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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】太陽電池のホイルベースの金属被覆法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20220511BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20220511BHJP
【FI】
H01L31/04 260
H01L31/06 300
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020009794
(22)【出願日】2020-01-24
(62)【分割の表示】P 2016554606の分割
【原出願日】2015-03-24
(65)【公開番号】P2020098914
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-02-07
(31)【優先権主張番号】14/229,716
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(73)【特許権者】
【識別番号】516255873
【氏名又は名称】トータル マーケティング サービスィズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハーレイ、ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】テソク、キム
(72)【発明者】
【氏名】セウェル、リチャード、ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】モーズ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スミス、デイヴィッド、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】モールス、マティユ
(72)【発明者】
【氏名】モシュナー、イェンス-ディルク
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/023668(WO,A1)
【文献】特表2013-513966(JP,A)
【文献】特開2014-056918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0112233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の面の上方の複数の半導体領域であって、前記複数の半導体領域のそれぞれは、第1の複数の領域のうち対応する領域によって互いから分離される、複数の半導体領域と、
前記複数の半導体領域の上方の複数の金属ホイル部分であって、前記複数の金属ホイル部分は前記複数の半導体領域と電気的に接続され、前記複数の金属ホイル部分のそれぞれは、前記複数の半導体領域のそれぞれに対応し、前記複数の金属ホイル部分のそれぞれは、第2の複数の領域のうち対応する領域によって互いから分離されつつ互いに結合され、前記第2の複数の領域は、前記基板の前記面の上方で前記第1の複数の領域と実質的に位置合わせされている、複数の金属ホイル部分と、
を備える太陽電池であって、
前記複数の半導体領域上に複数の金属シード材料領域を更に備え、前記複数の金属シード材料領域のそれぞれは、前記複数の半導体領域のそれぞれに対応し、前記複数の金属ホイル部分は前記複数の金属シード材料領域上にあり、前記複数の金属ホイル部分のそれぞれは、前記複数の金属シード材料領域のそれぞれに対応し、
前記複数の金属シード材料領域のそれぞれは、上方に凸状であり、前記複数の金属ホイル部分のそれぞれに点溶接されている、太陽電池。
【請求項2】
前記複数の金属ホイル部分は複数のアルミニウムホイル部分である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記複数の金属シード材料領域はアルミニウムを含む、請求項又はに記載の太陽電池。
【請求項4】
前記複数の金属ホイル部分の外面の少なくとも一部が陽極酸化されている、請求項1からの何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記複数の金属ホイル部分の全ての露出した外面が陽極酸化されている、請求項に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記複数の金属ホイル部分の露出した外面は陽極酸化されていない、請求項1からの何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記複数の半導体領域は多結晶シリコンを含む、請求項1からの何れか一項に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は再生可能エネルギーの分野におけるものであり、特に、太陽電池のホイルベースの金属被覆法のための手法、及びその結果もたらされる太陽電池を含む。
【背景技術】
【0002】
太陽電池として公知の光起電力電池は、太陽放射を電気エネルギーに直接変換するためのデバイスとして周知である。一般に、太陽電池は、半導体処理技術を使用して半導体ウエハ上又は基板上に作製され、基板の表面近くにp-n接合が形成される。基板の表面に衝突し、基板内に入射する太陽放射によって、基板のバルク内に電子-正孔対が生じる。電子-正孔対は、基板内のpドープ領域及びnドープ領域に移動し、これによって、ドープ領域の間に電位差を発生させる。ドープ領域は、太陽電池の導電性領域に接続され、電流を太陽電池からそれと結合された外部回路へと方向付ける。
【0003】
効率は、太陽電池の発電能力に直接関係するために、太陽電池の重要な特性である。同様に、太陽電池を生産する上での効率は、このような太陽電池の費用効果に直接関係する。したがって、太陽電池の効率を向上させるための技術、又は太陽電池の製造における効率を向上させるための技術が、一般的に望ましい。本開示のいくつかの実施形態は、太陽電池構造体を製造するための新規なプロセスを提供することによって、太陽電池の製造効率の向上を可能にする。本開示のいくつかの実施形態は、新規な太陽電池構造体を提供することによって、太陽電池の効率向上を可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Eは、本開示の実施形態による、ホイルベースの金属被覆法を使用した、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。
【0005】
図1A】太陽電池の基板の背面の一部の上方に形成されたエミッタ領域上に任意の金属シード領域を形成した後の太陽電池製造の段階を例示している。
【0006】
図1B】保護層を任意に形成した後の、図1Aの構造を例示している。
【0007】
図1C】金属ホイルを、その背面に接着した後の、図1Bの構造を例示している。
【0008】
図1D】金属ホイルにレーザーによる溝を形成した後の、図1Cの構造を例示している。
【0009】
図1E】金属ホイルの露出表面を陽極酸化させた後の、図1Dの構造を例示している。
【0010】
図2】本開示の実施形態による、図1A図1Eに対応する太陽電池の製造方法における工程を列挙したフローチャートである。
【0011】
図3A図3Cは、本開示の別の実施形態による、ホイルベースの金属被覆法を使用した、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。
【0012】
図3A】太陽電池の基板の背面の一部の上方に形成されたエミッタ領域上に形成された上記の任意の金属シード領域の上方に陽極酸化させた金属ホイルを配置することを含む、太陽電池製造の段階を例示している。
【0013】
図3B】陽極酸化させた金属ホイルを、その背面に溶接した後の、図3Aの構造を例示している。
【0014】
図3C】陽極酸化させた金属ホイルにレーザーによる溝を形成した後の、図3Bの構造を例示している。
【0015】
図4】本開示の実施形態による図3A図3Cに対応する太陽電池の製造方法における工程を列挙したフローチャートである。
【0016】
図5】本開示の別の実施形態による、陽極酸化させたホイルベースの金属被覆法を使用した、別の太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。
【0017】
図6A】本開示の実施形態による、基板内に形成されたエミッタ領域上に形成されたホイルベースコンタクト構造を有する太陽電池の一部の断面図を例示する。
【0018】
図6B】本開示の実施形態による、基板内に形成されたエミッタ領域上に形成される陽極酸化させたホイルベースコンタクト構造を有する太陽電池の一部の断面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の発明を実施するための形態は、本質的には、単なる例示に過ぎず、本主題の実施形態、あるいは、かかる実施形態の応用及び用途を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、「例示の」という語は、「例、事例、実例として機能すること」を意味する。本明細書で例示として説明される任意の実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解釈すべきではない。更には、前述の技術分野、背景技術、概要、若しくは以下の発明を実施するための形態で提示される、明示又は示唆されるいずれの理論によっても、拘束されることを意図するものではない。
【0020】
本明細書は、「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及を含む。「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の出現は、必ずしも、同じ実施形態を指すものではない。特定の機構、構造、又は特性を、本開示に合わせた任意の好適な方式で組み合わせることができる。
