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特許7071112外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 46/23 20160101AFI20220511BHJP
   A61B 90/40 20160101ALI20220511BHJP
【FI】
A61B46/23
A61B90/40
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017246428
(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公開番号】P2018110850
(43)【公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】15/405,090
(32)【優先日】2017-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ダブリュー・ビール
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アンドリュー・フィールズ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ハインズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・モリソン
【審査官】鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/051303(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0247921(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0030702(US,A1)
【文献】特表2002-503130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0103904(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0081261(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0167847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 46/00 - 46/27
A61B 90/00 - 90/98
A61G 13/00 - 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術室の床の上に位置付けられた手術台による患者の固定中に前記患者の少なくとも2つの手術部位への無菌外科用回廊を作るための外科用ドレーピングシステムであって、
前記患者の上に位置付けられるように構成された下方ドレーピングであって、前記下方ドレーピングの一部は、前記患者に対して静止した位置に維持され得、前記下方ドレーピングの前記一部は、これを貫通する第1の穴を含み、前記第1の穴は、前記患者の前記少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、下方ドレーピングと、
前記下方ドレーピングおよび前記患者の上に位置付けられるように構成された上方ドレーピングであって、前記上方ドレーピングの一部は、前記手術室の床に対して静止した位置に維持され得、前記上方ドレーピングは、これを貫通する第2の穴を含み、前記第2の穴は、前記患者の前記少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、上方ドレーピングと、
前記下方ドレーピングと前記上方ドレーピングとの間に取り付けられるように構成された接続ドレーピングであって、前記接続ドレーピングは、第1の位置と第2の位置との間で展開可能かつ収縮可能であり、前記接続ドレーピングは、第1の端部、第2の端部、前記第1の端部において形成された第3の穴、前記第2の端部において形成された第4の穴、および前記第1の端部における前記第3の穴から前記第2の端部における前記第4の穴まで前記接続ドレーピングを貫通する、囲まれた通路を含み、前記第1の端部は、前記下方ドレーピングの前記第1の穴の周りに取り付け可能であり、前記第2の端部は、前記下方ドレーピングの前記第2の穴の周りに取り付け可能であって、前記下方ドレーピングの前記第1の穴と前記上方ドレーピングの前記第2の穴との間で前記囲まれた通路を通る前記無菌外科用回廊を作り出して、前記少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらす、接続ドレーピングと、
を含み、
前記接続ドレーピングは蛇腹折りで折り畳まれた織物で作られており、
前記下方ドレーピングが前記患者の上に位置付けられると、前記上方ドレーピングは、前記下方ドレーピングおよび前記患者の上に位置付けられ、前記接続ドレーピングは、前記下方ドレーピングおよび前記上方ドレーピングに取り付けられて、前記無菌外科用回廊を通じた前記少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらし、前記患者は、前記手術台に固定可能であり、前記接続ドレーピングの一部は、前記無菌外科用回廊の囲まれた通路を通じた前記少なくとも2つの手術部位へのアクセスを維持するために展開および収縮する、外科用ドレーピングシステム。
【請求項2】
