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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】ユーザ監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220511BHJP
   G06Q 50/14 20120101ALI20220511BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G06Q50/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018033841
(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公開番号】P2019149735
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146330
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100185236
【弁理士】
【氏名又は名称】関 誠之
(72)【発明者】
【氏名】天野 善仁
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105223(JP,A)
【文献】特開2011-141685(JP,A)
【文献】特開2014-092942(JP,A)
【文献】特開2016-103239(JP,A)
【文献】特開2007-219747(JP,A)
【文献】特開2017-111497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C21/00-21/36
23/00-25/00
G06F13/00
19/00
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G08B19/00-31/00
H04B7/24-7/26
H04L12/00-12/26
12/50-12/955
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される監視者端末と、
前記ネットワークに接続され、各々が自装置の位置情報を取得する位置情報送信部を有する複数のユーザ端末と、
前記ネットワークに接続され、旅行の行程を示す情報を記憶するサーバと、
を備え
前記監視者端末は、
前記複数のユーザ端末の少なくとも一部に所定の通知を一斉に送信する通信制御部と、
監視者の操作に基づいて前記旅行の行程を示す情報の修正を要求する行程管理部とを有し、
前記ユーザ端末は、
前記通知に対する回答を示す所定の選択肢のいずれかの選択を受け付け、選択された回答を前記監視者端末へ送信する通信制御部と、
前記旅行の行程を示す情報を取得及び表示する行程表示部とを有し、
前記サーバは、
記ユーザ端末から前記自装置の位置情報を取得し、当該位置情報が示す前記ユーザ端末が存在した位置の軌跡を地図上に表示するための情報であって、前記ユーザ端末が滞在した時間又は通過した回数に応じて前記軌跡を強調して表示する情報を作成する処理と、
前記監視者端末から前記修正を要求された場合、記憶している前記旅行の行程を示す情報を前記修正の要求に基づいて変更する処理と
を実行可能である
ユーザ監視システム。
【請求項2】
前記監視者端末は、複数の前記ユーザ端末の存在する位置情報を取得し、地図上に前記複数のユーザ端末の位置を表示する位置情報表示部をさらに有し、
前記通信制御部は、前記地図上において範囲の指定を受け、範囲内又は範囲外に位置するユーザ端末を前記通知の送信先に設定する
請求項1に記載のユーザ監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅行客等の現在位置を確認するためのシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。本技術では、第1の端末は、第1の端末の現在位置である第1端末現在位置を測位し、第1端末現在位置をサーバに送信し、旅行客の現在位置を確認するための旅行客確認要求を受け付け、旅行客の現在位置を示す旅行客確認結果を表示する第1の入力表示部を有する。また、第2の端末は、第2の端末の現在位置である第2端末現在位置を測位し、第2端末現在位置をサーバに送信し、添乗員と移動車両とを含む主催者の現在位置を確認するための主催者確認要求を受け付け、主催者の現在位置を示す主催者確認結果を表示する第2の入力表示部と、主催者確認要求をサーバに送信し、主催者確認結果を受け取る主催者位置情報取得部と、を備える。サーバは、旅行客確認結果である旅行客現在位置マップ情報を第1の端末に送信し、主催者確認結果である主催者現在位置マップ情報を第2の端末に送信する。
【0003】