【0021】
用語。以下のパラグラフは、本開示(添付の請求項を含む)で見出される用語に関する、定義及び/又はコンテキストを提供する。
【0022】
「備える」。この用語は、オープンエンド型である。添付の請求項で使用されるとき、この用語は、更なる構造又は工程を排除するものではない。
【0023】
「~ように構成された」。様々なユニット又は構成要素は、1又は複数のタスクを実行する「ように構成された」として、説明又は特許請求される場合がある。そのようなコンテキストでは、「~ように構成された」は、それらのユニット/構成要素が、動作中にこの1又は複数のタスクを実行する構造を含むことを示すことによって、その構造を含意するために使用される。それゆえ、それらのユニット/構成要素は、指定のユニット/構成要素が現時点で動作可能ではない(例えば、オン/アクティブではない)場合であっても、そのタスクを実行するように構成されていると言うことができる。ユニット/回路/構成要素が、1又は複数のタスクを実行する「ように構成された」と記載することは、そのユニット/構成要素に関して、米国特許法第112条第6項が適用されないことを、明示的に意図するものである。
【0024】
「第1の」、「第2の」など。本明細書で使用するとき、これらの用語は、それらが前に置かれる名詞に関する指標として使用されるものであり、いかなるタイプの(例えば、空間的、時間的、論理的などの)順序付けを暗示するものではない。例えば、「第1の」太陽電池への言及は、この太陽電池が順序において最初の太陽電池であることを必ずしも意味するものではなく、その代わりに、用語「第1の」は、この太陽電池を別の太陽電池(例えば、「第2の」太陽電池)から区別するために使用される。
【0025】
「結合された」-以下の説明は、素子又はノード又は機構が一体に「結合された」ことについて言及する。本明細書で使用するとき、明示的に別段の定めがある場合を除き、「結合された」とは、1つの素子/ノード/機構が、別の素子/ノード/機構に、直接的又は間接的に連結される(又は、直接的若しくは間接的に連通する)ことを意味するものであり、これは、必ずしも機械的なものではない。
【0026】
更には、特定の用語法もまた、参照のみを目的として、以下の説明で使用される場合があり、それゆえ、それらの用語法は、限定的であることを意図するものではない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、及び「下方」などの用語は、参照される図面内での方向を指す。「前部」、「後方」、「後部」、「側部」、「外側」、及び「内側」などの用語は、論考中の構成要素を説明するテキスト及び関連図面を参照することによって明確にされる、一貫性はあるが任意の基準系の範囲内での、構成要素の諸部分の向き及び/又は位置を説明するものである。そのような用語法は、具体的に上述された語、それらの派生語、及び類似の意味の語を含み得る。
【0027】
太陽電池の、ホイルベースの金属被覆法の手法、及びその結果もたらされる太陽電池が本明細書において説明される。以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定のプロセスフローの工程などの多数の具体的詳細が説明される。これらの具体的な詳細なしに、本開示の実施形態を実践することができることは、当業者には明らかであろう。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、リソグラフィ及びパターン化技術などの、周知の製造技術は詳細に説明されない。更に、図に示された様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも原寸に比例して描写されたものではないことが理解されるべきである。
【0028】
本明細書においては、太陽電池の製造方法が開示されている。一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、基板内、又は基板の上方に、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。方法はまた、金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程を含む。方法はまた、複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、金属ホイルの一部のみを通じてレーザーアブレーションを行う工程を含む。方法はまた、レーザーアブレーションの後、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する、残りの金属ホイルの領域を絶縁するために、残りの金属ホイルを陽極酸化させる工程を含む。
【0029】
別の実施形態において、太陽電池を製造する方法は、基板内、又は基板の上方に複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。方法はまた、陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程を含み、陽極酸化させた金属ホイルは、陽極酸化させた上面、及び陽極酸化させた下面を有し、その間に金属部分を有している。陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた下面の領域を突き抜ける工程を含む。方法はまた、複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた上面、及び金属部分を通じてレーザーアブレーションする工程を含む。レーザーアブレーションは、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する残りの金属ホイルの領域を絶縁する、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた下面において終了する。
【0030】
太陽電池もまた、本明細書に開示されている。一実施形態では、太陽電池は基板を含む。複数の交互のN型及びP型半導体領域は、基板内、又は基板の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす、複数の金属シード材料領域を含む。金属ホイルは、複数の金属シード材料領域の上に配置されており、金属ホイルは、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する、金属ホイルの金属領域を絶縁する、陽極酸化させた部分を有する。
【0031】
本明細書において説明される1又は複数の実施形態は、太陽電池の金属(アルミニウムなど)陽極酸化ベースの金属被覆法に関する。一実施形態において、交互嵌合バックコンタクト(IBC)太陽電池のためのアルミニウム金属被覆法プロセスが開示されている。一実施形態において、陽極酸化、及びその後のレーザー溝切り手法が開示されている。
【0032】
第1の態様において、レーザー溝切り、及びその後の陽極酸化手法は、コンタクトフィンガーの交互嵌合パターンを形成するために、アルミニウム(Al)ホイル(これは、電池にレーザー溶接されている)のレーザーパターン化、及び陽極酸化に基づいて、IBC太陽電池のための新しい電極パターン化方法を提示する。第1の手法の実施形態は、複雑な位置合わせ、及び/又はマスキングプロセスを避けながら、ウエハの上のAlホイルのパターン化に損傷の生じない方法をもたらすために実施され得る。
【0033】
上記の第1の態様に合わせて、図1A図1Eは、本開示の実施形態による、ホイルベースの金属被覆法を使用した、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。図2は、本開示の実施形態による、図1A図1Eに対応する太陽電池の製造方法における工程を列挙したフローチャートである。
【0034】
図1Aは、太陽電池の基板の背面の一部の上方に形成されたエミッタ領域上に、任意の金属シード領域を形成した後の、太陽電池製造の段階を例示している。図1A、及びフローチャート200の対応する工程202を参照すると、複数の交互のN型及びP型半導体領域が基板の上方に形成されている。特に、基板100は、その上方に配置された複数のN型半導体領域104、及び複数のP型半導体領域106を配置しており、これらは、複数のN型半導体領域104、又は複数のP型半導体領域106それぞれと基板100との間に介在する材料としての、薄い誘電体材料102の上に配置されている。基板100は、背面と反対側の受光面101を有し、その上方に複数のN型半導体領域104、及び複数のP型半導体領域106が形成されている。
【0035】
実施形態では、基板100は単結晶シリコン基板、例えばバルク単結晶のN型ドープシリコン基板である。しかし、基板100は、全体的な太陽電池基板上に設けられた多結晶シリコン層などの層でもよいことが理解されるべきである。実施形態においては、薄い誘電体層102は、約2ナノメートル又はそれより薄い厚さを有するトンネルシリコン酸化物層である。1つのこのような実施形態において、用語「トンネル誘電体層」とは、それを通じて電気伝導が達成され得る、非常に薄い誘電体層を指している。伝導は、誘電体層の薄い部分を通じた、量子トンネル現象及び/又は直接的な物理的接続の小さな領域の存在による場合がある。一実施形態では、トンネル誘電体層は、薄いシリコン酸化物層であるか、又はこれを含む。
【0036】
実施形態において、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106はそれぞれ、例えば、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)プロセスを用いることで形成された多結晶シリコンである。1つのこのような実施形態において、N型多結晶シリコンエミッタ領域104は、リンなどのN型不純物でドープされている。P型多結晶シリコンエミッタ領域106は、ホウ素などのP型不純物でドープされている。図1Aに示されるように、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106は、その間に形成されたトレンチ108を有してもよく、トレンチ108は、一部が基板100内に延びている。加えて、一実施形態において、底部反射防止コーティング(BARC)材料110、又は他の保護層(アモルファスシリコン層など)が、図1Aに示されるように、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106上に形成されている。
