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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20220511BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20220511BHJP
   F24C 3/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
F24C3/12 V
F24C15/00 M
F24C3/00 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017228414
(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公開番号】P2019100562
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町田 義典
(72)【発明者】
【氏名】玉井 伸広
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-155951(JP,A)
【文献】特開2004-003846(JP,A)
【文献】実開平02-116313(JP,U)
【文献】実開平04-039608(JP,U)
【文献】特開平11-083011(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0081366(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00-3/14
F24C 9/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を載せる載置部と、
前記載置部に載った被調理物を加熱する第1加熱部と、
前面が開口し、この開口を通して被調理物を内部に収容する調理庫と、
前記調理庫に収容された被調理物を加熱する第2加熱部と
を備えた加熱調理器であって、
前記第1加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第1加熱部の加熱能力の調整操作が可能な第1スイッチと、
前記第2加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第2加熱部の加熱能力の調整操作が不能な第2スイッチと、
前記第2加熱部の加熱能力の調整が可能な第3スイッチと
を備え
前記第2スイッチは、
軸に沿って移動可能に構成され、前記軸に沿って移動することで、前記第2加熱部のON状態とOFF状態とを切替え、かつ前記軸回りに回転可能に構成された第2可動部と、
前記第2可動部に対して、前記軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ前記軸回りに相対的に回転可能に取り付けられた第2カバーと
を有する
加熱調理器。
【請求項2】
被調理物を載せる載置部と、
前記載置部に載った被調理物を加熱する第1加熱部と、
前面が開口し、この開口を通して被調理物を内部に収容する調理庫と、
前記調理庫に収容された被調理物を加熱する第2加熱部と
を備えた加熱調理器であって、
前記第1加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第1加熱部の加熱能力の調整操作が可能な第1スイッチと、
前記第2加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第2加熱部の加熱能力の調整操作が不能な第2スイッチと、
前記第2加熱部の加熱能力の調整が可能な第3スイッチと
を備え、
前記第2スイッチは、
軸に沿って移動可能に構成され、前記軸に沿って移動することで、前記第2加熱部のON状態とOFF状態とを切替え、かつ前記軸回りに回転不能に構成された第2可動部と、
前記第2可動部に対して、前記軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ前記軸回りに相対的に回転可能に取り付けられた第2カバーと
を有する
加熱調理器。
【請求項3】
前記第3スイッチと、前記第2加熱部を用いた自動調理機能を実行する第4スイッチとを含む操作スイッチ群を更に備える
請求項1又は2記載の加熱調理器。
【請求項4】
筐体の前面から露出した状態と、収納した状態とで切替え可能な操作面を有し、
前記操作スイッチ群は、前記操作面に設けられている
請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記調理庫がグリル庫である
請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第1スイッチは、
前記軸とは別の第1軸に沿って移動可能に構成され、前記第1軸に沿って移動することで、前記第1加熱部のON状態とOFF状態とを切替え、かつ前記第1軸回りに回転可能に構成され、前記第1軸回りに回転することで前記第1加熱部の加熱能力を調整可能な第1可動部と、
前記第1可動部に対して、前記第1軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ前記第1軸回りに相対的に回転不能に取り付けられた第1カバーと
を有し、
前記第1カバーは、筒状に形成されて外周面に滑り止め部が形成されており、
前記第2カバーは、筒状に形成されて外周面が平滑に形成されている
請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記第1スイッチは、前記第1可動部が有する第1連結部に対して、前記第1カバーが有する第1被保持部が保持されることで、前記第1カバーが前記第1可動部に対して取り付けられ、
前記第2スイッチは、前記第2可動部が有する第2連結部に対して、前記第2カバーが有する第2被保持部が保持されることで、前記第2カバーが前記第2可動部に対して取り付けられ、
前記第1被保持部は、前記第2連結部に対して、取り付け不能に構成され、
前記第2被保持部は、前記第1連結部に対して、取り付け不能に構成される
請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記第1加熱部の加熱能力の出力状態を複数のランプで示す第1ランプ部と、
前記第2加熱部のON状態とOFF状態とのいずれかを1つのランプで示す第2ランプ部と
を更に備える
請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱調理器に関し、より詳細には、第1加熱部と、調理庫内の第2加熱部とを備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の加熱調理器が開示されている。特許文献1記載のガスコンロは、複数のコンロバーナを有するコンロ部と、グリルバーナを有するグリル部とを備えている。
【0003】
