(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220511BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
H04N5/64 571Z
(21)【出願番号】P 2018003640
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 智章
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-257662(JP,A)
【文献】特開2013-219517(JP,A)
【文献】特開平09-073072(JP,A)
【文献】特開2016-122151(JP,A)
【文献】特開2017-004257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
H04N 5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像が表示される画面を有する表示部と、
前記表示部の前記画面側に配置されるタッチパネル部と、
前記タッチパネル部を支持し、前記表示部の前記画面側に開口を有する前記表示部の収容部を備える枠体部と、
前記表示部と前記タッチパネル部との間、且つ前記画面に沿った前記画面の外側に配置されるスペーサと、
前記表示部を支持する第1ホルダと、
前記枠体部を支持する第2ホルダと、
前記表示部と前記タッチパネル部とが接近、離間する方向に前記第1ホルダと前記第2ホルダとの相対位置を変更可能であって、前記スペーサに対する加圧力を調整可能に前記第1ホルダと前記第2ホルダとを接続する接続部と、
を備
える表示装置。
【請求項2】
前記スペーサは、前記表示部と前記タッチパネル部とを結合させる結合部材である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記スペーサは、前記表示部及び前記タッチパネル部のすくなくとも一方に対して結合されることなく接触する弾性部材である請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画面にタッチして操作することが可能なタッチパネル部を備えた表示装置が様々な分野で普及している。その一例として、例えば静電容量方式のタッチパネル機能付き表示装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された従来の表示装置では、表示パネルとタッチパネルとが表示パネルの画面全体に配置された貼着体によって貼り合わされた、いわゆるダイレクトボンディング方式が採用される。これにより、画面の視認性が向上し、表示装置の高品質化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術であるダイレクトボンディング方式はコストアップが課題であった。これにより、表示装置の大画面化の推進にも支障をきたすことが懸念された。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、表示装置において、コストアップを抑制し、画面の視認性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、映像が表示される画面を有する表示部と、前記表示部の前記画面側に配置されるタッチパネル部と、前記タッチパネル部を支持し、前記表示部の前記画面側に開口を有する前記表示部の収容部を備える枠体部と、前記画面に沿った前記画面の外側、且つ前記表示部と前記タッチパネル部との間に配置されるスペーサと、を備え、前記表示部は、前記収容部の前記開口の内縁部よりも内側に配置される構成(第1の構成)である。
【0008】
また、上記第1の構成の表示装置において、前記スペーサは、前記表示部と前記タッチパネル部とを結合させる結合部材である構成(第2の構成)であっても良い。
【0009】
また、上記第1の構成の表示装置において、前記スペーサは、前記表示部及び前記タッチパネル部のすくなくとも一方に対して結合されることなく接触する弾性部材である構成(第3の構成)であっても良い。
【0010】
また、上記第1から第3の構成の表示装置において、前記表示部を支持する第1ホルダと、前記枠体部を支持する第2ホルダと、前記第1ホルダと前記第2ホルダとの相対位置を変更可能に前記第1ホルダと前記第2ホルダとを接続する接続部と、を備える構成(第4の構成)であっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、タッチパネル部を支持する枠体部が、表示部とタッチパネル部との間に介在しない。すなわち、表示部とタッチパネル部とを、画面全体で貼り合わせることなく、互いに接近させることができる。したがって、表示装置のコストアップを抑制し、画面の視認性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図1のIII-III線における表示装置の部分水平断面図である。