【0037】
実施形態において、受光面101は、図1Aに示されるように、テクスチャ化された受光面である。一実施形態において、水酸化物ベースのウェットエッチング液が、やはり図1Aにも示されるように、基板100の受光面101、及び場合によりトレンチ108表面をテクスチャ化するために利用されている。受光面をテクスチャ化するタイミングは変わり得ることが理解されるべきである。例えば、テクスチャ化は、薄い誘電体層102を形成する前又は後に行われてもよい。実施形態において、テクスチャ化された表面は、入射光を散乱させるために規則的又は不規則的な形状の表面を有するものであり、太陽電池の受光面101から反射される光の量を減少させ得る。再び図1Aを参照すると、追加的な実施形態は、受光面101上の、パッシベーション及び/又は反射防止コーティング(ARC)層(層112としてまとめて示される)の形成を含み得る。パッシベーション及び/又はARC層の形成のタイミングも変わり得ることが理解されるべきである。
【0038】
再び図1A、及びここでフローチャート200の対応する任意の工程204を参照すると、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106のそれぞれの上に金属シード材料領域をもたらすために、複数の金属シード材料領域114がそれぞれ形成される。金属シード材料領域114は、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106と直接接触する。
【0039】
実施形態において、金属シード領域114は、アルミニウム領域である。1つのこのような実施形態において、アルミニウム領域はそれぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む。他の実施形態において、金属シード領域114は、限定されないが、ニッケル、銀、コバルト、又はタングステンなどの金属を含む。
【0040】
図1Bは、保護層を任意に形成した後の、図1Aの構造を例示している。特に、図1Bを参照すると、絶縁層116が、複数の金属シード材料領域114の上に形成されている。実施形態において、絶縁層116はシリコン酸窒化材料層の窒化シリコンである。
【0041】
図1Cは、金属ホイルを図1Bの構造の背面に接着した後の、図1Bの構造を例示している。図1C、及びフローチャート200の対応する工程206を参照すると、金属ホイル118は、金属ホイル118の部分を、金属シード材料領域114のそれぞれの対応する部分に直接結合することによって、複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着される。1つのこのような実施形態において、金属ホイル118の部分を、金属シード材料領域114のそれぞれの対応する部分と直接結合する工程は、図1Cに示されているように、このような位置のそれぞれにおいて金属溶接120を形成する工程を含む。別の実施形態において、金属シード領域114の代わりに、この処理段階ではパターン化されていないブランケット金属シード層が使用される。この実施形態において、ブランケット金属シード層は、水酸化物ベースのウェットエッチングプロセスなど、後続のエッチングプロセスでパターン化されてもよい。
【0042】
実施形態において、金属ホイル118は、およそ5~100マイクロメートルの範囲の厚さ、好ましくは、およそ50~100マイクロメートルの範囲の厚さを有する、アルミニウム(Al)ホイルである。一実施形態において、Alホイルは、アルミニウムと、限定されないが、銅、マンガン、シリコン、マグネシウム、亜鉛、スズ、リチウム、又はこれらの組み合わせなどの第2元素とを含むアルミニウム合金ホイルである。一実施形態において、Alホイルは、限定されないが、F等級(製造されたまま)、O等級(最も軟らかい(full soft)、H等級(歪み硬化済み)、又はT等級(熱処理済み)などのテンパー等級ホイルである。
【0043】
実施形態において、金属ホイル118は、限定されないが、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、又は超音波接合プロセスなどの技術を使用することで、複数の金属シード材料領域114に直接接着される。実施形態において、任意の絶縁層116が含まれ、金属ホイル118を複数の金属シード材料領域114に接着させる工程は、図1Cに示されているように、絶縁層116の領域を突き抜ける工程を含む。
【0044】
別の実施形態に従って、シードレス手法が実施されてもよいことが理解されるべきである。このような手法において、金属シード材料領域114は形成されず、金属ホイル118は、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106の材料に直接接着される。例えば、一実施形態において、金属ホイル118は、複数の交互のN型及びP型多結晶シリコン領域に直接接着される。
【0045】
図1Dは、金属ホイルにレーザーによる溝を形成した後の、図1Cの構造を例示している。図1D、及びフローチャート200の対応する工程208を参照すると、金属ホイル118は、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106の間の位置に対応する領域(例えば、図1Dに示されるように、トレンチ108の位置の上方)において、金属ホイル118の一部のみを通じてレーザーアブレーションされる。レーザーアブレーションは、溝122を形成し、溝は金属ホイル118内に部分的に延びており、完全に貫通しない。
【0046】
実施形態において、レーザーによる溝122を形成する工程は、金属ホイル118の全厚さのおよそ80~99%の範囲にわたり、金属ホイル118の厚さをレーザーアブレーションする工程を含む。すなわち、一実施形態において、金属ホイル118の下部は貫通されず、金属ホイル118が下にあるエミッタ構造を保護していることが重要である。
【0047】
実施形態において、レーザーアブレーションはマスクなしで行われる。しかしながら、他の実施形態において、マスク層が、レーザーアブレーションの前に金属ホイル118の一部に形成され、レーザーアブレーションの後に除去される。1つのこのような実施形態において、マスクは、ホイル領域の一部分、又は全体のいずれかに形成される。別の実施形態において、マスクはその後、下記の陽極酸化プロセスの間、所定の位置に残される。実施形態において、マスクは、プロセスの最後に除去されない。しかしながら、別の実施形態において、マスクは、プロセスの最後に除去されず、保護層として保持される。
【0048】
図1Eは、金属ホイルの露出表面を陽極酸化させた後の、図1Dの構造を例示している。図1E、及びフローチャート200の対応する工程210を参照すると、複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106に対応する、残りの金属ホイル118の領域を絶縁するために、残りの金属ホイル118は、その露出表面において陽極酸化されている。特に、溝122の表面を含む、金属ホイル118の露出表面は、酸化物コーティング124を形成するように陽極酸化される。複数の交互のN型半導体領域104及びP型半導体領域106に対応する位置126において(例えば、トレンチ108の上方の位置における溝122)、金属ホイル118の残りの厚さ全体は陽極酸化され、これにより、複数のN型半導体領域104及び複数のP型半導体領域106のそれぞれの上方に残る金属ホイル118の領域を絶縁する。
【0049】
実施形態において、金属ホイル118はアルミニウムホイルであり、金属ホイルを陽極酸化させることは、金属ホイル118の残りの部分の露出した最外部上に酸化アルミニウムを形成することを含む。1つのこのような実施形態において、アルミニウムホイルを陽極酸化させることは、アルミニウムホイルの露出表面を、およそ1~20マイクロメートルの範囲の深さまで、好ましくは約5~20マイクロメートルの範囲の深さまで酸化させることを含む。実施形態において、金属ホイル118の接触部分を電気的に絶縁するために、レーザーによる溝122の底部における金属ホイル118の部分が、図1Eに示されるように、完全に陽極酸化されている。実施形態において、金属ホイル118のいくつかの領域への接触を可能にするために、図1Eにも示されるように、酸化物コーティング124の部分に開口部128が形成されてもよい。
【0050】
再び図1Eを参照すると、別の実施形態において、金属ホイルを陽極酸化させて金属ホイルの部分を絶縁する代わりに、パターン化した金属ホイルがエッチングされて、金属ホイルの部分を絶縁する。1つのこのような実施形態において、図1Dの構造は、ウェットエッチング液にさらされる。ウェットエッチング液は、金属ホイルの全ての露出部分をエッチングするが、慎重にタイミングを合わせたエッチングプロセスが使用されて、金属ホイルの溝切りされていない領域の厚さを大幅に減らすことなく、レーザーによる溝122の底部を突き抜く。特定の実施形態において、限定されないが、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの水酸化物ベースのエッチング液が使用される。
【0051】
第2の態様において、陽極酸化及びその後のレーザー溝切り手法は、レーザーの着地ゾーンとして陽極酸化させた酸化アルミニウム(AAO)を使用して、陽極酸化させたホイルを埋め込むことを含む。着地ゾーンはその後、最終的な太陽電池に電気的絶縁をもたらすために維持される。
【0052】
上記の第2の態様に合わせて、図3A図3Cは、本開示の別の実施形態による、ホイルベースの金属被覆法を使用した、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。図4は、本開示の実施形態による図3A図3Cに対応する太陽電池の製造方法における工程を列挙したフローチャートである。
