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特許7070916表示パネル、表示装置及び表示パネルを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】表示パネル、表示装置及び表示パネルを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220511BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220511BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220511BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220511BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220511BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20220511BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220511BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G02F1/1335
G09F9/00 338
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/14 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018564227
(86)(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2017115083
(87)【国際公開番号】W WO2019109316
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 リーチアン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/142183(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/110721(WO,A1)
【文献】特開2015-014793(JP,A)
【文献】特開2015-087474(JP,A)
【文献】特開2017-174811(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106405723(CN,A)
【文献】特開2010-134345(JP,A)
【文献】特開2012-118223(JP,A)
【文献】特開2017-084776(JP,A)
【文献】特開2017-120894(JP,A)
【文献】特開2014-197179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00
9/30-9/46
G02F1/1335-1/13363
H01L27/32
H05B33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルであって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置し且つ互いに分離された複数の光拡散器を含む光拡散層と
を含み、
前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する光拡散層の領域の外に出射し、
複数のサブピクセルの前記アレイは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列され、
前記表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な方向に沿って延在し、
前記複数の光拡散器は、前記輪郭に沿っていることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記複数の光拡散器の各々は、一体化された第1部分と、第2部分とを含み、
前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つの前記ベース基板上の投影と少なくとも部分的に重なり、
前記第2部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサ
ブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影の外側に延出され、
前記複数の光拡散器の各々の前記第1部分は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記第2部分から前記複数の光拡散器の各々の外に出射することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに沿った複数のサブピクセルは、鋸歯状の外輪郭線を形成し、
前記少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに最も近い複数の光拡散器は、実質的に滑らかな外輪郭線を形成することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に滑らかに湾曲した輪郭線であることを特徴とする請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に直線であることを特徴とする請求項3に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影と実質的に重なることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記複数の光拡散器の各々の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち単一のサブピクセルの前記ベース基板上の投影と部分的に重なることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記光拡散層は、実質的に透明な本体と、前記本体中に分散された光拡散剤とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記本体は、ポリマー材料を含み、