また、モバイルデバイスは、複数のウェアラブルデバイスの場所を示す複数のウェアラブルデバイスから測位通知をインターネットを含むネットワークから受信し、測位通知に基づいて複数のウェアラブルデバイスの場所を判定するモバイルテザーシステムも提案されている(例えば、特許文献2)。本技術では、複数のウェアラブルデバイスのうちの特定のウェアラブルデバイスから、当該ウェアラブルデバイスのユーザが援助を要求していることを示す要求通知を受信することも含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-111497号公報
【文献】特開2017-005694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、例えば旅行者のグループを引率する添乗員が監視するようなシステムにおいて、旅行者の位置を把握したり、相互に通信を行うための技術が提案されている。しかしながら、例えば旅行者が貸与された端末を使用する場合、使い慣れないことや小型で表示領域の限られていること等の理由から使いこなすのが難しいことがあった。
【0006】
本発明は、監視者が複数のメンバーの行動を監視するためのシステムにおいて、円滑なコミュニケーションを支援するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るユーザ監視システムは、ネットワークに接続される監視者端末と、ネットワークに接続される複数のユーザ端末とを備える。また、監視者端末は、複数のユーザ端末の少なくとも一部に所定の通知を一斉に送信する通信制御部を有する。ユーザ端末は、通知に対する回答を示す所定の選択肢のいずれかの選択を受け付け、選択された回答を監視者端末へ送信する通信制御部を有する。
【0008】
ユーザ端末から、通知に対する回答を示す所定の選択肢のいずれかの選択を受け付けるようにすることで、監視者は速やかに回答を得ることができる。また、ユーザ端末が比較
的小型の機器であっても、ユーザにとって回答の入力が容易になる。
【0009】
また、ユーザ端末は、自装置の位置情報を取得する位置情報送信部をさらに有し、監視者端末は、複数のユーザ端末の存在する位置情報を取得し、地図上に複数のユーザ端末の位置を表示する位置情報表示部をさらに有し、通信制御部は、地図上において範囲の指定を受け、範囲内又は範囲外に位置するユーザ端末を通知の送信先に設定するようにしてもよい。このようにすれば、自由に移動するユーザ端末に対して通知を送信する際に、宛先を指定する操作が容易になる。
【0010】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、コンピュータが実行する方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
コンテンツファイルが送受信されるネットワークにおいて、簡易な構成により、ノードへのアクセスの集中を避け、全体の通信量を抑制すると共に、キャッシュ領域を効率的に活用するための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】システムの構成の一例を示す図である。
図2】監視者端末、ユーザ端末及びサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図3】位置情報表示処理の一例を示す処理フロー図である。
図4】サーバに蓄積されるユーザ端末の位置情報の一例を示す図である。
図5】監視者端末に表示される位置情報の一例を表す図である。
図6】行程表示処理の一例を示す処理フロー図である。
図7】サーバに記憶される行程情報の一例を示す図である。
図8】監視者端末において表示される行程の情報と、行程の修正を説明するための図である。
図9】ユーザ端末において表示される行程の情報の一例を示す図である。
図10】通信処理の一例を示す処理フロー図である。
図11】監視者端末においてメッセージを入力する画面の一例を示す図である。
図12】宛先に設定するユーザ端末を選択する画面の一例を示す図である。
図13】メッセージの一例を示す図である。
図14】回答の選択肢の一例を示す図である。
図15】ユーザ端末に商品を表示する画面の一例を表す図である。
図16】履歴情報を表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0014】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。図1のシステム1は、監視者端末2と、ユーザ端末3(3A,3B,3C,・・・)と、サーバ4とを含み、これらの構成要素がネットワーク5を介して通信可能に接続されている。本実施形態では、例えば団体旅行の参加者の各々にユーザ端末3を貸与し、添乗員は監視者端末2を使用してユーザ端末3を所持するユーザの行動を監視する。
【0015】
監視者端末2は、タブレット、スマートフォン、ノート型PC(Personal Computer)
等のモバイルコンピュータである。監視者端末2は、例えば団体旅行の添乗員や、登山者の入山・下山を管理する管理者、修学旅行を引率する教師等、複数のメンバーを監視する監視者が操作する。また、監視者端末2は、ユーザ端末3の位置を示す情報を地図上に対応付けて表示させたり、ユーザ端末3と音声やテキストを送受信したり、所定の行程を表示及び更新したりする。また、監視者端末2は、ユーザ端末3に対し、目的地で購入できるお土産等の商品を推薦する処理を行ってもよい。