【0053】
図3Aは、太陽電池の基板の背面の一部の上方に形成されたエミッタ領域上に形成された任意の金属シード領域の上方に陽極酸化させた金属ホイルを配置することを含む、太陽電池製造の段階を例示している。図3A、及びフローチャート400の対応する工程402を参照すると、複数の交互のN型及びP型半導体領域が基板の上方に形成されている。特に、基板300は、その上方に複数のN型半導体領域304及び複数のP型半導体領域306を配置し、これらは、複数のN型半導体領域304又は複数のP型半導体領域306それぞれと、基板300との間に介在する材料としての、薄い誘電体材料302の上に配置されている。基板300は、背面と反対側の受光面301を有し、その上方に複数のN型半導体領域304及び複数のP型半導体領域306が形成されている。
【0054】
実施形態では、基板300は単結晶シリコン基板、例えばバルク単結晶のN型ドープシリコン基板である。しかし、基板300は、全体的な太陽電池基板上に設けられた多結晶シリコン層などの層でもよいことが理解されるべきである。実施形態においては、薄い誘電体層302は、約2ナノメートル又はそれより薄い厚さを有するトンネルシリコン酸化物層である。1つのこのような実施形態において、用語「トンネル誘電体層」とは、それを通じて電気伝導が達成され得る、非常に薄い誘電体層を指している。伝導は、誘電体層の薄い部分を通じた、量子トンネル現象及び/又は直接的な物理的接続の小さな領域の存在による場合がある。一実施形態では、トンネル誘電体層は、薄いシリコン酸化物層であるか、又はこれを含む。
【0055】
実施形態において、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306はそれぞれ、例えば、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)プロセスを用いることで形成された多結晶シリコンである。1つのこのような実施形態において、N型多結晶シリコンエミッタ領域304は、リンなどのN型不純物でドープされている。P型多結晶シリコンエミッタ領域306は、ホウ素などのP型不純物でドープされている。図3Aに示されるように、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306は、その間に形成されたトレンチ308を有してもよく、トレンチ308は、一部が基板300内に延びている。
【0056】
実施形態において、受光面301は、図3Aに示されるように、テクスチャ化された受光面である。一実施形態において、水酸化物ベースのウェットエッチング液が、やはり図3Aにも示されるように、基板300の受光面301、及び場合によりトレンチ308表面をテクスチャ化するために利用されている。受光面をテクスチャ化するタイミングは変わり得ることが理解されるべきである。例えば、テクスチャ化は、薄い誘電体層302を形成する前又は後に行われてもよい。実施形態において、テクスチャ化された表面は、入射光を散乱させるために規則的又は不規則的な形状の表面を有するものであり、太陽電池の受光面301から反射される光の量を減少させ得る。再び図3Aを参照すると、追加的な実施形態は、受光面301上の、パッシベーション及び/又は反射防止コーティング(ARC)層(層312としてまとめて示される)の形成を含み得る。パッシベーション及び/又はARC層の形成のタイミングも変わり得ることが理解されるべきである。
【0057】
再び図3A、及びここでフローチャート400の対応する任意の工程404を参照すると、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306のそれぞれの上に金属シード材料領域をもたらすために、複数の金属シード材料領域314がそれぞれ形成される。金属シード材料領域314は、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306と直接接触する。
【0058】
実施形態において、金属シード領域314は、アルミニウム領域である。1つのこのような実施形態において、アルミニウム領域はそれぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む。他の実施形態において、金属シード領域314は、限定されないが、ニッケル、銀、コバルト、又はタングステンなどの金属を含む。
【0059】
図3Aを再び参照すると、陽極酸化させた金属ホイル318は、金属シード領域314の上方に位置付けられる。実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、その上に形成された酸化アルミニウムのコーティング319を有する陽極酸化させたアルミニウムホイルである。1つのこのような実施形態において、陽極酸化させたアルミニウムホイル318は、およそ5~100マイクロメートルの範囲、好ましくは50~100マイクロメートルの範囲の全厚さを有し、陽極酸化させた上面319A、及び陽極酸化させた下面319Bはそれぞれ、およそ1~20マイクロメートルの範囲の厚さ、好ましくはおよそ5~20マイクロメートルの範囲の厚さを成す。したがって、実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、陽極酸化させた上面(コーティング319A)、及び陽極酸化させた下面(コーティング319B)を有し、その間に導電性金属部分を有する。実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、アルミニウムと、限定されないが、銅、マンガン、シリコン、マグネシウム、亜鉛、スズ、リチウム、又はこれらの組み合わせなどの第2元素とを含む陽極酸化させたアルミニウム合金ホイルである。実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、限定されないが、F等級(製造されたまま)、O等級(最も軟らかい)、H等級(歪み硬化済み)、又はT等級(熱処理済み)などのテンパー等級の陽極酸化させたアルミニウムホイルである。
【0060】
図3Bは、陽極酸化させた金属ホイルを、その背面に溶接した後の、図3Aの構造を例示している。図3B、及びフローチャート400の対応する工程406を参照すると、陽極酸化させた金属ホイル318は、陽極酸化させた金属ホイル318の部分を、金属シード材料領域314のそれぞれの対応する部分に直接結合することによって、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306に接着される。1つのこのような実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318の部分を、金属シード材料領域314のそれぞれの対応する部分と直接結合する工程は、図3Bに示されているように、このような位置のそれぞれにおいて金属溶接320を形成する工程を含む。特定の実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、真空システムにより背面上で平坦化され、点溶接のマトリックスの後に金属シード層上にレーザー溶接される。
【0061】
実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、限定されないが、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、又は超音波接合プロセスなどの技術を使用することで、複数の金属シード材料領域314に接着される。実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318を複数の金属シード材料領域314に接着させる工程は、図3Bに示されるように、下面酸化物コーティング319Bを突き抜ける工程を含む。
【0062】
一実施形態において(図示されないが、図1Bの説明と同様)、陽極酸化させた金属ホイル318を複数の金属シード材料領域314に接着させる前に、絶縁層が、複数の金属シード材料領域314上に形成される。この実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル314を複数の金属シード材料領域314に接着させる工程は、絶縁層の介在領域を突き抜ける工程を含む。
【0063】
別の実施形態に従って、シードレス手法が実施されてもよいことが理解されるべきである。このような手法において、金属シード材料領域314は形成されず、陽極酸化させた金属ホイル318は、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306の材料に直接接着される。例えば、一実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318は、複数の交互のN型及びP型多結晶シリコン領域に直接接着される。1つのこのような実施形態において、プロセスは、下面酸化物コーティング319Bを突き抜ける工程を含む。
【0064】
図3Cは、陽極酸化させた金属ホイルにレーザーによる溝を形成した後の、図3Bの構造を例示している。図3C、及びフローチャート400の対応する工程408を参照すると、陽極酸化させた金属ホイル318は、複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306の間の位置に対応する領域(例えば、図3Cに示されるように、トレンチ308の位置の上方)において、陽極酸化させた金属ホイル318の陽極酸化させた上面319A及び中央金属部分を通じてレーザーアブレーションされる。レーザーアブレーションは、陽極酸化させた金属ホイル318の陽極酸化させた下面319Bにおいて終了し、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する残りの金属ホイル318の領域を絶縁する。
【0065】
