(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】周期磁界検出するセンサ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/16 20060101AFI20220511BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20220511BHJP
G01R 33/09 20060101ALI20220511BHJP
H01L 43/08 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G01D5/16 M
G01D5/245 R
G01R33/09
H01L43/08 Z
H01L43/08 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017067344
(22)【出願日】2017-03-30
【審査請求日】2020-03-25
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507018894
【氏名又は名称】エヌテエヌ-エスエヌエール ルルモン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ドュレ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ペーターシュミット,シリル
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-123328(JP,A)
【文献】特開2007-303891(JP,A)
【文献】特表2008-525787(JP,A)
【文献】特開2007-64813(JP,A)
【文献】特表2008-524571(JP,A)
【文献】特開2000-193407(JP,A)
【文献】特開2002-206904(JP,A)
【文献】国際公開第2015/056346(WO,A1)
【文献】特表2006-520538(JP,A)
【文献】国際公開第2008/081797(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0146647(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/252
G01R 33/00-33/18
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期磁界を検出するセンサであって、
磁場のX方向の成分の強度に応じてその電気抵抗が変化する少なくとも1つの磁気抵抗素子を集約する測定アッセンブリ(1)を含み、
前記磁気抵抗素子は、2つの導体磁気層からなる積層体を含み、
その各々の層は、参照層と感応層であり、
それらの間には、前記積層体の前記電気抵抗が前記参照層と前記感応層との磁化の相対配向によって定まるように、分離層が配置されており、
前記センサは、検出された磁場を表す信号を供給するために、前記電気抵抗の変化を利用できるように構成された電子回路を含み、
前記参照層はX方向に、前記感応層は前記X方向に直交するY方向に、磁気異方性を有しており、
前記センサは、前記X方向と前記Y方向とを含む平面に広がる表面(3)、及び、前記X方向とZ方向とを含む対称面(4)を有する永久分極磁石(2)を含み、
前記Z方向は、前記X方向と前記Y方向とに直交すると共に、前記分極磁石(2)の前記磁場が主にそれにそって広がる方向であり、
前記測定アッセンブリ(1)は、前記分極磁石(2)の磁場が、前記感応層の磁化を前記Y方向に方向付けるように調整された距離(△y)だけ、前記Y方向に前記対称面からずらされながら、前記磁気抵抗素子の前記層の各々が前記表面(3)と平行な平面に配置されるように、前記分極磁石(2)の前記対称面(4)に
対向して配置され、
検出された前記磁場の前記X方向の成分に応じて、前記磁化の方向の変化を許容しながら、検出される磁場範囲において、前記磁化の変化が磁気抵抗素子の電気抵抗の線形変化をもたらし、
前記分極磁石(2)の前記表面(3)の前記Y方向の寸法(Dy)の5から15%の間である寸法(△y)だけ、前記測定アッセンブリ(1)が前記対称面(4)からずらされている検出センサ。
【請求項2】