前記上方ドレーピングの一部は、前記患者より上の位置で支持可能となるように構成され、前記上方ドレーピングの少なくとも第1の部分および第2の部分が前記患者の一端部において支持され、前記上方ドレーピングの少なくとも第3の部分が前記患者の他端部において支持されている、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項3】
前記患者の一端部に位置付けられた少なくとも第1の支持台および第2の支持台と、前記患者の他端部に位置付けられた第3の支持台と、をさらに含み、前記第1、第2、および第3の支持台は、前記患者の上で前記上方ドレーピングの一部を支持するように構成され、前記第1の支持台は、前記上方ドレーピングの第1の部分を支持し、前記第2の支持台は、前記上方ドレーピングの第2の部分を支持し、前記第3の支持台は、前記上方ドレーピングの第3の部分を支持する、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項4】
前記上方ドレーピングの前記第1の部分は、前記上方ドレーピングにおける第1のプリーツを含み、前記上方ドレーピングの前記第2の部分は、前記上方ドレーピングにおける第2のプリーツを含み、前記上方ドレーピングの前記第3の部分は、前記上方ドレーピングにおける第3のプリーツを含み、前記第1、第2、および第3のプリーツは、前記上方ドレーピングのたるみを提供する、請求項3に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項5】
前記接続ドレーピングは、展開可能かつ収縮可能な弾性織物から形成されている、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項6】
前記接続ドレーピングは、前記接続ドレーピングの展開および収縮をもたらすためにベローズとして構成されている、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項7】
前記接続ドレーピングは、少なくとも第1の折り畳み可能部分、第2の折り畳み可能部分、および第3の折り畳み可能部分を含み、前記第1、第2、および第3の折り畳み可能部分は、前記接続ドレーピングの展開および収縮もたらす、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【請求項8】
前記患者の前記少なくとも2つの手術部位は、前記患者の右側面部分および左側面部分のうちの一方と、腹側部および背側部のうちの一方と、を含む、請求項1に記載の外科用ドレーピングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
[0001]本発明は、患者の周りにおける無菌手術野の確立および維持を促進するための外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法に関する。さらに具体的には、本発明は、特殊な手術台を用いた患者の固定(articulation)中であっても無菌手術野の確立および維持を促進するための外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法に関する。より具体的には、本発明は、特殊な手術台による患者の回転中であっても無菌手術野を確立および維持するための外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]外科処置中には、無菌野が確立および維持されなければならない。無菌野は、これまで、従来の手術室台上に配置された患者の上に置かれた従来の無菌の外科用ドレープを用いて確立および維持されてきた。従来の外科用ドレープは一般的に、患者の上に静止して位置付けられたままであり、無菌野および非無菌野のゾーンを確立するのに使用される。従来の手術台の表面より上の空間は、この空間内の従来の外科用ドレープの部分を含め、無菌野と考えられる。さらに、従来の手術台の表面から床までの空間は、この空間内の従来の外科用ドレープの部分を含め、非無菌野と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願第15/239,256号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0003]同時アクセス脊椎処置が、さらに普及してきている。このような処置中、例えば、患者の背側部および患者の側面がアクセスされ得るか、または患者の腹側部および患者の側面がアクセスされ得る。患者を再配置および/または処置するための特殊な手術台が、同時アクセス脊椎処置を促進するために提供されている。同時アクセス脊椎処置中、1つまたは複数の手術部位は、患者のいかなる再配置および/または処置の間も無菌のままにしなければならない。しかしながら、例えば、患者が特殊な手術台を用いて回転させられると、患者および患者を覆うドレーピングの一部は、非無菌野に入り得る。したがって、手術中に患者の固定中であっても1つまたは複数の手術部位の周りにおける手術野の確立および維持を促進するための外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法が必要とされている。