したがって、レーザーアブレーションは溝322を形成し、溝は陽極酸化させた金属ホイル318内に部分的に延びており、完全に貫通しない。実施形態において、陽極酸化させた金属ホイル318の陽極酸化させた下面319Bは貫通されず、陽極酸化させた金属ホイル318が下にあるエミッタ構造を保護していることが重要である。したがって、溝深さは、陽極酸化させたAlホイルの下部酸化物層内に、これを完全に切断することなく留まるよう正確に制御される。実施形態において、レーザーアブレーションはマスクなしで行われる。しかしながら、他の実施形態において、マスク層が、レーザーアブレーションの前に陽極酸化させた金属ホイル318の一部に形成され、レーザーアブレーションの後に除去される。
【0066】
実施形態において、図3A図3Cと関連して説明される手法は更に、陽極酸化させた金属ホイル318を複数の交互のN型半導体領域304及びP型半導体領域306に接着させる前に、陽極酸化させた金属ホイル318の陽極酸化させた下面319B上にレーザー反射又は吸収フィルムを形成する工程を含む。1つのこのような実施形態において、レーザーアブレーションは、赤外線(IR)レーザーを使用する工程を含み、レーザー反射又は吸収フィルムを形成する工程は、マゼンタフィルムを形成する工程を含む。より一般的には、実施形態は、使用されるレーザーに従って設計されるフィルムカラーの使用を含むことが理解されるべきである。このような手法において、フィルムカラーは、反射又はアブレーションを目標にするよう選択される。説明される特定の実施形態において、マゼンタフィルムが使用されると、これは緑色を吸収し、青色及び赤色を反射することになる。実施形態において、レーザー光に対して透明な上部フィルムは、陽極酸化させた金属ホイルの上面に適用される。しかしながら、反射フィルムは、陽極酸化させた金属ホイルの下面に適用される。別の実施形態において、下面は、着色され陽極酸化させた酸化アルミニウム層であり、これは、およそ85%又はそれより多い割合のレーザーパルスを吸収し得る。
【0067】
再び図3Cを参照すると、シードパターンと平行か、垂直のいずれかであり得る交互嵌合パターンに沿って走る溝を形成することによって、陽極酸化させたAlホイルを最終的にパターン化するのにレーザーが使用される。上記の実例は、一般的な手法を示しており、かつ平行な溝切りに直接適用可能であり得る。別の実施形態において、陽極酸化させたAlホイルの絶縁表面は、粗い金属(coarse metal)2(M2)の手法(すなわち、垂直の溝切りが、選択された極性のフィンガーのみと接触する)の範囲内で利点であり得る。1つのこのような実施形態において、ホイルの底部にあるアノード酸化アルミニウム層は、反対の極性のフィンガー間の短絡を防ぎ、電気コンタクトは点溶接部のみから作られる。
【0068】
図5は、本開示の別の実施形態による、陽極酸化させたホイルベースの金属被覆法を使用した、別の太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示している。図5のパート(a)を参照すると、陽極酸化させたアルミニウムホイル518が基板500に取りつけられ、基板500はその上に配置された複数の金属シード領域514を有する。図5のパート(b)を参照すると、ホイル518を金属シード領域514に接着させる溶接点520を生成するために、レーザー溶接が行われる。図5のパート(c)を参照すると、レーザーによる溝522を設けるために、レーザーパターン化が行われる。一実施形態において、溝のパターンは、金属シード領域514のパターンと垂直である。一実施形態において、レーザーアブレーションは、金属ホイル518の陽極酸化させた下面の上で終了する。
【0069】
本明細書において説明される実施形態を使用して太陽電池を作製することができる。いくつかの実施形態において、図1E及び図3Cを参照すると、太陽電池は、基板100又は300の上方に配置された複数の交互のN型(104又は304)半導体領域及びP型(106又は306)半導体領域を含む。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす、複数の金属シード材料領域114又は314を含む。金属ホイル118又は318は、複数の金属シード材料領域上に配置されている。金属ホイル118又は318は、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する、金属ホイル118又は318の金属領域を絶縁する、陽極酸化させた部分124又は319を有する。1つのこのような実施形態において、金属ホイル118又は113の全ての露出表面が陽極酸化される。しかしながら、別の実施形態において、開口部(例えば、128)は、図1Eと関連して説明されるように、陽極酸化させた部分に金属コンタクト用に形成されてもよい。更に別の実施形態において、ホイルはレーザーアブレーションの前に陽極酸化され、後続の陽極酸化は行われない。この実施形態において、レーザーによる溝322は、図3Cに示されるように、陽極酸化されていない表面を露出させ得る。実施形態において、基板100又は300は、N型単結晶シリコン基板であり、複数の交互のN型(104、又は304)及びP型(106、又は306)半導体領域が、基板の上方に配置された多結晶シリコン材料中に配置されている。
【0070】
更に他の実施形態において、基板は単結晶シリコン基板であり、複数の交互のN型及びP型半導体領域は、単結晶シリコン基板内に形成される。第1実施例において、図6Aは、本開示の実施形態による、基板内に形成されたエミッタ領域上に形成されたホイルベースコンタクト構造を有する太陽電池の一部の断面図を例示する。図6Aを参照すると、太陽電池は、基板600内に配置された複数の交互のN型半導体領域604及びP型半導体領域606を含む。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす、複数の金属シード材料領域614を含む。金属ホイル618は、複数の金属シード材料領域614上に配置されている。金属ホイル618は、複数の交互のN型半導体領域604及びP型半導体領域606それぞれに対応する、金属ホイル618の金属領域を絶縁する、陽極酸化させた部分624を有する。
【0071】
第2実施例において、図6Bは、本開示の実施形態による、基板内に形成されたエミッタ領域上に形成された陽極酸化させたホイルベースコンタクト構造を有する太陽電池の一部の断面図を例示する。図6Bを参照すると、太陽電池は、基板650内に配置された、複数の交互のN型半導体領域654及びP型半導体領域656を含む。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす、複数の金属シード材料領域664を含む。金属ホイル668は、複数の金属シード材料領域664上に配置されている。金属ホイル668は、複数の交互のN型半導体領域664及びP型半導体領域666それぞれに対応する、金属ホイル668の金属領域を絶縁する、陽極酸化させた部分669を有する。
【0072】
本開示の別の態様において、上記の代表的な実施形態と関連して説明される概念に基づく他の実施形態が提示される。非常に一般的な考えとして、バックコンタクト太陽電池は典型的には、太陽電池の裏面に2種類の極性のパターン化された金属を必要とする。予めパターン化された金属が、費用、複雑さ、又は効率性の理由により利用可能ではない場合、安価で材料処理が少ないブランケット金属が、レーザーベースのパターン化手法にとって好ましいことが多い。
【0073】
高効率の電池のために、電池の裏面のパターン化された金属は典型的に、(1)金属の完全な絶縁、及び(2)損傷のない処理、という2つの要件を有する。大量生産において、プロセスは、毎時500ウエハ超のスループットなど、高スループットプロセスであることもまた必要であり得る。複雑なパターンにおいて、シリコンの上の、厚い(例えば、1マイクロメートル超)、又は高反射性の金属(例えば、アルミニウム)をパターン化するのにレーザーを使用することは、製造時における実質的なスループットの問題を呈することがある。スループット問題が生じ得るのは、厚い及び/又は高反射性の金属を高速でアブレーションするのに必要なエネルギーが、下にあるエミッタの損傷の閾値(例えば、1J/cm超)を超えるレーザーエネルギーを必要とするためである。金属を完全に絶縁させる必要性、並びに金属の厚さ及びレーザーエネルギーのばらつきにより、金属のパターン化の際にオーバーエッチングが行われることが多い。特に、金属を完全に除去し、かつ損傷を与えるレーザービームにエミッタをさらさないために、高スループット/低費用で利用可能なレーザーエネルギーウィンドウは1つも存在しないように思われる。
【0074】
本開示の実施形態に従って、金属パターン化の様々な手法が説明されている。更に、パターン化プロセスと金属接合プロセスとの相互作用により、第1又はシード金属層(M1)を、ホイル(M2)などの上部金属層に接合するための接合手法を考察することもまた重要であることが理解されるべきである。以下でより詳細に説明されるように、いくつかの接合手法は、様々なパターン化の選択肢を可能にする。
【0075】
実施形態において、蒸着された薄いシード金属(M1)、したがって下にあるデバイスウエハに接合されたホイル(M2)の間の様々な接着強度は、接合方法に応じて達成される。更に、接着試験中に、様々な種類の故障モードが観察される。レーザー接合において、接着は、レーザーフルエンス(焦点面積当たりのエネルギー)に依存し得る。より低いフルエンスでは、M1とM2との間の接着は弱すぎて、M2は容易に剥離する。レーザーフルエンスが増加すると、ホイルと下にあるM1シード層との間の溶接による接着は、接着試験中にホイルを引き剥がすのに十分なほど強くなる。レーザーフルエンスが更に高くなると、下にあるM1層は影響を受け、M1/デバイスウエハ接合は、剥離試験でホイルが引き剥がされる前に破壊される。一実施形態において、このような異なる引き剥がしモードを利用するため、レーザー接合プロセス中に、空間的に成形されたレーザービームが使用される。レーザービームは、外側領域において、より高い強度(M1が引き剥がれる範囲)、内側においてより低い強度(M2が引き剥がれる範囲)を有し得て、これによって溶接後にホイル(M2)がM1と共に引き剥がされても溶接されたM2/M1領域を無傷のままとすることができる。