前記光拡散剤は、複数の光拡散粒子を含むことを特徴とする請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記複数の光拡散粒子は、酸化ケイ素、ポリエチレンプロピレン及びシリコーン樹脂のうち一つ又はその組み合わせで作られており、
前記本体は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルのうち一つ又はその組み合わせで作られていることを特徴とする請求項9記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示パネルは、複数の有機発光ダイオードを含む有機発光ダイオード表示パネルであることを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
【請求項12】
前記複数の有機発光ダイオードを封止した封止層を更に含み、
前記光拡散層は、前記封止層の前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記封止層と接触することを特徴とする請求項11記載の表示パネル。
【請求項13】
前記複数の有機発光ダイオードを封止した封止層と前記封止層の前記ベース基板から遠い側に位置する光学透明樹脂層とを更に含み、
前記光拡散層は、前記光学透明樹脂層の前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記光学透明樹脂層と接触することを特徴とする請求項11に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記複数の有機発光ダイオードを封止した封止層と、前記封止層の前記ベース基板から遠い側に位置する光学透明樹脂層と、前記光学透明樹脂層の前記ベース基板から遠い側に位置するカバーガラスとを更に含み、
前記光拡散層は、前記カバーガラスの前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記カバーガラスと接触することを特徴とする請求項11に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
【請求項16】
前記表示パネルの輪郭は、円形の一部、又は弧形の一部、又は多角形の一部を含むことを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項18】
前記表示装置は、スマートウォッチであることを特徴とする請求項17記載の表示装置。
【請求項19】
表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルを製造する方法であって、
ベース基板上に複数の光拡散器を有する光拡散層を形成するステップを含み、
前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように形成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する光拡散層の領域の外に出射し、
複数のサブピクセルの前記アレイは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列され、
前記表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な方向に沿って延在し、
前記複数の光拡散器は、前記輪郭に沿っていることを特徴とする表示パネルを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特に、表示パネル、表示装置及び表示パネルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示(LCD)パネル及び有機発光ダイオード表示(OLED)パネルのような表示パネルは、広く使われている。近年、前記表示パネルは、様々な形状、例えば、円形、多角形及び三角形に製作されている。
【発明の概要】
【0003】
1つの態様では、本発明は、表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルであって、ベース基板と、前記ベース基板上に位置し且つ互いに分離された複数の光拡散器を含む光拡散層とを含み、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する領域の外に出射する、表示パネルを提供する。
【0004】
選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、一体化された第1部分と、第2部分とを含み、前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つの前記ベース基板上の投影と少なくとも部分的に重なり、前記第2部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影の外側に延出され、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記第2部分から前記複数の光拡散器の各々の外に出射する。
【0005】
選択可能に、少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに沿った複数のサブピクセルは、鋸歯状の外輪郭線を形成し、前記少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに最も近い複数の光拡散器は、実質的に滑らかな外輪郭線を形成する。
【0006】
選択可能に、前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に滑らかに湾曲した輪郭線である。
【0007】
選択可能に、前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に直線である。
【0008】
選択可能に、前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影と実質的に重なる。
【0009】
選択可能に、前記複数の光拡散器の各々の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち単一のサブピクセルの前記ベース基板上の投影と部分的に重なる。
【0010】
選択可能に、前記光拡散層は、実質的に透明な本体と、前記本体中に分散された光拡散剤とを含む。
【0011】
選択可能に、前記本体は、ポリマー材料を含み、前記光拡散剤は、複数の光拡散粒子を含む。
【0012】