【0016】
ユーザ端末3は、スマートウォッチのようなウェアラブル端末、スマートフォン、携帯電話機、タブレット等のモバイルコンピュータである。ウェアラブル端末は、カラビナを備えるキーホルダー型や、ネックストラップを備える首下げ型等であってもよい。また、ユーザ端末3は、例えば団体旅行の参加者であるユーザに貸与されるものであってもよい。ユーザ端末3は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを利用し、
自装置の位置を特定することができる。また、ユーザ端末3は、監視者端末2や他のユーザ端末3との間で音声やテキストを送受信したり、所定の行程を表示させることもできる。また、ユーザ端末3は、目的地で購入できるお土産等の商品を表示し、ユーザの操作に基づいて購入ができるようにしてもよい。
【0017】
サーバ4は、監視者端末2やユーザ端末3に対し、本システムに係る機能を提供するコンピュータである。サーバ4は、監視者端末2やユーザ端末3から位置情報を取得し、記憶装置に蓄積する。このとき、各端末の位置と日時とを関連付けて記憶させるようにしてもよい。また、サーバ4は、監視者端末2とユーザ端末3との通信を制御するようにしてもよい。例えば、監視者端末2とユーザ端末3との間で、VoIPを利用した通話や、電子メールやチャット等のテキストメッセージの送受信、音声メッセージの送受信等を行うことができる。また、サーバ4は、旅行の行程を表す情報を予め記憶しており、監視者端末2やユーザ端末3からの要求を受けて行程情報を送信する。なお、監視者端末2からの要求を受け、行程情報を更新できるようにしてもよい。また、サーバ4は、ユーザ端末3に対し、目的地で購入できるお土産等の商品を推薦する処理を行ってもよい。
【0018】
ネットワーク5は、インターネットや通信事業者等が提供するローカルの通信網を含むネットワークである。なお、監視者端末2とユーザ端末3とは、Bluetooth(登録商標)
等の通信規格を利用し、端末間で直接通信できるようにしてもよい。
【0019】
<装置の構成>
図2は、監視者端末2、ユーザ端末3及びサーバ4の構成の一例を示すブロック図である。監視者端末2、ユーザ端末3及びサーバ4は、一般的なコンピュータである。
【0020】
<監視者端末>
監視者端末2は、タブレット、スマートフォン、ノート型PC等のコンピュータであり、通信I/F21と、記憶装置22と、入出力装置23と、プロセッサ24と、バス25と、位置情報取得部26とを備えている。
【0021】
通信I/F21は、例えば通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク5を介して他のコンピュータと通信を行う。
【0022】
記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置及びHDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)である。主記憶装置は、プロセッサが読み出したプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサの作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサが実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。
【0023】
入出力装置23は、例えばタッチパネル等の入出力装置や、キーボード、マウス等の入力装置、モニタ等の出力装置等のユーザインターフェースである。例えば、監視者は、入出力装置23を介して監視者端末2を操作する。
【0024】
プロセッサ24は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、プ
ログラムを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う。図2の例では、プロセッサ24内に機能ブロックを示している。プロセッサ24は、例えば、位置情報表示部241、通信制御部242、行程管理部243及び販売処理部244を含む。
【0025】
位置情報表示部241は、通信I/F21を介し、サーバ4からユーザ端末3の位置を取得すると共に、上述した入出力装置23に表示させる。また、位置情報表示部241は、位置情報取得部26が出力する自装置の位置情報に基づき、入出力装置23に自装置の位置を示す情報をさらに表示する。また、位置情報表示部241は、自装置の周囲の地図を表す情報を、サーバ4又はネットワーク5に接続された図示していない他の装置から取得し、地図上にユーザ端末3や監視者端末2の位置を示す情報をマッピングして表示してもよい。通信制御部242は、通信I/F21を介し、ユーザ端末3との間で、VoIPを利用した通話、電子メールやチャット等のテキストメッセージの送受信、音声メッセージの送受信等を行うと共に、メッセージを表示や再生を行う。行程管理部243は、通信I/F21を介してサーバ4から団体旅行の行程を示す情報を取得し、入出力装置23に表示させる。また、入出力装置23を介して監視者の操作を受け付け、サーバ4が記憶している行程を示す情報を変更させる。販売処理部244は、例えば監視者の操作に基づいて、旅行の行程において購入することができる商品の情報を、通信I/F21を介してユーザ端末3へ送信する。
