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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】部品保持ヘッド
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20220511BHJP
   B25J 15/06 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
H05K13/04 A
B25J15/06 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018058571
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2018174319
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】10-2017-0040788
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518098793
【氏名又は名称】ハンファ精密機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平川 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小畑 秀行
(72)【発明者】
【氏名】南海基
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/136231(WO,A1)
【文献】特開平06-268399(JP,A)
【文献】特開2013-179117(JP,A)
【文献】特開2014-162586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30,13/00-13/08
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド本体部と、
前記ヘッド本体部に設けられ、複数個のスピンドル部が上下動自在に設けられるヘッド部と、
前記複数個のスピンドル部それぞれの下端に設けられたノズル部と、
前記ヘッド部に設けられ、前記ノズル部に空圧を付与するスプール弁部と、
前記スプール弁部を作動させるスプール弁作動部と、
前記スプール弁作動部を動かす少なくとも1つの駆動部材部と、
前記駆動部材部の動きをガイドし、前記ヘッド本体部に設けられるガイド部と、
前記駆動部材部に設けられるカム従動部と、
前記カム従動部を動かす円筒カム部と、
前記ヘッド本体部に設けられ、前記円筒カム部を回転させる動力を発生させるスプール弁駆動モータ部と、
前記スプール弁作動部と前記ガイド部との間に配置される弾性部材と、を含む部品保持ヘッド。
【請求項2】
ヘッド本体部と、
前記ヘッド本体部に設けられ、複数個のスピンドル部が上下動自在に設けられるヘッド部と、
前記複数個のスピンドル部それぞれの下端に設けられたノズル部と、
前記ヘッド部に設けられ、前記ノズル部に空圧を付与するスプール弁部と、
前記スプール弁部を作動させるスプール弁作動部と、
前記スプール弁作動部を動かす少なくとも1つの駆動部材部と、
前記駆動部材部の動きをガイドし、前記ヘッド本体部に設けられるガイド部と、
前記駆動部材部に設けられるカム従動部と、
前記カム従動部を動かす円筒カム部と、
前記ヘッド本体部に設けられ、前記円筒カム部を回転させる動力を発生させるスプール弁駆動モータ部と、を含み、
前記ヘッド本体部には、動き制限部材が設けられ、
前記円筒カム部には、前記動き制限部材に当接し、前記円筒カム部の回転動作を制限する引っ掛かり部が設けられている部品保持ヘッド。
【請求項3】
前記スプール弁部は、前記ヘッド部に設けられたスプール弁設置孔と、前記スプール弁設置孔に設けられたスプール弁と、前記スプール弁の上端部に設けられた作用部と、を含む請求項1又は2に記載の部品保持ヘッド。
【請求項4】
前記スプール弁部の駆動時、前記作用部は、前記スプール弁作動部から力を受けて動く請求項3に記載の部品保持ヘッド。
【請求項5】
前記カム従動部は、回動自在に設けられたローラ部材を含み、
前記円筒カム部には、前記ローラ部材が接触して回転することができるトラックが円周方向に設けられている請求項1又は2に記載の部品保持ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC(integrated circuit)チップなどの部品(電子部品)を基板に実装する部品実装機に使用される部品保持ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、部品実装機は、部品保持ヘッドを部品供給部の上方に移動させ、そこから、部品保持ヘッドに具備されたスピンドルとノズルとを下降させ、ノズルの下端部に部品を真空吸着させてピックアップし、その後、部品保持ヘッドを基板上方に移動させた後、基板上方からノズルを下降させ、基板の所定座標位置に部品を実装するように構成されている。
【0003】
