(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20220511BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2018549945
(86)(22)【出願日】2017-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2017056795
(87)【国際公開番号】W WO2017162724
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-03-19
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】タッカー クリストファー エス
(72)【発明者】
【氏名】スミス バリー エス
(72)【発明者】
【氏名】デンディ チャールズ
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204907932(CN,U)
【文献】中国実用新案第204653779(CN,U)
【文献】中国実用新案第204032367(CN,U)
【文献】中国実用新案第203194538(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置用のカートリッジであって、
ヒーター組立品であって、
長軸方向に延びる煙突ケージと、
前記煙突ケージ内を長軸方向に延びるヒーターと、
前記ヒーターの外周付近に位置付けられたヒーターガーゼであって、前記煙突ケージが前記ヒーターガーゼの外周付近に位置付けられたものと、
前記ヒーターの第一の端部分に接触するように、かつそれとの電気的接続を形成するように構成された陰極クリップと、
プレベイパー製剤を含むように構成された貯蔵部であって、前記貯蔵部が、
前記煙突ケージを囲む少なくとも一層のガーゼを含むものと、
ハウジングであって、前記貯蔵部が、前記ヒーター組立品と前記ハウジングの内表面との間に位置付けられているものとを備え
、
前記陰極クリップが少なくとも一つのアームを含み、前記少なくとも一つのアームが前記ハウジングに接触するように、前記少なくとも一層のガーゼと前記ハウジングの間に延びる、カートリッジ。
【請求項2】
前記ヒーターがコイルヒーターである、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
カートリッジであって、
煙突ケージキャップであって、前記煙突ケージキャップが、
一般的にディスク形状のベースと、
第一の管の第一の端内でスロットを含む円筒形の長軸方向に延びる第一の管であって、前記スロットが前記コイルヒーターの第一の端部分を受けるように構成されているものと、
前記煙突ケージの第一の端に接触するように構成された円筒形の長軸方向に延びる第二の管とをさらに備える、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記少なくとも一つのアームが、前記ヒーター組立品から離れて延び、前記ハウジングに接触する、請求項
1、2又は3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
電子ベイピング装置であって、
カートリッジであって、前記カートリッジが、
ヒーター組立品であって、
長軸方向に延びる煙突ケージと、
前記煙突ケージ内を長軸方向に延びるヒーターと、
前記ヒーターの外周付近に位置付けられたヒーターガーゼであって、前記煙突ケージが前記ヒーターガーゼの外周付近に位置付けられたものと、
前記ヒーターの第一の端部分に接触するように、かつそれとの電気的接続を形成するように構成された陰極クリップと、
プレベイパー製剤を含むように構成された貯蔵部であって、前記貯蔵部が、
前記煙突ケージを囲む少なくとも一層のガーゼを含むものと、
ハウジングであって、前記貯蔵部が、前記ヒーター組立品と前記ハウジングの内表面との間に位置付けられているものと、
電池セクションとを含
み、
前記陰極クリップが、少なくとも一つのアームを含み、前記少なくとも一つのアームが前記ハウジングに接触するように、前記少なくとも一層のガーゼと前記ハウジングの間に延びる、電子ベイピング装置。
【請求項6】
電子ベイピング装置であって、前記電池セクションが、
電池と、
コントローラと、
センサーとを備える、請求項
5に記載の電子ベイピング装置。
【請求項7】
前記ヒーターがコイルヒーターである、請求項
5または
6に記載の電子ベイピング装置。
【請求項8】
電子ベイピング装置であって、
煙突ケージキャップであって、前記煙突ケージキャップが、
一般的にディスク形状のベースと、
第一の管の第一の端内でスロットを含む円筒形の長軸方向に延びる第一の管であって、前記スロットが前記コイルヒーターの第一の端部分を受けるように構成されているものと、
前記煙突ケージの第一の端に接触するように構成された円筒形の長軸方向に延びる第二の管とをさらに備える、請求項
5、
6または
7に記載の電子ベイピング装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つのアームが、前記ヒーター組立品から離れて延び、かつ前記ハウジングに接触する、請求項
5から8のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項10】
方法が、
ヒーターから延びる第一の電気リードと少なくとも一つのアームを含む陰極クリップが接触することと、
前記ヒーターの第一の端に第一のマンドレルを挿入することと、
前記ヒーターの第二の端に第二のマンドレルを挿入することと、
巻き付けられたヒーターを形成するためにガーゼ材料を前記ヒーターの周りに巻き付けることと、
ヒーター組立品を形成するために前記巻き付けられたヒーターの上に煙突ケージをスライドさせることと、
