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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018117029
(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公開番号】P2019217032
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 教
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
【合議体】
【審判長】瀬津 太朗
【審判官】蔵野 いづみ
【審判官】澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-77275(JP,A)
【文献】「パチスロ 三国志」,パチスロ攻略マガジン2014年11月号,株式会社プラントピア,2014年10月7日,p.111-113,特に第113頁左上の「7が揃うとAT突入!」参照
【文献】「シンデレラブレイド2」,パチスロ必勝ガイドMAX2月号増刊,株式会社ガイドワークス,2015年2月1日,p.154-158,特に第158頁左上の「お尻狩り発生で大量上乗せに期待」、右側の「姉妹選抜バトルに勝利」参照
【文献】「シンデレラブレイド2」,K-Navi [Online],2014年11月18日,主に「錐霞さん」の書き込み参照,2020年10月5日検索,インターネット URL:http://p-kn.com/community/question/slot/2116/142271/
【文献】「秘宝伝~太陽を求める者達~」,パチスロ攻略マガジン2013年1月号,株式会社双葉社,2012年12月7日,p.6-21,特に第8頁一番下の「ボーナスもリプレイ」、第12頁上方の「ボーナス昇格抽選」、「ボーナス入賞までの流れ」、同頁一番下の「ボーナスはベルナビ回数で管理」参照
【文献】「主役は銭形2」,パチスロ必勝ガイドMAX2014年4月号,株式会社ガイドワークス,2014年4月1日,p.51-59,特に第55頁右上の「ボーナス昇格抽選」参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タートスイッチの操作に基づき、当選種別の当否を当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
第1演出状態、および、前記第1演出状態よりも有利度合いが高い第2演出状態を含む複数の演出状態のいずれかに移行させる状態制御手段と、
遊技の進行に応じて演出を実行する演出制御手段と、
を備え、
前記当選種別抽選では、前記ストップスイッチに対する異なる操作態様が入賞条件として設定された複数の当選役が重複した当選種別が決定される場合があり、
前記当選役は、第1の図柄組み合わせが表示される第1当選役、および、前記第1の図柄組み合わせとは異なる第2の図柄組み合わせが表示される第2当選役を含み、
前記状態制御手段は、
前記第1演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選したことを契機として、前記第1演出状態に移行させ、
前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役および前記第2当選役の少なくとも一方が含まれる当選種別に当選したことを契機として、前記第2演出状態に移行させ、
前記演出制御手段は、
前記第1演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、
前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を実行することがあり、前記第2当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第2当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、
前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第2演出状態に移行する前に、前記第2演出状態への移行を報知する報知演出を実行する場合があり、
前記報知演出を実行した場合、前記第2当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第2当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選しても、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を不実行とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者に遊技利益を付与するか否かを抽選により決定する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態や演出状態が設けられている。例えば、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することで、通常遊技状態より、遊技者がメダルを獲得し易いボーナス遊技状態に移行する仕様を採用しているスロットマシンがある。
【0003】
また、スロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態が設けられている。例えば、遊技利益が大きい当選役(以下、選択当選役という)と他の当選役とが重複した当選種別(以下、選択当選種別という)に当選したときに、その選択当選役の入賞条件となるストップスイッチの操作態様(以下、正解操作態様という)が報知されることで(以下、このような所定の当選役の入賞条件となる操作態様を報知する演出を単に補助演出という)、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ライン上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)が実行されるAT演出状態を設けているスロットマシンもある。また、リプレイ役の当選確率が高く設定されたRT(リプレイタイム)遊技状態を用いたり、上記のAT演出状態とRT遊技状態が同時に進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
【0004】
また、異なる操作態様が入賞条件に設定された複数の当選役が重複した当選種別が設けられ、その当選種別が当選したときに、遊技者に付与する遊技利益に対応する当選役を入賞させるように補助演出を実行するようになされたものも提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-077276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、遊技者に付与する遊技利益に対応する当選役を入賞させるように補助演出を実行するスロットマシンでは、実際に付与する遊技利益よりも小さい遊技利益に対応する当選役を入賞させるように補助演出を行うことがある。この場合、入賞した当選役に対応する遊技利益よりも大きな遊技利益を実際には得られることにより、遊技者に対して驚きを与えることができ、演出効果を向上させることができる。
【0007】
しかしながら、スロットマシンでは、他の演出によっても付与する遊技利益を報知することがある。このようなスロットマシンでは、他の演出によって相対的に大きい遊技利益が付与されることが報知された後に、相対的に小さい遊技利益に対応する当選役を入賞させる補助演出を実行してしまうと、相対的に大きな遊技利益が得られることを遊技者は既に知っているため、かえって演出効果が低下してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、演出効果を向上することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき、当選種別の当否を当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、第1演出状態、および、前記第1演出状態よりも有利度合いが高い第2演出状態を含む複数の演出状態のいずれかに移行させる状態制御手段と、遊技の進行に応じて演出を実行する演出制御手段と、を備え、前記当選種別抽選では、前記ストップスイッチに対する異なる操作態様が入賞条件として設定された複数の当選役が重複した当選種別が決定される場合があり、前記当選役は、第1の図柄組み合わせが表示される第1当選役、および、前記第1の図柄組み合わせとは異なる第2の図柄組み合わせが表示される第2当選役を含み、前記状態制御手段は、前記第1演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選したことを契機として、前記第1演出状態に移行させ、前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役および前記第2当選役の少なくとも一方が含まれる当選種別に当選したことを契機として、前記第2演出状態に移行させ、前記演出制御手段は、前記第1演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を実行することがあり、前記第2当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第2当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、前記第2演出状態への移行が決定している場合に、前記第2演出状態に移行する前に、前記第2演出状態への移行を報知する報知演出を実行する場合があり、前記報知演出を実行した場合、前記第2当選役が含まれる当選種別に当選すると、前記第2当選役の入賞を補助する補助演出を実行し、前記第1当選役が含まれる当選種別に当選しても、前記第1当選役の入賞を補助する補助演出を不実行とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、演出効果を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
