む。
前記揺動部材は、前記コラム装置を構成する第1部材に、幅方向に配置された揺動軸を中心とする揺動を可能に支持されている。
前記第1係合部は、前記揺動部材に配置されている。
前記第2係合部は、前記ステアリングホイールの前後位置と上下位置とのうちの少なくとも一方の位置を調節する際に、前記第1部材に対し相対変位する第2部材に配置されている。
前記変位手段は、前記揺動部材を、前記揺動軸を中心に揺動変位させることができる。
前記ロック機構は、
前記変位手段により前記揺動部材を所定方向に揺動変位させて、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させて、前記ステアリングホイールを調節後の位置に保持可能なロックモードとし、および、
前記変位手段により前記揺動部材を前記所定方向と逆方向に揺動変位させて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除して、前記ステアリングホイールの前後位置と上下位置とのうちの少なくとも一方の位置を調節可能なアンロックモードとする。
【0011】
前記第1係合部を、凹部と凸部とを交互に配置してなる凹凸部(歯部)により構成し、かつ、前記第2係合部を、凹部と凸部とを交互に配置してなる凹凸部(歯部)により構成することができる。
【0012】
前記揺動部材を、前記第1係合部が存在する面と反対側の面に、被押圧面を有するものとし、前記変位手段を、前記被押圧面を押圧する押圧面を有し、かつ、軸方向に関する変位を可能に配置されたくさび部を備えるものとすることができる。
【0013】
前記位置調節機構を、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する、テレスコピック用調節機構により構成し、
前記ロック機構を、前記ステアリングホイールの前後位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの前後位置を調節可能とする、テレスコピック用ロック機構により構成することができる。
【0014】
前記位置調節機構を、前記ステアリングホイールの上下位置を調節する、チルト用調節機構により構成し、
前記ロック機構を、前記ステアリングホイールの上下位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能とする、チルト用ロック機構により構成することができる。
【0015】
前記位置調節機構は、
前記ステアリングホイールの前後位置を調節する、テレスコピック用調節機構と、
前記ステアリングホイールの上下位置を調節する、チルト用調節機構と、
により構成し、
前記ロック機構は、
前記ステアリングホイールの前後位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの前後位置を調節可能とする、テレスコピック用ロック機構と、
前記ステアリングホイールの上下位置を調節後の位置に保持する、あるいは、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能とする、チルト用ロック機構と、
により構成することができる。
【0016】
前記テレスコピック用ロック機構は、テレスコピックロック用モータと、該テレスコピックロック用モータの出力軸の回転を、前記テレスコピック用ロック機構の前記くさび部の直線運動に変換するテレスコピックロック用変換機構とを備えることができる。
【0017】
前記チルト用ロック機構は、チルトロック用モータと、該チルトロック用モータの出力軸の回転を、前記チルト用ロック機構の前記くさび部の直線運動に変換するチルトロック用変換機構とを備えることができる。
【0018】
前記ロック機構は、ロック用モータと、該ロック用モータの出力軸の回転を、前記テレスコピック用ロック機構の前記くさび部および前記チルト用ロック機構の前記くさび部の直線運動に変換するロック用変換機構とを備えることができる。
【0019】
前記コラム装置の軸方向に関して、前記テレスコピック用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部の位置と、前記チルト用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部の位置とを、ほぼ同じにすることができる。
【0020】
上下方向に関して、前記テレスコピック用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部の位置と、前記チルト用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部の位置とを、ほぼ同じにし、かつ、
前記テレスコピック用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部と、前記チルト用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部とを、幅方向に並んで配置することができる。
【0021】
前記テレスコピック用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部を、上下方向に関して前記コラム装置のほぼ中央位置に位置させることができる、および/または、前記チルト用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部を、上下方向に関して前記コラム装置のほぼ中央位置に位置させることができる。
【0022】