巻き付けられたヒーター組立品を形成するために少なくとも一層のガーゼ材料を前記ヒーター組立品の周りに巻き付けることと、
前記巻き付けられたヒーター組立品の上にハウジングをスライドさせることとを含
み、
前記方法は、前記少なくとも一つのアームが前記巻き付けられたヒーター組立品から離れて延びるように、前記少なくとも一つのアームを折り畳むことをさらに含む、電子ベイピング装置のカートリッジを自動的に製造する方法。
【請求項11】
方法が、
ヒーターから延びる第一の電気リードと少なくとも一つのアームを含む陰極クリップが接触することと、
前記ヒーターの第一の端に第一のマンドレルを挿入することと、
前記ヒーターの第二の端に第二のマンドレルを挿入することと、
巻き付けられたヒーターを形成するためにガーゼ材料を前記ヒーターの周りに巻き付けることと、
ヒーター組立品を形成するために前記巻き付けられたヒーターの上に煙突ケージをスライドさせることと、
巻き付けられたヒーター組立品を形成するために少なくとも一層のガーゼ材料を前記ヒーター組立品の周りに巻き付けることと、
前記巻き付けられたヒーター組立品の上にハウジングをスライドさせることとを含み、
前記方法は、前記少なくとも一つのアームが前記巻き付けられたヒーター組立品に向かって延びるように、前記少なくとも一つのアームを折り畳むことをさらに含む、方法。
【請求項12】
方法であって、
前記第一のマンドレルを除去することと、
前記第二のマンドレルを除去することと、
前記巻き付けられたヒーター組立品の端にコネクターを挿入することとをさらに含む、請求項
10または
11に記載の方法。
【請求項13】
方法であって、
プレベイパー製剤を前記少なくとも一層のガーゼ材料上に注入することをさらに含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
方法であって、
前記ハウジングの第一の端に口側端インサートを挿入することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
方法であって、
前記第一の電気リードを煙突ケージキャップを貫いて通すことと、
前記陰極クリップを前記煙突ケージキャップ上に位置付けることと、
前記第一の電気リードを前記陰極クリップに溶接することとをさらに含む、請求項
10~
14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ベイピング装置用のヒーター組立品と、電子ベイピング装置を作製する方法とに関連する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して「ベイパー(蒸気)」を生成するヒーター要素を含む。ヒーター要素は抵抗ヒーターコイルを含むことができ、これを通って延びる芯を有する。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置用のヒーター組立品に関連する。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品は、長軸方向に延びる煙突ケージと、煙突ケージ内を長軸方向に延びるヒーターと、ヒーターの外周付近に位置付けられたヒーターガーゼと、ヒーターの第一の端部分に電気的に接続された陰極クリップとを備える。煙突ケージはヒーターガーゼの外周付近に位置付けられている。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーターはコイルヒーターである。ヒーター組立品はまた、煙突ケージキャップを含みうる。煙突ケージキャップは、一般的にディスク形状のベースと、第一の管の第一の端内でスロットを含む円筒形の長軸方向に延びる第一の管であって、スロットがヒーターの第一の端部分を受けるように構成されているものと、煙突ケージの第一の端に接触するように構成された円筒形の長軸方向に延びる第二の管とを含みうる。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、陰極クリップは少なくとも一つのアームを含む。少なくとも一つのアームはヒーター組立品から離れて延びてもよく、少なくとも一つのアームはヒーター組立品に向かって延びてもよく、またはその両方でもよい。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のカートリッジ(第一のセクション)が提供されている。カートリッジはヒーター組立品、貯蔵部、およびハウジングを含む。ヒーター組立品は、長軸方向に延びる煙突ケージと、煙突ケージ内を長軸方向に延びるヒーターと、ヒーターの外周付近に位置付けられたヒーターガーゼであって、煙突ケージがヒーターガーゼの外周付近に位置付けられたものと、ヒーターの第一の端部分に接触するように、かつそれとの電気的接続を形成するように構成された陰極クリップとを含む。貯蔵部はプレベイパー製剤を含むように構成されている。貯蔵部は、煙突ケージを囲む少なくとも一層のガーゼを含む。貯蔵部は、ヒーター組立品とハウジングの内表面との間に位置付けられている。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーターはコイルヒーターである。カートリッジはまた、煙突ケージキャップを含んでもよい。煙突ケージキャップは、一般的にディスク形状のベースと、第一の管の第一の端内でスロットを含む円筒形の長軸方向に延びる第一の管であって、スロットがコイルヒーターの第一の端部分を受けるように構成されているものと、煙突ケージの第一の端に接触するように構成された円筒形の長軸方向に延びる第二の管とを含みうる。陰極クリップは少なくとも一つのアームを含み、アームはハウジングに接触するように構成されている。