図3】(a)は、リールの図柄配列を示す図であり、(b)は、有効ラインおよび無効ラインを説明するための説明図である。
図4】スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図5】当選役を説明するための説明図である。
図6】当選種別抽選テーブルを示す図である。
図7】当選種別抽選テーブルを示す図である。
図8】遊技状態の移行を説明するための説明図である。
図9】演出状態および有利区間の移行を説明するための説明図である。
図10】AT通常演出状態における1セットの概念を説明する説明図である。
図11】ジャッジ演出を説明するための説明図である。
図12】セットの開始契機に関する演出を説明する説明図である。
図13】セットの開始契機に関する演出を説明する説明図である。
図14】ナビ抽選テーブルを説明する説明図である。
図15】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
図16】抽選処理を示したフローチャートである。
図17】副制御基板のサブ処理を示したフローチャートである。
図18】コマンド受信処理を示したフローチャートである。
図19】演出決定処理を示したフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応した位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する図柄を視認することができる。
【0015】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
【0016】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0017】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
【0018】
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。また、サブ払出表示部136の横には区間表示器160が設けられている。区間表示器160では、後述する有利区間に滞在しているか否かが表される。
【0019】
また、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの下方には、操作態様指示ランプ162が設けられている。操作態様指示ランプ162は、主に、後述するART遊技状態(AT演出状態)において、遊技利益の大きい特定の当選役(選択当選役)を入賞させるために、回転しているリール110のうち、停止させるリール110に対応する操作態様指示ランプ162が点灯するようになされている。
【0020】
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0021】
また、筐体102内には、設定キー150aおよび設定変更スイッチ150b(これらを合わせて設定値設定手段)が主制御基板200(図4参照)上に設けられている。スロットマシン100では、設定キー150aに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値(有利度を段階的に示したもの)の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチ150bが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キー150aを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0022】
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
【0023】
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の入賞の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0024】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
【0025】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0026】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312、コマンド送信手段314、操作態様指示手段316等の機能部を有する。
【0027】
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0028】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0029】
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
【0030】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0031】
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0032】
状態制御手段(遊技状態制御手段、演出状態制御手段)312は、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させると共に、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、状態制御手段312は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
【0033】
コマンド送信手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
【0034】
操作態様指示手段316は、後述するART遊技状態(AT演出状態)において、操作態様指示ランプ162を点灯(例えば、次に操作すべきストップスイッチ120a、120b、120cを点灯)させることにより、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を報知し、遊技利益の大きい特定の当選役(選択当選役)の入賞を補助するメイン補助演出を実行する。
【0035】
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0036】
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0037】
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
【0038】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。演出には、後述するART遊技状態(AT演出状態)において、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を報知し、遊技利益の大きい特定の当選役(選択当選役)の入賞を補助するサブ補助演出も含まれる。なお、以下では、操作態様指示手段316が実行するメイン補助演出、および、演出制御手段334が実行するサブ補助演出を合わせて、単に補助演出と称する場合がある。
【0039】
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。
【0040】
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6および図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0041】
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
【0042】
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる役である。
【0043】
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ17」(以下、かかる17個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)が設けられている。
【0044】
また、小役として、当選役「小役1」~「小役26」(以下、かかる26個の小役を単に当選役「小役」と略す場合がある)が設けられている。
【0045】
また、ボーナス役として、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB」(以下、かかる3個のボーナス役を単に当選役「BB」と略す場合がある)が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。
【0046】