前記感応層が、前記Y方向に磁化の優先方向を有している請求項1に記載の検出センサ。
【請求項3】
測定アッセンブリ(1)が、前記X方向に延伸するように直線状に構成された複数の磁気抵抗素子を含む請求項1又は2に記載の検出センサ。
【請求項4】
前記磁気抵抗素子が、ホイートストン・ブリッジ内の測定アッセンブリ(1)に含まれている請求項3に記載の検出センサ。
【請求項5】
前記磁気抵抗素子が、カレントループ内の測定アッセンブリ(1)に含まれている請求項3に記載の検出センサ。
【請求項6】
前記測定アッセンブリ(1)が、前記分極磁石(2)の前記表面(3)の中央部分に対向して設けられている請求項1から5の何れか1項に記載の検出センサ。
【請求項7】
前記測定アッセンブリ(1)が、電子カード(5)の1つの表面に設けられており、
前記電子カード(5)の他の表面が、前記分極磁石(2)の前記表面(3)に固定されている請求項1から6の何れか1項に記載の検出センサ。
【請求項8】
前記分極磁石(2)がフェライトから形成されている請求項1から7の何れか1項に記載の検出センサ。
【請求項9】
前記磁気抵抗素子が、トンネル効果型である請求項1から8の何れか1項に記載の検出センサ。
【請求項10】
固定構造物と連動して動くことが可能な部材の少なくとも1つの運動パラメータを決定するシステムであって、
前記システムは、可動部材と共に動くことが可能なように前記可動部材に設けられたエンコーダを有し、
前記エンコーダは、前記エンコーダの動きを表す周期磁界を供給することが可能なように構成されており、
測定アッセンブリ(1)と共に、前記磁場からの検出可能距離に前記固定構造物に配置される請求項1から9の何れか1項に記載の検出センサを有し、
前記測定アッセンブリ(1)の電気抵抗の変化に基づいて前記可動部材の前記運動パラメータを決定する演算装置を有する決定システム。
【請求項11】
前記エンコーダは、磁場を放つことができる少なくとも1つの多極磁気トラックを有し、
その前記X方向の成分は、前記測定アッセンブリ(1)に対する前記トラックの前記動きに応じて疑似正弦波状に変化する請求項10に記載の決定システム。
【請求項12】
前記エンコーダは、前記測定アッセンブリ(1)に対する前記構造物の移動に応じて疑似正弦波状に変化する前記磁場の前記X方向の成分を供給することができるように、前記分極磁石(2)から放たれた磁場を変更可能に構成された強磁性体構造を有している請求項10に記載の決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定構造物関し、可動部材の少なくとも一つの運動パラメータを決定するためのシステムと、磁場の一方向の成分の強度に応じて電気抵抗が変化する、少なくとも1つの磁気抵抗素子を集約する測定アッセンブリを有した、周期磁界を検出するためのセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの用途において、例えば、運動の位置、速度、加速度、又は、方向のような、可動部材の少なくとも1つの直線及び又は角運動パラメータを、リアルタイムでかつ好適な質で知ることが望まれている。
【0003】
これを実現するために、WO2006/064169公報は、複数の感応素子を有するセンサからの検出可能距離に、疑似正弦波状の磁界を供給することが可能なように構成され、可動部材に設けられるエンコーダの使用を提案している。
【0004】
磁場の変化に応じて可動部材の運動パラメータを決定するために、センサは、検出される磁場を表す信号を供給するべく、感応素子の電気抵抗の変化を用いることができるように構成された電子回路を有している。
【0005】
特には、WO2006/064169公報は、直角位相で同じ強度の2つの信号を供給する感応素子の抵抗を表す信号を纏めるため、カレントループの測定アッセンブリに集約された感応素子を提供する。前記抵抗値は、前記パラメータを算出するために用いられる。ホイートストン・ブリッジでの感応素子の接続もまた知られている。
【0006】
好ましくは、各々の感応素子は、磁気抵抗物質に基づく少なくとも1つのパターンを含んでいてもよい。特には、トンネル効果(TMR,トンネル磁気抵抗を表す。)有していればよい。その抵抗は、例えばWO2004/083881公報に記載されているように、磁場に応じて変化する。
【0007】