例示すると、外科用ドレーピングシステムおよびその使用方法は、患者の回転中に1つまたは複数の手術部位の周りで無菌野を維持するのに使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本発明は、好適な一実施形態において、手術室の床の上に位置付けられた手術台による患者の固定中に患者の少なくとも2つの手術部位への無菌外科用回廊を作るための外科用ドレーピングシステムを企図しており、この外科用ドレーピングシステムは、患者の上に位置付けられるように構成された下方ドレーピングであって、下方ドレーピングの一部は、患者に対して実質的に静止した位置に維持され得、下方ドレーピングのこの一部は、これを貫通する第1の穴を含み、第1の穴は、患者の少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、下方ドレーピングと、下方ドレーピングおよび患者の上に位置付けられるように構成された上方ドレーピングであって、上方ドレーピングの一部は、手術室の床に対して実質的に静止した位置に維持され得、上方ドレーピングは、これを貫通する第2の穴を含み、第2の穴は、患者の少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、上方ドレーピングと、下方ドレーピングと上方ドレーピングとの間に取り付けられるように構成された接続ドレーピングであって、接続ドレーピングは、第1の位置と第2の位置との間で展開可能かつ収縮可能であり、接続ドレーピングは、第1の端部、第2の端部、第1の端部において形成された第3の穴、第2の端部において形成された第4の穴、および第1の端部における第3の穴から第2の端部における第4の穴まで接続ドレーピングを貫通する、囲まれた通路を含み、第1の端部は、下方ドレーピングの第1の穴の周りに取り付け可能であり、第2の端部は、下方ドレーピングの第2の穴の周りに取り付け可能であって、下方ドレーピングの第1の穴と上方ドレーピングの第2の穴との間で囲まれた通路を通る無菌外科用回廊を作り出して、少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらす、接続ドレーピングと、を含み、下方ドレーピングが患者の上に位置付けられると、上方ドレーピングは、下方ドレーピングおよび患者の上に位置付けられ、接続ドレーピングは、下方ドレーピングおよび上方ドレーピングに取り付けられて、無菌外科用回廊を通じた少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらし、患者は、手術台に固定可能であり、接続ドレーピングの一部は、無菌外科用回廊の囲まれた通路を通じた少なくとも2つの手術部位へのアクセスを維持するために展開および収縮する。
【0006】
[0005]本発明は、別の好適な実施形態において、手術室の床の上に位置付けられた手術台の固定中の患者の少なくとも2つの手術部位への無菌外科用回廊を確立および維持する方法を企図しており、この方法は、手術室の床の上に位置付けられた手術台の上に患者を配置するステップと、下方ドレーピングを患者の上に位置付けて、下方ドレーピングを貫通する第1の穴が患者の少なくとも2つの手術部位の上に位置付けられるようにするステップであって、第1の穴は、少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、ステップと、下方ドレーピングの一部を患者に対して実質的に静止した位置に維持するステップと、上方ドレーピングを下方ドレーピングおよび患者の上に位置付けて、上方ドレーピングを貫通する第2の穴が第1の穴の上に位置付けられるようにするステップであって、第2の穴は、少なくとも2つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされている、ステップと、第1の端部と第2の端部との間で内部を貫通する囲まれた通路を有する接続ドレーピングを、下方ドレーピングの第1の穴の周りに第1の端部と第1の端部に形成された第3の穴とを取り付けることによって、また、上方ドレーピングの第2の穴の周りに第2の端部と第2の端部に形成された第4の穴とを取り付けることによって、下方ドレーピングと上方ドレーピングとの間に取り付けて、無菌外科用回廊が上方ドレーピング、接続ドレーピング、および下方ドレーピングを貫通して少なくとも2つの手術部位まで形成されるようにするステップと、手術台を用いて患者の位置を固定するステップと、手術台を用いた患者の固定中に上方ドレーピング、接続ドレーピング、および下方ドレーピングを貫通する無菌外科用回廊を維持するステップと、を含む。
【0007】
[0006]本発明は、さらに別の好適な実施形態では、手術室の床の上に位置付けられた手術台の固定中の患者の少なくとも2つの手術部位への無菌外科用回廊を確立および維持する方法を企図しており、この方法は、下方ドレーピングを手術台上に配置された患者の上に位置付けるステップと、下方ドレーピングを貫通して形成された第1の穴を、患者の少なくとも2つの手術部位の上に整列させて、少なくとも2つの手術部位へのアクセスを提供するステップと、上方ドレーピングを下方ドレーピングおよび患者の上に位置付けるステップと、第3の穴を備えた第1の端部、第4の穴を備えた第2の端部、および第3の穴と第4の穴との間で内部を貫通する囲まれた通路を有する接続ドレーピングを、下方ドレーピングの第1の穴の周りに第1の端部と第3の穴とを取り付け、上方ドレーピングを貫通して形成された第2の穴の周りに第2の端部と第4の穴とを取り付けることによって、下方ドレーピングおよび上方ドレーピングに取り付けて、上方ドレーピング、接続ドレーピング、および下方ドレーピングを貫通する無菌外科用回廊を形成するステップと、手術台を用いて患者の位置を固定するステップと、手術台を用いた患者の固定中に上方ドレーピング、接続ドレーピング、および下方ドレーピングを貫通する無菌外科用回廊を維持するステップと、を含む。
【0008】
[0007]本発明のこれらおよび他の目的は、以下の明細書および添付図面を検討すれば、明らかとなるであろう。