【0076】
別の態様において、溝に沿った絶縁を完了するためにウェット化学エッチング液が使用される場合、M1は、長時間エッチング液にさらされ得る。この時間の間、好ましくないエッチングが生じ得るか、又はM1及びM2が共に完全に接合されていない場合、化学物質がM1とM2との間に閉じ込められることがある。双方のシナリオにおいて、金属フィンガーに沿った非連続的な接合方法(例えば、10ミリメートル当たり1つの接合など、低密度の接合)を使用して、アルミニウムホイルが金属シード層に接合される場合、エッチング液がホイル/金属シード境界面において浸透し、M1フィンガーの望ましくないエッチング、及び/又はM1/M2接合部の腐食を引き起こし、これがデバイス性能を低下させる結果となり得る。接合手法は、レーザー溶接、局所熱圧着、ハンダ付け、及び超音波接合を含み得る。したがって、全ての接合方法がエッチングベースのパターン化と適合するのではなく、とりわけ、レーザー溶接などのあらゆる低密度接合手法が特に困難となり得る。
【0077】
実施形態において、説明される手法を実施し、化学物質の腐食からM1層を保護することによってウェット化学エッチング液と関連する上記の問題を解決し、かつエッチングベースのパターン化プロセスの使用を可能することができる。実施形態は、接合方法としてレーザー溶接の使用、及びパターン化方法としてレーザー溝切りに続いて化学エッチングの使用を含んでもよいが、この概念は、他の非線形接合方法、及び化学エッチングベースのパターン化方法に適用可能であり得る。
【0078】
第1のこのような実施形態において、金属シード堆積の後に基板上に、又はレーザー溶接プロセスの前にホイル上に、ブランケット保護層が堆積させられる。材料選択、及び層厚さは、レーザー溶接が、保護層を通じて達成され得ることを確実にする。材料は、化学エッチング処理(例えば、KOH溶液)に対して耐性を有し得る。好適な材料の例は、限定されないが、接着剤、シリコーン、ポリマー、又は薄い誘電体を含む。第2のこのような実施形態において、薄いキャッピング層(例えば、およそ100ナノメートルの厚さ)が、金属シード層の上に堆積させられる。薄いキャッピング層は、異なる金属(例えば、Ni)を含み、化学エッチング液に対して耐性を有する。特定の実施形態において、薄いキャッピング層はM1とM2との間のレーザー溶接プロセスと適合する。第3のこのような実施形態において、エッチング耐性材料のフィンガー(第1実施形態と同様)が、M1フィンガー間に印刷され、レーザー溶接の前又は後に熱処理が加えられ、保護フィンガーとM2ホイルとの間の連続的な接着を確実にする。特定の実施形態において、レーザープロセスによって生成される熱が、保護材料フィンガーをM2層に接合するために最終的に使用される。ホイルとフィンガーとの間の境界面は、エッチング液に対するバリアとして機能する。材料は、ホイル装着、及びレーザー溶接プロセスに影響しないほど十分に薄く、及び/又は柔軟であり得る(例えば、密接なM1/M2の接触が必要)。
【0079】
第1の代表的なプロセスフローにおいて、溝切り及びエッチング手法は、太陽電池のデバイス側にM1を堆積させる工程(例えば、M2と接合することができる、シード導電性層の堆積)を含む。M2層は、M1/電池上に適用され、接合に好適な接触を維持する。例えば、熱圧着、又はレーザーエネルギーなど、接合のためのエネルギー(例えば、長いパルス持続時間(100マイクロ秒超))が、M2を局所的に加熱し、M1とM2を接合するために適用される。その後機械的に、又は別のレーザープロセスによって溝が形成され(例えば、およそ1マイクロ秒未満のより短いパルス持続時間)、深い溝(例えば、ホイル厚さのおよそ80%超)を設け、ホイルをホイルアプリケータから除去する。その後、例えば、エッチング媒質をこの構造に適用し、M2の残り部分を選択的にエッチングすることにより、導電性領域の絶縁が達成される。一実施形態において、選択性を増加させるために、エッチング媒質に対するエッチング耐性を付与するよう、例えば、KOHエッチングに耐性のあるNi金属など、予めパターン化されたM1層が選択される。可能性のあるM2材料は、限定されないが、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム、又はこれらの多層の組み合わせを含む。アルミニウムM1層と共に、エッチング媒質は、水酸化カリウムなどのアルカリ性化学物質、若しくはリン酸又はリン酸及び硝酸の混合物などの酸性化学物質を含み得る。エッチング反応を完了し、ウエハ上に化学残留物が残るのを防ぐように、エッチング媒体はその後ウエハから完全にすすぎ落とされる。ウエハから化学物質を完全に除去するために、水平方向スプレーリンス、及び/又は音波撹拌が使用され得る。
【0080】
第2の代表的なプロセスフローにおいて、高電力レーザー溝切り及び低電力レーザー絶縁に基づく、二段階のパターン化が使用される。方法はまず、太陽電池のデバイス側にM1を堆積させる工程(例えば、M2とレーザー溶接するために好適なシード導電性層)、及び堆積したM1層をパターン化する工程を含む。M2層はその後、M1/電池上に適用され、レーザー溶接のために好適な直接接触を維持する。M2を局所的に加熱し、M1とM2を接合するために、高エネルギービーム(例えば、長いパルス持続時間(およそ100マイクロ秒超)のレーザー、又は電子ビーム)が適用される。追加的なレーザー(例えば、およそ1マイクロ秒未満のより短いパルス持続時間)が適用され、深い溝(例えば、ホイル厚さのおよそ80%超)を設け、ホイルをホイルアプリケータから除去する。残りのM2を絶縁するために、第2の低電力レーザーがその後、レーザーによる溝に沿って適用される。
【0081】
他の手法により溝切りが達成され得ることが理解されるべきである。例えば、別の実施形態において、レーザープロセスを使用する代わりに、限定されないが、表面を横切って引きずられる硬質先端切断ツールのアレイ、キッシングカット(kissing cutting)、CNCミリング、イオンミリング、又は他の切削型の機構などの機械的プロセスにより、上記の溝切りが形成される。
【0082】
他の手法により残りの金属が除去され得ることが理解されるべきである。例えば、別の実施形態において、溝形成に続き、例えば、高電流など、電気を使用して抵抗加熱により残りの金属を焼き切って、残りの金属が除去される。別の実施形態において、溝形成に続き、残りの金属は、非常に弱い/低スループットのレーザーアブレーションにより、除去される。別の実施形態において、溝形成に続き、プラズマエッチング、又はバックスパッタエッチングなど、他のエッチングにより残りの金属が除去される。別の実施形態において、溝形成に続き、除去対象の金属領域を把持するか、又はこれと接着し、その後、把持又は接着した領域を「引き剥がす」ことによって、残りの金属が除去される。
【0083】
残りの金属を除去する引き剥がし手法の第1の特定の実施形態において、引き剥がされる金属のストリップを残して2つの平行な溝が形成され、ストリップは、およそ100~500マイクロメートルの範囲の幅を有する。第2の特定の実施形態において、溝の線は、後続の引き剥がし手順のための、引き剥がし開始点として使用されるように太陽電池の外側に延在している。第3の特定の実施形態において、溝切りの前に、例えば、レーザー溶接点(又は線)、熱圧着接合、又は最終的に引き剥がされるM2ホイルの剪断強度よりも強い接着をもたらす他のものなどのM1/M2接合方法が使用される。第4の特定の実施形態において、レーザーによる溝又はレーザー接合のレーザーのレーザービーム形状が、例えばビームプロファイルの調節により金属の機械的特性を修正するのに使用され、温度及び時間に基づいて冷却プロファイルを調節し粒子構造を修正する。このように、溝絶縁後のプロセスが促進される。1つのこのような実施形態において、ガウスビームは形状を歪められてピークを反転させ、エッジプロファイルがより高いエネルギーを有し、線溶接を形成するために使用されるようにする。接合部の縁部におけるより高い局部加熱は、より大きな応力を生じ、冷却プロファイルを変化させ、溶接された材料の縁部は、バルクより低い降伏強度を有するか、延性がより低いかのいずれかである。この場合、引き剥がしプロセスの間に、境界面が最初に破断する。上記の4つの実施形態のそれぞれにおいて、金属シード層は、溝切り前にパターン化されるか、又は溝切り後にパターン化され、上記の溝切り後の絶縁と共にパターン化され得ることが好ましい。
【0084】
他の実施形態において、M1層は、M1又はM2上に堆積させられる、例えばNi、ポリマー、酸化物、又は薄い接着剤などのキャッピング層の使用によりエッチング液から保護され、厚さ又は組成は、溶接プロセスと適合するものである(例えば、ポリマーを通じた溶接においては、およそ10マイクロメートル未満)。他の実施形態において、エッチング液が空隙内に浸透しないように保護し、M1のオーバーエッチングを防ぐために、接合は好適に高い密度(例えば、上から下に見たときに100%)で達成される。接合は、バルクM2との一体化によってもたらされる(例えば、線形溶接、熱圧着接合)。
【0085】
図1A図1E図3A図3C図5図6A及び図6B、並びに説明された他の実施形態を参照して、いくつかの材料が上記で具体的に説明されているが、いくつかの材料は他のものと容易に置換することができ、他のそのような実施形態は依然として本開示の実施形態の趣旨及び範囲内にある。例えば、実施形態では、III-V族材料基板などの異なる材料基板がシリコン基板の代わりに使用され得る。他の実施形態において、上記の手法は、太陽電池以外の製造に適用可能であり得る。例えば、発光ダイオード(LED)の製造は、本明細書において説明される手法により利益を得ることができる。
【0086】
したがって、太陽電池のホイルベースの金属被覆法の手法、及びその結果もたらされる太陽電池が開示されてきた。
【0087】
特定の実施形態が上述されてきたが、これらの実施形態は、特定の機構に関して単一の実施形態のみが説明される場合であっても、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示で提供される機構の実施例は、別段の定めがある場合を除き、制約的ではなく例示的であることを意図するものである。上記の説明は、本開示の利益を有する当業者には明らかとなるような、代替物、修正物、及び等価物を包含することを意図するものである。