このように部品をノズルに吸着させたり、ノズルに吸着された部品を基板に実装したりするためには、ノズルに負圧または正圧を付与することが必要である。そのために、部品実装機のノズルに作用する空圧を調節することが必要であり、部品実装機は、そのような調節に必要な正圧管路、負圧管路、スプール弁などのさまざまな装置及び設備を含んでいる。例えば、特許文献1には、ノズル軸に連通された弁が、チューブを介して真空タンクに接続された電子部品実装装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本特許第3718995号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面によれば、スプール弁部の精密な制御が可能な部品保持ヘッドを具現することを主な課題にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、ヘッド本体部と、前記ヘッド本体部に設けられ、複数個のスピンドル部が上下動自在に設けられるヘッド部と、前記複数個のスピンドル部それぞれの下端に設けられたノズル部と、前記ヘッド部に設けられ、前記ノズル部に空圧を付与するスプール弁部と、前記スプール弁部を作動させるスプール弁作動部と、前記スプール弁作動部を動かす少なくとも1つの駆動部材部と、前記駆動部材部の動きをガイドし、前記ヘッド本体部に設けられるガイド部と、前記駆動部材部に設けられるカム従動部と、前記カム従動部を動かす円筒カム部と、前記ヘッド本体部に設けられ、前記円筒カム部を回転させる動力を発生させるスプール弁駆動モータ部と、前記スプール弁作動部と前記ガイド部との間に配置される弾性部材と、を含む部品保持ヘッドを提供する。
本発明の他の側面によれば、ヘッド本体部と、前記ヘッド本体部に設けられ、複数個のスピンドル部が上下動自在に設けられるヘッド部と、前記複数個のスピンドル部それぞれの下端に設けられたノズル部と、前記ヘッド部に設けられ、前記ノズル部に空圧を付与するスプール弁部と、前記スプール弁部を作動させるスプール弁作動部と、前記スプール弁作動部を動かす少なくとも1つの駆動部材部と、前記駆動部材部の動きをガイドし、前記ヘッド本体部に設けられるガイド部と、前記駆動部材部に設けられるカム従動部と、前記カム従動部を動かす円筒カム部と、前記ヘッド本体部に設けられ、前記円筒カム部を回転させる動力を発生させるスプール弁駆動モータ部と、を含み、前記ヘッド本体部には、動き制限部材が設けられ、前記円筒カム部には、前記動き制限部材に当接し、前記円筒カム部の回転動作を制限する引っ掛かり部が設けられている部品保持ヘッドを提供する。
【0007】
ここで、前記スプール弁部は、前記ヘッド部に設けられたスプール弁設置孔と、前記スプール弁設置孔に設けられたスプール弁と、前記スプール弁の上端部に設けられた作用部と、を含んでもよい。
【0008】
ここで、前記スプール弁部の駆動時、前記作用部は、前記スプール弁作動部から力を受けて動くことができる。
【0009】
【0010】
ここで、前記カム従動部は、回動自在に設けられたローラ部材を含んでもよく、前記円筒カム部には、前記ローラ部材が接触して回転することができるトラックが円周方向に設けられてもよい。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面による部品保持ヘッドは、スプール弁作動部、駆動部材部、カム従動部、円筒カム部を利用し、スプール弁部を作動させることにより、スプール弁部に対する迅速であって精密な制御を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係わる部品保持ヘッドの全体構成を図示した概略的な図面である。
図2】本発明の一実施形態に係わる駆動部材部、カム従動部、円筒カム部が組み立てられて作動する様子を図示した斜視図である。
図3図2の駆動部材部、カム従動部、円筒カム部の組立体について説明するために、その組立体を分解して図示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照し、望ましい実施形態による本発明について詳細に説明する。また、本明細書及び本図面において、実質的に同一構成を有する構成要素については、同一符号を使用することにより、重複説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わる部品保持ヘッドの全体構成を図示した概略的な図面であり、図2は、本発明の一実施形態に係わる駆動部材部、カム従動部、円筒カム部が組み立てられて作動する様子を図示した斜視図であり、図3は、図2の駆動部材部、カム従動部、円筒カム部の組立体について説明するために、その組立体を分解して図示した分解斜視図である。
【0016】
図1ないし図3に図示されているように、本実施形態による部品保持ヘッド100は、ヘッド本体部110、ヘッド部120、ノズル部130、スプール弁部140、スプール弁作動部150、駆動部材部160、ガイド部170、カム従動部180、円筒カム部190、スプール弁駆動モータ部195、弾性部材197、スピンドル加圧部SPを含む。
【0017】
本実施形態の部品保持ヘッド100は、ロータリヘッド形式の部品保持ヘッドであり、ヘッド本体部110に、ヘッド部120が垂直軸周囲のR方向に回転自在に装着されている。
【0018】
