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特許7071045外科用ロボットカートの配置のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】外科用ロボットカートの配置のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20220511BHJP
   B25J 5/00 20060101ALN20220511BHJP
   B25J 3/00 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
A61B34/30
B25J5/00 A
B25J3/00 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020555060
(86)(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 US2019025108
(87)【国際公開番号】W WO2019204013
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】62/660,476
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】メグラン, ドワイト
(72)【発明者】
【氏名】ミード, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ザヒン, サミール
(72)【発明者】
【氏名】バシック, レネン
(72)【発明者】
【氏名】リビアヌ, マシュー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/147596(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0101508(US,A1)
【文献】国際公開第2016/193686(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257837(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0123421(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 - 90/98
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ロボットカートアセンブリを配置する方法であって、
手術台に対する第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記手術台に対する第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、
手術室の境界および少なくとも1つのランドマークを含む静的マップ部分と前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの位置を含む動的マップ部分とを含む環境マップを取り出すことと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置および前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を組み込むように前記動的マップ部分を更新することと、
前記環境マップに基づいて、前記手術台に対する前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第1の外科用ロボットカートアセンブリのための経路を計算することであって、前記第2の位置では、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリが、前記手術台から第1の安全距離だけ離間される、とと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記手術台に対する前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのための経路を計算することであって、前記第2の位置では、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリから第2の安全距離だけ離間され、かつ前記手術台から第3の安全距離だけ離間される、ことと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリをその前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをその前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの移動中に前記動的マップ部分を更新することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記経路に沿って潜在的な衝突を検出することと
を含む、方法。
【請求項2】
視覚センサから第1のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定し、かつ前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
フロアセンサから第2のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定し、かつ前記第の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリから第3のセンサデータを取得して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記手術台から第4のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと前記第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の前記潜在的な衝突を検出すると、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第3の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと前記第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の前記潜在的な衝突を検出すると、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのトラブルシューティングの要件を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリを、それらのそれぞれの前記第2の位置に向かって同時に移動させることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリ、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリ、および前記手術台に対する臨床医の第1の位置を判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
手術室内に複数の外科用ロボットカートアセンブリを位置決めする方法であって、
手術室センサから第1のセンサデータを取得することと、
第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することであって、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリが、第1のセンサおよび第1の送信機を有する第1のベース部分を含み、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、第2のセンサおよび第2の送信機を有する第2のベース部分を含む、とと、
手術室の境界および少なくとも1つのランドマークを含む静的マップ部分と前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの位置を含む動的マップ部分とを含む環境マップを取り出すことと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置および前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を組み込むように前記動的マップ部分を更新することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第1の外科用ロボットカートアセンブリのための第1の経路を計算し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのための第2の経路を計算することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをそれぞれ、それらの前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第1の経路および前記第2の経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、