ガスコンロは、前面部に設けられた円柱状のコンロ用操作具と、前面部に設けられた円柱状のグリル用操作具とを備えている。コンロ用操作具は、コンロバーナの点火及び消火の操作並びに火力調節の操作を行うことができる。また、グリル用操作具は、グリルバーナの点火及び消火の操作並びに火力調節の操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-3166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のガスコンロにおいて、グリル部での調理は、例えば、タイマー,調理モード又はグリル庫内の温度調整等の各種設定を、火力調節とは別に設定して行われる。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載のガスコンロでは、グリル用操作具により、グリルバーナの点火及び消火の操作だけでなく、火力調節の操作を行うように構成されているため、グリル部での各種設定と、火力調節とを異なる場所で行う必要がある。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みてなされており、調理庫で加熱を行うための加熱部の加熱能力の調整操作の操作性を向上することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る加熱調理器は、被調理物を載せる載置部と、前記載置部の上に載った被調理物を加熱する第1加熱部と、前面が開口し、この開口を通して被調理物を内部に収容する調理庫と、前記調理庫に収容された被調理物を加熱する第2加熱部とを備える。加熱調理器は、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチとを備える。第1スイッチは、前記第1加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第1加熱部の加熱能力の調整操作が可能である。第2スイッチは、前記第2加熱部のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ前記ON状態の前記第2加熱部の加熱能力の調整操作が不能である。第3スイッチは、前記第2加熱部の加熱能力の調整が可能である。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、調理庫で加熱を行うための加熱部の加熱能力の調整操作の操作性を向上することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
図2図2は、同上の操作面の周辺の斜視図である。
図3図3は、同上の第1スイッチ及び第2スイッチの断面図である。
図4図4A図4Bは、同上の第1スイッチ及び第2スイッチにおいて、開閉弁の説明をするための断面図である。
図5図5A図5B図5Cは、同上の第1スイッチ及び第2スイッチにおいて、可動部の動作を説明するための断面図である。
図6図6は、同上の第1スイッチ及び第2スイッチの分解斜視図である。
図7図7A図7Bは、同上の第1カバーの側面図である。図7C図7Dは、同上の第2カバーの側面図である。
図8図8Aは、同上の第1スイッチ及び第2スイッチの正面図である。図8Bは、同上の操作面の平面図である。図8Cは、図8Bにおいて破線で囲んだ部分の拡大図である。
図9図9Aは、変形例1に係る第2スイッチの分解側面図である。図9Bは、変形例1に係る第2スイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係る加熱調理器1は、被調理物を載せるための載置部3と、被調理物を収容するための調理庫5とを備えており、ユーザーは、被調理物を載置部3に載せて調理したり、被調理物を調理庫5に入れて調理したりすることができる。本実施形態に係る加熱調理器1は、載置部3に載せた被調理物を加熱する第1加熱部31と、調理庫5内に収容された被調理物を加熱する第2加熱部51とを備えている。
【0012】
ここで、本開示にいう「被調理物」とは、調理における加熱の対象を意味する。すなわち、被調理物は、例えば、直接的に加熱する食品,食品やスープ等を入れた状態の鍋やフライパン等の調理容器,又は水を沸かすために水を容れたやかん等も含む。
【0013】
加熱調理器1は、第1加熱部31のON/OFFの切替え及び加熱能力の調整を行うことが可能な第1スイッチ6と、第2加熱部51のON/OFFの切替えが可能な第2スイッチ7とを備えている。本実施形態では、第2スイッチ7は、第1スイッチ6とは異なり、第2加熱部51のON/OFFの切替えが可能なだけで、加熱能力の調整を行うことができない。ただし、本実施形態に係る加熱調理器1は、図2に示すように、第2スイッチ7とは異なる箇所に、第2加熱部51の加熱能力の調整を行うことができる第3スイッチ81を備えている。
【0014】
本実施形態では、この第3スイッチ81が、第2スイッチ7とは異なる箇所に設けられることで、次のようにユーザーの使い勝手が向上する。すなわち、第2加熱部51での加熱時間を設定するタイマー設定スイッチ等の加熱能力の調整とは別のスイッチ(他のスイッチ)を備える加熱調理器1の場合、第3スイッチ81と他のスイッチとをまとめて配置することで、第2加熱部51を第2スイッチ7でONにした後にあっては、ユーザーの手指の移動を極力抑えることができる。本開示において、ユーザーとは、加熱調理器1を使用して調理を行う者又は調理を補助する者を意味する。
【0015】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る加熱調理器1について更に詳しく説明する。以下の説明では、加熱調理器1に対してユーザーが正対した状態で、加熱調理器1からユーザーに向かう方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」とする。また、前方向及び後方向に平行な方向を「前後方向」とする。さらに、ユーザーが加熱調理器1を見た姿勢を基準として「左」及び「右」を定義する。
【0016】
加熱調理器1は、被調理物に熱を加えて調理を行う装置である。本実施形態に係る加熱調理器1は、ガスこんろである。ただし、本開示に係る加熱調理器1としては、ガスこんろに限らず、電気こんろ又は電磁調理器(IH調理器)等であってもよい。また、本実施形態では、システムキッチンのキャビネットのワークトップに設置されるドロップインタイプの加熱調理器1であるが、これに限らず、本開示では、テーブル上に置く卓上タイプの加熱調理器1であってもよい。
【0017】
本実施形態に係る加熱調理器1は、図1に示すように、天板2と、複数の載置部3と、筐体4と、調理庫5と、複数の第1加熱部31と、第2加熱部51と、複数の第1スイッチ6と、第2スイッチ7と、操作スイッチ群8(図2)と、制御部とを備えている。
【0018】
天板2は、加熱調理器1の上面を形成する。天板2の上面は水平面に沿っている。本実施形態では、天板2は、加熱調理器1がキャビネットに設置されると、ワークトップの上面に載る。本開示において、天板2は、例えば、上面が強化ガラスで形成されたガラス天板,硬質ホーローの上面にガラスコーティングが施されたホーロー天板,アルミニウム素材で形成されたアルミ天板,又はステンレス素材で形成されたステンレス天板等であってもよい。
【0019】
本実施形態に係る天板2には、調理庫5からの熱を排気する排気孔21と、第1加熱部31を通すための複数の貫通孔22とが形成されている。天板2には、排気孔21を覆う排気カバー23が取り付けられる。
【0020】
載置部3は、被調理物が載る部分である。本実施形態に係る載置部3は、五徳30である。本実施形態において、載置部3は、天板2の複数の貫通孔22に1対1で対応するように、複数設けられている(本実施形態では3か所)。複数の載置部3は、天板2の上面において、互いに離れて配置されている。
【0021】
本開示にいう載置部3は、五徳30に限られない。例えば、加熱調理器1が電気こんろである場合、載置部3は、電気ヒーターの上面である。また、加熱調理器1が電磁調理器である場合、載置部3は、天板2の上面のうち、磁界が発生する部分である。
【0022】
第1加熱部31は、載置部3に載った被調理物を加熱する。第1加熱部31は、複数の載置部3に1対1で対応するように、複数設けられている。各第1加熱部31は、本実施形態では、都市ガス又はプロパンガス等のガスを熱源とするブンゼンバーナからなるこんろバーナである。本実施形態では、こんろバーナの上端部は、天板2から上方に突出している。こんろバーナの上端部には、平面視環状に並んだ複数の炎口が形成されている。
【0023】