[0008]本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の好適な実施形態を例示している。添付図面は、説明と共に、本発明の目的、利点、および原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]手術台によって支持された患者の1つまたは複数の手術部位への無菌外科用回廊の確立および維持を促進するための、下方ドレーピングと、上方ドレーピングと、接続ドレーピングと、を含むドレーピングシステムの分解組立斜視図である。
図2】[0010]平らに置かれた上方ドレーピングの大部分の第1の斜視図であり、上方ドレーピングに形成された延長部が上方ドレーピング上に折り畳まれているところを示している。
図3】[0011]平らに置かれた上方ドレーピングの大部分の第2の斜視図であり、上方ドレーピングに形成された延長部が展開されているところを示している。
図4】[0012]上方ドレーピングに形成された穴と、上方ドレーピングに形成された穴の下で部分的に展開した接続ドレーピングと、を示す斜視部分図である。
図5】[0013]上方ドレーピングおよび接続ドレーピングの下部の斜視部分図であり、非展開位置にある接続ドレーピングを示している。
図6】[0014]上方ドレーピングおよび接続ドレーピングの下部の斜視部分図であり、展開位置にある接続ドレーピングを示している。
図7】[0015]平らに置かれた下方ドレーピングの平面図である。
図8】[0016]患者が腹臥位で配置されている手術台の上面斜視図である。
図9】[0017]患者が側臥位で配置されている図8の手術台の上面斜視図である。
図10】[0018]図8および図9の手術台によって側臥位で支持された患者の上に位置付けられた下方ドレーピングの側面斜視図である。
図11】[0019]図8および図9の手術台によって側臥位で支持された患者の上に位置付けられた下方ドレーピングの端面斜視図である。
図12】[0020]図8および図9の手術台によって側臥位で支持された患者の1つまたは複数の手術部位への無菌外科用回廊を画定するように下方ドレーピングおよび患者の上に位置付けられた上方ドレーピングの側面斜視図である。
図13】[0021]図12に示すのとは反対側から見た拡大側面部分斜視図であり、無菌外科用回廊を通じた1つまたは複数の手術部位へのアクセスを描いており、接続ドレーピングは非展開位置にあり、患者は側臥位にある。
図14】[0022]図12に示す側から見た拡大上部側面部分斜視図であり、やはり無菌外科用回廊を通じた1つまたは複数の手術部位へのアクセスを描いており、接続ドレーピングは展開位置にあり、患者は側臥位にある。
図15】[0023]図12に示す側から見た拡大側面部分斜視図であり、患者が図8および図9の手術台を用いて側臥位(図12図14)から腹臥位へと再配置された後の、無菌外科用回廊を通じた1つまたは複数の手術部位へのアクセスを描いている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0024]本発明による外科用ドレーピングシステムは、図1図4、および図12図15において全体が符号10で言及されており、外科用ドレーピングシステムの一部が、図2図3図5図7図10、および図11に描かれている。外科用ドレーピングシステム10は、手術中に患者Pの位置を固定することができる、図1図8、および図9に描いたような手術台Tと共に使用され得る。
【0011】
[0025]このような手術台Tは、参照により本明細書に組み込まれる2016年8月17日出願の米国特許出願第15/239,256号に開示されている。手術台Tは、回転軸Aを中心として患者Pを回転させることができる。手術台Tを用いた患者Pの固定は、同時アクセス脊椎処置の実行を促進するのに使用され得る。例えば、このような同時アクセス脊椎処置は、患者Pの右側面部分および左側面部分のうちの一方と、腹側部および背側部のうちの一方と、にアクセスすることを含み得る。
【0012】
[0026]無菌野は、外科処置中に確立および維持されなければならない。これまで、無菌野は、従来の外科用ドレープを用いて従来の手術台の表面において、またその上で確立および維持されている。従来の手術台の表面は通常、外科医のウエストの高さに対応する。従来の手術台の表面より上の空間は、この空間内の従来の外科用ドレープの部分を含め、無菌野と考えられる。さらに、従来の手術台の表面から床までの空間は、この空間内の従来の外科用ドレープの部分を含め、非無菌野と考えられる。手術台Tが患者Pを固定し得ることを考慮すると、(1つまたは複数の手術部位およびその周りの空間を含む)患者の一部と、従来の外科用ドレープの一部とは、潜在的に、このような回転中および回転後に、無菌野から、外科医のウエストの高さより下の非無菌野に入る場合がある。
【0013】
[0027]ドレーピングシステム10は、手術台Tによる患者Pの固定中であっても、1つまたは複数の手術部位と、1つまたは複数の手術部位の周りの領域と、の周りで無菌野を確立および維持するために提供される。例えば、ドレーピングシステム10は、手術台Tを用いた患者Pの固定中であっても、1つまたは複数の手術部位への無菌外科用回廊11を確立および維持するのに使用され得る。したがって、患者Pは、例えば、手術台Tによって側臥位から腹臥位に、または腹臥位から側臥位へと回転することができ、外科用ドレーピングシステム10は、このような回転中に、1つまたは複数の手術部位と、1つまたは複数の手術部位の周りの領域と、の周りで手術野を維持するのに役立つ。
【0014】