前記第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリが、それぞれそれらの前記第2の位置に移動すると、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置および前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を用いて前記動的マップ部分を更新することと
含む、方法。
【請求項11】
前記手術室センサから取得された前記第1のセンサデータから、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することと、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1のセンサから第2のセンサデータを取得して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2のセンサから第3のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を計算し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を計算して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリと前記第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の第1の安全距離を維持することと、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと手術台との間の第2の安全距離を維持することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリと前記第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の距離が、前記第1の安全距離未満であるとき、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをその第3の位置に自律的に移動させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、その前記第3の位置に移動されるとき、前記環境マップを更新して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの現在の位置として、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第3の位置を登録することをさらに含む、請求項15に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動可能な外科用ロボットシステムに関し、より具体的には、手術台に対する1つ以上の外科用ロボットカートアセンブリの配置を容易にするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の背景
外科用ロボットシステムは、確度および利便性が向上しているため、低侵襲の医療処置において使用される。外科用ロボットシステムでは、ロボットアームは、手首アセンブリによってエンドエフェクタが取り付けられた外科用器具を支持する。動作中、ロボットアームは、患者の外科用ポータルまたは患者の自然の開口部を介して外科用器具を小さな切開部に挿入または外科用器具を小さな切開部内に保持して、エンドエフェクタを患者の体内の作業部位に位置決めする。
【0003】
市場に出ているほとんどの外科用ロボットシステムは、重く、かつ静止しており、モーター駆動のパレットジャッキを移動させる必要がある。より現代的な外科用ロボットシステムのいくつかでは、ロボットアームは、一連のキャスターを備えるベース部分を有する移動可能な外科用ロボットカート上で支持される。外科用ロボットシステムは、パレットジャッキなしで、必要に応じて様々な部屋の間、および様々な手術台に対する位置の間で移動することができるため有益である。
【0004】
しかしながら、低侵襲医療処置は、高度な確度、精度、および速度が必要であり、それゆえ、低侵襲医療処置に使用される移動可能な外科用ロボットシステムは、特定の外科処置に最適な位置決めを実現するために、手術台に対して正確に配置される必要がある。
【0005】
したがって、外科用ロボットカートを手術台に対して正確に配置および位置決めし、高度な確度、精度、および可動性でそれを行う必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様に従って提供されるのは、外科用ロボットカートアセンブリを配置する方法である。本方法は、手術台に対する第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、手術台に対する第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう第1の外科用ロボットカートアセンブリの経路を計算することであって、第2の位置では、第1の外科用ロボットカートアセンブリは、手術台から第1の安全距離だけ離間される、計算することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリをその第2の位置に向かって自律的に移動させることと、第1の外科用ロボットカートアセンブリがその第2の位置に向かって移動する際、第1の外科用ロボットカートアセンブリの経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、を含む。
【0007】
本開示の一態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび手術台に対する第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび手術台に対する第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう第2の外科用ロボットカートアセンブリのための経路を計算することであって、第2の位置では、第2の外科用ロボットカートアセンブリは、第1の外科用ロボットカートアセンブリから第2の安全距離だけ、かつ手術台から第3の安全距離だけ離間されており、第2の外科用ロボットカートアセンブリをその第2の位置に向かって自律的に移動させることと、第2の外科用ロボットカートアセンブリがその第2の位置に向かって移動する際、第2の外科用ロボットカートアセンブリの経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、をさらに含む。
【0008】
本開示の別の態様では、本方法は、視覚センサから第1のセンサデータを取得して、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0009】
本開示の別の態様では、本方法は、フロアセンサから第2のセンサデータを取得して、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定し、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0010】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリから第3のセンサデータを取得して、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0011】
本開示の態様では、本方法は、手術台から第4のセンサデータを取得して、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0012】
本開示の一態様では、本方法は、環境マップを更新して、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置および第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を組み込むことを含み得る。
【0013】