ただし、上述のように、加熱調理器1が電気こんろの場合、第1加熱部31は、電力の供給を受けて発熱するニクロム線又はシースヒータ等で構成される。また、加熱調理器1が電磁調理器の場合、第1加熱部31は、電力の供給を受けて磁界を発生する電磁コイルで構成される。
【0024】
筐体4は、第1加熱部31,第2加熱部51,調理庫5,制御部等の機器を収める箱体である。本実施形態では、筐体4は、左右方向に離れた一対の側板41と、加熱調理器1の後面を形成する背板42と、加熱調理器1の前面を形成する前面パネル43とを備えており、上面が開口面となっている。筐体4の開口面は、加熱調理器1がキャビネットに設置されると、天板2で覆われる。
【0025】
前面パネル43は、第1パネル44と、第2パネル45と、開閉扉46と、一対の操作扉47とを備えており、加熱調理器1がキャビネットに設置されると、キャビネットの正面から露出する。前面パネル43は、第1パネル44の前面,第2パネル45の前面,開閉扉46の上部の前面,及び一対の操作扉47の前面が、面一状に配置されており、同一の鉛直面上に位置している。
【0026】
第1パネル44は、前面パネル43の左側端部の上半部を形成する。第1パネル44には、左右方向に並んだ複数の貫通孔441(ここでは、2つ)が形成されており、各貫通孔441に第1スイッチ6の前端部が通される。
【0027】
第2パネル45は、前面パネル43の右側端部の上半部を形成する。第2パネル45には、左右方向に並んだ複数の貫通孔451(ここでは、2つ)が形成されている。本実施形態では、2つの貫通孔451のうち、右側の貫通孔451には、第1スイッチ6の前端部が通され、左側の貫通孔451には第2スイッチ7の前端部が通される。
【0028】
一対の操作扉47は、操作スイッチ群8が設けられた操作面472を収納可能な扉体である。本実施形態では、一対の操作扉47のうち、左側の操作扉47が第1パネル44の下方に配置され、右側の操作扉47が第2パネル45の下方に配置される。一対の操作扉47の各々は、図2に示すように、左右方向に延びた回転軸回りに回転可能に形成されている。回転軸は、操作扉47の下端部に設けられている。各操作扉47は、鉛直面に沿った状態から、上端部が前方向に一定の寸法移動するように構成されている。操作扉47は、本実施形態では板状に形成されている。
【0029】
操作扉47には、上面に操作面472を有するスイッチユニット471が連結されている。スイッチユニット471は、操作面472に操作スイッチ群8が形成されており、この操作スイッチ群8が操作されると、その操作に応じた電気信号を制御部に出力する。操作面472は、操作扉47が開くと筐体4の前面から露出し、操作扉47が閉じると筐体4の内部に収納される。言い換えると、操作面472は、筐体4の前面から露出した状態と、収納された状態とで切替え可能に構成されている。操作面472は、本実施形態では、筐体4の前面から露出した状態で、前斜め上方に臨む。なお、操作スイッチ群8の詳細については後述する。
【0030】
制御部は、加熱調理器1の自動調理,自動火力調整,第1加熱部31及び第2加熱部51のON/OFF切替等、加熱調理器1のすべての動作を制御する。制御部は、第1スイッチ6,第2スイッチ7及び操作スイッチ群8に電気的に接続されており、各スイッチから出力された信号を受け取ると、その信号に応じた動作を実行させる。制御部は、マイクロプロセッサを主構成要素とするマイコンで構成される。
【0031】
開閉扉46は、調理庫5の前開口を開閉可能とする扉である。開閉扉46は、図1に示すように、前面パネル43の左右方向の中央部に配置されている。開閉扉46は、前方向に移動させることで、調理庫5の前開口を開き、後方向に移動させることで、調理庫5の前開口を閉じる。開閉扉46の下端部には把持部462が形成されており、把持部462よりも上方の部分に透過窓461が形成されている。本実施形態では、透過窓461の部分を「開閉扉46の上部」という場合がある。把持部462は、透過窓461の前面よりも前方向に突出しており、ユーザーが開閉扉46を移動させるときの手掛かりとなる。
【0032】
調理庫5は、前面が開口し、この開口を通して被調理物を内部に収容する部分である。調理庫5は、前面に開口面を有しており、この開口面は、開閉扉46によって開閉可能に閉じられる。調理庫5は、筐体4の内部に配置されている。調理庫5の内部は、天板2の排気孔21に通じており、調理庫5内の調理によって生じた排気が排気孔21を介して排出される。
【0033】
調理庫5は、本実施形態では、焼き網等を使用したグリル調理を行うためのグリル庫である。ただし、本開示における調理庫5は、グリル庫に限らず、オーブン調理を行うためのオーブン庫,高周波の電磁波を被調理物に当てて加熱するレンジ庫,又は炊飯庫等であってもよい。
【0034】
第2加熱部51は、調理庫5に収容された被調理物を加熱する。第2加熱部51は、本実施形態では、調理庫5に設けられたグリルバーナである。グリルバーナは、都市ガス又はプロパンガス等のガスを熱源とするブンゼンバーナである。グリルバーナは、例えば、調理庫5の上部に設けられて被調理物を上から加熱する上バーナと、調理庫5の下部に設けられて被調理物を下から加熱する下バーナとを備える。ただし、本開示では、第2加熱部51は、ブンゼンバーナに限らず、調理庫5の種類に応じて適宜選択される。
【0035】
第1スイッチ6は、第1加熱部31のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつON状態の第1加熱部31の加熱能力の調整操作が可能なスイッチである。本実施形態に係る加熱調理器1は、複数の第1スイッチ6を有しており、複数の第1スイッチ6は、複数の第1加熱部31に1対1で対応する。第1スイッチ6は、本実施形態では、機械式のスイッチでON/OFF切替及び流量の調整が可能な、いわゆるメカニカルバルブで構成される。複数の第1スイッチ6は、すべて同じ構造であるため、第2パネル45の貫通孔451に通された第1スイッチ6について説明する。
【0036】
ここで、本開示において、第1加熱部31が「ON状態」にあるとは、第1加熱部31が発熱している状態にあることを意味する。したがって、本実施形態では、第1加熱部31が「ON状態」にあるとは、こんろバーナに点火した状態である。一方、本開示において、第1加熱部31が「OFF状態」にあるとは、第1加熱部31が発熱していない状態にあることを意味する。したがって、本実施形態では、第1加熱部31が「OFF状態」にあるとは、こんろバーナが消火した状態である。
【0037】
本実施形態では、第1スイッチ6の前方向の端面が前面パネル43に沿う状態が、第1加熱部31が「OFF状態」にある場合に対応する。この状態において、第1スイッチ6を後方向に押し込むと、後述するように、駆動弁62が開き、こんろバーナに点火される。この後、図2に示すように、第1スイッチ6は、前面パネル43から突出する。したがって、本実施形態では、第1スイッチ6が前面パネル43から突出した状態が、第1加熱部31が「ON状態」である場合に対応する。
【0038】
また、本開示において、第1加熱部31の加熱能力の調整操作とは、発熱量を調整する操作を意味する。したがって、本実施形態において、第1加熱部31の加熱能力の調整操作とは、こんろバーナに点火したときの火力を調整することである。本実施形態では、前面パネル43から突出した第1スイッチ6を前後方向に延びた軸回りに回転することで、加熱能力の調整操作を行うことができる。
【0039】
第2スイッチ7は、第2加熱部51のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつON状態の第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能なスイッチである。第2スイッチ7は、本実施形態では、機械式のスイッチでON/OFF切替及び流量の調整が可能な、いわゆるメカニカルバルブで構成される。