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
【0047】
そして、例えば、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「小役1」~「小役16」や、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。なお、とりこぼしが発生した場合、リール制御手段306の停止制御により、図5に示す「ブランク1」または「ブランク2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることになる。
【0048】
図6および図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域(当選エリア)が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6および図7では、各遊技状態(非RT遊技状態(非RT)、RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、RT4遊技状態(RT4)、RT5遊技状態(RT5)、内部中遊技状態(内部中)、当選役「RBB1」または「RBB2」が入賞したボーナス遊技状態(RBB)、当選役「CBB」が入賞したボーナス遊技状態(CBB)毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」や「●」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」はその当選種別の当選確率が設定値間で差がなく、かつ、遊技状態間でも差がない有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」はその当選種別の当選確率が設定値間で差がなく、かつ、遊技状態間では差がある指示機能抽選可当選種別であることを示し、「●」はその当選種別の当選確率が設定値間で差がある設定差有当選種別であることを示している。なお、指示機能抽選可当選種別および有利区間抽選可当選種別を纏めて設定差無当選種別と称する場合もある。
【0049】
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、図示しない置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。
【0050】
図6および図7の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別が決定されると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
【0051】
また、当選領域1~15には、1のリプレイ役が単独で、または、複数のリプレイ役が重複して対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
【0052】
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
【0053】
例えば、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」(当選領域9)に当選し、「打順1」または「打順2」による操作が行われた場合、当選役「リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順3~打順6による操作が行われた場合、当選役「リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
【0054】
また、当選種別「白7揃いリプレイ1」に当選した際にストップスイッチ120a、120b、120cが「打順1」または「打順2」で操作されると、遊技状態がRT2遊技状態である場合には、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御され、遊技状態が内部中遊技状態である場合には、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御される。同様に、当選種別「白7揃いリプレイ2」および「白7揃いリプレイ3」に当選した際にストップスイッチ120a、120b、120cが「打順1」または「打順2」で操作されると、遊技状態がRT2遊技状態である場合には、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御され、遊技状態が内部中遊技状態である場合には、当選役「リプレイ7」または「リプレイ5」に対応する図柄組み合わせがそれぞれ有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御される。
【0055】
また、当選領域16、17には、当選役「小役19」、「小役20」、「小役26」が重複して含まれる当選種別「BB中10枚」、「BB中白7揃い10枚」がそれぞれ対応付けられている。なお、当選種別「BB中10枚」に当選した場合、ストップスイッチ120a、120b、120cが「打順5」または「打順6」で操作されると、左リール110aに図柄「ベル」、中リール110bに図柄「白7」、右リール110cに図柄「白7」が有効ラインA上に優先的に表示されるようにリール110が停止制御される。一方、当選種別「BB中白7揃い10枚」に当選した場合、ストップスイッチ120a、120b、120cが「打順3」~「打順6」のいずれかで操作されると、左リール110aに図柄「白7」、中リール110bに図柄「白7」、右リール110cに図柄「白7」が有効ラインA上に優先的に表示されるようにリール110が停止制御される。
【0056】
また、当選領域18~29には、当選役「小役17」または「小役18」と、当選役「小役1」~「小役16」とが重複して含まれる当選種別「打順ベル1」~「打順ベル12」(以下、かかる12個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある)がそれぞれ対応付けられている。なお、当選領域18~29の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域18~29を設けることにより、当選役「小役17」または「小役18」を入賞させにくくしている。また、当選役「小役1」~「小役16」が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも当選役「小役1」~「小役16」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
【0057】
また、当選種別「打順ベル1」~「打順ベル4」に当選した際にストップスイッチ120a、120b、120cが「打順5」または「打順6」で操作されると、遊技状態が内部中遊技状態以外である場合には、当選役「小役1」~「小役4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるようにそれぞれ停止制御され、遊技状態が内部中遊技状態である場合には、当選役「小役17」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御される。同様に、当選種別「打順ベル5」~「打順ベル8」に当選した際にストップスイッチ120a、120b、120cが「打順1」または「打順2」で操作されると、遊技状態が内部中遊技状態以外である場合には、当選役「小役5」~「小役8」に対応する図柄組み合わせがそれぞれ有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御され、遊技状態が内部中遊技状態である場合には、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御される。また、当選種別「打順ベル9」~「打順ベル12」に当選した際にストップスイッチ120a、120b、120cが「打順3」または「打順4」で操作されると、遊技状態が内部中遊技状態以外である場合には、当選役「小役13」~「小役16」に対応する図柄組み合わせがそれぞれ有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御され、遊技状態が内部中遊技状態である場合には、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御される。
【0058】
また、当選領域30~31には、当選役「小役17」および「小役18」が重複して含まれる当選種別「共通ベル1」、「共通ベル2」が対応付けられている。また、当選領域32には、当選役「小役20」が重複して含まれる当選種別「強ベル」が対応付けられている。また、当選領域33には、当選役「小役21」~「小役24」が重複して含まれる当選種別「スイカ」が対応付けられている。
【0059】
また、当選領域34~41には、当選役「RBB1」と、当選役「リプレイ」または当選役「小役」とが重複して含まれる当選種別「RBB1+通常リプレイ2」~「RBB1+スイカ」が対応付けられている。また、当選領域42~48には、当選役「RBB2」と、当選役「リプレイ」または当選役「小役」とが重複して含まれる当選種別「RBB2+通常リプレイ2」~「RBB2+スイカ」が対応付けられている。また、当選領域49~55には、当選役「CBB」と、当選役「リプレイ」または当選役「小役」とが重複して含まれる当選種別「CBB+通常リプレイ1」~「CBB+スイカ」が対応付けられている。なお、以下では、当選領域34~55の当選種別を単に当選種別「BB」と略す場合がある。また、当選領域34~41の当選役「RBB1」が含まれる当選種別を当選種別「RBB1」と称す場合があり、当選領域42~48の当選役「RBB2」が含まれる当選種別を当選種別「RBB2」と称す場合があり、当選領域49~55の当選役「CBB」が含まれる当選種別を当選種別「CBB」と称す場合がある。