本開示の別の態様では、本方法は、第2の外科用ロボットカートアセンブリと第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の潜在的な衝突を検出すると、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第3の位置を判定することを含み得る。
【0014】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第2の外科用ロボットカートアセンブリと第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の潜在的な衝突を検出すると、第2の外科用ロボットカートアセンブリのトラブルシューティングの要件を判定することを含み得る。
【0015】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリをそれらのそれぞれの第2の位置に向かって同時に移動させることを含み得る。
【0016】
本開示の別の態様に従って提供されるのは、複数の外科用ロボットカートアセンブリを手術室内に位置決めする方法である。本方法は、手術室センサから第1のセンサデータを取得することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することであって、第1の外科用ロボットカートアセンブリが、第1のセンサおよび第1の送信機を有する第1のベース部分を含み、第2の外科用ロボットカートアセンブリが、第2のセンサおよび第2の送信機を有する第2のベース部分を含む、判定することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう第1の外科用ロボットカートアセンブリのための第1の経路を計算し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう第2の外科用ロボットカートアセンブリのための第2の経路を計算することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリをそれぞれ、それらの第2の位置に向かって自律的に移動させることと、第1の外科用ロボットカートアセンブリがその第2の位置に向かって移動し、第2の外科用ロボットカートアセンブリがその第2の位置に向かって移動する際、第1の経路および第2の経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリが、それぞれ、それらの第2の位置に移動すると、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置および第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置を用いて環境マップを更新することと、を含む。
【0017】
本開示の一態様では、本方法は、手術室センサから取得された第1のセンサデータから、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、を含み得る。
【0018】
本開示の別の態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1のセンサから第2のセンサデータを取得して、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0019】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第2の外科用ロボットカートアセンブリから第3のセンサデータを取得して、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することを含み得る。
【0020】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置を計算し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置を計算して、第1の外科用ロボットカートアセンブリと第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の第1の安全距離を維持することと、第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリと手術台との間の第2の安全距離を維持することと、を含み得る。
【0021】
本開示の一態様では、本方法は、第1の外科用ロボットカートアセンブリと第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の距離が第1の安全距離未満であるとき、第2の外科用ロボットカートアセンブリをその第3の位置に自律的に移動させることを含み得る。
【0022】
本開示の別の態様では、本方法は、第2の外科用ロボットカートアセンブリが、その第3の位置に移動されるとき、環境マップを更新して、第2の外科用ロボットカートアセンブリの現在の位置として第2の外科用ロボットカートアセンブリの第3の位置を登録することを含み得る。
【0023】
本開示のさらに別の態様に従って提供されるのは、外科用ロボットカートアセンブリである。外科用ロボットカートアセンブリは、ロボットアームと、その上にロボットアームを動作可能に支持するように構成されたベース部分と、を含む。ベース部分は、ベース部分上に取り付けられたプロジェクタと、ベース部分上に取り付けられたディスプレイと、ベース部分上に取り付けられ、ベース部分上で離間された複数のライトと、を有する視覚誘導システムを含む。プロジェクタは、目標場所に向けて移動方向に対応するパターンを投影するように構成される。ディスプレイは、目標場所に向かう移動方向に対応する視覚的表示を表現するように構成される。複数のライトのうちの少なくとも1つは、目標場所に向かう移動方向に対応して選択的に光を放つように構成される。
【0024】
本開示の一態様では、プロジェクタによって投影されたパターンは、ベース部分がパターンに沿って目標場所に向かって移動するに従い変化するように構成され得る。
【0025】
本開示の例示的な実施形態のさらなる詳細および態様は、添付の図面を参照して以下により詳細に記載される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用ロボットカートアセンブリを配置する方法であって、
手術台に対する第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、
前記手術台に対する前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第1の外科用ロボットカートアセンブリのための経路を計算することであって、前記第2の位置では、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリが、前記手術台から第1の安全距離だけ離間される、計算することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリをその前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、を含む、方法。
(項目2)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記手術台に対する第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記手術台に対する前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのための経路を計算することであって、前記第2の位置では、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリから第2の安全距離だけ、かつ前記手術台から第3の安全距離だけ離間される、計算することと、
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをその前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
視覚センサから第1のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定し、かつ前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
フロアセンサから第2のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定し、かつ前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリから第3のセンサデータを取得して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記手術台から第4のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目7)