【0040】
本開示において、第2加熱部51が「ON状態」にあるとは、第2加熱部51が発熱している状態にあることを意味する。したがって、本実施形態では、第2加熱部51が「ON状態」にあるとは、グリルバーナに点火した状態である。一方、本開示において、第2加熱部51が「OFF状態」にあるとは、第2加熱部51が発熱していない状態にあることを意味する。したがって、本実施形態では、第2加熱部51が「OFF状態」にあるとは、グリルバーナが消火した状態である。
【0041】
本実施形態では、第2スイッチ7の前方向の端面が前面パネル43に沿う状態が、第2加熱部51が「OFF状態」にある場合に対応する。この状態において、第2スイッチ7を後方向に押し込むと、後述するように、駆動弁72が開き、グリルバーナに点火される。この後、図2に示すように、第2スイッチ7は、前面パネル43から突出する。したがって、本実施形態では、第2スイッチ7が前面パネル43から突出した状態が、第2加熱部51が「ON状態」である場合に対応する。
【0042】
また、本開示において、「第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能」であるとは、発熱量を調整する操作ができないことを意味する。したがって、本実施形態では、第2スイッチ7による、第2加熱部51の火力調整を行うことができない。
【0043】
第1スイッチ6及び第2スイッチ7において、ON状態とOFF状態との切替操作のための機構は、本実施形態では、同じ機構で実現されている。したがって、本実施形態では、第1スイッチ6及び第2スイッチ7の大部分の部品が共通しており、コスト的にも有利である。
【0044】
第1スイッチ6及び第2スイッチ7の各々は、図3に示すように、スイッチ本体61,71と、スイッチ本体61,71に取り付けられるカバー67,77とを備えている。ここで、本開示では、第1スイッチ6に対応するスイッチ本体を、第1スイッチ本体61といい、第2スイッチ7に対応するスイッチ本体を、第2スイッチ本体71という場合がある。
【0045】
スイッチ本体61,71は、各スイッチ6,7の主体を構成する。スイッチ本体61,71は、駆動弁62,72と、本体ケーシング63,73と、可動部64,74と、回転体66,76と、スライダ631とを備えている。
【0046】
駆動弁62,72は、ガス流路に設けられる。ガス流路は、第1加熱部31及び第2加熱部51とガス供給源とをつなぐガスの経路である。本実施形態に係る加熱調理器1は、ガス流路として、第1加熱部31にガスを供給するためのガス流路(第1ガス流路という場合がある)と、第2加熱部51にガスを供給するガス流路(第2ガス流路という場合がある)とを備えている。本実施形態におけるガス供給源は、例えば、部屋の壁又は床等に設けられたガス栓により構成される。
【0047】
駆動弁62,72は、ガス流路に設けられ、ガス流路を流れるガスの流通及び停止の切替えと、流通するガスの流量とを制御する。駆動弁62,72は、ガス流路を閉じた状態と開いた状態にを切替える開閉弁621と、ガス流路の流路断面積を変化させてガス流路を流れるガスの流量を制御する流量調整弁622とを備えている。流量調整弁622は、開閉弁621よりも下流側(つまり、2次側)に設けられている。ここで、本開示では、第1スイッチ6に対応する駆動弁を、第1駆動弁62といい、第2スイッチ7に対応する駆動弁を第2駆動弁72という場合がある。
【0048】
本体ケーシング63,73は、スイッチ本体61,71の外郭を形成する。本体ケーシング63,73は、筐体4に対して固定されている。本体ケーシング63,73は、前後方向に延びた軸(第1スイッチ6に対応する軸を「第1軸60」といい、第2スイッチ7に対応する軸を「第2軸70」という場合がある)を中心軸とする略円筒状に形成されている。本体ケーシング63,73の内部には、軸60,70に沿って移動可能なスライダ631が収容される。ここで、本開示では、第1スイッチ6に対応する本体ケーシングを、第1本体ケーシング63といい、第2スイッチ7に対応する本体ケーシングを第2本体ケーシング73という場合がある。
【0049】
スライダ631は、軸60,70に沿って前後方向に移動する。スライダ631は、開閉弁621に連結されたロッド632を後方向に押し込み可能に構成される。図4A,4Bに示すように、ロッド632が後方に移動すると、ロッド632は、後方に位置した状態で保持される。すると、ロッド632に連結された開閉弁621が開く。開閉弁621が開くことで、ガス流路内のガスが流れる。
【0050】
開閉弁621が開いた状態で、スライダ631によってロッド632が後方に押されると、ロッド632の保持が解除され、コイルばね等の弾性体633によって、ロッド632が前方向に移動する。すると、開閉弁621が閉じる。
【0051】
スライダ631は、コイルばね等の弾性体によって前方向に力を受けている。スライダ631は、第1位置と、第1位置よりも前方向に位置する第2位置との間で移動する。第1位置にあるスライダ631は、後方向に押されることで、保持状態が解除されて、第2位置に移動する。また、第2位置にあるスライダ631は、後方向に押されることで、第1位置に移動して保持される。スライダ631が第1位置にある状態は、本実施形態では、第1加熱部31のOFF状態に対応する。スライダ631が第2位置にある状態は、本実施形態では、第1加熱部31のON状態に対応する。スライダ631の前方向の端部には、可動部64,74が連結される。
【0052】
可動部64,74は、軸60,70に沿って移動し、かつ軸60,70回りに回転可能な部材である。可動部64,74が、後方向に押され、軸60,70に沿って後方向に移動すると、スライダ631が後方向に移動し、開閉弁621が開く。この状態で可動部64,74が後方向に押されると、スライダ631の保持状態が解除されて、スライダ631が前方向に移動し、開閉弁621が閉じる。
【0053】
可動部64,74は、回転体66,76に連結されている。このため、可動部64,74が軸60,70回りに回転すると、回転体66,76が軸60,70回りに回転する。なお、可動部64,74は、回転体66,76に対し、軸60,70回りに回転不能に連結されるが、前後方向には相対移動が可能に構成される。ここで、本開示では、第1スイッチ6に対応する可動部を第1可動部64といい、第2スイッチ7に対応する可動部を第2可動部74という場合がある。
【0054】
回転体66,76は、本体ケーシング63,73の外周面に設けられており、軸60,70回りに回転可能に構成される部材である。回転体66,76は、可動部64,74が軸60,70回りに回転すると、それに連動して軸60,70回りに回転する。ここで、本開示では、第1スイッチ6に対応する回転体を、第1回転体66といい、第2スイッチ7に対応する回転体を第2回転体76という場合がある。
【0055】
回転体66,76の外周面には、溝661が形成されている。溝661は、軸60,70回りに螺旋状に形成されている。図5Aに示すように、溝661には、流量調整弁622に連結されたピン623が挿入されている。流量調整弁622は、前後方向に移動可能に構成されている。したがって、回転体66,76が軸60,70回りに回転すると、溝661に沿ってピン623が前方向又は後方向に移動し、流量調整弁622が移動する。流量調整弁622が移動することで、ガス流路を流れるガスの流量を調整することができる。このため、第1スイッチ6では、可動部64を第1軸60回りに回転させることで、第1加熱部31の火力の調整を行うことができる。
【0056】