前記コラム装置を、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前後方向に変位しないコラムホルダと、該コラムホルダに対し軸方向の相対変位を可能に嵌合されたステアリングコラムとを備えるものとし、前記テレスコピック用調節機構を、該テレスコピック用調節機構の前記テレスコピック用電動モータの出力軸の回転を、前記ステアリングコラムの直線運動に変換する変換機構を備えるものとすることができる。この場合、前記テレスコピック用調節機構の前記第1部材は、前記コラムホルダにより構成され、かつ、前記テレスコピック用調節機構の前記第2部材は、前記ステアリングコラムにより構成される。
【0023】
前記コラムホルダは、内周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長する外径側ボール案内溝を有し、かつ、前記ステアリングコラムは、外周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長する内径側ボール案内溝を有し、および、前記コラム装置は、前記外径側ボール案内溝と前記内径側ボール案内溝の間に配置された、複数個のボールを備えることができる。
【0024】
前記チルト用調節機構を、車体に対し支持固定された車体側ブラケットと、前記チルト用電動モータの出力軸の回転を、直動部材の直線運動に変換するチルト用変換機構と、該車体側ブラケットに枢支された第1枢軸、前記コラム装置に枢支された第2枢軸、および、前記直動部材に枢支された第3枢軸を有する揺動ブラケットとにより構成し、
前記コラム装置を、前側の端部に、幅方向に突出した第4枢軸を有するものとし、かつ、該第4枢軸を、前記車体側ブラケットに対し、軸方向変位および揺動を可能に係合することができる。この場合、前記チルト用調節機構の前記第1部材は、前記コラム装置により構成され、かつ、前記チルト用調節機構の前記第2部材は、前記揺動ブラケットにより構成される。
【0025】
前記テレスコピック用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部、および、前記チルト用ロック機構の前記第1係合部と前記第2係合部との係合部を、前記コラム装置の軸方向に関して、前記第4枢軸と前記ステアリングコラムの後側の端部との間に位置させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のステアリングホイールの電動位置調節装置によれば、ステアリングホイールの位置を調節後の位置に保持した状態において、前記ステアリングホイールががたつくことを抑制することができ、かつ、前記ステアリングホイールの調節速度を速くすることができ、さらに、装置全体の小型化および軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施の形態の1例に係るステアリングホイールの電動位置調節装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した装置を後方から見た端面図である。
図3図3は、図1に示した装置を、ステアリングシャフトを省略して示す、図2と同様の図である。
図4図4は、ステアリングホイールの上下位置を上端位置とした状態にある、図1に示した装置の左側面図である。
図5図5は、ステアリングホイールの上下位置を中央位置とした状態にある、図1に示した装置の左側面図である。
図6図6は、ステアリングホイールの上下位置を下端位置とした状態にある、図1に示した装置の左側面図である。
図7図7は、ステアリングホイールの上下位置を下端位置とし、かつ、チルト用ロック機構を解除した状態にある、図1に示した装置の右側面図である。
図8図8は、ステアリングホイールの上下位置を上端位置とし、かつ、チルト用ロック機構をロックした状態にある、図1に示した装置の右側面図である。
図9図9は、ステアリングホイールの上下位置を中央位置とし、かつ、チルト用ロック機構をロックした状態にある、図1に示した装置の右側面図である。
図10図10は、図5のX-X断面図である。
図11図11は、ステアリングホイールの前後位置を前端位置とした状態における、図2のY-Y断面図である。
図12図12は、ステアリングホイールの前後位置を中央位置とした状態における、図2のY-Y断面図である。
図13図13は、ステアリングホイールの前後位置を後端位置とした状態における、図2のY-Y断面図である。
図14図14は、図1に示した装置から取り出した、ステアリングコラムおよびテレスコピック用ロック機構の斜視図である。
図15図15は、図1に示した装置から取り出した、テレスコピック用ロック機構をロックした状態にある、ステアリングコラムおよびテレスコピック用ロック機構の右側面図である。
図16図16は、図1に示した装置から取り出した、テレスコピック用ロック機構を解除した状態にある、ステアリングコラムおよびテレスコピック用ロック機構の右側面図である。
図17図17は、図1に示した装置のステアリングコラムの一部拡大斜視図である。
図18図18は、ステアリングホイールの電動位置調節装置の従来構造の1例を示す部分切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1図17は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例のステアリングホイールの電動位置調節装置は、ステアリングホイール1(図18参照)の前後位置を調節するためのテレスコピック機構、および、ステアリングホイール1の上下位置を調節するためのチルト機構を備える。本例のステアリングホイールの電動位置調節装置は、コラム装置17と、テレスコピック用電動アクチュエータ18と、チルト用電動アクチュエータ19とを備える。なお、以下の説明において、軸方向および周方向とは、特に断らない限り、コラム装置17の軸方向および周方向をいい、かつ、前後方向、上下方向、および幅方向とは、特に断らない限り、車体の前後方向、上下方向、および幅方向をいう。