【0026】
位置情報取得部26は、GPS受信機等のモジュールであり、所定の衛星からの信号を受信し、監視者端末2が存在する位置を特定して座標等の形式で出力する。
【0027】
以上のような構成要素が、バス25を介して接続されている。
【0028】
<ユーザ端末>
ユーザ端末3は、通信I/F31と、記憶装置32と、入出力装置33と、プロセッサ34と、バス35と、位置情報取得部36とを備えている。
【0029】
通信I/F31は、例えば通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク5を介して他のコンピュータと通信を行う。
【0030】
記憶装置32は、RAMやROM等の主記憶装置及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサが読み出したプログラムやデータを一時的に記憶したり、プロセッサの作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサが実行するプログラムや、他の装置との間で送受信される情報等を記憶する。
【0031】
入出力装置33は、タッチパネル等のユーザインターフェースである。
【0032】
プロセッサ34は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う。ユーザ端末3においても、プロセッサ34内に機能ブロックを示している。プロセッサ34は、例えば、位置情報送信部341、通信制御部342、行程表示部343及び販売処理部344を含む。
【0033】
位置情報送信部341は、位置情報取得部36から自装置の位置を示す情報を取得し、
通信I/F31を介してサーバ4へ自装置の位置情報を送信する。通信制御部342は、通信I/F31を介し、監視者端末2との間で、VoIPを利用した通話、電子メールやチャット等のテキストメッセージの送受信、音声メッセージの送受信等を行うと共に、メッセージを表示や再生を行う。行程表示部343は、通信I/F31を介してサーバ4から団体旅行の行程を示す情報を取得し、入出力装置23に表示させる。販売処理部344は、旅行の行程において購入することができる商品の情報を、通信I/F21を介して受信し、入出力装置33へ表示させる。また、販売処理部344は、入出力装置33を介して入力されたユーザの操作に応じて、商品を購入するための処理を行う。
【0034】
位置情報取得部36は、GPS受信機等のモジュールであり、所定の衛星からの信号を受信し、ユーザ端末3が存在する位置を特定して座標等の形式で出力する。
【0035】
以上のような構成要素が、バス35を介して接続されている。
【0036】
<サーバ>
サーバ4は、通信I/F41と、記憶装置42と、入出力装置43と、プロセッサ44と、バス45とを備えている。
【0037】
通信I/F41は、例えばネットワークカードであり、所定のプロトコルに基づき、他の装置と通信を行う。
【0038】
記憶装置42は、RAMやROM等の主記憶装置及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサが読み出したプログラムやデータを一時的に記憶したり、プロセッサの作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサが実行するプログラムや、他の装置との間で送受信される情報を記憶する。
【0039】
入出力装置43は、例えばキーボード、マウス等の入力装置や、モニタ等の出力装置、タッチパネル等のユーザインターフェースである。
【0040】
プロセッサ44は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う。サーバ4についても、プロセッサ44内に機能ブロックを示している。プロセッサ44は、例えば、位置情報管理部441、通信制御部442、行程管理部443及び販売処理部444を含む。
【0041】
位置情報管理部441は、通信I/F41を介してユーザ端末3や監視者端末2の位置情報を受信し、記憶装置42に記憶させる。通信制御部442は、ユーザ端末3と監視者端末2との間で行われる通信について、コネクションを確立させたり、あて先に応じてメッセージを転送したりする。行程管理部443は、予め設定された団体旅行の行程を示す情報を記憶装置42から読み出し、通信I/F41を介してユーザ端末3や監視者端末2へ送信したり、監視者端末2から変更の要求を受け付けて記憶装置42に新たな情報を記憶させたりする。販売処理部444は、旅行の行程において購入することができる商品の情報を、通信I/F21を介してユーザ端末3へ送信し、ユーザ端末3から商品の購入を希望する旨の情報を受信した場合は、所定の販売処理を行う。
【0042】
以上のような構成要素が、バス45を介して接続されている。
【0043】
<位置情報表示処理>