特には、それぞれのパターンは、測定アッセンブリにトンネル接合の連続を形成するために、更にその間に絶縁層が配置される2つの導体層を有している。導体層は、それぞれ、測定される場に対して敏感な磁気層と、参照磁化層とを形成している。そして、導体層の間の電気抵抗は、それぞれの層の磁化の相対配向に依存している。
【0008】
これを実現するために高感度層と参照層とは、互いに直交する磁気異方性方向を有し、相対的回転により、検出される磁場範囲に対して線形に変化する電気抵抗の変化を引き起こす。
【0009】
しかしながら、高感度層の異方性を調整することは、特に検出対象とは異なる温度及び磁場条件に対して非感応にする場合には複雑になり得る。このような異方性を実現することは、高感度層の製造をより困難で高価にする。そのため、検出される磁場の条件及び又は特定の温度下では、上述の実施形態は、検出の優れた線形性の担保する程には、磁気異方性の正しい垂直性が保証されないという点において、完全な満足は提供しない。
【0010】
US2007/047152公報は、磁気抵抗素子によって検出される磁石の磁場を測定するための分極磁石の使用について記載しており、そこでは、分極磁石の磁場は、前記磁気抵抗素子の自由層の磁化を抑制し、磁化ベクトルの回転角を減少させるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】WO2006/064169号公報
【文献】WO2004/083881号公報
【文献】US2007/047152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、特には作動温度について信頼性が向上した周期磁界のセンサを提案することで従来技術を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、第一の観点としては、本発明は、周期磁界を検出するセンサであって、磁場のX方向の成分の強度に応じて、その電気抵抗が変化する少なくとも1つの磁気抵抗素子を集約する測定アッセンブリ(1)を含み、前記磁気抵抗素子は、2つの導体磁気層からなる積層体を含み、その各々は、参照層と感応層であり、それらの間には、前記積層体の前記電気抵抗が前記参照層と前記感応層との磁化の相対配向によって定まるように、分離層が配置されており、前記センサは、検出される磁場を表す信号を供給するために、前記電気抵抗の変化を利用できるように構成された電子回路を含み、前記参照層はX方向に、前記感応層は前記X方向に直交するY方向に、磁気異方性を有しており、前記センサは、前記X方向と前記Y方向とを含む平面に広がる表面(3)、及び、前記X方向とZ方向とを含む対称面(4)を有する永久分極磁石(2)を含み、前記Z方向は、前記X方向と前記Y方向に直交すると共に前記磁石の前記磁場が、主にそれにそって広がる方向であり、前記測定アッセンブリ(1)は、前記分極磁石(2)の磁場が、前記感応層の磁化を前記Y方向に方向付けるように調整された距離(△y)だけ、前記Y方向に前記平面からずらされながら、前記磁気抵抗素子の前記各層が前記表面(3)と平行な平面に配置されるように、前記分極磁石(2)の前記対称面(4)に配置され、検出される前記磁場の前記X方向の成分に応じて、前記磁化の方向の変化を許容しながら、前記磁化の変化が、検出される磁場範囲において、磁気抵抗素子の電気抵抗の線形変化をもたらす検出センサを提案する。
【0014】
第二の観点としては、本発明は、固定構造物と連動して動くことが可能な部材の少なくとも1つの運動パラメータを決定するシステムであって、前記システムは、可動部材と共に動くことが可能なように前記可動部材に設けられた前記エンコーダを有し、前記エンコーダは、前記エンコーダの動きを表す周期磁界を供給することが可能なように構成されており、測定アッセンブリ(1)と共に、前記磁場から検出可能距離に、前記固定構造物に配置される請求項1から10の何れか1項に記載の検出センサを有し、前記測定アッセンブリ(1)の電気抵抗の変化に基づいて前記可動部材の前記運動パラメータを決定する演算装置を有する決定システムを提案する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の他の特徴や有利性は、添付図面を参照しながらの以下の記述において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態についての、測定アッセンブリと、検出センサの分極磁石との相対配置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この図面には、固定構造物について可動部材の少なくとも1つの運動パラメータを決定するためのシステムが示されている。具体的には、このパラメータは、例えば運動の位置、速度、加速度、又は、方向のような可動部材の直線及び又は角運動パラメータから選ばれうる。