【0029】
コラム装置17は、略矩形筒状のコラムホルダ20と、略円筒状のステアリングコラム21とを備える。コラムホルダ20とステアリングコラム21は、複数個のボール22により、軸方向の相対変位を可能に組み合わされている。
【0030】
コラムホルダ20は、車体の幅方向に離隔して配置された1対の側板部23a、23bと、1対の側板部23a、23bの上端部同士を接続する上板部24と、1対の側板部23a、23bの下端部同士を接続する下板部25とを備える。コラムホルダ20は、上板部24の幅方向両端部のうちの後側部分から上方に突出し、かつ、幅方向に関して互いに平行に配置された1対のホルダ支持板部26を備える。
【0031】
ステアリングコラム21は、外周面の下端部のうち、前側部分から後側部分にかけての範囲に、ラック状の変位側歯部27を有する。変位側歯部27は、略三角形状の断面形状を有し、かつ、幅方向に対し傾斜する方向に形成された複数本の凹溝から構成されている。換言すれば、変位側歯部27は、円筒状の内周面に、らせん状に形成された雌ねじ部の周方向に関する一部分を取り出したような構造を有する。本例では、ステアリングコラム21の下端部に、軸方向に伸長する長尺板状で、かつ、合成樹脂製のプレート28が支持固定され、プレート28の下面に、変位側歯部27が備えられている。
【0032】
ステアリングコラム21は、外周面のうちの周方向複数箇所に、軸方向に伸長する内径側ボール案内溝29を有する。本例では、ステアリングコラム21は、外周面のうち、上端部および下端部のそれぞれから周方向片側(図2および図3の時計方向)に45度ずれた2箇所位置に、軸方向に伸長する内径側ボール案内溝29を有する。ただし、ステアリングコラム21の外周面のうち、周方向3箇所以上の位置に、内径側ボール案内溝29を備えることもできる。この場合も、内径側ボール案内溝29は、ステアリングコラム21の外周面に、周方向等間隔に配置されることが好ましい。
【0033】
ボール22は、コラムホルダ20の内面と、ステアリングコラム21の外周面との間の周方向複数箇所、図示の例では、周方向に関して内径側ボール案内溝29と同位相となる2箇所に、複数個ずつ配置される。コラムホルダ20の内面のうち、幅方向片側(図2および図3の右側)の側板部23aの内側面と上板部24の下面との接続部であって、外径側ボール案内溝を構成する角部30a、および、幅方向他側(図2および図3の左側)の側板部23bの内側面と下板部25の上面との接続部であって、外径側ボール案内溝を構成する角部30bのそれぞれに、断面略L字形の金属板からなるばね保持具31が配置される。ばね保持具31の内径側に、板ばね32aが保持される。また、ステアリングコラム21の内径側ボール案内溝29の内側に、板ばね32bが保持される。コラムホルダ20の後側部分に、ステアリングコラム21の前側部分を挿入した状態で、ばね保持具31により保持された板ばね32aと内径側ボール案内溝29により保持された板ばね32bとの間部分に、保持器33により複数個ずつ保持されたボール22が挟持される。コラムホルダ20の後側部分と、ステアリングコラム21の前側部分とが、複数個のボール22を介して、軸方向に関する円滑な相対変位を可能に組み合わされることにより、コラム装置17は構成される。
【0034】
コラム装置17は、内側に、ステアリングシャフト3(図18参照)を回転自在に支持する。本例では、ステアリングシャフト3は、後側に配置されたアウタチューブ34と、前側に配置され、スプライン係合などにより、アウタチューブ34に対して、トルクの伝達を可能に、かつ、摺動可能に係合するインナシャフト(図示省略)とを備え、全長を伸縮可能に構成されている。アウタチューブ34の前端部および中間部は、ステアリングコラム21の内径側に、ラジアル軸受35a、35bを介して、回転自在に支持される。ステアリングホイール1は、アウタチューブ34の後端部に支持固定される。
【0035】
コラムホルダ20は、車体に対して、車体側ブラケット36および揺動ブラケット37を介して、上下方向の揺動を可能に支持される。
【0036】
車体側ブラケット36は、幅方向に離隔して対向配置された1対の支持板部38と、1対の支持板部38の上端部同士を接続する接続板部39とを備える。1対の支持板部38のそれぞれは、前側板部40と、前側板部40の後端部の上側部分から後方に延出した延出板部41とを備える。前側板部40は、下側部分に、前後方向に伸長する矩形の開口形状を有する長孔42を備える。
【0037】
車体側ブラケット36は、前側板部40のそれぞれの上端部から幅方向外側に折れ曲がった1対の前側取付板部43と、延出板部41のそれぞれの後側部分の上端部から幅方向外側に折れ曲がった1対の後側取付板部44とを備える。車体側ブラケット36は、前側取付板部43および後側取付板部44のそれぞれに設けられた通孔45a、45bを下方から挿通した取付ボルト46により、車体に対し支持固定される。
【0038】