少なくとも一つのアームはヒーター組立品から離れて延びてもよく、ハウジングに接触してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つのアームはハウジングに接触するように、少なくとも一層のガーゼとハウジングの間に延びてもよい。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置が提供されている。電子ベイピング装置はカートリッジを含む。カートリッジはヒーター組立品を含む。ヒーター組立品は、長軸方向に延びる煙突ケージと、煙突ケージ内を長軸方向に延びるヒーターと、ヒーターの外周付近に位置付けられたヒーターガーゼであって、煙突ケージがヒーターガーゼの外周付近に位置付けられたものと、ヒーターの第一の端部分に接触するように、かつそれとの電気的接続を形成するように構成された陰極クリップとを含む。カートリッジはまた、プレベイパー製剤を含むように構成された貯蔵部を含む。貯蔵部は、煙突ケージを囲む少なくとも一層のガーゼを含む。カートリッジはまた、ハウジングを含む。貯蔵部は、ヒーター組立品とハウジングの内表面との間に位置付けられている。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置はまた、電池セクションを含む。電池セクションは電池、コントローラ、およびセンサーを含む。ヒーターはコイルヒーターである。電子ベイピング装置はまた、煙突ケージキャップを含みうる。煙突ケージキャップは、一般的にディスク形状のベースと、第一の管の第一の端内でスロットを含む円筒形の長軸方向に延びる第一の管であって、スロットがコイルヒーターの第一の端部分を受けるように構成されているものと、煙突ケージの第一の端に接触するように構成された円筒形の長軸方向に延びる第二の管とを含みうる。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、陰極クリップは少なくとも一つのアームを含む。アームは、ハウジングに接触するように構成されている。少なくとも一つのアームは、ヒーター組立品から離れて延びてもよく、ハウジングに接触する。少なくとも一つのアームはハウジングに接触するように、ヒーター組立品に向かって、かつ少なくとも一層のガーゼとハウジングの間に延びてもよい。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のカートリッジを自動的に製造する方法が提供されている。方法は、ヒーターから延びる第一の電気リードを備えた少なくとも一つのアームを含む陰極クリップに接触することと、ヒーターの第一の端に第一のマンドレルを挿入することと、ヒーターの第二の端に第二のマンドレルを挿入することと、巻き付けられたヒーターを形成するためにガーゼ材料をヒーターの周りに巻き付けることと、ヒーター組立品を形成するために、巻き付けられたヒーターの上に煙突ケージをスライドさせることとを含む。方法はまた、巻き付けられたヒーター組立品を形成するために少なくとも一層のガーゼ材料をヒーター組立品の周りに巻き付けることを含んでもよい。方法は、少なくとも一つのアームが、巻き付けられたヒーター組立品から離れて延びるように少なくとも一つのアームを折り畳むこと、または少なくとも一つのアームが、巻き付けられたヒーター組立品に向かって延びるように少なくとも一つのアームを折り畳むこと、またはその両方をさらに含む。少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、巻き付けられたヒーター組立品の上にハウジングをスライドさせることを含む。方法はまた、第一のマンドレルを除去することと、第二のマンドレルを除去することと、巻き付けられたヒーター組立品の第二の端に第二のコネクターを挿入することとを含む。少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、プレベイパー製剤を少なくとも一層のガーゼ材料上に注入すること、またはハウジングの第一の端に口側端インサートを挿入すること、またはその両方を含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、第一の電気リードを煙突ケージキャップを貫いて通すことと、陰極クリップを煙突ケージキャップ上に位置付けることと、第一の電気リードを陰極クリップに溶接することと、その組み合わせとを含みうる。
【0013】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、請求項の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の電子ベイピング装置の線II-IIに沿った断面図である。
【
図3】
図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるヒーター組立品の分解図である。
【
図4】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの分解図である。
【
図5】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの断面図である。
【
図6】
図6A~6Iは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるヒーター組立品を含むカートリッジを組み立てる方法を図示したものである。
【
図7】
図7A~7Eは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるヒーター組立品を含むカートリッジを組み立てる方法を図示したものである。
【
図8】