[0028]外科用ドレーピングシステム10は、下方ドレーピング12と、上方ドレーピング14と、接続ドレーピング16と、を含む。下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16はそれぞれ、1枚の材料シート、または互いに貼り付けられた複数枚の材料シートから形成され得る。下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16は、外科用ドレープとして使用されるのに適した材料で作られている。以下で論じるように、下方ドレーピング12は、患者Pに直接接触するように位置付けられ、上方ドレーピング14は、下方ドレーピング12の上に位置付けられ、接続ドレーピング16は、下方ドレーピング12の一部と上方ドレーピング14の一部とを互いに接続する。無菌外科用回廊11は、上方ドレーピング14を貫通し、接続ドレーピング16を貫通し、かつ下方ドレーピング12を貫通して、設けられる。
【0015】
[0029]図1および図8図12に描かれているように、患者Pは、手術台T上に配置され、手術台Tは、その上に患者Pを固定することができ、すなわち、手術台Tは、患者Pを腹臥位(図8)から側臥位(図9)に回転させることができ、かつ患者Pを側臥位(図9)から腹臥位(図8)に回転させることができる。
【0016】
[0030]下方ドレーピング12は、図1図7図10、および図11に描かれているように、頭蓋側端部20と、尾側端部22と、第1の側面24と、第2の側面26と、本体部分28と、を含む。本体部分28は、頭蓋側端部20と、尾側端部22と、第1の側面24と、第2の側面26との間に位置付けられている。これらの名前が示唆するように、頭蓋側端部20は、患者Pの上方部分に位置付けられ(図10および図11)、尾側端部22は、患者Pの下方部分に位置付けられる(図10および図11)。第1の側面24および第2の側面26は、頭蓋側端部20と尾側端部22との間に延びる。図7に描かれているように、下方ドレーピング12が平らな表面上に置かれると、下方ドレーピング12は、ほぼ長方形である。しかしながら、下方ドレーピング12は、手術台Tのすべてまたは一部、および患者Pのすべてまたは一部を覆うのに十分大きい限り、いくつもの形状を有することができる。
【0017】
[0031]図10および図11に描かれているように、(本体部分28を含む)下方ドレーピング12の大部分は、患者Pに直接接触し患者Pを覆うように位置付けられている。したがって、下方ドレーピング12の大部分は、患者Pに対して静止して位置付けられる。患者Pの頭蓋側端部にある下方ドレーピング12の他の部分は、支持台36および38によって支持されている。支持台36および38による下方ドレーピング12の支持は、患者Pの頭部へのアクセスをもたらす。
【0018】
[0032]下方ドレーピング12は、患者Pの少なくとも2つの手術部位の上に位置付けられるように本体部分28を貫通して形成された穴30を含む。穴30は、1つまたは複数の穴であってよく、その穴30を通じて少なくとも2つの手術部位へのアクセスが与えられる限り任意のサイズおよび形状を有し得る。例えば、穴30は、概ね斜めの形、多角形、円形、長円形、楕円形、十字形などの形状を有し得る。穴30は、例えば、患者の右側面部分および左側面部分のうちの一方と、患者Pの腹側部および背側部のうちの一方と、へのアクセスを提供するようにサイズ決めされ成形され得る。
【0019】
[0033]図7に描かれているように、穴30は、長方形の形状を有し、穴30が少なくとも2つの手術部位の上に位置付けられる(図10および図11)と、穴30は、その長軸が回転軸Aに対して横向きの方向に延びるように、方向付けられる。前記で論じたとおり、穴30は、患者Pの背側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びるか、または、患者Pの腹側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びるようにサイズ決めされ成形され得る。
【0020】
[0034]穴30は、患者Pの背側または腹側のどちらかを横切って患者Pの一方の側面からもう一方の側面まで延びるようにサイズ決めされてもよい。したがって、穴30は、患者Pの片側における第1の側面手術部位、患者Pのもう一方の側における第2の側面手術部位、および患者Pの背側または腹側のいずれかにおける第3の手術部位という3つの手術部位へのアクセスをもたらすようにサイズ決めされてよい。
【0021】
[0035]長方形の穴30は、その長軸が回転軸Aと整列した方向に延びるように方向付けられてもよい。したがって、長方形の穴30は、患者Pの脊椎に沿った異なる手術部位へのアクセスをもたらすため、脊椎に沿って延びるように位置付けられ得る。
【0022】
[0036]穴30は、十字形としてサイズ決めされ成形されてもよい。十字形の穴30は、2つの長軸を含んでよく、これらの長軸のうち第1の長軸は、回転軸Aに対して横向きの方向に延び、長軸のうちの第2の長軸は、回転軸Aと整列した方向に延びる。したがって、長軸のうちの第1の長軸は、患者Pの背側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びるか、または患者Pの腹側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びることができる。さらに、長軸のうちの第2の長軸は、患者Pの脊椎に沿った異なる手術部位へのアクセスをもたらすため、脊椎に沿って延びることができる。
【0023】