環境マップを更新して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置および前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を組み込むことをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目8)
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと前記第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の前記潜在的な衝突を検出すると、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第3の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目9)
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと前記第1の外科用ロボットカートアセンブリとの間の前記潜在的な衝突を検出すると、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのトラブルシューティングの要件を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目10)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリを、それらのそれぞれの前記第2の位置に向かって同時に移動させることをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目11)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリ、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリ、および前記手術台に対する臨床医の第1の位置を判定することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目12)
手術室内に複数の外科用ロボットカートアセンブリを位置決めする方法であって、
手術室センサから第1のセンサデータを取得することと、
第1の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定し、第2の外科用ロボットカートアセンブリの第1の位置を判定することであって、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリが、第1のセンサおよび第1の送信機を有する第1のベース部分を含み、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、第2のセンサおよび第2の送信機を有する第2のベース部分を含む、判定することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第1の外科用ロボットカートアセンブリのための第1の経路を計算し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの第2の位置に向かう前記第2の外科用ロボットカートアセンブリのための第2の経路を計算することと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをそれぞれ、それらの前記第2の位置に向かって自律的に移動させることと、
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリがその前記第2の位置に向かって移動する際、前記第1の経路および前記第2の経路に沿って潜在的な衝突を検出することと、
前記第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリが、それぞれそれらの前記第2の位置に移動すると、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置および前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を用いて環境マップを更新することと、を含む、方法。
(項目13)
前記手術室センサから取得された前記第1のセンサデータから、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することと、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することと、をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1のセンサから第2のセンサデータを取得して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2のセンサから第3のセンサデータを取得して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第1の位置を判定することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を計算し、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第2の位置を計算して、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリと前記第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の第1の安全距離を維持することと、前記第1の外科用ロボットカートアセンブリおよび前記第2の外科用ロボットカートアセンブリと手術台との間の第2の安全距離を維持することと、をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記第1の外科用ロボットカートアセンブリと前記第2の外科用ロボットカートアセンブリとの間の距離が、前記第1の安全距離未満であるとき、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリをその第3の位置に自律的に移動させることをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第2の外科用ロボットカートアセンブリが、その前記第3の位置に移動されるとき、前記環境マップを更新して、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの現在の位置として、前記第2の外科用ロボットカートアセンブリの前記第3の位置を登録することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
外科用ロボットカートアセンブリであって
ロボットアームと、
ベース部分と、を備え、前記ベース部分は、前記ベース部分上に前記ロボットアームを動作可能に支持するように構成されており、前記ベース部分は、視覚誘導システムを含み、前記視覚誘導システムは、
前記ベース部分上に取り付けられたプロジェクタであって、目標場所に向かう移動方向に対応するパターンを投影するように構成された、プロジェクタと、
前記ベース部分上に取り付けられたディスプレイであって、前記目標場所に向かう前記移動方向に対応する視覚的表示を表現するように構成された、ディスプレイと、
前記ベース部分上に取り付けられ、前記ベース部分上で離間されている複数のライトであって、前記複数のライトのうちの少なくとも1つが、前記目標場所に向かう前記移動方向に対応して選択的に光を放つように構成された、複数のライトと、を有する、外科用ロボットカートアセンブリ。
(項目20)
前記ベース部分が前記パターンに沿って前記目標場所に向かって移動するに従い、前記プロジェクタによって投影された前記パターンが、変化するように構成されている、項目19に記載の外科用ロボットカートアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示しており、上述した開示の一般的な説明および下記の例示的な実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
図1】本開示によるロボット外科用アセンブリを含むロボット外科用システムの概略図である。
図2】本開示の実施形態による、ベース部分上に支持されたロボットアームを示す、図1のロボット外科用システムの外科用ロボットカートアセンブリの斜視図である。
図3】本開示による、図2の外科用ロボットカートアセンブリを位置決めする方法を示すフローチャートである。