【0060】
なお、上述したいずれかの当選種別が決定されると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
【0061】
(遊技状態の移行)
図8は、遊技状態の移行を説明するための図である。ここでは、通常遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が設けられている。また、通常遊技状態では、非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態といった複数のRT遊技状態が設けられている。
【0062】
非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が、非RT遊技状態=1/7.3、RT1遊技状態=1/7.3、RT2遊技状態=1/1.4、RT3遊技状態=1/7.3、RT4遊技状態=1/7.3、RT5遊技状態=1/1.4に設定されている。ここでは、RT2遊技状態、RT5遊技状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT2遊技状態、RT5遊技状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。また、RT2遊技状態では、補助演出を行うAT演出状態を並行して実行することを想定しており、本実施形態においては、RT2遊技状態と並行してAT演出状態を実行している状態をART遊技状態という。また、RT5遊技状態では、補助演出を行うAT演出状態を並行して実行することを想定しており、本実施形態においては、RT5遊技状態と並行してAT演出状態を実行している状態を天井ART遊技状態という。
【0063】
非RT遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に表示される「ブランク」の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる。
【0064】
RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」~「移行リプレイ6」のいずれかに当選し、かつ、当選役「リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、状態制御手段312は、遊技状態をRT4遊技状態に移行させる。そして、RT4遊技状態において、当選種別「BB」が決定されることなく、規定遊技数(例えば、500遊技)が経過すると、状態制御手段312は、遊技状態を非RT遊技状態に移行させる。
【0065】
また、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ4」~「移行リプレイ6」のいずれかに当選し、かつ、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、状態制御手段312は、遊技状態をRT2遊技状態に移行させる。そして、RT2遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に表示される「ブランク」の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる。
【0066】
また、非RT遊技状態において、当選種別「移行リプレイ7」に当選した場合(当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合)、状態制御手段312は、遊技状態をRT5遊技状態に移行させる。状態制御手段312は、RT5遊技状態において、当選種別「BB」が決定されることなく、規定遊技数(例えば、9999遊技)が経過すると、遊技状態を非RT遊技状態に移行させる。ただし、RT5遊技状態において規定遊技数の遊技が経過することは実質的にはなく、RT5遊技状態に一度移行された場合、当選種別「BB」に当選するまでRT5遊技状態が維持されることになる。
【0067】
また、通常遊技状態において、非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態のいずれであっても、当選種別「BB」が決定され、BB内部当選フラグが成立すると、状態制御手段312は、遊技状態を、ボーナス遊技状態の準備状態に相当する内部中遊技状態に移行させる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越される(内部中遊技状態が維持される)。また、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別が決定した遊技や、当選種別「BB」が決定した遊技において、リール制御手段306は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
【0068】
そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。また、ボーナス遊技状態において、ボーナス遊技状態に移行する契機となった当選役「BB」それぞれに設定されている所定枚数以上のメダルが払い出されると、状態制御手段312は、遊技状態をRT3遊技状態(通常遊技状態)に移行させる。ただし、当選種別「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、状態制御手段312は、内部中遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行させる。
【0069】
RT3遊技状態において、当選種別「打順ベル」が決定され、いずれの小役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合、つまり、「ブランク」の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる。
【0070】
(演出状態の移行)
図9は、主制御基板200における演出状態および有利区間の移行を説明するための説明図である。ここでは、非AT演出状態、AT準備演出状態、AT演出状態(特定演出状態)といった複数の演出状態が設けられている。状態制御手段312は、遊技状態が通常遊技状態である場合に、複数の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
【0071】
演出状態が非AT演出状態である場合、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、ほぼ補助演出が行われない、または、補助演出が全く行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。非AT演出状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。
【0072】
状態制御手段312は、非AT演出状態における所定の契機、例えば当選種別抽選により有利区間抽選可当選種別が当選した場合に、その有利区間抽選可当選種別に基づいて、詳しくは後述する有利区間抽選を行う。そして、有利区間抽選に当選すると、当選種別抽選により決定された有利区間抽選可当選種別に基づいて、演出状態をAT準備演出状態を経由したAT演出状態に移行させるか否かをAT抽選により決定する。ここで、本実施形態では、遊技状態がRT5遊技状態以外の遊技状態に滞在している場合、有利区間抽選可当選種別の当選種別「BB」に当選すると、所定の確率でAT抽選に当選する。そして、有利区間抽選に当選し、かつ、AT抽選に当選すると、ボーナス遊技状態が終了した後に、状態制御手段312は、演出状態をAT準備演出状態に移行させる(1)。
【0073】
一方、遊技状態がRT5遊技状態に滞在している場合、当選種別抽選により有利区間抽選可当選種別に当選すると、必ず、AT演出状態への移行を決定する(AT抽選に100%当選する)。そして、遊技状態がRT5遊技状態であるときにAT演出状態への移行を決定すると、状態制御手段312は、演出状態を天井AT演出状態(天井ART遊技状態)に移行させる(2)。ここで、RT5遊技状態において、当選種別抽選により有利区間抽選可当選種別に当選しないことはほぼ起こらないため、RT5遊技状態に移行されれば、当選種別「BB」に当選しない限り、ほぼ天井AT演出状態に移行することになる。そして、AT演出状態とRT5遊技状態が並行して進行する天井ART遊技状態が実行される。
【0074】
AT準備演出状態は、遊技状態をRT2遊技状態へ移行させるための待機状態であり、遊技状態が例えばRT1遊技状態である場合には、当選種別「移行リプレイ4」~「移行リプレイ6」のいずれかに当選すると、操作態様指示手段316および演出制御手段334によって、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように補助演出を行う。そして、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、演出状態をAT演出状態(AT通常演出状態)に移行させる(3)。そして、AT演出状態とRT2遊技状態が並行して進行するART遊技状態が実行される。