図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジ用のコネクターの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0016】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は図面の例によって示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0017】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に結合される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に接続されてもよく、それに直接的に結合されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0018】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0019】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0020】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0021】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。
【0022】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0023】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図1に示す通り、電子ベイピング装置60は、交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)70および再利用可能な電池セクション(または第二のセクション)72を含んでもよく、これらは、ねじ込みコネクターでもよいコネクター74で一つに結合されうる。
【0024】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、コネクター74は、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、バヨネット、留め金、またはその組み合わせなど、任意のタイプのコネクターでもよい。第二のセクション72は、第二のセクション72内に引き出される空気に応答するセンサー16、電源12、および制御回路11を含みうる。
【0025】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション70は、長軸方向に延びる外側ハウジング22’を含みうる。第二のセクション70は、長軸方向に延びる外側ハウジング22を含みうる。
【0026】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション70は、プレベイパー製剤を含む貯蔵部122を含む。第一のセクション70はまた、プレベイパー製剤を気化するように構成されたヒーター36を含みうる。電子ベイピング装置60は、米国特許出願公開第2013/0192623号(Tucker et al. 2013年1月31日出願)に記載の追加的な特徴を含んでもよく、その内容全体をそれを参照することによって本明細書に組み込む。
【0027】
プレベイパー製剤は、ベイパーへと変換されうる材料または材料の組み合わせでもよい。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工の香料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0028】
第一のセクション70と第二のセクション72の間の接続が完了すると、電源12は、センサー16の起動に伴い、第一のセクション70のヒーター36と電気的に接続可能となりうる。空気は、ハウジング22、22’に沿って、またはコネクター74に位置しうる一つ以上の空気吸込み口144を通して、主に第一のセクション70に引き出される。
【0029】
外側ハウジング22、22’は、一般的に円柱状の断面を有しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、外側ハウジング22、22’は、一般的に三角形の断面または正方形の断面を有しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング22、22’は、先端で、電子ベイピング装置60の口側端での周囲または寸法よりも大きい周囲または寸法を有してもよく、またはその逆でもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング22、22’は、単一の、一元のハウジングである。別の例示的な実施形態において、ハウジング22、22’は、二つ以上の部品を有しうる。
【0030】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図2に示す通り、電子ベイピング装置60は、ハウジング22’の開いた口側端に挿入されるように構成された口側端インサート8を含む。口側端インサート8は、少なくとも一つの出口21を含みうる。一部の例示的な実施形態において、口側端インサート8は、電子ベイピング装置60の長軸方向軸に対して外向きに角を成す二つ以上の出口21を含みうる。
【0031】
図2に示す通り、少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション22’は、ヒーター組立品56を収容する。
図2、3、および4に示す通り、ヒーター組立品56は、長軸方向に延びる煙突ケージ38を含みうる。ヒーター36は煙突ケージ38内で長軸方向に延びてもよい。ガーゼラップなどのヒーターガーゼ52は、ヒーター36の外周の周りに位置付けられ、または巻き付けられてもよい。煙突ケージ38は、ヒーターガーゼ52の外周の周りに位置付けられるか、またはそれを完全または部分的に囲む。内側ガーゼ42および外側ガーゼ44は、煙突ケージ38の外周の周りを囲むか、または完全または部分的に巻き付けられてもよい。内側ガーゼ42および外側ガーゼ44は、プレベイパー製剤を保持するように構成されている。