これに対し、本実施形態に係る第2スイッチ7は、第2回転体76が第2本体ケーシング73に対して固定されている。このため、第2スイッチ7では、第2可動部74は、第2軸70回りに回転不能である一方、第2軸70に沿って移動可能である。したがって、第2スイッチ7は、第2加熱部51のON状態とOFF状態との切替操作が可能である一方、ON状態の第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能に構成される。
【0057】
第2回転体76が第2本体ケーシング73に対して固定する方法としては、例えば、第2回転体76が、ねじやビス等の固着具を介して固定されたり、溶着等により固定されたりする。
【0058】
カバー67,77は、可動部64,74に取り付けられる。カバー67,77は、スイッチ本体61,71において、筐体4から露出する部分を覆う。本開示では、第1スイッチ6に対応するカバーを、第1カバー67といい、第2スイッチ7に対応するカバーを第2カバー77という場合がある。
【0059】
第1カバー67は、図6に示すように、第1スイッチ6の前方向の端部を形成する部分であり、第1加熱部31がON状態にあると、前面パネル43から突出する。第1カバー67は、第1可動部64に取り付けられる。本実施形態では、第1カバー67は、第1可動部64に対して固定される。つまり、本実施形態に係る第1カバー67は、第1可動部64に対して、第1軸60に沿って相対的に移動不能であり、かつ第1軸60回りに相対的に回転不能に取り付けられる。第1カバー67は、円筒状の第1筒体部68と、第1筒体部68に設けられた第1被保持部69とを備えている。
【0060】
第1筒体部68は、第1スイッチ6をユーザーが操作する際に摘む部分である。第1筒体部68は、第1軸60を中心軸とする円筒状に形成されており、前方向の端部が閉じている。第1カバー67の外周面には、滑り止め部681が形成されている。
【0061】
滑り止め部681は、第1スイッチ6をユーザーが摘み操作をする際に滑り止めになる部分である。滑り止め部681は、図7Aに示すように、本実施形態では、複数の凹部682で構成される。各凹部682は、前後方向に延びており、複数の凹部682は、第1軸60の周方向に並んでいる。ただし、本開示において、滑り止め部681は、複数の凹部682に限らず、前後方向に延びた複数の凸部で構成されてもよいし、単数の凹部682又は凸部であってもよい。また、滑り止め部681は、第1カバー67の外周面にシボ加工を施すことで構成されてもよい。
【0062】
第1被保持部69は、第1カバー67を第1可動部64に対して、第1軸60回りに回転するのを規制し、かつ第1カバー67を第1可動部64に対して、前方向に移動するのを規制する部分である。本実施形態では、第1被保持部69は、一対の第1突片691と、一対の第1引掛片692とを備えている。
【0063】
一対の第1突片691は、第1カバー67が第1可動部64に対して第1軸60回りに回転するのを規制する。言い換えると、一対の第1突片691は、ユーザーが第1筒体部68を摘んで第1軸60回りに回転させた際に、第1可動部64に対する第1軸60回りの周方向の力を受ける部分である。各第1突片691は、第1筒体部68の後方向の端部から後方向に突出している。各第1突片691は、後方向の先端が、円弧状に形成されている。
【0064】
一対の第1引掛片692は、第1カバー67が第1可動部64に対して前方向に移動するのを規制する。言い換えると、一対の第1引掛片692は、第1可動部64に対し、第1カバー67が脱落するのを防ぐ。第1引掛片692には、孔部693が形成されており、孔部693が第1可動部64に形成された爪部に引っ掛けられる。各第1引掛片692は、図7Bに示すように、第1筒体部68の後方向の端部から後方向に突出している。
【0065】
第1被保持部69は、図6に示すように、第1可動部64に形成された第1連結部65につながる。第1連結部65は、一対の第1突片691を1対1で収める一対の第1凹所651と、一対の第1引掛片692を1対1で収める一対の第1窪み部652とを備えている。
【0066】
第1凹所651は、各第1突片691を内部に収める。第1凹所651は、第1可動部64の前方向の端部に形成されており、第1突片691に合致する形状に形成されている。第1凹所651に第1突片691がはめ込まれることで、第1可動部64に対して第1カバー67が第1軸60回りに回転するのを規制することができる。
【0067】
第1窪み部652は、各第1引掛片692を内部に収める。第1窪み部652は、第1可動部64の前方向の端部に形成されている。第1窪み部652には、爪部653が形成されており、第1窪み部652に第1引掛片692がはめ込まれ、爪部653に孔部693が引っ掛けられることで、第1可動部64に対して第1カバー67が前方向に移動するのを規制することができる。
【0068】
第2カバー77は、第2スイッチ7の前方向の端部を形成する部分であり、第2加熱部51がON状態にあると、前面パネル43から突出する。第2カバー77は、第2可動部74に取り付けられる。本実施形態では、第2カバー77は、第2可動部74に対して固定される。つまり、本実施形態に係る第2カバー77は、第2可動部74に対して、第2軸70に沿って相対的に移動不能であり、かつ第2軸70回りに相対的に回転不能に取り付けられる。第2カバー77は、円筒状の第2筒体部78と、第2筒体部78に設けられた第2被保持部79とを備えている。
【0069】
第2筒体部78は、第2スイッチ7の主体を構成する部分である。第2筒体部78は、第2軸70を中心軸とする円筒状に形成されており、前方向の端部が閉じている。第2カバー77の外周面は、第1カバー67と異なり、平滑に形成されている。
【0070】
ここで、本実施形態では、第1可動部64は、第1軸60回りに回転可能であるのに対し、第2可動部74は第2軸70回りに回転不能である。このため、ユーザーは、第2スイッチ7を操作する際に、誤って、第2可動部74を第2軸70回りに回転させようとすることが懸念される。
【0071】
そこで、本実施形態では、第1カバー67の外周面に滑り止め部681を形成するのに対し、第2カバー77の外周面を平滑に形成している。これにより、本実施形態に係る加熱調理器1では、ユーザーに対し、第2スイッチ7については、視覚的に、第2軸70回りに回転できないことを理解させることができる。
【0072】
本開示にいう「平滑」とは、滑り止め部681が形成されていないことを意味する。したがって、微細な凹凸やパーティングラインなどの出っ張りは、本開示にいう「平滑」の範疇である。
【0073】
第2被保持部79は、第2カバー77を第2可動部74に対して、第2軸70回りに回転するのを規制し、かつ第2カバー77を第2可動部74に対して、前方向に移動するのを規制する部分である。本実施形態では、第2被保持部79は、図7C,7Dに示すように、一対の第2突片791と、一対の第2引掛片792とを備えている。
【0074】
一対の第2突片791は、第2カバー77が第2可動部74に対して第2軸70回りに回転するのを規制する。言い換えると、一対の第2突片791は、ユーザーが第2筒体部78を摘んで第2軸70回りに回転させた際に、第2可動部74に対する第2軸70回りの周方向の力を受ける部分である。各第2突片791は、図7Cに示すように、第2筒体部78の後方向の端部から後方向に突出している。各第2突片791は、後方向の先端が、円弧状に形成されている。第2突片791の幅(第2軸70回りの周方向の長さ)は、第1突片691の幅よりも大きく形成されている。
【0075】
一対の第2引掛片792は、第2カバー77が第2可動部74に対して前方向に移動するのを規制する。言い換えると、一対の第2引掛片792は、第2可動部74に対し、第2カバー77が脱落するのを防ぐ。第2引掛片792には、孔部793が形成されており、孔部793が第2可動部74に形成された爪部753に引っ掛けられる。各第2引掛片792は、図7Dに示すように、第2筒体部78の後方向の端部から後方向に突出している。第2引掛片792の幅(第2軸70回りの周方向の長さ)は、第1引掛片692の幅よりも小さく形成されている。