【0075】
AT演出状態では、補助演出によって操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、AT演出状態は、非AT演出状態と比べ、有利な状態といえる。
【0076】
AT演出状態には、AT通常演出状態および天井AT演出状態が設けられている。AT通常演出状態は、30回または100回の遊技が1セットとして設定されるセット数管理の演出状態である。なお、継続遊技数が100回であるセットのAT通常演出状態(図中、100遊技のAT通常演出状態、第2演出状態)は、継続遊技数が30回であるセットのAT通常演出状態(図中、30遊技のAT通常演出状態、第1演出状態)とは異なる演出状態であって有利度合いが高いとも言える。
【0077】
演出状態がAT通常演出状態に設定されると、ストック(保持)されているセット数を1減算するとともに、継続遊技数を30遊技または100遊技に設定する。そして、継続遊技数の遊技が終了すると、状態制御手段312は、セット数が0であるか(セット数がストックされているか)判定し、セット数が0でない場合には、ストックされているセット数を1減算して、AT通常演出状態を継続させる(4)。なお、状態制御手段312は、非AT演出状態において、当選種別抽選により当選種別「BB」のうちの有利区間抽選可当選種別が当選し、かつ、AT抽選に当選した場合、セット数を1個ストックする。また、状態制御手段312は、AT通常演出状態において、当選種別抽選により指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別が当選された場合に、当選された指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別に基づいてセット数を上乗せする上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、セット数を1個ストックする。
【0078】
そして、AT通常演出状態において継続遊技数の遊技が終了した際に、セット数が0である場合、状態制御手段312は、演出状態を非AT演出状態に移行させる(5)。
【0079】
天井AT演出状態は、継続遊技数が設定されていない。状態制御手段312は、天井AT演出状態への移行を決定した場合、AT通常演出状態のセット数を1ストックする。また、状態制御手段312は、当選種別「BB」に当選して当選役「BB」が入賞するまで、天井AT演出状態を継続させる。そして、当選種別「BB」に当選して当選役「BB」が入賞した後、ボーナス遊技状態が終了すると、状態制御手段312は、ストックを1消費し、AT準備演出状態を経由してAT通常演出状態(ART遊技状態)に移行させる(6)。つまり、天井AT演出状態は、当選種別「BB」に当選するまで継続する、所謂無限ART遊技状態である。
【0080】
(有利区間について)
ところで、上述したようなボーナス遊技状態やAT演出状態への移行頻度が偏ると射倖性が過度に高まってしまう懸念がある。そこで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、有利区間比率といった判断基準を設ける。有利区間比率は、有利区間に滞在している遊技数である滞在遊技数を、遊技数の総数である総遊技数で除算し、%(パーセント)で示した値を言う。ここで、有利区間は、指示機能に係る性能を有する区間、すなわち、補助演出(指示機能)が実行される区間を含んだ遊技者にとって有利な区間である。したがって、メダルの払い出しに関し遊技者にとって有利でなくてはならず、ボーナス遊技状態等を経由しない場合、補助演出がないと選択当選役(遊技利益が大きい当選役)を取りこぼしてしまう当選態様のうち、選択当選役の配当が最大(ここでは、6枚)となる選択当選種別において、選択当選役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を少なくとも1回行わなければ有利区間を終了してはならないこととなる(終了条件)。
【0081】
ただし、有利区間は、有利区間が継続可能な最大継続遊技数が1500遊技と決まっており、1500遊技を超えた場合、現在の遊技状態が、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のいずれであるか、また、その1500遊技の有利区間において最大払出枚数を獲得できる(最大払出枚数の選択当選役を入賞し得る操作態様を報知する)補助演出が行われたか否かに拘わらず(最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されなかったとしても)、それまで継続していた有利区間を強制的に終了させ、有利区間で更新された情報をリセットする初期化処理を行うこととなる。
【0082】
したがって、有利区間比率は、AT演出状態および非AT演出状態における全ての遊技数に対する、AT準備演出状態、AT演出状態、ならびに、そのような演出状態中の内部中遊技状態およびボーナス遊技状態で遊技した滞在遊技数の比率を表すこととなる。かかる有利区間比率を導出し、それが所定の範囲に含まれているか否かを判定することで、スロットマシン100の適正さを把握できる。また、このような有利区間比率を、管理者が、所定の確認処理を通じて目視できる構成とすることで、不正行為を防止することが可能となる。なお、上述の有利区間が開始されると、状態制御手段312は、有利区間に滞在していることを、区間表示器160の点灯を通じて報知する。
【0083】
(AT通常演出状態の演出)
図10は、AT通常演出状態における1セットの概念を説明する説明図である。上記したように、AT通常演出状態は、30回または100回の継続遊技数が1セットとして設定されるセット数管理の演出状態である。状態制御手段312は、非AT演出状態からAT通常演出状態への移行が決定された場合、つまり、AT抽選に当選した場合、AT通常演出状態における1回目のセットの継続遊技数を継続遊技数抽選により決定する。例えば、継続遊技数抽選では、70%の確率で30回が決定され、30%の確率で100回が決定される。
【0084】
そして、演出状態がAT通常演出状態に移行されると、状態制御手段312は、直ちに1セット目の遊技を開始させるのではなく、図10(a)に示すように、まず、当選種別「白7揃いリプレイ1」~「白7揃いリプレイ4」(なお、以下では、これら4つの当選種別を当選種別「白7揃いリプレイ」(特別当選種別)とも称する場合がある)のいずれかが当選するまで1セットの遊技の開始を待つ準備期間に移行させる。準備期間は、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選するまで継続する。
【0085】
そして、1セット目の継続遊技数が30回であることが決定されている場合、準備期間において、状態制御手段312は、1セット目の継続遊技数を100回に昇格させるための昇格抽選を行う。状態制御手段312は、当選種別抽選により指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別が当選した場合に、その指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別に基づいて昇格抽選を行う。昇格抽選では、指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別毎に異なる当選確率が設定されている。そして、昇格抽選に当選すると、状態制御手段312は、1セット目の継続遊技数を100回に変更する。また、昇格抽選に当選すると、演出制御手段334は、昇格抽選に当選したこと、つまり、継続遊技数が100回であることを報知する昇格演出(報知演出)を実行する。昇格演出では、例えば、昇格抽選に当選したことを報知する画像が液晶表示部124に表示される。
【0086】
その後、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ」が当選すると、状態制御手段312は、次回のセット(2セット目)の継続遊技数を継続遊技数抽選により決定する。ここでは、セット数が既にストックされている場合のみならず、セット数が0個である場合にも継続遊技数抽選を行い、その後にセット数がストックされた場合には、継続遊技数抽選で決定した継続遊技数が次回のセットの遊技数となる。
【0087】
また、1セット目の残り5回の遊技において、演出制御手段334は、図10(b)に示すように、AT通常演出状態が継続するか否かを報知するジャッジ演出を行う。なお、ジャッジ演出については、後述する。そして、1セット目のAT通常演出状態が終了すると、状態制御手段312は、セット数がストックされていない場合にはAT通常演出状態を終了し、非AT演出状態に移行させる。一方、セット数がストックされている場合、状態制御手段312は、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選するまで今回のセット(2セット目)の遊技の開始を待つ準備期間に移行させる。
【0088】
そして、1セット目の開始時と同様に、2セット目の継続遊技数が30回であることが決定されている場合、準備期間において、状態制御手段312は、昇格抽選を行う。また、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ」が当選すると、状態制御手段312は、3セット目の継続遊技数を継続遊技数抽選により決定する。なお、3セット目以降は、2セット目と同様である。
【0089】