【0032】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気通路121は、ヒーター組立品56を通して延びる。空気通路121は、長軸方向に延び、空気がヒーター組立品121を通って空気吸込み口144から出口21に流れることを可能にする。空気通路121は、空気通路を通る空気流が、ヒーター36で形成されるベイパーと混合し、ベイパーとともに口側端インサート8の出口21に流れるように、ヒーター36を通って延びてもよい。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品56はハウジング22’に挿入される。ハウジング22’の内表面と煙突ケージ38との間の環状の空間が、プレベイパー製剤を含む貯蔵部122を形成する。内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、または両方は、煙突ケージ38の周りに巻き付けられ、貯蔵部122内に位置付けられている。内側ガーゼ42および外側ガーゼ44およびガーゼラッピング52は、プレベイパー製剤を保持するか、それを貯蔵部122からヒーター36へ吸い上げるか、またはそれを保持して吸い上げる。内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、または両方は、貯蔵部122からのプレベイパー製剤の漏れを低減または最低限にするのを助けうる。
【0034】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、陰極クリップ30はヒーター36に電気的に接続されている。陰極クリップ30は、少なくとも一つのアーム31を含みうる。
図3~4に示す通り、陰極クリップ30は四つのアーム31を含みうる。少なくとも一つのアーム31は、カートリッジが組み立てられる時に、ハウジング22’の内表面に接触するように構成されている。少なくとも一つのアーム31は、ヒーター組立品56に向かう方向、それから離れる方向、またはそれに向かう方向とそれから離れる方向の両方に延びてもよく、また少なくとも一つのアーム31の長さは、変化しうるとともに、外側ハウジング22’の内表面との接触を確保するように選択されうる。
【0035】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図5に示す通り、ヒーター組立品56はまた、ヒーター組立品56の第一の端に位置付けられた煙突ケージキャップ34を含みうる。煙突ケージキャップ34は、貯蔵部122からのプレベイパー製剤の漏れを実質的に防止または低減させるように構成されている。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガスケット50は煙突ケージキャップ34の一部分を囲みうる。ガスケット50は、貯蔵部122からのプレベイパー製剤の漏れを低減または最低限にする。
【0036】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、煙突ケージキャップ34は、一般的にディスク形状を有し、それを通して延びる中央の穴のあるベース47を含みうる。ベース47の外側端は、外側ハウジング22’の内表面に摩擦嵌めしうる。煙突ケージキャップ34はまた、第一の管49および第二の管46を含みうる。第一の管49および第二の管46を通して延びる穴は、空気、ベイパー、または空気とベイパーの両方が煙突ケージキャップ34を通して流れうるように、ベース47にある中央の穴と整列されうる。第一の管49および第二の管46は一般的に円筒形の断面である。第一の管49および第二の管46は、ハウジング22’内で長軸方向に延びる。第一の管49は、第一の管49の第一の端内のスロット150を含みうる。スロット150は、ヒーター36の第一の端部分または電気リード32を受けるように構成されている。ヒーター36の第一の端部分または電気リード32がスロット150に挿入されると、電気リード32は陰極クリップ30に接触し、ヒーター36を電源12に電気的に接続する。電気リード32は、希望に応じて陰極クリップ30にスポット溶接されてもよい。第二の管46は、煙突ケージ38の第一の端に接触するように構成されうる。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図4および8に示す通り、ヒーター組立品56の第二の端で、陽極64の突出部分は、陽極ガスケット54および陰極コネクター58を通して延びる。ヒーター36から延びる第二の部分または電気リード33は、ヒーター36と電源12を電気的に接続するように、陽極に接触してもよく、陽極に溶接されてもよく、または陽極に接触して溶接されてもよい。陰極コネクター58は、第一のセクション70と電池セクション72の間の接続を達成するように、ねじ山のあるセクションを含みうる。
【0038】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部122からのプレベイパー製剤の漏れを低減または防止するように、陽極ガスケット54は貯蔵部122の第二の端を封止しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガスケット54の外周は、外側ハウジング22’の内表面との封止を提供しうる。ガスケット54は、陰極コネクター58の一部分および陽極64を囲みうる。