図4】第1の位置にある複数の外科用ロボットカートアセンブリを示す、図1のロボット外科用システムの手術室の上部平面図である。
図5】第2の位置にある複数の外科用ロボットカートアセンブリを示す、図4の手術室の上部平面図である。
図6】第3の位置にある複数の外科用ロボットカートアセンブリを示す、図4の手術室の上部平面図である。
図7】本開示の別の実施形態による、ベース部分上に支持されたロボットアームを示す、図1のロボット外科用システムの外科用ロボットカートアセンブリの斜視図である。
【0027】
図8】本開示の別の実施形態による、複数の外科用ロボットカートアセンブリを示す、図1のロボット外科用システムの手術室の上部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は、手術台に対して1つ以上のロボットアーム(複数可)を最適に位置決めするために1つ以上の外科用ロボットカートアセンブリを目標場所に向けて位置付けおよび移動させるための自動ならびに手動手段を容易にするシステムおよび方法を提供する。本開示の実施形態が図面を参照して詳細に記載され、図面の中で同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一のまたは対応する要素を示す。
【0029】
最初に図1を参照すると、例えば、ロボット外科用システム1などの外科用システムが示される。実施形態では、ロボット外科用システム1は、手術室「OR」内で使用されるように構成され、具体的には、下記で詳述される手段によって低侵襲様式で処置されるように、手術台「ST」上に横たわる患者「P」上で使用するように構成される。ロボット外科用システム1は、概して、複数のロボットアーム2、3と、制御デバイス4と、制御デバイス4と結合された操作コンソール5と、を含む。
【0030】
実施形態では、手術台「ST」は、1つ以上のセンサ(複数可)16と、その周囲に配設された送信機18と、を含む。センサ(複数可)16は、例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、超広帯域RF信号)、超音波、および赤外線(IR)信号を受信するように構成され得、ならびに送信機18は、同信号を送信するように構成されてもよい。
【0031】
例えば、ロボットアーム2などのロボットアームは、手術台「ST」に結合されてもよい。代替的に、例えば、ロボットアーム3などのロボットアームは、外科用ロボットカートアセンブリ100上で支持されてもよい。
【0032】
操作コンソール5は、特に三次元画像を表示するように設定された表示デバイス6と、手動入力デバイス7、8と、を含み、それによって、人(図示せず)、例えば、外科医は、原則として当業者に既知のように、第1の動作モードでロボットアーム2、3を遠隔操作することができる。ロボットアーム2、3の各々は、接合部を通して接続されている複数の部材から構成され得、例えば、患者「P」を低侵襲様式で治療するためにそこに取り外し可能に取り付けられた電気機械式器具10などの外科用器具を含み得る。
【0033】
ロボットアーム2、3は、制御デバイス4に接続される電気駆動部(図示せず)によって駆動されてもよい。制御デバイス4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2、3およびそれゆえ電気機械式器具10(電気機械式エンドエフェクタ(図示せず)を含む)が手動入力デバイス7、8によって画定された動きに従って所望の動きを実行するように、特にコンピュータプログラムによって、駆動装置を作動させるように設定される。制御デバイス4は、ロボットアーム2、3および/または駆動装置の動きを調整するように設定することもできる。実施形態では、外科用ロボットカートアセンブリ100は、手動入力デバイス7、8を介して制御され得る。加えて/代替的に、制御デバイス4は、外科用ロボットカートアセンブリ100の動きを調節するように構成され得る。
【0034】
ロボット外科用システム1はまた、3つ以上のロボットアーム2、3を含んでもよく、同様に、付加的なロボットアームが制御デバイス4に接続され、操作コンソール5によって遠隔操作可能である。外科用器具、例えば、電気機械式器具10(電気機械式エンドエフェクタを含む)もまた、付加的なロボットアームに取り付けられてもよい。ロボット外科用システム1はまた、図4図6に示されるように、例えば、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bなどのロボットアーム3を支持するための複数の外科用ロボットカートアセンブリ100を含み得る。第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bは、同様に、制御デバイス4および/または手動入力デバイス7、8に接続されるように構成される。
【0035】
実施形態では、ロボット外科用システム1は、1つ以上の手術室センサ14と通信するデータベース12をさらに含む。データベース12は、手術室「OR」内に配設された実体(例えば、手術台「ST」ならびに第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100b)の場所を表現する1つ以上の環境マップ12aを格納するために提供される。詳細は後述するが、環境マップ12aは、事前にプログラムされた入力から生成され、および/または手術室センサ14から収集されたデータならびに/もしくは手術台「ST」ならびに第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bから収集されたデータから生成され得る。環境マップ12aは、静的マップ部分12a1および動的マップ部分12a2を含む。静的マップ部分12a1は、手術室「OR」の寸法または境界、および、例えば、手術台「ST」などの任意のランドマークの場所を表現する。動的マップ部分12a2は、例えば、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bなどの移動可能な実体の現在位置を知らせるデータを繰り返し組み込むことによって生成された現在の作業環境を表現する。
【0036】
データベース12はまた、例えば、患者「P」に割り当てられた術前データおよび/または解剖学的アトラスなどの患者データ12bを含み得る。データベース12はまた、環境マップ12aおよび/または患者データ12bが表示デバイス6に表示され得るように、操作コンソール5と結合され得る。
【0037】
手術室センサ14は、手術室「OR」の天井に取り付けられた視覚センサ14aと、手術台「ST」の周りに配設されたフロアセンサ14bと、を含み得る。視覚センサ14aは、外科用ロボットカートアセンブリ100のベース部分130(図2)ならびに手術台「ST」の三次元幾何学形状を検出するように構成された、1つ以上のカメラ、ビデオカメラ、および/または撮像装置を含み得る。実施形態では、視覚センサ14aは、例えば、外科用ロボットカートアセンブリ100のベース部分130上に配設されたしるしおよび/または幾何学的マーキングなどの固有のマーカー「M」を識別ならびに追跡するように構成され得る。フロアセンサ14bは、センサ付き床カバー内に組み込まれ、外科用ロボットカートアセンブリ100のベース部分130のポーズまたは配向を検出するように構成され得る。データベース12および手術室センサ14は、制御デバイス4が、環境マップ12a、患者データ12b、および手術室センサ14からの情報を組み込んで、外科用カートロボットアセンブリ100の動きを調整することができるように、制御デバイス4と結合される。
【0038】
図1に示されるように、上記で詳述したロボット外科用システム1の様々な構成要素は、有線および/または無線手段を介して互いに結合されて、それらの間でデータを送受信することができる。
【0039】
ロボット外科用システムの構成および動作の詳細な考察については、その全容が、参照により本明細書に組み込まれる、2011年11月3日に出願された、米国特許第8,828,023号、名称「Medical Workstation」で参照することができる。
【0040】
図2を参照すると、本開示に従って使用するように構成された外科用ロボットカートアセンブリ100の1つの例示的な実施形態が、概して識別されるが、本開示の態様および特徴は、任意の好適な外科用ロボットカートアセンブリに同様に組み込まれることもまた想定される。外科用ロボットカートアセンブリ100は、概して、ロボットアーム3と、垂直カラム120と、ベース部分130と、を含む。ベース部分130は、それに結合された複数のキャスター140、150、および160を含む。キャスター140、150、および160の各々は、それぞれの枢動軸を中心に旋回するように構成され、外科用ロボットカートアセンブリ100が移動すること、または外科用ロボットカートアセンブリ100の移動を抑制することを可能にするように構成される。