図3は、本実施形態に係る位置情報表示処理の一例を示す処理フロー図である。ユーザ端末3の位置情報送信部341は、位置情報取得部36から自装置の位置を示す情報を取得し、通信I/F31を介してサーバ4へ送信する(図3:S1)。本ステップでは、例え
ば緯度及び経度を含む位置情報が送信される。また、本ステップの処理は、継続的に実行される。
【0044】
一方、サーバ4の位置情報管理部441は、ユーザ端末3の各々から位置情報を受信し記憶装置42に記憶させる(S2)。本ステップでは、ユーザ端末3の識別情報と位置情報とが関連付けられて記憶される。なお、位置情報をユーザ端末3又はサーバ4が取得した日時を示す情報をさらに関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0045】
図4は、サーバ4に蓄積されるユーザ端末3の位置情報の一例を示す図である。図4の表は、端末ID、日時、位置情報の各属性を含む。端末IDのフィールドには、ユーザ端末3を一意に特定するための識別情報が登録される。日時のフィールドには、位置情報が示す位置に端末が存在した日時が登録される。なし、日時は、例えばユーザ端末3の位置情報取得部36が位置情報を出力した日時であってもよいし、サーバ4の位置情報管理部441が位置情報を受信した日時であってもよい。位置情報のフィールドには、端末が存在した位置を示す情報が登録される。位置情報は、例えば緯度及び経度を示す座標によって表される。なお、監視者端末2からも位置情報を受信し、同様に位置情報を蓄積するようにしてもよい。
【0046】
また、監視者端末2の位置情報表示部241は、サーバ4へ位置情報の送信を要求する(図3:S3)。本ステップは、入出力装置23を介して監視者からの操作を受けた場合に実行するようにしてもよいし、所定の間隔で位置情報表示部241が実行するようにしてもよい。
【0047】
一方、サーバ4の位置情報管理部441は、要求を受信すると(S4)、記憶装置42からユーザ端末3の位置情報を読み出し、監視者端末2へ送信する(S5)。本ステップでは、図4に示したようなデータベースから、監視対象の各ユーザ端末3の直近の位置情報を読み出し、送信する。
【0048】
また、監視者端末2の位置情報表示部241は、サーバ4から位置情報を受信し、入出力装置23を介して表示させる(S6)。本ステップでは、地図上にユーザ端末3の位置及び監視者端末2の位置を表示させる。
【0049】
図5は、監視者端末2の入出力装置23に表示される位置情報の一例を表す図である。図5の例では、地図上に、自装置の位置231と、ユーザ端末3の位置232(232A~232I)が表示されている。なお、監視者端末2及びユーザ端末3の位置を示すアイコンは、図5の例には限定されない。位置情報表示処理によれば、監視者端末2において、地図上に複数の監視対象者の位置を表示することができる。
【0050】
<行程表示処理>
図6は、本実施形態に係る行程表示処理の一例を示す処理フロー図である。例えば団体旅行において実施形態にかかるシステムを利用する場合、旅行の日程を予め記憶させておくものとする。また、例えば何らかの理由で行程に変更がある場合、監視者端末2から予定を変更できるようにする。
【0051】
監視者端末2の行程管理部243は、通信I/F41を介して行程の情報をサーバ4へ要求する(図6:S11)。本ステップは、例えば、実施形態に係るプログラムにおいて、監視者の操作に応じて行程を表示する旨のメニューを選択された場合に実行される。
【0052】
一方、サーバ4の行程管理部443は、要求を受信すると(S12)、記憶装置42から行程の情報を読み出し、通信I/F41を介して監視者端末2へ送信する(S13)。
なお、要求元の監視者端末2の識別情報と関連付けて、当該端末が参加する団体旅行の識別情報が予め登録されているものとする。
【0053】
図7は、サーバ4に記憶される行程情報の一例を示す図である。図7の表は、行程ID、日時、行動の各属性を含む。行程IDのフィールドには、団体旅行を一意に特定するための識別子が登録される。日時のフィールドには、予定された日時を示す情報が登録される。行動のフィールドには、当該日時に行う予定の内容が登録される。また、団体旅行の添乗員が使用する監視者端末2の識別情報、参加者が使用するユーザ端末3の識別情報は、予め行程IDと関連付けて別途登録されているものとする。
【0054】
S13においては、監視者端末2が参加する団体旅行の行程を示す情報が読み出され、送信される。また、監視者端末2の行程管理部243は、行程を示す情報を受信し、入出力装置23に表示させる(S14)。また、例えば道路の混雑等により予定に変更が生じる場合、監視者の操作に応じて行程管理部243はサーバ4に対し情報の修正を要求する(S15)。
【0055】
図8は、監視者端末2において表示される行程の情報と、行程の修正を説明するための図である。図8では、旅行の行程を示す日時と予定の内容とが時系列順に表示されている。また、角丸の長方形で囲われた予定のうち下線の部分は、監視者の操作に基づいて、当初は14時からの予定であってものが14時15分からに変更されている。なお、修正された日にちについて、修正箇所以降の予定は同じ時間だけ一括で時刻をスライドさせられるようにしてもよい。また、予定の内容についても修正できるようにしてもよい。