このように、AT通常演出状態では、今回のセットの遊技が開始される前に準備期間が設けられ、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選した次遊技から各セットの遊技が開始される。
【0090】
(ジャッジ演出)
図11は、ジャッジ演出を説明するための説明図である。上記したように、各セットの残り5回の遊技において、演出制御手段334は、AT通常演出状態が継続するか否かを報知するジャッジ演出を行う。ジャッジ演出では、例えば、図11(a)に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う画像が液晶表示部124に表示される。そして、セット数がストックされている場合には、図11(b)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像が液晶表示部124に表示される勝利パターンでジャッジ演出が実行され、AT通常演出状態が継続したことを遊技者に報知する。
【0091】
一方、セット数がストックされていない場合には、図11(c)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する画像が液晶表示部124に表示される敗北パターンでジャッジ演出が実行され、AT通常演出状態が終了することを遊技者に報知する。
【0092】
ただし、セット数がストックされており、かつ、次回のセットの継続遊技数が100回である場合には、図11(c)に示したように、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する画像が液晶表示部124に表示された後、図11(d)に示すように、味方キャラクタが復活して敵キャラクタに勝利する画像が液晶表示部124に表示される復活パターン(報知演出)でジャッジ演出が実行されることがある。このように、味方キャラクタが復活して勝利することで、AT通常演出状態が継続し、かつ、次回のセットの継続遊技数が100回であることを遊技者に報知する。
【0093】
演出制御手段334は、各セットの残り5回の遊技が開始するとき、図11(e)に示すジャッジ演出抽選テーブルを参照して、セット数のストックの有無、および、次回のセットの継続遊技数に基づいて、ジャッジ演出の実行パターン(勝利パターン、敗北パターン、復活パターン)を決定する。ジャッジ演出抽選テーブルによれば、セット数がストックされていない場合には100%の確率で敗北パターンが決定される。また、セット数がストックされており、かつ、次回のセットの継続遊技数が30回である場合には、100%の確率で勝利パターンが決定される。また、セット数がストックされており、かつ、次回のセットの継続遊技数が100回である場合には、70%の確率で勝利パターンが決定され、30%の確率で復活パターンが決定される。
【0094】
(セットの開始契機に関する演出)
図12および図13は、セットの開始契機に関する演出を説明する説明図である。準備期間において当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ」が当選すると、その遊技において、演出制御手段334は、当選役「リプレイ11」~「リプレイ14」のいずれかの入賞を補助するサブ補助演出を行う。ここで、上記したように、当選種別「白7揃いリプレイ」は、当選役「リプレイ11」~「リプレイ14」が重複して含まれており、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様(打順)によって、優先的に入賞させる当選役が異なるように設定されている。
【0095】
そして、演出制御手段334は、今回のセットの継続遊技数が30回であった場合には当選役「リプレイ12」(第1当選役)または「リプレイ13」(第1当選役)が優先的に入賞する打順をサブ補助演出により報知する。例えば、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ1」が当選し、今回のセットの継続遊技数が30回であった場合、演出制御手段334は、図12(a)に示すように、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」が優先的に入賞する「打順1」を報知するサブ補助演出を行う。また、演出制御手段334は、「白7を狙え!」と記した画像を液晶表示部124に表示することで、図柄「白7A」または図柄「白7B」を図柄表示窓108(図1参照)内で停止させるように遊技者に促す。
【0096】
そして、遊技者がサブ補助演出にしたがって、図柄「白7A」または図柄「白7B」が表示窓108内で停止するように「打順1」でストップスイッチ120a、120b、120cを操作すると、図12(b)に示すように、例えば、図柄「白7A」または図柄「白7B」が無効ラインB1上に一直線上に揃って表示される(第1の図柄組み合わせで表示される)。このとき、演出制御手段334は、今回のセットの継続遊技数が30遊技であることを示す「30G」と記した画像を液晶表示部124に表示する。なお、以下では、図柄「白7A」または図柄「白7B」が無効ラインの1つだけ一直線上に揃って表示されることをシングル揃いと称する場合がある。
【0097】
また、演出制御手段334は、今回のセットの継続遊技数が100回であった場合には当選役「リプレイ11」(第2当選役)または「リプレイ14」(第2当選役)が優先的に入賞する打順をサブ補助演出により報知する。例えば、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ1」が当選し、今回のセットの継続遊技数が100回であった場合、演出制御手段334は、図13(a)に示すように、当選役「リプレイ11」または「リプレイ14」が優先的に入賞する「打順6」を報知するサブ補助演出を行う。また、演出制御手段334は、「白7を狙え!」と記した画像を液晶表示部124に表示することで、図柄「白7A」または図柄「白7B」を図柄表示窓108内で停止させるように遊技者に促す。
【0098】
そして、遊技者がサブ補助演出にしたがって、図柄「白7A」または図柄「白7B」が表示窓108内で停止するように「打順6」でストップスイッチ120a、120b、120cを操作すると、図13(b)に示すように、例えば、図柄「白7A」または図柄「白7B」が無効ラインB2およびC1上に一直線上に揃って表示される(第2の図柄組み合わせが表示される)。このとき、演出制御手段334は、今回のセットの継続遊技数が100遊技であることを示す「100G」と記した画像を液晶表示部124に表示する。なお、以下では、図柄「白7A」または図柄「白7B」が無効ラインの2つに一直線上に揃って表示されることをダブル揃いと称する場合がある。
【0099】
これにより、遊技者は、リール110a、110b、110cの停止態様、および、液晶表示部124に表示された画像によって、今回のセットの継続遊技数を把握することができる。
【0100】
ただし、今回のセットの継続遊技数が100回である場合に、演出制御手段334は、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」が優先的に入賞する打順をサブ補助演出により報知する場合もある。この場合、図12(a)で示したように、演出制御手段334は、当選種別「白7揃いリプレイ1」が当選したときに、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」が優先的に入賞する「打順1」を報知するサブ補助演出を行う。また、演出制御手段334は、「白7を狙え!」と記した画像を液晶表示部124に表示することで、図柄「白7A」または図柄「白7B」を図柄表示窓108内で停止させるように遊技者に促す。そして、遊技者がサブ補助演出にしたがって、図柄「白7A」または図柄「白7B」が表示窓108内で停止されるように「打順1」でストップスイッチ120a、120b、120cを操作すると、例えば図12(c)に示すように、図柄「白7A」または図柄「白7B」が無効ラインB1上に一直線上に揃って表示される(シングル揃い)。このとき、演出制御手段334は、今回のセットの継続遊技数が100遊技であることを示す「100G」と記した画像を液晶表示部124に表示する。このように、図柄「白7A」または図柄「白7B」がシングル揃いしかしていないにも拘わらず、今回のセットの継続遊技数が100遊技であることを報知することで、遊技者に驚きを与えることができる。
【0101】
ここで、上記した昇格抽選に当選した場合や、前回のAT通常演出状態で復活パターンのジャッジ演出が行われた場合、遊技者は、今回または次回のセットの継続遊技数が100回であることを既に知っている状態となる。このような場合に、図柄「白7A」または図柄「白7B」がシングル揃いしても遊技者に驚きを与えることができず、かえって演出効果が低下してしまう。
【0102】
そこで、本実施形態では、上記した昇格抽選に当選した場合、および、復活パターンのジャッジ演出が行われた場合には、必ず、図柄「白7A」または図柄「白7B」がダブル揃いするようにしている。
【0103】
図14は、ナビ抽選テーブルを説明する説明図である。演出制御手段334は、準備期間において当選種別「白7揃いリプレイ」が当選すると、図14(a)および図14(b)に示す2つのナビ抽選テーブルのうち、一方のナビ抽選テーブルを選択する。そして、選択したナビ抽選テーブルを参照して、図柄「白7A」または図柄「白7B」をシングル揃いにする、つまり、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」を優先的に入賞させるサブ補助演出を実行するか、図柄「白7A」または図柄「白7B」をダブル揃いにする、つまり、当選役「リプレイ11」または「リプレイ14」を優先的に入賞させるサブ補助演出を実行するか決定する。