【0041】
外科用ロボットカートアセンブリの構造および動作の詳細な考察については、その各々の全容が、参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月3日に出願された、米国特許出願第15/765,544号、名称「SURGICAL ROBOTIC CART WITH SELECTIVE WHEEL ALIGNMENT」、および/または2018年4月16日に出願された、米国仮特許出願第62/658,101号、名称「GRAVITY COMPENSATION FOR ROBOTIC ARM」で参照することができる。
【0042】
引き続き図2を参照すると、外科用ロボットカートアセンブリ100は、カメラ132と、1つ以上のセンサ(複数可)134と、送信機136と、ベース部分130上に配設された固有のマーカー「M」と、を含む。実施形態では、センサ(複数可)134は、ベース部分130の周囲に沿って離間し、かつ配設され得、そのため、ベース部分130の相対的なポーズまたは配向は、センサ(複数可)134のうちのどれが最初に、例えば、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bの送信機136(図4)および/または手術台「ST」の送信機18などのソースから信号を受信するかを判定することによって取得され得る。代替的に、カメラ132、センサ(複数可)134、送信機136、および固有のマーカー「M」は、外科用ロボットカートアセンブリ100の他の構成要素(例えば、垂直カラム120)の周りに配設され得る。
【0043】
手術台「ST」のセンサ(複数可)16と同様に、センサ(複数可)134は、例えば、RF信号(例えば、超広帯域RF信号)、超音波、およびIR信号を受信するように構成され得、手術台「ST」の送信機18と同様に、送信機136は、同信号を送信するように構成され得る。図3図6を参照して下記で詳述されるように、手術台「ST」のセンサ(複数可)16、および送信機18、ならびに外科用ロボットカートアセンブリ100のカメラ132、センサ(複数可)134、および送信機136は、例えば、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bに対する第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aおよび手術室「OR」内に配設された手術台「ST」の正確かつロバストな位置特定を協働して提供するように構成されることが企図される。さらに、手術台「ST」のセンサ(複数可)16、および送信機18、ならびにカメラ132、センサ(複数可)134、および送信機136は、複数の外科用ロボットカートアセンブリ100の各々の、手術台「ST」に対する相対的な配向の正確な測定を協働して提供するように構成される。
【0044】
図1および図2と連動して、図3図6を参照すると、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bのロボットアーム3が、互いに対して最適に配置され、特定のタスクを完了するように、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bを手術台「ST」の周りに自動的に位置決めするためにロボット外科システム1を使用する例示的な方法が、説明される。2つの外科用ロボットカートアセンブリのみが記載されているが、任意の数の外科用ロボットカートアセンブリが、ロボット外科システム1に組み込まれ得ることが企図される。以下で詳述されるように、手術台「ST」の周りに第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bを位置決めするプロセスは、概して、位置特定段階(例えば、ステップS200)、経路計画段階(例えば、ステップS208)、移動段階(例えば、ステップS214)、および配置段階の確認(例えば、ステップS224)を含む。ロボット外科用システム1は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bと手術室「OR」内に位置付けられた任意の実体との間の不注意な衝突を防止するために、以下に詳述する様々な段階に組み込まれた安全システムを提供することが企図される。この安全システムは、例えば、物体の3D表面ポイントのクラウドを生成するLIDARなどのセンサを組み込み、アームおよびテーブルの、互いに対する縁部または周辺/境界の物理的な存在を識別する。安全システムは、この境界情報を互いに、かつ手術台に対するカートの現在の動き、ならびに予測される将来の動きと結び付けて、衝突の可能性を判定し、そうであればカート(複数可)の経路(複数可)を互いにおよび/または手術台に対して調節するであろう。この安全システムはまた、アームおよび/または手術台の既知の幾何学的構成を、同アームおよび/または手術台の既知のポーズと結びつけて、潜在的な衝突を計算し、これを防止するための修正措置を講じることもできる。このように、表面境界を測定するためのセンサは必要ではない。手術室のスタッフおよび/または手術屋の周りを移動する機器など、以前の形状が未知の物体との潜在的な衝突を評価する場合は、表面形状測定センサの使用が望ましいことに注意されたい。
【0045】
最初に図3図4を参照すると、ステップS200では、位置特定段階が、開始される。位置特定段階の開始に続いて、ステップS202では、センサデータが取得されて、ステップS204では、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bおよび手術台「ST」に対する第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aの現在位置「PA1」、ならびに、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aおよび手術台「ST」に対する第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bの現在位置「PB1」を判定する。実施形態では、センサデータは、手術室「OR」の視覚センサ14aおよびフロアセンサ14bから取得される。代替的に/加えて、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの現在位置「PA1」および「PA2」は、それぞれ、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bと手術台「ST」との間で信号を送信ならびに受信することによって判定され得る。
【0046】
実施形態では、オペレータまたは臨床医「C」が手術室「OR」内に位置付けられる場合、臨床医「C」は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100b、ならびに手術台「ST」に対する、臨床医「C」の現在位置「PC1」に対応する信号を送信するように構成されたタグ138を提供され得る。臨床医「C」の現在位置「PC1」は、視覚センサ14a、床センサ14b、手術台「ST」のセンサ(複数可)16、および/または第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの各々のカメラ132およびセンサ(複数可)134のうちの1つ以上によって判定され得る。
【0047】
位置特定段階に続いて、ステップS206では、環境マップ12aは、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bおよび臨床医「C」の現在位置「PA1」、「PB1」、および「PC1」をそれぞれ、動的マップ部分12a2に組み込むこと、ならびに動的マップ部分12a2を静的マップ部分12a1に組み込みかつ位置合わせして、手術室「OR」の境界内の現在位置「PA1」、「PB1」、および「PC1」の表現を提供することによって更新される。
【0048】
次に図3と連動して、図5を参照すると、ステップS208では、経路計画段階が、制御デバイス4によって開始される。ステップS210では、制御デバイス4は、少なくとも位置確認段階中に収集された更新された環境マップ12aおよび患者データ12bを使用して、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aに対する第2の目標位置「PA2」、および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bに対する第2の目標位置「PB2」を計算して、手術台「ST」に対して、各ロボットアーム3(図2)を最適に位置決めする。ステップS210は、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aに対する経路「X1」および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bに対する経路「X2」をプロットすることを含み、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの第2の位置「PA2」および「PB2」にそれぞれ、向かう途中のあらゆる障害物を回避する。