【0056】
一方、サーバ4の行程管理部443は、修正の要求を受信し、記憶装置42が記憶している行程の情報を更新する(図5:S16)。本ステップでは、図8に示したような変更に基づいて、図7に示した情報のうち対応するレコードが更新される。
【0057】
また、監視者端末2における行程の表示とは独立して、ユーザ端末3においても行程の表示を行うことができる。例えばユーザの操作に基づいて、ユーザ端末3の行程表示部343は、通信I/F31を介してサーバ4へ行程の情報を要求する(S17)。本ステップは、例えば、実施形態に係るプログラムにおいて、ユーザの操作に応じて行程を表示する旨のメニューを選択された場合に実行される。
【0058】
一方、サーバ4の行程管理部443は、要求を受信すると(S18)、記憶装置42から行程の情報を読み出し、通信I/F41を介してユーザ端末3へ送信する(S19)。なお、要求元のユーザ端末3の識別情報と関連付けて、当該端末が参加する団体旅行の識別情報が予め登録されているものとする。また、更新が合った場合は最新の行程がS19において読み出される。S19においては、ユーザ端末3が参加する団体旅行の行程を示す情報が読み出され、送信される。また、ユーザ端末3の行程表示部343は、行程を示す情報を受信し、入出力装置33に表示させる(S20)。
【0059】
図9は、ユーザ端末3において表示される行程の情報の一例を示す図である。図9の例でも、旅行の行程を示す日時と予定の内容とが時系列順に表示されている。また、上述した更新後の情報が表示されている。
【0060】
<通信処理>
図10は、本実施形態に係る通信処理の一例を示す処理フロー図である。図10は、テキストメッセージ又は音声メッセージを送受信する処理を表している。また、通信はサーバ4が仲介するようにしてもよいが、図10ではサーバ4の処理を省略する。
【0061】
監視者端末2の通信制御部242は、入出力装置23を介して監視者の操作を受け付け、入力されたメッセージをあて先に指定されたユーザ端末3へ通信I/F21を介して送信する(図10:S31)。
【0062】
図11は、監視者端末2においてメッセージを入力する画面の一例を示す図である。図11の画面には、ソフトウェアキーボード234を介して入力され、送信されたメッセージ235が表示されている。また、メッセージの宛先236には、ユーザA、ユーザB及びユーザCが選択されている。図11に示すように、宛先236には複数のユーザ(ユーザ端末3)を指定することができる。宛先236は、ユーザ端末の一覧から選択するようにしてもよいし、地図上で選択するようにしてもよい。
【0063】
図12は、宛先に設定するユーザ端末3を選択する画面の一例を示す図である。図12の例では、ユーザ端末3の選択を地図上で範囲を選択することにより行う。また、範囲内に存在するユーザ端末3を選択するようにしてもよいし、範囲外に存在するユーザ端末3を選択するようにしてもよい。範囲外に存在するユーザ端末3を選択できるようにすれば、例えば集合場所から離れたユーザ端末3を選択したい場合に簡便である。また、集合場所等、所定の地点からの直線距離又は道のりが所定の距離以上離れたユーザ端末3を選択できるようにしてもよい。図12の例では範囲の指定を楕円で行っているが、長方形のような他の図形や、自由に描画した範囲によって指定するようにしてもよい。また、図12の楕円は、監視者の操作に応じて、矢印で表すように大きさ及び形状を変更したり、位置を移動させることができる。
【0064】
また、ユーザ端末3の通信制御部342は、監視者端末2からメッセージを受信すると(図10:S32)、受信したメッセージ及び当該メッセージに対する回答の選択肢を入出力装置33に表示させる(S33)。なお、回答の選択肢は予めユーザ端末3、サーバ4又は監視者端末2の記憶装置に記憶されているものとする。
【0065】
図13は、入出力装置33に表示されるメッセージの一例を示す図である。また、図14は、入出力装置33に表示される回答の選択肢の一例を示す図である。図13及び図14の実線の吹き出しには、監視者端末2から送信されたメッセージが表示されている。また、図14の3つの破線の吹き出しには、それぞれ回答の選択肢が表示されている。本実施形態に係るユーザ端末3は入出力装置33として比較的小型のタッチパネルを備えているところ、ソフトウェアキーボードによって回答を入力するのはユーザの手間がかかる。想定される回答を予め用意しておき、ユーザに選択させることで、ユーザにとっては回答する操作にかかる負担が軽減され、監視者にとっては速やかに回答が得られる。なお、監視者端末2は、例えばソフトウェアキーボードによって自由にテキストを入力できるようにしてもよい。また、回答の選択肢は予め用意しておくようにしてもよいし、S31で監視者がメッセージを送信する際に、回答の選択肢を入力又は選択し、メッセージと併せて送信するようにしてもよい。
【0066】
また、ユーザ端末3の通信制御部342は、入出力装置33を介して回答の入力を受け付ける(図10:S34)。本ステップでは、図14に破線の吹き出しで示したような選択肢から、例えばユーザがタップして回答を選択する。