本実施形態による部品保持ヘッド100は、回転するロータリヘッド形式を有しているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による部品保持ヘッドは、回転しない形式であってもよい。
【0019】
ヘッド本体部110は、部品保持ヘッド100のフレームとしての機能を有し、ヘッド本体部110には、各種装置が設けられる。例えば、ヘッド本体部110には、ヘッド部120、Rモータ部RM、Tモータ部TM、Zモータ部ZM、スプール弁駆動モータ部195、動き制限部材111などが設けられる。
【0020】
本実施形態によれば、ヘッド本体部110の一側には、円筒カム部190の回転動作角度を制限する動き制限部材111が設けられているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるヘッド本体部には、動き制限部材111が設けられないこともある。
【0021】
ヘッド部120は、ヘッド本体部110に設けられたRモータ部RMの駆動により、R方向に回転することができる。すなわち、Rモータ部RMが駆動されれば、連結ギアCGにより、ヘッド部120の支持軸MSに動力が伝達され、ヘッド部120が回転することになる。Rモータ部RMは、サーボモータ、ステップモータ、一般直流モータ、一般交流モータなど多様な種類及び形式のモータが適用される。
【0022】
ヘッド部120の内部には、第1空圧ライン121及び第2空圧ライン122が形成されている。第1空圧ライン121は、ブロータンク部BTに連結されており、第2空圧ライン122は、負圧管路(図示せず)に連結されている。
【0023】
一方、ヘッド部120には、その周方向に沿って、複数個のスピンドル部123が配置される。スピンドル部123は、ヘッド部120に上下動自在に設けられるが、スピンドル部123の内部には、スプール弁部140と連結されるエア通路123aが形成される。また、スピンドル部123は、スプリング部材TSにより、ヘッド部120に弾性的に支持される。
【0024】
スピンドル部123外周の少なくとも一部には、スプライン(図示せず)が形成されており、スピンドル部123は、ボール・スプライン構造でヘッド部120に設けられる。すなわち、スピンドル部123は、外筒124に嵌め込まれ、ヘッド部120に設けられるが、外筒124の下部には、駆動ギア125が設けられる。駆動ギア125は、TモータTMから動力を伝達され、外筒124及びスピンドル部123をT方向に回転させることになる。
【0025】
すなわち、各スピンドル部123は、ヘッド本体部110に設けられたTモータ部TMの駆動により、各スピンドル部123の軸線周りのT方向に回転することができるが、Tモータ部TMが駆動されれば、ヘッド部120を垂直方向に貫通する回転軸VSが回転し、次に、回転軸VSに設けられたギアVGと駆動ギア125とにより、動力が順次に伝達され、各スピンドル部123の回転が行われる。Tモータ部TMは、サーボモータ、ステップモータ、一般直流モータ、一般交流モータなど多様な種類及び形式のモータが適用される。
【0026】
本実施形態によるスピンドル部123は、ボール・スプライン構造でもってヘッド部120に設けられるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、スピンドル部123は、Z軸方向に移動することができ、かつT方向に回転するように設けられればよく、それ以外の特別な制限はない。
【0027】
一方、ノズル部130は、複数個のスピンドル部123それぞれの下端に設けられ、内部に、ノズル通路131が形成されている。
【0028】
すなわち、ノズル通路131を介して、負圧または正圧が付与されれば、ノズル部130が、部品を吸着したり、部品を下ろしたりするが、ノズル通路131は、スピンドル部123のエア通路123aに連通される。
【0029】
スプール弁部140は、ヘッド部120に設けられるが、ノズル部130に空圧を付与する。
【0030】
スプール弁部140は、スプール弁141、スプール弁設置孔142、作用部143を含む。
【0031】
スプール弁設置孔142は、ヘッド部120に設けられるが、スプール弁設置孔142には、スプール弁141が設けられ、スプール弁設置孔142は、第1空圧ライン121及び第2空圧ライン122とエア通路123aとに連通されている。スプール弁141がスプール弁作動部150によって力を受けて動けば、スプール弁141の位置により、エア通路123aとノズル通路131との空圧が負圧または正圧に変化することになる。
【0032】
作用部143は、スプール弁141の上端部に設けられるが、スプール弁部140の駆動時、スプール弁作動部150から力を受けて動き、スプール弁141の位置を変化させる。
【0033】
一方、スプール弁作動部150は、スプール弁部140を作動させるが、駆動部材部160に連結されて設けられる。
【0034】
スプール弁作動部150は、その断面が「U」字形である部分を有しており、この「U」字形の真ん中に、作用部143が嵌め込まれて設けられるので、スプール弁作動部150が上下に動けば、作用部143も上下に動くことになる。
【0035】
本実施形態によるスプール弁作動部150は、その断面が「U」字形である部分を有しているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるスプール弁作動部150の形状には、特別な制限がない。例えば、本発明によるスプール弁作動部150の形状は、環形状を有することができ、その場合、環形状の中央に、作用部143が位置するように設けることもできる。