【0049】
実施形態では、図5に示されるように、制御デバイス4は、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aの経路「X1」を計算して、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと手術台「ST」との間の衝突を回避し、ならびに第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bの経路「X2」を計算して、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bと臨床医「C」との間の衝突を回避する。
【0050】
次にステップS212では、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bが第2の位置「PA2」および「PB2」にそれぞれあるとき、制御デバイス4が、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bとの間に安全距離「D1」があり、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの各々と手術台「ST」との間に安全距離「D2」があると判定する場合、制御デバイス4は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bにそれぞれの第2の位置「PA2」および「PB2」に向かって移動するように命令する。
【0051】
しかしながら、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bが、第2の位置「PA2」および「PB2」にそれぞれあるとき、制御デバイス4が、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bとの間の距離が、安全距離「D1」未満となり、および/または第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの各々と手術台「ST」との間の距離が、安全距離「D2」未満となると判定する場合、ロボット外科用システム1は、ステップS202に戻って、上記のようにさらなるセンサデータを取得する。
【0052】
図3図5、および図6を参照すると、一度経路計画段階が完了すると、移動段階は、ステップS214で開始され、その間に、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bは、制御デバイス4から受信した命令に基づいて、それぞれ、第2の位置「PA2」および「PB2」に向かって自律的に移動する。第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bは、それぞれ、第2の位置「PA2」および「PB2」に向かって、連続的または同時に移動され得ることが企図される。第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bは、それらの自動化された動きのために動力付きホイールおよびステアリングアセンブリを備え得ることが企図される。
【0053】
ステップS216では、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bが、それぞれ、第2の位置「PA2」および「PB2」に向かって移動する際、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの各々のセンサ(複数可)134は、上記の経路計画段階で障害物を事前に検出するだけでなく、近接接触電位の兆候を継続的に検出するように構成される。近接接触電位は、コンピュータグラフィックスおよびロボットナビゲーション(例えば、“FCL:A general purpose library for collision and proximity queries,”Robotics and Automation(ICRA),2012 IEEE International Conference on,DOI10.1109/ICRA.2012.6225337を参照)から確立された技術を使用して計算することができる。
【0054】
ステップS216において、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bが、図6に示されるように、それぞれ、第2の位置「PA2」および「PB2」に位置付けられて、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bとの間の潜在的な接触距離「D3」が、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bのセンサ(複数可)134によって検出される場合、ステップS218では、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bは、トラブルシューティングが必要かどうかを判定するように構成される。
【0055】
ステップS220では、トラブルシューティングが必要な場合、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bは、動きを停止し、送信機136を介して手術室「OR」内の臨床医「C」および/または手術室「OR」外の観察者(図示せず)に、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aまたは手術台「ST」との衝突の可能性を示す信号を送信するように構成される。
【0056】
ステップS222では、トラブルシューティングが必要でない場合、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bは、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aまたは手術台「ST」との衝突の可能性を示す制御デバイス4に送信機136を介して信号を送るように構成される。第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bからの表示に従って、制御デバイス4は、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bに対する第3の位置「PB3」を判定し、そのため第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bが、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aまたは手術台「ST」との衝突を回避する。第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bの第3の位置「PB3」は、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bが第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aおよび手術台「ST」との衝突を回避しながら、その特定のタスクを実行し続けることができるように計算されることが企図される。
【0057】
一度第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bの第3の位置「PB3」が判定されると、ロボット外科用システム1は、ステップS214に戻り、移動段階が開始されて、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bを第3の位置「PB3」に移動させる。図6には具体的には示されないが、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aは、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bとの間の潜在的接触距離「D3」の検出に応答して、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bと同様に動作するように構成されることが企図される。
【0058】