本例では、車体側ブラケット36に対して、コラムホルダ20の前側部分が、軸方向に関する若干の変位、および、幅方向に配置された、第4枢軸に相当する枢軸47を中心とする揺動を可能に支持される。具体的には、1対の係合駒48が、車体側ブラケット36の長孔42に、長孔42に沿った前後方向の変位のみを可能に係合され、かつ、係合駒48の幅方向内側面同士の間に、コラムホルダ20の前側部分が配置される。1対のボルト49が、コラムホルダ20の側板部23a、23bの前側部分に設けられた円孔と、係合駒48の中心部に設けられた円孔とに幅方向内側から挿通され、かつ、ボルト49のうち、係合駒48の幅方向外側面から突出した先端部に、ナット50が螺合される。係合駒48の幅方向内側面と側板部23a、23bの幅方向外側面との間部分、および、係合駒48の幅方向外側面とナット50の幅方向内側面との間部分に、スラスト軸受51が配置される。この構成により、1対のボルト49の中心軸により構成される枢軸47を中心とするコラムホルダ20の揺動が可能となっている。
【0039】
揺動ブラケット37は、幅方向に離隔して対向配置された1対の揺動板部52a、52bを備える。1対の揺動板部52a、52bのそれぞれは、下側部を上側部よりも幅方向に関して外側にオフセットさせた、クランク形状を有する。幅方向片側に配置された揺動板部52aの側面は、幅方向から見て略平行四辺形または略台形の形状を有する。幅方向他側に配置された揺動板部52bの側面は、幅方向から見て略二等辺三角形の形状を有する。
【0040】
1対の揺動板部52a、52bの上側の前端部は、車体側ブラケット36の1対の支持板部38の後端部に、揺動支持ボルト53により、互いに同期した揺動を可能に支持される。具体的には、揺動板部52a、52bは、支持板部38の幅方向内側に配置され、かつ、支持板部38の延出板部41の後端部に設けられた円孔54aと、揺動板部52a、52bの上側の前端部に設けられた円孔54bとに、揺動支持ボルト53が幅方向に挿通される。揺動支持ボルト53のうちの、幅方向片側の支持板部38の幅方向外側面から突出した先端部に、ナット55が螺合される。支持板部38の幅方向内側面と揺動板部52a、52bの幅方向外側面との間部分、並びに、支持板部38の幅方向外側面と揺動支持ボルト53の頭部56およびナット55の幅方向内側面との間部分に、スラスト軸受57がそれぞれ配置される。この構成により、揺動支持ボルト53を中心に、揺動ブラケット37の揺動板部52a、52bが、車体側ブラケット36の支持板部38に対して、同期して揺動することが可能となっている。本例では、揺動支持ボルト53が、第1枢軸に相当する。
【0041】
1対の揺動板部52a、52bの上側の後端部は、コラムホルダ20の後端部に対して揺動可能に支持される。具体的には、揺動板部52a、52bは、ホルダ支持板部26の幅方向外側に配置され、かつ、ホルダ支持板部26に設けられた円孔と、揺動板部52a、52bの上側の後端部に設けられた円孔とに、ボルト58が幅方向に挿通される。ボルト58のうち、揺動板部52a、52bの幅方向外側面から突出した先端部には、ナット59が螺合される。さらに、揺動板部52a、52bの幅方向内側面とホルダ支持板部26の幅方向外側面との間部分、および、揺動板部52a、52bの幅方向外側面とナット59の幅方向内側面との間部分に、スラスト軸受60がそれぞれ配置される。この構成により、揺動ブラケット37の揺動板部52a、52bが、コラムホルダ20のホルダ支持板部26に対して、ボルト58により、枢支可能、すなわち、揺動可能に連結される。本例では、ボルト58が、第2枢軸に相当する。
【0042】
テレスコピック用電動アクチュエータ18は、ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に、コラムホルダ20に対しステアリングコラム21を軸方向に変位させるためのもので、テレスコピック用モータ61と、ウォーム歯車62とを備える。テレスコピック用モータ61は、コラムホルダ20に対して、コラムホルダ20の下板部25の下面に、出力軸64がコラムホルダ20の中心軸と平行に配置されるように、支持固定される。ウォーム歯車62は、歯車伝達機構を介して、テレスコピック用モータ61の出力軸64により回転駆動可能に、かつ、ステアリングコラム21の変位側歯部27と噛合するように、配置される。
【0043】
本例では、変位側歯部27の凹溝が幅方向に対して傾斜した方向に伸長するため、テレスコピック用モータ61に通電し、出力軸64を回転駆動して、ウォーム歯車62を回転駆動すると、ウォーム歯車62の回転は、ウォーム歯車62と変位側歯部27との噛合に基づいて、ステアリングコラム21の直線運動に変換される。ステアリングコラム21が、コラムホルダ20に対して前後方向に移動することで、ステアリングホイール1の前後位置を調節することが可能となる。本例では、ウォーム歯車62と変位側歯部27との噛合部により、テレスコピック用の変換機構が構成される。
【0044】
チルト用電動アクチュエータ19は、アクチュエータホルダ65と、チルト用モータ66と、チルト用送りねじ機構67とを備える。
【0045】
アクチュエータホルダ65は、コラムホルダ20の幅方向他側の側板部23bの幅方向外側面に対して、幅方向に配置されたボルト68により、揺動可能に支持される。
【0046】
チルト用モータ66は、出力軸69と、出力軸69に支持固定された駆動側歯車70とを備える。チルト用モータ66は、アクチュエータホルダ65の前側部分に対して支持固定される。
【0047】
チルト用送りねじ機構67は、チルト用の変換機構を構成し、ねじ軸71と、ねじナット72とを備える。
【0048】
ねじ軸71は、チルト用モータ66よりも下方に、チルト用モータ66の出力軸69と平行になるように配置され、かつ、アクチュエータホルダ65の後側部分に回転のみ自在に支持される。ねじ軸71は、後側部分の外周面に、らせん状のねじ溝からなる雄ねじ部73を有し、かつ、前側部分に、駆動側歯車70と噛合する従動側歯車74を有する。