【0039】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図2に示す通り、一つ以上の空気吸込み口144は外側ハウジング22、22’内に含まれうる。別の方法として、単一の空気吸込み口144は、外側ハウジング22、22’内に含まれうる。空気吸込み口144は、空気吸込み口144の閉鎖を防止または低減するように、コネクター74に隣接して配置されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口144はコネクター74内に提供されうる。
【0040】
上述の通り、少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部122は、煙突ケージ38と外側ハウジング22’の内表面との間の、およびガスケット54と煙突ケージキャップ34の間の外側円環内に含まれうる。従って、貯蔵部22は内部通路121を少なくとも部分的に囲みうる。
【0041】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部122は、電子ベイピング装置60が少なくとも約200秒間のベイピング用に構成されうるように、十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズが決められ、構成されてもよい。電子ベイピング装置60は、毎回の吸煙が最大約5秒間継続することを可能にするように構成されてもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置60は最大吸煙長さを調節するように構成されてもよい。
【0042】
上述の通り、ガーゼラッピング52、内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、またはその組み合わせは、プレベイパー製剤を含んでもよく、吸い上げてもよく、または含んで吸い上げてもよい。従って、ガーゼラッピング52、内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、またはその組み合わせは、貯蔵媒体、またはプレベイパー製剤を吸い上げる材料、または両方を備えてもよい。貯蔵媒体は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6ミクロン~約15ミクロン(例えば、約8ミクロン~約12ミクロン、または約9ミクロン~約11ミクロン)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は無関係にサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。ガーゼラッピング52、内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、またはその組み合わせのそれぞれの密度は、実質的に同一でもよく、または異なってもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガーゼラッピング52、内側ガーゼ42、外側ガーゼ44、またはその組み合わせのそれぞれの厚さは、実質的に同一でもよく、または異なってもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガーゼラッピング52は、自立型の形状を有する、繊維質材料の成形された管でもよい。
【0043】
ベイピング中にプレベイパー製剤は、貯蔵部122、内側ガーゼ42および外側ガーゼ44、または両方から、ガーゼラッピング52の毛細管作用を介して、ヒーター36の近くまで運ばれる。
【0044】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガーゼラッピング52は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含みうる。ガーゼラッピング52は、密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有する場合がある。
【0045】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター36はワイヤーコイルを含みうる。ワイヤーは金属ワイヤーであってもよい。ヒーターコイルは、内側通路121の長さに沿って完全にまたは部分的に延びてもよく、空気はベイピング中にコイルの中央部分を通って流れうる。
【0046】
ヒーターコイルは、任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。適切な電気抵抗性材料の例には、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、それらに限定されない。適切な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、ヒーター36は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込まれ、封入され、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。ヒーター36は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含み得る。一実施形態において、ヒーター36はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されてもよい。別の例示的な実施形態において、ヒーター36は、その外側表面上に電気抵抗性の層を有するセラミックヒーターでもよい。
【0047】
ヒーター36は、ガーゼラッピング52の中のプレベイパー製剤を熱伝導によって加熱してもよい。別の方法として、ヒーター36からの熱は熱伝導性要素によってプレベイパー製剤に伝導されてもよく、またはヒーター36は、ベイピング中に電子ベイピング装置60を通して引き出される入ってくる周囲空気に熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0048】