【
図4】
図3の表示装置の部分拡大水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0014】
<1.表示装置の全体構成>
図1は、実施形態の表示装置1の正面図である。
図2は、表示装置1の分解斜視図である。なお、
図1において、上下方向が表示装置1の上下方向であり、左右横方向が表示装置1の左右横方向であり、紙面奥行き方向が表示装置1の前後方向である。
【0015】
表示装置1は正面から見て矩形の直方体形状で構成される。表示装置1は、
図1及び
図2示す枠体部2、タッチパネル部3、オーバーレイフィルム4、表示部5、スペーサ6、第1ホルダ7、第2ホルダ8及び後板9を備える。
【0016】
枠体部2は表示装置1の周縁部に配置される。枠体部2は正面から見て矩形の額縁形状で構成される。枠体部2は正面側においてタッチパネル部3及びオーバーレイフィルム4を支持する。
【0017】
タッチパネル部3は枠体部2の正面に配置される。タッチパネル部3の正面側にはオーバーレイフィルム4が配置される。タッチパネル部3はオーバーレイフィルム4と枠体部2との間に配置される。また、タッチパネル部3は表示部5の画面51側に配置される。
【0018】
タッチパネル部3は、例えば静電容量式のタッチパネルで構成される。タッチパネル部3はその表面であるタッチ領域がユーザーの手の指先等の被検出体でタッチされると、被検出体の検出位置に対応する電極の静電容量が変化する。これにより、タッチパネル部3はタッチ領域のタッチされた位置を検知し、その静電容量の変化を検知信号として出力する。タッチパネル部3の出力信号は制御部(不図示)に送信される。
【0019】
表示部5は枠体部2の内側に配置される。表示部5は映像が表示される画面51を有する。表示部5の画面51は表示装置1の正面側に臨み、その正面にタッチパネル部3が位置する。表示部5は、例えば液晶表示パネルで構成される。表示部5は表示装置1の制御部からの指令を受信し、各種の情報を画面51に表示する。
【0020】
なお、タッチパネル部3は表示部5の画面51上に重ねて配置される。これにより、表示部5の画面51の全体がタッチパネル部3のタッチ領域となる。
【0021】
スペーサ6は表示部5とタッチパネル部3との間に配置される。且つ、スペーサ6は表示部5の画面51に沿った画面51の外側に配置される。すなわち、スペーサ6は正面から見て矩形の帯状で構成される。
【0022】
第1ホルダ7は表示部5の背面側に配置される。第1ホルダ7は表示部5を支持する。第1ホルダ7は、例えば板金で構成される。
【0023】
第2ホルダ8は枠体部2の背面側に配置される。第2ホルダ8は枠体部2を支持する。第2ホルダ8は、例えば板金で構成される。第1ホルダ7と第2ホルダ8とは互いに接続される。
【0024】
後板9は第1ホルダ7及び第2ホルダ8の背面側であって、表示装置1の最も背面側に配置される。後板9は第1ホルダ7及び第2ホルダ8と対向する正面側並びに下側が開放された略直方体の箱体である。後板9は、例えば板金で構成される。
【0025】
<2.表示装置の詳細な構成>
続いて、表示装置1の詳細な構成について説明する。
図3は、
図1のIII-III線における表示装置1の部分水平断面図である。
図4は、
図3の表示装置1の部分拡大水平断面図である。
【0026】
枠体部2は正面に、後方に向かって窪む第1凹部21を備える。第1凹部21の外形はオーバーレイフィルム4の外形と形状及び大きさがほぼ同じであり、枠体部2の外周縁よりも小さい。第1凹部21はオーバーレイフィルム4を収容する。オーバーレイフィルム4は、その外周部が第1凹部21の、表示装置1の正面との対向面に貼付される。オーバーレイフィルム4は、例えば両面テープ10等を用いて第1凹部21に貼付される。
【0027】
枠体部2は第1凹部21の内側に、後方に向かって窪む第2凹部22を備える。第2凹部22の外形はタッチパネル部3の外形と形状及び大きさがほぼ同じであり、第1凹部21の外形よりも小さい。第2凹部22はタッチパネル部3を収容する。タッチパネル部3は、その正面全体がオーバーレイフィルム4によって覆われ、オーバーレイフィルム4の背面に密着する。
【0028】