選択可能に、前記複数の光拡散粒子は、酸化ケイ素、ポリエチレンプロピレン及びシリコーン樹脂のうち一つ又はその組み合わせで作られており、前記本体は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルのうち一つ又はその組み合わせで作られている。
【0013】
選択可能に、前記表示パネルは、複数の有機発光ダイオードを含む有機発光ダイオード表示パネルである。
【0014】
選択可能に、前記表示パネルは、前記複数の有機発光ダイオードを封止した封止層を更に含み、前記光拡散層は、前記封止層の前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記封止層と接触する。
【0015】
選択可能に、前記表示パネルは、前記封止層の前記ベース基板から遠い側に位置する光学透明樹脂層を更に含み、前記光拡散層は、前記光学透明樹脂層の前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記光学透明樹脂層と接触する。
【0016】
選択可能に、前記表示パネルは、前記光学透明樹脂層の前記ベース基板から遠い側に位置するカバーガラスを更に含み、前記光拡散層は、前記カバーガラスの前記ベース基板から遠い側に位置し、且つ前記カバーガラスと接触する。
【0017】
選択可能に、前記表示パネルは、液晶表示パネルである。
【0018】
選択可能に、複数のサブピクセルの前記アレイは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列され、前記表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な方向に沿って延在し、前記複数の光拡散器は、前記輪郭に沿っている。
【0019】
選択可能に、前記表示パネルの輪郭は、円形の一部、又は弧形の一部、又は多角形の一部を含む。
【0020】
別の態様では、本発明は、本案に記載される表示パネル又は本案に記載される方法により製造される表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0021】
選択可能に、前記表示装置は、スマートウォッチである。
【0022】
別の態様では、本発明は、表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルを製造する方法であって、ベース基板上に複数の光拡散器を有する光拡散層を形成するステップを含み、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように形成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する領域の外に出射する、表示パネルを製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の図面は、単に開示された様々な実施例に係る説明を目的とした例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0024】
図1】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。
【0025】
図2】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。
【0026】
図3】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。
【0027】
図4】本開示に係る幾つかの実施例における光拡散器の構造を示す図面である。
【0028】
図5図3におけるA-A’線に沿った表示パネルの断面図である。
【0029】
図6】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。
【0030】
図7】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。
【0031】
図8】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。
【0032】
図9】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。
【0033】
図10】本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、以下の実施例を参照しながら本開示をより具体的に記述する。注意すべきことは、幾つかの実施例に対する以下の説明は、単に例示及び説明の目的で本文に提示される。これは、網羅的であること、又は開示された正確な形式に限定されることを意図するものではない。
【0035】
図1は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。図1を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、輪郭O1を有する。前記表示パネルの輪郭O1は、円形又は弧形の少なくともの一部を含む。さらに、前記表示パネルは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列された複数のサブピクセルSのアレイを含む。図1に示すように、前記表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に平行でなく且つ第2方向に平行でない方向に沿って延在する。その結果、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセル(図1において、サブピクセルS1と注釈付け)は、鋸歯状の外輪郭線C1(点線で描画)を形成する。サブピクセルS1は、複数のサブピクセルSの部分集合である。
【0036】
図2は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。図2を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、多角形形状の輪郭O3を有する。表示パネルの輪郭O3は、前記第1方向に平行でなく且つ第2方向に平行でない少なくとも一部(例えば、右隅に位置する部分)を含む。その結果、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセル(図2において、サブピクセルS1と注釈付け)は、鋸歯状の外輪郭線C3(点線で描画)を形成する。サブピクセルS1は、複数のサブピクセルSの部分集合である。
【0037】