【0076】
第2被保持部79は、図6に示すように、第2可動部74に形成された第2連結部75につながる。第2連結部75は、一対の第2突片791を1対1で収める一対の第2凹所751と、一対の第2引掛片792を1対1で収める一対の第2窪み部752とを備えている。
【0077】
第2凹所751は、各第2突片791を内部に収める。第2凹所751は、第2可動部74の前方向の端部に形成されており、第2突片791に合致する形状に形成されている。第2凹所751に第2突片791がはめ込まれることで、第2可動部74に対して第2カバー77が第2軸70回りに回転するのを規制することができる。
【0078】
第2窪み部752は、各第2引掛片792を内部に収める。第2窪み部752は、第2可動部74の前方向の端部に形成されている。第2窪み部752には、爪部753が形成されており、第2窪み部752に第2引掛片792がはめ込まれ、爪部753に孔部793が引っ掛けられることで、第2可動部74に対して第2カバー77が前方向に移動するのを規制することができる。
【0079】
ところで、第1カバー67の外周面には滑り止め部681が形成されているのに対し、第2カバー77の外周面は平滑に形成されている。このため、製造に当たり、第1カバー67及び第2カバー77に取り付け間違いが生じる可能性がある。これに対し、本実施形態では、図7A~Dに示すように,第2突片791の幅は、第1突片691の幅よりも広く形成されている。また、第2引掛片792の幅は、第1引掛片692の幅よりも狭く形成されている。
【0080】
このため、仮に、第2可動部74に対して、第1カバー67を取り付けようとしても、第1引掛片692が第2窪み部752に入らないため、第2連結部75には、第1被保持部69をはめ込むことができない。同様に、第1連結部65に対して、第2カバー77を取り付けようとしても、第2突片791が第1凹所651に入らないため、第1連結部65には、第2被保持部79をはめ込むことができない。つまり、第1被保持部69は、第2連結部75に対して、取り付け不能に構成されており、第2被保持部79は、第1連結部65に対して、取り付け不能に構成されている。
【0081】
以上のように、第1スイッチ6は、第1加熱部31のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ第1加熱部31の加熱能力の調整操作が可能である。また、第2スイッチ7は、第2加熱部51のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつ第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能である。したがって、本実施形態では、第1スイッチ6については、出力状態を表示するが、第2スイッチ7については、ON/OFFのいずれかの状態を表示するように構成される。本実施形態に係る加熱調理器1は、図8Aに示すように、第1スイッチ6の出力状態を示す第1ランプ部48と、第2スイッチ7のON状態とOFF状態とのいずれかを示す第2ランプ部49とを備えている。
【0082】
第1ランプ部48は、第1加熱部31の加熱能力の出力状態を示す。第1ランプ部48は、複数のランプ481を備えており、本実施形態では、点灯するランプ481の数が多いほど火力が強いことを示す。第1ランプ部48は、前面パネル43において、第1スイッチ6の外周に沿って配置されている。なお、第1ランプ部48は、第1スイッチ6の加熱能力の出力状態を示すが、第1加熱部31がOFF状態では、全てのランプ481が消灯する。このため、実際は、第1ランプ部48は、第1加熱部31がON状態及びOFF状態のいずれかにあることも示している。
【0083】
第2ランプ部49は、第2加熱部51がON状態とOFF状態とのうちのどちらの状態にあるかを示す。第2ランプ部49は、1つのランプで構成され、第2加熱部51がON状態にあると点灯し、第2加熱部51がOFF状態にあると消灯する。第2ランプ部49は、前面パネル43において、第2スイッチ7の上方に配置されている。
【0084】
以上のように、本実施形態における第2スイッチ7は、第2加熱部51のON状態とOFF状態との切替操作が可能ではあるが、第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能に構成されている。このため、第2加熱部51の加熱能力の調整操作は、第3スイッチ81で実行可能である。
【0085】
第3スイッチ81は、図8B,8Cに示すように、操作面472に配置された操作スイッチ群8に含まれる。操作スイッチ群8は、複数のスイッチの集まりである。操作スイッチ群8は、本実施形態では、第3スイッチ81と、第4スイッチ82と、第5スイッチ83とを含む。
【0086】
第3スイッチ81は、第2加熱部51の加熱能力の調整が可能なスイッチであり、本実施形態では、「焼き加減」「火力切替」と表示されるスイッチ811,812である。焼き加減スイッチ811を押し操作すると、弱め,中め及び強めのいずれかの焼き加減が選択される。選択された焼き加減に応じて、「弱」「中」「強」に対応するランプ813が点灯する。
【0087】
火力切替スイッチ812を押し操作すると、調理庫5内の第2加熱部51に対し、「上火」の強火又は弱火と、「下火」の強火又は弱火とを切替えることができる。例えば、火力切替スイッチ812を1回押すと、「上火」が強火に調整され、「下火」が強火に調整され、「上火」の強火を示す表示(ランプ814が3つ点灯)がなされ、「下火」の強火を示す表示(ランプ814が3つ点灯)がなされる。火力切替スイッチ812を更に1回押すと、「上火」が強火に調整され、「下火」が弱火に調整され、「上火」の強火を示す表示(ランプ814が3つ点灯)がされたまま、「下火」の弱火を示す表示(ランプ814が1つ点灯)がなされる。本実施形態では、火力切替スイッチ812を押すたびに、第2加熱部51の加熱能力の調整を行うことができる。
【0088】
第3スイッチ81は、本実施形態では、第1スイッチ6及び第2スイッチ7とは異なるタイプのスイッチであり、メンブレンスイッチで構成されている。ただし、第3スイッチ81は、メンブレンスイッチに限らず、本開示では、静電スイッチ,タクタイルスイッチ,又は押しボタンスイッチ等であってもよい。
【0089】
第4スイッチ82は、自動調理を実行する少なくとも1つのスイッチであり、本実施形態では複数設けられている。本実施形態に係る第4スイッチ82は、「焼き網」「プレート」と表示されるスイッチ821,822である。
【0090】
例えば、焼き網スイッチ821が押し操作されると、焼き網調理に適した火加減と調理時間等が自動で実行される。このとき、焼き網スイッチ821を押す度に、「切身」「姿焼」「干物」「トースト」「焼き魚」「あたため」のいずれかのモードに切り替わる。これにより、ユーザーは望みの自動調理を実行することができる。
【0091】
第4スイッチ82は、本実施形態では、第1スイッチ6と第2スイッチ7とは異なるタイプのスイッチであり、メンブレンスイッチで構成されている。ただし、第3スイッチ81は、メンブレンスイッチに限らず、本開示では、静電スイッチ,タクタイルスイッチ,又は押しボタンスイッチ等であってもよい。
【0092】
第5スイッチ83は、自動調理と加熱能力の調整とは直接関係のないスイッチであり、本実施形態では、タイマー設定スイッチ831である。タイマー設定スイッチ831は、「+」「-」と表示されたスイッチを含み、いずれかのスイッチを押してタイマー設定が行われる。
【0093】
操作スイッチ群8は、本実施形態では、第1加熱部31の調理設定スイッチも含む。この調理設定スイッチは、「高温炒め」,タイマー設定スイッチ,湯沸かしスイッチ等を含む。