【0036】
一方、駆動部材部160は、スプール弁作動部150に連結され、スプール弁作動部150を動かすことになる。
【0037】
駆動部材部160は、バー形状を有しており、その上部端部には、カム従動部設置部161が設けられる。カム従動部設置部161には、カム従動部180が設けられる。
【0038】
本実施形態による駆動部材部160は、単一個数によって構成されているが、本発明は、それに限定されるものではない。本発明による駆動部材部の個数は、特別に制限がない。すなわち、本発明による駆動部材部は、複数個によっても構成され、その場合、複数個の駆動部材部は、それぞれガイド部170により、その動きがガイドされる。
【0039】
ガイド部170は、駆動部材部160の動きをガイドするが、ヘッド本体部110に設けられる。
【0040】
ガイド部170には、駆動部材部160を摺動自在に支持するスライディング支持部171が設けられる。スライディング支持部171は、ボール・スプライン構造を有する。すなわち駆動部材部160の外周面、及びスライディング支持部171の内周面には、スプライン溝が存在し、このスプライン溝には、ボールが配置されることにより、駆動部材部160は、摺動自在に構成されながらも、その長手方向の軸を中心にする回転運動が防止される。
【0041】
本実施形態によれば、スライディング支持部171は、ボール・スプライン構造を有するものの、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるスライディング支持部の構造は、ガイド部170を摺動自在に支持できる構造であればよく、それ以外に特別な制限はない。しかし、可能な限りスライディング支持部は、駆動部材部160がその長手方向に動くとき、駆動部材部160の回転が防止される構造を有することが望ましい。
【0042】
一方、カム従動部180は、駆動部材部160のカム従動部設置部161に設けられる。図2に図示されているように、本実施形態のカム従動部180は、ローラ部材181を含む。
【0043】
ローラ部材181は、回動軸181aを利用して、カム従動部設置部161に回動自在に設けられるが、ローラ部材181は、ローリングベアリング、ジャーナルベアリングなどを利用し、カム従動部設置部161に回動自在になるようにも設けられる。
【0044】
本実施形態のカム従動部180は、ローラ部材181を含むが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるカム従動部は、円筒カム部により、上下動を行えばよく、その形状には、特別な制限がない。例えば、本発明による円筒カム部は、その外周面に溝が形成されており、カム従動部は、その溝に沿って動く突起の形状を有することもできる。
【0045】
一方、円筒カム部190は、全体的に円筒の形状を有し、カム従動部180を動かす。円筒カム部190には、ローラ部材181が接触して回転することができるトラック191が円周方向に設けられているが、トラック191は、ローラ部材181の動きのために、その高さ及び傾斜面が適切に変化するように形成されている。
【0046】
円筒カム部190の中央には、回転軸Sが設けられる設置孔192が形成されており、一側には、引っ掛かり部193が設けられる。
【0047】
引っ掛かり部193は、ヘッド本体部110に設けられた動き制限部材111に当接し、円筒カム部190の回転動作を制限する機能を有する。
【0048】
本実施形態によれば、円筒カム部190の一側には、引っ掛かり部193が設けられているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による円筒カム部には、引っ掛かり部が設けられないこともある。
【0049】
一方、スプール弁駆動モータ部195は、円筒カム部190を回転させる動力を発生させるが、ヘッド本体部110に設けられる。
【0050】
スプール弁駆動モータ部195は、サーボモータを含むが、円筒カム部190は、スプール弁駆動モータ部195の駆動軸195a、及びそれと連結された回転軸Sから動力を伝達され、回転する。
【0051】
本実施形態によれば、スプール弁駆動モータ部195は、サーボモータを含んで構成されるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるスプール弁駆動モータ部に適用されるモータの種類は、特別に制限されるものではない。例えば、本発明によるスプール弁駆動モータ部に適用されるモータは、ステップモータ、一般直流モータ、一般交流モータなど多様な種類及び形式のモータが適用される。
【0052】
一方、弾性部材197は、円筒コイルスプリングの形状を有しており、スプール弁作動部150とガイド部170との間に配置される。
【0053】
弾性部材197は、スプール弁作動部150または駆動部材部160が、下方に弾性力が作用するように設けられるので、この弾性部材197が設けられれば、カム従動部180には下方に力が作用し、ローラ部材181は、円筒カム部190のトラック191に常時接触する。それにより、スプール弁作動部150の動きを精密に制御することができる。