本文に使用されるように、用語「表示区域」とは、表示パネル又は表示基板の実際に画像を表示する区域を指す。選択可能に、前記表示区域は、サブピクセル領域とサブピクセル間領域の両方を含むことが可能である。サブピクセル領域とは、液晶ディスプレイにおけるピクセル電極に対応する領域又は有機発光ディスプレイにおける発光層に対応する領域のようなサブピクセルの発光領域を指す。サブピクセル間領域とは、液晶ディスプレイにおけるブラックマトリクスに対応する領域又は有機発光ディスプレイにおけるピクセル定義層に対応する領域のような隣接するサブピクセル領域間の領域を指す。選択可能に、前記サブピクセル間領域は、同一ピクセル内の隣接するサブピクセル領域間の領域である。選択可能に、前記サブピクセル間領域は、隣接する二つのピクセルからの隣接する二つのサブピクセル領域間の領域である。一例において、図1及び図2での表示パネルにおける表示区域は、鋸歯状の外輪郭線C1又は鋸歯状の外輪郭線C3で囲まれた区域を含む。
【0038】
鋸歯状の外輪郭線は、表示品質に深刻な影響を与える。例えば、表示パネル上で表示される画像は、ギザギザのエッジを有するように現われる。なお、表示区域のエッジに最も近いサブピクセルS1は、色の歪みを持って画像を表示することが多い。
【0039】
従って、本開示は、とりわけ、関連技術の限界及び弱点による一つ又は複数の問題点を実質的に回避する表示パネル、表示装置及び表示パネルを製造する方法を提供する。1つの態様では、本開示は、表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルを提供する。幾つかの実施例において、前記表示パネルは、ベース基板と、前記ベース基板上に位置し且つ互いに分離された複数の光拡散器を含む光拡散層とを含む。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する領域の外に出射する。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、一体化された第1部分と、第2部分とを含む。選択可能に、前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つの前記ベース基板上の投影と少なくとも部分的に重なる。選択可能に、前記第2部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影の外側に延出される。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記第2部分から前記複数の光拡散器の各々の外に出射する。
【0040】
図3は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。図3を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、光拡散層20を含む。光拡散層20は、複数の光拡散器Dを含む。複数の光拡散器Dの各々は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち一つから発する光を拡散するように構成される。拡散された光の一部は、複数の光拡散器Dの各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち前記一つに対応する領域の外に出射する。例えば、拡散された光の一部は、複数の光拡散器Dの各々から複数のサブピクセルSにより形成される外輪郭線で囲まれた領域の外に出射する。本表示パネルは、表示パネルにおいて表示される画像におけるギザギザのエッジの問題及び表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1により表示される不正確な色の問題を回避する。本表示パネル上で表示される画像は、実質的に滑らかなエッジ及びトゥルーカラーを有するように現われる。
【0041】
図4は、本開示に係る幾つかの実施例における光拡散器の構造を示す図面である。図5は、図3におけるA-A’線に沿った表示パネルの断面図である。図4及び図5を参照すると、複数の光拡散器Dの各々は、一体化された第1部分D1と、第2部分D2とを含む。第1部分D1のベース基板10上の投影は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち一つのベース基板10上の投影と少なくとも部分的に重なる。一例において、図3及び図4に示すように、第1部分D1のベース基板10上の投影は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち一つのベース基板10上の投影と実質的に重なる。
【0042】
図3及び図5を参照すると、幾つかの実施例において、複数の光拡散器Dの各々のベース基板10上の投影は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち単一(即ち、たった一つ)のサブピクセルのベース基板10上の投影と部分的に重なる。選択可能に、複数の光拡散器Dの各々の面積は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち対応する単一のサブピクセルの面積より大きい。選択可能に、複数のサブピクセルSのアレイは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列される。選択可能に、複数のサブピクセルSの各々の各辺(例えば、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1の各々の各辺)は、前記第1方向及び前記第2方向のうち一つに平行である。選択可能に、複数の光拡散器Dの各々の少なくとも一つの辺は、前記第1方向に平行でなく且つ前記第2方向に平行でない。
【0043】
図3及び図5を参照すると、幾つかの実施例において、第2部分D2のベース基板10上の投影は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち一つのベース基板10上の投影の外側に延出される。表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1の各々から発する光は、複数の光拡散器Dのうち対応する一つに、具体的には、複数の光拡散器Dのうち対応する一つの第1部分D1に入射する。複数の光拡散器Dの各々は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1のうち一つから発する光を拡散するように構成される。図5に示すように、拡散された光の一部は、第2部分D2から複数の光拡散器Dの各々の外に出射する。この構造により、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1の各々の区域を効果的に拡大する。表示区域を、複数の光拡散器Dに対応する区域を含むように増大させる。