【0049】
ねじナット72は、ねじ軸71の雄ねじ部73の周囲に配置され、かつ、内周面に、雄ねじ部73と螺合する雌ねじ部を有する。また、ねじナット72は、幅方向外側面の中央部に、ねじ軸71の軸方向に対し直交する方向に突出した枢支軸部75をさらに有する。揺動ブラケット37の幅方向他側の揺動板部52bの下端部は、枢支軸部75を中心とする揺動を可能に支持される。具体的には、揺動板部52bの下端部に設けられた円孔76に、枢支軸部75が、合成樹脂製のブッシュ77を介して挿通され、かつ、枢支軸部75のうち、揺動板部52bの幅方向外側面から突出した先端部にナット78が螺合される。揺動板部52bの幅方向外側面とナット78の幅方向内側面との間に、スラスト軸受79が配置され、ナット78に対する揺動板部52bの揺動が可能となっている。本例では、枢支軸部75が、第3枢軸に相当する。
【0050】
チルト用電動アクチュエータ19は、チルト用モータ66に通電し、出力軸69を回転駆動すると、駆動側歯車70と従動側歯車74との噛合部を介して、ねじ軸71が回転駆動され、ねじ軸71の回転は、ねじ軸71の雄ねじ部73とねじナット72の雌ねじ部との螺合に基づいて、ねじナット72の直線運動に変換される。ねじナット72がねじ軸71に沿って直線方向に移動すると、揺動ブラケット37が揺動し、コラムホルダ20(コラム装置17)が上下方向に揺動変位する。この結果、ステアリングホイール1の上下位置を調節することが可能となる。
【0051】
本例のステアリングホイールの電動位置調節装置は、テレスコピック用ロック機構80と、チルト用ロック機構81と、ロック用送りねじ機構82と、ロック用モータ83とをさらに備える。
【0052】
テレスコピック用ロック機構80は、ステアリングホイール1の前後位置を調節後の位置に保持する機能を有する。本例では、テレスコピック用ロック機構80は、テレスコピックロック用揺動部材84と、テレスコピックロック用第1係合部85と、テレスコピックロック用第1係合部85と係合可能なテレスコピックロック用第2係合部86と、テレスコピックロック用変位手段87とを含む。
【0053】
テレスコピックロック用揺動部材84は、帯板状に構成されており、コラム装置17を構成する第1部材であるコラムホルダ20の幅方向片側の側板部23aの幅方向内側面に、幅方向に配置された揺動軸88を中心とする揺動を可能に支持される。具体的には、テレスコピックロック用揺動部材84の基端部(前端部)と、幅方向片側の側板部23aと、後述するチルトロック用揺動部材96の基端部(前端部)とに、ボルト90が幅方向内側から挿通される。ボルト90のうち、テレスコピックロック用揺動部材84の幅方向外側面(幅方向片側面)から突出した先端部に、ナット91が螺合される。この構成により、テレスコピックロック用揺動部材84およびチルトロック用揺動部材96は、幅方向片側の側板部23aに対し、揺動可能に支持される。本例では、ボルト90の中心軸により、揺動軸88が構成される。
【0054】
テレスコピックロック用揺動部材84は、上側面の後側部分に、テレスコピックロック用第1係合部85を有する。本例では、テレスコピックロック用第1係合部85は、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部(ラック状の歯部)により構成される。テレスコピックロック用揺動部材84は、テレスコピックロック用第1係合部85が配置された上側面と反対側の面である、下側面の中間部に、後側に向かうほど下側に向かう方向に傾斜した被押圧面92を有する。
【0055】
テレスコピックロック用第2係合部86は、ステアリングホイール1の前後位置調節の際、第1部材であるコラムホルダ20に対して相対変位し、かつ、テレスコピック用ロック機構80における第2部材であるステアリングコラム21に配置される。具体的には、ステアリングコラム21の外周面のうち、幅方向片端部に、軸方向に伸長し、かつ、矩形の断面形状を有するロック部材93が支持固定され、ロック部材93の下面に、テレスコピックロック用第2係合部86が設けられている。本例では、テレスコピックロック用第2係合部86は、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部(ラック状の歯部)により構成される。
【0056】
本例では、テレスコピック用ロック機構80のテレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合部は、軸方向に関して、枢軸47とステアリングコラム21の後側端部との間に配置されており、かつ、上下方向に関して、コラムホルダ20のほぼ中央位置に配置されている。
【0057】
テレスコピックロック用変位手段87は、上側面に、後側に向かうほど下側に向かう方向に傾斜し、かつ、被押圧面92に押し付けられる押圧面94を有するテレスコピックロック用くさび部95を備える。テレスコピックロック用くさび部95は、コラムホルダ20の下板部25の上側面のうち、幅方向片側の側板部23aの幅方向内側に隣接する部分に、軸方向の変位を可能に載置される。テレスコピックロック用くさび部95は、図示しないばねなどの弾性部材により、後方に向けて弾性的に付勢されている。
【0058】
チルト用ロック機構81は、ステアリングホイール1の上下位置を調節後の位置に保持する機能を有する。本例では、チルト用ロック機構81は、チルトロック用揺動部材96と、チルトロック用第1係合部97と、チルトロック用第1係合部97と係合可能なチルトロック用第2係合部98と、チルトロック用変位手段99とを含む。
【0059】