枠体部2は第2凹部22の内側であって正面から見た中央部に、表示部5の収容部23を備える。収容部23は表示装置1の正面側であって表示部5の画面51側に開口23aを有する。表示部5は、収容部23の開口23aの内縁部よりも内側に配置される。言い換えると、収容部23の開口23aの内縁部は表示部5の外縁部よりも外側に位置する。すなわち、枠体部2は正面から見て表示部5と重なっていない。
【0029】
この構成によれば、タッチパネル部3を支持する枠体部2が、表示部5とタッチパネル部3との間に介在しない。すなわち、表示部5とタッチパネル部3とを、画面51全体で貼り合わせることなく、互いに接近させることができる。したがって、表示装置1のコストアップを抑制し、画面51の視認性を向上させることが可能になる。
【0030】
例えば、表示装置を車両に搭載する場合、ユーザーは画面を斜め方向から見ることが多くなる。これにより、表示部とタッチパネル部との間隔が広いと、視差が生じ易くなり、画面の表示とユーザーのタッチ位置とにずれが生じる虞がある。これに対して上記実施形態の表示装置1によれば、安価な簡便な構成で、表示部5とタッチパネル部3とを互いに接近させることができ、タッチ位置のずれを防止することが可能になる。
【0031】
スペーサ6は表示部5とタッチパネル部3とを結合させる結合部材とすることができる。この場合、スペーサ6は、例えば両面テープや接着剤で構成される。スペーサ6は表示部5及びタッチパネル部3それぞれに対して結合する。この構成によれば、表示装置1の強度を向上させることができる。また、画面51上への塵埃の侵入を防止する効果を高めることが可能になる。また、スペーサ6を圧縮すれば、部品自体の寸法のばらつきや、組み立て時の寸法のばらつきを抑制することができる。
【0032】
また、スペーサ6は表示部5及びタッチパネル部3のすくなくとも一方に対して結合されることなく接触する弾性部材とすることができる。この場合、スペーサ6は、例えば弾性を有する防塵スペーサで構成される。スペーサ6は表示部5及びタッチパネル部3の一方、若しくは両方に対して結合されることなく接触する。この構成によれば、例えば修理時のように分解する場合、表示部5とタッチパネル部3とを容易に分離することができる。したがって、分解するときの作業性を向上させることが可能である。さらに、修理時の部品の流用性、再利用性が高くなる。また、スペーサ6を圧縮すれば、部品自体の寸法のばらつきや、組み立て時の寸法のばらつきを抑制することができる。
【0033】
表示部5は、その背面にボス部52を有する。表示部5は、ボス部52がネジ11によって第1ホルダ7に締結され、固定される。
【0034】
枠体部2は、その表示装置1の背面との対向面にボス部24を有する。枠体部2は、ボス部24がネジ12によって第2ホルダ8に締結され、固定される。
【0035】
第1ホルダ7は前後方向及び上下方向に延びる折り曲げ部7aを有する。同様に、第2ホルダ8は前後方向及び上下方向に延びる折り曲げ部8aを有する。第1ホルダ7の折り曲げ部7aと、第2ホルダ8の折り曲げ部8aとは、互いに平行である。第1ホルダ7の折り曲げ部7aの外側面と、第2ホルダ8の折り曲げ部8aの外側面とは、互いに左右横方向において対向するとともに接触する。
【0036】
第1ホルダ7の折り曲げ部7aと、第2ホルダ8の折り曲げ部8aとの接触領域には接続部13が設けられる。接続部13は第1ホルダ7と第2ホルダ8とを互いに固定するネジ14を有する。接続部13は第1ホルダ7と第2ホルダ8との相対位置を変更可能に第1ホルダ7と第2ホルダ8とを接続する。
【0037】
例えば、ネジ14の頭14aと、第1ホルダ7の折り曲げ部7aとの間の第2ホルダ8の折り曲げ部8aには、長穴で構成されるネジ穴8bが設けられる。ネジ穴8bは前後方向に長く延びる長穴である。これにより、第2ホルダ8は第1ホルダ7に対して相対位置が変更可能である。このようにして、接続部13は第1ホルダ7と第2ホルダ8との相対位置を変更可能にする。
【0038】
この構成によれば、枠体部2と表示部5との、前後方向における相対位置が任意に変更可能になる。すなわち、枠体部2に固定されたタッチパネル部3と表示部5との、前後方向における相対位置が任意に変更可能になる。これにより、スペーサ6に対する加圧力を適宜任意に調整することができ、タッチパネル部3と表示部5との間隔を一定に保持することが可能になる。したがって、防塵性能を向上させることができ、且つ画面51の視認性をより一層向上させることが可能になる。
【0039】
<3.その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 表示装置
2 枠体部
3 タッチパネル部
5 表示部
6 スペーサ
7 第1ホルダ
8 第2ホルダ
9 後板
13 接続部
23 収容部
23a 開口
51 画面