電源12は電子ベイピング装置60内に配置された電池を含みうる。電源12は、リチウム-イオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウム-イオンポリマーバッテリーでもよい。別の方法として、電源12は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。電子ベイピング装置60は、電源12のエネルギーが消耗するまで、またはリチウムポリマー電池の場合、最小電圧カットオフレベルに到達するまで、成人ベイパー吸引者によって使用可能でありうる。
【0049】
さらに、電源12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にするように構成されている回路を含んでもよい。電子ベイピング装置60を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、センサー16は、空気圧力の降下を感知し、電源12からヒーター36への電圧の印加を開始するように構成されうる。制御回路11はまた、ヒーター36が起動された時に発光するように構成されたヒーター作動灯27も含んでもよい。ヒーター作動灯27はLEDを含んでもよく、電子ベイピング装置60の第二の端にあってもよい。さらに、ヒーター作動灯27は、ベイピング中に成人ベイパー吸引者から見えるように配置されうる。加えて、ヒーター作動灯27は、eベイピングシステムの診断に、または再充電の進行を示すために利用することができる。成人ベイパー吸引者がプライバシーのためにヒーター作動灯27を作動する、作動停止する、または作動および作動停止することができるように、ヒーター作動灯27を構成することもできる。ヒーター作動灯27は、電子ベイピング装置60の先端にあってもよく、またはハウジング22の側面にあってもよい。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路11はセンサー16に応答して電力をヒーター36に供給しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路11は最大時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路11は、成人ベイパー吸引者が吸煙を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。ヒーター36への電流供給の時間は、気化されるプレベイパー製剤の所望の量に応じて予め設定されてもよい。さらに別の例示的な実施形態において、制御回路11はセンサー16が圧力降下を検出する限り、ヒーター36に電力を供給しうる。
【0052】
ヒーター36は起動された時、約10秒未満の間、ガーゼラッピング52の一部分を加熱しうる。従って、電力サイクル(または最大吸煙長さ)は約2秒間~約10秒間(例えば、約3秒間~約9秒間、約4秒間~約8秒間、または約5秒間~約7秒間)の範囲とすることができる。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション70は交換可能であってもよい。言い換えれば、プレベイパー製剤が消耗したら、第一のセクション70のみを交換しうる。別の例示的な実施形態において、貯蔵部122が枯渇すると、電子ベイピング装置60全体が廃棄されてもよい。
【0054】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源12は電子ベイピング装置60内に配置された電池を含みうる。電源12は、リチウム-イオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウム-イオンポリマーバッテリーでもよい。別の方法として、電源12は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。電子ベイピング装置60は、電源12のエネルギーが消耗するまで、またはリチウムポリマー電池の場合、最小電圧カットオフレベルに到達するまで、成人ベイパー吸引者によって使用可能でありうる。
【0055】
さらに、電源12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にするように構成されている回路を含んでもよい。電子ベイピング装置60を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0056】
さらに、制御回路11は、センサー16に応答してヒーター36へと電力を供給してもよい。一つの例示的な実施形態において、制御回路11は最大時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路11は、成人ベイパー吸引者が吸煙を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。ヒーター36への電流供給の時間は、気化されるプレベイパー製剤の所望の量に応じて予め設定されてもよい。さらに別の例示的な実施形態において、制御回路11はセンサーが圧力降下を検出する限り、ヒーター36に電力を供給しうる。
【0057】
例示的な実施形態において、電子ベイピング装置60は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さおよび約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、一実施形態において、電子ベイピング装置60は、約84ミリメートルの長さであってもよく、約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0058】