引き続き図3を参照して、代替的に、第1の外科用ロボットカートアセンブリ100aと第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bとの間の潜在的な接触距離「D3」が、第2の外科用ロボットカートアセンブリ100bのセンサ134によって検出されない場合、ステップS216に続いて、ステップS224で、配置段階の確認が開始される。一度制御デバイス4が、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bがそれぞれの指定された位置(例えば、位置「PA2」および「PB2」または「PB3」)にあると判定すると、ステップS226では、環境マップ12aが、ステップS204のプロセスと同様に更新される。具体的には、環境マップ12aの動的マップ部分12a2は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの位置「PA2」および「PB2」/「PB3」をそれぞれ、それぞれの現在の位置として登録するように更新される。次に、環境マップ12aの更新された動的マップ部分12a2は、環境マップ12aの静的マップ部分12a1に再度組み込まれるか、または位置合わせされて、手術室「OR」の境界内の現在位置「PA2」および「PB2」/「PB3」の表現を提供する。
【0059】
配置段階の確認に続いて、ステップS228では、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bは、それぞれの指定されたタスク(例えば、医療処置)を実行するように構成される。図3図6を参照して上記の方法ステップで説明されたように、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ100a、100bの位置にさらなる調整を行うことができることが企図される。
【0060】
ここで図7を参照すると、本開示の別の態様に従って提供される外科用ロボットカートアセンブリ300が、示される。外科用ロボットカートアセンブリ100と同様に、外科用ロボットカートアセンブリ300は、概して、ロボットアーム30と、垂直カラム320と、ベース部分330と、を含む。ベース部分330は、それに結合された複数のキャスター340、350、および360を含む。
【0061】
ベース部分330はまた、視覚誘導システム331および搭載安全システム370を含む。視覚誘導システム331は、外科用ロボットカートアセンブリ300が、手動で移動される必要のある場所に関して臨床医「C」に指示するように構成される。実施形態では、視覚誘導システム331は、ベース部分330の底面または床に面する表面330a上で支持されたジンバル334上に取り付けられたプロジェクタ332を含む。実施形態では、視覚誘導システム331はまた、ディスプレイ336と、その上面330b上に取り付けられた1つ以上のライト(複数可)338と、を含む。ライト(複数可)338は、離間され得、ベース部分330の周囲に配設されてもよい。
【0062】
さらに図7と連動して、図8を参照すると、手術台「ST」の周囲の第1の外科用ロボットカートアセンブリ300aおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリ300bの手動位置決め手段が、記載される。図2図6を参照して上記で説明された自動位置決め手段と同様に、手動位置決め手段は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bの各々のロボットアーム30の、相互および手術台「ST」に対する最適な位置決めを容易にして、特定のタスクを完了するように構成される。
【0063】
実施形態では、各第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bのプロジェクタ332は、パターン「A1」および「B1」を、それぞれ、手術室「OR」の床上に送信または投影するように構成され、それは、臨床医「C」に指示し、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bを、それぞれ、目標場所「A2」および「B2」に向かって移動させる。実施形態では、手術室「OR」の天井に取り付けられた視覚センサ14aは、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300b、それぞれに対して、パターン「A1」、および「B1」、ならびに目標場所「A2」および「B2」を同時に投影するように構成されたプロジェクタ14cを含み得る。代替的に、プロジェクタ14cは、手術台「ST」の上部の手術室のライト(図示せず)内に代わりに配設されてもよい。臨床医「C」が第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bをそれぞれ、目標場所「A2」および「B2」に向かって移動する際、パターン「A1」および「B1」は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bの正確な配置が達成されるまで、変化して、更新された方向を提供するように構成されることが企図される。それぞれの目標場所「A2」および「B2」に到達すると、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bは、目標場所「A2」および「B2」に到達したという可聴および/または可視的表示を提供するように構成される。
【0064】
実施形態において、ベース部分330上のディスプレイ336は、方向の視覚的表示337を表示して、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bを移動するように構成される。ディスプレイ336の視覚的表示337は、例えば、目標場所「A2」および「B2」に、それぞれ到達するために、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bが移動する必要がある距離に従って、スケーリングされた矢印などの幾何学的しるしを含み得る。実施形態では、ディスプレイ336の視覚的表示337は、目標場所「A2」および「B2」へそれぞれ、残りの距離の数値のしるしを含み得る。ディスプレイ336は、目標場所「A2」および「B2」に到達するまで視覚的表示337を連続して更新するように構成される。実施形態では、ベース部分330の周囲に配設されたライト(複数可)338は、選択的に光を放ち、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bを特定の方向に移動させるための表示を提供するように構成され得る。
【0065】
さらに、図8に示されるように、臨床医「C」は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bを移動させる必要がある場所の視覚的表示、ならびに目標場所「A2」および「B2」にそれぞれ到達するための動的な経路の更新を含む、手術室「OR」の拡張ビューを提供するように構成された、拡張現実ディスプレイデバイス「AR」を備え得る。拡張現実ディスプレイデバイス「AR」はまた、衝突を回避するために、速度の表示、ならびに第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bの動きを遅くする必要性を提供するように構成され得る。
【0066】
安全システム370は、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bが臨床医「C」によって移動された際、視覚誘導システム331と連動して動作して、第1の外科用ロボットカートアセンブリ300aおよび第2の外科用ロボットカートアセンブリ300bと手術台「ST」との間の衝突を防止するように構成される。実施形態では、安全システム370は、ベース部分330の複数のキャスター340、350、および360のうちの1つ以上にブレーキをかけるためにロック機構を選択的にトリガーするように構成される。安全システム370はまた、第1および第2の外科用ロボットカートアセンブリ300a、300bがトラブルシューティングを必要とする場合に、制御デバイス4(図1)と通信するように構成される。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容する範囲において同じく広範とし意図されており、本明細書も同様に読み取られるべきと意図されるので、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態の任意の組み合わせがまた、想定され、特許請求される発明の範囲内でなる。したがって、上記の説明は、限定的であるとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8