[0037]上方ドレーピング14は、図1図3および図12に描かれているように、頭蓋側端部40と、尾側端部42と、第1の側面44と、第2の側面46と、本体部分48と、を含む。本体部分48は、頭蓋側端部40と、尾側端部42と、第1の側面44と、第2の側面46との間に位置付けられている。それらの名前が示唆するように、頭蓋側端部40は、患者Pの上方部分に隣接して位置付けられ、尾側端部42は、患者Pの下方部分に隣接して位置付けられている。第1の側面44および第2の側面46は、頭蓋側端部40と尾側端部42との間に延びている。図2および図3に描かれているように、上方ドレーピング14が平らな表面上に置かれると、上方ドレーピング14はほぼ長方形となる。しかしながら、上方ドレーピング14は、下方ドレーピング12のすべてまたは一部、手術台Tのすべてまたは一部、および患者Pのすべてまたは一部を覆うよう十分大きい限り、いくつもの形状を有し得る。
【0024】
[0038]上方ドレーピング14は、上方ドレーピング14が下方ドレーピング12の上に位置付けられると上方ドレーピング14にさまざまな3次元形状を与える、複数の延長部を有し得る。以下で論じるように、上方ドレーピング14の一部は、下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pの上に張り出す。例えば、上方ドレーピングは、頭蓋側端部40に沿った第1の延長部50および第2の延長部52と、尾側端部42に沿った第3の延長部54および第4の延長部56と、を含み得る。複数の延長部は、第1の側面44および第2の側面46に沿って設けられてもよい。
【0025】
[0039]図2および図3に描かれているように、延長部50、52、54、および56は、上方ドレーピングの残部に設けられたプリーツとして形成され得る。したがって、延長部50、52、54、および56はそれぞれ、上方ドレーピング14の残部に形成または挿入された、追加量の材料から形成され得る。延長部50、52、54、および56それぞれの、この追加量の材料は、図2に描かれているように、上方ドレーピング14が平らな表面上に置かれると、それ自体の上に折り重なる材料として表される。以下で論じるように、延長部50、52、54、および56の一部は、下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pに取り付けられ、かつこれらより上の高さで支持されており、支持台62、64、66、および68(図2および図3)は、そのような支持のために使用され得る。延長部50、52、54、および56により生じた上方ドレーピング14のたるみにより、上方ドレーピング14を支持台62、64、66、および68から引き下げずに、患者Pおよび下方ドレーピング12の固定が、その下にある手術台Tによって可能となる。
【0026】
[0040]延長部50、52、54、および56は、プリーツとして形成されるのではなく、上方ドレーピング14の形状によりもたらされた頭蓋側端部40および尾側端部42に設けられた追加量の材料から形成されてもよい。例えば、平らな表面上に置かれると、第1の側面44および第2の側面46は、頭蓋側端部40および尾側端部42の両方から、上方ドレーピング14の中央に向かってテーパー状になり得る。したがって、上方ドレーピング14は、頭蓋側端部40および尾側端部42に隣接して設けられた材料が、上方ドレーピング14の中央に隣接した材料より多い、「砂時計」形状を有し得る。その結果、延長部50、52、54、および56を形成する追加材料の一部は、支持台62、64、66、および68を使用して、下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pに取り付けられ、これらより上の高さで支持され得る。
【0027】
[0041]上方ドレーピング14の延長部50、52、54、および56の一部を、下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pに取り付け、これらより上の高さで支持することにより、上方ドレーピング14の大部分は、患者Pおよび下方ドレーピング12が手術台Tによって固定される際に、手術室の床に対して半静止位置にとどまることができる。すなわち、上方ドレーピング14が支持台62、64、66、および68を使用して下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pより上の高さで延長部50、52、54、および56を用いて効果的に垂れ下がっているので、(本体部分48を含む)上方ドレーピング14の大部分は、患者Pおよび下方ドレーピング12が手術台Tにより固定された際に大部分が所定の場所にとどまることができる。
【0028】
[0042]延長部50、52、54、および56は、支持台62、64、66、および68にそれぞれ取り付けられている。支持台62、64、66、および68は、手術台Tの周りに位置付けられ、支持台62および64が患者Pの頭蓋側端部に隣接し、かつ上方ドレーピング14の頭蓋側端部40に隣接して位置付けられて、支持台66および68が、患者Pの尾側端部に隣接し、かつ上方ドレーピング14の尾側端部42に隣接して位置付けられる。支持台62、64、66、および68の高さは、上下に調節可能であってよく、それらの上方部分は、延長部50、52、54、および56が取り付けられるように取付機構を含む。延長部50、52、54、および56を支持台62、64、66、および68それぞれに取り付けることによって、上方ドレーピング14の本体部分48は、これらの間で垂れ下がり得る。さらに、延長部50、52、54、および56は、支持台62、64、66、および68に直接取り付けられているが、延長部50、52、54、および56の一部ならびに/または上方ドレーピング14の他の部分に取り付けられたストラップ(不図示)が、上方ドレーピング14を支持台62、64、66、および68に取り付ける際に使用され得る。