【0044】
図6は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。図1を参照すると、幾つかの実施例において、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに沿った複数のサブピクセルS(例えば、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1)は、鋸歯状の外輪郭線C1を形成する。図6を参照すると、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに最も近い複数の光拡散器Dは、実質的に滑らかな外輪郭線C2、例えば、図6に示すような実質的に滑らかに湾曲した輪郭線を形成する。幾つかの実施例において、図6に示すように、実質的に滑らかな外輪郭線C2は、表示区域の輪郭O2と実質的に重なる。図6において、表示区域は、表示パネルの実際に画像を表示する区域であり、該区域は、複数の光拡散器Dによって占められる区域を含む。
【0045】
図7は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの一部を示す図面である。図2を参照すると、幾つかの実施例において、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに沿った複数のサブピクセルS(例えば、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルS1)は、鋸歯状の外輪郭線C3を形成する。図7を参照すると、幾つかの実施例において、少なくとも第1領域における表示区域のエッジに最も近い複数の光拡散器Dは、実質的に滑らかな外輪郭線C4を形成する。図7に示すように、実質的に滑らかな外輪郭線C4は、実質的に直線である。幾つかの実施例において、図7に示すように、実質的に滑らかな外輪郭線C4は、実質的に表示区域の輪郭O4と重なる。図7において、表示区域は、表示パネルの実際に画像を表示する区域であり、該区域は、複数の光拡散器Dによって占められる区域を含む。
【0046】
従って、本開示は、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列される複数のサブピクセルのアレイを有する表示パネルを提供する。幾つかの実施例において、表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な方向に沿って延在する。選択可能に、前記複数の光拡散器は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な輪郭に沿って配置される。前記複数の光拡散器は、実質的に滑らかな外輪郭線を形成する。選択可能に、前記複数の光拡散器により形成される実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に表示パネルの輪郭と重なる。
【0047】
表示パネルは、各種の適切な形状を有することが可能である。選択可能に、表示パネルの形状は、非矩形及び非正方形である。選択可能に、表示パネルの輪郭は、円形の一部を含む。一例において、表示パネルは、円形の表示パネルである。選択可能に、表示パネルの輪郭は、弧形の一部を含む。選択可能に、表示パネルの輪郭は、多角形の一部、例えば、五角形、六角形、八角形等の一部を含む。
【0048】
各種の適切な光拡散材料が光拡散層を製作するために用いられることが可能である。光拡散層を製造する例示的な方法は、マット処理と、ビード処理とを含む。一例において、ある層(例えば、ポリマー層)に対してマット処理を施して該層にヘイズを付与する。選択可能に、光拡散層は、少なくとも20%、例えば、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%のヘイズレベルを有する。別の例において、該層(例えば、ポリマー層)は、ビード処理を受けて光拡散機能を増進する。
【0049】
幾つかの実施例において、光拡散層は、実質的に透明な本体と、前記本体中に分散された光拡散剤とを含む。選択可能に、前記本体は、ポリマー材料を含む。選択可能に、前記光拡散剤は、複数の光拡散粒子(例えば、ビーズ)を含む。前記光拡散剤は、ポリマーを含むことが可能である。選択可能に、前記光拡散剤は、無機材料を含む。選択可能に、前記光拡散剤は、酸化ケイ素、ポリエチレンプロピレン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、酸化チタン(IV)(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BASO)、硫酸カルシウム(CaSO)、炭酸マグネシウム(MgCO)及び水酸化アルミニウム(Al(OH))のうち一つ又はその組み合わせで作られている。
【0050】
幾つかの実施例において、前記本体は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルのようなポリマー材料のうち一つ又はその組合せで作られている。
【0051】
選択可能に、前記表示パネルは、液晶表示パネルである。
【0052】
選択可能に、前記表示パネルは、複数の有機発光ダイオードを含む有機発光ダイオード表示パネルである。
【0053】
図8は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。図8を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、ベース基板10上に位置する複数の有機発光ダイオード30と、複数の有機発光ダイオード30のベース基板10から遠い側に位置する封止層40と、封止層40のベース基板10から遠い側に位置する光拡散層20とを含む。選択可能に、光拡散層20は、封止層40と接触する。
【0054】
図9は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。図9を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、ベース基板10上に位置する複数の有機発光ダイオード30と、複数の有機発光ダイオード30のベース基板10から遠い側に位置する封止層40と、封止層40のベース基板10から遠い側に位置する光学透明樹脂層50と、光学透明樹脂50のベース基板10から遠い側に位置する光拡散層20とを含む。選択可能に、光拡散層20は、光学透明樹脂層50と接触する。