チルトロック用揺動部材96は、帯板状に構成されており、コラム装置17を構成するコラムホルダ20の幅方向片側の側板部23aの幅方向外側面に、幅方向に配置された揺動軸88を中心とする揺動を可能に支持される。本例では、チルトロック用揺動部材96は、テレスコピックロック用揺動部材84とともに、ボルト90およびナット91により、幅方向外側の側板部23aに対し揺動可能に支持される。
【0060】
チルトロック用揺動部材96は、テレスコピックロック用揺動部材84と同じ形状を有する。すなわち、チルトロック用揺動部材96は、上側面の後側部分に、チルトロック用第1係合部97を有する。本例では、チルトロック用第1係合部97は、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部(ラック状の歯部)により構成される。また、チルトロック用揺動部材96は、チルトロック用第1係合部97が配置された上側面と反対側の面である、下側面の中間部に、後側に向かうほど下側に向かう方向に傾斜した被押圧面100を有する。
【0061】
チルトロック用第2係合部98は、ステアリングホイール1の上下位置の調節の際、第1部材であるコラムホルダ20に対して相対変位し、かつ、チルト用ロック機構81における第2部材である揺動ブラケット37に配置されている。具体的には、揺動ブラケット37の幅方向片側の揺動板部52aの下面に、チルトロック用第2係合部98が備えられる。本例では、幅方向片側の揺動板部52aの下面が、第2枢軸に相当するボルト58を中心とする部分円筒面により構成され、かつ、凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部(ラック状の歯部)であるチルトロック用第2係合部98を備える。
【0062】
本例では、チルト用ロック機構81のチルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合部は、軸方向に関して、枢軸47とステアリングコラム21の後側の端部との間に配置されており、かつ、上下方向に関して、コラムホルダ20のほぼ中央位置に配置される。すなわち、本例では、テレスコピック用ロック機構80のテレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合部と、チルト用ロック機構81のチルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合部とは、軸方向位置および上下方向位置がほぼ同じであり、かつ、幅方向に並ぶように配置されている。ステアリングホイール1の操作に基づいて、コラムホルダ20に加わるモーメント影響を抑える面からは、テレスコピック用ロック機構80のテレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合部、および、チルト用ロック機構81のチルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合部は、軸方向に関して、ステアリングホイール1に近い側に配置されることが好ましい。
【0063】
チルトロック用変位手段99は、上側面に、後側に向かうほど下側に向かう方向に傾斜し、かつ、被押圧面100に押し付けられる押圧面101を有するチルトロック用くさび部102を備える。チルトロック用くさび部102は、コラムホルダ20の下板部25の上側面のうち、幅方向片側の側板部23aの幅方向外側面(幅方向片側面)から突出した部分に、軸方向の変位を可能に載置される。チルトロック用くさび部102は、図示しないばねなどの弾性部材により、後方に向けて弾性的に付勢されている。
【0064】
ロック用送りねじ機構82は、ねじ軸103と、ねじナット104とを備える。ねじ軸103は、幅方向片側の側板部23aに対し支持固定されたホルダ105に対し、回転のみ自在に支持され、外周面に雄ねじ部を有する。ねじナット104は、内周面に、ねじ軸103の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有する。ねじナット104は、ロッド106a、106bを介して、テレスコピックロック用くさび部95およびチルトロック用くさび部102に連結されている。
【0065】
ロック用モータ83は、コラムホルダ20の下方に支持固定されており、図示しない歯車伝達機構を介して、ロック用送りねじ機構82のねじ軸103を回転駆動することが可能である。
【0066】
本例のステアリングホイールの電動位置調節装置において、ステアリングホイール1の位置を調節する際には、まず、ロック用モータ83により、ロック用送りねじ機構82のねじ軸103を所定方向に回転駆動させ、ねじナット104を前方に移動させる。これにより、ロッド106a、106bを介して、テレスコピックロック用くさび部95およびチルトロック用くさび部102を前方に移動させる。この移動に伴って、テレスコピックロック用揺動部材84およびチルトロック用揺動部材96が自重により下方に揺動し、図15から図16に示すように、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合が外れ、かつ、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合が外れる。この結果、ステアリングホイール1の前後位置および上下位置が調節可能なアンロックモードとなる。テレスコピックロック用揺動部材84およびチルトロック用揺動部材96を、図示しない弾性部材により、下方に揺動する方向に弾性的に付勢する構造も採用可能である。アンロックモード中は、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合、および、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合が外れた状態を維持するため、ロック用モータ83に通電し続ける。ただし、ロック用モータ83に、通電を停止した状態で、出力軸の回転を阻止するためのブレーキ機構を備えることもできる。