【0088】
本開示の範囲は、本明細書で対処される問題のいずれか又は全てを軽減するか否かにかかわらず、本明細書で(明示的又は暗示的に)開示される、あらゆる機構又は機構の組み合わせ、又はそれらのあらゆる一般化を含む。したがって、本出願(又は、本出願に対する優先権を主張する出願)の審査手続きの間に、任意のそのような機構の組み合わせに対して、新たな請求項を考え出すことができる。具体的には、添付の請求項を参照して、従属請求項からの機構を、独立請求項の機構と組み合わせることができ、それぞれの独立請求項からの機構を、単に添付の請求項で列挙される具体的な組み合わせのみではなく、任意の適切な方式で組み合わせることができる。
【0089】
実施形態において、太陽電池を製造する方法は、基板内、又は基板の上方に複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。方法はまた、金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程を含む。方法はまた、複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、金属ホイルの一部のみを通じてレーザーアブレーションを行う工程を含む。方法はまた、レーザーアブレーションの後、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程を含む。
【0090】
一実施形態において、残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、残りの金属ホイルを陽極酸化させる工程を含む。
【0091】
一実施形態において、残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、残りの金属ホイルをエッチングする工程を含む。
【0092】
一実施形態において、方法は、金属ホイルを接着する工程の前に、複数の金属シード材料領域を形成して、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に金属シード材料領域をもたらす工程を更に含み、金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程を含む。
【0093】
一実施形態において、方法は、金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程の前に、複数の金属シード材料領域の上に絶縁層を形成する工程を更に含み、金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、絶縁層の領域を突き抜ける工程を含む。
【0094】
一実施形態において、金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、及び超音波接合プロセスからなる群から選択される技術を使用する工程を含む。
【0095】
一実施形態において、複数の金属シード材料領域を形成する工程は、それぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む、アルミニウム領域を形成する工程を含み、金属ホイルを接着する工程はおよそ5~100マイクロメートルの範囲の厚さを有するアルミニウムホイルを接着する工程を含み、残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、アルミニウムホイルの露出表面を、およそ1~20マイクロメートルの範囲の深さまで酸化させることによってアルミニウムホイルを陽極酸化させる工程を含む。
【0096】
一実施形態において、金属ホイルの一部のみを通じてレーザーアブレーションする工程は、金属ホイルの厚さを、金属ホイルの全厚さの、およそ80~99%の範囲にわたりレーザーアブレーションする工程を含む。
【0097】
一実施形態において、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、基板の上方に形成された多結晶シリコン層内に、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含み、方法は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの間にトレンチを形成する工程であって、トレンチは一部が基板内に延びている、工程を更に含む。
【0098】
一実施形態において、基板は単結晶シリコン基板であり、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、単結晶シリコン基板内に複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。
【0099】
一実施形態において、方法は、レーザーアブレーションの前に、金属ホイルの少なくとも一部の上にマスク層を更に形成する工程を更に含む。
【0100】
実施形態において、太陽電池を製造する方法は、基板内、又は基板の上方に、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。方法は、陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程も含み、陽極酸化させた金属ホイルは、陽極酸化させた上面及び陽極酸化させた下面を有し、その間に金属部分を有し、陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた下面の領域を突き抜ける工程を含む。方法はまた、複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた上面、及び金属部分を通じてレーザーアブレーションする工程を含み、レーザーアブレーションは、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する残りの金属ホイルの領域を絶縁する、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた下面において終了する。
【0101】
一実施形態において、方法は、陽極酸化させた金属ホイルを接着する前に、複数の金属シード材料領域を形成して、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に金属シード材料領域をもたらす工程を更に含み、陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、陽極酸化させた金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程を含む。
【0102】
一実施形態において、方法は、陽極酸化させた金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる前に、複数の金属シード材料領域の上に絶縁層を形成する工程を更に含み、陽極酸化させた金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、絶縁層の領域を突き抜ける工程を含む。
【0103】
一実施形態において、陽極酸化させた金属ホイルを複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、及び超音波接合プロセスからなる群から選択される技術を使用する工程を含む。
【0104】
一実施形態において、複数の金属シード材料領域を形成する工程は、それぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む、アルミニウム領域を形成する工程を含み、陽極酸化させた金属ホイルを接着する工程は、およそ5~100マイクロメートルの範囲の全厚さを有する陽極酸化させたアルミニウムホイルを接着する工程を含み、陽極酸化させた上面、及び陽極酸化させた下面はそれぞれ、およそ1~20マイクロメートルの範囲の厚さを成す。
【0105】
一実施形態において、方法は、陽極酸化させた金属ホイルを複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程の前に、陽極酸化させた金属ホイルの陽極酸化させた下面の上にレーザー反射、又は吸収フィルムを形成する工程を更に含む。
【0106】
一実施形態において、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、基板の上方に形成された多結晶シリコン層内に複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含み、方法は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの間にトレンチを形成する工程を更に含み、トレンチは、一部が基板内に延びている。
【0107】
一実施形態において、基板は単結晶シリコン基板であり、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、単結晶シリコン基板内に複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む。
【0108】
一実施形態において、方法は、レーザーアブレーションの前に、陽極酸化させた金属ホイルの一部の上にマスク層を形成する工程と、レーザーアブレーションの後に、マスク層を除去する工程と、を更に含む。
【0109】
実施形態では、太陽電池は基板を含む。複数の交互のN型及びP型半導体領域は、基板内、又は基板の上方に配置されている。導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置され、導電性コンタクト構造は、複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす複数の金属シード材料領域と、複数の金属シード材料領域の上に配置された金属ホイルとを含み、金属ホイルは、複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する金属ホイルの金属領域を絶縁する陽極酸化させた部分を有する。