【0104】
具体的には、演出制御手段334は、前回のセットのジャッジ演出において復活パターンが決定された場合、および、準備期間において昇格抽選に当選した場合、図柄「白7A」または図柄「白7B」をダブル揃いにするためのダブルフラグをオンにする。
【0105】
そして、演出制御手段334は、準備期間において当選種別「白7揃いリプレイ」が当選したときにダブルフラグがオンでない場合、図14(a)に示すナビ抽選テーブル(ダブルフラグオフ時)を選択する。ナビ抽選テーブル(ダブルフラグオフ時)によれば、今回のセットの継続遊技数が30回である場合には100%の確率でシングル揃いが決定され、今回のセットの継続遊技数が100回である場合には30%の確率でシングル揃いが決定され、70%の確率でダブル揃いが決定される。
【0106】
一方、演出制御手段334は、準備期間において当選種別「白7揃いリプレイ」が当選したときにダブルフラグがオンである場合、図14(b)に示すナビ抽選テーブル(ダブルフラグオン時)を選択する。ナビ抽選テーブル(ダブルフラグオン時)によれば、100%の確率でダブル揃いが決定される。
【0107】
このように、今回のセットの継続遊技数が100回であることを遊技者が既に知り得ている場合には、図柄「白7A」または図柄「白7B」をダブル揃いにするようにサブ補助演出を行うことで、図柄「白7A」または図柄「白7B」をシングル揃いにすることを防止でき(シングル揃いを不実行にし)、演出効果を向上することができる。
【0108】
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0109】
(主制御基板200のメイン処理)
図15は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0110】
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、各リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cのRAMクリアは行われない。
【0111】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0112】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、状態制御手段312は、AT演出状態において、当選種別抽選により指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別が当選した場合に、当選した指示機能抽選可当選種別または有利区間抽選可当選種別に基づいてセット数を上乗せする上乗せ抽選を行う。また、コマンド送信手段314は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)、遊技状態、演出状態、有利区間に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。かかる抽選処理S300は後程詳述する。
【0113】
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0114】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応するリール(左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド送信手段314は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
【0115】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態制御手段312は、内部中遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。また、状態制御手段312は、AT通常状態において今回のセットの遊技が開始されると、そのセットの遊技数をカウントし、カウントした遊技数が今回のセットの継続遊技数に到達すると、セット数がストックされている場合には次回のセットを開始させるための準備期間に移行させ、セット数がストックされていない場合には非AT演出状態に移行させる。
【0116】
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態制御手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態を非RT遊技状態に移行させ、その遊技状態に対応する当選種別抽選テーブルを設定する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該遊技を終了する。また、コマンド送信手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
【0117】
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
【0118】
(抽選処理S300)
図16は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0119】
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に応じた当選種別抽選テーブルを参照し、スタートスイッチ118の操作に基づき、複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する。
【0120】
(ステップS302)
当選種別抽選手段304は、当選種別抽選により決定された当選種別に当選役「BB」が含まれるか、すなわち、BB内部当選フラグが成立しているか否か判定する。その結果、当選役「BB」が含まれていればステップS303に処理を移し、当選役「BB」が含まれていなければステップS307に処理を移す。
【0121】
(ステップS303)
状態制御手段312は、遊技状態を内部中遊技状態に移行する。
【0122】
(ステップS304)
状態制御手段312は、有利区間抽選に当選していればAT抽選を行い、AT演出状態であれば上乗せ抽選を行う。
【0123】
(ステップS305)
状態制御手段312は、AT抽選に当選したか(所謂初当たりか)否か判定する。その結果、AT抽選に当選していればステップS306に処理を移し、AT抽選に当選していなければステップS307に処理を移す。
【0124】
(ステップS306)
状態制御手段312は、セット目の継続遊技数を30遊技か100遊技か決定する継続遊技数抽選を行う。
【0125】
(ステップS307)
状態制御手段312は、AT通常演出状態における準備期間中であるか否か判定する。その結果、準備期間中であればステップS308に処理を移し、準備期間中でなければ当該抽選処理を終了する。
【0126】
(ステップS308)
状態制御手段312は、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ」が当選したか否か判定する。その結果、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選していればステップS311に処理を移し、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選していなければステップS309に処理を移す。
【0127】
(ステップS309)
状態制御手段312は、今回のセットの継続遊技数が30回であるか否か判定する。その結果、今回のセットの継続遊技数が30回であればステップS310に処理を移し、今回のセットの継続遊技数が30回でなければ当該抽選処理を終了する。
【0128】
(ステップS310)
状態制御手段312は、今回のセットの継続遊技数を100回に変更するための昇格抽選を行い、当該抽選処理を終了する。ここで、昇格抽選に当選した場合には、状態制御手段312は、今回のセットの継続遊技数を100回に変更する。
【0129】
(ステップS311)
状態制御手段312は、次回のセットの継続遊技数を決定するための継続遊技数抽選を行う。
【0130】
(ステップS312)
状態制御手段312は、今回のセットの遊技数のカウントを開始し、当該抽選処理を終了する。
【0131】
(副制御基板202のサブ処理)
図17は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。
【0132】
(ステップS1100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
【0133】
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
【0134】
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。かかるコマンド受信処理S1300は後程詳述する。
【0135】
(ステップS1400)
演出制御手段334は、演出スイッチ122の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
【0136】
(ステップS1500)
演出制御手段334は、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示部124の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