【0067】
運転者によるスイッチ操作などに基づいて、ステアリングホイール1の前後位置を調節するには、テレスコピック用モータ61に通電し、出力軸64に支持固定されたウォーム歯車62を回転駆動させる。ウォーム歯車62が回転すると、ウォーム歯車62と変位側歯部27との噛合に基づいて、ステアリングコラム21、および、ステアリングコラム21の内径側に支持されたアウタチューブ34が、コラムホルダ20およびインナシャフトに対して前後方向に変位する。この結果、ステアリングホイール1の前後位置が調節される。ステアリングホイール1の前後位置を所望の位置に調節した後は、テレスコピック用モータ61への通電を停止する。
【0068】
運転者によるスイッチ操作などに基づいて、ステアリングホイール1の上下位置を調節するには、チルト用モータ66に通電し、出力軸69に支持固定された駆動側歯車70を介して従動側歯車74を回転駆動させることにより、ねじ軸71を回転駆動させる。ねじ軸71が回転すると、ねじ軸71の雄ねじ部73とねじナット72の雌ねじ部との螺合に基づいて、ねじナット72が、ねじ軸71の軸方向に変位する。この結果、揺動ブラケット37が、第1枢軸である揺動支持ボルト53を中心に揺動して、コラム装置17が上下方向に揺動変位し、ステアリングホイール1の上下位置が調節される。ステアリングホイール1の上下位置を所望の位置に調節した後は、チルト用モータ66への通電を停止する。
【0069】
具体的には、ねじナット72を、ねじ軸71の軸方向に沿って後方に変位させると、図5から図4に示すように、揺動ブラケット37が揺動支持ボルト53を中心として上方(図4および図5の反時計方向)に変位する。この際、コラムホルダ20の前側部分の幅方向両側に支持された係合駒48は、長孔42に沿って後方に変位する。この結果、コラム装置17が上方に変位して、ステアリングホイール1が上方に変位する。
【0070】
ねじナット72を、ねじ軸71の軸方向に沿って前方に変位させると、図5から図6に示すように、揺動ブラケット37が揺動支持ボルト53を中心として下方(図5および図6の時計方向)に変位する。この際、コラムホルダ20の前側部分の幅方向両側に支持された係合駒48は、長孔42に沿って前方に変位する。この結果、コラム装置17が下方に変位して、ステアリングホイール1が下方に変位する。
【0071】
ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する際には、ロック用モータ83に通電し、ねじ軸103を所定方向と逆方向に回転駆動し、ねじナット104を後方に移動させる。この移動に伴って、ロッド106a、106bを介して、テレスコピックロック用くさび部95およびチルトロック用くさび部102が後方に移動する。テレスコピックロック用くさび部95の押圧面94が、テレスコピックロック用揺動部材84の被押圧面92に押し付けられ、テレスコピックロック用揺動部材84が上方に揺動する。この揺動に伴って、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86とが係合(噛合)し、ステアリングホイール1の前後位置が保持される。同時に、チルトロック用くさび部102の押圧面101が、チルトロック用揺動部材96の被押圧面100に押し付けられ、チルトロック用揺動部材96が上方に揺動する。この揺動に伴って、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98とが係合(噛合)し、ステアリングホイール1の上下位置が保持される。テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86とが係合し、かつ、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98とが係合した後は、ロック用モータ83への通電を停止する。本例では、テレスコピックロック用くさび部95およびチルトロック用くさび部102は、弾性部材により後方に付勢されているため、ロック用モータ83への通電を停止しても、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86との係合、および、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98との係合が外れることが防止される。
【0072】
本例のステアリングホイールの電動位置調節装置によれば、ステアリングホイール1を所望の位置に調節した状態で、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86とを係合(噛合)させ、かつ、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98とを係合させることにより、ステアリングホイール1の前後位置および上下位置が保持されて、ステアリングホイール1の前後方向変位および上下方向変位が規制される。したがって、ステアリングホイール1の位置を調節後の位置に保持した状態において、ステアリングホイール1ががたつくことが抑制される。また、テレスコピック機構における変換機構である、変位側歯部27とウォーム歯車62との噛合部、および、チルト機構における変換機構である、チルト用送りねじ機構67に、セルフロック機能を持たせる必要がなく、正効率を良好にすることができる。このため、ステアリングホイール1の位置調節速度を速くして、調節量が大きい(ストロークが長い)場合であっても、適度な時間で位置調節が行われる。また、変位側歯部27とウォーム歯車62との噛合部やチルト用送りねじ機構67にセルフロック機能を持たせた場合と比較して、テレスコピック用モータ61およびチルト用モータ66として出力が小さいモータを使用することができ、ステアリングホイールの電動位置調節装置全体の小型化および軽量化が図りやすい。