【0029】
[0043]図1図4、および図12図15に描かれているように、(本体部分48を含む)上方ドレーピング14の一部は、下方ドレーピング12に形成された穴30より上に位置付けられている。上方ドレーピング14は、穴30および少なくとも2つの手術部位の上に位置付けられるように、本体部分48を貫通して形成された穴60を含む。穴60は、1つまたは複数の穴であってよく、また、穴30のサイズおよび形状に対応するようにサイズ決めされ、成形され、方向付けられてよい。例えば、穴30と同様に、穴60は、概ね斜めの形、多角形、円形、長円形、楕円形、十字形などの形状を有し得る。
【0030】
[0044]図1図3に描かれているように、穴60は、長方形の穴30に対応する長方形の形状を有し、穴60が穴30および少なくとも2つの手術部位の上に位置付けられると、穴60は、その長軸が穴30の長軸と共に方向付けられる方向に延びるように方向付けられる。穴30が、患者Pの背側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びるか、患者Pの腹側へのアクセスをもたらす手術部位から患者Pの側面へのアクセスをもたらす手術部位へと延びるか、または、患者Pの背側もしくは腹側のいずれかを横切って患者Pの一方の側面の手術部位からもう一方の側面の手術部位へと延びるようにサイズ決めされ成形されている場合、穴60は、それに従ってサイズ決めされ、成形され、方向付けられる。さらに、穴60は、穴30が十字形の形状である場合、穴30に対応するように同様にサイズ決めされ、成形され、方向付けられる。
【0031】
[0045]穴30および60は、接続ドレーピング16を用いて互いと相互接続されている。接続ドレーピング16は、穴30と穴60との間に囲まれた通路70を形成し、接続ドレーピング16は、展開および収縮することができる。穴60、囲まれた通路70、および穴30は、1つまたは複数の手術部位への無菌外科用回廊11を形成する。したがって、患者Pおよび下方ドレーピング12が手術台Tを用いて上方ドレーピング14に対して固定され得ることを考慮すると、囲まれた通路70(したがって無菌外科用回廊11)は、患者Pおよび下方ドレーピング12の固定に適応するようにその向きを変化させることができる。言い換えれば、接続ドレーピング16が展開および収縮する能力によって、接続ドレーピング16は、患者Pおよび下方ドレーピング12が上方ドレーピング14に対して動かされる際に、その形状を変化させることができる。例えば、患者Pおよび下方ドレーピング12の回転中、接続ドレーピング16は、穴60、囲まれた通路70、および穴30により形成された無菌外科用回廊11を介した1つまたは複数の手術部位へのアクセスを維持するように固定する。
【0032】
[0046]図12図14に描かれているように、患者Pが手術台Tにより側臥位で支持されると、第1の手術部位Sへの外科医によるアクセスがもたらされる。前記で論じたとおり、穴30および60は、図15に描かれているように、第2の手術部位Sへのアクセスをもたらすようにもサイズ決めされ、成形される。図15は、手術台Tにより腹臥位で支持された患者Pを描いている。図12図14における第1の手術部位Sにアクセスする位置から離して患者Pおよび下方ドレーピング12を回転させると、接続ドレーピング16は、その回転に適応するように展開する。図15に描かれているように、このような適応は、外科医によってアクセスされる第2の手術部位Sへのアクセスをもたらすのに役立つと共に、穴60、囲まれた通路70、および穴30を通る無菌外科用回廊11を依然として維持する。さらに、側臥位(図12図14)から腹臥位(図15)への患者Pの回転を考慮すると、穴60、囲まれた通路70、および穴30を通る無菌外科用回廊11は、患者Pの下側の領域90へのアクセスを生じる。領域90など、患者Pの下側の位置へのアクセスは、典型的には、手術中に利用可能ではなかった。
【0033】
[0047]前記で論じたとおり、無菌野は、外科処置中に確立および維持されなければならず、無菌野は、従来の手術台の表面において、かつその表面より上で確立および維持される。外科用ドレーピングシステム10は、患者Pおよび下方ドレーピング12が手術台Tによって固定された場合であっても、無菌外科用回廊の確立および維持をもたらす。前記で論じたとおり、下方ドレーピング12は、患者Pと直接接触するように位置付けられ、穴30は、少なくとも2つの手術部位へのアクセスを提供する。少なくとも2つの手術部位の周りの領域は、下方ドレーピング12の使用により確立された無菌野内にある。さらに、前記で論じたとおり、上方ドレーピング14は、下方ドレーピング12、手術台T、および患者Pより上の高さで効果的に垂れ下がっている。無菌野は、上方ドレーピング14によっても確立される。しかしながら、患者Pが手術台Tによって回転させられると、手術部位のうちの1つまたは複数は、潜在的には、外科医のウエストの高さより下の非無菌野に入り得る。接続ドレーピング16の使用は、手術部位のうちの1つまたは複数が外科医のウエストの高さより下にきても、穴60、囲まれた通路70、および穴30を介した無菌外科用回廊11の確立および維持を促進する。
【0034】