【0067】
そして、通信制御部342は、選択された回答を、通信I/F31を介して監視者端末2へ送信する(S35)。なお、S31において複数のユーザ端末3へメッセージが送信された場合は、監視者端末2のみに回答を送信してもよいし、他の宛先となったユーザ端末3にも回答を送信してもよい。
【0068】
一方、監視者端末2の通信制御部242は、回答を受信し(S36)、入出力装置23
に受信した回答を表示させる(S37)。監視者は、各ユーザからの回答を確認し、状況を把握することができる。
【0069】
なお、メッセージの送受信だけでなく、VoIPを利用し、1対1又は1対多の通話を行うようにしてもよい。通話の宛先についても、図12に示したような地図上で選択できるようにしてもよい。また、例えばユーザ端末3の物理ボタンを長押しすること等により、監視者端末2や緊急通報用電話番号等へ発信できるようにしてもよい。また、ユーザ端末3の位置が、監視者端末2から所定距離以上離れた場合、又は予め定められた範囲から外れた場合に、例えばサーバ4からユーザ端末3へ注意を促すメッセージを送信するようにしてもよい。
【0070】
<効果>
本実施形態に係る通信処理によれば、ユーザに選択肢から回答を指定させることにより、円滑なコミュニケーションを支援することができる。また、地図上で範囲を指定することによりユーザ端末3を選択できるようにすることで、自由に行動する複数のユーザを監視するための負担が軽減される。
【0071】
<変形例1>
ユーザ同士でも任意のグループを設定し、グループ内で又は監視者とグループとの間で通信できるようにしてもよい。例えば、ユーザ端末3は加速度センサやジャイロセンサ等をさらに備え、ユーザは所定以上近接した位置で複数のユーザ端末3に対し所定の動きを与えることにより、グループを設定できるようにしてもよい。また、監視者端末2においてユーザの一覧から監視者がメンバーを選択することにより、グループを設定できるようにしてもよい。
【0072】
このようにすれば、複数人で団体旅行に参加するユーザ同士や、監視者とユーザグループとの間の通信機能に係る利便性が高まる。
【0073】
<変形例2>
ユーザ端末3商品の紹介や決済を行う機能をさらに付加してもよい。例えば、ユーザ端末3の販売処理部344等が、行程において立ち寄る店舗等で購入することができる商品を入出力装置33に表示させる。図15は、ユーザ端末3に商品を表示する画面の一例を表す図である。図15の例では、商品の説明及び価格、購入するか否かの回答ボタンが表示されている。また、ユーザの操作に応じて、購入する旨の操作を受け付けた場合には、販売処理部344は、通信I/F31を介してサーバ4へ商品を購入する旨の情報を送信する。一方、サーバ4は、ユーザ端末3との間で所定の決済処理を行う。例えばユーザは、別途登録した所定の口座やクレジットカード等を利用して支払いを行うことができる。また、行程において立ち寄る店舗等においては、例えば、店舗等が備える機器とユーザ端末3とが通信することにより、又は商品を購入済みであることを示す画面をユーザ端末3に表示させることにより、ユーザは商品を受け取ることができる。
【0074】
<変形例3>
サーバ4は、ユーザ端末3の位置情報の履歴を保存し、別途分析等できるようにしてもよい。図16は、履歴情報を表示する画面の一例を示す図である。図16では、過去のある時点におけるユーザ端末3の位置を表している。また、地図上に破線によりユーザ端末3が移動した軌跡を表示すると共に、ユーザ端末3が長時間又は繰り返し通過した部分ほど軌跡を太く強調して表している。このようにすれば、行動の傾向に基づいてユーザに人気のあるスポット等を分析できる。また、このような履歴は、同一の場所を他の日に訪れた旅行者の情報と併せて分析してもよい。
【0075】
<その他>
なお、上述した構成は一例であり、本発明は例示した構成に限定されない。上述した事項は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
【0076】
また、本発明は上述の処理を実行するコンピュータプログラムを含む。さらに、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に属する。当該プログラムが記録された記録媒体については、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述の処理が可能となる。
【0077】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。
【符号の説明】
【0078】
1 :システム
2 :監視者端末
241 :位置情報表示部
242 :通信制御部
243 :行程管理部
244 :販売処理部
3 :ユーザ端末
341 :位置情報送信部
342 :通信制御部
343 :行程表示部
344 :販売処理部
4 :サーバ
441 :位置情報管理部
442 :通信制御部
443 :行程管理部
444 :販売処理部
5 :ネットワーク
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