【0094】
このように、本実施形態に係る加熱調理器1は、第2加熱部51の加熱能力の調整を行うスイッチを、他のスイッチと同じ面である操作面472に配置されている。このため、ユーザーは、第2加熱部51をON状態に切替えた後であれば、第2加熱部51の加熱能力の調整を行ったり、自動調理を設定したりしても、手指の移動が少なくてすむ。この結果、本実施形態に係る加熱調理器1によれば、使い勝手が向上する。
【0095】
(変形例)
(1)第2スイッチの変形例1
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に変形例1を説明する。
【0096】
変形例1に係る第2スイッチ7は、第2可動部74に対して、第2カバー77が第2軸70回りに回転可能に構成されている点で、上記実施形態とは異なっている。第2可動部74は、図9Aに示すように、前方向の端部に、第2軸70回りの周方向に延びた溝部741が形成されている。溝部741は、第2軸70回りの全周にわたって連続している。
【0097】
第2カバー77は、第2可動部74に対し、溝部741の長手方向(第2軸70回り)に移動可能に取り付けられている。第2カバー77は、溝部741に嵌まり込む複数の引掛部771を有する。複数の引掛部771は、第2軸70回りの周方向に離れて配置されている。複数の引掛部771は、溝部741にはまり込むように構成されており、溝部741に複数の引掛部771が嵌まり込むことで、第2カバー77は第2可動部74に対して、前方向に移動しないように取り付けられる。すなわち、第2カバー77は、第2可動部74に対して、第2軸70に沿って相対的に移動不能であり、かつ第2軸70回りに相対的に回転可能に取り付けられている。
【0098】
これにより、変形例1に係る加熱調理器1によれば、ユーザーが第2スイッチ7により加熱能力の調整操作を行おうとしても、第2カバー77が第2軸70回りに回るだけで、その回転力は、第2可動部74には伝達しない。このため、ユーザーが間違って第2スイッチ7の第2カバー77を回しても、第2スイッチ7が壊れるのを抑えることができる。
【0099】
変形例1において、第2可動部74は、上記実施形態と同様、第2軸70回りに回転不能であるが、上記実施形態の第1可動部64と同様、第2軸70回りに回転可能に構成されてもよい。この場合にあっても、ユーザーが間違って第2カバー77を第2軸70回りに回しても、第2加熱部51の加熱能力の調整操作がされないようにできる。
【0100】
(2)第2スイッチの変形例2
変形例2に係る第2スイッチ7は、操作された動作に応じた電気信号を制御部に出力可能に構成される。電気信号が入力された制御部は、電磁弁を制御して、ガス流路を流れるガスの制御を行うように構成される。
【0101】
第2可動部74は、第2軸70に沿って移動可能に構成されており、第2軸70に沿って移動することで、ON状態とOFF状態とを切替え可能である。また、第2可動部74は、第2軸70回りに回転可能であり、軸回りに回転することで第2加熱部51の加熱能力を調整可能に構成される。
【0102】
制御部は、第2スイッチ7から受け取った電気信号のうち、第2加熱部51の加熱能力の調整をすることについての電気信号を遮断する遮断部を有する。遮断部によって電気信号が遮断されると、制御部は、駆動弁72を制御しない。なお、制御部は、第3スイッチ81からの信号については上記実施形態と同様に受け付ける。したがって、第2スイッチ7によって、第2加熱部51の加熱能力の調整操作を行おうとしても、第2加熱部51の加熱能力の調整操作がなされない。
【0103】
本変形例において第2スイッチ7は、ON状態とOFF状態との切替えについての電気信号と、第2加熱部51の加熱能力の調整についての電気信号とを出力するように構成されたが、本開示ではこれに限らない。例えば、ON状態とOFF状態との切替えは、メカニカルスイッチで行ない、第2加熱部51の加熱能力の調整については、電気信号を制御部に出力するように構成されてもよい。すなわち、本変形例において、第2スイッチ7は、少なくとも、第2軸70回りに回転することで、第2加熱部51の加熱能力を調整可能な電気信号を出力するものであればよい。
【0104】
本変形例において、遮断部は、制御部に含まれたが、これに限らない。本開示における遮断部は、例えば、第2スイッチ7のON状態とOFF状態との切替えについての電気信号を流れないように遮断する絶縁部材で構成されてもよい。
【0105】
(2)その他の変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0106】
上記実施形態では、第2スイッチ7は、前面パネル43に対応する位置に配置され、第3スイッチ81は前面パネル43のうちの操作面472に配置されたが、本開示ではこれに限らない。本開示では、第2スイッチ7が、天板2の上面のうちの前側に配置され、第3スイッチ81が、第2スイッチ7から離れた位置である前面パネル43に配置されてもよい。また、第2スイッチ7が、前面パネル43に配置され、第3スイッチ81が、第2スイッチ7から離れた位置である天板2の上面のうちの前側に配置されてもよい。また、第2スイッチ7が、前面パネル43のうちの第1パネル44に対応する位置に配置され、第3スイッチ81が第2スイッチ7から離れた位置である第2パネル45に対応する位置に配置されてもよい。さらに、第2スイッチ7及び第3スイッチ81のいずれもが、天板2の上面に配置されてもよい。
【0107】
上記実施形態では、第2スイッチ7が、第1スイッチ6と並んで配置されたが、本開示ではこれに限らない。第2スイッチ7は、第1スイッチ6から離れていてもよい。
【0108】
上記実施形態及び変形例に係る加熱調理器1は、第4スイッチ82及び第5スイッチ83を有していたが本開示ではこれに限らない。本開示に係る加熱調理器1では、第4スイッチ82及び第5スイッチ83はなくてもよい。
【0109】
上記実施形態では、一対の第1突片691同士,及び一対の第2突片791同士は、各カバー67,77における一直径上に配置されたが、本開示では、この態様に限らない。例えば、一対の第1突片691及び第2突片791は、軸回りの周方向に離れていれば、互いの間隔は同じでなくてもよい。また、本開示に係る第1突片691及び第2突片791は、各1つだけであってもよい。
【0110】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る加熱調理器1は、被調理物を載せる載置部3と、載置部3に載った被調理物を加熱する第1加熱部31と、調理庫5と、調理庫5に収容された被調理物を加熱する第2加熱部51とを備える。調理庫5は、前面が開口し、この開口を通して被調理物を内部に収容する。加熱調理器1は、第1スイッチ6と、第2スイッチ7と、第3スイッチ81とを備える。第1スイッチ6は、第1加熱部31のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつON状態の第1加熱部31の加熱能力の調整操作が可能である。第2スイッチ7は、第2加熱部51のON状態とOFF状態との切替操作が可能で、かつON状態の第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能である。第3スイッチ81は、第2加熱部51の加熱能力の調整が可能である。
【0111】
この態様によれば、第2加熱部51の加熱能力の調整操作が可能なスイッチ(第3スイッチ81)が、第2スイッチ7とは別になっているため、ユーザーの使い勝手を向上できる。すなわち、第3スイッチ81と他のスイッチ(例えば、タイマースイッチ,自動調理スイッチ,設定スイッチ等)とをまとめて配置することで、第2加熱部51をONにした後、ユーザーの手指の移動を極力抑えることができる。