【0018】
特定の例では、このシステムは、固定部材における回転ベアリングの回転部材の回転パラメータを測定するために、回転ベアリングに対して用いられる。
【0019】
この測定システムは、可動部材と動きを共にするように可動部材に設けられるエンコーダを有しており、このエンコーダは、当該エンコーダの動きを表し、それにより可動部材の動きを表すことができる周期磁界を提供できるように構成されている。
【0020】
この測定システムは、固定構造物に対して配置されるセンサも有している。このセンサは、エンコーダから供給された周期磁界を検出する。これを実現するためにこのセンサは、その電気抵抗がX方向の磁場成分の強度に応じて変化するような、少なくとも1つの磁気抵抗素子を集約する測定アッセンブリ1を有している。
【0021】
この測定アッセンブリ1は、磁場からの検出可能距離に配置されており、測定システムは測定アッセンブリ1の電気抵抗の変化に応じて可動部材の運動パラメータを決定するための演算装置を有している。
【0022】
図に示すように、測定アッセンブリ1は、X方向に直線状に伸長しており、詳細には複数個の磁気抵抗素子を集約している。1つの実施形態によると、磁気抵抗素子は、ホイートストン・ブリッジの測定アッセンブリ1に集約される。他の実施形態では、磁気抵抗素子は、カレントループ(カレントループ)の測定アッセンブリ1に集約される。さらに、磁気抵抗素子は、FR 2 792 403公報、EP 2 602 593公報又はEP 2 602 594公報に記載されているような、配列された複数個の磁気抵抗パターンを含んでいてもよい。
【0023】
この磁気抵抗素子は、2つの導体磁気層からなる積層体を有しており、その各々は参照層と感応層であり、それらの間には、前記積層体の電気抵抗が参照層と感応層との磁化の相対配向に依存するように、分離層が配置されている。
【0024】
詳細には、参照層はX方向に磁気異方性を有しており、感応層はX方向に直交するY方向に磁気異方性を有している。
【0025】
これにより、磁気抵抗素子を、検出される磁場のX方向における、コンポーネントからの検出可能距離に配置することで、参照層に対する感応層の磁化の誘導回転が、前記コンポーネントについて前記磁気抵抗素子の抵抗値を異ならせる。特には、感応層は、Y方向に磁化の優先方向を有していてもよい。
【0026】
有利な実施形態によると、磁気抵抗素子はトンネル効果型であり、絶縁物である分離層を有している。変形としては、GMA型の磁気抵抗素子を形成するために、分離層を導電性としてもよい。
【0027】
センサは、検出される磁場を表す信号を供給するため、磁気抵抗素子の電気抵抗の変化を用いることができる電子回路を有している。詳細には、電気抵抗の変化は、検出される磁場のX方向成分の変化に比例してもよい。
【0028】
更にセンサは、X方向とY方向との平面に広がると共に、X方向及びZ方向に対称面4を有する表面3を有する、いわゆる分極永久磁石2を有している。このZ方向は、X方向及びY方向と垂直であり、前記磁石の磁場が主に広がる方向である。
【0029】
図に示すように、磁気抵抗素子の層が表面3と平行な面に配置されるように、測定アッセンブリ1は、分極磁石2の対称面4に対向して配置されている。これにより、感応層と参照層とがX方向とY方向との平面に広がるので、磁気抵抗素子は分極磁石2の磁界の主成分に対して非感知となる。
【0030】
更には、検出される磁場のX方向における、前記コンポーネントについての前記磁化方向の変動を許容しながら、磁気抵抗素子の層は、分極磁石2の磁場が感応層の磁化をY方向に方向付けるように調整された、距離ΔyだけY方向に分極磁石2の対称面4からずれている。
【0031】