【0055】
図10は、本開示に係る幾つかの実施例における表示パネルの構造を示す図面である。図10を参照すると、幾つかの実施例における表示パネルは、ベース基板10上に位置する複数の有機発光ダイオード30と、複数の有機発光ダイオード30のベース基板10から遠い側に位置する封止層40と、封止層40のベース基板10から遠い側に位置する光学透明樹脂層50と、光学透明樹脂層50のベース基板10から遠い側に位置するカバーガラス60と、カバーガラス60のベース基板10から遠い側に位置する光拡散層20とを含む。選択可能に、光拡散層20は、カバーガラス60と接触する。
【0056】
別の態様では、本開示は、表示区域と、前記表示区域内に位置する複数のサブピクセルのアレイとを有する表示パネルを製造する方法を提供する。幾つかの実施例において、前記方法は、ベース基板上に光拡散層を形成するステップを含む。前記光拡散層は、互いに分離された複数の光拡散器を含むように形成される。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つから発する光を拡散するように形成され、拡散された光の一部は、前記複数の光拡散器の各々から前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つに対応する領域の外に出射する。
【0057】
幾つかの実施例において、前記複数の光拡散器の各々は、一体化された第1部分と、第2部分とを含むように形成される。選択可能に、前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち一つの前記ベース基板上の投影と少なくとも部分的に重なる。選択可能に、前記第1部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影と実質的に重なる。選択可能に、前記第2部分の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つの前記ベース基板上の投影の外側に延出される。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち前記一つから発する光を拡散するように構成され、拡散された光の一部は、前記第2部分から前記複数の光拡散器の各々の外に出射する。選択可能に、前記複数の光拡散器の各々の前記ベース基板上の投影は、前記表示区域のエッジに最も近い複数のサブピクセルのうち単一のサブピクセルの前記ベース基板上の投影と部分的に重なる。
【0058】
幾つかの実施例において、少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに沿った複数のサブピクセルは、鋸歯状の外輪郭線を形成する。選択可能に、光拡散層は、前記少なくとも第1領域における前記表示区域のエッジに最も近い複数の光拡散器が実質的に滑らかな外輪郭線を形成するように形成される。選択可能に、前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に滑らかに湾曲した輪郭線である。選択可能に、前記実質的に滑らかな外輪郭線は、実質的に直線である。
【0059】
幾つかの実施例において、複数のサブピクセルの前記アレイは、実質的に第1方向及び第2方向に沿って配列される。選択可能に、表示パネルの輪郭の少なくとも一部は、前記第1方向に非平行であり且つ前記第2方向に非平行な方向に沿って延在する。選択可能に、前記複数の光拡散器は、前記輪郭に沿って配置されるように形成される。選択可能に、表示パネルの輪郭は、円形の一部を含む。選択可能に、表示パネルの輪郭は、弧形の一部を含む。選択可能に、表示パネルの輪郭は、多角形の一部を含む。
【0060】
別の態様では、本開示は、本案に記載される表示パネル又は本案に記載される方法により製造される表示パネルを有する表示装置を提供する。選択可能に、前記表示装置は、液晶表示装置である。選択可能に、前記表示装置は、有機発光ダイオード表示装置である。適切な表示装置の例は、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートパソコン、電子アルバム、GPS等を含むが、これらに限定されない。一例において、前記表示装置は、スマートウォッチである。
【0061】
本発明の実施例の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。これは、網羅的であること、或いは本発明を開示された正確な形式又は開示された例示的な実施例に限定することを意図したものではない。従って、前述の説明は、限定的なものではなく、説明的なものと見なされるべきである。明らかに、当業者にとって、多様な修正及び変更は自明なものとなる。本実施例は、本発明の原理及びその最適形態の実用的な適用を説明するために選択及び記載され、これにより、当業者は、本発明の特定用途又は意図される実施例に適した様々な実施例及び様々な変形を理解できるようになる。本発明の範囲は、ここに添付される特許請求の範囲及びその均等物により定義されることが意図されており、その中で、すべての用語は、特に明記しない限り、その最も広い合理的な意味で使われる。従って、「発明」、「本発明」等の用語は、必ずしも特許請求の範囲を具体的な実施例に限定するものではなく、本発明の例示的な実施例に対する言及は、本発明に対する限定を意味するものではなく、且つこのような限定が推論されるべきではない。本発明は、添付された請求項の範囲の精神及び範囲のみにより限定される。なお、これらの請求項は、名詞又は要素の前に「第1」、「第2」等の用語を使用する場合に適用されることが可能である。このような用語は、命名法として理解されるべきであり、既に具体的な数量が与えられていない限り、このような命名法により修飾される要素の数量に対する限定として解釈されるべきではない。記載された効果及び利点が本発明のすべての実施例に適用されるわけではない。理解すべきことは、当業者は、以下の請求項により限定される本発明の範囲を逸脱せずに、記載された実施例に対する変形を行うことができる。なお、本開示におけるいかなる要素及び構成部品は、該要素又は構成部品が以下の請求項に明示的に列挙されているか否かを問わず、公衆に貢献することを意図するものではない。
図1
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図7
図8
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図10