【0073】
本例では、ステアリングコラム21の外周面の下端部に配置したラック状の変位側歯部27と、ウォーム歯車62とを噛合させ、かつ、テレスコピック用モータ61によりウォーム歯車62を回転駆動することにより、ステアリングコラム21をコラムホルダ20に対し、軸方向に相対変位させるように構成している。ただし、たとえば、図18に記載の構造のように、電動モータ9の回転運動を送りねじ機構10により直線運動に変換することで、ステアリングコラムをコラムホルダに対し軸方向に相対変位可能に構成することも可能である。
【0074】
本例では、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86、および、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98を、いずれも凹凸係合(噛合)させている。ただし、ステアリングホイール1の前後位置および上下位置を保持できる限り、たとえば、テレスコピックロック用第1係合部とテレスコピックロック用第2係合部、および、チルトロック用第1係合部とチルトロック用第2係合部98を、摩擦係合させることもできる。
【0075】
本例では、1台のロック用モータ83の回転運動を、ロック用送りねじ機構82により直線運動に変換し、テレスコピックロック用揺動部材84とチルトロック用揺動部材96との両方を同時に変位させて、テレスコピックロック用第1係合部85とテレスコピックロック用第2係合部86とを係合させる、あるいはこれらの係合を外すと同時に、チルトロック用第1係合部97とチルトロック用第2係合部98とを係合させる、あるいはこれらの係合を外している。ただし、テレスコピックロック用揺動部材を変位させる、テレスコピックロック用モータおよびテレスコピックロック用変換機構と、チルトロック用揺動部材を変位させる、チルトロック用モータおよびチルトロック用変換機構とを、それぞれ独立に備えることもできる。
【0076】
本例では、テレスコピック機構およびチルト機構の両方を備える場合について説明したが、本発明のステアリングホイールの電動位置調節装置は、テレスコピック機構とチルト機構とのうちのいずれか一方の機構のみを備える構造に適用することもできる。
【符号の説明】
【0077】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングコラム
3 ステアリングシャフト
4 電動アクチュエータ
5 アウタコラム
6 インナコラム
7 ロアシャフト
8 アッパシャフト
9 電動モータ
10 送りねじ機構
11 送りナット
12 送りねじ軸
13 雌ねじ部
14 支持部
15 雄ねじ部
16 歯車伝達機構
17 コラム装置
18 テレスコピック用電動アクチュエータ
19 チルト用電動アクチュエータ
20 コラムホルダ
21 ステアリングコラム
22 ボール
23a、23b 側板部
24 上板部
25 下板部
26 ホルダ支持板部
27 変位側歯部
28 プレート
29 内径側ボール案内溝
30a、30b 角部
31 ばね保持具
32a、32b 板ばね
33 保持器
34 アウタチューブ
35a、35b ラジアル軸受
36 車体側ブラケット
37 揺動ブラケット
38 支持板部
39 接続板部
40 前側板部
41 延出板部
42 長孔
43 前側取付板部
44 後側取付板部
45a、45b 通孔
46 取付ボルト
47 枢軸
48 係合駒
49 ボルト
50 ナット
51 スラスト軸受
52a、52b 揺動板部
53 揺動支持ボルト
54a、54b 円孔
55 ナット
56 頭部
57 スラスト軸受
58 ボルト
59 ナット
60 スラスト軸受
61 テレスコピック用モータ
62 ウォーム歯車
64 出力軸
65 アクチュエータホルダ
66 チルト用モータ
67 チルト用送りねじ機構
68 ボルト
69 出力軸
70 駆動側歯車
71 ねじ軸
72 ねじナット
73 雄ねじ部
74 従動側歯車
75 枢支軸部
76 円孔
77 ブッシュ
78 ナット
79 スラスト軸受
80 テレスコピック用ロック機構
81 チルト用ロック機構
82 ロック用送りねじ機構
83 ロック用モータ
84 テレスコピックロック用揺動部材
85 テレスコピックロック用第1係合部
86 テレスコピックロック用第2係合部
87 テレスコピックロック用変位手段
88 揺動軸
90 ボルト
91 ナット
92 被押圧面
93 ロック部材
94 押圧面
95 テレスコピックロック用くさび部
96 チルトロック用揺動部材
97 チルトロック用第1係合部
98 チルトロック用第2係合部
99 チルトロック用変位手段
100 被押圧面
101 押圧面
102 チルトロック用くさび部
103 ねじ軸
104 ねじナット
105 ホルダ
106a、106b ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図16
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図18