【0112】
第2の態様に係る加熱調理器1は、第1の態様において、第3スイッチ81と、第2加熱部51を用いた自動調理機能を実行する第4スイッチ82とを含む操作スイッチ群8を更に備える。
【0113】
この態様によれば、第2加熱部51をONにした後、自動調理機能を実行するのと、加熱能力の調整操作を行うのとで、ユーザーの手指の移動を極力抑えることができ、ユーザーの使い勝手を向上できる。
【0114】
第3の態様に係る加熱調理器1は、第2の態様において、筐体4の前面から露出した状態と、収納した状態とで切替え可能な操作面472を有する。操作スイッチ群8は、操作面472に設けられている。
【0115】
この態様によれば、操作スイッチ群8が設けられた操作面472を収納することができ、収納した状態において、外観をすっきりとすることができる。
【0116】
第4の態様に係る加熱調理器1は、第1~3のいずれかの態様において、調理庫5がグリル庫である。
【0117】
この態様によれば、グリル庫を備えた加熱調理器1について、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0118】
第5の態様に係る加熱調理器1は、第1~4のいずれかの態様において、第2スイッチ7が、第2可動部74と、第2カバー77とを有する。第2可動部74は、軸に沿って移動可能に構成され、軸に沿って移動することで、第2加熱部51のON状態とOFF状態とを切替え、かつ軸回りに回転可能に構成される。第2カバー77は、第2可動部74に対して、軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ軸回りに相対的に回転可能に取り付けられる。
【0119】
この態様によれば、ユーザーが第2カバー77を軸回りに回転させても、空回りし、第2加熱部51の加熱能力の調整はなされない。したがって、この態様によれば、可動部が軸回りに回転する従来の部品を用いながら、第2スイッチ7で第2加熱部51の加熱能力の調整操作が不能な構造を実現できる。しかも、第2カバー77が空回りするため、ユーザーに軸回りの回転について、手応えを与えず、ユーザーに第2加熱部51の加熱能力の調整が実行できないことを気付かせることもできる。
【0120】
第6の態様に係る加熱調理器1は、第1~4のいずれかの態様において、第2スイッチ7が、第2可動部74と、第2カバー77とを有する。第2可動部74は、軸に沿って移動可能に構成され、軸に沿って移動することで、第2加熱部51のON状態とOFF状態とを切替え、かつ軸回りに回転不能に構成される。第2カバー77は、第2可動部74に対して、軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ軸回りに相対的に回転可能に取り付けられる。
【0121】
この態様によれば、ユーザーが第2カバー77を軸回りに回転させても、空回りし、第2加熱部51の加熱能力の調整はなされない。さらに、第2カバー77が空回りするため、ユーザーに軸回りの回転について、手応えを与えず、ユーザーに第2加熱部51の加熱能力の調整が実行できないことを気付かせることもできる。
【0122】
第7の態様に係る加熱調理器1は、第1~4のいずれかの態様において、第2スイッチ7が、第2可動部74と、第2カバー77とを有する。第2可動部74は、軸に沿って移動可能に構成され、軸に沿って移動することで、第2加熱部51のON状態とOFF状態とを切替え、かつ軸回りに回転不能に構成される。第2カバー77は、第2可動部74に対して、軸に沿って相対的に移動不能であり、かつ軸回りに相対的に回転不能に取り付けられる。
【0123】
この態様によれば、ユーザーが第2カバー77を軸回りに回転させようとしても、第2カバー77を軸回りに回転させることができず、第2加熱部51の加熱能力の調整はなされない。
【0124】
第8の態様に係る加熱調理器1は、第1~4のいずれかの態様において、第2スイッチ7が、第2可動部74を備える。第2可動部74は、軸に沿って移動可能に構成され、軸に沿って移動することで、前記第2加熱部51のON状態とOFF状態とを切替え可能に構成され、かつ前記軸回りに回転可能に構成され、前記軸回りに回転することで前記第2加熱部51の加熱能力を調整可能な電気信号を出力する。加熱調理器1は、第2可動部74から出力された電気信号を遮断する遮断部を更に備える。
【0125】
この態様によれば、ユーザーが第2カバー77を軸回りに回転させても、第2加熱部51の加熱能力の調整はなされない。
【0126】
第9の態様に係る加熱調理器1は、第5~8のいずれかの態様において、第1スイッチ6が、第1可動部64と、第1カバー67とを有する。第1可動部64は、第1軸60に沿って移動可能に構成され、第1軸60に沿って移動することで、第1加熱部31のON状態とOFF状態とを切替え、かつ第1軸60回りに回転可能に構成され、第1軸60回りに回転することで第1加熱部31の加熱能力を調整可能である。第1カバー67は、第1可動部64に対して、第1軸60に沿って相対的に移動不能であり、かつ第1軸60回りに相対的に回転不能に取り付けられる。第1カバー67は、筒状に形成されて外周面に滑り止め部681が形成される。第2カバー77は、筒状に形成されて外周面が平滑に形成される。
【0127】
この態様によれば、ユーザーに対し、第1スイッチ6では、第1カバー67の外周面に滑り止め部681が形成されていることで、視覚的に、第1加熱部31の加熱能力の調整ができることを理解させることができる。一方、第2スイッチ7では、第2カバー77の外周面が平滑であるため、視覚的に、第2加熱部51の加熱能力の調整ができないことに気付かせることができる。
【0128】
第10の態様に係る加熱調理器1は、第9の態様において、第1スイッチ6が、第1可動部64が有する第1連結部65に対して、第1カバー67が有する第1被保持部69が保持されることで、第1カバー67が第1スイッチ本体61部に対して取り付けられる。第2スイッチ7は、第2可動部74が有する第2連結部75に対して、第2カバー77が有する第2被保持部79が保持されることで、第2カバー77が可動部に対して取り付けられる。第1被保持部69は、第2連結部75に対して、取り付け不能に構成される。第2被保持部79は、第1連結部65に対して、取り付け不能に構成される。
【0129】
この態様によれば、第1カバー67と第2カバー77との取り付け間違いを防止することができる。
【0130】
第11の態様に係る加熱調理器1は、第1~10のいずれかの態様において、第1ランプ部48と、第2ランプ部49とを更に備える。第1ランプ部48は、第1加熱部31の加熱能力の出力状態を複数のランプで示す。第2ランプ部49は、第2加熱部51のON状態とOFF状態とのいずれかを1つのランプで示す。
【0131】
この態様によれば、ユーザーに対し、第1加熱部31の加熱能力の状態を知らせることができる上に、第2ランプ部49が1つのランプで構成されていることで、第2スイッチ7では、第2加熱部51の加熱能力の調整ができないことに気付かせることができる。
【0132】
第2~第11の態様に係る構成については、加熱調理器1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 加熱調理器
3 載置部
31 第1加熱部
472 操作面
48 第1ランプ部
49 第2ランプ部
5 調理庫
51 第2加熱部
6 第1スイッチ
64 第1可動部
65 第1連結部
60 第1軸
67 第1カバー
69 第1被保持部
7 第2スイッチ
74 第2可動部
75 第2連結部
70 第2軸(軸)
77 第2カバー
79 第2被保持部
8 操作スイッチ群
81 第3スイッチ
82 第4スイッチ
図1
図2
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図9