【0137】
(コマンド受信処理S1300)
図18は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0138】
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
【0139】
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
【0140】
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
【0141】
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。かかる演出決定処理S1304は後程詳述する。
【0142】
(ステップS1305)
次に、演出制御手段334は、決定した演出を実行開始する。例えば、決定した演出がサブ補助演出であれば、演出制御手段334は、当該補助演出をタイムテーブルに設定する。
【0143】
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1308に処理を移す。
【0144】
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。
【0145】
(ステップS1308)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1310に処理を移す。
【0146】
(ステップS1309)
上記ステップS1308において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該入賞コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定する。
【0147】
(ステップS1310)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1311に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
【0148】
(ステップS1311)
上記ステップS1310において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該払出コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136の数値が更新される。
【0149】
(演出決定処理S1304)
図19は、上記ステップS1304の演出決定処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0150】
(ステップS1304-1)
まず、演出制御手段334は、AT通常演出状態における今回のセットの残り遊技数が5遊技であるか否か判定する。その結果、今回のセットの残り遊技数が5遊技であればステップS1304-2に処理を移し、今回のセットの残り遊技数が5遊技でなければステップS1304-5に処理を移す。
【0151】
(ステップS1304-2)
演出制御手段334は、図11(e)に示したジャッジ演出抽選テーブルを参照して、セット数のストックの有無、および、次回のセットの継続遊技数に基づいて、ジャッジ演出の実行パターン(勝利パターン、敗北パターン、復活パターン)を決定する。
【0152】
(ステップS1304-3)
演出制御手段334は、上記ステップS1304-2において復活パターンが決定されたか否か判定する。その結果、復活パターンが決定されていればステップS1304-4に処理を移し、復活パターンが決定されていなければステップS1304-5に処理を移す。
【0153】
(ステップS1304-4)
演出制御手段334は、ダブルフラグをオンにする。
【0154】
(ステップS1304-5)
演出制御手段334は、AT通常演出状態における準備期間中であるか否か判定する。その結果、準備期間中であればステップS1304-6に処理を移し、準備期間中でなければ当該演出決定処理を終了する。
【0155】
(ステップS1304-6)
演出制御手段334は、当選種別抽選により当選種別「白7揃いリプレイ」が当選したか否か判定する。その結果、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選していればステップS1304-7に処理を移し、当選種別「白7揃いリプレイ」が当選していなければステップS1304-12に処理を移す。
【0156】
(ステップS1304-7)
演出制御手段334は、ダブルフラグがオンであるか否か判定する。その結果、ダブルフラグがオンであればステップS1304-8に処理を移し、ダブルフラグがオンでなければステップS1304-9に処理を移す。
【0157】
(ステップS1304-8)
演出制御手段334は、図14(b)に示したナビ抽選テーブル(ダブルフラグオン時)を選択する。
【0158】
(ステップS1304-9)
演出制御手段334は、ダブルフラグをオフにする。
【0159】
(ステップS1304-10)
演出制御手段334は、図14(a)に示したナビ抽選テーブル(ダブルフラグオフ時)を選択する。
【0160】
(ステップS1304-11)
演出制御手段334は、上記ステップS1304-8または上記ステップS1304-10で選択したナビ抽選テーブルを参照して、図柄「白7A」または図柄「白7B」をシングル揃いにするかダブル揃いにするか、つまり、補助演出の内容(報知する打順)を決定し、当該演出決定処理を終了する。
【0161】
(ステップS1304-12)
演出制御手段334は、ダブルフラグがオンであるか否か判定する。その結果、ダブルフラグがオンであれば当該演出決定処理を終了し、ダブルフラグがオンでなければステップS1304-13に処理を移す。
【0162】
(ステップS1304-13)
演出制御手段334は、昇格抽選に当選したか否か判定する。その結果、昇格抽選に当選していればステップS1304-14に処理を移し、昇格抽選に当選していなければ当該演出決定処理を終了する。
【0163】
(ステップS1304-14)
演出制御手段334は、ダブルフラグをオンにし、当該演出決定処理を終了する。
【0164】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0165】
また、上述した実施形態では、状態制御手段312が、主制御基板200において遊技状態や演出状態を管理する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、状態制御手段312は、副制御基板202において遊技状態や演出状態を管理してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0166】
また、上述した実施形態では、1セットが30回のAT通常演出状態を第1演出状態とし、1セットが100回のAT通常演出状態を第2演出状態としたが、第2演出状態が第1演出状態よりも有利度合いが高ければ、他の演出状態の組み合わせであってもよい。
【0167】
また、上述した実施形態では、当選役「リプレイ11」~「リプレイ14」が当選種別「白7揃いリプレイ」で重複して当選するようにしたが、第2当選役である当選役「リプレイ11」および「リプレイ14」と、第1当選役である当選役「リプレイ12」および「リプレイ13」とが、1つの当選種別に重複している必要はない。例えば、当選役「リプレイ11」および「リプレイ14」が含まれる当選種別と、当選役「リプレイ12」および「リプレイ13」が含まれる当選種別とがそれぞれ別々に設けられるようにしてもよい。この場合、今回のセットの継続遊技数が30回である場合に、当選役「リプレイ12」および「リプレイ13」が含まれる当選種別が当選すると、演出制御手段334は、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」が優先的に入賞する打順をサブ補助演出により報知する。また、今回のセットの継続遊技数が100回である場合に、当選役「リプレイ12」および「リプレイ13」が含まれる当選種別が当選すると、演出制御手段334は、ダブルフラグがオフであれば、例えば30%の確率で、当選役「リプレイ12」または「リプレイ13」が優先的に入賞する打順をサブ補助演出により報知し、ダブルフラグがオンであれば、サブ補助演出を不実行にすればよい。
【0168】
また、当選役「リプレイ11」~「リプレイ14」が重複して含まれる当選種別と、当選役「リプレイ11」および「リプレイ14」が含まれる当選種別と、当選役「リプレイ12」および「リプレイ13」が含まれる当選種別とがそれぞれ別々に設けられるようにしてもよい。
【0169】
また、上述した実施形態では、サブ補助演出として、ストップスイッチ120a、120b、120cの打順を指示するようにしたが、特定の図柄を停止させるように指示してもよい。
【0170】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0171】
100 スロットマシン(遊技機)
110a、110b、110c リール
116 ベットスイッチ
118 スタートスイッチ
120 ストップスイッチ
302 ベット手段
304 当選種別抽選手段
306 リール制御手段
310 払出制御手段
312 状態制御手段
334 演出制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19