【0054】
弾性部材197は、1個の円筒コイルスプリングを含んでなるが、本発明によれば、弾性部材をなすスプリングの個数及び種類には特別な制限がない。例えば、本発明による弾性部材は、複数のコイルスプリングを含んでもよく、スプリングの種類も、円錐状コイルスプリング、ボリュートコイルスプリング、長鼓形コイルスプリングなど多様なスプリングが適用される。
【0055】
一方、スピンドル加圧部SPは、スピンドル部123をZ方向に下降させる装置である。ヘッド本体部110に配置されたZモータ部ZMのモータ軸は、ボールねじ機構のねじ軸(図示せず)に連結され、そのねじ軸に設けられたナットに、スピンドル加圧部SPが連結されている。従って、Zモータ部ZMの駆動により、スピンドル加圧部SPがZ方向に下降すれば、スピンドル加圧部SPは、スピンドル部123の上端部を押すことにより、スピンドル部123が下降する。Zモータ部ZMは、サーボモータ、ステップモータ、一般直流モータ、一般交流モータなど多様な種類及び形式のモータが適用される。
【0056】
次に、本実施形態による部品保持ヘッド100の動作について説明する。
【0057】
本実施形態による部品保持ヘッド100を具備した部品実装機は、スピンドル部123の下端に装着されたノズル部130を利用し、部品供給部(図示せず)から部品をピックアップして保持し、ピックアップされた部品を基板に移送し、基板の所定位置に部品を実装するが、以下、図1及び図2を参照し、ノズル部130に空圧を付与するためのスプール弁部140の動作について説明する。
【0058】
部品実装機の制御部(図示せず)は、ノズル部130に付与される空圧を変化させる必要がある場合、スプール弁駆動モータ部195を駆動させる。
【0059】
スプール弁駆動モータ部195が駆動されれば、円筒カム部190は、スプール弁駆動モータ部195の駆動軸195a、及びそれと連結された回転軸Sから動力を伝達され、所定角度に回転される。そのとき、円筒カム部190の回転角度は、円筒カム部190に設けられた引っ掛かり部193と、ヘッド本体部110に設けられた動き制限部材111と、によって制限される。
【0060】
円筒カム部190が回転すれば、円筒カム部190のトラック191が回転し、それにより、トラック191に接触して弾性支持されているローラ部材181は、トラック191に沿って転がりながら、その高さが変化することになる。
【0061】
ローラ部材181の高さが変化すれば、ローラ部材181が設けられたカム従動設置部161の高さも変化し、それにより、駆動部材部160の高さも変化することになる。駆動部材部160の高さが変化しながら動くとき、駆動部材部160は、ガイド部170によってガイドされながら動くことになる。
【0062】
駆動部材部160が動けば、駆動部材部160に連結されたスプール弁作動部150も動く。そのとき、弾性部材197の弾性力が持続的に作用し、駆動部材部160とスプール弁作動部150との振動現象、ジャンピング(jumping)現象などが防止されるので、精密な制御が可能になる。
【0063】
スプール弁作動部150が動いて高さが変化すれば、スプール弁部140の作用部143及びスプール弁141も動くことになるので、ノズル部130に作用する空圧が変化する。
【0064】
以上のように、本実施形態による部品保持ヘッド100によれば、スプール弁作動部150、駆動部材部160、カム従動部180、円筒カム部190を利用し、スプール弁駆動モータ部195で生じた動力をスプール弁部140に伝達し、スプール弁141の動きを制御する動力伝達メカニズムを有することになる。それにより、スプール弁部140に対する迅速であって精密な制御が可能であるので、ノズル部130に付与される空圧を適切に制御するだけではなく、比較的低トルク(torque)のモータでスプール弁駆動モータ部195を構成することができるので、スプール弁駆動モータ部195の大きさ及び重さを減らすことができる。それにより、部品保持ヘッド100の全体質量及び慣性モーメントを低減させることができるので、部品保持ヘッド100の動き制御に有利になる。
【0065】
また、本実施形態による部品保持ヘッド100によれば、スプール弁部140の近くに、スプール弁部140を駆動するためのモータを設けず、スプール弁部140と離隔されたヘッド本体部110に、スプール弁駆動モータ部195を設けるので、部品保持ヘッド100のスプール弁部140の近くの空間に、それだけ余裕が生じ、設計者または作業者は、その余裕空間を効率的に利用することができるであろう。
【0066】
本発明の一側面を、添付された図面に図示された実施形態を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の保護範囲は、添付された特許請求の範囲によってのみ決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、部品実装機の部品保持ヘッドの製造及び運用に使用される。
【符号の説明】
【0068】
100 部品保持ヘッド
110 ヘッド本体部
120 ヘッド
130 ノズル部
140 スプール弁部
150 スプール弁作動部
160 駆動部材部
170 ガイド部
180 カム従動部
190 円筒カム部
195 スプール弁駆動モータ部
197 弾性部材
図1
図2
図3