少なくとも一つの例示的な実施形態において(図示せず)、内側ガーゼ42および外側ガーゼ44は、電子ベイピング装置60から除外されてもよい。
【0059】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のカートリッジを自動的に製造する方法が提供されている。方法によって、電子ベイピング装置の製造の複雑さを低減する簡略化された装置となりうる。
【0060】
図6A~6Iに示す通り、方法は、第一の電気リード32を煙突ケージキャップ34の中央を通すことと、少なくとも一つのアーム31を含む陰極クリップ30を備えた第一の電気リード32に接触することとを含む。方法はまた、第一のマンドレル80を陰極クリップ30の中央を通して、および煙突ケージキャップ34の中央を通して挿入することを含む。方法は、
図6Cに示す通り、ヒーターコイルを第一のマンドレル80の基部の周りに巻き付けることを含みうる。第一のマンドレル80は、間隙を介した関係でコイルヒーター36の巻き付けを維持するように、ヒーター36の中央を通って延びる基部部分を含んでもよく、これが加熱中のホットスポットを回避または減少させうる。
【0061】
図6Dに示す通り、方法は、巻き付けられたヒーターを形成するためにガーゼ材料52をヒーター36の周りに巻き付けることをさらに含みうる。ヒーター36が巻き付けられたら、方法は、ヒーター組立品56を形成するために、巻き付けられたヒーターの上に煙突ケージ38をスライドさせることを含みうる。ガーゼ材料52は、巻き付けられたヒーターの上に煙突ケージ38がスライドされるように、十分にきつく巻かれて、ヒーター36の周りに固定されうる。
【0062】
別の例示的な実施形態において、煙突ケージ38がラッパーヒーターの上にスライドされる間に、舌またはその他の用具がガーゼ材料52をヒーター36の周りの定位置に保持してもよい。煙突ケージ38が定位置になったら、舌は引き出されてもよい。別の例示的な実施形態において、煙突ケージ38は、煙突ケージ38が開き、巻き付けられたヒーターの周りに位置付けられ、その後その周りに固定されるように、ヒンジ機構(図示せず)を含みうる。
【0063】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図6Fに示す通り、方法はまた、煙突ケージ38をヒーター36の周りに位置付ける前または位置付けた後で、第二のマンドレル82をヒーター36に挿入することを含みうる。
【0064】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図6Gおよび6Hに示す通り、方法は、巻き付けられたヒーター組立品に向かって少なくとも一つのアーム31が延びるように少なくとも一つのアーム31を折り畳むこと、または巻き付けられたヒーター組立品56の上にハウジング22’をスライドさせること、または両方を含みうる。別の例示的な実施形態において、少なくとも一つのアーム31は、折り畳まれることなく(従って方法は折り畳む工程を含む必要がない)、ハウジング22’の内表面に接触するようにサイズが決められ、構成されている。
【0065】
一部の例示的な実施形態において、
図6Iに示す通り、方法はまた、巻き付けられたヒーター組立品を形成するために少なくとも一層のガーゼ材料42、44をヒーター組立品56の煙突ケージ38の周りに巻き付けることを含みうる。方法はまた、少なくとも一つのアーム31が、巻き付けられたヒーター組立品から離れて延びるように、少なくとも一つのアーム31を折り畳むことを含みうる。
【0066】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、第一のマンドレル80を除去することと、第二のマンドレル82を除去することと、巻き付けられたヒーター組立品の第二の端に第二のコネクター58を挿入することとを含みうる。
【0067】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法はまた、ヒーター組立品56が外側ハウジング22’内に位置付けられ、かつ貯蔵部122が煙突ケージ38と外側ハウジング22’の間に確立された後で、プレベイパー製剤を少なくとも一層のガーゼ材料42、44上に注入することを含みうる。
【0068】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、マンドレル80が除去された後で、口側端インサート8をハウジング22’の第一の端に挿入することを含みうる。
【0069】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、第一の電気リード32を煙突ケージキャップ34内のスロット150に通すことと、陰極クリップ30を煙突ケージキャップ34上に位置付けることと、第一の電気リード32を陰極クリップ34に溶接することと、その組み合わせとを含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、電気リード32は、陰極クリップ34に溶接される必要がないが、スロット150を通して電気リード32を位置付けすることによって、陰極クリップ34との接触が維持される。
【0070】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図7A~7Eに示す通り、方法は、
図6A~6Iでの方法と実質的に同一であるが、ヒーターコイルを第一のマンドレル80の周りに巻き付ける代わりに、第一のマンドレル80をヒーター36の第一の端を通して挿入することを含みうる。
【0071】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形物が可能でありうる。かかる変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。