[0048]接続ドレーピング16は、その展開および収縮をもたらす無菌織物材料で作られ得る。接続ドレーピング16は、展開可能かつ収縮可能な弾性織物で作られ得る。さらに、図4図6に描かれているように、接続ドレーピング16は、展開可能かつ収縮可能な織物ベローズ、すなわち、言い換えれば蛇腹折りで折り畳まれた織物、で作られ得る。織物ベローズも、弾性特性を含み得る。図5および図6に描かれているように、蛇腹折りにより、接続ドレーピング16が展開および収縮することができる。例えば、接続ドレーピング16は、第1のセクション72と、第2のセクション74と、第3のセクション76と、第4のセクション78と、から形成されてよく、これらのセクションはそれぞれ、その展開および収縮を可能にする蛇腹折りで折り畳まれた織物から形成されている。
【0035】
[0049]接続ドレーピング16は、その上に形成された接着材料を用いて下方ドレーピング12および上方ドレーピング14に取り付けられ得る。例えば、接着片80は、第1のセクション72、第2のセクション74、第3のセクション76、および第4のセクション78の一部に設けられて、接続ドレーピング16を下方ドレーピング12および上方ドレーピング14に取り付けることができる。例示すると、図5および図6に描かれているように、接着片80が、接続ドレーピング16の下部表面82に設けられてよく、これらの接着片80は、接続ドレーピング16を下方ドレーピング12に取り付けるのに使用され得る。同様に、接着片80は、接続ドレーピング16の上部表面(不図示)に設けられてよく、これらの接着片80は、接続ドレーピング16を上方ドレーピング14に取り付けるのに使用され得る。接続ドレーピング16は、接着片80を使用するのではなく、例えば、液状もしくは固形接着剤、針と糸、メカニカルファスナー、またはベルクロ(登録商標)などを用いて、下方ドレーピング12および上方ドレーピング14に取り付けられ得る。
【0036】
[0050]前記で論じたとおり、穴30および60は、1つまたは複数の穴であってよく、穴30のサイズおよび形状に対応するようにサイズ決めされ、成形され、方向付けられてよい。穴30および60のうちの2つ以上が使用される場合、追加の接続ドレーピング16が設けられ得る。すなわち、第1の接続ドレーピング16およびその囲まれた通路70は、第1組の穴30および60と共に使用されて第1の無菌外科用回廊を提供することができ、第2の接続ドレーピング16およびその囲まれた通路70は、第2組の穴30および60と共に使用されて第2の無菌外科用回廊を提供することができる。したがって、第1の無菌外科用回廊は、第1の1つまたは複数の手術部位へのアクセスを提供することができ、第2の無菌外科用回廊は、離間した第2の1つまたは複数の手術部位へのアクセスを提供することができ、第1および第2の1つまたは複数の手術部位は、患者P上で互いから離間している。
【0037】
[0051]さらに、手術中に外科医を助けるため、上方ドレーピング14は、これに取り付けられたポケット86を含み得る。ポケット86は、手術中にさまざまな外部からの外科用材料を保管するために使用され得る。さらに、図12に描かれているように、支持台66および68により上方ドレーピング14を支持する間に上方ドレーピング14に形成された谷または溝88も、手術中に外部からの外科用材料を保持するのに使用され得る。
【0038】
[0052]下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16は、患者Pおよび手術台Tに対して設置される前に前述した領域において互いに永続的または半永続的に取り付けられ得る。さらに、下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16は、互いに永続的または半永続的に取り付けられると、互いに包装され得る。包装する際、下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16は、1つのパッケージ(不図示)に収まるように折り畳まれてよく、下方ドレーピング12、上方ドレーピング14、および接続ドレーピング16の折り畳みは、下方ドレーピング12を先に配備し、その後上方ドレーピング14を配備するか、または上方ドレーピング14を先に配備し、その後下方ドレーピング12を配備するのを促進するのに役立ち得る。
【0039】
[0053]本明細書に開示された本発明の仕様および実践を考慮すれば、本発明の他の実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は単に例示的なものと考えられ、本発明の実際の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されるものであることが、意図されている。
【符号の説明】
【0040】
10 外科用ドレーピングシステム
11 無菌外科用回廊
12 下方ドレーピング
14 上方ドレーピング
16 接続ドレーピング
20 頭蓋側端部
22 尾側端部
24 第1の側面
26 第2の側面
28 本体部分
30 穴
36 支持台
38 支持台
40 頭蓋側端部
42 尾側端部
44 第1の側面
46 第2の側面
48 本体部分
50 第1の延長部
52 第2の延長部
54 第3の延長部
56 第4の延長部
60 穴
62 支持台
64 支持台
66 支持台
68 支持台
70 通路
72 第1のセクション
74 第2のセクション
76 第3のセクション
78 第4のセクション
80 接着片
86 ポケット
90 領域
A 回転軸
P 患者
S1 第1の手術部位
S2 第2の手術部位
T 手術台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15