【0110】
一実施形態において、金属ホイルの全ての露出表面が陽極酸化されている。
(項目1)
太陽電池を製造する方法であって、
基板内、又は基板の上方に、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程と、
金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程と、
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、上記金属ホイルの一部のみを通じてレーザーアブレーションを行う工程と、
上記レーザーアブレーションの後、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する、残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程と、を備える、方法。
(項目2)
上記残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、上記残りの金属ホイルを陽極酸化させる工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、上記残りの金属ホイルをエッチングする工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記金属ホイルを接着させる工程の前に、複数の金属シード材料領域を形成して、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれに金属シード材料領域をもたらす工程を更に備え、
上記金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、上記金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程の前に、上記複数の金属シード材料領域の上に絶縁層を形成する工程を更に備え、
上記金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、上記絶縁層の領域を突き抜ける工程を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、及び超音波接合プロセスからなる群から選択される技術を使用する工程を含む、項目4に記載の方法。
(項目7)
上記複数の金属シード材料領域を形成する工程は、それぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む、アルミニウム領域を形成する工程を含み、
上記金属ホイルを接着する工程は、およそ5~100マイクロメートルの範囲の厚さを有するアルミニウムホイルを接着する工程を含み、
上記残りの金属ホイルの領域を絶縁する工程は、上記アルミニウムホイルの露出表面を、およそ1~20マイクロメートルの範囲の深さまで酸化させることによって上記アルミニウムホイルを陽極酸化させる工程を含む、項目4に記載の方法。
(項目8)
上記金属ホイルの上記一部のみを通じてレーザーアブレーションする工程は、上記金属ホイルの厚さを、上記金属ホイルの全厚さの、およそ80~99%の範囲にわたりレーザーアブレーションする工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、上記基板の上方に形成された多結晶シリコン層内に、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含み、
上記方法は、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域それぞれの間にトレンチを形成する工程であって、上記トレンチは一部が上記基板内に延びている、工程を更に備える、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記基板は単結晶シリコン基板であり、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、上記単結晶シリコン基板内に上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
レーザーアブレーションの前に、上記金属ホイルの少なくとも一部の上にマスク層を形成する工程を更に備える、項目1に記載の方法。
(項目12)
太陽電池を製造する方法であって、
基板内、又は基板の上方に、複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程と、
陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程であって、上記陽極酸化させた金属ホイルは、陽極酸化させた上面及び陽極酸化させた下面を有し、その間に金属部分を有し、上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を接着させる工程は、上記陽極酸化させた金属ホイルの上記陽極酸化させた下面の領域を突き抜ける工程を含む、工程と、
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域の間の位置に対応する領域において、上記陽極酸化させた金属ホイルの上記陽極酸化させた上面、及び上記金属部分を通じてレーザーアブレーションする工程であって、上記レーザーアブレーションは、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する残りの金属ホイルの領域を絶縁する、上記陽極酸化させた金属ホイルの上記陽極酸化させた下面において終了する、工程とを含む、方法。
(項目13)
上記陽極酸化させた金属ホイルを接着する前に、複数の金属シード材料領域を形成して、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に金属シード材料領域をもたらす工程を更に備え、上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程は、上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる前に、上記複数の金属シード材料領域の上に絶縁層を形成する工程を更に備え、上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、上記絶縁層の領域を突き抜ける工程を含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の金属シード材料領域に接着させる工程は、レーザー溶接プロセス、熱圧着プロセス、及び超音波接合プロセスからなる群から選択される技術を使用する工程を含む、項目13に記載の方法。
(項目16)
上記複数の金属シード材料領域を形成する工程は、それぞれ、およそ0.3~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、およそ97%超の量のアルミニウム、及びおよそ0~2%の範囲の量のシリコンを含む、アルミニウム領域を形成する工程を含み、上記陽極酸化させた金属ホイルを接着する工程はおよそ5~100マイクロメートルの範囲の全厚さを有する陽極酸化させたアルミニウムホイルを接着する工程を含み、上記陽極酸化させた上面、及び上記陽極酸化させた下面はそれぞれ、およそ1~20マイクロメートルの範囲の厚さを成す、項目13に記載の方法。
(項目17)
上記陽極酸化させた金属ホイルを上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に接着させる工程の前に、上記陽極酸化させた金属ホイルの上記陽極酸化させた下面の上にレーザー反射、又は吸収フィルムを形成する工程を更に備える、項目12に記載の方法。
(項目18)
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、上記基板の上方に形成された多結晶シリコン層内に、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含み、
上記方法は、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域それぞれの間にトレンチを形成する工程であって、上記トレンチは一部が上記基板内に延びている、工程を更に備える、項目12に記載の方法。
(項目19)
上記基板は単結晶シリコン基板であり、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程は、上記単結晶シリコン基板内に上記複数の交互のN型及びP型半導体領域を形成する工程を含む、項目12に記載の方法。
(項目20)
レーザーアブレーションの前に、上記陽極酸化させた金属ホイルの一部の上にマスク層を形成する工程と、
レーザーアブレーションの後に、上記マスク層を除去する工程と、を更に備える、項目12に記載の方法。
(項目21)
太陽電池であって、
基板と、
基板内、又は基板の上方に配置された、複数の交互のN型及びP型半導体領域と、
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域の上方に配置された、導電性コンタクト構造と、を備え、上記導電性コンタクト構造は、
上記複数の交互のN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に配置される金属シード材料領域をもたらす、複数の金属シード材料領域と、
上記複数の金属シード材料領域の上に配置された金属ホイルであって、上記金属ホイルは、上記複数の交互のN型及びP型半導体領域に対応する、上記金属ホイルの金属領域を絶縁する、陽極酸化させた部分を有する、金属ホイルと、を含む、太陽電池。
(項目22)
上記金属ホイルの全ての露出表面が陽極酸化されている、項目21に記載の太陽電池。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B