この様にして、感応層の固有磁化方向が何れであれ、特にはセンサの作動温度によらず、分極磁石2の磁場のY方向の小成分は、参照層のそれに対して、前記磁化の垂直性を生じさせる。特には、感応層の磁化には制限がなくても良く、また、それに対してY方向の磁化を付与するために、又は、例えば参照層に対して垂直な異方軸を有するよう事前に方向付けるために、分極磁石2は感応層を飽和させても良い。分極磁石2は、特には、検出される磁場、及び/又は、温度の変動に対しても、この相対配向を保護する。
【0032】
特には、分極磁石2の磁場は、感応層と参照層との磁化の垂直性を担保すること可能とする。それゆえ、検出される電場のX方向成分の変化が、検出される磁場範囲にわたって、磁気抵抗素子の電気抵抗の線形変化をもたらす。
【0033】
一実施形態では、検出される磁場のX方向での、コンポーネントに対応した回転を許容しながらも、分極磁石2は、温度に対して安定に感応層に配向を生じさせるような十分な強さの磁化を有するために、フェライトから作られる。
【0034】
さらに、測定アッセンブリ1は、分極磁石2の表面3のY方向の寸法Dyに対する5から15%の間の距離である距離Δyだけ、対称面4からずれていてもよい。しかし、ずれ距離Δyは、特に測定アッセンブリ1とエンコーダとの間の名目検出可能距離、作動温度、及び、検出される磁場に応じて変えてもよい。
【0035】
詳細には、ズレ距離Δyがより大きくなると、感応層の磁化のY方向への配向がより維持されるが、センサの感度は低下する。
【0036】
一方、ズレ距離Δyがより小さくなると、センサの感度は向上するが、線形での検出範囲が減少する。感応層の不完全飽和のためである。
【0037】
図面において、測定アッセンブリ1は、測定アッセンブリ1の磁石2の端部効果を抑制するために、分極磁石2の表面3の中心部の反対側に配置されている。更に、分極磁石2の表面3の大きさは、測定アッセンブリ1の大きさよりも十分に大きい。特には、X方向において、測定アッセンブリ1の寸法dxは、分極磁石2の寸法Dxよりも格段に小さい。
【0038】
有利な実施形態によると、測定アッセンブリ1は電子カード5の一の面に形成されており、前記電子カードの他の面は分極磁石2の表面3に固定されている。電子カード5は、特には、検出される磁場のX成分を表す少なくとも1つの信号を供給することが可能なように構成されている磁気抵抗素子の抵抗値を表す信号を処理するための装置を有している。
【0039】
詳細には、前記処理装置は、磁場のX成分を表す少なくとも1つの信号を供給するために前記信号を纏める手段と共に、磁気抵抗素子の抵抗値を表す各々の信号を測定する手段を含んでいてもよい。
【0040】
ホイートストン・ブリッジにおける測定アッセンブリ1に関して、処理装置は、そのアームの少なくとも1つに、磁気抵抗素子を含むブリッジの出力のための比較器を含んでいてもよい。カレントループにおける測定アッセンブリ1に関して、処理装置は、各磁気抵抗素子の抵抗信号を纏めるための、前記素子の端子に接続された少なくとも1段の比較器を含んでいてもよい。
【0041】
特には、WO2006/064169公報には、同じ振幅で直角位相のSINとCOSと2つの信号を供給するように構成されている処理装置について記載があり、それぞれの信号は、検出される磁場を表している。前記信号は、回転部材の回転パラメータを決定するため、システムの演算装置で使用される。
【0042】
特定の実施形態によると、エンコーダは、磁場を放つことができる少なくとも1つの多極磁気帯を含んでおり、そのX方向の成分は、測定アッセンブリ1に対する前記磁気帯の動きに応じて疑似正弦波状に変化する。
【0043】
具体的には、エンコーダは、例えば、マトリクス状のプラスチックやエラストマー材料から製造され得る円環状マグネットに形成され、その中には、特にはNdFeBのような希土類元素やフェライトの磁性粒子が分散された、北磁極と南磁極との交互連続を含む。
【0044】
他の実施形態では、測定アッセンブリ1に対する強磁性体構造の動きに応じて疑似正弦波状に変化するX方向の磁場成分を供給するために、エンコーダは、分極磁石2から放たれた磁場を変更できるように構成された強磁性体構造を有している。
【0045】
特には、エンコーダは、特定の環状に広がる鋸歯状の金属構造を含んでおり、前記歯が分極磁石2の前を通過することは、それが主にZ方向に供給する磁場の変化をもたらす。
【符号の説明】
【0046】
1 測定アッセンブリ
2 分極磁石
3 表面
4 対称面
5 電子カード